有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループのリスク管理体制に関しましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1)コーポレート・ガバナンスの概要、② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由、c リスク・コンプライアンス委員会」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① 市場環境について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、不動産情報プラットフォームの提供及びデータを活用した業務支援事業を展開しており、不動産業界に属する幅広い顧客を対象としております。不動産市場の動向は、国内外の景気、金利水準、企業活動、オフィス需要の変動等に大きく影響を受けますが、その影響の程度はデベロッパー、投資会社、管理会社、金融機関、仲介会社等といった顧客セグメントごとに異なります。今後、景気後退や金利上昇等により不動産取引量や投資意欲が減退した場合、当社サービスを利用する顧客の活動水準やIT投資意欲が低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。特に、当社グループの顧客基盤が不動産業界内の特定の顧客セグメントに偏る場合には、当該セグメントの事業環境の悪化が当社グループの業績に及ぼす影響が大きくなるおそれがあります。
当社グループは、当該リスクに対し、不動産業界における多様な顧客セグメントを幅広くターゲットとし、特定の顧客セグメントに過度に依存しない顧客基盤の構築を進めるとともに、市場の景況に左右されにくいサービスの付加価値向上及びサービスラインナップの多角化に努めることで、市場環境変動の影響の低減を図っております。
② 競合について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、不動産情報に特化したサービスを提供しております。不動産業界の業態や取引慣行には特有の側面があるため、新規参入者が不動産業界のビジネスノウハウを習得し、当社と同様のビジネスモデルを構築するには、相応の参入障壁があるものと考えております。
当社グループは、かかるリスクに対して、不動産業界における深い専門知識と独自のデータ資産を活かした差別化戦略を推進するとともに、継続的なプロダクト改善及び顧客との関係強化を通じて競争優位性の維持・向上に努めております。しかしながら、同種のサービスを展開する新たな競合が出現した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループは新技術の積極的な投入を行い、適時に独自のサービスを構築していく方針でありますが、技術革新への対応が遅れた場合や、競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のために、予想外に開発費が発生する可能性があります。今後、新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合、当社グループの競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、技術動向や市場トレンドに関する情報収集体制を強化するとともに、先端技術の検証を継続的に実施しております。また、外部の技術パートナーとの連携や社内エンジニアのスキル向上施策を通じて、技術革新への迅速な対応力の確保に努めております。
(2) 事業運営に関するリスク
① 特定サービスへの依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)
当社グループは、不動産プラットフォーム事業の単一セグメントであり、中でも商業用不動産データ分析基盤(Vertical Dataソリューション)の利用料が大半を占めております。不動産市場における競合他社との競合激化等により、Vertical Dataソリューションの収益が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはVertical Dataソリューションの大手顧客層への導入を進めており、当該顧客層への導入が一定程度進捗した段階においては、新規契約の獲得による売上高の増加ペースが過年度と同水準では推移しない可能性があります。当社グループは、Vertical Dataソリューションの既存顧客における利用部門の拡大及び提供サービスの追加並びに未取引の顧客層への展開により、引き続き成長の余地があるものと考えておりますが、これらが想定どおりに進捗しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、新たなサービスの開発・展開を推進し、Vertical Dataソリューションの競争力の向上を図るとともに、エンタープライズ実装(顧客企業のデータ基盤の構築及びシステムの実装)等の複合的なサービスの開発・展開を推進し収益源の多角化を図り、既存サービスの継続的な機能強化及び顧客基盤の拡大並びに既存顧客に対するアップセル及びクロスセルの推進を通じて、特定サービスへの依存度の低減に努めております。
② 新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループは、中長期的な成長を見据え、生成AIを活用した新たなサービスの企画・開発を推進しております。具体的には、物件概要書等の資料をAIにより読み取り構造化する機能、生成AIを活用した市場データの分析及び業務支援機能(AIエージェント)並びに顧客企業が保有するデータをAIによる活用に適した形式に整備するデータ基盤の構築等に取り組んでおります。これらのサービスは、業務効率化や新たな顧客価値の創出を目的としておりますが、生成AIは技術革新の速度が極めて速く、顧客ニーズの変化や競合環境の激化も著しい領域です。
このような状況下において、当社が投入した開発資源や販売体制が市場の要求に十分に適合せず、期待した収益化に至らない場合、また、サービスの精度や信頼性に対する社会的懸念、法規制の変化、倫理的な問題等が顕在化した場合には、当該領域における売上高の伸長が当初の想定を下回る、あるいは継続的なコスト負担により、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、段階的な開発投資と市場検証を行う体制を構築するとともに、生成AIに関する社内ガイドラインの整備及び法規制動向のモニタリングを実施し、リスクの低減に努めております。
③ システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループのシステムは、クライアントへのサービス提供を担うプロダクトシステムと、受注から売上計上に至る業務フローを一元管理する社内管理システムの大きく2つから構成されております。
プロダクトシステムについては、クラウドを介してインターネット経由でサービスを提供しており、通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。当社グループは、システムの稼働状況の監視、バックアップ及びクラウドサーバーの冗長化を実施し、障害発生の未然防止と発生時の影響最小化に努めております。しかしながら、自然災害、事故、不正アクセス等の予期しえない要因により大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供が停止し、顧客の信頼低下や損害賠償責任が生じる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
社内管理システムについては、受注から売上計上までの業務処理が当該システムを通じて自動的に連携・処理される仕組みとなっております。障害が発生し自動化された業務処理が正常に機能しない場合には、売上の正確な計上が困難となる等、適正な財務報告に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、このようなリスクに対して、システム構成の継続的な見直し及びインシデント対応マニュアルの整備・定期的な障害復旧訓練を実施することにより、障害発生時の迅速な復旧と影響範囲の最小化を図り、リスクの軽減に努めております。
④ M&A及び業務提携について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループは、パーパスである「産業の真価を、さらに拓く。」の実現に向けて、自社によるサービス開発に加え、事業を補完・強化し得る企業又は事業を対象とするM&A及び業務提携を成長戦略の一つと位置付けており、今後も継続的に検討していく方針であります。M&Aの実施に際しては、対象企業又は事業の財務、税務、法務、ビジネス及び情報システム等について外部専門家を含めたデューデリジェンスを実施しておりますが、実施後に認識していなかった問題が判明した場合、市場環境や競合状況の変化等により対象事業が計画どおりに進まない場合、統合プロセス(PMI)に想定以上の期間若しくは費用を要する場合、又は主要な人材が流出した場合には、期待した効果が得られず、取得した株式、事業資産若しくはのれんについて減損処理が必要となる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業務提携については、提携先の経営方針の変更、提携関係の解消又は想定していた協業効果が実現しないことにより、当社グループの事業戦略の遂行に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、顧客基盤の獲得及び保有データの拡充により長期的な企業価値の向上に資すると判断して実施した過去のM&Aについて、上場会社グループに求められる管理体制への適合を含む統合プロセス(PMI)に要する費用及び経営資源の負担により短期的な収益が取得時の計画を下回る見込みとなったことから、のれんの減損損失を計上しております。これを踏まえ、当該案件に係る事後検証及び独立社外取締役によるレビューの結果を反映したM&A実施ガイドラインを制定し、投資判断及び統合管理の体制の整備・向上に取り組んでおります。投資判断に当たっては、統合に要する費用及び経営資源を織り込んだ事業計画をストレスケースを含めて策定したうえで取得価額の妥当性を検証し、デューデリジェンスにおいて検出したリスクを取得価額又は契約条件等により手当てできない場合には案件の中止を検討することとしているほか、想定される会計処理を事前に検討し、取締役会への付議に先立ち監査役会において事前協議を行っております。投資実行後は、一定規模以上の案件について取得後一定期間経過時点で事業計画対比の実績及びのれんの回収可能性を評価して取締役会に報告し、重大な乖離が認められる場合には改善策又は事業の継続若しくは撤退の方針を付議することとしております。これらの手続の遵守状況は、内部監査人及び監査役が独立した立場から検証しております。
⑤ データの取得について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、サービスの提供にあたり、不動産デベロッパー、不動産管理会社、仲介会社等の第三者から、商業用不動産に関するデータ(建物情報、募集情報、賃料情報及び入居テナント情報等)の提供を受けております。当社グループは、これらのデータの提供を受けるに当たり、当該第三者において適法に取得され、かつ当社グループへの提供が適法に行われるものである旨の表明及び保証を取得するとともに、外部の法律専門家による確認を通じて、当社グループの不動産プラットフォーム事業の運営の適法性の確保に努めております。また、主要なデータ提供元との間では、提供を受けるデータの範囲及び提供対象外とすべき情報の取扱い等について、定期的に協議する機会を設けております。
しかしながら、データソースとなる第三者が常に適法かつ正確なデータの提供を行っていることを当社グループが確認することには限界があり、当該第三者の故意又は過失により、適法性又は正確性を欠く情報が当社グループに提供される可能性を完全に排除することはできず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) コンプライアンスに関するリスク
