有価証券報告書-第8期(2025/04/01-2026/03/31)
36.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、中長期的に持続的成長を続け企業価値を最大化するために、最適な資本構成を実現し維持することを資本管理の基本方針としています。
当社グループが資本管理において用いる主要な指標は、以下の通りです。
(注1)自己資本比率は「資本合計」を「負債及び資本合計」で除して計算しています。
当社の国内銀行子会社であるPayPay銀行㈱は、バーゼル規制をベースに金融庁が定めた自己資本比率規制の適用を受けています。PayPay銀行㈱は国内基準行に分類され、リスク・アセットに対する自己資本比率の下限(4.0%以上)を維持することが求められています。我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づくPayPay銀行㈱の自己資本比率、コア資本、自己資本およびリスク・アセットは以下の通りです。
また、当社グループ内の以下の各社についても、以下の通り、それぞれに適用される資本規制が定める自己資本関連比率および純資産額を維持することが求められています。
当社グループ内の各社は、法令諸規則が定める資本規制を十分に満たしています。
(2) 財務リスク管理
当社グループは、事業を営む上で様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスクおよび市場リスク)に晒されています。当社グループは、当該財務上のリスクの防止および低減のために、継続的にモニタリングし、一定の方針に従いリスク管理を行っています。
① 信用リスク
当社グループは、事業を営む上で、取引先の信用リスクに晒されています。当社グループにおける信用リスクは、主に、カード会員、集金代行サービスプロバイダ、PayPay加盟店に対する債権、銀行顧客に対する貸付金およびカード会員に対する貸出コミットメントに関連しています。
(A)信用リスク管理
当社グループはカード会員との契約時において、社内基準に従い会員の信用リスクを評価しています。また、主にカード会員ごとの回収状況の確認を行い、回収不能額の増加を回避しています。
カード会員に対するカード売掛金については、延滞が発生した場合、回収を促進する目的で契約条件が見直され、当初認識時の契約上のキャッシュ・フローが変更されることがあります。
カード売掛金の大半は日本に居住するカード会員に対するものですが、当社グループは、上記のリスク管理手続を通じて、信用リスクの未然防止または低減を図っています。
銀行顧客に係る信用リスクについては、信用リスク管理体制を社内規程に定め、「クレジットポリシー」に従った信用リスクのコントロールに努めています。また、当社グループは与信調査、集中リスクおよび直接償却に関する規程を定めています。過度なリスクの集中を回避し、分散されたポートフォリオの管理を行うため、当社グループの方針および手続における具体的な指針として、適切な与信枠の設定を定めています。各部門から独立した監査部が、信用リスク管理状況につき定期的に監査を行い、与信業務の牽制を行うとともに、取締役会等に監査結果の報告を行っています。
当社グループは、新たな条件によるキャッシュ・フローの割引現在価値が、当初の金融資産の残りのキャッシュ・フローの割引現在価値と比較して10%以上変動する場合、条件変更された金融資産の認識を中止し、購入または組成した信用減損金融資産として新たに認識しています。
2025年3月31日および2026年3月31日時点において、金融資産の契約上のキャッシュ・フローが変更されたものの認識の中止に至らなかったものはありません。
また、上記以外の信用リスクについても全般的に与信調査の実施や与信枠を設定することで信用リスクの管理を行っています。当社グループは、社内の与信管理規程に従い、定期的に債務者の状況や期日経過情報、および債権残高をモニタリングしています。
2025年3月31日および2026年3月31日時点において、当社グループの連結財政状態計算書で表示している金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。
(B)信用リスク格付けごとの分析
a.銀行事業以外の事業
銀行事業以外の償却原価で測定する金融資産(注1)の期日別帳簿価額は、以下の通りです。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
(注1)これらの金融資産は、当社グループの連結財政状態計算書上の「現金及び現金同等物」、「供託金及び差入証拠金」、「営業債権」、「貸付金」、「有価証券」および「その他の金融資産」に含まれています。表中の金融資産に係る貸倒引当金は、カード売掛金および決済事業未収入金を除き、2025年3月31日および2026年3月31日時点において12ヶ月のECLに等しい金額で測定しています。また、2025年3月31日および2026年3月31日時点において、カード売掛金および決済事業未収入金以外の金融資産のうち、支払期日を経過したものはありません。
b.銀行事業
銀行事業においては、金融資産は債務者別の社内のリスク評価を基礎として、以下の信用状況別に区分しています。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
(C)貸倒引当金の測定
貸倒引当金は、PD、LGD、デフォルト時エクスポージャー(以下「EAD」)およびその他の合理的に入手可能な将来予測情報に基づいて計算し、営業債権、FVTOCIの負債性金融資産、貸付金および貸出コミットメントをサービス別および支払期日経過期間別にグルーピングした後、集合的に金額を測定しています。
当社グループでは主として、債権について契約上の支払期日が30日超経過した場合に信用リスクが著しく増大したと判断しています。銀行事業の貸付金においては、支払期日から10日以上経過した場合や、複数回の支払遅延が発生した場合に信用リスクが著しく増大したと判断しています。信用リスクが著しく増大したかどうかの評価に際しては、期日経過情報に加え、合理的に入手可能でかつ裏付け可能な情報を考慮しています。
当社グループでは主として、債権について契約上の支払期日が90日超経過した場合、契約条件が変更されている場合、または債務者が著しい財政状況の悪化に陥っている場合に債務不履行とみなしています。債務不履行と判断した債権については、信用減損が発生したとみなしています。
当社グループは、当初認識以降に信用リスクが著しく増大していない場合には、金融資産に係る貸倒引当金を報告日後12ヶ月間に発生しうる債務不履行によるECL(12ヶ月のECL)に等しい金額で測定しています。報告日時点の金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合、予想存続期間にわたって起こりうる全ての債務不履行から生じるECL(全期間のECL)に等しい金額で、貸倒引当金を測定しています。
ただし、IFRS第15号の適用範囲内で、重大な金融要素を含まない取引から生じた営業債権については、当初認識以降の信用リスクの著しい増大の有無にかかわらず、貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定しています。住宅ローンは担保付貸付金であり、その他一部のローンは保証会社の保証付貸付金です。
金融資産に係る貸倒引当金の増減は以下の通りです。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
貸倒引当金は主にカード売掛金および貸付金を対象にしたものです。
2025年3月31日に終了した1年間および2026年3月31日に終了した1年間における、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前のECLの合計額は、それぞれ14,881百万円および13,851百万円です。
購入または組成した信用減損金融資産に係る貸倒引当金に重要な増減はありません。
2025年3月31日および2026年3月31日時点において、当初認識以降に貸倒引当金が全期間のECLで測定されていたときに条件変更され、当報告期間中に12ヶ月のECLに等しい金額に変化した金融資産はありません。
2025年3月31日および2026年3月31日において、貸倒引当金の増減に影響を与えるような、金融資産の総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
2025年3月31日および2026年3月31日において、直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続している未回収残高に重要性はありません。
② 流動性リスク
(A)資金調達に係る流動性リスクの管理
流動性リスクとは、当社グループが現金または他の金融資産の交付により決済されるデリバティブ商品を含む金融負債に関連する債務を履行するにあたり困難に直面するリスクです。当社グループは、営業取引のための資金の調達や返済、支払において、流動性リスクに晒されています。当該リスクの未然防止または低減のため、資金運用については原則として流動性があり元本欠損リスクが極めて小さい金融商品を対象としています。当社グループは、グループの流動性および安定性を確保できるよう、十分な額の現金および現金同等物、ならびに主に2ヶ月以内に満期が到来する債権を保有しています。また銀行事業において、資金調達における短期資金への過度な依存を防ぐために、当社グループは短期の要資金調達額に対して上限を設定し、日次でその遵守状況をモニタリングしています。また金融事業において、顧客預り金の大量流出等緊急時の流動性を確保するため、現金化が可能な資産の残高状況についてもモニタリングしています。
当社グループは金融事業における顧客からの預り金、銀行借入、コマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化を通じて資金調達を行っています。
(B)金融負債の期日別残高
金融負債の期日別残高は、以下の通りです。なお、以下の契約上のキャッシュ・フローは、支払利息を含む割引前キャッシュ・フローを反映しています。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
(C)信用枠
当社グループは、借入およびカード売掛金流動化契約につき、金融機関との信用枠を保有しています。信用枠の未実行残高は以下の通りです。
③ 市場リスク
(A)為替リスク管理
当社グループは、機能通貨以外の通貨で実施する取引から発生する為替の変動リスクに晒されています。当社グループの取引に使用される主要な外貨は米ドル(以下「USD」)です。
