訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2025/12/10 15:30
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有報資料

本有価証券届出書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスクについて
①日本の経済情勢に関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
再生可能エネルギーやその技術・製品に対する需要は、当社グループが事業を展開する日本の経済情勢によって影響を受けます。即ち、少子高齢化の進行、金利上昇やインフレの進行によって日本の経済活動が停滞し、電力需要全体が想定よりも伸び悩む可能性や、当社グループの顧客が定置用蓄電池の設置やEV急速充電器の展開等に対する投資余力を失う可能性、政府が税収減少により再生可能エネルギー関連の補助金を削減する可能性があります。
このように、日本の経済情勢の悪化により、蓄電池の使用やEV急速充電器の設置が当社グループの想定したとおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 再生可能エネルギー市場に関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
2025年2月に政府が閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2040年度に総発電量のうち再生可能エネルギーの割合を4~5割程度とし、最大の電源とするとの指針が示されています。そして、この目標を達成するため、国レベルと地方レベルの両方で補助金を活用する方針・施策が示されていますが、政府のエネルギー戦略が変更され、当該計画で示された方針・施策は改定される可能性があります。このような場合には、再生可能エネルギー市場が縮小し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、上記第7次エネルギー基本計画及び第三者のデータや当社独自の分析に基づき、当社グループの事業が展開可能な市場に関する市場規模を推定しています(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境・戦略」をご参照ください。)。しかしながら、脱炭素社会の実現に向けた政府及び企業の考え方の変化、炭素エネルギーにおける技術革新、原発の再稼働・新設による再生可能エネルギーへの依存の低下、老朽化した揚水式水力発電施設の蓄電池への移行の遅れ、送電網の整備不足等により、当社グループが想定するほど当該市場が成長しない可能性があります。さらに、当社グループの事業が展開可能な市場に関する市場規模の推定が正確であった場合でも、他社との競合等により、当社グループの事業が成長しない可能性があります。
③ 政府及び地方自治体による補助金に関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
日本の政府及び地方自治体は、再生可能エネルギー及びその関連技術の採用を促進するための政策を採用しています。特に、当社グループの蓄電池製品は、第7次エネルギー基本計画のもと、補助金の対象となっており、顧客が受け取る補助金の寡多は、顧客が蓄電池を導入する意思決定に大きな影響を与えます。しかしながら政府又は地方自治体が方針を見直したり、予告なく中止したりする等、補助金が現状と同じ水準で続く保証はなく、顧客が受け取る補助金が想定よりも少なくなる場合などには蓄電池製品等の需要に影響し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 気候変動に関するリスク
(発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中)
地球温暖化による気候変動は、異常気象による自然災害の甚大化や、森林の減少・砂漠化、生物の絶滅等、地球規模で深刻なリスクを生じさせます。これらのリスクは、当社グループが保有する生産設備の損壊、サプライチェーンの機能不全、規制強化等によるコスト増加等、当社グループの事業活動の多方面に影響を及ぼす可能性があります。
また、地球温暖化による気候変動が想定以上に進まない場合、国、社会及び企業の再生可能エネルギーへの関心が薄れ、補助金や設備投資の減少により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ EV充電サービス需要の変動リスク
(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:小)
脱炭素化を背景として、電気自動車(EV)が普及していくことを想定していますが、日本におけるEVシフトの遅れやEVに替わる移動手段の出現などにより想定よりも日本国内におけるEVの普及が遅れた場合や、新たな技術によるEVへの充電方法が出現した場合は、当社グループのEV急速充電器の販売やEV充電サービスの売上が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、過去、特定のEVメーカーの車両が当社グループのEV急速充電器を使用した場合に、当該車両が故障する事案が発生しましたが、今後類似の事案が発生した場合、当社グループのレピュテーション、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 競合リスク
(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:中)