① 情報漏洩について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループが提供するサービスにおいて、物件保有者の個人情報、またユーザー企業の保有する第三者の個人情報に関与するケースがあります。当社グループは、個人情報の取り扱いに関する重要性を十分に認識し、個人情報を含むすべての情報資産の管理並びに保護をしております。具体的には、「情報システム管理規程」及び「情報セキュリティマニュアル」を定め、秘密情報の保護に関し役員及び従業員が遵守すべき事項を規定するとともに、社内イントラへの掲載並びに入社時及び定期の研修を通じて周知徹底を図っております。また、「情報セキュリティ基本方針」を対外的に公開するとともに、当社においては、ISMSの認証を取得し、外部専門機関による定期的な審査を通じて実効性の維持・向上を図っております。個人情報保護についても「個人情報保護規程」を定め、管理体制を整備しております。
しかしながら、重要な情報資産の外部漏洩により、当社グループが行政指導や行政処分等を受け、当社グループの社会的信用が失墜し、もしくは損害賠償請求が発生する可能性があり、また、情報資産の取り扱いに関する法規制もしくは運用の厳格化等により、当社グループのサービスの停止、情報の利用に対する制約等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないように常に細心の注意を払って事業活動を行っております。具体的には、新規サービスの開発時における第三者の知的財産権の事前調査及び必要に応じた外部専門家への相談体制を整備し、知的財産権侵害リスクの低減に努めております。本書提出日現在において当社グループの認識する限り、第三者の知的財産権を侵害したこと及び侵害を理由とした損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後当社の調査・確認漏れ、不測の事態の発生等により、第三者の知的財産権に抵触する等の理由から、損害賠償請求や使用差止請求等を受けるような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟・係争について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
本書提出日現在において、当社グループの業績に影響を及ぼす訴訟や紛争は生じておりません。
しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、紛争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過または結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、法令遵守の徹底、顧問弁護士等の外部専門家との連携強化及び契約書のリーガルチェック体制の整備等を通じて、訴訟リスクの未然防止に努めております。
④ 法的規制について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
本書提出日現在において、当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、当社グループの事業は、電気通信事業法の規制の影響を受けております。今後、法的規制の改正や業界の自主ルールが整備されることなどにより、当社グループの事業が何らかの制約を受けることとなった場合や規制強化等の対応が求められることとなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、関連法規制の動向を継続的にモニタリングするとともに、外部の法律専門家との連携を通じて、法改正等への迅速な対応体制の整備に努めております。
(4) 組織に関するリスク
① 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:大)
当社の代表取締役である平井瑛は、当社の創業者であり、設立以来当社の経営方針や事業戦略の立案やその遂行において重要な役割を担っております。当社グループは特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員の情報共有や権限の委譲によって平井瑛に過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により平井瑛の当社グループにおける業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、経営幹部層の育成及び後継者計画の策定を進めるとともに、取締役会における重要事項の合議制による意思決定体制を整備し、特定人物への依存度の低減に努めております。
② 内部管理体制について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:大)
当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制の充実を重要な経営課題と認識しており、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制の充実を図っております。具体的には、内部監査機能の強化、業務プロセスの文書化及び標準化、並びにリスク・コンプライアンス委員会の定期的な開催等を通じて、管理体制の強化を推進しております。
しかしながら、当社グループの急速な事業展開及び会社規模の拡大に内部管理体制の整備が追いつかなかった場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループが、今後も企業規模を拡大していくためには、当社グループのパーパスに共感し、当社グループのカルチャーに適合する高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠です。当社グループは、事業規模拡大やサービス向上に必要な優秀な人材の確保のため、今後も継続的に採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材が十分に獲得できなかった場合や人材流出が生じた場合、並びに人材の育成が想定通りに進まない場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、競争力のある報酬体系の維持、柔軟な働き方の推進、社内研修制度の充実及びエンジニアコミュニティへの積極的な参加等を通じて、人材の採用力及び定着率の向上に努めております。
(5) その他のリスク
