有価証券報告書-第17期(2025/07/01-2026/06/30)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針・経営戦略等
当社グループは「真にユーザーサイドに立った新しいフィナンシャルサービスを作る」というビジョンのもと、「テクノロジーと分析の力でユーザーにパワーを」という事業のミッションに基づき、ビジネスを展開しております。
また、当社グループでは「Enjoy」「Big Try」「Professional」という3つの行動指針を共通の価値観として大切にしながら、オンラインテクノロジーを活用し、ユーザーにとって最適な住宅ローンサービス、最適な不動産投資用サービスの開発・提供に取り組んでおります。
こうした経営方針の下、当社グループの主要なサービスである一般顧客向けサービスである「モゲチェック」「INVASE」の普及と、関連するサービスの提供により、ユーザーにとって最適な住宅ローン選び、投資用不動産物件の選択の実現や付帯サービス提供による利便性の向上に貢献してまいります。
モゲチェック事業において、具体的なマーケティング戦略としましては、当連結会計年度においては、本格的な金利上昇局面への移行に伴う金融機関の広告戦略の変化を踏まえ、売上高の拡大よりも収益性を高めることを優先する方針とし、広告宣伝費の抑制推進による顧客獲得効率の向上と費用対効果の最適化に取り組んでまいりました。また、ユーザーの住宅ローンサービスに関連する各銀行との関係強化を図り、当社サービスの利便性強化を実施してまいります。
INVASE事業につきましては、他社への送客を行うバウチャーサービスを中心とした送客モデルから、連結子会社であるコンドミニアム・アセットマネジメント株式会社を通じて投資用不動産の仕入・販売及び仲介並びに投資用ローンの紹介を自ら行う売買モデルへの移行を進めてまいりました。加えて、仕入・販売に賃貸管理を加えることにより、投資用不動産の取得から運用までを一貫して提供するサービスモデルの確立に取り組んでおります。
さらに、生成AIを活用した「AIアドバイザー」等によるサービスのAI化を推進するとともに、独自の不動産価格モデルや商談・物件分析へのAIの活用により、営業活動の高度化・効率化を進めております。
以上のような施策により、顧客の認知度向上及びサービスの満足度を向上させ、高い成長性の確保と継続的な収益の確保を実現していく方針であります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高及び営業利益を特に重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めております。
当社グループの主要なサービスである「モゲチェック」は、住宅ローン審査申込や住宅ローン融資実行額に応じて銀行から手数料を受領するフロービジネスのモデルであるため、当該フローの源泉となりますオンラインマーケティング等による集客数(サービスサイトへのアクセス数)やサービス登録者数を重視しております。また、当該フローに関連して住宅ローン審査申込数及び成長率に加えて、1審査申込当たりの手数料及び審査申込当たり顧客獲得コストを重視しております。
同様に「INVASE」においては、集客数(サービスサイトへのアクセス数)やサービス登録者数に加えて、投資用物件の契約数及び投資用ローンの紹介件数を重視しております。なお、バウチャーサービスにつきましては、他社への送客を順次停止し、連結子会社への送客に注力していることから、バウチャーサービスに係る集客数及び申込数の重要性は低下しております。
(3)経営環境
「モゲチェック」サービスは住宅ローンの提案サービスであることから、住宅ローン市場の市場拡大が業績に影響を与えるものと考えております。以下のグラフのとおり、2018年から2024年にかけて、国内における住宅ローンの新規貸出額は、19.4兆円から22.2兆円と約14.4%増加しております。当該住宅ローン新規貸出額が上昇基調にある要因として、住宅ローン減税による購入需要の喚起、マンション価格の上昇及び変動金利を中心とした低位の適用金利の3点が挙げられると判断しております。

(新規貸出額推移、単位:兆円)
(出所:国土交通省 令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書より当社作成)
わが国の金利環境につきましては、日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除して以降、段階的な政策金利の引上げが行われており、本格的な金利上昇局面へ移行したものと認識しております。長期金利の上昇が先行したことにより住宅ローンの固定金利と変動金利の金利差は拡大し、変動金利を選好する動きが継続しております。他方、金融機関においては預金の獲得競争が激化し、住宅ローンの金利引下げ幅を縮小する動きや、インターネット専業銀行を中心に広告宣伝費を抑制する動きがみられ、住宅ローンの獲得姿勢は慎重化しております。当社グループといたしましては、こうした環境が当面継続するものと想定しております。

