訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)戦略に関するリスク
① 優秀な人材の確保及び育成について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社が継続的に顧客に支持されるサービスを提供していくためには、優秀な人材の確保及び育成が極めて重要な要素であると考えており、対外的な人材獲得及び社内の人材育成に加え、人材の流出を防止するための環境整備に取り組んでおります。しかしながら、当社の属するIT業界においては、人材獲得競争が非常に激しいことから、必要な人材を適時に十分確保できない場合や当社の優秀な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約が加えられることとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新サービス及び新規事業について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社の開発するAIシステムは、サービス特性から幅広い産業に対して提供することが可能であり、今後も積極的かつ継続的に新サービス及び新規事業に取り組んでまいります。これによりシステム投資や人件費等、追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新サービス及び新規事業の導入・拡大・成長が当初の予測通りに進まない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外展開について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は今後アジア諸国をはじめとしたサービスの海外展開を本格的に進めてまいります。
海外市場は、政治、文化、法令及び規制等が日本と異なり、その業務の遂行には不確実性が伴います。海外展開に際しては、専門家の活用等により、現地の事業環境、会計、税務等の調査を行うことによりリスクの低減を図っておりますが、不測の事態の発生により当社の海外展開に支障をきたした場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)財務に関するリスク
① 配当政策について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社は創業以来配当を実施しておりませんが、株主に対する利益還元は経営の重要課題であると認識しております。しかしながら、当社は未だ成長過程にあると考えており、さらなる内部留保の充実を図り経営体質の強化、事業拡大のための投資等に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社を取り巻く経営環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点においては配当実施の可能性及びその実施時期については未定であります。
② 新株予約権の行使による株式希薄化について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社では、当社の役職員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権の潜在株式は1,075,000株であり、発行済株式総数8,790,000株の12.2%に相当します。これらの新株予約権が行使され、当社の株式が発行された場合には、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
③ ベンチャーキャピタル等の株式所有割合について(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:中)
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日現在における当社株式の所有割合は38.2%であります。当社の株式公開後において、当社の株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資金使途について(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
当社の公募増資による資金調達の使途については、今後の事業拡大に向けた人材採用費等の運転資金及び新しいサービスの開発費用や既存サービスの機能強化等の研究開発費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等に充当する計画であります。しかしながら、経営環境等の変化に対応するため、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があります。また、当初の計画通りに資金が使用された場合でも、想定通りの成果を上げられない可能性があります。なお、上記計画以外の使途に充当することとなった場合、直ちに開示いたします。
⑤ M&A等の投資について(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
当社は、現在において投資を行っている事実はありません。しかしながら、今後の事業拡大等を目的として、国内外を問わずM&A、出資、子会社設立等の投資を選択肢の一つとして考えております。これらの投資の実行に際しては、ビジネス・財務・法務等に関する詳細な検討を行い、各種のリスク低減に努める方針であります。
これらの投資の実行のための検討費用が発生する場合、又は、これらの検討で確認・想定されなかった事象がこれら投資の実行後に判明あるいは発生したり、市場環境の変化等により投資先の事業展開が計画通りに進まないことにより投資を回収できない場合や、減損損失を計上することになる場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)経営環境に関するリスク
① 市場動向について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新や各産業分野におけるAIの利活用の拡大・DXの取り組みの加速、生成AIの普及などの影響を受け、市場成長率は好調に推移しており、今後もさらなる市場規模の拡大を続けることが予想されます。しかしながら、今後の市場成長率は、AI技術に対する新たな法規制・政策の導入、関連市場の動向、景気変動による顧客企業のAI関連投資の縮小等の外的要因による影響を受けるため、これらの影響による市場成長率の鈍化により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新のスピードが急速に進んでおります。当社はそうした技術の進展に対応できるようにするため、多様な人材を確保するとともに、開発体制の構築に努めております。しかしながら、予想以上の技術革新や非連続的な代替技術の出現により、当社が十分な技術的優位性を維持できない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、新たに市場へ参入する企業も増加する傾向にあることから、引き続き事業の拡大及び競争力の維持・変化への対応に努めてまいります。