当社グループは、通貨別の正味為替ポジションを適切な水準にするため、外貨建オンバランス資産および負債から生じる為替エクスポージャーに対し、為替予約、為替先物取引およびその他の契約を利用しています。
銀行事業においては、為替リスク管理の対象となる資産・負債を特定した上で、投資額とそのポートフォリオから生じる現在価値変動額に対してリスク量上限を設定し、日次でその遵守状況を管理しています。また、定期的に為替の変動に対する現在価値変化の分析も実施し、資産・負債に与える影響をモニタリングしています。
上記のリスク管理手続の結果、当社グループの正味の為替リスク・エクスポージャーによる税引前損益および資本への影響は重要ではありません。
(B)金利リスク管理
当社グループは、変動金利の借入金等および預り金により資金を調達しているため、金利上昇により支払利息が増加するリスクに晒されています。金利変動リスクを未然防止または低減するため、固定金利と変動金利の借入金等の適切な組み合わせを維持し、変動金利の借入金等について、金利変動の継続的モニタリングを行っています。
感応度分析は、2025年3月31日および2026年3月31日時点の金融負債(変動金利の預り金および借入金等を含む)の残高を用い、当該負債がそれぞれの直前連結会計年度末まで残高があると仮定し、他の全ての変数を一定に保持して行いました。
以下の表は、市場金利が1%上昇した場合の税引前利益および資本の減少額を示しています。なお、市場金利が1%低下した場合には、税引前利益および資本が同額増加します。
銀行事業では、金利リスク管理の対象となる資産・負債を特定し、ポートフォリオから生じる現在価値の変動額に対してリスク量上限を設定し、日次でその遵守状況を管理しています。また、定期的にイールドカーブの形状変化(フラットニングやスティープニング)に対する現在価値変化の分析も実施し、資産・負債に与える影響をモニタリングしています。リスクモニタリングにあたっては、フロント・ミドル・バックオフィスの組織的な分離を行った上で、業務部門から独立したリスク統括部において実施する体制としています。モニタリング結果は日次で社内報告を行うとともに、定期的にアセットライアビリティマネジメント委員会や取締役会に報告しています。
PayPay銀行㈱では、金利リスクに晒されている金融資産は、主に負債性金融商品であり、金利の変動に応じた公正価値の変動を金利リスク管理の一環として定量的に分析していますが、負債性金融商品はFVTOCIで測定されるため、金利の変動は資本のみに影響し、税引前利益には影響しません。
PayPay銀行㈱は、これらの金融商品について、金利変動によるポートフォリオの現在価値の変化額として「BPV(ベーシス・ポイント・バリュー:金利が0.01%変化したときの時価評価変化額)」を算定し、金利リスク管理にあたっての定量的分析に利用しています。BPVの算定にあたっては、対象となる金融商品を商品分類ごとに、金融商品の特徴に応じて適切なキャッシュ・フローに分解し、PayPay銀行㈱が定める期間ごとの金利変動による変化率を用いています。
当該変化額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数との相関を考慮しておりません。以下の表は、金利が100ベーシスポイント変動した場合における時価評価の感応度を示しています。
上表の計算において、満期保有目的の債券は、市場金利の変動の影響を受けないため除外しています。
(3) 金融商品の公正価値
①当社グループは、連結財務諸表において公正価値で測定する金融商品について、以下のインプットに基づき、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しています。
・ レベル1:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
・ レベル2:類似の資産または負債の活発な市場における相場価格、同一または類似の資産または負債の活発でない市場における相場価格、当該資産または負債に関する相場価格以外の観察可能なインプット、市場の裏付けがあるインプットにより測定した公正価値
・ レベル3:市場参加者が価格付けを行う際に使用するであろう仮定についての当社グループの判断を反映した、1つまたは複数の観察不能なインプットを用いた評価技法により測定した公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告日時点で発生したものとして認識しています。なお、2025年3月31日および2026年3月31日時点において、レベル間の重要な振替はありません。
②経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下の通りです。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
③金融資産および金融負債の公正価値および帳簿価額は、以下の通りです。これらは当社グループの連結財政状態計算書上、公正価値で測定していませんが、公正価値を開示しています。一部の短期間で決済される金融商品は帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっているため、下表には含めていません。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
④金融商品の公正価値の測定方法は、以下の通りです。
(A)負債性金融商品
主に日本国債及び地方債からなる負債性金融商品の公正価値は、同一の資産の活発な市場における相場価格で測定しています。このような相場価格を入手できる場合にはレベル1に分類しています。活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できない場合の公正価値は、売買参考統計値等の利用可能な情報に基づく観察可能なインプットを使用して測定し、レベル2に分類しています。
上場投資信託からなる負債性金融商品の公正価値は、同一の資産の活発な市場における相場価格で測定し、レベル1に分類しています。
社債からなる負債性金融商品の公正価値は、契約ごとに分類し、その将来キャッシュ・フローを契約期間に応じて信用リスクを加味した利率で割り引く方法により算定しています。外部信用格付を反映した金利等、市場で観察可能なインプットを用いて測定したものをレベル2、負債性金融商品の発行者の信用スプレッド等、市場で観察不能なインプットを用いたものをレベル3に分類しています。
リスク管理部は、負債性金融商品の種類ごとに、サンプルベースで相場価格と財務企画部が算出した価格との間に一定の乖離があるか否かを判断することにより、相場価格がIFRS第13号「公正価値」(以下「IFRS第13号」という。)の公正価値の適格性を満たしているかどうかを四半期ごとに評価しています。
(B)資本性金融商品
これらの有価証券には、上場株式および私募投資信託が含まれます。
上場株式の公正価値は、活発な市場における同一資産の相場価格によって評価され、レベル1に分類されます。
私募投資信託の公正価値のうち、外部信用格付を反映した金利など、市場で観察可能なインプットを用いて測定されるものはレベル2に分類され、観察不能なリスクプレミアムなどの重要な観察不能なインプットを用いるものはレベル3に分類されます。
(C)資産担保証券
これらの有価証券には、住宅ローン担保証券、クレジットカード資産担保証券、割賦売掛金担保証券およびその他の資産担保証券が含まれます。これらの有価証券の市場は活発ではなく、資産担保証券の公正価値は、利回り、期限前返済率、デフォルトの可能性および損失の重要性を重要なインプットとする同一または類似の有価証券のブローカーまたはディーラーの相場価格を用いて測定しており、そのような重要なインプットは観察不能であるため、レベル3に分類しています。
当社グループは、割引将来キャッシュ・フローを用いて、ブローカーまたはディーラーの相場価格と、リスク管理部が算出する価格との間に継続的な乖離が生じていないか日次でモニタリングしています。また、リスク管理部は、資産担保証券の種類ごとに、サンプルベースで相場価格と財務企画部が算出した価格との間に一定の乖離があるか否かを判断することにより、相場価格がIFRS第13号の公正価値の適格性を満たしているかどうかを四半期ごとに評価しています。
(D)デリバティブ
上場デリバティブからなるデリバティブの公正価値は、同一のデリバティブの活発な市場における相場価格で測定し、レベル1に分類しています。
店頭外国為替デリバティブからなるデリバティブの公正価値は、将来の為替レートおよび金利を重要なインプットとする割引将来キャッシュ・フロー法により算定されたブローカーまたはディーラーの相場価格で測定し、レベル2に分類しています。
(E)貸付金
貸付金の公正価値は、内部格付および貸付条件に基づく信用スプレッドを加味した利率を用いた割引将来キャッシュ・フロー法により算定しており、信用スプレッドは重要な観察不能なインプットであるため、レベル3に分類しています。
(F)預金
要求払預金については、連結会計年度末に要求に応じて直ちに支払うものは、その金額を公正価値としています。
定期預金の公正価値は、残存期間が類似している預金ごとに現在のレートで将来キャッシュ・フローを割り引いた現在価値により算定しています。残存期間が短期間(6ヶ月以内)のものは、公正価値は帳簿価額と近似しているため、当該帳簿価額を公正価値としており、レベル2に分類しています。
(G)借入金等
借入金等の公正価値は、同様の条件および期間での借入に使用される当社グループ独自の信用スプレッドを加味した利率を用いた割引将来キャッシュ・フロー法により算定しています。当社グループ独自の信用スプレッドが観察不能である借入金等については、レベル3に分類しています。
なお上記に記載していないコールローン等、その他の金融商品は、主に1年以内に決済されるため、帳簿価額は公正価額に近似しています。
⑤レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の調整表は、以下の通りです。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
⑥公正価値の評価技法およびインプット
レベル3に分類される主要な資産の公正価値の評価技法および重要な観察不能なインプットは、以下の通りです。