(日本国債10年物利回りの推移)
(出所:財務省等の公表データより当社作成)
また、住宅ローン減税については、2026年度の税制改正により2030年末までの延長が決定(2030年中に入居された住宅に係る住宅ローンに対して適用可能)されており、最大2042年までの住宅ローン減税による長期的な需要喚起が見込まれております。
マンション価格については、当連結会計年度においても上昇基調が継続しており、中古マンション需要が引き続き高い状態が続いております。2020年3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が緩和され、首都圏中古マンション成約件数は2020年4月を起点として緩やかな上昇傾向が続いており、2025年においては大きく上昇しました。(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)
こうした環境を踏まえると、当社グループの主要なサービスであるモゲチェック事業は底堅い住宅ローン市場に立脚していると認識しており、今後の更なる認知度向上に伴い、当社グループのサービスへの需要も更に拡大していくものと考えております。
今後の住宅ローン市場については金利動向及び住宅に係る需給バランスによるところがありますが、以下の持ち家比率の推移にあるとおり、金利動向、経済動向に関わらず住宅購入に係る需要は常に60%程度と一定以上の水準で推移していることから、今後も一定の住宅需要が存在すると想定されます。
また、「INVASE」サービスにつきましては、当連結会計年度において投資用不動産の仕入・販売及び仲介を自ら行う売買モデルへの移行を進めた結果、当該事業の売上高が当社グループの売上高の84.9%を占めるに至っております。当社グループが対象とする賃貸住宅(投資用不動産)の資産規模は91.3兆円、うち東京都は約37.9兆円とされており(出所:株式会社ニッセイ基礎研究所「わが国の不動産投資市場規模(2025年)」(2025年12月26日公表)より当社作成)、当社グループのシェアは限定的であることから、事業の拡大余地は大きいものと考えております。

出所:総務省統計局「住宅・土地統計調査」より当社作成
このような最近の業界動向及び事業環境の変化を踏まえ、当社では、「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおりプロダクトの開発を進めてまいりました。利便性の向上等によりモゲチェックサービス会員数、INVASEサービス会員数が増加したものと考えております。
当社は、引き続き「モゲチェック」サービスのAI化の推進及び不動産会社や保険会社等との提携と、INVASEサービスにおける仕入から販売に至る業務プロセスの標準化を重点課題と位置付け、持続的な成長を維持できるよう推進してまいります。
また、主力サービスである「モゲチェック」サービスの優位性、差別化の特徴は4点あります。以下の図は概要となります。

① 業態
「モゲチェック」は貸金業法に基づく登録を受けてオンラインにおける住宅ローン提案サービスを提供しており、他の住宅ローン比較サイトが広告業を成り立ちとしている点でサービスの内容が異なります。
② 信用力分析
「モゲチェック」はユーザーの信用力の分析に基づいた住宅ローンの提案サービスを軸としており、表面金利の高低による金利ランキングが中心となる住宅ローン比較サイトと異なり、ユーザー個人に対してのオーダーメード型のサービスとなっています。当該信用力分析は取得済みの特許(特許番号7366355号)「融資承認確率算出装置、融資承認確率算出方法、及びプログラム」を活用しております。住宅購入に際しての顧客の主な課題として、「自分が住宅ローンをいくら借りられるのか」「どの銀行であればローンが通るのか」が考えられます。銀行ごとに顧客が申込を全て実施すればそれぞれの銀行において審査を受けることは可能ですが、手間あるいは購入予定物件の申込期限等に鑑みて現実的とは言い難いと考えられます。モゲチェックを通じてのみ、「自分がいくら借りられるのか」「どの銀行であればローンが通るのか」がわかるのであれば、その利便性をもってモゲチェックを使う理由になり、他社との差別化の特徴であると考えております。
③ クイック申込
「モゲチェック」は申込方法の利便性を追求している一方で、他のサービスにおいては審査申込は個別銀行ごとにユーザーが対応する必要が発生します。
④ チャットサポート
「モゲチェック」は住宅ローンの提案から決済まで人とAIによるサポートを実施しており、当連結会計年度においては、生成AIを活用した「AIアドバイザー」等の導入により、住宅ローンに関する質問への回答、診断結果の説明及びユーザーからの個別の質問への回答の各段階においてAIの活用を進めてまいりました。住宅ローン比較サイトはビジネスが広告業をベースとしているため、こうしたサポートができません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
