訂正有価証券届出書(新規公開時)

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2026/06/29 15:30
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157項目

有報資料

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資家の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループは自動運転というディープテック領域で事業を展開しており、特に当社の企図する量産化に係るビジネスモデルや対象市場が未だ発展途上にあることから、技術開発、社会実装及び市場形成の各段階において不確実性を伴っております。また、自動運転システムの開発及び量産化に向けた取り組みは、多くの時間及び研究開発投資を要するとともに、すべての開発や実証実験、量産化が当初の想定通りに進捗又は実現する保証はありません。このため、当社グループの事業は、その性質上、一般的な事業と比較して相対的にリスクが高い可能性があります。当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でありますが、当社の取り組みにかかわらず、かかるリスクが顕在化し、当社グループの財務を含む経営成績に影響を及ぼす可能性は否定できません。したがって、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本項記載の将来に関する事項は、提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 事故の発生に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:大/顕在化の時期:未定)
当社グループの属する自動運転業界においては、交通事故発生のリスクが存在します。当社が製造に関与する自動運転車に関して重大な交通事故が発生した場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
まず、自動運転における責任関係の概要につき、日本国内の公道での走行に関連する法令を前提に、一般的な説明をします。自動運転にはレベル0からレベル5が存在し、当社グループの事業はレベル4あるいはレベル2に分類されます。レベル4は特定の条件下においてシステムが全ての運転操作を行う状態、レベル2は、運転操作の主体は運転者で、アクセル・ブレーキ操作及びハンドル操作の両方が、部分的に自動化された状態、と定義されております。当社では、人手不足等の社会課題解決を背景に自動運転レベル4のシステムを提供しておりますが、レベル4での運用を開始するまでの期間においては、レベル2でのデータ収集や実験等を実施しております。
自動運転レベル2においては、運転の主体が運転者であり、システムは「運転支援」の位置づけであります。通常の量産車における安全運転支援機能と同様の責任関係となります。より具体的には、運転者の民事責任に関しては、民法第709条に基づく不法行為責任や道路交通法第70条に基づく安全運転義務の違反に基づく責任、自賠法(自動車損害賠償保障法)第3条に基づく運行供用者責任、製造物責任法第3条に基づくメーカー責任に分解されます。
他方で、自動運転レベル4は、運転者不在を前提とした制度であります。自動運転レベル4運行である「特定自動運行」は、道路交通法上の「運転」に該当しないため、従来型の運転者責任は事実上問題になりません。他方で、運行供用者責任や製造物責任法に基づくメーカー責任は自動運転レベル2と同様になお適用されます。自動運転レベル4運行中に事故が発生した場合には、特定自動運行実施者または車両保有者の運行供用者責任に基づき保険会社等が被害者救済を行い、その後、自動運転システム起因の事故であった場合には保険会社等からメーカーへ求償されるという流れが想定されます。
当社のMobility Service(モビリティサービス)においては、当社が自動車OEMからベース車両を調達し、自動運転システムを架装した上で、顧客に提供する場合や、自動運転用ハードウェアを販売する場合もあるため、製造物責任法に基づくメーカーとしての責任を負う可能性があり、また、当社のDevelopment Service(デベロップメントサービス)においては、OEM等の顧客が自社製品として販売を予定する量産車両への自動運転機能の搭載を見据え、当社プロダクトの提供並びに共同開発及び技術協力を行っているため、当社が当該車両の保有者又は運行主体とならない場合であっても、当社の提供する自動運転システム等の欠陥に起因して事故が発生した場合には、製造物責任法に基づくメーカーとしての責任を負う可能性があります。また、当社が特定自動運行実施者又は車両保有者として関与する場合には、運行供用者責任を負う可能性があります。
当社グループでは、自動運転中の事故を未然に防ぐため、ハードウェア・ソフトウェアの出荷・リリース前の検査やゲートレビューの実施、自動運転ルートに関するリスクアセスメントの実施、自動運転前の事前社内審査を行うことにより、事故の発生リスクの最小化に努めております。結果、2026年5月現在、公道における人身事故件数は0件となっております。また、事故を含むインシデントが発生した場合の社内通報窓口を設置し、全従業員に対する研修を実施し周知を図り、対応ルールに基づいた運用を行っております。これにより、インシデントが発生した場合でも適切かつ迅速な対応が行われています。