当社グループは、再生可能エネルギーの普及のために蓄電池の活用は不可欠であり、蓄電池製品をより多く普及させるためには、蓄電池を導入する顧客がストレージパリティ(蓄電池を導入することにより経済的なメリットを享受できる状態)を達成できる、より魅力的な経済条件で製品及びサービスを供給することが重要であると認識しております。当社グループは、高品質の製品を競争力のある価格で供給していくことを基本方針として事業を行っておりますが、国内外の競合他社との価格競争が激化し、想定した利益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経済安全保障上の観点から、日本国内の蓄電池製品市場においては日本の製造業者が海外の製造業者よりも競争上の優位性があると考えておりますが、そのような優位性が将来に亘って継続する保証はありません。他方、現時点における国内の主要な競合他社の中には、当社グループよりも事業規模が大きい企業もあり、経営資源の配分によっては、当社グループよりも優位に事業を展開できる可能性があります。また、今後新規の競合他社が蓄電池製品市場に参入し、当社グループよりも強い競争力を有することとなる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 技術革新によるリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、太陽光や風力等の電源から生成されるエネルギーの余剰分を蓄電池を用いて貯蔵し、不足する時間帯に電力を供給することにより、再生可能エネルギーの導入に不可欠な役割を果たすことができると考えております。
しかしながら、将来的には、蓄電池に代替する革新的な蓄電技術が開発される可能性は否定することはできないと考えております。また、現状では当社の採用するリン酸鉄リチウムイオン電池に優位性がありますが、将来的により低コストで高品質な技術・製品の登場によりかかる優位性が損なわれる可能性もあります。さらに、化石燃料発電における技術革新、原子力発電、地熱発電その他の再生可能エネルギーにおける技術革新や、蓄電池における技術革新により、当社グループの製品及びサービスの優位性が損なわれる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 原材料調達に関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループが製造する蓄電池製品の主要な部品である電池モジュールについては、集中購買により低い単価で調達することを目的として、全量を中国の仕入先1社から輸入しております。しかしながら、当該仕入先における供給能力の低下、当該仕入先との関係の悪化、サプライチェーンにおける障害の発生、品質問題の発生、地政学リスクの顕在化、中国国内の政治情勢の変化等により、当該仕入先からの調達が困難となる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは当該仕入先からの主要部品の調達が困難になった場合を想定し、研究開発部門及び調達部門が連携して、他の事業者が製造している電池モジュール等についても品質面及びコスト面での評価を行うといった対策を講じております。しかしながら、主要部品の仕入先を変更する場合、変更までに追加的な工数及びコストを要し、円滑な製品製造及び顧客への販売を継続できないことで、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 原材料価格の変動リスク
(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:中)
当社グループが製造する蓄電池製品の主要な部品である電池モジュールの調達価格は、需要動向や貿易政策の変化等を受け変動します。また、原材料調達の一部は主に米ドル建てで行っており、為替変動の影響により調達価格は変動します。こうした状況に対して、当社グループでは、今後の生産計画を踏まえた仕入量の合意に基づく仕入価格の低減を交渉するとともに、外貨建取引について為替予約を付すことで為替リスクの抑制を図るといった対応策を講じております。しかしながら、これらの対応策が不調となった場合や、当社の想定を上回る市場価格や為替相場の変化が生じた場合には、原材料の価格変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営・組織体制に関するリスクについて
① 契約締結・履行に関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの主力であるBESS事業における販売及び収益認識プロセスは以下のとおりであり、初回のコンタクトから見積もり・顧客社内での承認プロセスを経て契約書締結まで平均3-4か月の期間を、また正式受注から生産・納品・検収を経てクロージングまで平均6-7か月の期間を、それぞれ想定しております。

上記のとおり、当社蓄電池製品の販売は、商談から納品・クロージングまでに一定の期間を要するビジネスモデルとなっており、商談や要件の調整、及び顧客社内での承認や補助金申請などに想定よりも時間を要し、当社が想定したタイミングよりも収益計上や資金回収が遅れる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は顧客との契約状況等を踏まえて、毎事業年度の期初に当該事業年度の予算策定を行っておりますが、正式受注額(注)が積み上がっていなかった2024年12月期等においては、正式受注が想定よりも遅れたことで当該リスクが顕在化し、当該期初予算等を下方修正するに至っております。
また、正式に受注し売買契約を締結した案件についても、用地選定や基礎工事・受電日の遅れ、当社製品以外の資材調達の遅れ、契約後に顧客の財務状況が変化すること、顧客による補助金申請に対する交付決定の動向等により、予定したとおりに契約が履行されない可能性があります。これらの事象が発生した場合には、契約に基づき期待される売上の全部若しくは一部が計上されない、又はその計上が遅れる結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループが納品する製品に不具合が発生した場合には、予定したとおりに顧客の検収を受けることができず、想定した時期に売上高を計上できない可能性や、契約に定める遅延損害金を当社が顧客に支払う可能性があります。なお、顧客への製品の納品及び稼働試験業務の提供が完了した後においても、顧客の財務状況が変化して製品販売代金の入金が得られない、又は遅延する場合や、顧客による補助金申請に対する交付が予定通りに得られない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)「正式受注額」とは顧客から正式に発注され、売買契約が締結された拘束力のある注文金額を指します。
