有価証券報告書-第13期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/30 15:30
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144項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、グローバルに使われるプラットフォームビジネスを目指し、以下の企業理念を掲げております:
「Making Things Happen for a world that works together」—モノや人がつながり、それぞれの価値が増幅し合い、想像を超える未来が次々と生まれていく世界—
このプラットフォームとは、オープンでフェアで、アイディアを持つ誰もが利用できる共通の基盤です。クラウドの登場がアイディア実現の初期コストを下げ、多くのスタートアップとイノベーションを生む原動力となったように、当社グループのAI/IoTプラットフォームを通じて、素晴らしいアイデアを持つお客さまがテクノロジーを活用し、社会的問題を解決することを支援します。
当社グループは、IoTテクノロジーのプロフェッショナルとしてこの分野のフロントランナーであり続けるとともに、先進テクノロジーが社会をより良く進化させ、サスティナブルな社会を創ると確信しております。
AI/IoTコネクティビティプラットフォームの拡充とグローバル展開を加速させ、日本発のグローバルリーダーとしてグローバルNo.1を目指します。
(2)経営戦略等
当社グループは、上記の経営方針の下、グローバルNo.1 AI/IoTプラットフォームへの成長を実現するため、「IoT中核事業の成長と拡張」及び「海外展開の加速」を主要成長ドライバーと位置づけ、これらにM&Aによる「インオーガニック成長」を組み合わせることで持続的かつ飛躍的な成長基盤を確立するとともに、当社のAI/IoT基盤の強みを活かした「新たな成長市場への展開」を加速してまいります。
(a)IoT中核事業の成長と拡張
当社グループの中核事業であるIoTコネクティビティプラットフォームは、国内外の幅広い産業においてIoTの導入が加速するなか、引き続き堅調な成長を見込んでおります。
リカーリング収益の持続的な成長
当社グループは、IoTサービスを始める顧客企業に向けて包括的なサービスを提供しております。具体的には、IoTデバイスやIoT SIM、IoTに必要な通信回線、IoTサービスに求められるデータ保存や可視化アプリケーション、ネットワークサービス等をプラットフォームサービスとして提供しております。
当社プラットフォームでは、Web上で提供するIoTストアから、IoT SIMやデバイスを1個単位で購入し、すぐにサービス利用を開始することができるセルフサービスモデル型で事業を展開しております。Web広告やイベントを通じて当社プラットフォームの認知度を上げるとともに、IoTの導入ハードルを下げることで、幅広いセルフサービスアカウント(注1)の獲得を目指しており、セルフサービスアカウント数の増加がひとつの成長ドライバーとなります。
セルフサービスアカウント数の増加に加えて、メジャーアカウント(注2)への転換も当社グループの成長ドライバーになると考えております。当社グループにおいては、顧客によるIoTの導入規模や成長スピード等のポテンシャルを考慮の上でサービス導入や将来の取引拡大にかかるサポートを要すると判断した場合には、IoTに精通したアカウントマネージャーが対応することとしており、さらに、顧客ニーズに応じてスムーズなサービス導入及び立ち上げを促進するプロフェッショナルサービスを提供しております。
当社プラットフォームを利用するセルフサービスアカウントが成長することで、契約回線数並びにデータ通信量が拡大するケースが多く、当社プラットフォームの利用料が増加し、メジャーアカウントへ成長する事例も増えております。結果として、第13期連結会計年度におけるリカーリング収益のNRR(注3)は121%の伸びとなっております。
また、これらのメジャーアカウントの成長による成功事例が、当社プラットフォームのサービスの評価や認知向上に繋がり拡散されることによるネットワーク効果から、更なるセルフサービスアカウントの獲得に結び付くという好循環を生み出しているものと認識しております。さらに、当該ネットワーク効果は、IoTに精通しているアカウントマネージャーが比較的大規模にIoT事業を始める顧客に直接アプローチすることで、新規のメジャーアカウントの獲得にも寄与しており、2026年3月末でグループ全体の課金アカウントは1万4百と継続的に増加しております。
なお、IoT領域における特性に加え上記のアカウントマネージャーのフォローにより、2026年3月末の主要顧客の年間解約率は0.4%(注4)に留まっております。
当社プラットフォームは、5G/6G、衛星通信、生成AI、などのテクノロジーの進化、異なる業種での顧客利用にあわせ、今後も継続して新規機能を追加していく予定であり、リカーリング収益の持続的な成長が見込まれます。
