有価証券報告書-第29期(2024/12/01-2025/11/30)
対処すべき課題
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
a.ミッション
当社は「make IT simple」というミッションを掲げております。企業はコーポレート・ガバナンスを強化し、常にビジネスの「見える化」を進めています。更に、環境・グローバル・M&A等を考慮し、ビジネスモデルを含め、あらゆる変化に対応するためITを強化しています。これらに迅速に対応するためには、ITをsimpleにまとめ上げ、様々な変化に対して迅速に対応する必要があります。まさに時代は「make IT simple」を求めています。当社は「make IT simple」を実現するソフトウエア製品、サービスを提供してまいります。
b.製品・サービスの指針
当社が目指す製品とサービスの指針は「Less is More」です。バウハウス(注)第3代目校長であった建築家ミース・ファン・デル・ローエ氏の言葉より「無駄を省くことで、さらにより良いものになる」という考えでパフォーマンスの高い製品開発を続け、お客様に喜んでいただけるサービスを常に強化しています。
c.経営理念
当社の経営理念は「謙虚・誠実・進取」です。人を敬い尊敬することで相手を認め(謙虚)、人や仕事に真面目に対応し(誠実)、自ら進んで新しいことを取り入れてまいります(進取)。
d.CREDO
当社は、当社の従業員が心がけるべき行動指針として以下のCREDOを掲げています。
・イノベーションを起こすことにチャレンジするベンチャーです
ベンチャーのメンバーであることを自覚して、成長し続けるために誠実に努力し、イノベーションを起こすために謙虚に学び、変化や失敗を恐れずに全力でチャレンジを続けます。
・お客様を大切にする会社です
カスタマーサクセスに関係のないメンバーは一人もいないことを自覚し、お客様の話をよく聞き、課題を把握し、お客様の質問に真摯に応え、お客様がイメージしている理想を超える良いサービス・製品を安定的に提供し続けます。カスタマーサクセスを実現できるメンバーを集めて育て、すべての活動をカスタマーサクセスに生かすよう努めます。
・シンプルで洗練された会社であり続けます
シンプルで洗練された会社であり続けるために構成されたメンバーであることを自覚し、当たり前の活動とは何かを常に考え、自らの意思で難しいといわれることにチャレンジし、効率よく物事を進めるためにフォーカスし、高いレベルで活動するよう努めます。
・私たちはスピードが速く、柔軟にチャレンジする会社です
強い意識をもちスピード感のある活動を行い、社会環境の変化を敏感に感じ、変化を恐れず、柔軟に対応していくよう努めます。また、行動せずに問題を起こさないことを良しとするのではなく、チャレンジすることを良しとする雰囲気を大切にするよう努めます。
・謙虚で誠実な行動をとるメンバーの集まりです
経営理念である「謙虚」「誠実」を実践することを常に心がけて活動していきます。
お客様、パートナー、社内外メンバーに関係なく相手を尊重し、理解に努め、謙虚な言葉と行動をとるよう努めます。
・適切なコミュニケーションが取れるメンバーの集まりです
適切なコミュニケーションをとり、会社・チーム・個人の目標が同じベクトルになるよう努め、バランス感覚を持って活動します。
(注) 1919年、ヴァイマル共和政期ドイツのヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校
(2)経営戦略等
当社は「make IT simple」「Less is More」という思想を基盤に、企業・行政・公共機関におけるデータ活用をよりシンプルかつ高い生産性で実現するクラウドサービスを提供しています。SFA、CRM、会計、契約、ファイルストレージといった多彩なクラウドサービスとの親和性の高いサービスを提供することで、各クラウドサービスの特長を最大限に活かすことで、「つながる」価値を最大化し、顧客の業務プロセスとLTV向上に貢献します。今後も、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの両輪で、安定的な成長と収益力の向上を目指してまいります。
① データオプティマイズソリューション
当社は、従来のペーパーワークのフローとフォーマットを変えずにデジタル化を進めることで、ペーパーレス化が進むビジネス環境において帳票業務を効果的に他のシステムと結び付け、帳票を貴重な情報資産として蓄積・共有する新たな価値を創造してきました。
「帳票DX」や「カミレス」を中心に、金融機関・行政機関・大企業など大規模ユーザーにも対応可能なスケーラビリティを備え、厳格な業務要件を満たす高い信頼性と柔軟性を評価されています。