当該リスクへの対応として、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めてまいります。しかしながら、当社が技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等、多額の費用を要する場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 製造業界のDX市場の拡がりについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が主な顧客とする製造業は、内閣府が公表する「国民経済計算(GDP統計)」によれば、我が国の国内総生産(名目)の20.6%を占める121兆円という巨大な市場規模です(内閣府「2023年度(令和5年度)国民経済計算年次推計」、2024年12月)。一方で、少子高齢化の影響によって労働人口が減少していることから、当社では現状の市場規模を維持するには、人手不足が課題となると想定しています。外部調査データによれば、生産性向上・コスト効率化に繋がるデジタル投資は高い水準が見込まれています(工場デジタル化(注)市場規模2025年度(予測):1兆9,180億円→2030年度(予測):2兆1,800億円。出典:㈱矢野経済研究所「工場デジタル化市場に関する調査(2025年)」(2025年4月30日発表)より引用)。当社は、AI及びIoT等の新しい技術を用いたサービスの提供により、製造業の特定の分野における自動化・省力化に向けたDXを推進しております。しかしながら、製造業界自体の景況や、DX推進の度合いに応じては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)工場デジタル化:業務効率化・自動化やコスト削減、現場の見える化などをターゲットとして、現場向けIT投資、IoT・クラウド・AIといったITテクノロジーの運用、データ基盤の構築(スマート工場・デジタル工場化)などを目指した取り組み。市場規模は、ユーザー企業のITベンダーなどへの発注金額ベースで算出。
⑤ 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社は、当社の事業を制限する直接的かつ特有の法的規制は、本書提出日時点において存在しないと考えております。しかしながら、昨今AIに関する法的規制が活発に議論される中、今後法的規制が変更されたり、AIに関する法令その他新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、当社の事業が制約され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 社歴が浅いことについて(発生可能性:-、発生時期:特定時期なし、影響度:-)
当社は、2020年4月に設立された社歴の浅い企業となります。当社は現在成長過程にあると認識しており、今後も積極的な成長投資が必要となるため、その投資タイミングや成果によっては一時的に損益が悪化する可能性があります。また、当社はIR・広報活動などを通じて経営状態を積極的に開示していく方針ですが、当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な分析資料とはならず、このため今後の業績等の将来的な予測における基礎情報としては不十分である可能性があります。
⑦ 小規模組織であることについて(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:高)
当社は、2025年10月31日現在において従業員67名と小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化・持続的成長等に対応するため、人員の増強及び内部管理体制、業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)業務に関するリスク
① サービスの開発力及び技術力について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業領域においては、顧客の要求水準が高く、それに応えるための高い技術力を維持し、顧客の要求水準を満たすサービスを開発・提供することが求められます。当社はこれらの実現のために、優秀な技術者の採用、育成に注力し、常に最新技術をキャッチアップする体制の構築を図っております。また、当社組織内のAIエンジニアリング部及びデータサイエンス部は、新規サービスの開発における専門的な知識や技術を有する人員を擁し、重要な役割を果たしていると共に、社員への教育・ノウハウの共有を進めております。
しかしながら、顧客の要求水準を満たす技術レベルに達しない又は重要な技術を持つ人材が何らかの理由により業務遂行が困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 納期遅延による業績変動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、AIシステムの販売だけでなく、光学設計、AIモデル構築及び運用までを一気通貫で提供しております。検査装置の製作やAIモデルの構築においては、受注時に仕様を確認し差異が発生しないように取り組んでおります。
しかしながら、顧客の要望により仕様が変更される場合又は納品を予定していた時期に生産活動を優先されAIシステムや検査装置の設置が延期になる場合があり、納期が変動する可能性があります。その場合には、売上を計上する時期が変動し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 業績の偏重について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社の業績は、顧客の予算消化サイクルに加えて、当社が成長フェーズにあり期末にかけて売上が増加していく傾向にあることにより、第4四半期(10月~12月)に売上が偏る傾向があります。当社の決算月となる12月に売上を予定している案件について何らかの要因により延期や案件を失注した場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社としては、新たな顧客獲得や期初予算策定時に当該事象を盛り込んだ上で、その業績偏重に応じた費用計画を策定し、年間を通した安定的な利益創出につなげることで当該リスクを軽減させていく方針です。
なお、当社の2023年12月期及び2024年12月期における四半期業績の推移は以下のとおりであります。
