訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第25期(平成26年3月1日-平成26年8月31日)
(1)本投資証券又は本投資法人債への投資に関するリスク要因
以下には、本投資証券又は本投資法人債への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産信託受益権その他の資産についてもほぼ同様に該当しますが、資産としての種類の相違に応じて追加的に発生するリスクもあります。また、本書に記載の事項には、特に本投資法人及び本資産運用会社の目標及び意図を含め、将来に関する事項が存在しますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であって、不確実性を内在するため、実際の結果と異なる可能性があります。また、個々の運用不動産に特有のリスクについては、前記「 1 投資法人の概況 / (1)主要な経営指標等の推移 / ② 事業の状況 / (ロ)その他」及び後記「5 運用状況 /(2)投資資産 / ③ その他投資資産の主要なもの / Ⅰ.投資不動産の内容 / (ト)不動産の概要」をご参照ください。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分なものであるとの保証はありません。
なお、記載されたリスクのうち、将来に関する事項については、本書の日付現在において本投資法人が判断したものです。
本項に記載されているリスク項目は以下のとおりです。
① 一般的なリスク
(a)投資口・投資証券の商品性に関するリスク
(b)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
(c)本投資証券の流動性に関するリスク
(d)本投資証券の価格変動に関するリスク
(e)投資口の希薄化に関するリスク
(f)投資口の売却に関するリスク
(g)金銭の分配に関するリスク
(h)借入等比率に関するリスク
(i)役員の職務遂行に係るリスク
(j)投資法人の法律上、税制上その他諸制度上の取扱い及び解釈に関するリスク
(k)本投資法人の登録が取消されるリスク
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(a)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(b)借入及び投資法人債に関するリスク
(c)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(d)本資産運用会社に関するリスク
(e)不動産管理会社に関するリスク
(f)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(g)運用不動産の取得方法に関するリスク
(h)インサイダー取引規制等に関するリスク
(i)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
③ 不動産に関するリスク
(a)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(b)物件取得の競争に関するリスク
(c)テナントの獲得競争に関するリスク
(d)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
(e)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(f)法令等の変更に関するリスク
(g)区分所有物件に関するリスク
(h)共有物件に関するリスク
(i)借地物件・底地物件に関するリスク
(j)専門家報告書等に関するリスク
(k)わが国における建物賃貸借契約に関するリスク
(l)賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク
(m)不動産の運用費用の増加に関するリスク
(n)テナントの建物使用態様に関するリスク
(o)不動産の毀損等に関するリスク
(p)火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故に関するリスク
(q)地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等に関するリスク
(r)不動産に係る所有者責任に関するリスク
(s)有害物質に係るリスク
(t)運用不動産の偏在に関するリスク
(u)テナントの集中に関するリスク
(v)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(w)取得予定資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
(x)未稼働物件(開発物件を含む)の取得に関するリスク
(y)オフィス・物流施設・商業施設・住宅以外の用途の不動産への投資に関するリスク
(z)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
④ 信託の受益権特有のリスク
(a)信託受益者として負うリスク
(b)信託の受益権の流動性リスク
(c)信託受託者の破産・会社更生等に関するリスク
(d)信託受託者の債務負担及び不当な行為に関するリスク
(e)信託の受益権の準共有に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(a)利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
(b)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
(c)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分できないリスク
(d)配当後の留保利益に対して通常の法人税等の課税が行われるリスク
(e)利益配当等の損金算入要件が満たされなくなることにより、次年度以降は通常の法人税率により課税が行われるリスク
(f)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(g)同族会社に該当するリスク
(h)投資口の国外募集に関するリスク
(i)機関投資家以外からの借入に係るリスク
(j)投資主の減少に関するリスク
(k)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(l)一般的な税制の変更に関するリスク
(m)減損会計の適用に関するリスク
⑥ その他のリスク
(a)特定目的会社等の優先出資証券・特定社債等・貸付債権等への投融資に係るリスク
(b)匿名組合出資持分への投資に係るリスク
① 一般的なリスク
(a)投資口・投資証券の商品性に関するリスク
投資口ないし投資証券は、株式会社における株式ないし株券に類似する性質(いわゆるエクイティ証券としての性質)を有しているため、投資金額の回収あるいは利回りは本投資法人の業務又は財産の状況に影響され、また譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることが可能であるか否かは定かではありません。また、本投資法人に係る通常の清算又は倒産手続きの下における清算においては、エクイティ証券として最劣後の地位となり、投資額の全部又は一部の支払が行われない可能性があります。投資証券は、投資額が保証される商品ではなく、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象になっておりません。
(b)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資証券を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等を除き、第三者に対する売却(東京証券取引所を通じた売却を含みます。)に限られます。本投資証券の第三者に対する売却が困難又は不可能となった場合、投資主は、本投資証券を希望する時期及び条件で換価できない可能性が極めて高まります。
(c)本投資証券の流動性に関するリスク
本投資証券は東京証券取引所の不動産投資信託証券市場に上場されております。ただし、本投資証券の流動性を将来にわたって予測することは困難であり、本投資証券を投資主の希望する時期及び条件で取引できることは保証されていないため、東京証券取引所における売却に際しても、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で売却せざるを得ない場合あるいは本投資証券の売却自体が不可能な場合があります。
また、本投資法人の総資産額が減少した場合、本投資証券の売買高が減少した場合、東京証券取引所の上場規程ないし規則等に定める一定の上場廃止基準に抵触した場合等には、本投資証券の上場が廃止される可能性があります。上場廃止後は本投資証券を東京証券取引所にて売却することは不可能となり、投資主の換価手段が大きく制限されることとなります。
