有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、次のMissionとValueを掲げ、事業を展開しております。
Our Mission
「コミュニケーションによる感動を最大限に追求し、AIを駆使した全自動社会を最速で実現する」
Our Values
1.安心安全で高品質なサービスを提供し続ける
2.失敗を恐れず挑戦し、最後までやり抜く
3.協調性を大切にし、信頼を築く
4.従業員の成長を会社の進化につなげ、共創の関係を築く
当社のチャットボットシステムは、顧客企業の業務効率向上を支援するだけではなく、人と人との円滑なコミュニケーションの実現にも寄与しています。今後もテクノロジーと人との調和を大切にし、誰もが安心して暮らせる持続可能な未来の創造に貢献してまいります。
(2) 経営環境
我が国は、少子高齢化に伴う労働力人口の減少という大きな社会課題に直面しており、多くの日本企業にとって、生産性の向上及び労働環境の改善が重要な経営課題となっています。こうした人口構造の変化に伴い、中小企業を含む多くの企業においては、慢性的な労働力不足への対応が喫緊の課題とされています。実際に、人手不足を要因とする企業倒産(注1)は年々増加傾向にあります。
さらに、既存の業務支援システム(ERP)や業務ソフトウエアなど、老朽化したレガシーシステムがDX推進の障壁となることで生じる経済的損失、いわゆる「2025年の崖」(注2)も社会全体の重要課題として認識されています。これらの労働力不足の影響を相殺するためには、今後10年間で年間約16兆円規模の省人化投資が必要とされております(大和総研「2023 資本ストックの『量』『質』『偏在』の改善と省人化投資で供給力強化を」)。
このような背景のもと、チャットボットシステムは、カスタマーサポートや社内ヘルプデスクにおける人手不足の解消及びコスト削減、Eコマースにおけるコンバージョン率の向上など、企業の経営課題を解決するとともに、顧客満足度(CS)・顧客体験(CX)・従業員満足度(ES)の向上にも寄与するDX推進ツールとして利用されております。
当社が属する自動対話システム市場においては、生成AIの活用により、社内ヘルプデスク等の自働化・効率化目的で導入が進み、引き続き成長を続けると考えられております。同市場規模(テキスト型)は、2024年度の182億円から、2030年度には508億円(CAGR18.6%)に達すると予測されております(デロイト トーマツ ミック 経済研究所「自動対話システム市場の現状と展望 2026年版」2026年3月https://mic-r.co.jp/mr/03720/)。
加えて、チャットボットシステムが属するDX市場については、2024年度5兆2,759億円から、2030年度には約9兆2,666億円(CAGR9.8%)へと約1.7倍に拡大すると見込まれております(株式会社富士キメラ総研『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』)。
チャットボットシステムは、初期導入のハードルが比較的低いSaaS型サービスであり、費用削減と売上拡大の双方を実現し得る有効なDXツールと位置付けられます。さらに、顧客企業のCRMや各種業務システムとの連携を通じて、チャットボットの管理者・運用担当者の意図を理解し、タスクの効率化・最適化を実現する機能開発を推進しております。当該分野は、DX市場の拡大を背景に、今後の導入拡大が期待される領域であると認識しております。
[用語注記]
(3) 経営戦略等
当社は、幅広い企業規模及び業種業態に対応可能な全方位型チャットボットサービスを基盤として、新規顧客の獲得及び既存顧客の利用拡大を推進するとともに、生成AIを活用した機能強化及びカスタマーサクセス活動の充実を通じて、顧客企業のDX推進及び業務効率化に貢献することで、中長期的な成長及び企業価値向上を目指しております。
当社が提供するチャットボットシステムは、中小企業から大企業まで、業種・業態を問わず導入可能な全方位型サービスであり、顧客企業のニーズに応じた柔軟なプラン設計が可能なSaaS型サービスです。加えて、顧客企業ごとの業務課題に応じた機能追加やAPI(注1)連携などのカスタマイズにも対応しており、導入後の利用価値向上を促進しています。
中小企業庁が公表した「2023年版中小企業白書」によれば、国内企業の約99.7%が中小企業で構成されており、これらの企業は大企業と比較して生産性が低く、労働力不足やコンバージョン率の改善といった課題を抱えております。当社は、こうした中小企業も重要な潜在市場と捉えております。また、大学などの教育機関や「自治体DX推進計画」(総務省)に基づき、DX化を進めている地方自治体においても、業務効率化やDX推進の観点からチャットボットシステムの導入が広がっております。