加えて、当社グループが所有する公道を走行する自動運転車両は損害保険ジャパン株式会社の自動運転専用保険に加入し、物損事故又は人身事故が発生した場合の損害賠償の被請求リスクに備えております。当該保険は、損害保険ジャパン株式会社が開発した自動運転向けの任意自動車保険であり、通常の任意自動車保険ではカバーできない自動運転特有のリスクまでカバーされております。もっとも、補償内容は損害保険ジャパン株式会社と協議のうえ設定しているものの、自動運転サービスは未だ広く普及してはいないため、補償内容にかかるマーケットスタンダードは形成されておらず、損害保険他社が開発・提供中の保険とは補償内容が異なる可能性があり、必ずしも自動運転に係る全てのリスクを実際にカバーできるとは限りません。また、当社グループが所有しない自動運転車両に対しても、当社グループが提供する自動運転システム又はハードウェアに欠陥がある場合には、当社が製造物責任法に基づくメーカー責任を受ける可能性があります。これに対し、当社は企業総合賠償責任保険内において製造物責任特約を付すことで、リスクの低減に努めております。
このようにリスクの低減あるいは転移に向けた施策を講じてはいるものの、将来に向けても重大事故が発生しないことを保証することは困難であり、重大事故が発生した場合には、上記保険でもカバーできない多額の費用負担、当社グループ及び当社グループ製品に対する信頼性の喪失、官公庁による支援の打ち切り等により、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループ以外の第三者による自動運転に関する重大事故等が発生した場合には、自動運転技術全体に対する社会的評価が低下し、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に間接的な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 技術革新に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:大/顕在化の時期:長期)
当社グループの属する自動運転業界においては、技術革新のスピードが早く、常に先進の技術ノウハウを把握し、当社グループの技術に取り入れていく必要があります。このため、産学官での連携、「Autoware(オートウェア)」を通じた国内外の関連プレイヤーとのエコシステム構築等を通じて最新の技術ノウハウの獲得に注力しております。特に、自動運転の領域においては、複雑な交通環境下における認識精度や経路計画精度の向上、システム異常の発生時や予期せぬ事象に対する安全性の確保等、引き続き技術的な高度化が求められる領域が存在しております。加えて、これらの機能・性能を実運用環境において安定的に発揮するための継続的な精度改善も重要な課題となっております。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、研究開発部門を中心として、実証実験や商用運行を通じた走行データ及び運用データの蓄積・分析を継続的に実施するとともに、ソフトウェア更新や評価・検証体制の強化を通じて、機能・性能の改善に努めております。また、国内外のパートナー企業、研究機関及び自治体等との連携を通じて、技術動向や市場ニーズの把握に取り組むことで、技術革新への対応力向上を図っております。
しかしながら、これらの対応に困難が生じ、技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合や、当社グループが進めている研究開発について、想定どおりに進捗しない場合、またはその成果が想定どおりに得られず事業化又は商用化に至らない場合、また産学官での連携や国内外の関連プレイヤーとの協働が奏功しない場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。このような場合には、当社グループの技術力低下、それに伴う製品・サービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業環境及び事業展開に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:未定)
当社グループでは、コアコンピタンスである、マイクロオートノミー・アーキテクチャの考え方で、共通の要素技術をもとに、バス・物流車両等の複数の事業領域・車種において、自動運転レベル4対応の自動運転車両を開発し社会実装を行っていますが、当社グループが提供する自動運転車両及び自動運転システムの事業化又は商用化の実績は限定的です。当社グループとしては、今後の自動運転業界の順調な拡大、本格的な立ち上がりを見込んでおりますが、自動運転業界は提出日現在において黎明期であり、我が国において当社グループ以外を含む自動運転車両が重大な事故を発生させるなどの安全性の観点や、他にも技術的、経済性及び政策動向等の観点から市場普及や量産化に遅れが生じた場合、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは自動運転技術の社会実装に向けての開発を行っており、その先行投資によって、設立以来赤字を継続しております。