上記に加えて、我が国における不動産投資信託は、平成13年9月から東京証券取引所での取引が開始されたものであり相対的に歴史が浅く、したがって有価証券報告書提出日現在、不動産投資信託の将来の市場規模を予測することは困難であり、また不動産投資信託の上場市場の存続も保証されておりません。
(d)本投資証券の価格変動に関するリスク
本投資証券の市場価格は、取引所における需給関係や不動産関連資産への投資の動向、他の資産への投資との比較、金利情勢、経済情勢等、市場を取り巻く様々な要因の影響を受けます。
本投資法人は、不動産及び不動産信託受益権を主な投資対象としておりますが、不動産の価格及び不動産信託受益権の価格は、不動産市況、社会情勢等の要因を理由として変動します。さらに、不動産の流動性は一般的に低いため、望ましい時期及び価格で不動産を売却することができない可能性があり、そのために実際の売却時までに価格が下落する可能性等もあります。これらの要因により本投資法人の保有する資産の価値が下落すれば、本投資証券の市場価格の下落をもたらす可能性があります。
本投資法人若しくは本資産運用会社又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
また、東京証券取引所の不動産投資信託証券市場の将来的な規模及び同市場における流動性の不確実性、法制や税制の変更等が本投資証券の価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
(e)投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等の本投資法人の運営に要する資金又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを随時必要としております。本投資法人は、規約及び投信法に従い、その事業遂行のために必要に応じて規約で定める範囲内(本投資法人の場合は1,000万口)において、投資法人の保有する資産の内容に照らし公正な金額(投信法第82条第6項)で投資口を随時追加発行する予定です。投資口が追加発行された場合、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口数に対する割合は、当該追加発行において所要の口数を追加的に取得しない限り、希薄化することとなります。また、期中において追加発行された投資口に対して、その期の保有期間にかかわらず、既存の投資主が有する投資口と同額の金銭の分配を行うことがあり、これによって既存の投資主が有する投資口への分配額に影響を与える可能性があります。さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額が影響を受けることがあります。また、市場における投資口の需給バランスに影響を与えることもあるため、その結果、本投資証券の市場価格が悪影響を受ける可能性があります。
それらの結果、本投資証券の投資主は市場価格の変動により、当初の投資額を下回る金額しか回収できない可能性があります。
(f)投資口の売却に関するリスク
前記「1 投資法人の概況 /(6)主要な投資主の状況」に記載の本投資法人の主要な投資主を含む全ての投資主は、その保有する投資口を市場その他で自由に売却することが可能であり、そのために多数の投資口が売却された場合には、本投資証券の市場価格が低下する可能性があります。
(g)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 /(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払は、いかなる場合においても保証されるものではありません。
(h)借入等比率に関するリスク
本投資法人の借入等比率の上限は、本資産運用会社の運用管理規程により70%とされておりますが、資産の取得等に伴い一時的に70%を超過することがあります。一般的に、借入等比率が上昇するほど、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果投資主への分配額が減少する可能性があります。なお、借入等比率とは、本投資法人の資産総額(後記「第二部 投資法人の詳細情報 / 第3 管理及び運営 / 1 資産管理等の概要 /(1)資産の評価 / ③ 公正なる価額」に記載する評価方法に従って評価した場合の資産総額をいいます。)から現預金を控除した金額に対し、借入額、投資法人債発行残高及び本投資法人がテナントから受け入れた敷金又は保証金等の預り金から現預金を控除した金額の占める割合をいいます。
(i)役員の職務遂行に係るリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し、投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っております(投信法第109条第5項、第111条第3項、会社法第355条)。しかし、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行い、結果として投資主が損害を受ける可能性があります。なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況 /(4)投資法人の機構 / ① 投資法人の統治に関する事項 /(ロ)執行役員、監督役員及び役員会」をご参照ください。
(j)投資法人の法律上、税制上その他諸制度上の取扱い及び解釈に関するリスク
不動産又は不動産信託受益権等を主な運用対象とする投資法人の設立は、投信法並びに政令及び規則の改正により平成12年11月以降可能になりました。しかし、今後、投資法人に関する法律上、税制上その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され又は新たな法律が制定され、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(k)本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法に基づき投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合には、その登録を取消される可能性があります(投信法第216条)。この場合においては、本投資証券の上場が廃止されるとともに、本投資法人は解散すべきものとされ、清算手続きに入ることになります。
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(a)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として運用不動産からの賃料収入に依存しております。運用不動産に係る賃料収入は、運用不動産の稼働率の低下、賃料水準の低下(賃料水準に関しては、後記「③ 不動産に関するリスク / (k)わが国における建物賃貸借契約に関するリスク」及び「同 / (l)賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク」も併せてご参照ください。)、賃借人・テナントによる賃料の支払債務の不履行・遅延等により、大きく減少する可能性があります。また、賃借人・テナントの入居時及びその後の支払能力ないし信用状態は一様ではありません。
本投資法人は、本資産運用会社を通じて、支払能力が高く信用状態の良好な賃借人・テナントを確保すべく努力しますが、その目的が常に達成されるとは限りません。また、一旦、このような良質のテナントを確保しても、当該テナントが永続的に本投資法人の保有する運用資産を賃借し続けるとの保証もありません。
なお、本投資法人の運用資産に係る賃貸借契約の中には、それが転貸され、賃料収入の確保につき実質的にエンドテナント(最終的な利用者ないし転借人)の支払能力に依存しているものがあり、かかる場合には、本投資法人は賃借人とエンドテナントの二重の信用リスクを負っていることとなります。