国内市場戦略
国内では、AI対応(AI Ready)化が求められる産業において大容量・低遅延・高信頼の通信基盤への需要が構造的に高まっており、AIが必要とする通信へのシフトが接続単価を押し上げ、接続数と単価の両面で成長が加速する局面に入ったと認識しております。
また、ミソラコネクト・キャリオット等のグループアセットを統合し経済圏を拡大するとともに、クロスセルの推進、通信ネットワーク統合による原価低減、当社の技術基盤の移植によってグループ全体の収益性を底上げしてまいります。
当社プラットフォームを活用することで、顧客企業のイノベーションの初期投資を抑え、より多くの企業が社会課題の解決に向けたAI/IoTテクノロジーの活用に取り組めるよう支援してまいります。
(注1)セルフサービスアカウントとは、当社のアカウントマネージャーが担当していない比較的小規模なアカウントをいいます。
(注2)メジャーアカウントとは、規模や将来性等を踏まえ当社のアカウントマネージャーが担当しているアカウントをいいます。
(注3)Net Retention Rate の略称。既存顧客のリカーリング収益の継続率を表し、以下の式で算出しております。NRR=(前期以前に獲得した顧客の当期リカーリング収益)÷(当該顧客の前期リカーリング収益)。
(注4)2026年3月31日時点。年間解約率 = (12か月間リカーリング収益の発生していないアカウント数) ÷ (年間1,000千円以上のリカーリング収益が発生しており、かつ、12か月間以上リカーリング収益の発生していない期間が存在しないアカウント数)
(b) 海外展開の加速
当社グループのAI/IoTコネクティビティプラットフォームは、「2026 Gartner® Magic Quadrant™ for Managed IoT Connectivity Services, Worldwide」においてSoracom-KDDIがリーダーの一社として位置づけられたほか、複数の主要調査機関からも最高水準の評価を獲得しており、グローバルでの認知度と競争力は着実に高まっております。
グローバル販売体制の構築
当社プラットフォームは、グローバルに提供できるBtoBプロダクトであり、日米欧の世界三拠点で販売カバレッジに対応した体制を構築しております。実際、世界標準の通信規格とメガクラウドに準拠する当社グループのサービスは、米国や欧州を含め海外で既にプロダクトマーケットフィットを確認しております。
海外拠点においては、営業人員拡充による販売体制強化を継続しており、顧客獲得においては米国拠点、欧州拠点ごとにその地域の顧客や市場に最適化したアプローチをとっております。
米国拠点:より中堅・中小企業やスタートアップ企業などを対象としてセルフサービスアカウントの獲得に注力するとともに、メジャーアカウントへ成長するサポートに注力しております。数千社規模のTSAネットワークを保有するTSD(Technology Solution Distributor)との提携を深化させることで最小限の直販リソースで高い成長を実現しております。
欧州拠点:有望な見込み顧客への直接アプローチに注力することで顧客開拓を進めております。
米国・欧州を中心とした社会・産業インフラへの採用が拡大するなか、グローバル売上比率はすでに4割に達しております。グローバル比率50%超を目指してまいります。今後は中南米・アジアをはじめとする新興地域への段階的な進出も進めてまいります。
今後も、米国拠点と欧州拠点のそれぞれの販売体制構築に向けたリソース拡充に努めてまいります。
(c) インオーガニック成長(戦略的M&A・アライアンス)
オーガニックの成長基盤を確立した上で、M&Aによるインオーガニック成長も積極的に推進してまいります。国内外のIoT MVNOの買収によるリージョン拡大と、AIやIoTソリューション領域における技術補完を両軸として、ターゲットの選定を進めております。買収後は当社のクラウドネイティブ・モバイルコア技術への移行によってコスト削減とサービス品質向上を同時実現し、グローバルNo.1の地位を不可逆なものとしてまいります。
戦略的アライアンスの強化
丸紅グループとは、ミソラコネクトの子会社化をはじめ複数の分野において戦略的協業を推進しており、あらゆる産業のデジタル変革の加速と、持続可能でスマートな社会基盤の実現を目指してまいります。
当社グループは主要株主であるKDDI株式会社と戦略的アライアンスを組み、コネクテッドカー分野に取り組んでおります。グローバルなコネクテッドカーは、海外の地域キャリアと連携する必要があり、当社プラットフォームの海外通信キャリア連携の強みが活きる分野と考えております。通信キャリアとの連携において、KDDI株式会社へのIoT通信管理プラットフォームの開発・導入支援等も既に開始しております。今後、当社グループのテクノロジーを海外の他通信会社へ提供し、売上成長及びグローバルスタンダードの確立も期待できるものと考えております。
