有価証券報告書-第74期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 13:07
【資料】
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【項目】
139項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は「デジタル×フィジカルで“企業の未来にイノベーションを起こす”」というビジョンのもと、リテール販促領域(=主に小売店舗における販促活動領域)において企業が抱える非効率を解消し、顧客を面倒な業務から解放することで、企業が本来向き合うべき「本質的な業務に集中できる時間を創造すること」、そしてその結果として「企業の未来にイノベーションをもたらすこと」を提供価値と捉えております。
(2) 経営戦略等
当社は上記ビジョンのもと、リテール販促領域における『360°フルサービス』事業を提供することで、主にリテール企業やメーカー企業が行う販促活動の全体最適化や業務改善を行っております。具体的には、①業務改善コンサルティング(現地現物での調査、効果測定、改善提案など)、②システム開発(業務システム開発やデータベース構築など)、③BPO(デザイナーや営業の顧客常駐、キャンペーン事務局代行など)、④クリエイティブデザイン(デジタル、フィジカル領域を問わない企画提案やデザイン制作など)、⑤ものづくり(販促物の印刷製造・加工など)、⑥フルフィルメント(在庫保管・流通加工や共同配送・個別配送など)、⑦フィールドサポート(小売店舗を回り最適な陳列などをおこなうラウンダー派遣や売場立ち上げ、店舗調査など)といったサービスを「自社一貫体制」で提供しております。
当社はリテール店舗調査をはじめとする、徹底した“現地現物”に基づく改善コンサルティング提案をおこなっております。『360°フルサービス』は顧客の販促業務を集約するモデルのため、結果として顧客のプロセスやインフラを担うことが多く、継続した顧客支持を受けております。
他社との競争優位性という観点においては、個別のサービス領域での競争ではなく販促活動に必要なサービスを自社一貫で提供するという『360°フルサービス』そのものが、顧客の手間を削減し、時間創造につながっており、例えば、印刷通販企業と比較すると、自社一貫で企画からデザイン、印刷及び配送まで対応可能なため迅速かつシームレスな対応が可能となっていること、コンサル会社と比較すると、プロモーションの実行機能までを一貫して提供することで発注にかかる顧客負荷をなくしていること等があげられます。
また、デジタルの販促情報からフィジカルの販促情報、店舗での販促展開に必要な棚情報や商品情報まで、様々な販促ビッグデータを当社が集積・活用することで、店舗属性やPOSデータを掛け合わせて過去の実績から効果の見込めるキャンペーン企画を立案し顧客の売上アップを目指しております。また、店舗属性から最適な使用を分析し、製造費・物流費・設置費の無駄を合理化しコスト削減をおこなうといったことが可能となり、今後さらに顧客に応じた『360°フルサービス』のクロスセルを展開していくことができると考えております。
今後の成長戦略としては、既存顧客に対して『360°フルサービス』の深耕を進めるとともに、販促物共同配送サービス(Co.HUB)を通じて新たに取引を開始したメーカー顧客への『360°フルサービス』拡充による取引額最大化を進めることで、売り上げ拡大を進めてまいります。
新規獲得した累計顧客数が2024年3月期269社から2025年3月期341社、直近2026年3月31日時点で433社と順調に増加していることを踏まえ、これらの新規顧客に対して、販促物の企画・製造や在庫などの『360°フルサービス』の導入を推進し、更なるクロスセルを進めていく予定です。1社あたりの取引額を最大化する上で、最も重要な指標は「PromOSの導入アカウント」数です。販促DXクラウドサービスであるPromOS導入をすることで、顧客の販促におけるインフラを担うこととなり継続的な売り上げ拡大を実現します。販促業務のDXだけではなく、販促業務全体の最適化を目指して提案を進め、さらなるクロスセルを行ってまいります。
中長期的には、ドラッグストア向け販促物共同配送サービス(Co.HUB)を他リテール業界やリアル店舗を保有する他業界へ水平展開することでさらなる新規顧客の獲得と、配送店舗拡大による収益増を目指しております。
<プラットフォーム戦略の業界横展開図>
※1出典:一般社団法人日本石鹸洗剤工業会「石鹸・洗剤・洗浄剤等の製品別出荷実績」/出典:総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」
※2 出典:経済産業省「経済産業省生産動態統計」/出典:厚生労働省「医薬品・医薬部外品製造販売業者数」、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」
※3 出典:厚生労働省「薬事工業生産動態統計調査」/出典:厚生労働省「医薬品・医薬部外品製造販売業者数」、総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」
※4 出典:農林水産省「食品産業動態調査」または「食品産業の現状」/総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査(食料品製造業・飲料製造業)」
※5 出典:一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)「国内出荷統計」、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)「民生用電気機器国内出荷実績」/総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査(電気機械器具製造業)」