たとえば、本投資法人がその所有権等を取得する以前に、賃借人が前所有者からこれを賃借したうえでエンドテナントに転貸していた不動産(決算日以降に取得したものを含みます。)について、本投資法人がこれを取得し、同時に賃借人とエンドテナントとの間の転貸借契約における賃借人の貸主としての地位を承継しようとする際、一部のエンドテナントが当該地位の承継について承諾しなかった場合には(かかる場合におけるエンドテナントを、以下「未承諾テナント」と総称します。)、かかる未承諾テナントから当該承諾を得るまでの間について、本投資法人は賃借人に不動産を賃貸し、これを賃借人が未承諾テナントに対して転貸していることとなりますが、本投資法人と賃借人との間の賃貸借契約において、あくまで本投資法人が各未承諾テナントに直接に賃貸している場合と同様の経済状態に置くこととするために、本投資法人と賃借人との合意により、①賃料、共益費及び管理費等の金額、賃貸借期間その他の賃貸借条件を賃借人と未承諾テナントとの転貸借条件と同一にし、未承諾テナントから賃借人への賃料等の支払後、賃借人が本投資法人に賃料等を支払うこと、②賃借人は本投資法人に対して敷金、保証金等相当額を差し入れないものとすること等の対応を実施している場合があります。したがって、かかる対応においては、本投資法人は、賃借人による賃料不払い等のリスクのほか、未承諾テナントによる賃料不払いのリスクを負担していることとなります。その他、転貸に関するリスクは、「③ 不動産に関するリスク / (l) 賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク」及び「③ 不動産に関するリスク / (n) テナントの建物使用態様に関するリスク」をご参照ください。
また、上記収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、資本的支出、未稼働運用不動産の取得等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、その結果、資金繰りの悪化が生ずる等、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
賃料収入のほか、運用不動産の売却に伴い収入が発生する可能性がありますが、運用不動産の売却に伴う収入は、恒常的に発生するものではなく、本投資法人の運用方針、不動産市場の環境等に左右されるものであり、安定的に得られる性質のものではありません。
他方、運用不動産に関する費用としては、減価償却費、運用不動産に関して課される公租公課、運用不動産に関して付保された保険の保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、建物所有者において負担を余儀なくされる原状回復費、借地借家料、テナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります(費用の増加リスクに関しては、後記「③ 不動産に関するリスク / (m)不動産の運用費用の増加に関するリスク」も併せてご参照ください。)。
このように、運用不動産からの収入が減少する可能性がある一方で、運用不動産に関する費用が増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(b)借入及び投資法人債に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、機関投資家からの借入及び投資法人債の発行による資金調達を継続的に行います。本投資法人は規約において、その限度額を、借入については1兆円、投資法人債については1兆円とし、かつ、その限度額が合計して1兆円を超えないものとしております(規約第40条)。
借入及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件により借入及び投資法人債の発行を行うことができるという保証はなく、また、金利と本投資法人の受け取る賃料収入等とは必ずしも連動して上昇する関係にはないため、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、既存の借入の返済期限が到来した場合の借換は、金融情勢の混乱、信用収縮等により同一の借入先からほぼ同一の条件にて借入を行うことができない可能性があります。また、金利、財務制限条項等の面で従来より不利な条件にて借入を行う可能性があります。
また、本投資法人の信用格付の格下げあるいは見通しの変更が行われた場合には、本投資法人の希望する時期及び条件により借入及び投資法人債の発行を行うことができず、その結果、借入コストが上昇する等、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
利益配当の損金算入要件のうち、投資法人による借入金の借入先を機関投資家に限定するという税法上の要件により、本投資法人が資金調達を行うに際して、借入先が限定され資金調達が機動的に行えない場合があります。そして、追加の借入を行おうとする際には、担保提供等の条件について制約が課され、本投資法人が希望する条件での借入ができなくなる可能性もあります。
本投資法人が借入又は投資法人債の発行を行う場合において、借入金比率に応じて投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられ、あるいは修繕費用、預り金等に対応した現金の積立てを強制される場合があり、また物件の取得に一定の制約が課され、規約等の変更が制限される場合もあります。このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらすほか、このような制約により投資主への金銭の分配が制限され、利益配当等の損金算入要件(後記「⑤ 税制に関するリスク / (a)利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク」をご参照ください。)を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。なお、有価証券報告書提出日現在、本投資法人が借入先金融機関との間で締結するローン契約及び本投資法人の投資法人債とも、すべて無担保ですが、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持することを定める等の財務制限条項が設けられています。
借入又は投資法人債の発行において運用不動産に担保を設定した場合には(当初は無担保の借入又は投資法人債であっても、一定の条件のもとに担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された運用不動産の売却を希望したとしても、担保の解除手続きその他の事情により、希望どおりの時期に売却できない又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により担保不動産の評価額が借入先によって引き下げられた場合あるいは他の借入を行う場合等、一定の条件のもとに運用不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、担保不動産から生じるキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先から借入金の期限前返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、借入先より担保不動産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件により運用不動産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借換、運用不動産の売却等によって借入金の期限前返済を行おうとする場合には、違約金等がその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動により本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、本投資法人のキャッシュ・フローの減少、金利情勢の変動その他の理由により、運用不動産を処分しなければ借入の返済及び投資法人債の償還ができなくなる可能性があります。この場合においては、本投資法人の希望しない時期及び条件により運用不動産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人が借入又は投資法人債について債務不履行となった場合には、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分、差押え等の強制執行等が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産等の倒産手続きの申立が行われる可能性があります。
(c)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に委託しております。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためには、これらの者の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも継続的に維持できるとの保証はありません。本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金商法及び投信法に基づく善管注意義務及び忠実義務を負っておりますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託が必須のものとされているため(投信法第117条、第198条、第208条)、委託契約が解約又は解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。しかし、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、これにより本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があるほか、場合によっては本投資証券が上場廃止になる可能性もあります。さらに、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社が、破産等により金商法における登録あるいは業務執行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社への委託が必要となり、上記と同様のリスクがあります。