新規顧客の獲得に向けては、業界展示会への出展に加え、「ITreview Grid Award」など、SaaS分野における受賞実績を活用し、プロダクトの認知度向上とブランド強化に努めております。これにより獲得した見込顧客に対しては、個別の課題に応じたソリューション提案を行い、着実な新規契約につなげております。
当社の売上高は、サブスクリプション(継続課金)方式のビジネスモデルに基づき、ARRを基礎として構成されております。このため、ARRの最大化を実現するには、新規受注の拡大に加え、既存顧客の継続利用を促進することが極めて重要な戦略要素となっております。この観点から、当社では新規契約後の初期段階において、カスタマーサポートによる設定支援や課題ヒアリングを通じて早期離脱の防止に努めております。さらに、既存顧客企業に対しては、専門チームによるカスタマーサクセス活動を通じ、個別面談、設定講習会、有人チャットサポート、24時間対応の自動チャットサポート、ヘルプサイト等顧客ニーズに合わせた支援体制を提供しております。これにより、顧客企業の課題解決を図るとともに、要望に基づく継続的な機能開発を推進しております。これらの取組みにより、顧客価値の向上を通じた解約率の低減を実現するとともに、顧客企業のニーズを把握することでアップセル(注2)やクロスセルの機会を創出し、LTV(注3)の最大化に貢献しております。
当社は、今後とも豊富なノウハウやAI技術を駆使して顧客企業のDX推進に伴走するカスタマーサクセス活動を強化し、チャットボットシステムが顧客企業にとって成長戦略に貢献する「戦略的資産」となるよう努めてまいります。
成長戦略として、急速に進化する生成AIの継続的な活用を中核に位置付け、「AI AgentPlus」については、顧客企業及び市場ニーズ並びに競合他社の動向を踏まえ、競争力の高い機能の段階的な拡充を進めてまいります。これにより、顧客ニーズへの対応範囲を拡大し、機能面のミスマッチによる機会損失の防止を図ってまいります。
また、FAQ記事の自動作成等によりFAQ運用の自動化を推進した「FAQPlus」を展開し、チャットボットシステム以外の顧客層の獲得を図るとともに、「FAQPlus」で構築したナレッジを「AI AgentPlus」と連携させることで、追加設定を要することなく回答が可能な環境を構築し、相互利用による顧客単価の向上及び解約防止を推進してまいります。
さらに、チャットコミュニケーションのデータを活用した営業支援及びカスタマーサクセス支援における効率化・適正化サービスの開発を進めることで、顧客企業の営業活動の最適化及び顧客エンゲージメントの向上を支援してまいります。これらの取組みを着実に積み重ねることにより、顧客企業への付加価値提供を図るとともに、持続的な成長を目指してまいります。
今後も当社は、顧客企業の業種業態や企業規模を問わない全方位型サービスとして新規顧客の拡大及び既存顧客企業に伴走するカスタマーサクセス活動に取り組むとともに、AI技術の進化を取り入れながらプロダクトの機能強化を推進することで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
[用語注記]
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
SaaSソリューション事業のビジネスモデルは、サービスの利用期間に応じて継続的に収益を計上するサブスクリプション(継続課金)方式であります。当社は、売上高、営業利益及びARRを重要な経営指標としております。売上高は事業規模の拡大状況を、営業利益は収益構造の健全性を、また、ARRはストック型ビジネスにおける将来の安定的な収益基盤を示す指標として、それぞれ重視しております。当社は、これらの指標の改善を通じて、企業価値の継続的な向上を目指してまいります。
ARRは、主にサブスクリプション型ビジネスにおいて、既存契約に基づき将来にわたり継続的に得られると見込まれる年間収益を示す指標です。
一方、売上高は一定期間に実現した収益の総額であり、単発的な取引やスポット収益も含まれます。そのため、ARRは将来の安定的な収益基盤を把握するための指標であるのに対し、売上高は当期の経営成績を示す実績値である点に違いがあります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は創業以来、「コミュニケーションによる感動を最大限に追求し、AIを駆使した全自動社会を最速で実現する」というミッションのもと、労働力不足等の社会課題を解決し、持続的に企業価値を向上させるため、以下の点を事業上及び財務上の課題として掲げております。
① 先進テクノロジーの導入とノウハウ集約によるサービスの進化・発展