今後も、自動運転技術の開発への投資や事業規模の拡大に伴い、継続的なコストの発生及び増加が見込まれます。当社は、経営上の目標の達成に向け、「先行逃げ切り」(First-Mover)及び「後方追い上げ」(Fast-Follower)のアプローチの併用、自動運転市場の本格的な立ち上がりを捉えた売上の拡大や収益の主軸のリカーリング収入への移行、規律ある開発体制の構築により、中期的な利益率の改善といった上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」記載の経営戦略に基づき対処すべき課題に取り組んでいく方針ですが、マクロ要因を含む当社グループを取り巻く経営環境の急激な変化を始めとする「事業等のリスク」に記載されたリスクが顕在化すること、当社の想定通り自動運転技術の実装台数やパイプラインが進捗しないこと、その他様々な事情により、上記経営戦略や取組が想定どおりに進まなかった場合、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 「Autoware(オートウェア)」の利用に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:大/顕在化の時期:未定)
当社グループが活用する自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」に係る知的財産権は、AWFにより管理されております。当社グループは、AWFが定めるオープンソースライセンスの枠組みに基づき「Autoware(オートウェア)」を利用しており、現時点において、当該利用に関して重大な制約が生じているものではありません。もっとも、AWFは独立した法人であり、将来的にAWFの方針変更やガバナンスの変化等が生じた場合には、「Autoware(オートウェア)」の利用条件や開発方針に影響が及ぶ可能性があり、その結果、当社グループの事業活動に一定の制約が生じる可能性があります。当社グループとしては、AWFとの継続的な連携やコミュニケーションを通じて関係性の維持・強化を図るとともに、「Autoware(オートウェア)」の開発・運用に主体的に関与することにより、当該リスクの低減に努めております。しかしながら、これらの対応にもかかわらず、AWFの方針等に起因して「Autoware(オートウェア)」の利用に制約が生じた場合や「Autoware(オートウェア)」の開発が減速した場合、あるいは競合他社が「Autoware(オートウェア)」を活用する場合、第三者による「Autoware(オートウェア)」に係る権利侵害が生じた場合等は、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループとAWFとの間では、主には、同法人のPremium Member(プレミアムメンバー)としての会費支払及び「Autoware(オートウェア)」に関わるフレームワークの策定等の外注の取引が存在しますが、通常の取引と同等に適正な条件での取引を行っております。
(5) 製品・サービスの不具合の発生に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化の時期:未定)
当社グループでは、自動運転システムに関わるハードウェア(車両を含む。以下同じ。)、及びソフトウェアの製造・販売・提供を手掛けております。各種製品の出荷・リリース前には出荷前検査や各種試験・評価、ゲートレビュー等を実施しており、製品・サービスの不具合等の発生防止に最大限の注意を払っております。しかしながら、当社グループの製品・サービスの不具合により顧客が損害を被った場合や当社グループ製品に関してリコール等が発生した場合、当社グループの製品・サービスの製造・販売・提供の停止や遅延、損害賠償の被請求や不具合の是正等の対応実施等に係る費用発生、当社グループ及び当社グループ製品・サービスに対する信頼性の喪失により、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、自動車OEMからベース車両を調達し、委託先企業が当社の自動運転システムの架装を行ったうえで、当該製品を顧客に提供する等、製品・サービスの製造・販売・提供に際して第三者のハードウェア及びソフトウェア並びに第三者による製造過程に依拠する場合があります。このような場合、当社グループの開発及び技術に何ら問題がなくても、第三者のハードウェア、ソフトウェア又は製造過程の不具合等に起因して不具合やリコール等が発生した場合、当社グループの製品・サービスの製造・販売・提供の停止や遅延、損害賠償や不具合の是正等の対応実施に係る費用その他負担、当社グループ及び当社グループ製品・サービスに対する信頼性の喪失等により、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 政策動向の変化に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化の時期:中期)