上記に加えて、本資産運用会社は、オリックスグループとの協働関係(ORIXシナジー)を強化し、本投資法人のさらなる安定した収益の確保と運用資産の成長を目指すべく、オリックスグループであるオリックス株式会社、オリックス不動産株式会社及びオリックス・エム・アイ・シー株式会社(以下併せて「スポンサー」といいます。)との間でスポンサー・サポート契約を締結しています。これにより、本投資法人や本資産運用会社は、オリックスグループとの間により密接な関係を持つことになるため、その成果につきオリックスグループの影響を受けやすくなることが想定されます。また、上記スポンサー・サポート契約が更新されない、あるいは解除される等の事由が生じた場合には、これによりオリックスグループからノウハウ等の移転等を受けられなくなる可能性があり、このような場合には、本投資法人の資産運用に悪影響を与える可能性があります。さらに、スポンサーによる助言によって本投資法人の資産運用につき一定の成果が上がるとの保証はありません。
(d)本資産運用会社に関するリスク
本投資法人が適切な運用資産を確保するためには、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、本資産運用会社において、かかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が常に維持されるとの保証はありません。
また、資産運用会社となるためには金商法上の投資運用業の登録を行う必要があるほか、金融庁等の監督官庁から投信法及び金商法に基づく監督を受けることとなるため、その信用力の維持には一定限度の制度的な裏付けがありますが、投信法及び金商法はその運用能力まで保証するものではありません。本資産運用会社に対して、監督官庁により資産運用会社としての登録の取消しを含む処分等がなされた場合には、本投資法人の資産運用業務にも影響が生じ、結果として投資主に損害を与える可能性があります。
本投資法人は、投資主総会の承認を得て、本資産運用会社との資産運用委託契約を解約することができます。また、本投資法人は、投信法及び資産運用委託契約の規定に基づいて、本資産運用会社が職務上の義務に違反した場合その他一定の場合に、本資産運用会社との資産運用委託契約を解約又は解除することができるほか、本資産運用会社が金商法上の金融商品取引業者でなくなったときその他一定の場合には、本資産運用会社との資産運用委託契約を解約又は解除しなければならないとされております。本資産運用会社との資産運用委託契約が解約又は解除された場合について、現在の本資産運用会社との資産運用委託契約においては一定の手当てがなされておりますが、一般的には上記(c)に記載のリスクがあてはまります。また、資産運用会社の変更は、本投資法人が借入金債務及び投資法人債について有する期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(e)不動産管理会社に関するリスク
本資産運用会社は、主たる不動産管理会社として、原則として本投資法人の運用不動産(住宅の用に供する部分を除きます。)につき、不動産管理業務を受託します。主たる不動産管理会社としての本資産運用会社は、一棟貸し等の場合を除き、一部の管理業務を外部管理会社に再委託したうえ、外部管理会社と協働で管理を行います。また、本投資法人又は信託受託者(本投資法人が信託受益権により運用不動産を保有する場合における信託受託者をいいます。)は、清掃、保安警備等の保守管理業務を外部業者に直接委託します。
一般に、建物の保守管理を含めた不動産管理業務全般の成否は、管理会社の能力、経験、ノウハウ等によるところが大きいため、運用不動産の管理については、管理を受託する管理会社の業務遂行能力に強く依拠することになりますが、主たる不動産管理会社及び外部管理会社において、かかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、主たる不動産管理会社及び外部管理会社が、破産その他の法的倒産手続き等により業務執行能力を喪失する場合においては、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、これにより投資主への金銭の分配に悪影響を与える可能性があります。
(f)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金商法上、本資産運用会社は本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務づけられているほか(金商法第42条)、自己又は第三者の利益を図るため本投資法人の利益を害することとなる取引を行うことを内容とした運用を行うことが明示的に禁止されております(金商法第42条の2第7号及び業府令第130条第1項第2号)。
しかしながら、本資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合には、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定をする可能性は否定できません。
また、本資産運用会社の株主、本資産運用会社の役職員の出向元企業等、本投資法人に現在関与し、又は将来関与する可能性がある法人その他投信法に定める利害関係人等に該当する法人及びその関連会社等(以下「資産運用会社関係者」といいます。)は、本資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、資産運用会社関係者は、自ら不動産投資、運用業務を行っており又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行っており又は将来行う可能性があります。そのため、第一に、本資産運用会社が、資産運用会社関係者に有利な条件で本投資法人に係る資産を取得させることにより、資産運用会社関係者の利益を図る可能性があり、第二に、本投資法人と資産運用会社関係者が特定の資産の取得若しくは処分又は特定の資産の賃貸借若しくは管理委託に関して競合する場合には、本資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、資産運用会社関係者又はその顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。
本資産運用会社は、有価証券報告書提出日現在において、オリックス株式会社の子会社であるため、オリックス株式会社は資産運用会社関係者となります。オリックス株式会社及びその関係会社等は、オフィスビルを含む不動産の開発、運営等を手掛け、賃貸物件を管理し、ゴルフ場、宿泊施設、物流施設、商業施設、住宅、有料老人ホーム及び高齢者専用賃貸住宅等を所有又は運営しているほか、不動産事業又はこれに関連する事業のための資金を融通する等しており(建設会社やディベロッパーへの不動産開発関連の貸付けを含みます。)、また自ら多くの不動産開発に関与する等広範な活動を行っております。
(g)運用不動産の取得方法に関するリスク
税制上の軽減措置に要する手続きとの関係で、本投資法人が不動産を取得するにあたり、譲渡代金支払日後直ちには当該不動産についての所有権等の移転本登記申請を行わない場合があります。この場合においては、譲渡代金支払後本登記申請までの間に、売主が当該不動産を二重譲渡し若しくは担保提供し、又は売主が倒産すること等により、本投資法人が運用不動産の完全な所有権を取得できなくなる、あるいは同時に支払済みの譲渡代金の全部又は一部につき返還を受けられなくなる等の可能性があります。なお、上記軽減措置に関する手続きには20日程度の日数を要する場合がありますが、このような場合においては、運用不動産の所有権取得時(譲渡代金支払時)から上記軽減措置に関する手続き終了時(終了後直ちに移転本登記申請を行います。)までの間は仮登記を経ることにより、本登記の順位を保全して上記のリスクを可能な限り回避する方針でおります。ただし、仮登記はそれに基づく本登記がなされるまでは順位保全効しかなく、仮登記に基づき本登記がなされる前に売主が倒産した場合等においては、本投資法人が保護されない可能性もあり、上記のリスクを完全に排除できるとは限りません。
