有価証券報告書-第8期(2024/04/01-2025/03/31)
第1【企業の概況】
(はじめに)
当社は、2017年10月6日に設立されたKMホールディングス株式会社が前身となっております。KMホールディングス株式会社は、東京証券取引所市場第一部に上場していた黒田電気株式会社を非公開化するにあたり、MBKパートナーズグループが運営するファンドであるMBK Partners JC Ⅳ, L.P.(エムビーケーパートナーズ・ジェーシーフォー・エルピー)が100%保有する投資ビークルとして設立いたしました。黒田電気株式会社における非公開化から、現在の当社に至るまでの沿革は、以下のとおりとなります。
(1) 黒田電気株式会社の沿革
黒田電気株式会社は、1945年10月にベークライト板等の電気絶縁材料の卸売を目的として創業いたしました。創業以来、電気材料及び電子部品を取り扱う専門商社として日本国内だけにとどまらず、海外におけるグループ会社を設立し、グローバル・ネットワークを構築するとともに、製造・加工事業も行うことで、「ものづくりのできる商社」として、今日の当社グループ事業の原形を形成しております。
1996年10月には大阪証券取引所市場第二部に上場を果たし、2000年3月には東京証券取引所市場第一部に上場するとともに、大阪証券取引所市場第一部銘柄に指定替えとなっております。
上場後においても、顧客視点に立った部品材料・製品の供給やサービスの提供、設計・製造活動を行うとともに、グローバル・ネットワークを活用し、取引先企業の変化に即応する顧客視点での最適ソリューションを提供することで、取引先からの信頼を得て事業を拡充してきました。
(2) KMホールディングス株式会社の設立経緯と黒田電気株式会社の非公開化
黒田電気株式会社は、液晶テレビ、スマートフォンの急速な普及等の背景もあり、売上規模を大きく拡大してきた一方で、専門商社におけるコモディティー化(各専門商社の提供するサービスの内容及び質が均一に近づいていく状態)が進みました。2015年頃から、当社グループを取り巻く事業環境及び取引先の事業方針が大きく変化し、取引先から価値を認めていただくためには、与信・在庫・物流の基本機能の提供のみでは不十分であり、売上規模拡大を主眼とする持続的成長を追求するビジネスモデルでは限界を迎えつつありました。
当社グループを取り巻く事業環境及び取引先の事業方針が大きく変化した状況を受けて、当社グループの特性を最大限に発揮し持続的な成長を実現するためには、大幅な路線変更を行う必要があり、当社グループの強みを活かした事業成長戦略を具現化した新中期経営計画(2018年3月期から2020年3月期)を2017年5月に策定・発表いたしました。
当該新中期経営計画においては、営業利益率の低下を伴う売上規模の拡大ではなく、「営業利益率の改善による営業利益の増加」を基本方針と定め、安定的に収益を創出する事業基盤の構築を目指し、経営資源の最適配分を行い、持続的な企業価値の向上に努めていくこととし、「本社機能のスリム化・再構築」、「既存事業モデル改善」、「本業(新規事業)の創造」に注力しました。
また、当社方針に賛同し、独立系ファンドとして豊富な投資実績と支援ノウハウを有するMBKパートナーズグループの協力のもと、中長期的な視点で当社グループの企業価値の向上に最も資する体制を検討しました。その結果、当社の株主構成及び資本構成を再構築し、目的意識を共有した少数の関係者が迅速に意思決定を行う体制を築くことが肝要であると考え、KMホールディングス株式会社を設立し、当該会社が公開買付を行い、2018年3月に非公開化に至りました。
(3) 非公開化後の事業の状況
非公開化前は商社事業を担う黒田電気株式会社をグループの頂点としていたものの、製造事業が当時の当社グループの全社営業利益の約7割を占める見通しでありました。黒田電気株式会社の非公開化により、KMホールディングス株式会社を頂点とした持株会社体制に移行いたしました。2020年4月にKMホールディングス株式会社を「黒田グループ株式会社」に商号変更するとともに、黒田グループ株式会社を頂点に製造事業、商社事業を大別し、子会社を並列に配置し、ガバナンス体制を整備しました。