2025年には、「帳票DX」および「カミレス」が政府のセキュリティ評価制度であるISMAPにサービス登録され、中央省庁・独立行政法人・自治体の調達において利用可能となりました。これにより、公共市場を含むエンタープライズ領域(注)での商機が大きく拡大しております。これに合わせ、引き続き大手コンサルティングファームとの協業強化や、エンタープライズに対応した機能開発、エンタープライズ向けの専任体制の整備を進めております。
また、AIによる帳票自動生成、AIマッピングなど、業務プロセスそのものを自動化する「AIネイティブ」な機能開発を進めており、継続的な製品強化と新サービス創出により、顧客基盤の拡大とARPUの向上を図ってまいります。
(注) 本書における「エンタープライズ」とは、従業員数500人以上の企業並びに中央省庁等の公的機関を指します。
② セールスマネジメントソリューション
セールスマネジメントソリューションでは、サブスクリプション型ビジネスに特化した販売管理サービス「ソアスク」を提供しております。見積・契約・納品・請求など一連の販売に関する業務をスムーズにつなげる機能を備えており、顧客との新しい関係を容易に構築するとともに、サブスクリプションビジネスの特徴である長期的で安定した成功をサポートしています。
近年はモノのサブスクリプション管理の需要が増えており、そのニーズに応えるために「モノスク」というモノのサブスクリプション管理に特化した販売管理サービスの商談と導入も増加しております。両サービスはSalesforceプラットフォーム上で開発されており、営業・商談情報との高い連続性、一気通貫の運用管理が可能な点が強みです。さらに、AIを活用した営業予測、従量課金への対応など、より高度な販売・収益管理の実現に向けた開発も継続しております。
今後は「ソアスク」と「モノスク」双方の機能をともに強化していくとともに、効果的なマーケティング活動を通じて認知度向上と顧客数拡大を図ってまいります。
以上①及び②の戦略を着実に遂行していくために、優れた人材の積極的な採用と人材育成を推進するとともに、全社業務のAI活用や組織横断の機能開発プロジェクトなどを通じて“AIネイティブ企業”への進化を進めてまいります。
(3)経営環境
国内におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)需要は、行政手続のオンライン化や企業の業務効率化ニーズの高まりを背景として、引き続き拡大傾向にあります。複数の民間調査会社が公表した市場調査(2023年〜2025年公表)や政府・自治体が公表したDX関連施策・指針等の資料に基づくと、公共領域・文書管理領域・サブスクリプション領域ではデジタル化需要が継続的に増加しており、当社の主要領域である「公共DX市場」「帳票・文書管理ペーパーレス市場」「サブスクリプションサービス市場」は中長期的な成長が見込まれており、当社が展開するデータオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションにとって重要な事業機会が広がっております。
① 公共DX市場
行政分野では、デジタル庁によるデジタルガバメント施策や、自治体情報システム標準化・共通化に関する政府資料(2023年〜2025年公表)に基づき、公共領域のDX投資が拡大傾向にあります。また、複数の民間調査会社が2024年〜2025年に公表した公共IT投資の市場レポートでも、クラウド活用の拡大や住民サービスのオンライン化が市場成長を後押しするとされています。
こうした環境下、当社の主要サービスである「帳票DX」「カミレス」は2025年に政府クラウドセキュリティ評価制度ISMAPに登録され、中央省庁・独立行政法人・自治体での調達における利用が可能となりました。公共市場ではセキュリティ及び信頼性が特に重視されるため、ISMAP登録サービスの需要拡大が見込まれており、当社にとって重要な成長機会が広がっている状況にあります。
② 帳票・文書管理ペーパーレス市場
文書管理・電子化に関する市場調査(2024年公表)によれば、企業・行政における紙帳票のデジタル化需要は高い水準で推移しており、電子帳票管理やワークフロー自動化など周辺領域でも市場拡大が続くとされています。電子帳簿保存法や業務効率化ニーズの高まりが背景にあり、今後も中長期の成長が見込まれます。
当社が提供する「帳票DX」「カミレス」は、既存業務フローやフォーマットを大きく変更することなくデジタル化できる点が評価され、金融機関・製造業・行政機関など幅広い顧客層で採用が進んでおります。また、帳票自動生成やAIマッピングなど、生成AIを活用した業務プロセスの自動化も市場拡大を後押ししており、当社はこれらの技術領域で競争優位性を築いております。
③ サブスクリプションサービス市場