当社が将来にわたって持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を遂げていくためには、提供するサービスが常に顧客企業にとって価値あるものであり続けることが不可欠であり、そのためには新たな付加価値を有するサービス及び機能の開発と、迅速な実装が重要であると認識しております。これまでに当社が開発・提供してきたサービス及び機能は、既に多数の顧客企業に導入され、市場からも一定の評価を得ており、現時点においても十分な競争力を有していると考えております。
しかしながら、今後も日々進化するテクノロジー環境に対応していくためには、技術開発力の継続的な強化が重要な経営課題であると認識しております。具体的には、顧客企業の各種CRM等のシステムと連携して、自動でタスクを実行するAIの先進テクノロジーへの対応に加え、これまでに培った成功事例や運用ノウハウの社内集約・活用を進めることで、より高付加価値なサービスへの進化を図ってまいります。
② 情報セキュリティリスクに対する管理体制の強化
当社は、主力サービスであるチャットボットシステムを通じて、顧客企業の情報資産を多数取り扱っていることから、情報セキュリティの継続的な維持・強化を重要な経営課題の一つとして認識しております。
このため当社では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に関する国際規格であるISO27001の認証を取得しております。併せて、サイバー攻撃を防止するWAF(Web Application Firewall)の導入や外部機関による定期的な情報システムの脆弱性診断を受けております。また、社内における情報システム管理規程及びマニュアルを策定・運用するとともに、全従業員を対象とした情報セキュリティに関する継続的な教育・研修を実施しております。今後も、外部環境や脅威の変化に応じた情報セキュリティ体制の見直し・強化を図り、顧客企業からの信頼維持とリスクの最小化に努めてまいります。
③ 認知度及びブランド力の向上
当社が展開するSaaSソリューション事業の主力サービスであるチャットボットシステムについては、引き続き顧客数の拡大が見込まれる一方で、さらなる事業成長を実現するためには、サービスの認知度向上及びブランド力の強化が重要な経営課題の一つであると認識しております。このため当社ではチャットボットシステム自体の継続的な改善及び機能強化に取り組むとともに、展示会への出展、ウェビナーの開催、「ITreview Grid Award」のSaaS分野における受賞など、積極的なマーケティング活動を展開しております。また、ホームページやメールマガジンを通じた運用ノウハウや導入成功事例の対外発信を通じて、サービス価値の可視化と市場における信頼性の向上にも注力してまいります。
今後も、見込顧客や顧客企業との接点を拡大し、訴求力のある情報発信を戦略的に組み合わせることで、チャットボットシステムのさらなる市場浸透を図り、持続的な顧客基盤の拡大につなげていく方針です。
④ カスタマーサクセス活動の推進
当社の主力サービスであるチャットボットシステムを顧客企業に継続的に利用していただくためには、顧客企業が導入効果を具体的に実感し、成果を上げられるような新たな付加価値やソリューションの提供が不可欠であると認識しております。
この課題に対応すべく、当社では専門チームによるカスタマーサクセス活動を積極的に行い、顧客企業の利用状況をもとに、的確な課題把握と課題解決を行うコンサルティング機能の強化を推進してまいります。また、個別面談、設定講習会、有人チャットサポート、24時間対応の自動チャットサポート、ヘルプサイト等顧客ニーズに合わせた支援体制を提供し、顧客企業の課題解決に努めております。さらに、カスタマーサクセス活動を通じて把握した顧客要望に基づき機能追加開発を行うことで、チャットボットシステムのサービス価値向上につなげています。今後も、顧客企業の成功体験を支援する体制の整備を通じて、顧客価値向上による解約率の低下、ひいては顧客基盤の拡大につなげてまいります。
⑤ 財務基盤に関する状況
当社においては、安定的に利益を計上してきた結果、手許資金を十分確保しているため、財務基盤は安定していると考えております。チャットボットシステムのサービス提供ができなくなる可能性は非常に低いですが、災害等の想定外の事態が発生し、サービスの提供ができない場合に備え、適切な流動比率の確保に注力してまいります。
(1) 経営方針
当社は、次のMissionとValueを掲げ、事業を展開しております。
Our Mission
「コミュニケーションによる感動を最大限に追求し、AIを駆使した全自動社会を最速で実現する」
Our Values
1.安心安全で高品質なサービスを提供し続ける
2.失敗を恐れず挑戦し、最後までやり抜く
3.協調性を大切にし、信頼を築く
4.従業員の成長を会社の進化につなげ、共創の関係を築く
