訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2025/10/24 15:30
【資料】
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【項目】
130項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、企業としての志や社会的な存在意義であるパーパスを「コマースに熱狂を。」と定め、コマースに関わるすべての人と、単なる楽しさを超えた「新しい熱狂」をつくりだす存在となることを目指しております。
また、パーパス実現のために共通の価値観であるバリューズ「ね」を掲げておりますが、この「ね」は、「ありがと”ね”」「がんばろう”ね”」など共創を意味する価値観であり、以下の3つの行動指針を要約した表現でもあります。
① IGNITION「いいね。」
“好奇心”と“向上心”をエネルギーに走り出します。
② SPRINT「たのしもうね。」
挑戦と学びを繰り返します。
③ HIGH FIVE「ありがとね。」
互いに手を取り合うことで大きな目標を達成します。
いいね。すごいね。楽しいね。ありがとうね。一緒にがんばろうね。絶対に負けないからね。
わたしたちはコマースに「新しい熱狂」をつくりだすために、いろとりどりの「ね」をつくります。
バリューズ「ね」は当社(NE)の文化の基盤であり、当社が「コマースに熱狂を。」というパーパスを成し遂げるために、不可欠な価値観と位置付けており、この価値観に基づいてコマースに関わるすべての人と「新しい熱狂」をつくりだすべく、主にEC事業者を対象として、その成長に伴走する各種のサービスを展開しております。
(2) 経営環境
2025年8月に経済産業省が公表した「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2024年における物販系分野のBtoC-EC市場(注)1規模は、前年の14兆6,760億円から5,434億円増加し、15兆2,194億円となりました。前年比増加率は3.70%と、エネルギー価格の高騰、物価高、円安等のネガティブ要因を背景にして、2020年、2021年の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた拡大と比べると伸び率は緩やかになりましたが、引き続き底堅く推移しております。EC化率(注)2は前年比0.40ポイント上昇の9.78%と、コロナ禍で一気に高まった2020年に比べても1.70ポイント伸長しており、EC市場は引き続き拡大しております。

(注)1.BtoC-EC市場:一般消費者向けのインターネット通信販売市場を指します。
2.すべての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC取引金額(EC市場規模)の割合を示す指標です。
物販系分野のBtoC-EC市場規模は、当社のネクストエンジン事業におけるユーザーの社数といったストック指標及び受注処理件数といったトランザクションのボリュームを通じて、また、コンサルティング事業における受注獲得の観点からも、業績に直接的な影響を及ぼすため、市場規模の拡大は当社の事業成長にとって非常に重要となります。
BtoC-EC市場について、今後も堅調な成長が見込まれていることから、当社にとって事業規模拡大の機会が当面続くものと考えております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、主要なKPIをネクストエンジンの「総契約社数」と「ARPU(注)1」と設定し、自社でコントロールが可能な「総契約社数」を重要指標として追求してまいりましたが、ネクストエンジンの基本利用料を2023年6月に引き下げたことに伴い、顧客構成として、ネクストエンジンを通じたEC流通額が小規模な事業者も増加傾向にあると認識しております。ネクストエンジン事業の持続的な成長を実現するために、より重要な指標をARPUと位置づけ、今後ARPUの向上を意識した施策を実施してまいります。
具体的には、顧客企業の独自の事業運営に合わせたネクストエンジンアプリの受託開発「ネクストエンジンオーダーメイド (注)2」や、コンサルティング機能を活用したTier(取引先における月間受注処理件数の規模別階層)別の伴走で顧客であるEC事業者の売上拡大を支援することで、ネクストエンジンを通じた受注処理件数の拡大によってARPUの向上を目指します。
また、EC事業者のコミュニティー組成等に取り組み、顧客同士が成功体験を共有し合うなど相互に有用な情報交換を促すことで、自律的な事業成長につながる場を提供するという、間接的な成長支援にも注力してまいります。
結果としてコンサルティングサービスによって顧客であるEC事業者のフロントエンド(売上拡大)を支援し、ネクストエンジンでバックエンド(業務効率化)を支援するという、当社の保有する企業アセットを活用して持続的な成長を実現してまいります。
また、2024年4月に事業譲受により取得した伝統工芸品のEC販売事業は、今後日本の伝統工芸品や食品等、日本文化の発信基盤となることを目指しておりますが、将来的には、新規事業として機能開発に取り組んだBtoB卸売マーケットプレイスを包含した「グローカル・コマースプラットフォーム (注)3」を確立し、ネクストエンジンとコンサルティング機能でEC事業者を含む全てのコマース事業者を支援するという企業アセットを活用しながら、当社事業領域(事業ドメイン)をグローバルへと拡張する方針としております。
(注) 1.ネクストエンジンのARPUは、ネクストエンジンに紐づく月次の総売上(メイン機能、アプリ売上、ネクストエンジンオーダーメイド売上等)を月末時点のネクストエンジン総契約社数で除して求めます。
2.顧客企業の独自の運営に合わせたネクストエンジンアプリを受託開発するサービスです。
3.当社事業が目指す方向性「グローバル(世界的な)とローカル(地方的な)を結びつけるプラットフォーム」を体現する造語です。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の事業展開において更なる事業拡大・成長を目指すに当たり、以下の課題を認識しております。当社は、これらの課題に迅速に対処してまいります。
① 優秀な人材が働きやすい環境の整備