② 主要製品の製造委託に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、「5 経営上の重要な契約等」に記載のとおり、三井造船特機エンジニアリング株式会社との間で大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」の製造委託契約を締結しており、当社が製造販売する「PowerX Mega Power」はその全量を三井造船特機エンジニアリング株式会社にて組み立てていることから、当該契約は当社グループの主要な事業活動の前提となる事項に該当しております。当該契約は1年ごとの自動更新となっていますが、当事者のいずれか一方が契約違反や期限の利益喪失事由に該当する場合には他方の当事者が契約を解除することが可能であるほか、双方のいずれかが契約期限満了の6か月前までに書面で通知した場合は期限を延長しないことが可能となっており、三井造船特機エンジニアリング株式会社の経営方針等が大きく変更された場合には契約を解除される可能性があります。本書提出日現在において、当該契約の継続に支障を来たす要因は発生しておらず、また当社グループでは「PowerX Mega Power」の生産能力の増強を目的としてPower Base第2工場の建設を計画しており、同工場の完成後は本リスクを軽減できる見通しですが、仮に同工場の完成前に当該契約の継続が困難になった場合、「PowerX Mega Power」の製造に重大な支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 生産キャパシティに関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:中)
当社グループは、増加する製品需要に対応すべく生産能力の拡大を計画しております。自社保有施設の拡張に加え、第三者への製造委託契約を活用して生産能力を拡大していくことを予定していますが、資金調達や、契約の更新等が何らかの事由により進行せず、または建設関連コストの大幅な上昇や建設業者が確保できない状況などが生じることにより、生産能力を維持・拡張できなかった場合、事業拡大に遅延が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、代替施設を利用することが可能である場合であっても、当該代替施設への移転や生産開始に時間を要する可能性や、多額の追加費用を要する可能性があり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 創業者への依存に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の取締役 代表執行役社長CEO伊藤正裕は、当社の創業者であり当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、会社の事業推進に重要な役割を果たしております。当社グループでは、執行役への権限委譲やコーポレート・ガバナンス体制の構築により、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの事情により同氏が当社グループの経営を継続することが困難になった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人材の確保と育成に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:中期、影響度:中)
当社グループの事業を推進していくためには、高度な専門知識、技能及び経験を有する人材の確保及び育成が不可欠です。当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 (人的資本について)」に記載のとおり、「プロフェッショナル人材」がパフォーマンスを発揮しやすい社内環境の整備や制度設計に注力するなど、人材投資を重視しております。一方、国内を含むグローバルな人材獲得競争は激化しており、予定していた人員の確保及び育成が計画どおりに進まない場合や既存の人材の社外流出などがあった場合、及び人材の採用や育成に関するコストが増加する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、自社で開発した蓄電池製品を製造、販売しておりますが、これら蓄電池製品には電力の充放電を最適化するためのアルゴリズムや機器構成といった技術やノウハウが含まれております。また、蓄電池製品の稼働状況を監視、制御するためのアプリケーションシステムについても自社の研究開発部門で開発しており、これらは当社の事業運営において不可欠な知的財産であります。これらのうち、発電設備とその電力出力方法、急速充電装置及び関連するシステム、及び移動体を用いたエネルギー輸送システムなど、当社グループが重要であると判断したものについては国内外において特許出願を行っておりますが、第三者による当社知的財産への侵害がなされた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、本書提出日現在において、当社グループが他社の知的財産を侵害したこと等によって当社グループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟を提起されている事実はございません。今後も知的財産に関連する法令を遵守して事業活動を行ってまいる所存ですが、見解の相違も含めて、他社の知的財産を侵害する可能性があり、こうした状況が発生した場合には、解決に時間と費用を要し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 災害等の発生リスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