① 自然災害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。そのため、これらに被害をもたらすおそれのある自然災害等が発生した場合には、当社グループは事業を継続することができない等の支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自然災害等に備えて災害時の事業継続計画を策定していますが、当社グループの事業を継続するために十分ではない可能性があります。結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、事業継続計画の定期的な見直し及び訓練の実施、リモートワーク環境の整備等を通じて、自然災害発生時の事業継続性の向上に努めております。
② 株式発行及び資本金の額の減少について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
本書提出日現在における当社の資本金の額は1億192万1,934円であり(資本金の推移については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (3) 発行済株式総数、資本金等の推移」をご参照ください。)、本募集及び本第三者割当増資により増加した後の資本金の額について、当社は、2026年8月31日開催の臨時株主総会において、会社法第447条第1項に基づき、資本金の額を減少し、最終的な資本金の額を1,000万円とすること(減少額は会社計算規則第27条に基づきその他資本剰余金へ振り替える予定)について決議を行っております(以下「本件減資」といいます。)。本件減資は、上場後に、会社法第449条に基づく債権者保護手続(官報公告及び定款に定める電子公告並びに知れたる債権者への個別催告)を実施し、当該手続を経たうえで、2026年12月31日を効力発生日とする予定です。本件減資は資本の部内における振替であり、資金の流出を伴うものではありません。
当社においては、今後の事業成長及びM&A等を通じた成長戦略を継続するうえで、財務基盤を強化し、より柔軟な資本政策(株主に対する利益還元政策を含む)を可能とする体制を整備することが重要な経営課題であると認識しており、本件減資は、かかる財務戦略上の要請に基づき実施するものです。あわせて、本件減資の実施により、当社の資本金の額が1億円以下となることから、法人税法上の中小法人等として、繰越欠損金について課税所得の全額まで控除が可能となる等、税法上のいわゆる中小企業向け措置の適用を受けることが可能となる見込みであり、これらは、当社グループのキャッシュ・フローを含む財務基盤の強化及び投資余力の拡大に資するものです。さらに、本募集及び本第三者割当増資により増加した資本金をその他資本剰余金へ振り替えることは、将来的な株主還元を含む資本政策の選択肢を広げる効果もあり、本募集及び本第三者割当増資と本件減資等を併せて実施する意義は高いものと考えております。
しかしながら、今後、当社の資本金の額が増加し、これに応じた資本金の減少がなされない場合、また、上記の中小企業向けの措置について、廃止又は変更その他の理由により、上記措置の全部又は一部が当社に適用されなくなった場合、当社の財政状態、業績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。なお、本件減資の実施については、社外の専門家等の意見も踏まえ、取締役会にて慎重に検討いたしましたが、本件減資は現行の法制度を利用した適法なものであり、当社の安定的な運営及び企業価値の向上に資するものであると判断しております。ただし、上記措置を利用することにつき、今後、否定的な報道等がなされた場合には、当社のレピュテーションに影響を与える可能性があります。
③ 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社グループは、株主に対する利益還元を経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかしながら、当社グループは、現時点では成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえず、配当を行っておりません。また、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。当社グループは、当該リスクに対し、株主との対話を通じて当社の成長戦略及び利益還元に関する方針を丁寧に説明するとともに、中長期的な企業価値の向上を通じて株主利益の最大化に努めております。
④ ベンチャーキャピタルの株式保有割合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は15,443,800株であり、このうち7,424,000株(発行済株式の48.1%)についてはベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル」という。)が保有しております。
一般的に、ベンチャーキャピタルが未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社におきましても、上場後にベンチャーキャピタルにより株式が売却される可能性があります。そのような場合には、短期的に需給が悪化し、当社の株価が低下する可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、ベンチャーキャピタルとの継続的な対話を通じて株式売却のタイミングや規模に関する情報共有に努めるとともに、積極的なIR活動を通じた安定的な株主基盤の構築を推進しております。
⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:小)
当社は、業績向上に対する意欲向上を目的として、会社法の規定に基づく新株予約権を当社グループの役職員等に付与しております。本書提出日現在、新株予約権の株数は2,354,000株であり、当社発行済株式数の15,443,800株に対する潜在株式比率は15.2%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の株式価値が希薄化する可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、新株予約権の付与に際して既存株主の利益を考慮した適切な発行規模の設定及び行使条件の検討を行うとともに、株式価値の希薄化の影響を最小限に抑えるよう努めております。