資産担保証券の公正価値は、ブローカーやディーラーの評価価格を使用して決定しています。これらの評価価格は、割引将来キャッシュ・フロー法により測定されます。使用されているブローカーやディーラーの評価価格は拘束力を持たず、独自のモデルおよび仮定に基づく指標価格を反映しています。当社グループは、提示価格の算出に使用された重要なインプットを検証しています。当社グループは、ブローカーやディーラーの評価価格について調整は不要であり、これらの商品には活発な市場と観察可能なインプットがないことを考慮すると、ブローカーやディーラーの評価価格の使用は公正価値の最善の見積りを示すものであると考えています。
(A)ディスカウント・マージン/スプレッド
ディスカウント・マージン/スプレッドは、将来キャッシュ・フローの現在価値を算定する際に使用される割引率を表します。割引将来キャッシュ・フロー法では、将来の予想キャッシュ・フローを割り引く際に、このようなスプレッドが基準金利に追加されるため、これらのスプレッドは資産の正味現在価値を減少させます。一般的に、これらのスプレッドは、資産の信用の質に応じたキャッシュ・フローの不確実性に基づくより高いリスクを補うために、投資家が基準金利を超えて達成すると期待するプレミアムを反映します。
(B)一定の期限前返済率
一定の期限前返済率は、債権のポートフォリオが裏付けとなる債権の契約条件よりも早く返済されると期待される将来の確率を表しており、高い場合には資産担保証券の正味現在価値を減少させます。
(C)一定のデフォルト率
一定のデフォルト率は、債務者が90日以上延滞している債権プールにおけるローンの割合を反映しており、高い場合には資産担保証券の正味現在価値を減少させます。
(D)不動産リスクプレミアム
不動産リスクプレミアムは、不動産の復帰価値を計算する際に用いられるターミナルキャップレート(最終還元利回り)、および不動産のディスカウントマージン/スプレッドを反映したものです。
(E)信用スプレッド
信用スプレッドは、将来キャッシュ・フローの現在価値を算定する際に使用される割引率を表します。割引将来キャッシュ・フロー法では、将来の予想キャッシュ・フローを割り引く際に、このようなスプレッドが基準金利に追加されるため、このスプレッドは負債性金融商品の正味現在価値を減少させます。信用スプレッドは、信用リスクの低い証券に比べて信用リスクの高い証券から投資家が得られる追加の正味利回りを反映します。
(4) 認識の中止の要件を満たさない金融資産の譲渡
① QRコード決済サービスに係る金融資産の譲渡
当社グループは、「営業債権」に含まれる一部の「決済事業未収入金」をグループ外部の決済代行業者に譲渡しています。これらの譲渡債権は、原債務者の債務不履行が発生した場合等に当社グループに遡及的に支払義務が生じます。このような取引から生じる信用リスクは、債権が回収されるまで当社グループが負担するため、当社グループはほとんど全てのリスクと経済価値を実質的に移転しておらず、債権の認識の中止を行っていません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡した金融資産残高は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ21,615百万円および20,494百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「営業債権」に含まれています。
また、当該譲渡された金融資産に関連する負債は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ3,269百万円および1,694百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に含まれています。
これらの金融商品は短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値と等しいか、または合理的に近似しており、その結果、正味ポジションは、譲渡資産と関連する負債の公正価値の差額と等しいか、または合理的に近似しています。
当該負債は、譲渡資産に対して原債務者からの支払いが行われたときに決済されますが、当該負債の決済または原債務者からの支払いが行われるまでの間、当社グループは当該譲渡資産を利用できません。なお、2025年3月31日および2026年3月31日における譲渡資産と関連する負債の差額は、債権譲渡と回収時点の差から生じています。
② クレジットカード事業から生じる債権の譲渡
当社グループは、「貸付金」に含まれる「カード売掛金」を金融機関に譲渡しています。しかし、当該譲渡債権の中には、当社グループが回収まで信用リスクを負担しており、原債務者が支払いを行わない場合等に当社グループに遡求的に譲受人への支払義務が発生するものがあります。このような譲渡債権から生じる信用リスクは、債権が回収されるまで当社グループが負担するため、当社グループはほとんど全てのリスクと経済価値を実質的に移転しておらず、債権の認識の中止を行っていません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡した金融資産残高は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ1,144百万円および7,133百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「貸付金」に含まれています。また、譲受人からの入金額は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ70,000百万円および160,000百万円であり、連結財政状態計算書上、「借入金等」に含まれています。当該「借入金等」は、原債務者からの支払いが行われたときに認識を中止しますが、当該負債の決済または原債務者からの支払いが行われるまでの間、当社グループは当該譲渡債権を利用できません。なお、2025年3月31日および2026年3月31日における譲渡債権と関連する「借入金等」の差額は、「カード売掛金」の回収によるものです。
③ 現先取引から生じる有価証券の譲渡
当社グループは、2026年3月31日に終了した1年間より「有価証券」に含まれる「満期保有目的の債券」を短資会社に譲渡しています。債券を譲渡する一方で、将来一定の価格で買い戻すことにしていることから、債券の価格変動リスクは当社グループが負っています。このような取引から生じる価格変動リスクは、買戻しを行うまで当社グループが負担するため、当社グループはほとんど全てのリスクと経済価値を実質的に移転しておらず、有価証券の認識の中止を行っていません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡した金融資産残高は、2026年3月31日において111,360百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「有価証券」に含まれています。また、譲受人からの入金額は、2026年3月31日において108,981百万円であり、連結財政状態計算書上、「借入金等」に含まれています。
当該「借入金等」は、当社グループが買戻しを行ったときに認識を中止しますが、買戻しが行われるまでの間、当社グループは当該債券を利用できません。なお、2026年3月31日における譲渡債券と関連する「借入金等」の帳簿価額と公正価値はほぼ同額です。
(5) 担保として差し入れた資産
担保として差し入れた資産の帳簿価額は以下の通りです。
(注1)金融機関は、債務不履行となった場合には担保資産を処分し、その金額を債務返済額に充当、または相殺する権利を有しています。
(注2)当社グループは、流動化したカード売掛金の認識を中止していません。2025年3月31日および2026年3月31日において、債権の譲渡に該当しないカード売掛金の担保差し入れに係る流動化借入額は、55,000百万円です。認識の中止の要件を満たさない債権の譲渡については、上記「②クレジットカード事業から生じる債権の譲渡」に記載しています。
(注3)有価証券は、PayPay銀行㈱の資金調達および為替決済のため、日本銀行および全国銀行資金決済ネットワークへ担保として差し入れています。
(6) 金融資産および金融負債の相殺
金融資産および金融負債の相殺情報は以下の通りです。
2025年3月31日時点
2026年3月31日時点
なお、当社グループは、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約を締結していません。
(1) 資本管理
当社グループは、中長期的に持続的成長を続け企業価値を最大化するために、最適な資本構成を実現し維持することを資本管理の基本方針としています。
当社グループが資本管理において用いる主要な指標は、以下の通りです。
| 2025年3月31日 | 2026年3月31日 | ||
| 資本合計(百万円) | 223,731 | 430,761 | |
| 自己資本比率(注1) | 5.54% | 8.32% |
(注1)自己資本比率は「資本合計」を「負債及び資本合計」で除して計算しています。
当社の国内銀行子会社であるPayPay銀行㈱は、バーゼル規制をベースに金融庁が定めた自己資本比率規制の適用を受けています。PayPay銀行㈱は国内基準行に分類され、リスク・アセットに対する自己資本比率の下限(4.0%以上)を維持することが求められています。我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づくPayPay銀行㈱の自己資本比率、コア資本、自己資本およびリスク・アセットは以下の通りです。
| (単位:百万円) | |||
| 2025年3月31日 | 2026年3月31日 | ||
| 自己資本比率 | 16.76% | 14.04% | |
| コア資本 | 145,215 | 157,147 | |
| 自己資本 | 132,575 | 144,202 | |
| リスク・アセット | 790,957 | 1,026,786 | |
また、当社グループ内の以下の各社についても、以下の通り、それぞれに適用される資本規制が定める自己資本関連比率および純資産額を維持することが求められています。
| 会社名 | 法令諸規則 | 要件 | ||
| PayPay㈱ | 資金決済法 | 最低限の純資産額を維持 | ||
| PayPayカード㈱ | 割賦販売法 | 最低限の純資産比率を維持 | ||
| PayPay証券㈱ | 金融商品取引法 | 最低限の自己資本規制比率を維持 |
当社グループ内の各社は、法令諸規則が定める資本規制を十分に満たしています。
(2) 財務リスク管理