地震、津波、竜巻、台風、寒波等の自然災害や戦争・テロ、紛争、その他の要因による社会混乱により、本社や主要な事業拠点が被災し、当社グループの主要な事業機能が麻痺することにより事業継続が困難になるリスクがあります。 また、当社グループが販売する製品の主要な製造拠点は岡山県に集中しており、当該地域が被災した場合、生産活動に甚大な影響を及ぼし、顧客への製品供給停滞による販売収益の大幅な減少や、多額の設備復旧費用及び外部委託費用の発生等が生じるリスクがあります。当社グループは、災害や事故などで被害を受けた際に、重要な機能を可能な限り中断せず、また中断した場合にもできるだけ早急に復旧できるように、事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)を策定していますが、実際に自然災害等が発生した際にBCPが有効に機能しない場合、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 製造物責任及び製品保証リスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは自ら策定した管理基準に基づき製品の設計、製造を行っておりますが、将来にわたり製品に欠陥が生じる可能性を否定することはできないと考えております。また、当社グループが締結している売買契約の中には、検収後一定期間の無償保証期間を設けているものや、最長20年の容量保証等を提供しているものもあります。これらの耐用年数や製品保証期間は、電池モジュール等のメーカーから提示されている試験結果や過去の運用結果に基づいて設定しており、また保証期間における補償費用をカバーするための保証契約を保証会社と締結するなど、製品保証コストの抑制を図っております。しかしながら、実際の稼働可能期間が当社グループの想定を下回る、または保証対象事案の発生の頻度又は重要度が当該想定を上回る場合には、当社グループが想定する以上の保証責任が発生する可能性があります。加えて、電池モジュール等の原材料の一部についてはサプライヤーによる保証期間が20年よりも短いことから、当該期間の経過後は、当社グループが当該原材料に起因する損害についても責任を負担する可能性があります。当社グループの製品の欠陥は大規模な製品回収(リコール)や製造物賠償責任、無償交換・修理等により多額の費用を必要とするだけではなく、当社グループのレピュテーションに重大な影響を与える可能性があります。当社グループは製品の販売時に製品保証引当金を計上しておりますが、当該見積りを超過する費用が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 取引先との関係性に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは蓄電池製品の購入者、調達先や物流業者、EV急速充電器の設置及び事業展開について提携している自動車メーカー、外部委託先等、多くの取引先との関係性を築きながら、事業を拡大しております。しかしながら、取引先の全てが品質、価格、納期の観点で当社グループにとって有利な条件で取引を継続する保証はなく、他の取引先に変更する必要が生じ、取引条件が悪化した場合等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 内部管理体制に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、創業以来、事業の立ち上げ、業容拡大に応じて管理部門等の人員増強、各種規程・マニュアルの整備、システム導入等を進め、内部管理体制を構築してまいりました。今後も規模拡大、業容拡大に応じて内部管理体制の充実を図っていく方針でありますが、有効な内部管理体制が整備されなかった場合、または内部管理体制の整備及び運用に多額のコストを要する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 法規制等に関するリスク
(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業は、環境関連、知的財産、製品及び原材料の品質・安全性、競争関連、労働関連、税務関連等の様々な法規制等の適用を受けており、それらの法規制等を遵守し、事業活動を行っていますが、法規制等について、遵守できなかった場合や変更・改正があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 情報セキュリティに関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、事業遂行にあたり、顧客の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また営業上・技術上の機密情報を保有しています。不正アクセス、コンピュータウイルスによる被害、内部不正者や外注先による情報漏洩など、不測の事態が生じてこれらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 訴訟に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループでは本書提出日現在、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は認識しておりませんが、将来、当社グループの法令違反の有無に関わらず何らかの原因で取引先、同業他社、株主、各種団体等による訴訟等を提起される可能性があります。これらの訴訟等が発生した場合、及び当該訴訟等において当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ ブランド認知に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの事業推進において、ブランドイメージや社会的信用の維持・向上は重要であると考えております。一方で、当社製品の欠陥とそれに伴う製品回収(リコール)が発生した場合や、アフターメンテナンスが適切に行われなかった場合、及び当社グループ又はその役職員に不祥事が発生した場合、当社グループのレピュテーションに重大な悪影響を与える可能性があります。こうした状況に対して適切な対応を講じることができない場合や、マスコミによる報道やソーシャルメディアへの書き込みなどにより当社グループに対する否定的な風評が流布された場合には、当社グループのブランドイメージや社会的信用が著しく毀損され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 財務リスク等について