④ 訴訟等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社において、同一案件に対する損害賠償請求事件と売買代金請求反訴事件が、現在係争中であります。前者は、当社が本番開発を実行する能力がないにもかかわらず事前検証の対価を受領したとして、債務不履行を理由に取引先より損害賠償請求を提起されております。後者は、事前検証後、仕様について合意した上で実施した作業について当該取引先から支払を拒否されたことを理由に、当社が原告として売買代金請求反訴を提起しているものであります。当該訴訟の影響額は少額ではありますが、当該訴訟以外で今後大きな訴訟が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 知的財産等に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社による第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、可能な範囲で調査を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せず他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。その場合、ロイヤリティの支払いや損害賠償請求等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 内部管理体制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。そのためにも、当社では内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築・運用が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報システムに関するリスク
情報管理について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が顧客企業に対してソリューションを提供する際に、顧客側で保有している機密情報や個人情報を当社が一時的に取得又は閲覧等する場合があります。当社はこれらの情報の取り扱いについては、情報セキュリティマネジメント(ISMS)認証を取得し、情報管理に関する諸規程の整備を行うとともに適切な運用に努めております。しかしながら、人的オペレーションのミス及びその他の予期せぬ要因により情報漏洩が発生した場合、損害賠償責任等による費用負担を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害・事故等に関するリスク
自然災害、事故等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
地震、台風等の自然災害、また、重症感染症蔓延等により、想定を大きく上回る規模で人的被害・物的被害、又は情報システムの停止やネットワーク上の障害が生じることによって、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、テレワーク可能な社内管理体制及びそれを可能とする業務システムの運用を行い、それにより当該状況でも従来通りの事業継続が可能となる事業運営を行っております。
当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)戦略に関するリスク
① 優秀な人材の確保及び育成について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社が継続的に顧客に支持されるサービスを提供していくためには、優秀な人材の確保及び育成が極めて重要な要素であると考えており、対外的な人材獲得及び社内の人材育成に加え、人材の流出を防止するための環境整備に取り組んでおります。しかしながら、当社の属するIT業界においては、人材獲得競争が非常に激しいことから、必要な人材を適時に十分確保できない場合や当社の優秀な人材が流出してしまった場合には、今後の事業展開に制約が加えられることとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新サービス及び新規事業について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社の開発するAIシステムは、サービス特性から幅広い産業に対して提供することが可能であり、今後も積極的かつ継続的に新サービス及び新規事業に取り組んでまいります。これによりシステム投資や人件費等、追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新サービス及び新規事業の導入・拡大・成長が当初の予測通りに進まない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外展開について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は今後アジア諸国をはじめとしたサービスの海外展開を本格的に進めてまいります。
海外市場は、政治、文化、法令及び規制等が日本と異なり、その業務の遂行には不確実性が伴います。海外展開に際しては、専門家の活用等により、現地の事業環境、会計、税務等の調査を行うことによりリスクの低減を図っておりますが、不測の事態の発生により当社の海外展開に支障をきたした場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)財務に関するリスク
① 配当政策について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社は創業以来配当を実施しておりませんが、株主に対する利益還元は経営の重要課題であると認識しております。しかしながら、当社は未だ成長過程にあると考えており、さらなる内部留保の充実を図り経営体質の強化、事業拡大のための投資等に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社を取り巻く経営環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点においては配当実施の可能性及びその実施時期については未定であります。
② 新株予約権の行使による株式希薄化について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社では、当社の役職員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における新株予約権の潜在株式は1,075,000株であり、発行済株式総数8,790,000株の12.2%に相当します。これらの新株予約権が行使され、当社の株式が発行された場合には、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
③ ベンチャーキャピタル等の株式所有割合について(発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:中)
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の本書提出日現在における当社株式の所有割合は38.2%であります。当社の株式公開後において、当社の株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資金使途について(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