当社のチャットボットシステムは、顧客企業の業務効率向上を支援するだけではなく、人と人との円滑なコミュニケーションの実現にも寄与しています。今後もテクノロジーと人との調和を大切にし、誰もが安心して暮らせる持続可能な未来の創造に貢献してまいります。
(2) 経営環境
我が国は、少子高齢化に伴う労働力人口の減少という大きな社会課題に直面しており、多くの日本企業にとって、生産性の向上及び労働環境の改善が重要な経営課題となっています。こうした人口構造の変化に伴い、中小企業を含む多くの企業においては、慢性的な労働力不足への対応が喫緊の課題とされています。実際に、人手不足を要因とする企業倒産(注1)は年々増加傾向にあります。
さらに、既存の業務支援システム(ERP)や業務ソフトウエアなど、老朽化したレガシーシステムがDX推進の障壁となることで生じる経済的損失、いわゆる「2025年の崖」(注2)も社会全体の重要課題として認識されています。これらの労働力不足の影響を相殺するためには、今後10年間で年間約16兆円規模の省人化投資が必要とされております(大和総研「2023 資本ストックの『量』『質』『偏在』の改善と省人化投資で供給力強化を」)。
このような背景のもと、チャットボットシステムは、カスタマーサポートや社内ヘルプデスクにおける人手不足の解消及びコスト削減、Eコマースにおけるコンバージョン率の向上など、企業の経営課題を解決するとともに、顧客満足度(CS)・顧客体験(CX)・従業員満足度(ES)の向上にも寄与するDX推進ツールとして利用されております。
当社が属する自動対話システム市場においては、生成AIの活用により、社内ヘルプデスク等の自働化・効率化目的で導入が進み、引き続き成長を続けると考えられております。同市場規模(テキスト型)は、2024年度の182億円から、2030年度には508億円(CAGR18.6%)に達すると予測されております(デロイト トーマツ ミック 経済研究所「自動対話システム市場の現状と展望 2026年版」2026年3月https://mic-r.co.jp/mr/03720/)。
加えて、チャットボットシステムが属するDX市場については、2024年度5兆2,759億円から、2030年度には約9兆2,666億円(CAGR9.8%)へと約1.7倍に拡大すると見込まれております(株式会社富士キメラ総研『2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』)。
チャットボットシステムは、初期導入のハードルが比較的低いSaaS型サービスであり、費用削減と売上拡大の双方を実現し得る有効なDXツールと位置付けられます。さらに、顧客企業のCRMや各種業務システムとの連携を通じて、チャットボットの管理者・運用担当者の意図を理解し、タスクの効率化・最適化を実現する機能開発を推進しております。当該分野は、DX市場の拡大を背景に、今後の導入拡大が期待される領域であると認識しております。
[用語注記]
| 注書き | 用語 | 用語の定義 |
| 注1 | 人手不足関連倒産件数 | 出典:厚生労働省「人口減少社会への対応と人手不足の下での企業の人材確保に向けて」 2022年には、倒産件数のうち7.5%(485件)に達している。 |
| 注2 | 2025年の崖 | 出典:経済産業省「DXレポート」 既存のレガシーシステムや業務の見直しが行えず、DXが実現できない場合、2025年以降、最大で12兆円の経済損失が生じる可能性が指摘されている問題のこと。 |
(3) 経営戦略等
当社は、幅広い企業規模及び業種業態に対応可能な全方位型チャットボットサービスを基盤として、新規顧客の獲得及び既存顧客の利用拡大を推進するとともに、生成AIを活用した機能強化及びカスタマーサクセス活動の充実を通じて、顧客企業のDX推進及び業務効率化に貢献することで、中長期的な成長及び企業価値向上を目指しております。
当社が提供するチャットボットシステムは、中小企業から大企業まで、業種・業態を問わず導入可能な全方位型サービスであり、顧客企業のニーズに応じた柔軟なプラン設計が可能なSaaS型サービスです。加えて、顧客企業ごとの業務課題に応じた機能追加やAPI(注1)連携などのカスタマイズにも対応しており、導入後の利用価値向上を促進しています。
中小企業庁が公表した「2023年版中小企業白書」によれば、国内企業の約99.7%が中小企業で構成されており、これらの企業は大企業と比較して生産性が低く、労働力不足やコンバージョン率の改善といった課題を抱えております。当社は、こうした中小企業も重要な潜在市場と捉えております。また、大学などの教育機関や「自治体DX推進計画」(総務省)に基づき、DX化を進めている地方自治体においても、業務効率化やDX推進の観点からチャットボットシステムの導入が広がっております。
新規顧客の獲得に向けては、業界展示会への出展に加え、「ITreview Grid Award」など、SaaS分野における受賞実績を活用し、プロダクトの認知度向上とブランド強化に努めております。これにより獲得した見込顧客に対しては、個別の課題に応じたソリューション提案を行い、着実な新規契約につなげております。