当社グループは、事業を営む上で様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスクおよび市場リスク)に晒されています。当社グループは、当該財務上のリスクの防止および低減のために、継続的にモニタリングし、一定の方針に従いリスク管理を行っています。
① 信用リスク
当社グループは、事業を営む上で、取引先の信用リスクに晒されています。当社グループにおける信用リスクは、主に、カード会員、集金代行サービスプロバイダ、PayPay加盟店に対する債権、銀行顧客に対する貸付金およびカード会員に対する貸出コミットメントに関連しています。
(A)信用リスク管理
当社グループはカード会員との契約時において、社内基準に従い会員の信用リスクを評価しています。また、主にカード会員ごとの回収状況の確認を行い、回収不能額の増加を回避しています。
カード会員に対するカード売掛金については、延滞が発生した場合、回収を促進する目的で契約条件が見直され、当初認識時の契約上のキャッシュ・フローが変更されることがあります。
カード売掛金の大半は日本に居住するカード会員に対するものですが、当社グループは、上記のリスク管理手続を通じて、信用リスクの未然防止または低減を図っています。
銀行顧客に係る信用リスクについては、信用リスク管理体制を社内規程に定め、「クレジットポリシー」に従った信用リスクのコントロールに努めています。また、当社グループは与信調査、集中リスクおよび直接償却に関する規程を定めています。過度なリスクの集中を回避し、分散されたポートフォリオの管理を行うため、当社グループの方針および手続における具体的な指針として、適切な与信枠の設定を定めています。各部門から独立した監査部が、信用リスク管理状況につき定期的に監査を行い、与信業務の牽制を行うとともに、取締役会等に監査結果の報告を行っています。
当社グループは、新たな条件によるキャッシュ・フローの割引現在価値が、当初の金融資産の残りのキャッシュ・フローの割引現在価値と比較して10%以上変動する場合、条件変更された金融資産の認識を中止し、購入または組成した信用減損金融資産として新たに認識しています。
2025年3月31日および2026年3月31日時点において、金融資産の契約上のキャッシュ・フローが変更されたものの認識の中止に至らなかったものはありません。
また、上記以外の信用リスクについても全般的に与信調査の実施や与信枠を設定することで信用リスクの管理を行っています。当社グループは、社内の与信管理規程に従い、定期的に債務者の状況や期日経過情報、および債権残高をモニタリングしています。
2025年3月31日および2026年3月31日時点において、当社グループの連結財政状態計算書で表示している金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。
(B)信用リスク格付けごとの分析
a.銀行事業以外の事業
銀行事業以外の償却原価で測定する金融資産(注1)の期日別帳簿価額は、以下の通りです。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||||
| 貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定している金融資産 | |||||||||||
| 12ヶ月のECLに等しい金額で貸倒引当金を測定している金融資産 | 単純化したアプローチを適用している営業債権 | 信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損金融資産 | 購入または組成した信用減損金融資産 | 合計 | ||||||
| 期日経過前 | 1,479,394 | 1,914 | - | - | - | 1,481,308 | |||||
| 30日以内 | 66,830 | 28 | 2,781 | 948 | 95 | 70,682 | |||||
| 30日超90日以内 | - | 3 | 4,486 | 3,250 | 1,383 | 9,122 | |||||
| 90日超 | - | 494 | - | 36,389 | 10,103 | 46,986 | |||||
| 合計 | 1,546,224 | 2,439 | 7,267 | 40,587 | 11,581 | 1,608,098 | |||||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||||
| 貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定している金融資産 | |||||||||||
| 12ヶ月のECLに等しい金額で貸倒引当金を測定している金融資産 | 単純化したアプローチを適用している営業債権 | 信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損金融資産 | 購入または組成した信用減損金融資産 | 合計 | ||||||
| 期日経過前 | 1,522,485 | 2,789 | - | - | - | 1,525,274 | |||||
| 30日以内 | 86,713 | 74 | 3,128 | 1,159 | 82 | 91,156 | |||||
| 30日超90日以内 | - | 28 | 5,944 | 3,519 | 1,673 | 11,164 | |||||
| 90日超 | - | 378 | - | 37,277 | 13,210 | 50,865 | |||||
| 合計 | 1,609,198 | 3,269 | 9,072 | 41,955 | 14,965 | 1,678,459 | |||||
(注1)これらの金融資産は、当社グループの連結財政状態計算書上の「現金及び現金同等物」、「供託金及び差入証拠金」、「営業債権」、「貸付金」、「有価証券」および「その他の金融資産」に含まれています。表中の金融資産に係る貸倒引当金は、カード売掛金および決済事業未収入金を除き、2025年3月31日および2026年3月31日時点において12ヶ月のECLに等しい金額で測定しています。また、2025年3月31日および2026年3月31日時点において、カード売掛金および決済事業未収入金以外の金融資産のうち、支払期日を経過したものはありません。
b.銀行事業
銀行事業においては、金融資産は債務者別の社内のリスク評価を基礎として、以下の信用状況別に区分しています。
| 債務者の分類 | 分類の基礎 | |
| 正常先 | 下記のいずれにも該当しない債権 | |
| 要注意先 | 今後の管理により注意を要する債権 | |
| 破綻懸念先、破綻先等 | 質的および量的見地から債務不履行に陥る懸念がある債権 |
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||
| 貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定している金融資産 | |||||||
| 貸倒引当金を12ヶ月のECLに等しい金額で測定している金融資産 | 信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損金融資産 | 合計 | ||||
| 正常先 | 2,143,066 | - | - | 2,143,066 | |||
| 要注意先 | - | 1,849 | - | 1,849 | |||
| 破綻懸念先、破綻先等 | - | - | 1,680 | 1,680 | |||
| 合計 | 2,143,066 | 1,849 | 1,680 | 2,146,595 | |||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||
| 貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定している金融資産 | |||||||
| 貸倒引当金を12ヶ月のECLに等しい金額で測定している金融資産 | 信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損金融資産 | 合計 | ||||
| 正常先 | 3,065,985 | - | - | 3,065,985 | |||
| 要注意先 | - | 2,279 | - | 2,279 | |||
| 破綻懸念先、破綻先等 | - | - | 3,023 | 3,023 | |||
| 合計 | 3,065,985 | 2,279 | 3,023 | 3,071,287 | |||
(C)貸倒引当金の測定
貸倒引当金は、PD、LGD、デフォルト時エクスポージャー(以下「EAD」)およびその他の合理的に入手可能な将来予測情報に基づいて計算し、営業債権、FVTOCIの負債性金融資産、貸付金および貸出コミットメントをサービス別および支払期日経過期間別にグルーピングした後、集合的に金額を測定しています。
当社グループでは主として、債権について契約上の支払期日が30日超経過した場合に信用リスクが著しく増大したと判断しています。銀行事業の貸付金においては、支払期日から10日以上経過した場合や、複数回の支払遅延が発生した場合に信用リスクが著しく増大したと判断しています。信用リスクが著しく増大したかどうかの評価に際しては、期日経過情報に加え、合理的に入手可能でかつ裏付け可能な情報を考慮しています。
当社グループでは主として、債権について契約上の支払期日が90日超経過した場合、契約条件が変更されている場合、または債務者が著しい財政状況の悪化に陥っている場合に債務不履行とみなしています。債務不履行と判断した債権については、信用減損が発生したとみなしています。
当社グループは、当初認識以降に信用リスクが著しく増大していない場合には、金融資産に係る貸倒引当金を報告日後12ヶ月間に発生しうる債務不履行によるECL(12ヶ月のECL)に等しい金額で測定しています。報告日時点の金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合、予想存続期間にわたって起こりうる全ての債務不履行から生じるECL(全期間のECL)に等しい金額で、貸倒引当金を測定しています。
ただし、IFRS第15号の適用範囲内で、重大な金融要素を含まない取引から生じた営業債権については、当初認識以降の信用リスクの著しい増大の有無にかかわらず、貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定しています。住宅ローンは担保付貸付金であり、その他一部のローンは保証会社の保証付貸付金です。
金融資産に係る貸倒引当金の増減は以下の通りです。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||