当社の公募増資による資金調達の使途については、今後の事業拡大に向けた人材採用費等の運転資金及び新しいサービスの開発費用や既存サービスの機能強化等の研究開発費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等に充当する計画であります。しかしながら、経営環境等の変化に対応するため、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があります。また、当初の計画通りに資金が使用された場合でも、想定通りの成果を上げられない可能性があります。なお、上記計画以外の使途に充当することとなった場合、直ちに開示いたします。
⑤ M&A等の投資について(発生可能性:低、発生時期:短期、影響度:中)
当社は、現在において投資を行っている事実はありません。しかしながら、今後の事業拡大等を目的として、国内外を問わずM&A、出資、子会社設立等の投資を選択肢の一つとして考えております。これらの投資の実行に際しては、ビジネス・財務・法務等に関する詳細な検討を行い、各種のリスク低減に努める方針であります。
これらの投資の実行のための検討費用が発生する場合、又は、これらの検討で確認・想定されなかった事象がこれら投資の実行後に判明あるいは発生したり、市場環境の変化等により投資先の事業展開が計画通りに進まないことにより投資を回収できない場合や、減損損失を計上することになる場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)経営環境に関するリスク
① 市場動向について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新や各産業分野におけるAIの利活用の拡大・DXの取り組みの加速、生成AIの普及などの影響を受け、市場成長率は好調に推移しており、今後もさらなる市場規模の拡大を続けることが予想されます。しかしながら、今後の市場成長率は、AI技術に対する新たな法規制・政策の導入、関連市場の動向、景気変動による顧客企業のAI関連投資の縮小等の外的要因による影響を受けるため、これらの影響による市場成長率の鈍化により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新のスピードが急速に進んでおります。当社はそうした技術の進展に対応できるようにするため、多様な人材を確保するとともに、開発体制の構築に努めております。しかしながら、予想以上の技術革新や非連続的な代替技術の出現により、当社が十分な技術的優位性を維持できない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が事業を展開するAI関連市場は、技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、新たに市場へ参入する企業も増加する傾向にあることから、引き続き事業の拡大及び競争力の維持・変化への対応に努めてまいります。当該リスクへの対応として、最新の技術動向や環境変化を常に把握できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めてまいります。しかしながら、当社が技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、又は、変化への対応のためにシステム投資や人件費等、多額の費用を要する場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 製造業界のDX市場の拡がりについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が主な顧客とする製造業は、内閣府が公表する「国民経済計算(GDP統計)」によれば、我が国の国内総生産(名目)の20.6%を占める121兆円という巨大な市場規模です(内閣府「2023年度(令和5年度)国民経済計算年次推計」、2024年12月)。一方で、少子高齢化の影響によって労働人口が減少していることから、当社では現状の市場規模を維持するには、人手不足が課題となると想定しています。外部調査データによれば、生産性向上・コスト効率化に繋がるデジタル投資は高い水準が見込まれています(工場デジタル化(注)市場規模2025年度(予測):1兆9,180億円→2030年度(予測):2兆1,800億円。出典:㈱矢野経済研究所「工場デジタル化市場に関する調査(2025年)」(2025年4月30日発表)より引用)。当社は、AI及びIoT等の新しい技術を用いたサービスの提供により、製造業の特定の分野における自動化・省力化に向けたDXを推進しております。しかしながら、製造業界自体の景況や、DX推進の度合いに応じては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)工場デジタル化:業務効率化・自動化やコスト削減、現場の見える化などをターゲットとして、現場向けIT投資、IoT・クラウド・AIといったITテクノロジーの運用、データ基盤の構築(スマート工場・デジタル工場化)などを目指した取り組み。市場規模は、ユーザー企業のITベンダーなどへの発注金額ベースで算出。
⑤ 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社は、当社の事業を制限する直接的かつ特有の法的規制は、本書提出日時点において存在しないと考えております。しかしながら、昨今AIに関する法的規制が活発に議論される中、今後法的規制が変更されたり、AIに関する法令その他新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、当社の事業が制約され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 社歴が浅いことについて(発生可能性:-、発生時期:特定時期なし、影響度:-)
当社は、2020年4月に設立された社歴の浅い企業となります。当社は現在成長過程にあると認識しており、今後も積極的な成長投資が必要となるため、その投資タイミングや成果によっては一時的に損益が悪化する可能性があります。また、当社はIR・広報活動などを通じて経営状態を積極的に開示していく方針ですが、当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な分析資料とはならず、このため今後の業績等の将来的な予測における基礎情報としては不十分である可能性があります。
⑦ 小規模組織であることについて(発生可能性:中、発生時期:数年以内、影響度:高)
当社は、2025年10月31日現在において従業員67名と小規模な組織であり、現在の人員構成において最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社では、今後の業容拡大及び業務内容の多様化・持続的成長等に対応するため、人員の増強及び内部管理体制、業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)業務に関するリスク