また、2024年2月にスズキ株式会社ともモビリティサービス分野のIoT先端技術の活用に向けた合意書を締結しております。
これらのアライアンスを通じて、ユーザー、パートナーのみなさまとともに、テクノロジーが社会をより良く進化させるエコシステムの構築に取り組んでまいります。
(d) 新たな成長市場への展開
上記の成長基盤を土台として、当社グループはAI/IoT基盤の強みを活かした以下の4つの成長市場において、収益機会の拡大を加速してまいります。当社プラットフォームを活用したイノベーティブなソリューション提供を通じて、様々な業界のお客さまの社会的課題解決を支援いたします。
大規模案件の安定的な獲得
当社プラットフォームは、主力サービスであるIoT通信の「SORACOM Air」をはじめとした多くのサービスを提供しております。様々な業種の顧客においてIoTの導入が進むにつれて、多様なニーズ、事業機会が生まれると想定されます。
今後のさらなる成長に向けて、顧客のフィードバックに基づくサービス開発を通じてAI/IoTプラットフォームサービスを継続的に拡充させるほか、各産業で必要とされるサービスを顧客の業務の流れやビジネス展開に沿った形で提供する取組みにより、また、クラウドカメラやIoTストア等のデバイス販売分野においても一時的な売上だけではなく、同様に顧客のニーズやビジネス展開に沿った提案をすることで、通信サービスの継続利用につなげ、事業の方向性を拡大し、収益機会を最大化してまいります。
当社グループは、IoTの導入を進める多くの業界へ水平に展開してきましたが、いくつかの業界においては、その業界に特化したIoTデバイスやIoT関連サービスの開発を共に行うことで、深い業界知識と様々なニーズに対応できる技術を蓄積しております。今後は、その業界特有のIoTに関する課題を解決するサービスを開発・提供するといった垂直的な展開を進めていくことによって、大規模案件の安定的な獲得につなげ、さらなる収益の向上に向けて取り組んでまいります。
第一:通信事業者向けサービス(MVNE)
国内外のMNOに対し、旧来型の通信設備をクラウドネイティブ・モバイルコアで代替することで設備コストの大幅削減を実現します。すでにKDDI株式会社との包括契約のもとで協業を深化させており、他の国内外通信事業者への展開を推進することで数百億円規模のMNO設備更新需要を取り込んでまいります。
第二:コネクテッドカー
次世代eSIM標準(SGP.32)準拠のeSIM管理を軸に、国内外のモビリティ企業へ国境を問わずシームレスな車載通信を提供します。グローバルなコネクテッドカーは海外の地域キャリアとの連携が不可欠であり、当社プラットフォームの海外通信キャリア連携の強みが最大限に活きる分野と位置づけております。
第三:AIネイティブカメラ
クラウドカメラとAI解析を組み合わせることで物理世界をリアルタイムに可視化し、現場データを経営判断へ統合するサービスを提供します。フィジカルとデジタルをAIで繋ぐプラットフォームとして、幅広い産業における需要の取り込みを図ってまいります。
第四:AI×IoTソリューション
通信・クラウド・デバイスを一気通貫で提供するソリューション事業を推進することで、フィジカルAI時代における新たな収益の柱を創出してまいります。生成AIによるオペレーション自動化やコスト削減効果も、グループ全体の競争力強化に寄与するものと考えております。
(3)経営環境
①市場環境
当社グループが展開するAI/IoTプラットフォーム事業は、IoTプラットフォーム市場やIoT関連のサービス市場のうち、コネクティビティ、サービス、ソフトウェア及びハードウェア(エンドポイント)を対象市場として想定しております。このIoT市場は、技術革新の波に乗り、今後も年間二桁成長率を維持することが予想されており、進化する生成AIや5Gなどのテクノロジーは、コネクテッドカーやスマートシティといった多岐にわたる業界においてIoTの展開を促進することが期待されています。また、IoTデータの蓄積が進むにつれて、その価値はさらに増大すると予測されており、2026年時点で全世界でそれぞれコネクティビティ市場(セルラー・LPWA回線他)は約646億ドル、インフラストラクチャ市場(クラウド基盤やデータ処理等)は約738億ドル、ソフトウェア市場(IoTプラットフォームやアプリケーション等)は約1,324億ドル、エンドポイント市場(センサーやセキュリティ機器等)は約3,081億ドル及びサービス市場(システム設計や構築等)は約626億ドルと、2029年時点では合計で約9,523億ドルの市場規模が見込まれております(注)。当社グループが注力するコネクティビティ市場はもちろんのこと、ソフトウェアやサービスを含む広範な領域で成長機会があります。
(注) 市場規模は、IDC「Worldwide Internet of Things Spending Guide」(2025年12月)におけるConnectivity、Infrastructure、Software、Endpoint及びServicesの各市場規模(米ドル)を参照しております。