| 貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定している金融資産 | |||||||||
| 貸倒引当金を12ヶ月のECLに等しい金額で測定している金融資産 | 単純化したアプローチを適用している営業債権 | 信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損金融資産 | 合計 | |||||
| 期首残高 | 8,822 | 589 | 1,308 | 22,190 | 32,909 | ||||
| 繰入・戻入 | 3,851 | △84 | 81 | - | 3,848 | ||||
| 使用 | △1,621 | △1 | △709 | △13,622 | △15,953 | ||||
| ステージ移動による変動 | △205 | - | △647 | 852 | - | ||||
| リスク変数の変更 | △142 | - | 1,539 | 23,661 | 25,058 | ||||
| その他 | △45 | - | - | 29 | △16 | ||||
| 期末残高 | 10,660 | 504 | 1,572 | 33,110 | 45,846 | ||||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||
| 貸倒引当金を全期間のECLに等しい金額で測定している金融資産 | |||||||||
| 貸倒引当金を12ヶ月のECLに等しい金額で測定している金融資産 | 単純化したアプローチを適用している営業債権 | 信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産 | 信用減損金融資産 | 合計 | |||||
| 期首残高 | 10,660 | 504 | 1,572 | 33,110 | 45,846 | ||||
| 繰入・戻入 | 4,838 | △69 | 27 | 2 | 4,798 | ||||
| 使用 | △1,679 | △12 | △696 | △12,661 | △15,048 | ||||
| ステージ移動による変動 | △126 | - | △782 | 908 | - | ||||
| リスク変数の変更 | △448 | - | 1,864 | 22,006 | 23,422 | ||||
| 債権売却による認識の中止 | - | - | - | △10,598 | △10,598 | ||||
| その他 | 6 | - | - | △47 | △41 | ||||
| 期末残高 | 13,251 | 423 | 1,985 | 32,720 | 48,379 | ||||
貸倒引当金は主にカード売掛金および貸付金を対象にしたものです。
2025年3月31日に終了した1年間および2026年3月31日に終了した1年間における、購入または組成した信用減損金融資産に係る当初認識時の割引前のECLの合計額は、それぞれ14,881百万円および13,851百万円です。
購入または組成した信用減損金融資産に係る貸倒引当金に重要な増減はありません。
2025年3月31日および2026年3月31日時点において、当初認識以降に貸倒引当金が全期間のECLで測定されていたときに条件変更され、当報告期間中に12ヶ月のECLに等しい金額に変化した金融資産はありません。
2025年3月31日および2026年3月31日において、貸倒引当金の増減に影響を与えるような、金融資産の総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
2025年3月31日および2026年3月31日において、直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続している未回収残高に重要性はありません。
② 流動性リスク
(A)資金調達に係る流動性リスクの管理
流動性リスクとは、当社グループが現金または他の金融資産の交付により決済されるデリバティブ商品を含む金融負債に関連する債務を履行するにあたり困難に直面するリスクです。当社グループは、営業取引のための資金の調達や返済、支払において、流動性リスクに晒されています。当該リスクの未然防止または低減のため、資金運用については原則として流動性があり元本欠損リスクが極めて小さい金融商品を対象としています。当社グループは、グループの流動性および安定性を確保できるよう、十分な額の現金および現金同等物、ならびに主に2ヶ月以内に満期が到来する債権を保有しています。また銀行事業において、資金調達における短期資金への過度な依存を防ぐために、当社グループは短期の要資金調達額に対して上限を設定し、日次でその遵守状況をモニタリングしています。また金融事業において、顧客預り金の大量流出等緊急時の流動性を確保するため、現金化が可能な資産の残高状況についてもモニタリングしています。
当社グループは金融事業における顧客からの預り金、銀行借入、コマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化を通じて資金調達を行っています。
(B)金融負債の期日別残高
金融負債の期日別残高は、以下の通りです。なお、以下の契約上のキャッシュ・フローは、支払利息を含む割引前キャッシュ・フローを反映しています。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||||||||
| 帳簿価額 | 契約上のキャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | ||||||||
| 非デリバティブ金融負債 | |||||||||||||||
| 預り金 | 2,385,939 | 2,386,132 | 2,371,106 | 3,531 | 4,065 | 695 | 1,761 | 4,974 | |||||||
| 営業債務 | 949,397 | 949,397 | 949,396 | 1 | - | - | - | - | |||||||
| 借入金等 | 399,578 | 401,819 | 202,992 | 59,136 | 37,083 | 91,446 | 11,012 | 150 | |||||||
| その他の金融負債 | 33,021 | 33,021 | 33,017 | 4 | - | - | - | - | |||||||
| リース負債 | 12,097 | 12,661 | 2,933 | 2,373 | 2,288 | 2,247 | 1,805 | 1,015 | |||||||
| デリバティブ金融負債 | |||||||||||||||
| その他の金融負債 | 1,186 | 1,186 | 1,186 | - | - | - | - | - | |||||||
| 合計 | 3,781,218 | 3,784,216 | 3,560,630 | 65,045 | 43,436 | 94,388 | 14,578 | 6,139 | |||||||
| オフバランス項目 | |||||||||||||||
| 未実行の貸出コミットメント | - | 9,954,633 | 9,954,633 | - | - | - | - | - | |||||||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||||||||
| 帳簿価額 | 契約上のキャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | ||||||||
| 非デリバティブ金融負債 | |||||||||||||||
| 預り金 | 2,952,495 | 2,952,536 | 2,935,149 | 5,118 | 4,540 | 1,204 | 2,222 | 4,303 | |||||||
| 営業債務 | 1,122,338 | 1,122,338 | 1,122,338 | - | - | - | - | - | |||||||
| 借入金等 | 564,956 | 566,243 | 392,273 | 67,883 | 92,747 | 11,813 | 1,376 | 151 | |||||||
| その他の金融負債 | 46,748 | 46,748 | 46,430 | 106 | 106 | 106 | - | - | |||||||
| リース負債 | 9,549 | 9,924 | 2,475 | 2,353 | 2,257 | 1,823 | 770 | 246 | |||||||
| デリバティブ金融負債 | |||||||||||||||
| その他の金融負債 | 1,368 | 1,368 | 1,368 | - | - | - | - | - | |||||||
| 合計 | 4,697,454 | 4,699,157 | 4,500,033 | 75,460 | 99,650 | 14,946 | 4,368 | 4,700 | |||||||
| オフバランス項目 | |||||||||||||||
| 未実行の貸出コミットメント | - | 10,622,322 | 10,622,322 | - | - | - | - | - | |||||||
(C)信用枠
当社グループは、借入およびカード売掛金流動化契約につき、金融機関との信用枠を保有しています。信用枠の未実行残高は以下の通りです。
| (単位:百万円) | |||
| 2025年3月31日 | 2026年3月31日 | ||
| コミットメントライン | |||
| 総額 | 3,673 | 5,124 | |
| 実行残高 | - | - | |
| 未実行残高 | 3,673 | 5,124 | |
| アンコミットメントライン | |||
| 総額 | 910,200 | 1,024,200 | |
| 実行残高 | △109,900 | △205,600 | |
| 未実行残高 | 800,300 | 818,600 | |
| 未実行残高合計 | 803,973 | 823,724 | |
③ 市場リスク
(A)為替リスク管理
当社グループは、機能通貨以外の通貨で実施する取引から発生する為替の変動リスクに晒されています。当社グループの取引に使用される主要な外貨は米ドル(以下「USD」)です。
当社グループは、通貨別の正味為替ポジションを適切な水準にするため、外貨建オンバランス資産および負債から生じる為替エクスポージャーに対し、為替予約、為替先物取引およびその他の契約を利用しています。