当社の売上高は、サブスクリプション(継続課金)方式のビジネスモデルに基づき、ARRを基礎として構成されております。このため、ARRの最大化を実現するには、新規受注の拡大に加え、既存顧客の継続利用を促進することが極めて重要な戦略要素となっております。この観点から、当社では新規契約後の初期段階において、カスタマーサポートによる設定支援や課題ヒアリングを通じて早期離脱の防止に努めております。さらに、既存顧客企業に対しては、専門チームによるカスタマーサクセス活動を通じ、個別面談、設定講習会、有人チャットサポート、24時間対応の自動チャットサポート、ヘルプサイト等顧客ニーズに合わせた支援体制を提供しております。これにより、顧客企業の課題解決を図るとともに、要望に基づく継続的な機能開発を推進しております。これらの取組みにより、顧客価値の向上を通じた解約率の低減を実現するとともに、顧客企業のニーズを把握することでアップセル(注2)やクロスセルの機会を創出し、LTV(注3)の最大化に貢献しております。
当社は、今後とも豊富なノウハウやAI技術を駆使して顧客企業のDX推進に伴走するカスタマーサクセス活動を強化し、チャットボットシステムが顧客企業にとって成長戦略に貢献する「戦略的資産」となるよう努めてまいります。
成長戦略として、急速に進化する生成AIの継続的な活用を中核に位置付け、「AI AgentPlus」については、顧客企業及び市場ニーズ並びに競合他社の動向を踏まえ、競争力の高い機能の段階的な拡充を進めてまいります。これにより、顧客ニーズへの対応範囲を拡大し、機能面のミスマッチによる機会損失の防止を図ってまいります。
また、FAQ記事の自動作成等によりFAQ運用の自動化を推進した「FAQPlus」を展開し、チャットボットシステム以外の顧客層の獲得を図るとともに、「FAQPlus」で構築したナレッジを「AI AgentPlus」と連携させることで、追加設定を要することなく回答が可能な環境を構築し、相互利用による顧客単価の向上及び解約防止を推進してまいります。
さらに、チャットコミュニケーションのデータを活用した営業支援及びカスタマーサクセス支援における効率化・適正化サービスの開発を進めることで、顧客企業の営業活動の最適化及び顧客エンゲージメントの向上を支援してまいります。これらの取組みを着実に積み重ねることにより、顧客企業への付加価値提供を図るとともに、持続的な成長を目指してまいります。
今後も当社は、顧客企業の業種業態や企業規模を問わない全方位型サービスとして新規顧客の拡大及び既存顧客企業に伴走するカスタマーサクセス活動に取り組むとともに、AI技術の進化を取り入れながらプロダクトの機能強化を推進することで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
[用語注記]
| 注書き | 用語 | 用語の定義 |
| 注1 | API | Application Programming Interfaceの略であり、異なるアプリケーションやシステム間でデータや機能を共有し、連携させる仕組み |
| 注2 | アップセル | 契約中のプランよりも上位プランを顧客に促進すること |
| 注3 | LTV(Life Time Value) | 顧客生涯価値であり、ある顧客が契約期間中に支払う金額の合計 |
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
SaaSソリューション事業のビジネスモデルは、サービスの利用期間に応じて継続的に収益を計上するサブスクリプション(継続課金)方式であります。当社は、売上高、営業利益及びARRを重要な経営指標としております。売上高は事業規模の拡大状況を、営業利益は収益構造の健全性を、また、ARRはストック型ビジネスにおける将来の安定的な収益基盤を示す指標として、それぞれ重視しております。当社は、これらの指標の改善を通じて、企業価値の継続的な向上を目指してまいります。
| 2024年6月期 | 2025年6月期 | |
| 売上高(百万円) | 749 | 1,021 |
| 営業利益(百万円) | 161 | 369 |
| ARR(百万円) | 788 | 1,077 |
ARRは、主にサブスクリプション型ビジネスにおいて、既存契約に基づき将来にわたり継続的に得られると見込まれる年間収益を示す指標です。
一方、売上高は一定期間に実現した収益の総額であり、単発的な取引やスポット収益も含まれます。そのため、ARRは将来の安定的な収益基盤を把握するための指標であるのに対し、売上高は当期の経営成績を示す実績値である点に違いがあります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は創業以来、「コミュニケーションによる感動を最大限に追求し、AIを駆使した全自動社会を最速で実現する」というミッションのもと、労働力不足等の社会課題を解決し、持続的に企業価値を向上させるため、以下の点を事業上及び財務上の課題として掲げております。