(h)インサイダー取引規制等に関するリスク
本投資法人の上場以来、本資産運用会社及び本投資法人はそれらの内規において、本資産運用会社の役職員及び本投資法人の役員が、インサイダー情報類似の情報を知りながら、その公表前に本投資法人の投資口に係る売買等の有償の取引をしてはらならないこと等の自主規制を実施しておりました。また、平成25年6月12日に上場投資法人等の発行する投資証券へのインサイダー取引規制の導入等を定めた金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年法律第45号)が成立したことを踏まえ、上記の内規を改正し、本資産運用会社の役職員及び本投資法人の役員がその立場上知り得た重要事実(本資産運用会社又は本投資法人に関する情報であって、金融商品取引法第166条第2項において定義する「業務等に関する重要事実」をいい、それらに該当する情報を「インサイダー情報」といいます。)の公表前に本投資法人の投資口、新投資口予約権及び投資法人債の売買等を行うことを禁止するとともに、インサイダー情報の伝達を原則禁止としております。しかしながら、本資産運用会社の役職員又は本投資法人の役員が金商法で定めるインサイダー取引規制に違反する場合には、本投資法人及び本資産運用会社に係る情報の管理に対する信頼が揺らぎ、その結果、本投資証券の投資主に悪影響が及ぶ可能性があります。
(i)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人は、投信法の規定に従い、資産運用の対象及び方針を規約別紙1において定めており(投信法第67条第1項第7号、同法施行規則第105条第1号、規約別紙1)、本資産運用会社は、かかる規約の定めに従って本投資法人の資産の運用を行っております。しかし、実際の資産運用においては、様々な資産の特性又はその時々の市場環境若しくは経済情勢に応じた、的確かつきめ細やかな対応を余儀なくされることがあります。そのため、本資産運用会社は、その内規として「運用管理規程」を、また、当該規程の趣旨を踏まえ、本投資法人が保有する不動産関連資産の内容・状況、経済・金融情勢及び不動産市況等を総合的に勘案のうえ、投資法人の決算期ごとに、本投資法人の資産運用に係る「投資方針」を定め、資産運用において適時適切な対応を行うこととしております。
なお、規約別紙1に定める資産運用の対象及び方針の改正には投資主総会の決議を必要としますが、運用管理規程及び投資方針の変更等は、本資産運用会社の取締役会において決定されることとしているため、投資主総会の決議によらず変更されることがあります。しかし、かかる変更等により、意図したとおりの運用が成功を収めるとの保証はないため、結果的に本投資法人の資産運用及びその業績に悪影響を与える可能性は否定できず、このような場合には、本投資証券の投資主は損害を被る可能性があります。
③ 不動産に関するリスク
(a)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、特に地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特性の他に、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性があります。これらの特性のために、不動産は、国債・長期預金等の金融商品等に比べ、一般的に流動性が相対的に低い資産として理解されております。そして、それぞれの不動産の個別性が強いため、売買において一定の時間と費用を要し、その時間と費用の見積もりが困難であり、その結果、予想よりも多くの時間と費用が費やされ、不動産を取得若しくは売却できない可能性があり、さらに、不動産が共有物件又は区分所有物件である場合には、土地と建物が別個の所有者に属する等、権利関係の態様が単純ではないことがあり、上記の流動性等に関するリスクの影響度が高まります。
経済環境及び不動産需給関係の影響によって、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件により取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件により売却できない可能性もあります。このような場合には、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、底地物件の流動性に関するリスクは、後記「(i) 借地物件・底地物件に関するリスク / (i)-2.底地物件に関するリスク」をご参照ください。
(b)物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、その規約において、不動産及び不動産信託受益権を主たる投資対象として、中長期的な観点から、運用資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としております。しかし、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化する等の影響により、物件取得の競争が激化した場合には、物件を確保すること自体が困難となる、又は投資採算の観点から希望した価格での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上、収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。その他、本書記載の様々なリスク及びその要因を受け、本投資法人がその投資方針に従った運用ができず、これにより本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(c)テナントの獲得競争に関するリスク
通常、運用不動産は他の不動産とのテナント獲得競争に晒されているため、競合する不動産の新築、リニューアル等の競争条件の変化あるいは競合不動産の募集賃料水準の引下げ等により、賃料引下げ、稼働率の低下等を余儀なくされ、これにより本投資法人の収益が悪化する場合があります。
(d)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
一般に、不動産には地盤地質、構造、材質等に関して欠陥、瑕疵等(隠れたものを含みます。)が存在している可能性があります。また、適用される法令上の規制、周辺の土地利用状況等にも、不動産の瑕疵あるいは欠陥となる可能性となるものが含まれております。そこで、本資産運用会社が不動産又は不動産信託受益権の選定・取得の判断を行うにあたっては、対象となる不動産及び信託財産である不動産について、利害関係のない第三者である専門業者(建設会社等)からエンジニアリングレポート等を取得し、かつ、原則として当該不動産又は不動産信託受益権の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任を負担させることとしております。
エンジニアリングレポート等には、建物等に関する専門家が設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聴き取りを行うこと等により、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びこれらに要する概算費用、再調達価格の算出、建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果等が記載されており、本投資法人ではこれらの専門業者からの報告書等を参考として、取得対象資産の欠陥、瑕疵の有無等の確認を行っています。なお、エンジニアリングレポートの作成者、地震リスク分析評価会社等については、後記「5 運用状況 /(2)投資資産 / ③ その他投資資産の主要なもの / Ⅰ.投資不動産の内容 /(ニ)エンジニアリングレポートの概要」をご参照ください。
しかし、エンジニアリングレポート等の作成に係る専門業者の調査には、提供される資料の内容、その調査範囲、時間的な制約等から一定の限界があり、不動産及び信託財産である不動産に関する欠陥・瑕疵等について完全に報告が行われているとは限りません。さらに、エンジニアリングレポート等で指摘されなかった事項であっても、本投資法人が不動産又は不動産信託受益権を取得した後に、欠陥、瑕疵等の存在が判明する可能性があります。
また、不動産又は不動産信託受益権に関する売主の表明及び保証の内容が、真実かつ正確であるとは限らず、本投資法人の取得後に欠陥、瑕疵等の存在が判明する可能性がある一方、表明及び保証の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例です(なお、強制競売で購入した物件については、瑕疵担保責任の追及はできません(民法第570条ただし書き)。)。さらに、不動産又は不動産信託受益権の売主が表明及び保証を全く行わず、あるいは制限的にしか行わない場合又は瑕疵担保責任を全く負担せず、あるいは制限的にしか負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産又は不動産信託受益権を取得する可能性があります。