銀行事業においては、為替リスク管理の対象となる資産・負債を特定した上で、投資額とそのポートフォリオから生じる現在価値変動額に対してリスク量上限を設定し、日次でその遵守状況を管理しています。また、定期的に為替の変動に対する現在価値変化の分析も実施し、資産・負債に与える影響をモニタリングしています。
上記のリスク管理手続の結果、当社グループの正味の為替リスク・エクスポージャーによる税引前損益および資本への影響は重要ではありません。
(B)金利リスク管理
当社グループは、変動金利の借入金等および預り金により資金を調達しているため、金利上昇により支払利息が増加するリスクに晒されています。金利変動リスクを未然防止または低減するため、固定金利と変動金利の借入金等の適切な組み合わせを維持し、変動金利の借入金等について、金利変動の継続的モニタリングを行っています。
感応度分析は、2025年3月31日および2026年3月31日時点の金融負債(変動金利の預り金および借入金等を含む)の残高を用い、当該負債がそれぞれの直前連結会計年度末まで残高があると仮定し、他の全ての変数を一定に保持して行いました。
以下の表は、市場金利が1%上昇した場合の税引前利益および資本の減少額を示しています。なお、市場金利が1%低下した場合には、税引前利益および資本が同額増加します。
| (単位:百万円) | ||||
| 2025年3月31日に 終了した1年間 | 2026年3月31日に 終了した1年間 | |||
| 税引前利益への影響 | 18,085 | 23,111 | ||
| 資本への影響 | 12,500 | 15,947 |
銀行事業では、金利リスク管理の対象となる資産・負債を特定し、ポートフォリオから生じる現在価値の変動額に対してリスク量上限を設定し、日次でその遵守状況を管理しています。また、定期的にイールドカーブの形状変化(フラットニングやスティープニング)に対する現在価値変化の分析も実施し、資産・負債に与える影響をモニタリングしています。リスクモニタリングにあたっては、フロント・ミドル・バックオフィスの組織的な分離を行った上で、業務部門から独立したリスク統括部において実施する体制としています。モニタリング結果は日次で社内報告を行うとともに、定期的にアセットライアビリティマネジメント委員会や取締役会に報告しています。
PayPay銀行㈱では、金利リスクに晒されている金融資産は、主に負債性金融商品であり、金利の変動に応じた公正価値の変動を金利リスク管理の一環として定量的に分析していますが、負債性金融商品はFVTOCIで測定されるため、金利の変動は資本のみに影響し、税引前利益には影響しません。
PayPay銀行㈱は、これらの金融商品について、金利変動によるポートフォリオの現在価値の変化額として「BPV(ベーシス・ポイント・バリュー:金利が0.01%変化したときの時価評価変化額)」を算定し、金利リスク管理にあたっての定量的分析に利用しています。BPVの算定にあたっては、対象となる金融商品を商品分類ごとに、金融商品の特徴に応じて適切なキャッシュ・フローに分解し、PayPay銀行㈱が定める期間ごとの金利変動による変化率を用いています。
当該変化額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数との相関を考慮しておりません。以下の表は、金利が100ベーシスポイント変動した場合における時価評価の感応度を示しています。
| (単位:百万円) | ||||
| 2025年3月31日 | 2026年3月31日 | |||
| 時価評価変化額 | 9,225 | 11,155 |
上表の計算において、満期保有目的の債券は、市場金利の変動の影響を受けないため除外しています。
(3) 金融商品の公正価値
①当社グループは、連結財務諸表において公正価値で測定する金融商品について、以下のインプットに基づき、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しています。
・ レベル1:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
・ レベル2:類似の資産または負債の活発な市場における相場価格、同一または類似の資産または負債の活発でない市場における相場価格、当該資産または負債に関する相場価格以外の観察可能なインプット、市場の裏付けがあるインプットにより測定した公正価値
・ レベル3:市場参加者が価格付けを行う際に使用するであろう仮定についての当社グループの判断を反映した、1つまたは複数の観察不能なインプットを用いた評価技法により測定した公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告日時点で発生したものとして認識しています。なお、2025年3月31日および2026年3月31日時点において、レベル間の重要な振替はありません。
②経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下の通りです。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | ||||||||
| 公正価値 | ||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |||||
| 有価証券 | ||||||||
| FVTPLの金融資産 | ||||||||
| 負債性金融商品 | ||||||||
| 上場投資信託 | 132,509 | - | - | 132,509 | ||||
| 資本性金融商品 | ||||||||
| 資本性の有価証券 | 184 | - | - | 184 | ||||
| FVTOCIの金融資産 | ||||||||
| 負債性金融商品 | ||||||||
| 日本国債及び地方債 | 4,639 | 6,786 | - | 11,425 | ||||
| 社債及びその他の債券 | - | 87,492 | 8,200 | 95,692 | ||||
| 資産担保証券 | - | - | 279,442 | 279,442 | ||||
| その他の金融資産 | ||||||||
| FVTPLの金融資産 | ||||||||
| デリバティブ資産 | 228 | 2,006 | - | 2,234 | ||||
| 合計 | 137,560 | 96,284 | 287,642 | 521,486 | ||||
| その他の金融負債 | ||||||||
| FVTPLの金融負債 | ||||||||
| デリバティブ負債 | 102 | 1,084 | - | 1,186 | ||||
| 合計 | 102 | 1,084 | - | 1,186 | ||||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | ||||||||
| 公正価値 | ||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |||||
| 有価証券 | ||||||||
| FVTPLの金融資産 | ||||||||
| 負債性金融商品 | ||||||||
| 上場投資信託 | 202,879 | - | - | 202,879 | ||||
| 資本性金融商品 | ||||||||
| 資本性の有価証券 | 306 | 24 | 964 | 1,294 | ||||
| FVTOCIの金融資産 | ||||||||
| 負債性金融商品 | ||||||||
| 日本国債及び地方債 | 55,949 | 2,725 | - | 58,674 | ||||
| 社債及びその他の債券 | 3,118 | 77,736 | 6,732 | 87,586 | ||||
| 資産担保証券 | - | - | 335,214 | 335,214 | ||||
| その他の金融資産 | ||||||||
| FVTPLの金融資産 | ||||||||
| デリバティブ資産 | 203 | 2,107 | - | 2,310 | ||||
| 合計 | 262,455 | 82,592 | 342,910 | 687,957 | ||||
| その他の金融負債 | ||||||||
| FVTPLの金融負債 | ||||||||
| デリバティブ負債 | 100 | 1,268 | - | 1,368 | ||||
| 合計 | 100 | 1,268 | - | 1,368 | ||||
③金融資産および金融負債の公正価値および帳簿価額は、以下の通りです。これらは当社グループの連結財政状態計算書上、公正価値で測定していませんが、公正価値を開示しています。一部の短期間で決済される金融商品は帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっているため、下表には含めていません。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||
| 帳簿価額 | 公正価値 | ||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||||
| 償却原価で測定する金融資産 | |||||||||
| 貸付金 | |||||||||
| 住宅ローン | 664,594 | - | - | 673,236 | 673,236 | ||||
| 当座貸越 | 261,943 | - | - | 327,971 | 327,971 | ||||
| その他 | 383 | - | - | 383 | 383 | ||||
| 有価証券 | |||||||||
| 負債性金融商品 | |||||||||
| 日本国債及び地方債 | 353,590 | 126,188 | 220,256 | - | 346,444 | ||||
| 社債及びその他の債券 | 200,015 | - | 195,886 | - | 195,886 | ||||
| 資産担保証券 | 2,891 | - | - | 2,866 | 2,866 | ||||
| 合計 | 1,483,416 | 126,188 | 416,142 | 1,004,456 | 1,546,786 | ||||
| 償却原価で測定する金融負債 | |||||||||
| 預金 | |||||||||
| 要求払預金 | 1,688,643 | - | 1,688,643 | - | 1,688,643 | ||||
| 定期預金 | 152,393 | - | 152,222 | - | 152,222 | ||||
| 借入金等 | |||||||||