① 競争環境の変化への対応とAI化の推進
国内の金利上昇を受けた競争環境の変化により、金融機関の住宅ローンに係る集客方針にも変化が生じており、オンライン集客のプラットフォームであるモゲチェックを取り巻く事業環境は厳しい状況が続く可能性があると認識しております。これに対して、当社グループは、効率的なマーケティング戦略によるコスト効率向上に努めるとともに、生成AIのテクノロジーを最大限活用し、モゲチェックのAI化を推進してまいります。また、INVASE事業においてもAIの活用による営業プロセスの型化を進めることにより、事業環境の変化に対応してまいります。
② INVASE事業の収益基盤の安定化
当社グループは、オンライン不動産投資サービス「INVASE」に加え、投資用不動産の売買モデルへの移行を進め、当連結会計年度においてINVASE事業の通期での黒字化を達成いたしました。一方、当該モデルは業績の変動が生じやすいことから、業務プロセスの標準化により安定的な収益を確保することが課題であると認識しております。今後は、一連の業務の標準化を進めるとともに、提携する金融機関の拡大等により、収益基盤の安定化と拡大を図ってまいります。
③ 継続的な新サービスの提供
当社グループが今後も成長を持続していくためには他社との差別化が急務であり、サービスの優位性を高めるための機能強化・追加が必要不可欠であると認識しております。当社グループは、特定分野・技術に固執せずに、新しい技術分野にも取り組みながら、幅広い技術分野を網羅し、最適なものを組み合わせてサービスを提供することを重視しております。AIやクラウドだけでなく、今後も既存のサービスとの連携を図りながらWeb、モバイル、ビッグデータ解析等の技術や、Webサービス、モバイルアプリ双方において優れたユーザー体験を実現するUI/UX(注)のノウハウを用いることで、ユーザーニーズに柔軟に対応できることが当社グループの事業展開上の強みとなっていると認識しております。今後も当社の付加価値を上げるサービスを展開してまいります。
(注) UI/UXとは、User Interface/User Experienceの略称で、UIとはユーザーがパソコンやスマートフォン等のデバイスを通じてデザイン、フォントや外観など視覚に触れる情報のことであり、UXとはユーザーがUIを実装したサービスを通じて得られる体験を指します。
④ 既存サービスの強化を目的とした認知度向上
当社グループのサービスはオンラインサービスであることから、住宅ローン利用予定者や投資用不動産購入予定者など、潜在的なユーザーによるサービスのオンライン検索において、当社グループのサービスの第一想起が重要であると認識しております。モゲチェック事業及びINVASE事業ともに、オンライン広告等による認知度の向上に加えて、サービスサイトの導線改善等により検索エンジンの検索結果からの流入の増加が見られております。今後も、費用対効果を重視したオンライン広告の運用とサービスサイトの改善を通じて、認知度の向上を図ってまいります。
⑤ 優秀な人材の継続的な採用と育成
当社グループは、成長戦略を着実に実行していくことで売上高の高成長を実現するとともに、営業利益率の向上を図ることが課題であると認識しております。そのためには、採用力強化により技術者人材やオペレーション関連人材に加え、不動産関連業務に携わる人材を増員すると同時に、対応技術分野やカスタマーサポートの充実等により、付加価値の高いサービスを提供しサービス利用率の向上に努めることで、売上高の向上を図ってまいります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループは、今後もより一層の事業拡大及び成長を見込んでおります。そのため、事業拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性・透明性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。
⑦ 財務基盤の強化
当社グループは、財務基盤の健全性を維持しながら、優秀な人材の採用及び育成、事業開発及びシステム開発、投資用不動産の仕入調達など、今後の事業拡大に向けた資金需要に対応すべく、事業資金を安定的に確保することが必要不可欠であると考えております。今後の資金調達手段としては、主に金融機関からの借入、エクイティファイナンスを検討しております。
⑧ 情報管理体制の強化
当社グループは、事業の特性上、信用情報等の重要な個人情報を含む機密情報を保持しており、このような情報の流出や不適切な取り扱いを防止すべきであると認識しております。当社グループは個人情報を取り扱う業務フローの整備、社内教育等を実施しておりますが、情報セキュリティの強化等により情報管理体制の強化を図ってまいります。
