有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスク
① ストックミュージック市場の動向について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が事業を展開するストックミュージック市場は、動画配信市場の成長にあわせて、今後も継続的に拡大することを見込んでおります。これは主に、動画配信市場の成長にあわせて、動画に使用されるBGMや効果音の需要が高まっているためと考えております。また、テクノロジーの発達とスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、個人がクリエイターとしてSNS等で発信するなど、法人・個人を問わず幅広いユーザーが高品質かつ多様な種類の音源を求めるようになってきており、今後も市場の拡大余地があると考えております。
一方で、音源の過剰供給による競争激化やユーザーニーズの変化等、ストックミュージック市場においては様々な環境変化が生じる可能性があります。当社の事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 著作権等収入に係る市場の動向について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が事業を展開する著作権等収入に係る市場は、テレビ・ラジオ局などの放送事業収入(注1)を収益基盤として安定的に推移しております。また、事業参入から日も浅いため、同市場における当社のシェアは未だ1.9%に過ぎず、今後更なるシェアの拡大を見込んでおります。
一方で、昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信等、コンテンツの多様化が進み、既存メディアの視聴時間の減少等、業界構造は大きく変化しており、今後も様々な環境変化が生じる可能性があります。当社の事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1 放送事業収入にはYouTubeやTVerなどのインタラクティブ配信に係るものは含まれません。
③ 競合について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
音源コンテンツには言語の壁がないため、海外大手事業者による日本進出や競合他社による新規参入の可能性があります。
一方で、当社では多くの日本人クリエイターに登録いただいており、日本の文化や嗜好など、日本人のニーズにあった音源を多数保有していることや、保有音源数が100万点超(2025年9月時点)となっており、日本国内、とりわけオンライン販売の領域においては一定程度の地位を構築できているものと認識しております。
また、海外の類似サービスによる日本市場への参入や新規参入については、日本人の文化や嗜好にあった音源の提供、日本語でのサポート対応など、日本独自の商慣習への対応が求められることを考慮すると、一定の参入障壁を構築できているものと考えております。
しかしながら、海外大手事業者による本格的な日本進出や、他社の新規参入により競争が激化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ インターネット通信環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社のサービスは、主にオンライン上で取引が実施されるため、インターネット通信環境が整備されていることが不可欠の事業であると考えております。近年、インターネット通信環境は十分に整備され、パソコンやスマートフォンなどのデバイスも広く普及するとともに、今後もスマートデバイスの利用拡大は継続すると見込まれており、当社サービスを提供するための環境は十分に整備されているものと考えております。
しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生など、予期せぬ要因により今後の当社サービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 技術革新及び音源生成AIの進展に伴う事業環境の変化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が事業を展開する音源コンテンツ業界においては、技術革新やユーザー嗜好の変化が速く、市場環境は継続的に変化しております。
当社としても、技術進展や顧客ニーズなどに応じたシステムやサービスの拡充等事業戦略の随時見直しの必要があるものと考えており、市場動向を常に注視しておりますが、予期しない技術革新などが起こり、当社が迅速に対応できなかった場合には、サービスの競争力の低下及び顧客の流出等につながり、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年においては、AI技術を活用した音源生成技術の発展により、テキスト等の入力によって安価かつ大量に音源を生成するサービスが国内外で登場しております。現時点においては、音源生成AIは、著作権侵害リスクや法的責任の所在に関する不確実性が、特に商用利用における一定の制約となっている一方で、当社は、登録クリエイターの本人確認及び独自の審査体制により権利関係が明確な音源を多数保有していることにより、一定の競争力を確保できていると認識しております。
しかしながら、今後、法制度の整備や社会規範の変化、技術的な権利侵害防止策の進展等により音源生成AIがさらに普及した場合には、ユーザーの離脱や音源需要の減少、価格競争の激化等により市場環境が変化し、当社の競争力が低下する可能性があります。こうした変化に当社が十分に対応できなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ システム障害・不具合について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、インターネット上において音源コンテンツの販売を主力サービスとしているため、オンラインサービスの安定運用のためのシステムの強化、セキュリティ対策に注力しております。