運用不動産に欠陥、瑕疵等が存在する場合、その程度によっては、当該運用不動産の資産価値が減少する可能性があり、あるいは、これを防ぐために、買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の補修その他に係る予定外の費用を負担せざるを得ない可能性があります。そして、これらに関し、売主に対して表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や経済的に破綻した会社である等の理由によりその資力が十分でない、あるいは解散等により存在しなくなっている等の事情により責任追及に実効性がない場合には、これにより本投資法人に費用負担が発生する可能性があります。本投資法人は現に多くの運用不動産を特別目的会社から取得しているため、上記の理由により、前所有者に対する瑕疵担保責任の追及が実効性を欠くことになる可能性を否定できません。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性ないし複雑性の故に種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は運用不動産を取得するにあたって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において、売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、当初から売主が所有権を有していなかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていること、あるいは第三者の権利を侵害していることが、本投資法人の取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合には、前述した欠陥、瑕疵等が存在した場合と同様に、法律上又は契約上の瑕疵担保責任あるいは表明保証責任を追及できることもありますが、実効性がない可能性もあります。
他方、運用不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者との境界確認が未了のまま又は境界標の確認ができないまま、当該運用不動産を取得する事例が少なからず見られ、また、今後取得する不動産についてもその可能性はあり得るものと考えられます。したがって、状況によっては、後日このような運用不動産を処分するときに障害が発生し、また境界に関して紛争が発生し、これらにより所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、運用不動産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物が存在することにより、運用不動産の利用が制限され賃料収入に悪影響を与える可能性あるいは越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
他方、本投資法人が不動産を売却する場合には、瑕疵担保責任を負う場合があります。特に、本投資法人は宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。以下「宅建業法」といいます。)の規定により宅地建物取引業者とみなされるため、買主が宅地建物取引業者でない場合には、瑕疵担保責任を排除することが原則としてできません。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(e)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。また、これに基づく命令・条例を含みます。以下同じです。)の規定又はその改正法の規定が施行される際においてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)及びその敷地については、通常、当該規定が適用されない扱いとされております。運用不動産の中には、上記のような扱いの結果、現行の建築基準法の規定の一部を満たしていないが違法とはならない、いわゆる既存不適格である建物を含む場合があります。特に、耐震設計基準に関し、昭和56年以前に建築確認申請がなされた建物については、いわゆる旧耐震基準を採用しており、現行法において必要とされる基準を満たしていないものがあります。これらの建物の建替え、改修等を行う場合には、現行の規定に合致するよう、既存不適格に該当する箇所の改修等をする必要があり、その結果として、費用等の追加的な負担が必要となる可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規あるいは各地の条例による規制が運用不動産に適用される可能性があります。例えば、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務、雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合には、当該運用不動産を処分するとき、あるいは建替え等を行うときに、事実上その遂行が困難となったり、これらの義務を遵守するための追加的な負担が生じたりする可能性があります。さらに、運用不動産を含む地域が道路設置等都市計画等の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少したりすることにより、運用不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。その他、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制約又は義務が存在することにより、排出量削減のための建物改修工事や義務を達成できない場合の排出権の購入等の負担を負う可能性があります。
(f)法令等の変更に関するリスク
消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の建築・運営・管理に影響する関係法令、条例の改正等により、運用不動産の管理費用等が増加する可能性があります。また、建築基準法、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)その他不動産に関する行政法規の制定、改正、廃止等により、あるいは、収用、再開発、区画整理等の事業により、運用不動産に関する権利が制限される可能性があります。
また、エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号。その後の改正を含みます。)及び、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。その後の改正を含みます。)等、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例の改正等により、運用不動産に追加的な費用負担が発生する可能性があります。さらに、環境保護を目的とする他の法令等が将来において制定・施行され、運用不動産について大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性、あるいはその所有者としての無過失責任等が課される可能性があります。このように、法令又は条例の制定・改廃等が本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(g)区分所有物件に関するリスク
不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)第31条。なお、建替え決議等においては、さらに多数決の要件が加重されております。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。)。したがって、本投資法人が区分所有者及びその議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新たな区分所有者の資力、数、属性等によっては、運用不動産の価値あるいは収益が減少する可能性があります。これに対し、区分所有規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合には、他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。このような場合には、本投資法人が区分所有権を処分する際に、他者に優先して当該他の区分所有者と事前に交渉を行う等の制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を、原則として自由に賃貸する等使用収益することができます。その結果、本投資法人の運用不動産の価値あるいは収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合には、当該区分所有権あるいは運用不動産が法的手続きの対象となり又は劣化する等の可能性があります。