複数の民間調査会社が発表した国内サブスクリプションビジネス関連調査(2023年公表)では、ソフトウエアのみならずモノやサービス領域においても継続課金モデルが拡大し、企業の販売管理基盤の高度化ニーズが強まっているとされています。見積・契約・請求業務の効率化、利用量連動型課金の普及、顧客維持施策の高度化などが市場成長の主要因となっています。
当社が提供する「ソアスク」「モノスク」は、こうした市場ニーズの高まりを背景として導入が増加しており、サブスクリプションビジネスの運営に不可欠なプラットフォームとして認知を高めています。関連市場の成長は当社のセールスマネジメントソリューション事業の拡大に寄与するものと認識しております。
以上のとおり、公共DX市場、帳票・文書管理ペーパーレス市場、サブスクリプションサービス市場はいずれも中長期的な成長が見込まれる領域であり、当社の主要ソリューションと高い親和性を有しています。当社はこれまで蓄積してきた業務知見及び技術力を活かし、これら成長領域において競争優位性を維持しながら、事業拡大を進めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
将来の事業成長とともに収益基盤の安定化を図るため、期末ARR、ARR成長率、解約率、ストック売上、ストック売上比率を重要な経営指標としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 信用力の向上及び知名度の向上
数あるクラウドサービスのなかで当社のサービスを選んでいただくためには、当社及び当社サービスの知名度向上と信頼性及び信用力の向上が不可欠と考えております。当社のブランド価値、知名度及び信頼性向上のため、よりお客様のニーズに応えたサービスの開発だけでなく、積極的にPR施策を行ってまいります。
② エンタープライズ市場の開拓
これまでは市場に拘らずにお客様を開拓してきましたが、中長期的に成長していくためには、エンタープライズ市場の開拓が重要な課題であると認識しております。そのための製品開発、マーケティング、営業、コンサルティングの各領域での積極的な投資、パートナーとの関係強化、信用力の向上を目的とした継続的な広報活動に引き続き取り組んでまいります。
③ 優秀な人材の確保
当社の中長期的な企業価値の向上に向けて優秀で意欲的な人材を採用し、その人材の育成・定着化を継続し、良好な文化を築いていくことは経営基盤を強固にしていくために非常に重要な課題であると認識しております。当社としては、積極的な採用活動を継続していくとともに、教育施策を推進して人材の育成・教育を推進し、高い意欲をもって働ける環境や仕組みの構築に引き続き取り組んでまいります。
④ 収益基盤の多様化
当社のビジネスは従来Salesforce連携サービスの比率が大きく、Salesforce市場の拡大とともに成長してまいりました。短期的な視点では、同市場には依然として当社にとって広大な市場があり、成長できる分野であると予想しています。一方、中長期的な視点では同市場に変化が生じた場合には当社の経営成績に影響を及ぼすリスクがあると認識しております。当社はSAP連携やSmartHR連携など、Salesforce以外の連携先との体制構築に引き続き取り組んでまいります。
⑤ 社内管理体制の充実
社内管理体制におきましては、内部統制システムの更なる強化を推し進め、業務効率の向上を図るとともに、安心・安全な情報セキュリティ体制、迅速な経営判断と情報開示体制に基づく強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。
⑥ 継続的な新サービス、新機能の提供
当社が競争優位性を確保しながら持続的に成長するためには、新サービスや新機能の提供、ユーザビリティの向上などにより、サービスの付加価値を高めていくことで、高い継続率を維持していくことが重要な課題であると認識しております。現在のサービスの機能強化と新サービスの提供を継続的に推進し、競争優位性の保持に注力してまいります。
⑦ 資金調達力の拡大
当社の売上・利益の一層の拡大及び経営基盤の安定を図る上で、そのために必要な投資資金は、自己資金の充当をベースとしながらも、設備の拡充や新たなサービスや事業の開発といった成長のための新規投資が発生した場合など、必要に応じて金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等も含めた多様な資金調達の検討を行ってまいります。また、当社事業とのシナジーが期待できる企業との連携を積極的に推進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
a.ミッション