しかしながら、システムの不具合やアクセス集中による一時的に過大な負荷、外部からの不正など、当社が予期しない事象の発生により、当社のシステムがダウンした場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営及び会社組織(事業体制)に関するリスク
① 優良クリエイターの確保について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。音源の品質向上と購入者のニーズにあった音源を提供するクリエイター増加のため、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や表彰制度のほか、クリエイターに向けた各種情報発信などの施策を継続的に実施しております。
しかしながら、当社が予期しない事象の発生により、優良クリエイターを確保できず、当社が保有する音源コンテンツのクオリティ水準が低下し、ユーザーニーズに対応できない状況となった場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。当社としては、利用規約やウェブサイト上で注意喚起を行い、クリエイターの本人確認を徹底し、また審査体制を整えるなど、クリエイターによる不正が生じないよう対策を講じております。
しかしながら、クリエイターが第三者の権利を侵害する音源を当社のサービスに登録し、当社がこれを認知することができないまま当社のサービス上で公開した場合、意図せず第三者の権利を侵害してしまう可能性があり、訴訟や風評リスク等、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定顧客への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社売上高に占める主要取引先の割合は以下のとおりです。
著作権等収入における収益の大半を両社を介して獲得している状況であります。両社とは良好かつ安定的な取引関係を維持できており、現時点において、取引関係に支障をきたす事象は生じておりません。今後も継続的な取引が維持できるものと考えておりますが、何らかの理由により同社との取引関係が継続困難となった場合や取引が大幅に減少する場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、今後は同社への依存度を下げるべく、他の既存取引先との取引拡大や新規取引先の開拓によりリスク低減に努める方針であります。
④ 個人情報の管理について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、業務に関連して多数の顧客の個人情報を取り扱っております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を制定し、個人情報の取扱いに関する社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。また、2025年2月には、セキュリティの一層の強化のためISMS(注)を取得しております。
しかしながら、不正アクセスやその他の予期せぬ方法により、個人情報の外部流出や不正に悪用されるといった事態が発生した場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) ISMS(ISO/IEC27001)とはスイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardizationが制定した情報セキュリティマネジメントシステムに関する規格であります。
⑤ 人材採用・育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、今後の事業規模の拡大のために、組織体制の強化に取り組む必要があると認識しております。組織体制強化のため、当社のコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用や、育成のため採用候補者に向けた広報活動や社内教育体制の充実など各種施策に取り組んでおります。
しかしながら、当社の求める人材の採用・育成が十分でない場合や予期せぬ人材の流出があった場合には、日常的な業務運営はもとより、事業拡大に向けた各種施策の推進が困難となるなど、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ コンプライアンス体制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業の維持・拡大のためにコンプライアンス体制の充実が不可欠であると考えており、社内規程としてリスク・コンプライアンス規程を制定するとともに、同規程に基づくリスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内教育の徹底と管理体制の構築による役職員のコンプライアンス意識の醸成と維持・向上を図っております。
しかしながら、当社が予期しないコンプライアンス上の事象が発生した場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 特定人物への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の創業者であり大株主でもある代表取締役社長西尾周一郎は、当社の強みである事業の創出やノウハウを蓄積しており、事業の推進において重要な役割を担っております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、取締役会や経営会議等の重要な会議体等において、役員及び幹部社員への情報共有や権限移譲を進めたり、幹部人材の育成及び強化を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務執行ができない事態となった場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 小規模組織であることのリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社は、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 海外展開に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、2023年7月に音源ライセンス販売サービス「Audiostock」海外版を開始しております。