当社グループの主要事業領域である、自動運転市場は将来の成長が期待される市場でありますが、グローバルにおいても黎明期にあたります。また、日本国内の自動運転市場においては、技術開発の推進や社会実装の促進のために、日本政府及び地方自治体等の官公庁による制度面・金銭面での支援がなされております。政府政策にも自動運転は重点領域として位置づけられているため、当社グループでは政府による支援が今後も継続すると予測しており、新規製品及びサービスの研究開発を積極的に展開していく計画であります。しかしながら、当社の研究開発に係る費用は一部日本政府からの補助金に依存していることから、経済情勢や景気動向、政策動向の変化により、政府の政策方針が変更になり、自動運転事業に対する補助金の交付が減少するような場合には、研究開発に重大な支障が生じるほか、自動運転市場が当社の想定どおりに拡大しない等により、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお当社グループでは上記リスクへの対策の一環として、官公庁や業界団体等との継続的な意見交換を通じて、政策動向に関する情報収集に努めるとともに、特定の政策支援に過度に依存しない事業運営を志向し、民間企業向け案件や海外市場の開拓を進めることで、政策動向変化による影響の低減を図っておりますが、奏功しない可能性もあります。
(7) 自動運転に係るセンサーや演算装置類等の需給逼迫リスク(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化の時期:中期)
世界的に半導体を中心とした電子部品の需給が逼迫している状況にあります。当社では、センサー・演算装置類の電子部品を含む主要部品を対象にPSI管理を実施し、適正な在庫量の維持に努めております。しかしながら、需給逼迫状況の急速な変化によって、前述の部材や、その他事業運営に必要な部材・部品の入手が困難な状況が発生した場合、当社グループの自動運転車両の生産計画に影響を及ぼし、また、需給逼迫により部材・部品の価格が高騰した場合には当社の利益率に悪影響を及ぼす可能性があり、これらの結果、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材の採用に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化の時期:中期)
当社グループが今後更なる成長を成し遂げていくためには、優秀な人材の確保が重要課題の一つであると認識しております。特に、自動運転に係るソフトウェア、AI等の分野において高度な専門性を有する人材の確保が不可欠であり、これらの人材に対する需要は業界全体で高まっております。加えて、当該分野における人材は国内外を含めて限られていることから人材獲得競争が激化しているほか、事業展開地域の拡大に伴い、各地域における運用・保守等を担う現場人材の確保も必要となるため、適時かつ十分な人材確保が困難となる可能性があります。当社グループは現在も人材紹介会社を利用した中途採用を実施し、従業員からの紹介によるリファラル採用制度を導入する等、多様なチャネルを用いて優秀な人材の確保に努めておりますが、今後求める人材を十分に採用できない場合や、あるいは在職中の優秀な人材が退職する等した場合、また、人材の獲得・維持にかかるコストが大幅に増加した場合には、当社グループの事業拡大の制約となり、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 当社グループのイメージ及びブランドに関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化の時期:未定)
当社グループの事業活動において、イメージ及びブランドは、既存顧客との関係維持又は新規顧客の獲得にとって重要な要素であると認識しています。当社グループにとってネガティブな報道がされた場合、不利益な風説が流布した場合、役職員による違法又は不適切な行為のあった場合、その他イメージやブランドに悪影響を与える事態が生じた場合や、当社又は同業他社が製造に関与した自動運転車に事故等が生じることにより自動運転に対するイメージが低下する場合には、当社グループの顧客が離反する又は新規顧客を獲得できなくなることにより、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者が当社グループの許可なく当社グループのブランド、商標、ロゴ等を使用した場合には、当社グループのイメージやブランドに悪影響が生じ、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して、各種社内研修において、関連研修をカリキュラムとして含めることで、従業員への周知徹底を図っておりますが、役職員による違法又は不適切な行為を未然に防止できる保証はありません。
(10) 競合に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:中期)