① 資金調達に関するリスク
(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、受注時に前受金を受領して原材料を発注することで運転資本の圧縮を図るとともに、設備投資、研究開発、不足する運転資本等で必要な事業資金については増資及び金融機関からの借入等により調達しております。今後、当社グループの経営成績、財政状態の悪化や金融情勢の変化等により、当社グループが希望する金額、時期、条件での資金調達ができない場合、当社グループの事業展開及び財政状態等に影響を与える可能性があります。 また、当社グループが締結している借入契約に付された財務制限条項(「5 経営上の重要な契約等 (2)金銭消費貸借契約」をご参照ください。)に抵触する場合、当社グループの事業の継続性に重大な影響を及ぼす可能性や、当社グループの借入コストやその後の資金調達に悪影響を与える可能性があります。
② 金利変動リスク
(発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:小)
当社グループは、運転資金及び設備資金について金融機関からの借入れにより資金調達を行っており、本書提出日現在における借入は全て変動金利型となっております。今後の金利動向が上昇局面となった場合、支払利息等の金利負担が増加することで金融収支が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 固定資産の減損リスク
(発生可能性:中、発生時期:中期、影響度:小)
当社グループは2024年12月期に事業計画の遅延に起因して2,211百万円の固定資産の減損損失を計上しましたが、2025年9月末時点では合計4,604百万円の有形固定資産及び無形固定資産を計上しております。今後も、工場設備の増強等を行うことで固定資産が増加していくことが想定されますが、当社グループの業績が想定したとおりに進捗しない場合、これらの固定資産の減損損失を計上することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 継続企業の前提に関する重要事象等
(発生可能性:小、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、2021年3月の創業以来、蓄電池製品の製造販売、EVユーザー向け充電サービス「PowerX Charge Station」の展開、電力販売、電気運搬船の開発準備に向けて各事業の垂直立上げを行っております。2023年12月期に蓄電池製品の販売を開始し、2024年12月期においては蓄電池製品の納品が進んでいるほか、電力事業についても顧客への電力供給を開始するなど事業展開は順調に推移しているものの、年間の固定費を回収することができず、2024年12月期まで4期連続の営業損失、経常損失、当期純損失(2023年12月期連結会計年度及び2024年12月期連結会計年度においては親会社株主に帰属する当期純損失)を計上しており、2025年12月期第3四半期連結累計期間においても営業損益以降の各段階損益がマイナスとなっております。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在すると認識しております。
当社グループでは、当該事象又は状況を改善、解消すべく以下の対応策に取り組んでまいります。
1.受注獲得に向けた営業体制の強化について
BESS事業及びEVCS事業、並びに電力事業における蓄電池製品等の販売及び稼働試験業務等の役務の提供については、国や地方自治体が実施する補助金施策なども背景に蓄電所向け定置用蓄電池の受注が増加傾向にあります。今後についても自社営業体制をより強化するとともに、大手エネルギー会社や自動車会社との戦略的アライアンスを通じて蓄電池製品販売の受注を獲得してまいります。なお、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④生産、受注及び販売の状況」に記載のとおり、2025年12月期第3四半期連結会計期間末における受注残高は41,715百万円(2024年12月期連結会計年度末比681.6%)と増加しております。
2.徹底したコストコントロールの推進による利益率の改善について
当社グループに関連した調達環境として、主要部品である電池モジュールの市場価格は下落トレンドにあります。加えて、製品受注の増加に伴う生産規模拡大を背景にしたサプライヤーとの価格交渉や、適切な部材選定、まとめ発注、及びサプライヤーとの協業などの原価低減活動を一層推進することで、原材料の調達コストの低減を図っております。さらに、米ドル建てで行っている輸入仕入取引について為替予約を活用して為替変動による影響を低減させることや、顧客への納品時期を踏まえた平準的な生産計画を立案することで既存の生産能力を最大限有効活用し追加的な製造コストを抑制することにも取り組んでおります。このように、各種原価項目を適切にコントロールすることにより事業計画で設定した原価水準を達成し、適正な製品販売利益を確保、拡大するべく努めてまいります。
3.資金繰りについて
資金面については、主に「PowerX Mega Power」の納品による売上計上や、契約締結に伴う前受金の入金により、2025年12月期中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは1,879百万円の収入となっております。
