有価証券報告書-第10期(2024/11/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/26 15:30
【資料】
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【項目】
122項目

有報資料

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末時点において当社が判断したものであります。
(1)経営環境
日本では、再生医療の承認を後押しする仕組みや法制度が導入されており、国として再生医療の開発を支援している状況にあります。2014年11月には薬機法が改正され、再生医療等製品では、有効性が推定され安全性が確認されれば、条件及び期限付きで特別に早期に承認できる仕組みが導入されました。また、2015年4月には、「画期性」「対象疾患の重篤性」「極めて高い有効性」「世界に先駆けて日本で申請」を満たす臨床開発中の医薬品及び医療機器に対して、審査期間の早期化や当局との事前相談に関する優先的支援などを提供する「先駆け審査指定制度」が試行的に運用開始されました。その後、2019年11月には更に薬機法が改正され、恒常的な活用のために「先駆的医薬品等指定制度」として法制化されています。革新的な医薬品に対する臨床開発上の優遇措置を、日本政府は強化しています。
このような環境のもとで、2014年以降13品目の再生医療等製品が日本において承認されています。そのうち2022年には、角膜上皮幹細胞疲弊症に向けた細胞シートに加え、難治性の多発性骨髄腫向けの製品、合計2品目が承認されています。iPS細胞を活用した再生医療等製品の開発においても、まだ承認事例はないものの、国内では、国立研究開発法人理化学研究所が2014年に世界で初めてiPS細胞を使う臨床研究を実施したほか、2018年には京都大学がパーキンソン病患者さんに対してiPS細胞を使った治療の医師主導治験、2019年には指定国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。)がiPS細胞から作製した角膜上皮細胞シートの臨床研究、2020年には重症心不全患者さんに対して大阪大学がiPS細胞から作製した心筋シートの医師主導治験、2021年には慶應義塾大学が脊髄損傷患者に対するiPS細胞由来神経前駆細胞の臨床研究、さらには2022年に京都大学においてiPS細胞由来HLAホモ型血小板の企業治験が実施されるなど、治療法の確立に向けて臨床開発が進んでいます
(2)経営方針・経営戦略
当社は、世界の死因の第一位を占める心臓病に焦点を当て、「再生医療で心臓病治療の扉を開く」ことをミッションとして重症心不全の抜本的治療法の開発を進めております。当社の心筋再生医療は、これまでの細胞治療とは一線を画す、弱まった心臓を再生心筋で置き換える、”Remuscularization(心筋補填療法)”と呼ばれるものです。投与した心筋細胞が患者さんの心臓の中に生着して長期間機能することを期待する治療法であるがゆえに、投与細胞の製造には高い安全性が要求され、サイエンス・技術面での参入障壁が非常に高い領域ともいえます。当社は、本領域の治療法として非臨床試験を完了させ患者投与での検証に入っている世界的にも先駆的な事例となっております。
このような競争環境の中で、虚血性心疾患に伴う心不全患者を対象とする他家iPS細胞由来心筋球の開胸投与による治療プログラム(HS-001)においては、まず現在実施中のLAPiS試験を完了させ、その後日本での条件及び期限付き承認を目指して販売収益が上がる体制にすることとしております。
同時に、患者さんにとって負荷の少ないカテーテル投与による治療プログラム(HS-005)の国内での臨床治験を進め、重症心不全に苦しむ日本の患者さんのみならず、世界の患者さんにも当社の心筋再生医療を届けることを目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は現在、研究段階の企業であり販売承認を取得した製品群を保有しておらず、現段階においては、リードパイプラインを中心とした早期の上市を目指し、研究開発及び臨床試験の進捗状況及び研究開発資金と費用のバランス等を注視しながら、事業を推進しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 臨床応用の加速
当社は、虚血性心疾患患者を対象とした冠動脈バイパス手術併用下の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験(LAPiS試験)を実施しております。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に受理された治験計画に基づき、低用量群5例および高用量群5例、計10例への投与を完了し、現在は経過観察中であります。
引き続きCRO(開発業務委託機関)や治験参加施設との連携を強化し、本治験について着実な進捗を図ってまいります。
低侵襲なカテーテル投与による治療プログラム(HS-005)については、国内での臨床試験開始に向け、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ治験届を提出いたしました。2026年内の被験者への投与開始という目標に向け、治験施設の選定等も順調に進んでおります。HS-001と同様に、CRO等の外部パートナーや治験参加施設との連携を深め、早期の臨床応用を目指します。
② 中長期的事業基盤構築に向けた取り組み
事業パートナーであったノボノルディスク・エーエスとの独占的技術提携・ライセンス契約が解消された結果、導出していた開発・製造・販売に関する権利および知的財産権等は当社へ返還され、HS-001およびHS-005に関する全世界の権利を当社が保持することとなりました。
今後は、自社保有のプラットフォーム技術および知財のさらなる拡充を図り、将来的な収益の極大化に向けた事業基盤の強化を目標として、戦略的に事業を推進してまいります。
③ 財務基盤の強化
当社は、リードパイプラインであるHS-001での早期収益化を目指す中、2025年12月末時点の現預金残高は6,836,009千円、純資産額は7,194,912千円です。上市資金のほか、中長期的な事業拡大に向け研究開発資金を安定的に確保するため、株式市場からの調達に加え、銀行融資や補助金の活用を検討することで資金調達手段の多様化を図り、財務基盤の強化に努めてまいります。
④ 組織体制の整備及び人材育成
持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、優秀な人材を確保し定着を図るべく、組織体制を整備し、従業員のモチベーションの維持・向上に努めていくとともに、一人ひとりの従業員の能力開発や働きやすい環境を構築してまいります。具体的には、離職者を低減させるため、働きやすさの追求、キャリアのための教育、および健康・メンタルヘルスへの配慮を方針として、人事施策を実行してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の公正性・透明性を確保することは極めて重要な経営課題であると認識しております。
取締役会においては、社外取締役の専門的な知見や経験を経営判断に反映させることで、意思決定の妥当性と監督機能を強化しております。さらに2025年2月に、取締役会の諮問機関として、過半数が独立社外役員からなる報酬委員会を設置し、役員報酬の決定について公正性・透明性・客観性を担保するよう努めております。
また、役職員が倫理・コンプライアンスに関して共通認識を保持し、公正で的確な意思決定を行う風土を醸成するため、内部通報制度の周知徹底、定期的なコンプライアンス研修を実施しているほか、代表取締役社長を委員長としたコンプライアンス・リスク管理委員会のもと、コンプライアンス遵守状況のモニタリングおよびリスクの早期発見・未然防止に向けた施策の策定を行っております。特に、研究開発に関する事象について、社内倫理委員会を設置し、倫理的および科学的妥当性についてモニタリングを行っております。
さらに、投資家の皆様に対し、研究開発の進捗状況や事業リスクを適時かつ公平に開示することで、市場との建設的な対話を促進してまいります。

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