当社グループのリスク管理体制に関しましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1)コーポレート・ガバナンスの概要、② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由、c リスク・コンプライアンス委員会」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① 市場環境について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、不動産情報プラットフォームの提供及びデータを活用した業務支援事業を展開しており、不動産業界に属する幅広い顧客を対象としております。不動産市場の動向は、国内外の景気、金利水準、企業活動、オフィス需要の変動等に大きく影響を受けますが、その影響の程度はデベロッパー、投資会社、管理会社、金融機関、仲介会社等といった顧客セグメントごとに異なります。今後、景気後退や金利上昇等により不動産取引量や投資意欲が減退した場合、当社サービスを利用する顧客の活動水準やIT投資意欲が低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。特に、当社グループの顧客基盤が不動産業界内の特定の顧客セグメントに偏る場合には、当該セグメントの事業環境の悪化が当社グループの業績に及ぼす影響が大きくなるおそれがあります。
当社グループは、当該リスクに対し、不動産業界における多様な顧客セグメントを幅広くターゲットとし、特定の顧客セグメントに過度に依存しない顧客基盤の構築を進めるとともに、市場の景況に左右されにくいサービスの付加価値向上及びサービスラインナップの多角化に努めることで、市場環境変動の影響の低減を図っております。
② 競合について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、不動産情報に特化したサービスを提供しております。不動産業界の業態や取引慣行には特有の側面があるため、新規参入者が不動産業界のビジネスノウハウを習得し、当社と同様のビジネスモデルを構築するには、相応の参入障壁があるものと考えております。
当社グループは、かかるリスクに対して、不動産業界における深い専門知識と独自のデータ資産を活かした差別化戦略を推進するとともに、継続的なプロダクト改善及び顧客との関係強化を通じて競争優位性の維持・向上に努めております。しかしながら、同種のサービスを展開する新たな競合が出現した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループは新技術の積極的な投入を行い、適時に独自のサービスを構築していく方針でありますが、技術革新への対応が遅れた場合や、競合他社がより優れたサービスを展開した場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のために、予想外に開発費が発生する可能性があります。今後、新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合、当社グループの競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、技術動向や市場トレンドに関する情報収集体制を強化するとともに、先端技術の検証を継続的に実施しております。また、外部の技術パートナーとの連携や社内エンジニアのスキル向上施策を通じて、技術革新への迅速な対応力の確保に努めております。
(2) 事業運営に関するリスク
① 特定サービスへの依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)
当社グループは、不動産プラットフォーム事業の単一セグメントであり、中でも商業用不動産データ分析基盤(Vertical Dataソリューション)の利用料が大半を占めております。不動産市場における競合他社との競合激化等により、Vertical Dataソリューションの収益が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはVertical Dataソリューションの大手顧客層への導入を進めており、当該顧客層への導入が一定程度進捗した段階においては、新規契約の獲得による売上高の増加ペースが過年度と同水準では推移しない可能性があります。当社グループは、Vertical Dataソリューションの既存顧客における利用部門の拡大及び提供サービスの追加並びに未取引の顧客層への展開により、引き続き成長の余地があるものと考えておりますが、これらが想定どおりに進捗しない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、新たなサービスの開発・展開を推進し、Vertical Dataソリューションの競争力の向上を図るとともに、エンタープライズ実装(顧客企業のデータ基盤の構築及びシステムの実装)等の複合的なサービスの開発・展開を推進し収益源の多角化を図り、既存サービスの継続的な機能強化及び顧客基盤の拡大並びに既存顧客に対するアップセル及びクロスセルの推進を通じて、特定サービスへの依存度の低減に努めております。
② 新規事業について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループは、中長期的な成長を見据え、生成AIを活用した新たなサービスの企画・開発を推進しております。具体的には、物件概要書等の資料をAIにより読み取り構造化する機能、生成AIを活用した市場データの分析及び業務支援機能(AIエージェント)並びに顧客企業が保有するデータをAIによる活用に適した形式に整備するデータ基盤の構築等に取り組んでおります。これらのサービスは、業務効率化や新たな顧客価値の創出を目的としておりますが、生成AIは技術革新の速度が極めて速く、顧客ニーズの変化や競合環境の激化も著しい領域です。
このような状況下において、当社が投入した開発資源や販売体制が市場の要求に十分に適合せず、期待した収益化に至らない場合、また、サービスの精度や信頼性に対する社会的懸念、法規制の変化、倫理的な問題等が顕在化した場合には、当該領域における売上高の伸長が当初の想定を下回る、あるいは継続的なコスト負担により、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、段階的な開発投資と市場検証を行う体制を構築するとともに、生成AIに関する社内ガイドラインの整備及び法規制動向のモニタリングを実施し、リスクの低減に努めております。