なお、区分所有建物では、専有部分と敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利をいいます。)の一体性を保持するために、専有部分と敷地利用権を分離して処分することが禁止されております(区分所有法第22条。ただし、区分所有規約で別段の定めをすることはできます。)。そして、敷地権(敷地利用権をもとに、区分所有建物の敷地になっている土地について、建物と一体化されて登記されている権利をいいます。)の登記がなされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権のみ分離され処分されても、当該分離処分は無効となります。しかし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません。このような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
(h)共有物件に関するリスク
運用不動産が第三者との間で共有されている場合、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有物の管理に関する事項は、共有者間で別段の定めをした場合等を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で決するものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられる可能性があります。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は、希望する時期及び価格によりその有する共有物を売却できない可能性があります。もっとも、共有者には原則として共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条第1項本文)、これにより単独の処分又は使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合等においては、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まない場合であっても、他の共有者からの請求に服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが(民法第256条第1項ただし書き)、その場合であっても、合意の有効期間(5年が最長ですが、同条第2項により、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していることにより、あるいはその合意が未登記であることにより、第三者に対抗できないことがあります。また、共有者が破産した場合又は共有者について会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合には、共有物の分割が行われる可能性があります(ただし、共有者は、破産、会社更生手続又は民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)第48条)。)。
他方、共有持分については、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があり、この場合においては、新たな共有者の資力、数、属性等によっては、運用不動産の価値あるいは収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書、規約等において、当該不動産の持分を処分するに際しては、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続きの履践等が課されている場合があります。この場合においては、本投資法人が持分を処分する際に、他者に優先して当該他の共有者と事前に交渉を行う等の制約を受ける可能性があります。
共有不動産を賃貸に供する場合には、賃貸人の賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務となると一般的には解されております。したがって、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて本投資法人の賃料債権が差し押さえられたりする可能性、あるいは賃借人に対する敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合には、本投資法人が敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の有無によっては、償還を受けることができない可能性があります。
また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払又は積立てを履行しない場合には、当該不動産あるいはその持分が強制執行その他の法的手続きの対象となる、あるいは、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、上記のような制約あるいはリスクがあるため、不動産の鑑定評価及び市場における売買による価格の決定等において、単独所有の場合には存在しない減価要因が加わる可能性があります。
(i)借地物件・底地物件に関するリスク
(i)-1.借地物件に関するリスク
本投資法人は、運用不動産である建物の敷地の所有権を有しない場合があります。この場合においては、建物の処分に付随する借地権の処分に関して、敷地の所有者の同意等が要求されることがあり、そのため、本投資法人が事実上建物を処分できなかったり、多額の承諾料を徴求されたり、本投資法人が希望する価格、時期等の条件で建物を処分することができない可能性があるほか、隣地地権者との境界確認、境界線の確認、越境物の取扱いに関する確認等は、通常、建物の敷地の所有権を有する者において実施されるものであるため、当該者の協力が得られない場合には、当該確認等が実現できない可能性があります。
また、借地契約の終了又は解除その他の理由により本投資法人の有する借地権が消滅した場合には、本投資法人は、当該借地権に係る敷地の明渡義務を負うこととなります。さらに、本投資法人の有する借地権について民法、借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)等の法令に基づく対抗要件が具備されていない場合、又は先順位の対抗要件を具備した担保権者が存在する場合には、本投資法人は、敷地の全部又は一部に関して所有権を取得した者又は競落人に対して、自己の有する借地権を対抗できず、結果として敷地を明け渡さざるを得なくなる可能性があります。
また、本投資法人が敷地の所有者に対し借地契約に係る敷金・保証金等の返還請求権を有する場合においては、敷地の所有者の資力の悪化、倒産等により、それらの全額又は一部が返還されない可能性があります。また、敷地の所有者に対する敷金、保証金等の返還請求権については、十分な担保設定や保証がなされない場合が少なくありません。
(i)-2.底地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権が設定された土地(いわゆる底地)を取得することがあり、底地物件には、借地権が設定されることによる一定のリスクがあります。土地上に設定される借地権は、普通借地権の場合には、合意解約によるほか、契約期間の満了時に本投資法人が契約更新を拒絶する正当事由が認められなければ消滅しません。かかる正当事由が認められるかを予測することは困難であり、契約期間の満了後も長期間にわたり土地の利用が著しく制限される可能性があるため、普通借地権の底地は、他の不動産と比較すると著しく流動性が劣るものといえます。また、かかる正当事由が認められ普通借地契約が終了した場合であっても、借地権者は本投資法人に対して建物等の買取りを請求することができ(借地借家法第13条、借地法第4条)、本投資法人は建物等の買取りに対する支出を余儀なくされる可能性があります。他方、借地借家法に定める一定の要件を充足することを条件として定期借地権等(借地借家法第22条、第23条、第24条)とされる場合には、土地上の借地権は、借地契約の期間の満了に伴い当然に消滅しますが、契約締結の方法や内容等につき借地借家法に定める要件を満たさない場合には、定期借地権性が否定されて普通借地権となるおそれがあります。その他、契約期間満了後において、運用不動産の価値が本投資法人の予測する価格以上である保証はなく、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。また、建物譲渡特約付定期借地権における建物譲渡額が、本投資法人の希望する価格以下である保証はなく、同様に、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。なお、定期借地権等の底地は、普通借地権の底地よりも利用上の制限が限定的ではあるものの、土地利用が制限されるとの見地において、土地建物を保有する物件に比べて、相対的に流動性が劣るものといえます。