グローバルに自動運転技術の開発を行う企業は複数存在し、特定の事業領域においては当社グループと競合する可能性があります。ただ、こうした複数の自動運転企業は、オープンソースを活用した当社グループのビジネスモデルや、事業に対するアプローチとは異なるため、当社は高い独自性を有するものと認識しております。また、海外競合はロボットタクシーやトラック、自家用車といった車種における自動運転に取り組む一方で、当社はバス・シャトルや、特殊用途車両といった競合の少ない領域でも事業展開をしており、現時点では事業領域においても棲み分けが出来ているものと認識しております。しかしながら、特定の領域で先行する競合が存在した場合や当社よりも資金その他のリソースを豊富に有する競合が新たに市場に参入してきた場合、当社グループのマーケットシェアが脅かされ、または利益率が低下することにより、結果として当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては競合と伍するために必要な技術開発やパートナー企業を含めた事業連携・エコシステム形成を進めることにより、上記リスクの低減を図っております。
(11) 法的規制に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:長期)
当社グループの事業活動においては、自動運転分野に係る法令に限らず、企業法人として遵守すべき各種法令への対応が求められており、これらへの抵触が生じた場合には、事業運営に影響を及ぼすリスクがありますが、当社グループでは関係法令の動向を踏まえ、適切な対応に努めております。
また、当社グループの事業領域である自動運転においては、道路運送車両法、道路交通法等の関係法令を遵守する必要があります。我が国においては、2020年に道路運送車両法の改正が、2023年に道路交通法の改正がそれぞれ施行され、自動運転レベル4による運行が可能になりました。この法体系に基づき、当社グループ、パートナー企業、及び顧客企業・団体では自動運転車両の運行に先立ち、国土交通省(地方運輸局)、都道府県公安委員会といった所管省庁からの許認可を受け、許認可内容に基づき適切に運行を行っており、これらの認可は、自治体ごとの区分に加え、バス路線ごと及び車両ごとに取得しております。
また、自動運転は成長途上の産業であることから、今後法改正等が実施されることも想定されます。当社グループは我が国の自動運転開発において主導的な立ち位置に属すると認識しており、関係省庁との関係性を構築していることから、最新の法改正などの情報を逐次把握することが可能だと考えております。しかしながら、法改正等により、自動運転の許認可を受けることが難しくなる、あるいは多大な工数が要する等の影響が発生する可能性も否定しきれず、そうした場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、自動運転に係る許認可は、現時点では個別案件ごとに取得する必要があるものの、その審査基準は一定程度共通していることから、特定の地域や案件における事故や不具合等が発生した場合には、他の地域や案件における許認可の取得や更新に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 知的財産に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:中期)
当社グループは、事業運営の際に第三者の知的財産権を侵害することのないよう、社内外の弁理士への照会等を実施し慎重に調査・検討を行うことで上記リスクの低減を図っておりますが、第三者の知的財産権に抵触しているか否かを完全に調査することは極めて困難であります。このため、知的財産権侵害とされた場合には、損害賠償又は当該知的財産権の使用に対する対価の支払等が発生する可能性があり、その際には当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの知的財産権が第三者により侵害された場合や営業秘密、ノウハウ、その他機密情報が外部に流出した場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのプロダクトの基盤である「Autoware(オートウェア)」はオープンソース型の自動運転ソフトウェアであり、「Autoware(オートウェア)」に係る知的財産権は、当社から独立した組織であるAWFに帰属しています。したがって当社は、「Autoware(オートウェア)」の開発の方向性を完全に予測及び管理することも、潜在的な競合を含む第三者による「Autoware(オートウェア)」の利用の態様を完全に把握することもできません。「Autoware(オートウェア)」の開発及び利用が、当社の意図しない形でなされた場合、当社グループのプロダクトに係る開発環境や競合環境が変化し、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) システム障害に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:未定)