当社は「make IT simple」というミッションを掲げております。企業はコーポレート・ガバナンスを強化し、常にビジネスの「見える化」を進めています。更に、環境・グローバル・M&A等を考慮し、ビジネスモデルを含め、あらゆる変化に対応するためITを強化しています。これらに迅速に対応するためには、ITをsimpleにまとめ上げ、様々な変化に対して迅速に対応する必要があります。まさに時代は「make IT simple」を求めています。当社は「make IT simple」を実現するソフトウエア製品、サービスを提供してまいります。
b.製品・サービスの指針
当社が目指す製品とサービスの指針は「Less is More」です。バウハウス(注)第3代目校長であった建築家ミース・ファン・デル・ローエ氏の言葉より「無駄を省くことで、さらにより良いものになる」という考えでパフォーマンスの高い製品開発を続け、お客様に喜んでいただけるサービスを常に強化しています。
c.経営理念
当社の経営理念は「謙虚・誠実・進取」です。人を敬い尊敬することで相手を認め(謙虚)、人や仕事に真面目に対応し(誠実)、自ら進んで新しいことを取り入れてまいります(進取)。
d.CREDO
当社は、当社の従業員が心がけるべき行動指針として以下のCREDOを掲げています。
・イノベーションを起こすことにチャレンジするベンチャーです
ベンチャーのメンバーであることを自覚して、成長し続けるために誠実に努力し、イノベーションを起こすために謙虚に学び、変化や失敗を恐れずに全力でチャレンジを続けます。
・お客様を大切にする会社です
カスタマーサクセスに関係のないメンバーは一人もいないことを自覚し、お客様の話をよく聞き、課題を把握し、お客様の質問に真摯に応え、お客様がイメージしている理想を超える良いサービス・製品を安定的に提供し続けます。カスタマーサクセスを実現できるメンバーを集めて育て、すべての活動をカスタマーサクセスに生かすよう努めます。
・シンプルで洗練された会社であり続けます
シンプルで洗練された会社であり続けるために構成されたメンバーであることを自覚し、当たり前の活動とは何かを常に考え、自らの意思で難しいといわれることにチャレンジし、効率よく物事を進めるためにフォーカスし、高いレベルで活動するよう努めます。
・私たちはスピードが速く、柔軟にチャレンジする会社です
強い意識をもちスピード感のある活動を行い、社会環境の変化を敏感に感じ、変化を恐れず、柔軟に対応していくよう努めます。また、行動せずに問題を起こさないことを良しとするのではなく、チャレンジすることを良しとする雰囲気を大切にするよう努めます。
・謙虚で誠実な行動をとるメンバーの集まりです
経営理念である「謙虚」「誠実」を実践することを常に心がけて活動していきます。
お客様、パートナー、社内外メンバーに関係なく相手を尊重し、理解に努め、謙虚な言葉と行動をとるよう努めます。
・適切なコミュニケーションが取れるメンバーの集まりです
適切なコミュニケーションをとり、会社・チーム・個人の目標が同じベクトルになるよう努め、バランス感覚を持って活動します。
(注) 1919年、ヴァイマル共和政期ドイツのヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校
(2)経営戦略等
当社は「make IT simple」「Less is More」という思想を基盤に、企業・行政・公共機関におけるデータ活用をよりシンプルかつ高い生産性で実現するクラウドサービスを提供しています。SFA、CRM、会計、契約、ファイルストレージといった多彩なクラウドサービスとの親和性の高いサービスを提供することで、各クラウドサービスの特長を最大限に活かすことで、「つながる」価値を最大化し、顧客の業務プロセスとLTV向上に貢献します。今後も、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの両輪で、安定的な成長と収益力の向上を目指してまいります。
① データオプティマイズソリューション
当社は、従来のペーパーワークのフローとフォーマットを変えずにデジタル化を進めることで、ペーパーレス化が進むビジネス環境において帳票業務を効果的に他のシステムと結び付け、帳票を貴重な情報資産として蓄積・共有する新たな価値を創造してきました。
「帳票DX」や「カミレス」を中心に、金融機関・行政機関・大企業など大規模ユーザーにも対応可能なスケーラビリティを備え、厳格な業務要件を満たす高い信頼性と柔軟性を評価されています。
2025年には、「帳票DX」および「カミレス」が政府のセキュリティ評価制度であるISMAPにサービス登録され、中央省庁・独立行政法人・自治体の調達において利用可能となりました。これにより、公共市場を含むエンタープライズ領域(注)での商機が大きく拡大しております。これに合わせ、引き続き大手コンサルティングファームとの協業強化や、エンタープライズに対応した機能開発、エンタープライズ向けの専任体制の整備を進めております。