② 競争優位性について
当社グループは、IoTに必要な通信回線やデバイスを提供するとともに、インターフェースやアプリケーション、ネットワークサービス等、IoTを導入・運用する際に必要となる多種多様な機能をワンストップで利用可能なプラットフォームを提供しております。国内外の移動体通信事業者(MNO)より通信回線(携帯電話網)を調達し、サービスを提供するとともに、必要に応じて経営資源とノウハウを補完し合えるエコシステムパートナーとの協業を図り、常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感をもって的確に対処することで、競合サービスとは異なる優位性を構築しております。
③ 事業・サービスの概要について
当社の主要なサービスの内容につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容(2)事業・サービスの概要」に記載しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社プラットフォームは従量課金モデルで提供しており、リカーリング収益の拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断する上で、契約回線数や課金アカウント数を重要な指標としております。リカーリング収益は経常的に得られる利用料の合計額であり、経営上の目標の達成状況を把握するものです。リカーリング収益を拡大させるためには特に課金アカウント数(注1)とリカーリング収益のARPA(注2)の拡大が重要と考えております。
(注1)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。
(注2)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
AI/IoTプラットフォーム市場やIoT関連のサービス市場は、事業環境の変化が早く、顧客企業のニーズが絶えず変化しております。当社グループは直面する課題に対処するだけではなく、今後さらなる成長を実現するために、以下の取組みを行ってまいります。
① 優秀な人材の採用と育成
当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えております。特に、イノベーションによりIoTの力で顧客の課題解決並びに事業成長を支援できるAI/IoTプラットフォームを開発・提供していくことが重要と考えており、顧客ニーズを適切に把握できる営業や開発の人員の強化が求められております。当社グループのミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用するために、積極的な採用活動を推進するとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取組んでまいります。
② 技術力の強化と追加サービスの展開
AI/IoTプラットフォームに係る独創的な技術力は当社グループの競争力の源泉であり、事業の成長を支える基盤でもあることから、継続的な改善、強化が重要であると考えております。優秀な技術者の採用や先端技術の把握及び当社サービスへの反映を通じて、技術力の向上に取組んでまいります。
またAI/IoTプラットフォームとしての価値向上のために、自社サービスの追加開発や、当社プラットフォームにおいて他社のアプリケーションの連携を容易にする仕組みを継続的に開発し続けてまいります。
さらに、成功事例として蓄積されたノウハウを横展開し、新規顧客の獲得を進めてまいります。
③ 海外市場における事業成長
当社グループは、2016年11月の北米におけるサービス開始、2017年2月の欧州におけるサービス開始を起点に、海外市場への展開を開始いたしました。世界的なIoT導入の加速、インターネットに接続されるデバイス数の飛躍的な増加を背景に、1回線から手軽にIoTを始めることを可能にする当社のビジネスモデルは海外市場においても事業機会を形成することができるものと考えており、当社グループは、投資規律を維持しつつ、今後も戦略的に海外市場での事業成長を図ってまいります。
一方で、当社グループの海外事業は人材の採用・育成やマーケティング活動に対する投資段階にあり、中期的には売上高拡大を重視した海外事業のさらなる拡大に向けて、以下2点の取組みを重点的に行ってまいります。
a. 営業体制の強化
当社グループの海外事業の成長を加速させる上で、海外拠点における営業体制の拡充は必要不可欠であると考えております。当社グループは、ミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材の確保や、教育研修制度の拡充を行うことで、より強固な営業体制の構築に努めてまいります。