また、従来の売上規模拡大を追求した成長から、それぞれの事業・会社の特性を活かし取引先へ提供する価値(収益性)を高める事業構造に転換し、運転資本や再投資を含めた資本効率等の実態を可視化した事業運営を行うことで、安定的な事業基盤の構築に努め、従前からの商社事業においては、営業利益率を改善すべく、重要顧客となる取引先について、グループ全体としてのグローバルベースでのサポート体制の確立に取り組みました。
更に、2023年2月に作成した3ヵ年計画(2024年3月期~2026年3月期)においては、それぞれの事業・会社の10年先の事業継続を見据え、取引先に更によろこんでいただけるよう当社グループからお届けするサービスの質をより一層高めるべく、「やるべきことを“さらに”しぼりこみ、価値をあげる」ことを基本方針に掲げ諸課題に対応しながら、事業強化のための再投資、人材の確保・育成を、継続的に実施し、デジタル対応や新技術獲得にも当社グループ全体で取り組んでおります。
非公開化後から、持株会社である当社を頂点としたガバナンス体制を整備し、当社グループにとってより実質的なガバナンス機能を発揮すべく、2023年4月1日から会社の機関設計を監査等委員会設置会社に変更いたしました。また、既存の製造・商社事業の付加価値を高めながら、ハードディスクドライブ用フィルター部品製造事業の買収、自動車部品製造子会社の売却や子会社の統廃合等を通じて事業構造も転換し、安定的な収益基盤を構築したことにより、新型コロナウィルス感染症拡大による世界的なサプライチェーンの混乱時であっても、営業赤字に陥ることなく安定的な収益性を確保することにつながりました。
(4) 上場の目的
当社を頂点としたガバナンス体制、安定的な事業運営を概ね実現したと考えております。今後、ガバナンスの更なる強化、事業の持続的な成長をめざすためには、信用度・認知度の向上による優秀な人材の確保、取引先からの信用充実による取引の深耕・円滑化・多角化、資金調達手段の確保と多様化、外部株主によるけん制、助言が重要であり、新規上場を通じてそれらを実現し、当社グループの継続的な企業価値向上を目指してまいります。
(はじめに)
当社は、2017年10月6日に設立されたKMホールディングス株式会社が前身となっております。KMホールディングス株式会社は、東京証券取引所市場第一部に上場していた黒田電気株式会社を非公開化するにあたり、MBKパートナーズグループが運営するファンドであるMBK Partners JC Ⅳ, L.P.(エムビーケーパートナーズ・ジェーシーフォー・エルピー)が100%保有する投資ビークルとして設立いたしました。黒田電気株式会社における非公開化から、現在の当社に至るまでの沿革は、以下のとおりとなります。
(1) 黒田電気株式会社の沿革
黒田電気株式会社は、1945年10月にベークライト板等の電気絶縁材料の卸売を目的として創業いたしました。創業以来、電気材料及び電子部品を取り扱う専門商社として日本国内だけにとどまらず、海外におけるグループ会社を設立し、グローバル・ネットワークを構築するとともに、製造・加工事業も行うことで、「ものづくりのできる商社」として、今日の当社グループ事業の原形を形成しております。
1996年10月には大阪証券取引所市場第二部に上場を果たし、2000年3月には東京証券取引所市場第一部に上場するとともに、大阪証券取引所市場第一部銘柄に指定替えとなっております。
上場後においても、顧客視点に立った部品材料・製品の供給やサービスの提供、設計・製造活動を行うとともに、グローバル・ネットワークを活用し、取引先企業の変化に即応する顧客視点での最適ソリューションを提供することで、取引先からの信頼を得て事業を拡充してきました。
(2) KMホールディングス株式会社の設立経緯と黒田電気株式会社の非公開化
黒田電気株式会社は、液晶テレビ、スマートフォンの急速な普及等の背景もあり、売上規模を大きく拡大してきた一方で、専門商社におけるコモディティー化(各専門商社の提供するサービスの内容及び質が均一に近づいていく状態)が進みました。2015年頃から、当社グループを取り巻く事業環境及び取引先の事業方針が大きく変化し、取引先から価値を認めていただくためには、与信・在庫・物流の基本機能の提供のみでは不十分であり、売上規模拡大を主眼とする持続的成長を追求するビジネスモデルでは限界を迎えつつありました。