また、AIによる帳票自動生成、AIマッピングなど、業務プロセスそのものを自動化する「AIネイティブ」な機能開発を進めており、継続的な製品強化と新サービス創出により、顧客基盤の拡大とARPUの向上を図ってまいります。
(注) 本書における「エンタープライズ」とは、従業員数500人以上の企業並びに中央省庁等の公的機関を指します。
② セールスマネジメントソリューション
セールスマネジメントソリューションでは、サブスクリプション型ビジネスに特化した販売管理サービス「ソアスク」を提供しております。見積・契約・納品・請求など一連の販売に関する業務をスムーズにつなげる機能を備えており、顧客との新しい関係を容易に構築するとともに、サブスクリプションビジネスの特徴である長期的で安定した成功をサポートしています。
近年はモノのサブスクリプション管理の需要が増えており、そのニーズに応えるために「モノスク」というモノのサブスクリプション管理に特化した販売管理サービスの商談と導入も増加しております。両サービスはSalesforceプラットフォーム上で開発されており、営業・商談情報との高い連続性、一気通貫の運用管理が可能な点が強みです。さらに、AIを活用した営業予測、従量課金への対応など、より高度な販売・収益管理の実現に向けた開発も継続しております。
今後は「ソアスク」と「モノスク」双方の機能をともに強化していくとともに、効果的なマーケティング活動を通じて認知度向上と顧客数拡大を図ってまいります。
以上①及び②の戦略を着実に遂行していくために、優れた人材の積極的な採用と人材育成を推進するとともに、全社業務のAI活用や組織横断の機能開発プロジェクトなどを通じて“AIネイティブ企業”への進化を進めてまいります。
(3)経営環境
国内におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)需要は、行政手続のオンライン化や企業の業務効率化ニーズの高まりを背景として、引き続き拡大傾向にあります。複数の民間調査会社が公表した市場調査(2023年〜2025年公表)や政府・自治体が公表したDX関連施策・指針等の資料に基づくと、公共領域・文書管理領域・サブスクリプション領域ではデジタル化需要が継続的に増加しており、当社の主要領域である「公共DX市場」「帳票・文書管理ペーパーレス市場」「サブスクリプションサービス市場」は中長期的な成長が見込まれており、当社が展開するデータオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションにとって重要な事業機会が広がっております。
① 公共DX市場
行政分野では、デジタル庁によるデジタルガバメント施策や、自治体情報システム標準化・共通化に関する政府資料(2023年〜2025年公表)に基づき、公共領域のDX投資が拡大傾向にあります。また、複数の民間調査会社が2024年〜2025年に公表した公共IT投資の市場レポートでも、クラウド活用の拡大や住民サービスのオンライン化が市場成長を後押しするとされています。
こうした環境下、当社の主要サービスである「帳票DX」「カミレス」は2025年に政府クラウドセキュリティ評価制度ISMAPに登録され、中央省庁・独立行政法人・自治体での調達における利用が可能となりました。公共市場ではセキュリティ及び信頼性が特に重視されるため、ISMAP登録サービスの需要拡大が見込まれており、当社にとって重要な成長機会が広がっている状況にあります。
② 帳票・文書管理ペーパーレス市場
文書管理・電子化に関する市場調査(2024年公表)によれば、企業・行政における紙帳票のデジタル化需要は高い水準で推移しており、電子帳票管理やワークフロー自動化など周辺領域でも市場拡大が続くとされています。電子帳簿保存法や業務効率化ニーズの高まりが背景にあり、今後も中長期の成長が見込まれます。
当社が提供する「帳票DX」「カミレス」は、既存業務フローやフォーマットを大きく変更することなくデジタル化できる点が評価され、金融機関・製造業・行政機関など幅広い顧客層で採用が進んでおります。また、帳票自動生成やAIマッピングなど、生成AIを活用した業務プロセスの自動化も市場拡大を後押ししており、当社はこれらの技術領域で競争優位性を築いております。
③ サブスクリプションサービス市場
複数の民間調査会社が発表した国内サブスクリプションビジネス関連調査(2023年公表)では、ソフトウエアのみならずモノやサービス領域においても継続課金モデルが拡大し、企業の販売管理基盤の高度化ニーズが強まっているとされています。見積・契約・請求業務の効率化、利用量連動型課金の普及、顧客維持施策の高度化などが市場成長の主要因となっています。