また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、当社は2025年3月26日に株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社及び株式会社三井住友銀行を貸付人とした総額4,000百万円のコミットメントライン契約を締結し、2025年9月末時点では2,500百万円を実行しております。なお、新生信託銀行株式会社と締結している金銭消費貸借契約について、利益維持等の財務制限条項の一部に抵触しているものの、バランスシートモニタリングへ抵触していないことにより期限の利益を喪失しないものと見做されております(金銭消費貸借契約の概要につきましては「5 経営上の重要な契約等」をご参照ください)。
上記の資金調達により事業及び運転資金の安定的な確保に努めている他、財務体質の強化及び運転資本の充実のため、2025年12月期第3四半期連結累計期間において法人7社及び個人17名に対する第三者割当増資により合計1,653百万円の資本調達を実施しております。
以上より、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在するものの、上記の対応策を着実に実行することにより早期に解消可能であり、本書提出日現在においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。しかしながら、上記の対応策が期待された効果を上げない場合や、本書に記載されたリスクの発現等により当社グループの事業環境が急速かつ急激に悪化する場合には、将来当社グループの財務的健全性が大きく損なわれる可能性があります。
(4) その他、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項について
① 社歴が浅いことについて
当社は2021年3月に設立され、2023年12月期の第4四半期に初めて売上を計上して以降、2024年12月期には大幅な増収を実現しました。当社グループが属する蓄電池関連市場は、再生可能エネルギーの普及と日本のエネルギー自給率の向上に蓄電池が不可欠であることから急激に成長しております。一方で、同市場の成長には多くの不確実性があり、また、当社グループも依然として急速な成長過程にあることから、過年度の財務情報は期間業績比較を行うには不十分な可能性があるとともに、当社グループが今後の経営環境の変化を予測し適切に対応するための経験が不足している可能性があります。
② 業績の下期偏重について
当社グループの主要顧客は12月決算や3月決算の会社が多く、また顧客が利用する補助金制度の多くが年度末(3月末)までに受給要件を充足することが求められていることから、顧客の予算執行時期が下期に偏重する傾向にあり、そのため当社グループの売上高も通常、下期偏重となります。これに対して販売費及び一般管理費はその多くが固定費であることから、当社グループが営業利益、経常利益、当期純利益を計上する場合も、その割合は下期偏重となります。
2024年12月期連結会計年度における四半期連結会計期間ごとの売上高及び営業損益は以下のとおりです。なお、各四半期会計期間の数値については、有限責任監査法人トーマツのレビューを受けておりません。
2024年12月期
第1四半期連結会計期間
(自 2024年1月 1日
至 2024年3月31日)
2024年12月期
第2四半期連結会計期間
(自 2024年4月 1日
至 2024年6月30日)
2024年12月期
第3四半期連結会計期間
(自 2024年7月 1日
至 2024年9月30日)
2024年12月期
第4四半期連結会計期間
(自 2024年10月 1日
至 2024年12月31日)
売上高
(百万円)
4842789414,457
営業損失(△)
(百万円)
△1,543△1,335△1,428△635

③ 業績の期ズレについて
当社グループの蓄電池製品及び関連する商品の販売については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載したとおり、収益認識会計基準の定めに則り、製品及び商品を引渡し顧客が検収した時点で顧客が当該製品及び商品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、当該時点において収益を認識しております。しかしながら、特にBESS事業における定置用蓄電池の販売においては、納品前の用地選定や基礎工事・受電日の遅れ、当社製品以外の資材調達の遅れ、契約後に顧客の財務状況が変化すること等の顧客都合により納品・検収の遅れが生じることがあり、このような場合、当初想定時期に収益を計上できず、収益計上時期が決算期末を超える場合(期ズレ)があります。事前の納期・検収時期の調整や、自社保管場所・寄託倉庫で納品・検収等を行う条項を契約に記載し合意することで、当初想定した時期に納品・検収される施策を行っておりますが、当該施策が適時適切に行えなかった場合や顧客に受け入れられなかった場合には、当該事業年度における売上高が翌事業年度以降に計上されることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新株予約権行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社グループの役員及び従業員らに対して新株予約権(ストックオプション)を付与しており(本書提出日現在の新株予約権の発行状況については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。)、本書提出日現在における潜在株式数は6,255,000株であり、発行済株式数38,387,000株(上記潜在株式数を含む)に対する割合は16.29%となっております。なお、当社グループは、今後においても役員及び従業員の士気向上や優秀な人材の確保を図るため、継続的にストックオプションの発行を実施していく予定であります。今後、これらの新株予約権が行使された場合には、既存株主が保有する株式価値の希薄化を生じ、また、行使の結果として交付される株式の処分の状況によっては、当社株式の需給に影響を及ぼす可能性があります。

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