③ システム障害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループのシステムは、クライアントへのサービス提供を担うプロダクトシステムと、受注から売上計上に至る業務フローを一元管理する社内管理システムの大きく2つから構成されております。
プロダクトシステムについては、クラウドを介してインターネット経由でサービスを提供しており、通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。当社グループは、システムの稼働状況の監視、バックアップ及びクラウドサーバーの冗長化を実施し、障害発生の未然防止と発生時の影響最小化に努めております。しかしながら、自然災害、事故、不正アクセス等の予期しえない要因により大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供が停止し、顧客の信頼低下や損害賠償責任が生じる等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
社内管理システムについては、受注から売上計上までの業務処理が当該システムを通じて自動的に連携・処理される仕組みとなっております。障害が発生し自動化された業務処理が正常に機能しない場合には、売上の正確な計上が困難となる等、適正な財務報告に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、このようなリスクに対して、システム構成の継続的な見直し及びインシデント対応マニュアルの整備・定期的な障害復旧訓練を実施することにより、障害発生時の迅速な復旧と影響範囲の最小化を図り、リスクの軽減に努めております。
④ M&A及び業務提携について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループは、パーパスである「産業の真価を、さらに拓く。」の実現に向けて、自社によるサービス開発に加え、事業を補完・強化し得る企業又は事業を対象とするM&A及び業務提携を成長戦略の一つと位置付けており、今後も継続的に検討していく方針であります。M&Aの実施に際しては、対象企業又は事業の財務、税務、法務、ビジネス及び情報システム等について外部専門家を含めたデューデリジェンスを実施しておりますが、実施後に認識していなかった問題が判明した場合、市場環境や競合状況の変化等により対象事業が計画どおりに進まない場合、統合プロセス(PMI)に想定以上の期間若しくは費用を要する場合、又は主要な人材が流出した場合には、期待した効果が得られず、取得した株式、事業資産若しくはのれんについて減損処理が必要となる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業務提携については、提携先の経営方針の変更、提携関係の解消又は想定していた協業効果が実現しないことにより、当社グループの事業戦略の遂行に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、顧客基盤の獲得及び保有データの拡充により長期的な企業価値の向上に資すると判断して実施した過去のM&Aについて、上場会社グループに求められる管理体制への適合を含む統合プロセス(PMI)に要する費用及び経営資源の負担により短期的な収益が取得時の計画を下回る見込みとなったことから、のれんの減損損失を計上しております。これを踏まえ、当該案件に係る事後検証及び独立社外取締役によるレビューの結果を反映したM&A実施ガイドラインを制定し、投資判断及び統合管理の体制の整備・向上に取り組んでおります。投資判断に当たっては、統合に要する費用及び経営資源を織り込んだ事業計画をストレスケースを含めて策定したうえで取得価額の妥当性を検証し、デューデリジェンスにおいて検出したリスクを取得価額又は契約条件等により手当てできない場合には案件の中止を検討することとしているほか、想定される会計処理を事前に検討し、取締役会への付議に先立ち監査役会において事前協議を行っております。投資実行後は、一定規模以上の案件について取得後一定期間経過時点で事業計画対比の実績及びのれんの回収可能性を評価して取締役会に報告し、重大な乖離が認められる場合には改善策又は事業の継続若しくは撤退の方針を付議することとしております。これらの手続の遵守状況は、内部監査人及び監査役が独立した立場から検証しております。
⑤ データの取得について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、サービスの提供にあたり、不動産デベロッパー、不動産管理会社、仲介会社等の第三者から、商業用不動産に関するデータ(建物情報、募集情報、賃料情報及び入居テナント情報等)の提供を受けております。当社グループは、これらのデータの提供を受けるに当たり、当該第三者において適法に取得され、かつ当社グループへの提供が適法に行われるものである旨の表明及び保証を取得するとともに、外部の法律専門家による確認を通じて、当社グループの不動産プラットフォーム事業の運営の適法性の確保に努めております。また、主要なデータ提供元との間では、提供を受けるデータの範囲及び提供対象外とすべき情報の取扱い等について、定期的に協議する機会を設けております。
しかしながら、データソースとなる第三者が常に適法かつ正確なデータの提供を行っていることを当社グループが確認することには限界があり、当該第三者の故意又は過失により、適法性又は正確性を欠く情報が当社グループに提供される可能性を完全に排除することはできず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) コンプライアンスに関するリスク
① 情報漏洩について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループが提供するサービスにおいて、物件保有者の個人情報、またユーザー企業の保有する第三者の個人情報に関与するケースがあります。当社グループは、個人情報の取り扱いに関する重要性を十分に認識し、個人情報を含むすべての情報資産の管理並びに保護をしております。具体的には、「情報システム管理規程」及び「情報セキュリティマニュアル」を定め、秘密情報の保護に関し役員及び従業員が遵守すべき事項を規定するとともに、社内イントラへの掲載並びに入社時及び定期の研修を通じて周知徹底を図っております。また、「情報セキュリティ基本方針」を対外的に公開するとともに、当社においては、ISMSの認証を取得し、外部専門機関による定期的な審査を通じて実効性の維持・向上を図っております。個人情報保護についても「個人情報保護規程」を定め、管理体制を整備しております。