当社グループでは、自動運転ソフトウェアや運行管理システムといった自動運転車両の運行に必要なシステムを開発し提供しております。当該システムの安定的かつ安全な運用に向けて、セキュリティ対策、ネットワークの監視、ペネトレーションテスト等を行い、安定的かつ安全に運用できるように対策を講じておりますが、サイバー攻撃や不正アクセス等により重要データの流出や車両の乗っ取りや意図的な破壊工作が発生した場合、ITインフラ機器の障害、コンピューターウイルスへの感染、自然災害、その他不測の事態が生じることによりシステムトラブル等が生じた場合、加えて第三者によるデータの不正使用等が生じた場合には、これによる損害を賠償する責任を負ったり、対応のために多大な時間と労力を要したりするおそれがあるほか、レピュテーションの低下等により当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、製品開発やサービスの提供にあたってのデータの保存等をクラウドベースのインフラを提供する第三者プロバイダーに依存しています。これらの第三者プロバイダーの運営において、障害や不正アクセス等が生じた場合、第三者プロバイダーとの契約が解除された場合や当該サービスが廃止された場合においても、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 訴訟等について(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:未定)
当社グループは、提出日現在において、訴訟を提起されている事実はございません。一方で、事業運営の中で当社グループが提供する自動運転システムに関わるハードウェア及びソフトウェアの不備等により、何らかの問題が生じた場合や、顧客、取引先、従業員、株主等を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、これらに起因した損害賠償請求や訴訟の提起がなされる可能性があります。当社グループでは法令や契約の遵守に関する従業員への教育等の対策や、自動運転システムに関する品質管理・品質保証、実験管理、契約管理等、法的問題の発生を最小限に抑えるための対策を講じておりますが、仮に訴訟等が提起された場合、当社グループの社会的信用が毀損され、また損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 特定の経営者等への依存に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:未定)
当社代表取締役CEOの加藤 真平は、当社の創業者であり、経営方針・経営戦略の策定や業界における人脈の活用等、重要な役割を果たしております。当社グループでは、経営幹部の育成等を図ることにより、同人への過度な依存の脱却に努めておりますが、現時点においては、未だ同人に対する依存度は高いと考えております。今後、何らかの理由により同人による当社グループの業務遂行が困難になる場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) SOMPOホールディングス株式会社との関係について(顕在化可能性:小/影響度:中/顕在化の時期:特定時期なし)
SOMPOホールディングス株式会社は、提出日現在において、当社の議決権の24.1%を保有しているため、SOMPOホールディングス株式会社は当社のその他の関係会社に該当いたします。同社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のあるとおりになります。
当社と同社グループとの間に役員の招聘等の人的関係はなく、同社グループからの資金の借入、及び同社グループに対して事前承認や事前報告を要する事項等はありません。また当社の経営判断については、当社が独自に検討の上決定しております。もっとも、当社の主要株主である同社は、当社の株主総会決議において一定の影響力を有しており、一般株主の利益とは異なる利害に基づき影響力を行使する可能性があります。
なお、当社グループは同社グループとの間で、自動運転に係る保険の加入等の取引関係を有しておりますが、当該取引は合理的な取引条件に基づき実施されております。このような関係性を踏まえ、当社グループでは、関連当事者取引に係る社内規程を整備するとともに、取締役会等における審議を通じて、取引条件の合理性及び取引実行の妥当性を確認する体制を構築しております。加えて、当社の経営判断及び事業運営の独立性を確保する観点から、同社グループから独立した意思決定体制を維持しております。
また、SOMPOホールディングス株式会社は、当社の上場に際し、保有株式について上場後180日の間第三者に処分しない旨のロックアップの合意を行う予定でありますが、当該ロックアップ期間経過後においては、当社株式の売却は制限されません。同社の今後の当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性や市場価格等に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 為替及び海外事業展開に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:小/顕在化の時期:中期)