当社グループを取り巻く事業環境及び取引先の事業方針が大きく変化した状況を受けて、当社グループの特性を最大限に発揮し持続的な成長を実現するためには、大幅な路線変更を行う必要があり、当社グループの強みを活かした事業成長戦略を具現化した新中期経営計画(2018年3月期から2020年3月期)を2017年5月に策定・発表いたしました。
当該新中期経営計画においては、営業利益率の低下を伴う売上規模の拡大ではなく、「営業利益率の改善による営業利益の増加」を基本方針と定め、安定的に収益を創出する事業基盤の構築を目指し、経営資源の最適配分を行い、持続的な企業価値の向上に努めていくこととし、「本社機能のスリム化・再構築」、「既存事業モデル改善」、「本業(新規事業)の創造」に注力しました。
また、当社方針に賛同し、独立系ファンドとして豊富な投資実績と支援ノウハウを有するMBKパートナーズグループの協力のもと、中長期的な視点で当社グループの企業価値の向上に最も資する体制を検討しました。その結果、当社の株主構成及び資本構成を再構築し、目的意識を共有した少数の関係者が迅速に意思決定を行う体制を築くことが肝要であると考え、KMホールディングス株式会社を設立し、当該会社が公開買付を行い、2018年3月に非公開化に至りました。
(3) 非公開化後の事業の状況
非公開化前は商社事業を担う黒田電気株式会社をグループの頂点としていたものの、製造事業が当時の当社グループの全社営業利益の約7割を占める見通しでありました。黒田電気株式会社の非公開化により、KMホールディングス株式会社を頂点とした持株会社体制に移行いたしました。2020年4月にKMホールディングス株式会社を「黒田グループ株式会社」に商号変更するとともに、黒田グループ株式会社を頂点に製造事業、商社事業を大別し、子会社を並列に配置し、ガバナンス体制を整備しました。
また、従来の売上規模拡大を追求した成長から、それぞれの事業・会社の特性を活かし取引先へ提供する価値(収益性)を高める事業構造に転換し、運転資本や再投資を含めた資本効率等の実態を可視化した事業運営を行うことで、安定的な事業基盤の構築に努め、従前からの商社事業においては、営業利益率を改善すべく、重要顧客となる取引先について、グループ全体としてのグローバルベースでのサポート体制の確立に取り組みました。
更に、2023年2月に作成した3ヵ年計画(2024年3月期~2026年3月期)においては、それぞれの事業・会社の10年先の事業継続を見据え、取引先に更によろこんでいただけるよう当社グループからお届けするサービスの質をより一層高めるべく、「やるべきことを“さらに”しぼりこみ、価値をあげる」ことを基本方針に掲げ諸課題に対応しながら、事業強化のための再投資、人材の確保・育成を、継続的に実施し、デジタル対応や新技術獲得にも当社グループ全体で取り組んでおります。
非公開化後から、持株会社である当社を頂点としたガバナンス体制を整備し、当社グループにとってより実質的なガバナンス機能を発揮すべく、2023年4月1日から会社の機関設計を監査等委員会設置会社に変更いたしました。また、既存の製造・商社事業の付加価値を高めながら、ハードディスクドライブ用フィルター部品製造事業の買収、自動車部品製造子会社の売却や子会社の統廃合等を通じて事業構造も転換し、安定的な収益基盤を構築したことにより、新型コロナウィルス感染症拡大による世界的なサプライチェーンの混乱時であっても、営業赤字に陥ることなく安定的な収益性を確保することにつながりました。
(4) 上場の目的
当社を頂点としたガバナンス体制、安定的な事業運営を概ね実現したと考えております。今後、ガバナンスの更なる強化、事業の持続的な成長をめざすためには、信用度・認知度の向上による優秀な人材の確保、取引先からの信用充実による取引の深耕・円滑化・多角化、資金調達手段の確保と多様化、外部株主によるけん制、助言が重要であり、新規上場を通じてそれらを実現し、当社グループの継続的な企業価値向上を目指してまいります。