(1)経営の基本方針・経営戦略等
当社グループは「真にユーザーサイドに立った新しいフィナンシャルサービスを作る」というビジョンのもと、「テクノロジーと分析の力でユーザーにパワーを」という事業のミッションに基づき、ビジネスを展開しております。
また、当社グループでは「Enjoy」「Big Try」「Professional」という3つの行動指針を共通の価値観として大切にしながら、オンラインテクノロジーを活用し、ユーザーにとって最適な住宅ローンサービス、最適な不動産投資用サービスの開発・提供に取り組んでおります。
こうした経営方針の下、当社グループの主要なサービスである一般顧客向けサービスである「モゲチェック」「INVASE」の普及と、関連するサービスの提供により、ユーザーにとって最適な住宅ローン選び、投資用不動産物件の選択の実現や付帯サービス提供による利便性の向上に貢献してまいります。
モゲチェック事業において、具体的なマーケティング戦略としましては、当連結会計年度においては、本格的な金利上昇局面への移行に伴う金融機関の広告戦略の変化を踏まえ、売上高の拡大よりも収益性を高めることを優先する方針とし、広告宣伝費の抑制推進による顧客獲得効率の向上と費用対効果の最適化に取り組んでまいりました。また、ユーザーの住宅ローンサービスに関連する各銀行との関係強化を図り、当社サービスの利便性強化を実施してまいります。
INVASE事業につきましては、他社への送客を行うバウチャーサービスを中心とした送客モデルから、連結子会社であるコンドミニアム・アセットマネジメント株式会社を通じて投資用不動産の仕入・販売及び仲介並びに投資用ローンの紹介を自ら行う売買モデルへの移行を進めてまいりました。加えて、仕入・販売に賃貸管理を加えることにより、投資用不動産の取得から運用までを一貫して提供するサービスモデルの確立に取り組んでおります。
さらに、生成AIを活用した「AIアドバイザー」等によるサービスのAI化を推進するとともに、独自の不動産価格モデルや商談・物件分析へのAIの活用により、営業活動の高度化・効率化を進めております。
以上のような施策により、顧客の認知度向上及びサービスの満足度を向上させ、高い成長性の確保と継続的な収益の確保を実現していく方針であります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高及び営業利益を特に重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めております。
当社グループの主要なサービスである「モゲチェック」は、住宅ローン審査申込や住宅ローン融資実行額に応じて銀行から手数料を受領するフロービジネスのモデルであるため、当該フローの源泉となりますオンラインマーケティング等による集客数(サービスサイトへのアクセス数)やサービス登録者数を重視しております。また、当該フローに関連して住宅ローン審査申込数及び成長率に加えて、1審査申込当たりの手数料及び審査申込当たり顧客獲得コストを重視しております。
同様に「INVASE」においては、集客数(サービスサイトへのアクセス数)やサービス登録者数に加えて、投資用物件の契約数及び投資用ローンの紹介件数を重視しております。なお、バウチャーサービスにつきましては、他社への送客を順次停止し、連結子会社への送客に注力していることから、バウチャーサービスに係る集客数及び申込数の重要性は低下しております。
(3)経営環境
「モゲチェック」サービスは住宅ローンの提案サービスであることから、住宅ローン市場の市場拡大が業績に影響を与えるものと考えております。以下のグラフのとおり、2018年から2024年にかけて、国内における住宅ローンの新規貸出額は、19.4兆円から22.2兆円と約14.4%増加しております。当該住宅ローン新規貸出額が上昇基調にある要因として、住宅ローン減税による購入需要の喚起、マンション価格の上昇及び変動金利を中心とした低位の適用金利の3点が挙げられると判断しております。

(新規貸出額推移、単位:兆円)
(出所:国土交通省 令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書より当社作成)
わが国の金利環境につきましては、日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策を解除して以降、段階的な政策金利の引上げが行われており、本格的な金利上昇局面へ移行したものと認識しております。長期金利の上昇が先行したことにより住宅ローンの固定金利と変動金利の金利差は拡大し、変動金利を選好する動きが継続しております。他方、金融機関においては預金の獲得競争が激化し、住宅ローンの金利引下げ幅を縮小する動きや、インターネット専業銀行を中心に広告宣伝費を抑制する動きがみられ、住宅ローンの獲得姿勢は慎重化しております。当社グループといたしましては、こうした環境が当面継続するものと想定しております。