| 借入金 | 315,578 | - | 99,354 | 210,907 | 310,261 | ||||
| 合計 | 2,156,614 | - | 1,940,219 | 210,907 | 2,151,126 | ||||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||||
| 帳簿価額 | 公正価値 | ||||||||
| レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | ||||||
| 償却原価で測定する金融資産 | |||||||||
| 貸付金 | |||||||||
| 住宅ローン | 909,483 | - | - | 908,513 | 908,513 | ||||
| 当座貸越 | 312,255 | - | - | 337,479 | 337,479 | ||||
| その他 | 16,879 | - | - | 16,841 | 16,841 | ||||
| 有価証券 | |||||||||
| 負債性金融商品 | |||||||||
| 日本国債及び地方債 | 720,182 | 264,985 | 439,089 | - | 704,074 | ||||
| 社債及びその他の債券 | 328,535 | - | 319,545 | - | 319,545 | ||||
| 資産担保証券 | 2,471 | - | - | 2,480 | 2,480 | ||||
| 合計 | 2,289,805 | 264,985 | 758,634 | 1,265,313 | 2,288,932 | ||||
| 償却原価で測定する金融負債 | |||||||||
| 預金 | |||||||||
| 要求払預金 | 2,090,486 | - | 2,090,486 | - | 2,090,486 | ||||
| 定期預金 | 178,594 | - | 178,319 | - | 178,319 | ||||
| 借入金等 | |||||||||
| 借入金 | 491,956 | - | 208,150 | 278,056 | 486,206 | ||||
| 合計 | 2,761,036 | - | 2,476,955 | 278,056 | 2,755,011 | ||||
④金融商品の公正価値の測定方法は、以下の通りです。
(A)負債性金融商品
主に日本国債及び地方債からなる負債性金融商品の公正価値は、同一の資産の活発な市場における相場価格で測定しています。このような相場価格を入手できる場合にはレベル1に分類しています。活発な市場における同一銘柄の相場価格が入手できない場合の公正価値は、売買参考統計値等の利用可能な情報に基づく観察可能なインプットを使用して測定し、レベル2に分類しています。
上場投資信託からなる負債性金融商品の公正価値は、同一の資産の活発な市場における相場価格で測定し、レベル1に分類しています。
社債からなる負債性金融商品の公正価値は、契約ごとに分類し、その将来キャッシュ・フローを契約期間に応じて信用リスクを加味した利率で割り引く方法により算定しています。外部信用格付を反映した金利等、市場で観察可能なインプットを用いて測定したものをレベル2、負債性金融商品の発行者の信用スプレッド等、市場で観察不能なインプットを用いたものをレベル3に分類しています。
リスク管理部は、負債性金融商品の種類ごとに、サンプルベースで相場価格と財務企画部が算出した価格との間に一定の乖離があるか否かを判断することにより、相場価格がIFRS第13号「公正価値」(以下「IFRS第13号」という。)の公正価値の適格性を満たしているかどうかを四半期ごとに評価しています。
(B)資本性金融商品
これらの有価証券には、上場株式および私募投資信託が含まれます。
上場株式の公正価値は、活発な市場における同一資産の相場価格によって評価され、レベル1に分類されます。
私募投資信託の公正価値のうち、外部信用格付を反映した金利など、市場で観察可能なインプットを用いて測定されるものはレベル2に分類され、観察不能なリスクプレミアムなどの重要な観察不能なインプットを用いるものはレベル3に分類されます。
(C)資産担保証券
これらの有価証券には、住宅ローン担保証券、クレジットカード資産担保証券、割賦売掛金担保証券およびその他の資産担保証券が含まれます。これらの有価証券の市場は活発ではなく、資産担保証券の公正価値は、利回り、期限前返済率、デフォルトの可能性および損失の重要性を重要なインプットとする同一または類似の有価証券のブローカーまたはディーラーの相場価格を用いて測定しており、そのような重要なインプットは観察不能であるため、レベル3に分類しています。
当社グループは、割引将来キャッシュ・フローを用いて、ブローカーまたはディーラーの相場価格と、リスク管理部が算出する価格との間に継続的な乖離が生じていないか日次でモニタリングしています。また、リスク管理部は、資産担保証券の種類ごとに、サンプルベースで相場価格と財務企画部が算出した価格との間に一定の乖離があるか否かを判断することにより、相場価格がIFRS第13号の公正価値の適格性を満たしているかどうかを四半期ごとに評価しています。
(D)デリバティブ
上場デリバティブからなるデリバティブの公正価値は、同一のデリバティブの活発な市場における相場価格で測定し、レベル1に分類しています。
店頭外国為替デリバティブからなるデリバティブの公正価値は、将来の為替レートおよび金利を重要なインプットとする割引将来キャッシュ・フロー法により算定されたブローカーまたはディーラーの相場価格で測定し、レベル2に分類しています。
(E)貸付金
貸付金の公正価値は、内部格付および貸付条件に基づく信用スプレッドを加味した利率を用いた割引将来キャッシュ・フロー法により算定しており、信用スプレッドは重要な観察不能なインプットであるため、レベル3に分類しています。
(F)預金
要求払預金については、連結会計年度末に要求に応じて直ちに支払うものは、その金額を公正価値としています。
定期預金の公正価値は、残存期間が類似している預金ごとに現在のレートで将来キャッシュ・フローを割り引いた現在価値により算定しています。残存期間が短期間(6ヶ月以内)のものは、公正価値は帳簿価額と近似しているため、当該帳簿価額を公正価値としており、レベル2に分類しています。
(G)借入金等
借入金等の公正価値は、同様の条件および期間での借入に使用される当社グループ独自の信用スプレッドを加味した利率を用いた割引将来キャッシュ・フロー法により算定しています。当社グループ独自の信用スプレッドが観察不能である借入金等については、レベル3に分類しています。
なお上記に記載していないコールローン等、その他の金融商品は、主に1年以内に決済されるため、帳簿価額は公正価額に近似しています。
⑤レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の調整表は、以下の通りです。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | ||||||
| FVTOCIの金融資産 | ||||||
| 資産担保証券 | 社債及び その他の債券 | 合計 | ||||
| 2024年4月1日時点の公正価値 | 204,271 | 9,663 | 213,934 | |||
| 購入 | 138,261 | - | 138,261 | |||
| 利得または損失: | ||||||
| その他の包括利益 | △1,964 | △63 | △2,027 | |||
| 売却および決済 | △61,126 | △1,400 | △62,526 | |||
| 2025年3月31日時点の公正価値 | 279,442 | 8,200 | 287,642 | |||
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||
| FVTPLの 金融資産 | FVTOCIの金融資産 | ||||||
| 資本性の 有価証券 | 資産担保証券 | 社債及び その他の債券 | 合計 | ||||
| 2025年4月1日時点の公正価値 | - | 279,442 | 8,200 | 287,642 | |||
| 購入 | 964 | 135,968 | - | 136,932 | |||
| 利得または損失: | |||||||
| その他の包括利益 | - | △192 | △68 | △260 | |||
| 売却および決済 | - | △80,004 | △1,400 | △81,404 | |||
| 2026年3月31日時点の公正価値 | 964 | 335,214 | 6,732 | 342,910 | |||
⑥公正価値の評価技法およびインプット
レベル3に分類される主要な資産の公正価値の評価技法および重要な観察不能なインプットは、以下の通りです。
| 金融資産 | 公正価値の評価技法 | 重要な観察不能なインプット | ||
| 資産担保証券 | 割引キャッシュ・フロー | ディスカウント・マージン/スプレッド一定の期限前返済率一定のデフォルト率 | ||
| 資本性の有価証券 | 割引キャッシュ・フロー | 不動産リスクプレミアム | ||
| 貸付金 社債及びその他の債券 | 割引キャッシュ・フロー | 信用スプレッド |
資産担保証券の公正価値は、ブローカーやディーラーの評価価格を使用して決定しています。これらの評価価格は、割引将来キャッシュ・フロー法により測定されます。使用されているブローカーやディーラーの評価価格は拘束力を持たず、独自のモデルおよび仮定に基づく指標価格を反映しています。当社グループは、提示価格の算出に使用された重要なインプットを検証しています。当社グループは、ブローカーやディーラーの評価価格について調整は不要であり、これらの商品には活発な市場と観察可能なインプットがないことを考慮すると、ブローカーやディーラーの評価価格の使用は公正価値の最善の見積りを示すものであると考えています。
(A)ディスカウント・マージン/スプレッド
ディスカウント・マージン/スプレッドは、将来キャッシュ・フローの現在価値を算定する際に使用される割引率を表します。割引将来キャッシュ・フロー法では、将来の予想キャッシュ・フローを割り引く際に、このようなスプレッドが基準金利に追加されるため、これらのスプレッドは資産の正味現在価値を減少させます。一般的に、これらのスプレッドは、資産の信用の質に応じたキャッシュ・フローの不確実性に基づくより高いリスクを補うために、投資家が基準金利を超えて達成すると期待するプレミアムを反映します。
(B)一定の期限前返済率