(3) 経営環境
我が国全体の人口減少・少子高齢化の進行(※)を受け、リテール業界においても人手不足の慢性化・深刻化が想定される一方で、同業界自体が日常生活に非常に密接な業界であり、国民生活の基盤となる業界であることを踏まえると、リテール業界における労働生産性の向上は待ったなしの状況であると考えております。
こうした事業環境の中で、当社が提供する『360°フルサービス』はリテールプロモーション領域の労働生産性を改善していくものであり、リテール企業やメーカー企業の販促担当者の業務負担を改善していくものであることから、当社の事業展開にとっては追い風の状況であると考えております。
具体的には、販促物を企画・製造し、全国の小売店舗に配送・設置する場合、通常であれば販促担当者がデザイン会社や印刷会社、倉庫・物流会社やラウンダー会社(メーカー営業社員に代わって店舗を巡回し商談や陳列などを行う)などと個別にやり取りを行う必要がある一方で、当社の『360°フルサービス』であれば業務窓口が集約されるため、人手不足の状況において、販促担当者の業務負担の改善を図ることができます。
加えて、国内における物価上昇の継続や政策動向に対する不確実性、中東情勢の緊迫化をはじめとする不安定な国際情勢の継続、およびこれらに伴うエネルギー・原材料価格の高止まり等の影響により、物流コストは引き続き上昇しているという事業環境も当社の販促物共同配送サービス(Co.HUB)にとってはポジティブな状況であると考えており、共同配送によって1社だけの経営努力では達成が難しい物流費のコストダウンが可能になるため、同事業へ参加するリテール企業、メーカー企業が増加しており、今後もサービスの拡大を見込んでおります。
※国土交通省「我が国の人口の動向及び将来推計」より引用
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、前述の経営方針、経営戦略、経営環境のもと、継続的な事業収益の拡大による成長と、より強固な経営基盤を構築するため以下の事項を対処すべき重要課題と捉え、その対応に引き続き取り組んでまいります。
①優秀な人材の確保
当社の企業規模の拡大及び継続的な成長のためには、高付加価値なソリューションを提供し、継続的に高い顧客満足度を得る必要があると認識しております。そのためには、社員全員がビジョン、ミッションや経営方針を深く理解し、チームワークを発揮していく必要があります。当社では優秀な人材を確保するために採用選考基準を明確化し、新卒採用、キャリア採用を含めて様々なバックグラウンドを持つ人材の採用活動を積極的に推進するとともに、社員への教育体制の整備及び改善を図り、チームを構成する個々人の才能を伸ばす取り組みを推進してまいります。
②経営人材の確保
当社はここ10年間で急速な成長をしており、今後の企業規模拡大及び継続的な成長のためには、経営人材の確保が重要な課題と認識しております。そのためには、執行役員、部長への昇格を目指す層である課長職への教育が必要となります。当社の課長職の平均年齢は36歳と比較的若いメンバーで構成されており、平均給与は約840万円(2026年3月31日時点の課長職で、賞与含む年間支給額を算出)となります。全国の年齢階層別平均給与482万円(国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査内、35~39歳の平均給与から引用)に対して高い水準を維持するとともに、早期から課長職へのOJTを通じた教育を行っております。
③収益率の向上
当社では経営上の目標の達成状況を判断するための指標として、売上高営業利益率を採用しております。当社のビジネスはフルフィルメントセンター(はちフィル(東京都八王子市)、るのパレット(東京都あきる野市))等において、販促物のキッティング梱包作業や荷受け積み込み作業といった労働集約型の作業が一定程度あるため、作業の効率化や自動化が売上高営業利益率の向上のためには必要となるため積極的に自動化設備の導入を行っております。また賃貸物件であるはちフィルから、増設予定の自社フルフィルメントセンター(るのパレット*)、新倉庫への移転により更なる収益率の向上を見込んでおります。
④資本配分
当社における財務戦略は、『リテール販促360°フルサービス』事業で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ・フローの創出力、その結果としての株主価値の最大化を基本としております。
収益性の改善と同時にキャッシュ・フローの創出力を高めた結果として得られるキャッシュ・フローを将来の成長への投資として資本コストを上回るリターン(収益)が見込まれる設備、事業開発に優先的に投下いたします。
<*増設予定の自社フルフィルメントセンター(るのパレット)>
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための指標等
当社は、販促活動を展開する企業が抱える非効率を解消するため、全体最適化を実現する『リテール販促360°フルサービス』を展開しておりますが、顧客企業に対して効率的なクロスセル進捗を示す客観的な指標として、販促DXクラウドサービス「PromOS」の導入アカウント数と、顧客先常駐人数を重要な経営指標として位置付けております。
それぞれの推移は以下のとおりです。
<「PromOS」の導入アカウント数>2023年3月末・・・16アカウント
2024年3月末・・・21アカウント
2025年3月末・・・25アカウント
2026年3月末・・・34アカウント
<顧客常駐数>2023年3月末・・・71名
2024年3月末・・・81名
2025年3月末・・・93名
2026年3月末・・・102名

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