しかしながら、重要な情報資産の外部漏洩により、当社グループが行政指導や行政処分等を受け、当社グループの社会的信用が失墜し、もしくは損害賠償請求が発生する可能性があり、また、情報資産の取り扱いに関する法規制もしくは運用の厳格化等により、当社グループのサービスの停止、情報の利用に対する制約等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないように常に細心の注意を払って事業活動を行っております。具体的には、新規サービスの開発時における第三者の知的財産権の事前調査及び必要に応じた外部専門家への相談体制を整備し、知的財産権侵害リスクの低減に努めております。本書提出日現在において当社グループの認識する限り、第三者の知的財産権を侵害したこと及び侵害を理由とした損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後当社の調査・確認漏れ、不測の事態の発生等により、第三者の知的財産権に抵触する等の理由から、損害賠償請求や使用差止請求等を受けるような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟・係争について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
本書提出日現在において、当社グループの業績に影響を及ぼす訴訟や紛争は生じておりません。
しかしながら、今後何らかの事情によって当社に関連する訴訟、紛争が行われる可能性は否定できず、かかる事態となった場合、その経過または結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、法令遵守の徹底、顧問弁護士等の外部専門家との連携強化及び契約書のリーガルチェック体制の整備等を通じて、訴訟リスクの未然防止に努めております。
④ 法的規制について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
本書提出日現在において、当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、当社グループの事業は、電気通信事業法の規制の影響を受けております。今後、法的規制の改正や業界の自主ルールが整備されることなどにより、当社グループの事業が何らかの制約を受けることとなった場合や規制強化等の対応が求められることとなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、関連法規制の動向を継続的にモニタリングするとともに、外部の法律専門家との連携を通じて、法改正等への迅速な対応体制の整備に努めております。
(4) 組織に関するリスク
① 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:大)
当社の代表取締役である平井瑛は、当社の創業者であり、設立以来当社の経営方針や事業戦略の立案やその遂行において重要な役割を担っております。当社グループは特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員の情報共有や権限の委譲によって平井瑛に過度に依存しない組織体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により平井瑛の当社グループにおける業務遂行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、経営幹部層の育成及び後継者計画の策定を進めるとともに、取締役会における重要事項の合議制による意思決定体制を整備し、特定人物への依存度の低減に努めております。
② 内部管理体制について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:大)
当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制の充実を重要な経営課題と認識しており、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制の充実を図っております。具体的には、内部監査機能の強化、業務プロセスの文書化及び標準化、並びにリスク・コンプライアンス委員会の定期的な開催等を通じて、管理体制の強化を推進しております。
しかしながら、当社グループの急速な事業展開及び会社規模の拡大に内部管理体制の整備が追いつかなかった場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)
当社グループが、今後も企業規模を拡大していくためには、当社グループのパーパスに共感し、当社グループのカルチャーに適合する高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠です。当社グループは、事業規模拡大やサービス向上に必要な優秀な人材の確保のため、今後も継続的に採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材が十分に獲得できなかった場合や人材流出が生じた場合、並びに人材の育成が想定通りに進まない場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクに対し、競争力のある報酬体系の維持、柔軟な働き方の推進、社内研修制度の充実及びエンジニアコミュニティへの積極的な参加等を通じて、人材の採用力及び定着率の向上に努めております。
(5) その他のリスク