海外展開にあたっては、現地企業又は現地の情勢、動向に相当の知見を有する外部専門家との連携を図り、また必要な場合は専門人材の拡充検討も含め、適切に対応してまいります。現在は主に北米を中心としたサービス展開をしておりますが、中長期的には、その他の地域への展開も模索しており、各国における政情不安の発生、当社事業に関連する法規制の成立又は改正等が生じた場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ プラットフォームの仕様変更等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」のユーザーの多くは、YouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用し動画配信を行っております。また当社は、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信プラットフォームを通じて音楽配信サービスを提供しております。各種サービス提供にあたっては、各プラットフォームの動向を注視するとともに、仕様に沿ったサービス提供に努めておりますが、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、大幅な仕様変更などがあり、これに対応できない場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
① 業績の季節変動について(発生可能性:高、発生時期:毎年、影響度:小)
当社は、継続的かつ安定した収益の確保を目的として、四半期ごとの業績平準化に努めております。しかしながら、著作権等収入のうち、著作隣接権収入に係る業界団体からの分配サイクルは、4月から9月に集中するため、第3四半期(4月~6月)と第4四半期(7月~9月)に売上高が偏る傾向にあります。
当社としては、著作隣接権収入について慎重な計画の策定と、定期的な進捗確認を通じた業績管理を実施しておりますが、計画どおりに進捗しない場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月期の四半期毎の売上高及び営業利益は、次のとおりです。
② 著作権等収入の過年度比較及び将来の収入予測の困難性について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は2025年9月期より著作隣接権収入の本格的な計上を開始した結果、著作権等収入が大きく増加しております。著作隣接権収入は、当社が著作権等管理事業者から利用実績報告を受けた時点で履行義務が充足されることから、当該履行義務を充足した時点で収益を認識しております。その結果、本格分配の初年度であることから、2025年9月期の著作隣接権収入には、通常の報告対象期間以前の放送使用分も分配の対象となり、これに係る売上高91百万円とこれに伴うクリエイター報酬及び著作権等管理手数料39百万円も2025年9月期の収益、費用として認識していることからも、過年度との比較が困難となっております。
また、当社の著作権等収入は成長途上であり、放送使用状況の把握や収入予測に活用できる十分な過年度データがまだ蓄積されていないため、将来の収入予測には一定の不確実性があります。当社は主要なテレビ放送局での利用状況をモニタリングできる外部ツールを活用し、可能な限り放送使用動向を把握して予算の精度向上に努めておりますが、テレビ等放送局の放送事業収入の変動の影響等も受ける著作権等収入の特性上、収入が想定どおりに推移しない場合があります。
そのため、過年度の業績推移のみでは、当社の今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
③ 自然災害、人為災害及びパンデミック等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
地震、風水害等の天災や事故、火災、テロ攻撃、戦争等により、システムの予期せぬ停止、設備の損壊、電力供給の制限などの不測の事態が発生した場合には、事業運営及びサービス提供に支障が生じる可能性があり、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社は、新型コロナウイルス感染症などのパンデミック等に対応するため、積極的なリモートワークの活用により、経常的に業務運営に支障のない体制を整備してまいりました。しかしながら、感染症のまん延が長期化し、経済活動の停滞によって事業環境が悪化した場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社の社会的信用が低下することに加え、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 株主構成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
2025年9月末現在において、当社発行済株式総数4,059,000株のうち、計1,729,000株はベンチャーキャピタルが所有しており、その保有割合は42.6%となっております。一般的に、ベンチャーキャピタルは市場での株式売却によるキャピタルゲインの獲得が株式保有の目的であることから、ベンチャーキャピタルが当社株式を市場で売却した場合には、当社株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は株主利益の最大化を経営上の重要な課題の一つとして認識しておりますが、当社は現在、成長過程にあるため、事業基盤の整備を優先し、事業の継続的な拡大を行うことが株主価値の最大化に資するとの考えにより、その原資となる資金の確保を優先する方針であるため、内部留保の充実を図り、配当を行っておりません。将来的には利益還元の方策の一つとして配当を行う方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