① 先進テクノロジーの導入とノウハウ集約によるサービスの進化・発展
当社が将来にわたって持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を遂げていくためには、提供するサービスが常に顧客企業にとって価値あるものであり続けることが不可欠であり、そのためには新たな付加価値を有するサービス及び機能の開発と、迅速な実装が重要であると認識しております。これまでに当社が開発・提供してきたサービス及び機能は、既に多数の顧客企業に導入され、市場からも一定の評価を得ており、現時点においても十分な競争力を有していると考えております。
しかしながら、今後も日々進化するテクノロジー環境に対応していくためには、技術開発力の継続的な強化が重要な経営課題であると認識しております。具体的には、顧客企業の各種CRM等のシステムと連携して、自動でタスクを実行するAIの先進テクノロジーへの対応に加え、これまでに培った成功事例や運用ノウハウの社内集約・活用を進めることで、より高付加価値なサービスへの進化を図ってまいります。
② 情報セキュリティリスクに対する管理体制の強化
当社は、主力サービスであるチャットボットシステムを通じて、顧客企業の情報資産を多数取り扱っていることから、情報セキュリティの継続的な維持・強化を重要な経営課題の一つとして認識しております。
このため当社では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)に関する国際規格であるISO27001の認証を取得しております。併せて、サイバー攻撃を防止するWAF(Web Application Firewall)の導入や外部機関による定期的な情報システムの脆弱性診断を受けております。また、社内における情報システム管理規程及びマニュアルを策定・運用するとともに、全従業員を対象とした情報セキュリティに関する継続的な教育・研修を実施しております。今後も、外部環境や脅威の変化に応じた情報セキュリティ体制の見直し・強化を図り、顧客企業からの信頼維持とリスクの最小化に努めてまいります。
③ 認知度及びブランド力の向上
当社が展開するSaaSソリューション事業の主力サービスであるチャットボットシステムについては、引き続き顧客数の拡大が見込まれる一方で、さらなる事業成長を実現するためには、サービスの認知度向上及びブランド力の強化が重要な経営課題の一つであると認識しております。このため当社ではチャットボットシステム自体の継続的な改善及び機能強化に取り組むとともに、展示会への出展、ウェビナーの開催、「ITreview Grid Award」のSaaS分野における受賞など、積極的なマーケティング活動を展開しております。また、ホームページやメールマガジンを通じた運用ノウハウや導入成功事例の対外発信を通じて、サービス価値の可視化と市場における信頼性の向上にも注力してまいります。
今後も、見込顧客や顧客企業との接点を拡大し、訴求力のある情報発信を戦略的に組み合わせることで、チャットボットシステムのさらなる市場浸透を図り、持続的な顧客基盤の拡大につなげていく方針です。
④ カスタマーサクセス活動の推進
当社の主力サービスであるチャットボットシステムを顧客企業に継続的に利用していただくためには、顧客企業が導入効果を具体的に実感し、成果を上げられるような新たな付加価値やソリューションの提供が不可欠であると認識しております。
この課題に対応すべく、当社では専門チームによるカスタマーサクセス活動を積極的に行い、顧客企業の利用状況をもとに、的確な課題把握と課題解決を行うコンサルティング機能の強化を推進してまいります。また、個別面談、設定講習会、有人チャットサポート、24時間対応の自動チャットサポート、ヘルプサイト等顧客ニーズに合わせた支援体制を提供し、顧客企業の課題解決に努めております。さらに、カスタマーサクセス活動を通じて把握した顧客要望に基づき機能追加開発を行うことで、チャットボットシステムのサービス価値向上につなげています。今後も、顧客企業の成功体験を支援する体制の整備を通じて、顧客価値向上による解約率の低下、ひいては顧客基盤の拡大につなげてまいります。
⑤ 財務基盤に関する状況
当社においては、安定的に利益を計上してきた結果、手許資金を十分確保しているため、財務基盤は安定していると考えております。チャットボットシステムのサービス提供ができなくなる可能性は非常に低いですが、災害等の想定外の事態が発生し、サービスの提供ができない場合に備え、適切な流動比率の確保に注力してまいります。