① 自然災害について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。そのため、これらに被害をもたらすおそれのある自然災害等が発生した場合には、当社グループは事業を継続することができない等の支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自然災害等に備えて災害時の事業継続計画を策定していますが、当社グループの事業を継続するために十分ではない可能性があります。結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、事業継続計画の定期的な見直し及び訓練の実施、リモートワーク環境の整備等を通じて、自然災害発生時の事業継続性の向上に努めております。
② 株式発行及び資本金の額の減少について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
本書提出日現在における当社の資本金の額は1億192万1,934円であり(資本金の推移については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (3) 発行済株式総数、資本金等の推移」をご参照ください。)、本募集及び本第三者割当増資により増加した後の資本金の額について、当社は、2026年8月31日開催の臨時株主総会において、会社法第447条第1項に基づき、資本金の額を減少し、最終的な資本金の額を1,000万円とすること(減少額は会社計算規則第27条に基づきその他資本剰余金へ振り替える予定)について決議を行っております(以下「本件減資」といいます。)。本件減資は、上場後に、会社法第449条に基づく債権者保護手続(官報公告及び定款に定める電子公告並びに知れたる債権者への個別催告)を実施し、当該手続を経たうえで、2026年12月31日を効力発生日とする予定です。本件減資は資本の部内における振替であり、資金の流出を伴うものではありません。
当社においては、今後の事業成長及びM&A等を通じた成長戦略を継続するうえで、財務基盤を強化し、より柔軟な資本政策(株主に対する利益還元政策を含む)を可能とする体制を整備することが重要な経営課題であると認識しており、本件減資は、かかる財務戦略上の要請に基づき実施するものです。あわせて、本件減資の実施により、当社の資本金の額が1億円以下となることから、法人税法上の中小法人等として、繰越欠損金について課税所得の全額まで控除が可能となる等、税法上のいわゆる中小企業向け措置の適用を受けることが可能となる見込みであり、これらは、当社グループのキャッシュ・フローを含む財務基盤の強化及び投資余力の拡大に資するものです。さらに、本募集及び本第三者割当増資により増加した資本金をその他資本剰余金へ振り替えることは、将来的な株主還元を含む資本政策の選択肢を広げる効果もあり、本募集及び本第三者割当増資と本件減資等を併せて実施する意義は高いものと考えております。
しかしながら、今後、当社の資本金の額が増加し、これに応じた資本金の減少がなされない場合、また、上記の中小企業向けの措置について、廃止又は変更その他の理由により、上記措置の全部又は一部が当社に適用されなくなった場合、当社の財政状態、業績及びキャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。なお、本件減資の実施については、社外の専門家等の意見も踏まえ、取締役会にて慎重に検討いたしましたが、本件減資は現行の法制度を利用した適法なものであり、当社の安定的な運営及び企業価値の向上に資するものであると判断しております。ただし、上記措置を利用することにつき、今後、否定的な報道等がなされた場合には、当社のレピュテーションに影響を与える可能性があります。
③ 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:小)
当社グループは、株主に対する利益還元を経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかしながら、当社グループは、現時点では成長過程にあり内部留保が充実しているとはいえず、配当を行っておりません。また、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
将来的には、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。当社グループは、当該リスクに対し、株主との対話を通じて当社の成長戦略及び利益還元に関する方針を丁寧に説明するとともに、中長期的な企業価値の向上を通じて株主利益の最大化に努めております。
④ ベンチャーキャピタルの株式保有割合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は15,443,800株であり、このうち7,424,000株(発行済株式の48.1%)についてはベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル」という。)が保有しております。
一般的に、ベンチャーキャピタルが未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却しキャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであり、当社におきましても、上場後にベンチャーキャピタルにより株式が売却される可能性があります。そのような場合には、短期的に需給が悪化し、当社の株価が低下する可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、ベンチャーキャピタルとの継続的な対話を通じて株式売却のタイミングや規模に関する情報共有に努めるとともに、積極的なIR活動を通じた安定的な株主基盤の構築を推進しております。
⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期、影響度:小)
当社は、業績向上に対する意欲向上を目的として、会社法の規定に基づく新株予約権を当社グループの役職員等に付与しております。本書提出日現在、新株予約権の株数は2,354,000株であり、当社発行済株式数の15,443,800株に対する潜在株式比率は15.2%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の株式価値が希薄化する可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、新株予約権の付与に際して既存株主の利益を考慮した適切な発行規模の設定及び行使条件の検討を行うとともに、株式価値の希薄化の影響を最小限に抑えるよう努めております。