⑦ 税制及び繰延税金資産について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業拡大のために人材採用や宣伝広告、開発等の積極的な投資を行ってきたため、第18期事業年度末時点において税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後、繰越欠損金の繰越控除、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産を計上しております。当該予測は、策定時点の事業計画における主要な仮定に基づいております。そのため、経営環境の変化等によりこれらの仮定に乖離が生じ、将来の課税所得の見積額が減少した場合には、繰延税金資産の取崩し(評価性引当額の計上)が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
株式上場時の公募増資による調達資金の使途につきましては、当社及びサービスの認知度向上と新規ユーザー獲得のための効果的な広告宣伝費、優秀な人材を採用するための人件費等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する外部環境やその他の事由により、当初想定していなかった使途への資金充当の可能性や、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。そのため、当初計画に則った資金投下を基本戦略とするものの、経営環境の変化を常に観察し、当初計画に固執することなく、柔軟な資金投下戦略による資本効率の最大化を目指してまいります。
⑨ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、役員及び従業員並びに外部協力者のモチベーション向上及び事業貢献のためストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は398,800株であり、発行済株式総数4,059,000株の9.8%となっております。ストック・オプションの付与にあたっては、付与時期の分散等による権利行使可能期間の分散等を図っておりますが、これらのストック・オプションが行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑩ 代表取締役の所有株式に係る担保設定について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社代表取締役である西尾周一郎は、当社の経営基盤を安定化させ、より機動的な経営判断を可能とする体制を構築することを目的として、同氏の資産管理会社である株式会社ウエストテイルズ(以下、「資産管理会社」)を通じて、当社の既存株主より当社株式(252,800株。詳細については、後記「第四部 株式公開情報 第1特別利害関係者等の株式等の移動状況」をご参照ください。)を取得いたしました。
当該株式の取得資金として、資産管理会社は株式会社中国銀行(以下、「金融機関」)との間で当座勘定貸越約定書を締結し、借入を行っております。本借入契約等のコベナンツ条項に基づき、当社株式の上場に伴うロックアップ期間の終了後速やかに、同氏及び資産管理会社が保有する当社株式の一部について、借入金の担保として質権が設定される予定であります。また、担保提供株式の時価の60%の水準が借入金額を上回るよう質権設定対象となる株式数が定まることから、株価の変動によっては、追加で当社株式が担保提供される可能性があります。
当該借入契約等において、資産管理会社又は連帯保証人である西尾周一郎について、下記に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序にかかわらず、また被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するため、担保対象株式の売却が行われる可能性があります。
・破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき
・手形交換所又は電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
・支払の停止があったと認められる事実が発生したとき
・預金その他の金融機関に対する債権について仮差押、保全差押、又は差押の命令、通知が発送されたとき
・担保の目的物について差押又は競売手続の開始があったとき
・金融機関に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
・上記のほか、提出する財務状況等に重大な虚偽があるなど、金融機関の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき
同氏は、当社の筆頭株主として今後も一定の議決権を保有し、株主共同の利益を追求する方針を有しておりますが、東京証券取引所における売却又はその他の方法により担保対象株式の売却がなされた場合、又はその可能性が顕在化した場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、担保対象株式の売却がなされた場合には、株主構成の変化をもたらし、筆頭株主をはじめとする大株主の構成が大きく変わる可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスク
① ストックミュージック市場の動向について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が事業を展開するストックミュージック市場は、動画配信市場の成長にあわせて、今後も継続的に拡大することを見込んでおります。これは主に、動画配信市場の成長にあわせて、動画に使用されるBGMや効果音の需要が高まっているためと考えております。また、テクノロジーの発達とスマートフォンなどのモバイル端末の普及により、個人がクリエイターとしてSNS等で発信するなど、法人・個人を問わず幅広いユーザーが高品質かつ多様な種類の音源を求めるようになってきており、今後も市場の拡大余地があると考えております。