一定の期限前返済率は、債権のポートフォリオが裏付けとなる債権の契約条件よりも早く返済されると期待される将来の確率を表しており、高い場合には資産担保証券の正味現在価値を減少させます。
(C)一定のデフォルト率
一定のデフォルト率は、債務者が90日以上延滞している債権プールにおけるローンの割合を反映しており、高い場合には資産担保証券の正味現在価値を減少させます。
(D)不動産リスクプレミアム
不動産リスクプレミアムは、不動産の復帰価値を計算する際に用いられるターミナルキャップレート(最終還元利回り)、および不動産のディスカウントマージン/スプレッドを反映したものです。
(E)信用スプレッド
信用スプレッドは、将来キャッシュ・フローの現在価値を算定する際に使用される割引率を表します。割引将来キャッシュ・フロー法では、将来の予想キャッシュ・フローを割り引く際に、このようなスプレッドが基準金利に追加されるため、このスプレッドは負債性金融商品の正味現在価値を減少させます。信用スプレッドは、信用リスクの低い証券に比べて信用リスクの高い証券から投資家が得られる追加の正味利回りを反映します。
(4) 認識の中止の要件を満たさない金融資産の譲渡
① QRコード決済サービスに係る金融資産の譲渡
当社グループは、「営業債権」に含まれる一部の「決済事業未収入金」をグループ外部の決済代行業者に譲渡しています。これらの譲渡債権は、原債務者の債務不履行が発生した場合等に当社グループに遡及的に支払義務が生じます。このような取引から生じる信用リスクは、債権が回収されるまで当社グループが負担するため、当社グループはほとんど全てのリスクと経済価値を実質的に移転しておらず、債権の認識の中止を行っていません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡した金融資産残高は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ21,615百万円および20,494百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「営業債権」に含まれています。
また、当該譲渡された金融資産に関連する負債は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ3,269百万円および1,694百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に含まれています。
これらの金融商品は短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値と等しいか、または合理的に近似しており、その結果、正味ポジションは、譲渡資産と関連する負債の公正価値の差額と等しいか、または合理的に近似しています。
当該負債は、譲渡資産に対して原債務者からの支払いが行われたときに決済されますが、当該負債の決済または原債務者からの支払いが行われるまでの間、当社グループは当該譲渡資産を利用できません。なお、2025年3月31日および2026年3月31日における譲渡資産と関連する負債の差額は、債権譲渡と回収時点の差から生じています。
② クレジットカード事業から生じる債権の譲渡
当社グループは、「貸付金」に含まれる「カード売掛金」を金融機関に譲渡しています。しかし、当該譲渡債権の中には、当社グループが回収まで信用リスクを負担しており、原債務者が支払いを行わない場合等に当社グループに遡求的に譲受人への支払義務が発生するものがあります。このような譲渡債権から生じる信用リスクは、債権が回収されるまで当社グループが負担するため、当社グループはほとんど全てのリスクと経済価値を実質的に移転しておらず、債権の認識の中止を行っていません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡した金融資産残高は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ1,144百万円および7,133百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「貸付金」に含まれています。また、譲受人からの入金額は、2025年3月31日および2026年3月31日において、それぞれ70,000百万円および160,000百万円であり、連結財政状態計算書上、「借入金等」に含まれています。当該「借入金等」は、原債務者からの支払いが行われたときに認識を中止しますが、当該負債の決済または原債務者からの支払いが行われるまでの間、当社グループは当該譲渡債権を利用できません。なお、2025年3月31日および2026年3月31日における譲渡債権と関連する「借入金等」の差額は、「カード売掛金」の回収によるものです。
③ 現先取引から生じる有価証券の譲渡
当社グループは、2026年3月31日に終了した1年間より「有価証券」に含まれる「満期保有目的の債券」を短資会社に譲渡しています。債券を譲渡する一方で、将来一定の価格で買い戻すことにしていることから、債券の価格変動リスクは当社グループが負っています。このような取引から生じる価格変動リスクは、買戻しを行うまで当社グループが負担するため、当社グループはほとんど全てのリスクと経済価値を実質的に移転しておらず、有価証券の認識の中止を行っていません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡した金融資産残高は、2026年3月31日において111,360百万円であり、当社グループの連結財政状態計算書上、「有価証券」に含まれています。また、譲受人からの入金額は、2026年3月31日において108,981百万円であり、連結財政状態計算書上、「借入金等」に含まれています。
当該「借入金等」は、当社グループが買戻しを行ったときに認識を中止しますが、買戻しが行われるまでの間、当社グループは当該債券を利用できません。なお、2026年3月31日における譲渡債券と関連する「借入金等」の帳簿価額と公正価値はほぼ同額です。
(5) 担保として差し入れた資産
担保として差し入れた資産の帳簿価額は以下の通りです。
| (単位:百万円) | |||
| 2025年3月31日 | 2026年3月31日 | ||
| 供託金(注1) | 2,133 | 1,980 | |
| 貸付金(注2) | 30,982 | 30,999 | |
| 有価証券(注1)(注3) | 249,056 | 605,904 | |
| その他(注1) | 3,713 | 5,162 | |
| 合計 | 285,884 | 644,045 | |
(注1)金融機関は、債務不履行となった場合には担保資産を処分し、その金額を債務返済額に充当、または相殺する権利を有しています。
(注2)当社グループは、流動化したカード売掛金の認識を中止していません。2025年3月31日および2026年3月31日において、債権の譲渡に該当しないカード売掛金の担保差し入れに係る流動化借入額は、55,000百万円です。認識の中止の要件を満たさない債権の譲渡については、上記「②クレジットカード事業から生じる債権の譲渡」に記載しています。
(注3)有価証券は、PayPay銀行㈱の資金調達および為替決済のため、日本銀行および全国銀行資金決済ネットワークへ担保として差し入れています。
(6) 金融資産および金融負債の相殺
金融資産および金融負債の相殺情報は以下の通りです。
2025年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||
| 認識した金融資産または金融負債の総額 | 連結財政状態計算書上相殺している金融資産および金融負債の総額 | 連結財政状態計算書上に表示している純額 | 純額 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| 営業債権 | |||||||
| 決済事業未収入金 | 54,611 | △21,904 | 32,707 | 32,707 | |||
| その他の営業債権 | 15,396 | △15,396 | - | - | |||
| 貸付金 | |||||||
| カード売掛金 | 1 | △1 | - | - | |||
| その他の金融資産 | |||||||
| 提携ATM運営業者に対する未収金 | 21,418 | △16,075 | 5,343 | 5,343 | |||
| 金融負債 | |||||||
| 営業債務 | |||||||
| 決済事業未払金 | 934,212 | △36,473 | 897,739 | 897,739 | |||
| カード買掛金 | 27,742 | △373 | 27,369 | 27,369 | |||
| その他未払金 | 545 | △1 | 544 | 544 | |||
| その他の金融負債 | |||||||
| 未払費用 | 454 | △454 | - | - | |||
| 仮受金 | 19,496 | △16,075 | 3,421 | 3,421 |
2026年3月31日時点
| (単位:百万円) | |||||||
| 認識した金融資産または金融負債の総額 | 連結財政状態計算書上相殺している金融資産および金融負債の総額 | 連結財政状態計算書上に表示している純額 | 純額 | ||||
| 金融資産 | |||||||
| 営業債権 | |||||||
| 決済事業未収入金 | 55,361 | △25,674 | 29,687 | 29,687 | |||
| その他の営業債権 | 18,676 | △18,676 | - | - | |||
| 貸付金 | |||||||
| カード売掛金 | 1 | △1 | - | - | |||
| その他の金融資産 | |||||||
| 提携ATM運営業者に対する未収金 | 22,201 | △17,547 | 4,654 | 4,654 | |||
| 金融負債 | |||||||
| 営業債務 | |||||||
| 決済事業未払金 | 1,108,070 | △43,533 | 1,064,537 | 1,064,537 | |||
| カード買掛金 | 30,684 | △404 | 30,280 | 30,280 | |||
| その他未払金 | 589 | △2 | 587 | 587 | |||
| その他の金融負債 | |||||||
| 未払費用 | 412 | △412 | - | - | |||
| 仮受金 | 20,681 | △17,547 | 3,134 | 3,134 |
なお、当社グループは、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約を締結していません。