有価証券報告書-第13期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 15:41
【資料】
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【項目】
128項目
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「BE THE SUN(世界に明るく大きなインパクトを与える存在になる)」を企業としてのビジョンに掲げ、広く人々の支えになるサービスを生み出す会社になることで、そのビジョンを実現していきたいと考えております。
(2)経営環境
我が国の総広告費は年々上昇傾向にあり、2025年の日本の総広告費は8兆623億円、インターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)となっております(注1)。一方で、Google・Meta・TikTok等のグローバルプラットフォームによる動画広告・ターゲティング広告の台頭により、インターネット広告市場の構造は大きく変化しております。当社はこうした市場構造の変化を踏まえ、広告収益への依存度を段階的に低減しつつ、購買領域及びAI Agent領域へと事業の重心を移してまいります。
購買領域においては、国内販促市場の潜在的規模は15兆円(注2)という広大な市場が存在します。近年のインフレ環境を背景にユーザーの購買行動が変容しており、よりお得な購買を志向する傾向が強まっております。こうした購買行動の変化に伴い、メーカーや小売企業においてもデータを活用した販促施策の重要性が高まっており、当社はリワード型マーケティングを通じてその需要を取り込んでまいります。
加えて、生成AIをはじめとする基盤モデルの性能が指数関数的に向上する中、国内では少子高齢化に伴う労働力不足や人件費の上昇が深刻化しており、AI Agentによる業務自動化への需要が急速に高まっております。当社はこの環境変化を重要な事業機会と位置づけております。
(注)1.CARTA COMMUNICATIONS/電通/電通デジタル/セプテーニ発表の『2025年 日本の広告費』(2026年3月5日発表)より
(注)2.株式会社レイヤーズ・コンサルティングの開示情報における2020年の推定値に基づく
(3)経営戦略等
当社は事業拡大における中長期的な経営戦略の柱として、①強固なユーザー基盤の更なる拡大、②購買領域における販売促進支援の拡大、③バーティカルAI Agent事業の推進、④M&Aによる既存事業の強化を掲げております。
① 強固なユーザー基盤の更なる拡大
当社サービスのユーザーにつきまして、アンケート結果によると、日本国内の20〜50歳759名(アンケート回答者数)における「クラシル」のサービス認知率は約58.1%となっており、特に女性認知率は76.4%と高いブランド認知度があると考えております(注1)。「クラシル」及び「レシチャレ」のユーザー数は、それぞれのアプリのMAUを合わせると約700万に上っており、WebのMAUも含めると約3,500万となっております(注2)。また、「クラシル」及び「レシチャレ」の公式SNSのフォロワー数は合計1,200万に上ります(注3)。今後もメディア領域及び購買領域でのユーザーの利用体験の改善を通じ、ユーザー利便性の向上による更なるサービス利用者の拡大を図ります。
クライアントにつきましては、食品・飲料企業の売上高規模が大きい大手ナショナルクライアントを約93%(注4)カバーしており、小売企業につきましてもスーパーやドラッグストアを中心に3.5万店舗(注5)をカバーしております。食品・飲料企業につきましては徐々に顧客規模の裾野を拡大する意向であり、小売企業につきましては大手企業などの顧客開拓を広げつつカバー業種を拡大させる予定です。
(注)1.調査委託先:マクロミル。「あなたが知っている料理レシピ動画サイト・アプリ」に対する回答(調査対象者:回答者数1,036名のうち20-50歳の男女759名(男性377名、女性382名)/調査実施期間:2024年3月29日-30日/調査方法:インターネットリサーチ)
(注)2.マンスリーアクティブユーザー。「クラシル」及び「レシチャレ」関連サービス及びアプリにおけるWEB/APP MAUの2026年1月から2026年3月の期間平均数値。ユニークユーザーベースで、過去30日間にアプリ起動あるいはWeb閲覧をしたそれぞれのユーザー数の合計の期間平均を示します。なお、WebとAPPの重複ユーザーの排除はしておりません。
(注)3.2026年5月時点のFacebook / X / TikTok / Instagram / YouTube / LINE / LINE Newsにおける「クラシル」及び「レシチャレ」(旧クラシルリワード)のSNS公式アカウントのフォロワー数単純合計
(注)4.日本取引所グループ業種別分類「食料品」に含まれる国内企業の直近年度売上高上位30社のうちこれまで当社と取引(受注)実績が有る企業数(28社)の比率。
(注)5.2026年5月時点の数値
② 購買領域における販促支援の拡大
「クラシル」及び「レシチャレ」にて獲得したユーザーに対し、食品・飲料企業及び小売企業に対してリワード型マーケティング(成果報酬型でユーザーにリワードを付与するマーケティング手法)を提供してまいります。
当連結会計年度においては、小売企業をリテールパートナーとして取り込むビジネスモデルを確立し、レシチャレ事業の基盤を整備いたしました。翌連結会計年度は、リテールパートナーの拡大とレシチャレアプリの新規ユーザー獲得に積極的に投資することで、購買事業のさらなる成長加速を目指します。また、クラシルリテールネットワークを通じた外部パートナーとの連携拡大により、利用者数の増加を図ります。
③ バーティカルAI Agent事業の推進
生成AIを中心とした基盤モデルの性能向上が加速する中、企業が直面する労働力不足・採用難・人件費高騰といった構造的課題に対し、AI Agentによる業務代替の実用化が現実のものとなりつつあります。既存のソフトウエアやSaaSが代替してきた市場に加え、人件費・外部委託費といったより大きな予算領域がAI Agentのアクセス可能な市場として広がっており、当社はこのタイミングを事業拡大の好機と認識しております。
当社が保有する全国横断の購買データ・レシピデータ・ユーザー移動データ等の独自データと、小売・卸・メーカー・販促領域における業界コンテキストを活かし、食品・飲料メーカーや卸・小売企業向けにバーティカルAI Agent事業の展開を開始いたしました。具体的には、受発注・サプライチェーン・セールス&販促・経営管理の各領域においてAI Agentによる業務自動化を提供する「AI Supply Chain OS」の構築を推進しております。当事業は2026年3月よりサービスを開始しており、引き続き顧客基盤の拡大に取り組んでまいります。
④ M&Aによる既存事業の強化
当社では自社によるオーガニックでの成長を基本としつつ、購買領域を中心に既存事業とのシナジーが見込める領域での選択的な買収を検討してまいります。設立来これまでに5件の買収を実行しており、M&A後の統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)についても蓄積されたノウハウを活用し、事業成長に繋げてまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、事業拡大及び企業価値向上を示す指標として、今後のリワードマーケティング提供の中心となる「レシチャレ」関連のMAU(注1)を掲げております。
財務指標に関しましては、オーガニック、インオーガニック双方での成長を志向していることから、売上高成長率、Non-GAAP営業利益(注2)及び Non-GAAP当期純利益(注3)を重要な経営指標と位置づけております。
[「レシチャレ」関連MAUの推移]
決算年月2025年3月期
第1四半期
2025年3月期
第2四半期
2025年3月期
第3四半期
2025年3月期
第4四半期
MAU(人)1,650,0401,886,7701,997,1012,232,305