一方で、音源の過剰供給による競争激化やユーザーニーズの変化等、ストックミュージック市場においては様々な環境変化が生じる可能性があります。当社の事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 著作権等収入に係る市場の動向について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が事業を展開する著作権等収入に係る市場は、テレビ・ラジオ局などの放送事業収入(注1)を収益基盤として安定的に推移しております。また、事業参入から日も浅いため、同市場における当社のシェアは未だ1.9%に過ぎず、今後更なるシェアの拡大を見込んでおります。
一方で、昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信等、コンテンツの多様化が進み、既存メディアの視聴時間の減少等、業界構造は大きく変化しており、今後も様々な環境変化が生じる可能性があります。当社の事業はこれらの市場動向の影響を受ける可能性があり、市場成長の鈍化や市場ニーズの変化に対応できなかった場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)1 放送事業収入にはYouTubeやTVerなどのインタラクティブ配信に係るものは含まれません。
③ 競合について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
音源コンテンツには言語の壁がないため、海外大手事業者による日本進出や競合他社による新規参入の可能性があります。
一方で、当社では多くの日本人クリエイターに登録いただいており、日本の文化や嗜好など、日本人のニーズにあった音源を多数保有していることや、保有音源数が100万点超(2025年9月時点)となっており、日本国内、とりわけオンライン販売の領域においては一定程度の地位を構築できているものと認識しております。
また、海外の類似サービスによる日本市場への参入や新規参入については、日本人の文化や嗜好にあった音源の提供、日本語でのサポート対応など、日本独自の商慣習への対応が求められることを考慮すると、一定の参入障壁を構築できているものと考えております。
しかしながら、海外大手事業者による本格的な日本進出や、他社の新規参入により競争が激化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ インターネット通信環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社のサービスは、主にオンライン上で取引が実施されるため、インターネット通信環境が整備されていることが不可欠の事業であると考えております。近年、インターネット通信環境は十分に整備され、パソコンやスマートフォンなどのデバイスも広く普及するとともに、今後もスマートデバイスの利用拡大は継続すると見込まれており、当社サービスを提供するための環境は十分に整備されているものと考えております。
しかしながら、インターネット通信環境の悪化、スマートデバイスの普及の著しい鈍化、不正使用等の弊害の発生など、予期せぬ要因により今後の当社サービスの拡大を阻害するような状況が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 技術革新及び音源生成AIの進展に伴う事業環境の変化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が事業を展開する音源コンテンツ業界においては、技術革新やユーザー嗜好の変化が速く、市場環境は継続的に変化しております。
当社としても、技術進展や顧客ニーズなどに応じたシステムやサービスの拡充等事業戦略の随時見直しの必要があるものと考えており、市場動向を常に注視しておりますが、予期しない技術革新などが起こり、当社が迅速に対応できなかった場合には、サービスの競争力の低下及び顧客の流出等につながり、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年においては、AI技術を活用した音源生成技術の発展により、テキスト等の入力によって安価かつ大量に音源を生成するサービスが国内外で登場しております。現時点においては、音源生成AIは、著作権侵害リスクや法的責任の所在に関する不確実性が、特に商用利用における一定の制約となっている一方で、当社は、登録クリエイターの本人確認及び独自の審査体制により権利関係が明確な音源を多数保有していることにより、一定の競争力を確保できていると認識しております。
しかしながら、今後、法制度の整備や社会規範の変化、技術的な権利侵害防止策の進展等により音源生成AIがさらに普及した場合には、ユーザーの離脱や音源需要の減少、価格競争の激化等により市場環境が変化し、当社の競争力が低下する可能性があります。こうした変化に当社が十分に対応できなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ システム障害・不具合について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、インターネット上において音源コンテンツの販売を主力サービスとしているため、オンラインサービスの安定運用のためのシステムの強化、セキュリティ対策に注力しております。
しかしながら、システムの不具合やアクセス集中による一時的に過大な負荷、外部からの不正など、当社が予期しない事象の発生により、当社のシステムがダウンした場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営及び会社組織(事業体制)に関するリスク
① 優良クリエイターの確保について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。音源の品質向上と購入者のニーズにあった音源を提供するクリエイター増加のため、販売状況に応じて報酬率が上昇する報酬体系の採用や表彰制度のほか、クリエイターに向けた各種情報発信などの施策を継続的に実施しております。
しかしながら、当社が予期しない事象の発生により、優良クリエイターを確保できず、当社が保有する音源コンテンツのクオリティ水準が低下し、ユーザーニーズに対応できない状況となった場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、オンライン上で不特定多数のクリエイターから音源を受け入れ、販売しております。当社としては、利用規約やウェブサイト上で注意喚起を行い、クリエイターの本人確認を徹底し、また審査体制を整えるなど、クリエイターによる不正が生じないよう対策を講じております。