① サービスの開発力及び技術力について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業領域においては、顧客の要求水準が高く、それに応えるための高い技術力を維持し、顧客の要求水準を満たすサービスを開発・提供することが求められます。当社はこれらの実現のために、優秀な技術者の採用、育成に注力し、常に最新技術をキャッチアップする体制の構築を図っております。また、当社組織内のAIエンジニアリング部及びデータサイエンス部は、新規サービスの開発における専門的な知識や技術を有する人員を擁し、重要な役割を果たしていると共に、社員への教育・ノウハウの共有を進めております。
しかしながら、顧客の要求水準を満たす技術レベルに達しない又は重要な技術を持つ人材が何らかの理由により業務遂行が困難となった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 納期遅延による業績変動について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、AIシステムの販売だけでなく、光学設計、AIモデル構築及び運用までを一気通貫で提供しております。検査装置の製作やAIモデルの構築においては、受注時に仕様を確認し差異が発生しないように取り組んでおります。
しかしながら、顧客の要望により仕様が変更される場合又は納品を予定していた時期に生産活動を優先されAIシステムや検査装置の設置が延期になる場合があり、納期が変動する可能性があります。その場合には、売上を計上する時期が変動し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 業績の偏重について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社の業績は、顧客の予算消化サイクルに加えて、当社が成長フェーズにあり期末にかけて売上が増加していく傾向にあることにより、第4四半期(10月~12月)に売上が偏る傾向があります。当社の決算月となる12月に売上を予定している案件について何らかの要因により延期や案件を失注した場合等には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社としては、新たな顧客獲得や期初予算策定時に当該事象を盛り込んだ上で、その業績偏重に応じた費用計画を策定し、年間を通した安定的な利益創出につなげることで当該リスクを軽減させていく方針です。
なお、当社の2023年12月期及び2024年12月期における四半期業績の推移は以下のとおりであります。
| 第4期事業年度(2023年12月期) | 第5期事業年度(2024年12月期) | |||||
| 売上高 (千円) | 構成比 (%) | 営業損失(△) (千円) | 売上高 (千円) | 構成比 (%) | 営業利益又は 営業損失(△) (千円) | |
| 第1四半期 | 53,191 | 17.2 | △32,562 | 148,039 | 24.6 | 3,348 |
| 第2四半期 | 58,979 | 19.0 | △46,030 | 111,112 | 18.4 | △33,905 |
| 第3四半期 | 76,414 | 24.7 | △33,006 | 96,084 | 15.9 | △40,515 |
| 第4四半期 | 121,333 | 39.1 | △1,045 | 247,559 | 41.1 | 1,997 |
④ 訴訟等について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:低)
当社において、同一案件に対する損害賠償請求事件と売買代金請求反訴事件が、現在係争中であります。前者は、当社が本番開発を実行する能力がないにもかかわらず事前検証の対価を受領したとして、債務不履行を理由に取引先より損害賠償請求を提起されております。後者は、事前検証後、仕様について合意した上で実施した作業について当該取引先から支払を拒否されたことを理由に、当社が原告として売買代金請求反訴を提起しているものであります。当該訴訟の影響額は少額ではありますが、当該訴訟以外で今後大きな訴訟が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 知的財産等に関するリスク(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社による第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、可能な範囲で調査を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せず他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。その場合、ロイヤリティの支払いや損害賠償請求等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 内部管理体制について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。そのためにも、当社では内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築・運用が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報システムに関するリスク
情報管理について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
当社が顧客企業に対してソリューションを提供する際に、顧客側で保有している機密情報や個人情報を当社が一時的に取得又は閲覧等する場合があります。当社はこれらの情報の取り扱いについては、情報セキュリティマネジメント(ISMS)認証を取得し、情報管理に関する諸規程の整備を行うとともに適切な運用に努めております。しかしながら、人的オペレーションのミス及びその他の予期せぬ要因により情報漏洩が発生した場合、損害賠償責任等による費用負担を負う可能性や顧客からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害・事故等に関するリスク
自然災害、事故等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:高)
地震、台風等の自然災害、また、重症感染症蔓延等により、想定を大きく上回る規模で人的被害・物的被害、又は情報システムの停止やネットワーク上の障害が生じることによって、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、テレワーク可能な社内管理体制及びそれを可能とする業務システムの運用を行い、それにより当該状況でも従来通りの事業継続が可能となる事業運営を行っております。