決算年月2026年3月期
第1四半期
2026年3月期
第2四半期
2026年3月期
第3四半期
2026年3月期
第4四半期
MAU(人)2,432,5302,674,3172,902,5763,163,049

(注)1.マンスリーアクティブユーザー。「レシチャレ」関連MAUは、ユニークユーザーベースで、過去30日間にアプリあるいはWeb閲覧をしたそれぞれのユーザー数の合計の期間平均を示します。
[Non-GAAP営業利益]
回次第13期
決算年月2026年3月期
売上高(千円)17,001,320
営業利益(千円)3,463,148
調整額(千円)158,658
Non-GAAP営業利益(千円)3,621,806

(注)2.Non-GAAP営業利益は、財務会計上の数値(GAAP、日本基準)から非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて調整したものであり、当社の恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しておりますが、財務会計上の数値ではなく、監査法人等による監査・レビューを受けた数値ではありません。具体的には、営業利益に企業買収に伴い生じた無形資産に関わる償却費を加算しております。
[Non-GAAP当期純利益]
回次第13期
決算年月2026年3月期
売上高(千円)17,001,320
親会社株主に帰属する当期純利益(千円)2,461,113
調整額(千円)149,280
Non-GAAP当期純利益(千円)2,610,393

(注)3.Non-GAAP当期純利益は、財務会計上の数値(GAAP、日本基準)から非経常項目やその他特定の調整項目を一定のルールに基づいて調整したものであり、当社の恒常的な経営成績を理解するために有用な情報と判断しておりますが、財務会計上の数値ではなく、監査法人等による監査・レビューを受けた数値ではありません。具体的には、親会社株主に帰属する当期純利益に企業買収に伴い生じた無形資産に関わる償却費を加算し、加算した償却費に対応する税金調整額を調整しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、リテールデジタルプラットフォームを中心に事業展開しており、以下の主要課題に取り組んでまいります。
① メディア事業の収益基盤の維持・強化
グローバルプラットフォームへの広告費集中という市場構造の変化を踏まえ、アドネットワーク広告への依存度を段階的に低減しつつ、タイアップ広告等のtoBクライアント直接取引の拡大を図ります。また、レシチャレアプリのMAU拡大に伴うADNW収益の取り込みにより、メディア事業全体のPV数の底上げを目指します。
② 購買事業のさらなる拡大
リテールパートナーの獲得拡大とレシチャレアプリの新規ユーザー獲得を最優先課題と位置づけ、積極的な先行投資を継続してまいります。リテールパートナー経由のメーカー出稿案件の拡大により、中期的な収益の刈り取りを目指します。また、クラシルリテールネットワークを通じた外部パートナーとの連携拡大により、利用者数のさらなる増加を図ります。
③ バーティカルAI Agent事業の立ち上げ
AI Supply Chain OSの顧客基盤拡大に向け、大手食品メーカー・卸を中心とした商談推進と契約獲得を進めてまいります。タスク処理毎の従量課金モデルにより顧客のROIを可視化しながら、受発注・サプライチェーン・セールス&販促・経営管理の各領域へと取り扱い領域を順次拡大してまいります。
④ 社内AI活用による生産性向上
開発・セールス・マーケティング・コーポレートの全部門においてAIツールの活用を推進し、人員規模を大きく拡大することなく事業成長を実現できる組織体制の構築を目指します。
⑤ 組織体制の整備
今後の継続的な成長のためには優秀な人材の確保と育成が重要な課題であると認識しております。引き続き積極的な採用活動と社内の教育体制の強化に取り組んでまいります。

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