しかしながら、クリエイターが第三者の権利を侵害する音源を当社のサービスに登録し、当社がこれを認知することができないまま当社のサービス上で公開した場合、意図せず第三者の権利を侵害してしまう可能性があり、訴訟や風評リスク等、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定顧客への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社売上高に占める主要取引先の割合は以下のとおりです。
| 取引先名 | 2024年9月期実績 | 2025年9月期実績 | 2026年9月期 第3四半期累計期間実績 | |||
| 売上高 (千円) | 売上高合計に 占める割合 | 売上高 (千円) | 売上高合計に 占める割合 | 売上高 (千円) | 売上高合計に 占める割合 | |
| (株)NexTone | 310,889 | 35.0% | 511,110 | 33.9% | 523,884 | 40.0% |
| (株)スペースシャワー ネットワーク | 29,318 | 3.3% | 322,348 | 21.4% | 173,923 | 13.3% |
著作権等収入における収益の大半を両社を介して獲得している状況であります。両社とは良好かつ安定的な取引関係を維持できており、現時点において、取引関係に支障をきたす事象は生じておりません。今後も継続的な取引が維持できるものと考えておりますが、何らかの理由により同社との取引関係が継続困難となった場合や取引が大幅に減少する場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、今後は同社への依存度を下げるべく、他の既存取引先との取引拡大や新規取引先の開拓によりリスク低減に努める方針であります。
④ 個人情報の管理について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、業務に関連して多数の顧客の個人情報を取り扱っております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を制定し、個人情報の取扱いに関する社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。また、2025年2月には、セキュリティの一層の強化のためISMS(注)を取得しております。
しかしながら、不正アクセスやその他の予期せぬ方法により、個人情報の外部流出や不正に悪用されるといった事態が発生した場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) ISMS(ISO/IEC27001)とはスイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardizationが制定した情報セキュリティマネジメントシステムに関する規格であります。
⑤ 人材採用・育成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、今後の事業規模の拡大のために、組織体制の強化に取り組む必要があると認識しております。組織体制強化のため、当社のコーポレートビジョンに共感する優秀な人材の採用や、育成のため採用候補者に向けた広報活動や社内教育体制の充実など各種施策に取り組んでおります。
しかしながら、当社の求める人材の採用・育成が十分でない場合や予期せぬ人材の流出があった場合には、日常的な業務運営はもとより、事業拡大に向けた各種施策の推進が困難となるなど、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ コンプライアンス体制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業の維持・拡大のためにコンプライアンス体制の充実が不可欠であると考えており、社内規程としてリスク・コンプライアンス規程を制定するとともに、同規程に基づくリスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内教育の徹底と管理体制の構築による役職員のコンプライアンス意識の醸成と維持・向上を図っております。
しかしながら、当社が予期しないコンプライアンス上の事象が発生した場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 特定人物への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の創業者であり大株主でもある代表取締役社長西尾周一郎は、当社の強みである事業の創出やノウハウを蓄積しており、事業の推進において重要な役割を担っております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、取締役会や経営会議等の重要な会議体等において、役員及び幹部社員への情報共有や権限移譲を進めたり、幹部人材の育成及び強化を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務執行ができない事態となった場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 小規模組織であることのリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社は、今後の業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 海外展開に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、2023年7月に音源ライセンス販売サービス「Audiostock」海外版を開始しております。海外展開にあたっては、現地企業又は現地の情勢、動向に相当の知見を有する外部専門家との連携を図り、また必要な場合は専門人材の拡充検討も含め、適切に対応してまいります。現在は主に北米を中心としたサービス展開をしておりますが、中長期的には、その他の地域への展開も模索しており、各国における政情不安の発生、当社事業に関連する法規制の成立又は改正等が生じた場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ プラットフォームの仕様変更等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