当社が提供する「ソアスク」「モノスク」は、こうした市場ニーズの高まりを背景として導入が増加しており、サブスクリプションビジネスの運営に不可欠なプラットフォームとして認知を高めています。関連市場の成長は当社のセールスマネジメントソリューション事業の拡大に寄与するものと認識しております。
以上のとおり、公共DX市場、帳票・文書管理ペーパーレス市場、サブスクリプションサービス市場はいずれも中長期的な成長が見込まれる領域であり、当社の主要ソリューションと高い親和性を有しています。当社はこれまで蓄積してきた業務知見及び技術力を活かし、これら成長領域において競争優位性を維持しながら、事業拡大を進めてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
将来の事業成長とともに収益基盤の安定化を図るため、期末ARR、ARR成長率、解約率、ストック売上、ストック売上比率を重要な経営指標としております。
| 重要な経営指標 | 内容 |
| 期末ARR | 期末時点での年間経常収益(Annual Recurring Revenue)のことであり、クラウドサービスのなかでも毎年得ることのできる収益を指します。初期費用といった一時的な売上は含みません。 |
| ARR成長率 | 前期末と比較した、期末ARRの伸び率を指します。 |
| 解約率 | 前月末ARRにおける当月の解約ARR比率の期中平均を指します。 |
| ストック売上 | 総売上のうち、クラウドのライセンス利用料売上や製品保守売上といった将来的に継続する可能性の高い売上を指します。 |
| ストック売上比率 | 総売上におけるストック売上の比率を指します。 |
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 信用力の向上及び知名度の向上
数あるクラウドサービスのなかで当社のサービスを選んでいただくためには、当社及び当社サービスの知名度向上と信頼性及び信用力の向上が不可欠と考えております。当社のブランド価値、知名度及び信頼性向上のため、よりお客様のニーズに応えたサービスの開発だけでなく、積極的にPR施策を行ってまいります。
② エンタープライズ市場の開拓
これまでは市場に拘らずにお客様を開拓してきましたが、中長期的に成長していくためには、エンタープライズ市場の開拓が重要な課題であると認識しております。そのための製品開発、マーケティング、営業、コンサルティングの各領域での積極的な投資、パートナーとの関係強化、信用力の向上を目的とした継続的な広報活動に引き続き取り組んでまいります。
③ 優秀な人材の確保
当社の中長期的な企業価値の向上に向けて優秀で意欲的な人材を採用し、その人材の育成・定着化を継続し、良好な文化を築いていくことは経営基盤を強固にしていくために非常に重要な課題であると認識しております。当社としては、積極的な採用活動を継続していくとともに、教育施策を推進して人材の育成・教育を推進し、高い意欲をもって働ける環境や仕組みの構築に引き続き取り組んでまいります。
④ 収益基盤の多様化
当社のビジネスは従来Salesforce連携サービスの比率が大きく、Salesforce市場の拡大とともに成長してまいりました。短期的な視点では、同市場には依然として当社にとって広大な市場があり、成長できる分野であると予想しています。一方、中長期的な視点では同市場に変化が生じた場合には当社の経営成績に影響を及ぼすリスクがあると認識しております。当社はSAP連携やSmartHR連携など、Salesforce以外の連携先との体制構築に引き続き取り組んでまいります。
⑤ 社内管理体制の充実
社内管理体制におきましては、内部統制システムの更なる強化を推し進め、業務効率の向上を図るとともに、安心・安全な情報セキュリティ体制、迅速な経営判断と情報開示体制に基づく強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。
⑥ 継続的な新サービス、新機能の提供
当社が競争優位性を確保しながら持続的に成長するためには、新サービスや新機能の提供、ユーザビリティの向上などにより、サービスの付加価値を高めていくことで、高い継続率を維持していくことが重要な課題であると認識しております。現在のサービスの機能強化と新サービスの提供を継続的に推進し、競争優位性の保持に注力してまいります。
⑦ 資金調達力の拡大
当社の売上・利益の一層の拡大及び経営基盤の安定を図る上で、そのために必要な投資資金は、自己資金の充当をベースとしながらも、設備の拡充や新たなサービスや事業の開発といった成長のための新規投資が発生した場合など、必要に応じて金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等も含めた多様な資金調達の検討を行ってまいります。また、当社事業とのシナジーが期待できる企業との連携を積極的に推進してまいります。