(日本国債10年物利回りの推移)
(出所:財務省等の公表データより当社作成)
また、住宅ローン減税については、2026年度の税制改正により2030年末までの延長が決定(2030年中に入居された住宅に係る住宅ローンに対して適用可能)されており、最大2042年までの住宅ローン減税による長期的な需要喚起が見込まれております。
マンション価格については、当連結会計年度においても上昇基調が継続しており、中古マンション需要が引き続き高い状態が続いております。2020年3月以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が緩和され、首都圏中古マンション成約件数は2020年4月を起点として緩やかな上昇傾向が続いており、2025年においては大きく上昇しました。(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)
こうした環境を踏まえると、当社グループの主要なサービスであるモゲチェック事業は底堅い住宅ローン市場に立脚していると認識しており、今後の更なる認知度向上に伴い、当社グループのサービスへの需要も更に拡大していくものと考えております。
今後の住宅ローン市場については金利動向及び住宅に係る需給バランスによるところがありますが、以下の持ち家比率の推移にあるとおり、金利動向、経済動向に関わらず住宅購入に係る需要は常に60%程度と一定以上の水準で推移していることから、今後も一定の住宅需要が存在すると想定されます。
また、「INVASE」サービスにつきましては、当連結会計年度において投資用不動産の仕入・販売及び仲介を自ら行う売買モデルへの移行を進めた結果、当該事業の売上高が当社グループの売上高の84.9%を占めるに至っております。当社グループが対象とする賃貸住宅(投資用不動産)の資産規模は91.3兆円、うち東京都は約37.9兆円とされており(出所:株式会社ニッセイ基礎研究所「わが国の不動産投資市場規模(2025年)」(2025年12月26日公表)より当社作成)、当社グループのシェアは限定的であることから、事業の拡大余地は大きいものと考えております。

出所:総務省統計局「住宅・土地統計調査」より当社作成
このような最近の業界動向及び事業環境の変化を踏まえ、当社では、「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載のとおりプロダクトの開発を進めてまいりました。利便性の向上等によりモゲチェックサービス会員数、INVASEサービス会員数が増加したものと考えております。
当社は、引き続き「モゲチェック」サービスのAI化の推進及び不動産会社や保険会社等との提携と、INVASEサービスにおける仕入から販売に至る業務プロセスの標準化を重点課題と位置付け、持続的な成長を維持できるよう推進してまいります。
また、主力サービスである「モゲチェック」サービスの優位性、差別化の特徴は4点あります。以下の図は概要となります。

① 業態
「モゲチェック」は貸金業法に基づく登録を受けてオンラインにおける住宅ローン提案サービスを提供しており、他の住宅ローン比較サイトが広告業を成り立ちとしている点でサービスの内容が異なります。
② 信用力分析
「モゲチェック」はユーザーの信用力の分析に基づいた住宅ローンの提案サービスを軸としており、表面金利の高低による金利ランキングが中心となる住宅ローン比較サイトと異なり、ユーザー個人に対してのオーダーメード型のサービスとなっています。当該信用力分析は取得済みの特許(特許番号7366355号)「融資承認確率算出装置、融資承認確率算出方法、及びプログラム」を活用しております。住宅購入に際しての顧客の主な課題として、「自分が住宅ローンをいくら借りられるのか」「どの銀行であればローンが通るのか」が考えられます。銀行ごとに顧客が申込を全て実施すればそれぞれの銀行において審査を受けることは可能ですが、手間あるいは購入予定物件の申込期限等に鑑みて現実的とは言い難いと考えられます。モゲチェックを通じてのみ、「自分がいくら借りられるのか」「どの銀行であればローンが通るのか」がわかるのであれば、その利便性をもってモゲチェックを使う理由になり、他社との差別化の特徴であると考えております。
③ クイック申込
「モゲチェック」は申込方法の利便性を追求している一方で、他のサービスにおいては審査申込は個別銀行ごとにユーザーが対応する必要が発生します。
④ チャットサポート
「モゲチェック」は住宅ローンの提案から決済まで人とAIによるサポートを実施しており、当連結会計年度においては、生成AIを活用した「AIアドバイザー」等の導入により、住宅ローンに関する質問への回答、診断結果の説明及びユーザーからの個別の質問への回答の各段階においてAIの活用を進めてまいりました。住宅ローン比較サイトはビジネスが広告業をベースとしているため、こうしたサポートができません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