当社グループは、海外への事業展開にも取り組んでおり、米国に連結子会社を有しております。米国子会社の財務諸表における現地通貨建の項目は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、連結財務諸表数値は為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、当社グループは海外のサプライヤーとの間で複数の外貨建て取引を行っていますが、特に為替予約その他ヘッジ取引は行っておりません。今後著しい為替変動があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、海外での事業活動においては、当社グループの企業文化を保ちつつ優秀な人材を確保することが困難となるリスク、自動運転に関する法規制に関するリスク、雇用や労働慣行に関する現地法規制に関するリスク、言語・慣習・文化の違いや地理的分散によって経営陣によるコミュニケーションや円滑な事業遂行が困難となるリスク、輸出入規制・課税に関するリスク、法規制の変更に関するリスク、法規制の遵守に関するリスク、贈賄規制に関するリスク、知的財産権の保護に関するリスク、公衆衛生や渡航制限に関するリスク、政治・経済状況に関するリスク等が存在し、これらが顕在化した場合、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは商流に応じ一部外貨を保有しており、今後、為替変動リスクを伴う商流が増加した場合には、金融機関を通じた為替変動リスクをヘッジするための取引を行う可能性があります。なお仮に将来当該取引を行う場合においても、為替変動リスクの全てを回避できるとは限りません。
(18) 特定の取引先への依存リスク(顕在化可能性:中/影響度:小/顕在化の時期:未定)
当社グループにおいては、展開する各サービスにおいて、効率的な事業拡大を目指す観点や多岐にわたる関係者との円滑な調整を行う観点から、多くの案件においてパートナー企業を通じた事業展開を行っております。その中で、主に「Mobility Service(モビリティサービス)」と「Development Service(デベロップメントサービス)」における主要顧客であるアイサンテクノロジー株式会社との取引は、2025年9月期において売上高の19.9%を占めております。当社グループと同社とは、現時点においては緊密かつ良好な関係(当社グループは主に自動運転システムの開発、同社は主に自治体等折衝の役割や、自動運転の実証実験や車両販売等に関するパートナー企業同士という関係)にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、同社の今後の経営方針により、又は同社との関係の悪化等により、同社との取引が減少又は終了した場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。同様のリスクは、その他の取引先についても存在します。なお、「Development Service(デベロップメントサービス)」において、自動車メーカー等のパートナー企業と業務提携を締結していくことを計画しておりますが、当社グループとパートナー企業との関係性が構築できない、台数計画に合意できない場合やパートナー企業が競合他社と提携する場合、あるいは提携後に何らかの事情によりパートナー企業の事業戦略や方針に変更が生じた場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは官公庁からの受託開発を実施しております。その中でも国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構に対する取引が、2025年9月期において売上高の17.8%を占めております。当該取引は、自動運転の開発及び社会実装の加速を目的としたデータ連携基盤の研究開発に係る委託事業であり、当社グループは自動運転システムに関する技術開発や実証実験等を担っております。当該機関との緊密な連携を継続し、継続的な受注に繋げる所存であり、契約件数としても複数の契約を締結していることから、当該機関の今後の方針が当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、自治体やその他顧客は3月末に向けて予算消化を行う傾向があることや、官公庁は事業年度が開始する4月以降に予算執行を行う傾向があるため、当社グループの業績は季節変動の影響を受ける可能性があります。
また、2025年9月期において、当社における売上原価に係る仕入・外注に関しては、当社グループの販売する自動運転車両の架装及び構築に係る取引や路車協調システムの開発外注に関連し、主要仕入れ先である株式会社トノックスとの取引が仕入額全体の57.6%を占めており、主要外注先であるスマートモビリティインフラ技術研究組合との取引が外注額全体の12.5%を占めております。当社グループと同社とは、現時点においては緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、同社の今後の経営方針により、又は同社との関係の悪化等により、同社からの調達が困難になった場合には、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。同様のリスクは、その他の仕入れ先及び外注先についても存在します。
これらのリスクに対応するために、当社グループでは、新規顧客の開拓や提供サービスの多様化を推進することで、収益基盤の安定化及び特定顧客への依存度低減に努めるとともに、複数の取引先との関係構築や調達先・外注先の分散化等を通じて、安定的な事業運営体制の構築に努めております。また、官公庁案件についても、継続的な案件獲得及び新規案件への参画を推進することで、特定案件への依存度低減に取り組んでおります。しかしながら、そのような施策が奏功する確証はありません。
(19) 株主構成について(顕在化可能性:中/影響度:小/顕在化の時期:短期)