なお、米国及び欧州における営業体制は一定の規模に達しており、現在は人材の質の向上と組織の最適化に注力しております。
b. 顧客獲得・マーケティング強化にかかる対応
グローバルでの認知度も高まっており、世界的な調査会社であるCounterpoint ResearchによりCMP(Connectivity Management Platform)ランキングにおいて3年連続でリーダーに選出され、IoT MVNOの中で最高のケイパビリティ評価を獲得しました。また、2026年のGartner® Magic Quadrant™ for Managed IoT Connectivity ServicesにおいてもSoracom-KDDIがリーダーの1社として位置づけられました。
海外顧客基盤の拡大のためには、さらなる知名度の向上が不可欠と考えております。当社グループは、今後もオンライン、オフライン双方でのイベント開催等を中心とした情報発信を通じて、知名度向上に努めてまいります。
④ 戦略的アライアンスパートナーとの事業連携
当社は、2021年6月にセコム株式会社、ソースネクスト株式会社、ソニーグループ株式会社、日本瓦斯株式会社(ニチガス)、株式会社日立製作所及びWorld Innovation Lab(WiL)の6社と資本提携を含むパートナーシップを締結しております。6社とのグローバルビジネス協業を通じて、当社プラットフォームの国内外における利用実績を拡大し、顧客フィードバックに基づいてサービスを拡充していくことを目的としております。
また、今後は事業ポートフォリオの拡大及び既存事業とのシナジー創出等による事業成長を目的とし、IoTに関連するデバイスやアプリケーション領域にて事業展開する企業に対する当社グループからの出資を行う方針であります。その一環として、2022年5月には、ビジネス分野でのカメラ活用を推進するためIoTスマートホーム製品を開発・製造販売するアトムテック株式会社と資本業務提携を開始しております。また、2024年2月にスズキ株式会社とモビリティサービス分野におけるIoT先進技術の活用に向けた合意書を締結しております。
当社グループは、必要に応じて経営資源とノウハウを補完し合えるアライアンスパートナーとの協業を図り、常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感をもって的確に対処しながら、企業価値のさらなる向上に向けて事業展開を進めてまいります。
⑤ 通信ネットワークの増強
多様な顧客が手軽に利用できるAI/IoTプラットフォームを構築するためには、通信ネットワークの運用効率化の推進が必要となります。当社グループは、特に海外における複数地域キャリア等からの回線調達の拡充を重点的に行うことで、今後も通信ネットワークの増強に努めてまいります。
⑥ 自社デバイス製品の開発強化
当社グループは、IoT領域における技術革新に迅速に対応し、事業競争力の向上を図るため、今後新たな人員確保、研究開発の拡充を通じて、セルラー対応のAIカメラ、IoTセンサーといった自社デバイス製品の開発を強化していく方針であります。
⑦ 出資による資本提携の実施
当社グループは、IoTに関連するデバイスやアプリケーション領域にて事業展開する企業等への出資による資本提携を通じて、ポートフォリオの拡大及び既存事業とのシナジー創出等による事業成長を検討してまいります。
この戦略の一環として、2024年10月には、IoTプラットフォーム開発・提供を手掛ける株式会社キャリオットを連結子会社化しました。これにより、当社のIoTソリューション提供能力が強化され、顧客への付加価値提供がさらに向上しました。また、2025年8月には、丸紅ネットワークソリューションズ株式会社のMVNO事業を承継した株式会社ミソラコネクトを連結子会社化し、IoT通信サービスの提供基盤をさらに強化しました。
⑧ 財務上の課題
当社グループの当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は767,457千円、現金及び預金の残高は9,269,384千円となっており、当社グループの事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しており、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はございません。しかしながら、今後事業拡大のための優秀な人材の採用や広告宣伝・販売促進等のマーケティング投資、AI/IoTコネクティビティプラットフォーム「SORACOM」の拡充のための開発投資を進めていった際に、意図した投資成果が得られない場合には、流動性が低下する可能性があります。
当社グループは、事業規模の拡大状況から投資タイミングを見極め、投資成果を最大限に得られるようなリスク対策や施策を行いながら、投資を進めてまいります。

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