① 競争環境の変化への対応とAI化の推進
国内の金利上昇を受けた競争環境の変化により、金融機関の住宅ローンに係る集客方針にも変化が生じており、オンライン集客のプラットフォームであるモゲチェックを取り巻く事業環境は厳しい状況が続く可能性があると認識しております。これに対して、当社グループは、効率的なマーケティング戦略によるコスト効率向上に努めるとともに、生成AIのテクノロジーを最大限活用し、モゲチェックのAI化を推進してまいります。また、INVASE事業においてもAIの活用による営業プロセスの型化を進めることにより、事業環境の変化に対応してまいります。
② INVASE事業の収益基盤の安定化
当社グループは、オンライン不動産投資サービス「INVASE」に加え、投資用不動産の売買モデルへの移行を進め、当連結会計年度においてINVASE事業の通期での黒字化を達成いたしました。一方、当該モデルは業績の変動が生じやすいことから、業務プロセスの標準化により安定的な収益を確保することが課題であると認識しております。今後は、一連の業務の標準化を進めるとともに、提携する金融機関の拡大等により、収益基盤の安定化と拡大を図ってまいります。
③ 継続的な新サービスの提供
当社グループが今後も成長を持続していくためには他社との差別化が急務であり、サービスの優位性を高めるための機能強化・追加が必要不可欠であると認識しております。当社グループは、特定分野・技術に固執せずに、新しい技術分野にも取り組みながら、幅広い技術分野を網羅し、最適なものを組み合わせてサービスを提供することを重視しております。AIやクラウドだけでなく、今後も既存のサービスとの連携を図りながらWeb、モバイル、ビッグデータ解析等の技術や、Webサービス、モバイルアプリ双方において優れたユーザー体験を実現するUI/UX(注)のノウハウを用いることで、ユーザーニーズに柔軟に対応できることが当社グループの事業展開上の強みとなっていると認識しております。今後も当社の付加価値を上げるサービスを展開してまいります。
(注) UI/UXとは、User Interface/User Experienceの略称で、UIとはユーザーがパソコンやスマートフォン等のデバイスを通じてデザイン、フォントや外観など視覚に触れる情報のことであり、UXとはユーザーがUIを実装したサービスを通じて得られる体験を指します。
④ 既存サービスの強化を目的とした認知度向上
当社グループのサービスはオンラインサービスであることから、住宅ローン利用予定者や投資用不動産購入予定者など、潜在的なユーザーによるサービスのオンライン検索において、当社グループのサービスの第一想起が重要であると認識しております。モゲチェック事業及びINVASE事業ともに、オンライン広告等による認知度の向上に加えて、サービスサイトの導線改善等により検索エンジンの検索結果からの流入の増加が見られております。今後も、費用対効果を重視したオンライン広告の運用とサービスサイトの改善を通じて、認知度の向上を図ってまいります。
⑤ 優秀な人材の継続的な採用と育成
当社グループは、成長戦略を着実に実行していくことで売上高の高成長を実現するとともに、営業利益率の向上を図ることが課題であると認識しております。そのためには、採用力強化により技術者人材やオペレーション関連人材に加え、不動産関連業務に携わる人材を増員すると同時に、対応技術分野やカスタマーサポートの充実等により、付加価値の高いサービスを提供しサービス利用率の向上に努めることで、売上高の向上を図ってまいります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループは、今後もより一層の事業拡大及び成長を見込んでおります。そのため、事業拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性・透明性を確保すべく、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。
⑦ 財務基盤の強化
当社グループは、財務基盤の健全性を維持しながら、優秀な人材の採用及び育成、事業開発及びシステム開発、投資用不動産の仕入調達など、今後の事業拡大に向けた資金需要に対応すべく、事業資金を安定的に確保することが必要不可欠であると考えております。今後の資金調達手段としては、主に金融機関からの借入、エクイティファイナンスを検討しております。
⑧ 情報管理体制の強化
当社グループは、事業の特性上、信用情報等の重要な個人情報を含む機密情報を保持しており、このような情報の流出や不適切な取り扱いを防止すべきであると認識しております。当社グループは個人情報を取り扱う業務フローの整備、社内教育等を実施しておりますが、情報セキュリティの強化等により情報管理体制の強化を図ってまいります。