提出日現在において、当社発行済株式総数46,074,490株のうち、計7,082,500株(15.4%)はベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合等の金融投資家(以下「VC等」という。)が所有しております。当社株式上場後において、当社株式の株価推移によっては、VC等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に偏り、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化(顕在化可能性:中/影響度:小/顕在化の時期:中期)
当社グループは役職員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。また、今後も優秀な人材確保のため新株予約権等を活用したインセンティブプランを継続していく方針であります。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は6,133,000株であり、発行済株式総数46,074,490株の13.3%に相当しております。
(21) 個人情報に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:小/顕在化の時期:未定)
当社グループでは、役職員や一部顧客の個人情報を取り扱っておりますが、「個人情報の保護に関する法律」を遵守し、厳格な個人情報の管理の徹底を図っております。しかしながら、これら個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜、事故対応による多額の経費発生等により、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(22) 内部統制システムに関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:小/顕在化の時期:未定)
当社グループでは、コンプライアンスの徹底、業務の効率性及び適正の確保及びリスク管理の強化が重要な課題であると考えております。これまでも内部統制システムの体制整備を進めてまいりましたが、今後も事業規模の拡大に応じて人的拡充を行うと共に、内部監査及び監査役監査の結果に基づく改善の実施により、内部統制システムの充実を図っていく方針であります。しかしながら、事業規模の拡大に応じた体制の整備に遅れが生じた場合は、当社グループの事業展開や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
内部統制システムに関する詳細は、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(23) 配当政策について(顕在化可能性:小/影響度:小/顕在化の時期:短期)
当社は、株主に対する利益還元を経営課題と認識しており、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。しかしながら、当社グループは現在成長過程にあり、内部留保が充実しているとはいえず、最近事業年度までの過去において配当を行っておりません。また、現時点では研究開発投資を行うことで中長期的かつ安定的な事業成長を目指すことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
将来的には毎期の経営成績並びに財政状態を勘案しつつ、配当による株主への利益還元を実施することを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期につきましては未定であります。
(24) 調達資金の使途に関するリスク(顕在化可能性:小/影響度:小/顕在化の時期:短期)
当社グループの本募集及び本第三者割当増資の手取概算額の使途については、自動運転技術の研究開発費、量産・事業拡張費及び組織拡張のための採用費・人件費に充当する予定であります。しかしながら、当社グループが属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ資金を充当する可能性があります。実際の調達金額は今後決定される引受価額等により変動するため、想定調達金額を下回る可能性があり、その場合には、上記資金使途への充当も行われないか、又は充当金額が減少します。また、当初の計画に沿って資金を使用した結果当社グループにおいて想定した投資効果が得られない可能性があります。なお、調達資金の使途を変更する可能性がある場合は、速やかにその旨の開示を行う予定であります。
(25) 税務上の繰越欠損金について(顕在化可能性:小/影響度:小/顕在化の時期:中期)
当社グループは、最近事業年度末時点において税務上の繰越欠損金を有しており、将来的に法人税等の負担軽減が見込まれる状況にあります。一方で、将来当該繰越欠損金が消滅又は利用不能となった場合には、通常の税率に基づく課税が生じることとなり、その結果として、当社グループの当期純利益やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

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