音源ライセンス販売サービス「Audiostock」のユーザーの多くは、YouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用し動画配信を行っております。また当社は、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信プラットフォームを通じて音楽配信サービスを提供しております。各種サービス提供にあたっては、各プラットフォームの動向を注視するとともに、仕様に沿ったサービス提供に努めておりますが、プラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換、大幅な仕様変更などがあり、これに対応できない場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
① 業績の季節変動について(発生可能性:高、発生時期:毎年、影響度:小)
当社は、継続的かつ安定した収益の確保を目的として、四半期ごとの業績平準化に努めております。しかしながら、著作権等収入のうち、著作隣接権収入に係る業界団体からの分配サイクルは、4月から9月に集中するため、第3四半期(4月~6月)と第4四半期(7月~9月)に売上高が偏る傾向にあります。
当社としては、著作隣接権収入について慎重な計画の策定と、定期的な進捗確認を通じた業績管理を実施しておりますが、計画どおりに進捗しない場合には、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2025年9月期の四半期毎の売上高及び営業利益は、次のとおりです。
| 第1四半期 (10~12月) | 第2四半期 (1~3月) | 第3四半期 (4~6月) | 第4四半期 (7~9月) | |
| 売上高(千円) | 280,997 | 348,164 | 416,972 | 460,893 |
| 累計売上進捗率(%) | 18.6 | 41.7 | 69.4 | 100.0 |
| 営業利益(千円) | 48,240 | 85,586 | 119,892 | 127,087 |
② 著作権等収入の過年度比較及び将来の収入予測の困難性について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は2025年9月期より著作隣接権収入の本格的な計上を開始した結果、著作権等収入が大きく増加しております。著作隣接権収入は、当社が著作権等管理事業者から利用実績報告を受けた時点で履行義務が充足されることから、当該履行義務を充足した時点で収益を認識しております。その結果、本格分配の初年度であることから、2025年9月期の著作隣接権収入には、通常の報告対象期間以前の放送使用分も分配の対象となり、これに係る売上高91百万円とこれに伴うクリエイター報酬及び著作権等管理手数料39百万円も2025年9月期の収益、費用として認識していることからも、過年度との比較が困難となっております。
また、当社の著作権等収入は成長途上であり、放送使用状況の把握や収入予測に活用できる十分な過年度データがまだ蓄積されていないため、将来の収入予測には一定の不確実性があります。当社は主要なテレビ放送局での利用状況をモニタリングできる外部ツールを活用し、可能な限り放送使用動向を把握して予算の精度向上に努めておりますが、テレビ等放送局の放送事業収入の変動の影響等も受ける著作権等収入の特性上、収入が想定どおりに推移しない場合があります。
そのため、過年度の業績推移のみでは、当社の今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
③ 自然災害、人為災害及びパンデミック等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
地震、風水害等の天災や事故、火災、テロ攻撃、戦争等により、システムの予期せぬ停止、設備の損壊、電力供給の制限などの不測の事態が発生した場合には、事業運営及びサービス提供に支障が生じる可能性があり、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また当社は、新型コロナウイルス感染症などのパンデミック等に対応するため、積極的なリモートワークの活用により、経常的に業務運営に支障のない体制を整備してまいりました。しかしながら、感染症のまん延が長期化し、経済活動の停滞によって事業環境が悪化した場合、当社事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業運営にあたって、予期せぬトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵にかかわらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟の提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合は、起訴内容や損害賠償額の状況及びその結果によっては当社の社会的信用が低下することに加え、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 株主構成について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