継続的な成長の原資である人材は、当社にとって最も重要な経営資源と認識しております。当社のサービス開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社においては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、サービスクオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。コロナ禍を経てテレワーク等多様な働き方に対するニーズは一定存在するものの、リアルでのコミュニケーションの重要性が再認識されている状況も鑑み、今後も当社はテレワークと出社を自由に選択できる勤務形態を維持し、リアルとデジタルが融合した働き方の多様性に対応してまいります。
② コーポレートガバナンスの高度化
当社は2024年8月16日開催の臨時株主総会決議により、監査役会設置会社となりましたが、一層のコーポレートガバナンスの高度化を実現するため、重要な経営情報やリスク情報をいつでも社外取締役及び監査役会に共有する体制を整備するなど監督機能の強化や、事前に余裕を持ったスケジュールで資料を共有することで取締役会の活性化に努めるなど、より高度なガバナンス体制の構築を目指し、コーポレートガバナンスの透明性及び客観性を維持向上できるよう対応してまいります。
③ コンプライアンス体制の維持向上
近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社では、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。
④ ESGの推進
当社創業の地である小田原には、江戸時代の思想家、二宮尊徳翁が生んだ「報徳思想」という考え方が根付いています。この教えのもと、私たちは社会の公器としての自覚を持ち、事業活動の進化・成長を図るとともに、環境・社会・経済などに関わる課題の包括的解決に取り組むことが責務であると認識しております。
当社は、ネクストエンジンの拡大により、消費者に多様なEC消費の機会をもたらし、ECに関わる事業者に「あそび」のある時間をもたらす、『働きがいも経済成長も』『産業と技術革新の基盤をつくろう』に繋がる取り組みを行っておりますが、ESGに関するマテリアリティ(重要課題)の特定と、各マテリアリティ達成に向けて、事業活動を通じて取り組むべき目標とそのアクションプランの策定といった具体的な取り組みについては、今後注力してまいります。
⑤ ネクストエンジンのARPU向上と契約拡大のための継続的な取り組み
ネクストエンジンは主として複数のEC店舗を運営している事業者から支持されているサービスであり、6,500社を超える顧客にご利用いただいています。今後も引き続き、以下の取り組みを推進し、顧客によるEC事業の成長実現を通じてARPUの向上と、顧客基盤確保のために契約拡大を目指します。
・AI連携機能の実装による業務自動化の対象領域拡大とEC事業者の作業負担軽減
業務自動化の対象領域を拡大することでEC事業者の業務負担を軽減し、販促活動に注力できる環境を提供することで、ユーザーの売上拡大の支援につなげていきます。結果として、ユーザーの受注処理件数が増加することでARPUの向上を目指すと同時に、AI連携機能は有料アプリとして展開するため、アプリ自体の売上もARPUの向上に寄与する取り組みとなります。
・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅を更に拡大
連携できるサービスが拡大することでEC運営上の顧客利便性が高まり、結果的にネクストエンジンの訴求力の向上につながると考えております。また、連携できるサービスの拡大によりユーザーの業務効率化が進むことも期待できることから、販促活動に注力できる環境の提供にもつながり、結果的にユーザーの売上の拡大と受注処理件数が増加することでARPUの向上を目指します。
・無料アカウント発行数強化のためのプロモーション活動
正式契約への導入窓口である無料アカウント利用企業の獲得に注力することで、契約拡大を目指します。
・顧客満足度を維持するためのコールセンター業務のアウトソース活用と、自社サポート体制の充実化による解約率の低減
解約率の低減により、総契約社数の安定的な拡大を目指します。
⑥ 市場環境に左右されない強固な顧客基盤の構築
前事業年度と同様に下記の経営環境の変化が続いていると認識しております。
(a) EC市場における構造変化
コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、受注処理件数の多い事業者は安定して事業を継続しているのに対し、受注処理件数の少ない事業者は撤退する事例も散見されるなど、業界として二極化が進んでいる。
(b) 地政学リスクの高まりを背景にした消費行動の停滞
コロナ禍で進んだ消費行動のデジタルシフトに始まり、自粛期間終息後のモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)へのシフトなど、様々な要因の影響により消費行動が変容する中、直近においてはウクライナ情勢など地政学リスクの高まりに起因するエネルギー価格や物価の高騰に伴い、EC市場における消費者の購買力が低下している。
(c) EC事業者の喫緊の経営課題のシフト
上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、機能が充実した各種の業務効率化サービスの導入よりも、コスト重視の特定機能に特化したライトな仕組みを選択する事業者が一定数存在している。
これらの状況を踏まえ、ネクストエンジンが更なる成長加速を目指すために、従前の複数のEC店舗を運営する事業者に対する強みを発揮するだけではなく、小規模(運営するEC店舗が1店舗または少数である)事業者を含む全てのコマース事業者に伴走し成長を支援するようなサービスを拡張・充実させることで、顧客基盤を強化し、ARPUの更なる向上を目指します。
⑦ 好循環なビジネス構造の実現
また先述の強固な顧客基盤の構築においてアプローチする小規模(運営するEC店舗が1店舗または少数である)事業者へ、その興味関心である「売上拡大」という課題に対し、また複数のEC店舗を運営する事業者であっても同様の課題を持っている事業者に対して、コンサルティング事業による顧客のECサイトの制作、ECコンサルティング等を提供、またネクストエンジンの初期設定代行をコンサル事業が行う等シナジーを更に追求し、フロントと管理両面に対して、一体化されたサービス体制を構築し、ロングタームで顧客成長を伴走できるプラットフォームへ成長するべく、「好循環なビジネス構造」の実現を目指していきます。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、EBITDA(利払前、税引前、減価償却前利益)であります。

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