2025年9月末現在において、当社発行済株式総数4,059,000株のうち、計1,729,000株はベンチャーキャピタルが所有しており、その保有割合は42.6%となっております。一般的に、ベンチャーキャピタルは市場での株式売却によるキャピタルゲインの獲得が株式保有の目的であることから、ベンチャーキャピタルが当社株式を市場で売却した場合には、当社株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は株主利益の最大化を経営上の重要な課題の一つとして認識しておりますが、当社は現在、成長過程にあるため、事業基盤の整備を優先し、事業の継続的な拡大を行うことが株主価値の最大化に資するとの考えにより、その原資となる資金の確保を優先する方針であるため、内部留保の充実を図り、配当を行っておりません。将来的には利益還元の方策の一つとして配当を行う方針ではありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
⑦ 税制及び繰延税金資産について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、事業拡大のために人材採用や宣伝広告、開発等の積極的な投資を行ってきたため、第18期事業年度末時点において税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため、現在は通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課せられておりません。今後、繰越欠損金の繰越控除、又は期限切れによる繰越欠損金の解消により、課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税の負担が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は将来の課税所得に関する予測に基づき繰延税金資産を計上しております。当該予測は、策定時点の事業計画における主要な仮定に基づいております。そのため、経営環境の変化等によりこれらの仮定に乖離が生じ、将来の課税所得の見積額が減少した場合には、繰延税金資産の取崩し(評価性引当額の計上)が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
株式上場時の公募増資による調達資金の使途につきましては、当社及びサービスの認知度向上と新規ユーザー獲得のための効果的な広告宣伝費、優秀な人材を採用するための人件費等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する外部環境やその他の事由により、当初想定していなかった使途への資金充当の可能性や、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定した投資効果が得られない可能性があります。そのため、当初計画に則った資金投下を基本戦略とするものの、経営環境の変化を常に観察し、当初計画に固執することなく、柔軟な資金投下戦略による資本効率の最大化を目指してまいります。
⑨ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、役員及び従業員並びに外部協力者のモチベーション向上及び事業貢献のためストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は398,800株であり、発行済株式総数4,059,000株の9.8%となっております。ストック・オプションの付与にあたっては、付与時期の分散等による権利行使可能期間の分散等を図っておりますが、これらのストック・オプションが行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑩ 代表取締役の所有株式に係る担保設定について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社代表取締役である西尾周一郎は、当社の経営基盤を安定化させ、より機動的な経営判断を可能とする体制を構築することを目的として、同氏の資産管理会社である株式会社ウエストテイルズ(以下、「資産管理会社」)を通じて、当社の既存株主より当社株式(252,800株。詳細については、後記「第四部 株式公開情報 第1特別利害関係者等の株式等の移動状況」をご参照ください。)を取得いたしました。
当該株式の取得資金として、資産管理会社は株式会社中国銀行(以下、「金融機関」)との間で当座勘定貸越約定書を締結し、借入を行っております。本借入契約等のコベナンツ条項に基づき、当社株式の上場に伴うロックアップ期間の終了後速やかに、同氏及び資産管理会社が保有する当社株式の一部について、借入金の担保として質権が設定される予定であります。また、担保提供株式の時価の60%の水準が借入金額を上回るよう質権設定対象となる株式数が定まることから、株価の変動によっては、追加で当社株式が担保提供される可能性があります。
当該借入契約等において、資産管理会社又は連帯保証人である西尾周一郎について、下記に定めるいずれかの事由が生じた場合には、法定の順序にかかわらず、また被担保債務の期限が到来したかどうかにかかわらず、その債務の弁済に充当するため、担保対象株式の売却が行われる可能性があります。
・破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき
・手形交換所又は電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき
・支払の停止があったと認められる事実が発生したとき
・預金その他の金融機関に対する債権について仮差押、保全差押、又は差押の命令、通知が発送されたとき
・担保の目的物について差押又は競売手続の開始があったとき
・金融機関に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき
・上記のほか、提出する財務状況等に重大な虚偽があるなど、金融機関の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき
同氏は、当社の筆頭株主として今後も一定の議決権を保有し、株主共同の利益を追求する方針を有しておりますが、東京証券取引所における売却又はその他の方法により担保対象株式の売却がなされた場合、又はその可能性が顕在化した場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。また、担保対象株式の売却がなされた場合には、株主構成の変化をもたらし、筆頭株主をはじめとする大株主の構成が大きく変わる可能性があります。