また、借地権者は、普通借地権・定期借地権等にかかわらず、借地借家法第11条に基づき、地代等の減額を請求することができます。この他、借地契約では、多くの場合、地代その他の借地契約の内容について定期的に見直しを行うこととされるため、本投資法人の取得時における借地契約条件が今後も維持される保証はなく、本投資法人に悪影響をもたらす可能性があります。
その他、本投資法人は、借地権者等(借地権者の賃借人・転借人、又はこれらが営む営業の運営受託者等、本投資法人との関係が直接であるか間接であるかを問わず、底地を使用する権限を有する一切の者を含みます。)が底地上に建築・設置等する建築物・工作物等に対して、あるいはこれらを使用して営む営業に対して適用される各種法令の遵守状況を確認できないまま、底地物件を運用不動産として取得する可能性があります。なお、本資産運用会社が底地物件の選定・取得の判断を行うにあたっては、かかる各種法令の遵守状況を確認することが困難であることが多いのが実情です。借地権者等による各種法令の違反に対しては、行政機関等から建築物の除去・使用制限、あるいは営業停止等を含む是正措置が講じられる可能性があります。これに起因して借地権者等の収益が減少・消失することによって地代等の支払いが困難となる場合があり、結果的に本投資法人の収益が悪化する可能性があります。
(j)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士等の判断あるいは意見を示したものに留まります。本投資法人が取得した運用不動産については、毎決算期末を価格時点とした鑑定評価が行われております。なお、同一の物件について鑑定評価を行った場合であっても、個々の不動産鑑定士等によって、その適用する評価方法又は調査の方法若しくは時期、収集した資料等の範囲等によって鑑定評価額が異なる可能性があります。本書記載の鑑定評価額は、不動産鑑定評価基準及び留意事項に基づき、原則としてDCF法による収益価格を標準とし、直接還元法(DC法)による収益価格等による検証を行い決定された特定価格をもって「鑑定評価額」とするものですが、かかる鑑定評価の結果又はその見直し後の結果は、将来において本投資法人が当該鑑定評価額又は見直し後の鑑定評価額により運用不動産を売買できることを保証又は約束するものではありません。
土壌汚染リスク評価報告書は、個々の専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、土壌汚染が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
エンジニアリングレポート(建物地震リスク評価報告書等を含みます。)等は、建物等の評価に関する専門家が建物等の状況に関して調査した結果を記載したにものにすぎず、提供される資料の内容、その調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産及び信託財産である不動産に関する欠陥・瑕疵等について完全に報告が行われているとは限りません。
また、不動産に関して算出されるPML(PMLの詳細については、後記「5 運用状況 /(2)投資資産 / ③ その他投資資産の主要なもの / Ⅰ.投資不動産の内容 /(ニ)エンジニアリングレポートの概要 /(注2)」をご参照ください。)は、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合には、予想復旧費用以上の費用が必要となる可能性があります。
(k)わが国における建物賃貸借契約に関するリスク
わが国における建物賃貸借契約(下記(l)に記載の原則的な定期建物賃貸借契約の場合を除きます。)では、契約期間が満了する日の一定期間前までに更新しない旨の意思表示がない限り、自動的に更新されるとするものが多く見られます。したがって、常に契約が更新されるとの保証はありません。また、契約期間の定めにかかわらず、テナントが一定期間前の通知を行うことにより契約を中途で解約できることとされている場合が多く見受けられます。賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合には、即時に新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。また、賃貸借契約において、契約期間中に賃借人の申し入れ又は賃借人の債務不履行若しくは破産手続開始等により解除した場合の違約金について規定することがありますが、かかる規定の内容によってはその全部又は一部が無効とされる可能性があります。
なお、賃貸人からの建物賃貸借契約の更新拒絶及び解除は、借地借家法第28条のいわゆる正当事由の存在が認められる場合を除いて、その実現が困難であることが多いのが実情です。
(l)賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク
(l)-1.賃料の減額に関するリスク
運用不動産のテナントが支払うべき賃料は、一定の期間(以下「据置期間」といいます。)その増額又は減額をしない旨の特約があるか否かを問わず、賃貸人とテナントの合意により、又はテナントが賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を行使することにより、据置期間の中途であっても減額される可能性があります。また、運用不動産と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が、従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記のような通常の建物賃貸借に対して、借地借家法第38条の定めに基づき、契約期間を定める等の一定の要件を満たすことにより、更新がないものとすることができる建物賃貸借(以下「定期建物賃貸借」といいます。)が存在し、そのような賃貸借においては借地借家法第32条の賃料増減請求権に服さない旨取り決めることができます。もっとも、賃貸人にとって、定期建物賃貸借契約には、通常の賃貸借契約に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては、一般的な賃料水準が上昇する場合又は当該不動産の価格若しくは公租公課が上昇する場合等でも、それに応じた賃料の増額を請求する権利がない等、不利益な面もあります。さらに、契約締結の方法又はこれをめぐる事情によっては、上記一定の要件を満たしていないと判断され、定期建物賃貸借であることが否定される可能性があります。
なお、本投資法人が賃貸している運用不動産を賃借人が転貸している場合で、転貸条件が必ずしも賃貸条件に比して本投資法人にとって有利ではなく何らかの理由で本投資法人が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、又は転借人が賃借人に支払う賃料の額に応じて本投資法人が賃借人から収受する賃料の額が変動する取り決めが存在するときは、従前より低額な賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。なお、底地物件の地代等の減額に関するリスクは、前記「(i) 借地物件・底地物件に関するリスク / (i)-2.底地物件に関するリスク」をご参照ください。
(l)-2.賃料の不払等に関するリスク
テナントの財務状況が悪化した場合、又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料を含めたテナントの債務の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合には、本投資法人の収益が悪化する可能性があります。
なお、本投資法人が運用不動産を賃貸に供する場合には、入居者の信用力について調査する態勢を可能な限り整備していますが、特に、運用不動産を賃借人に転貸させる場合あるいは住宅を用途とする運用不動産を賃貸に供する等により個人がテナントとして入居する場合については、本投資法人が直接エンドテナントと契約を締結する場合あるいは法人がテナントとして入居する場合と比較して、その信用力の有無を調査することにつき一定の限界があるといえます。
(m)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費あるいは水道光熱費の高騰、不動産管理あるいは建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、運用不動産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。また、テナントとの賃貸借契約が終了した場合に発生する貸室の原状回復費については、通常はテナントの負担とする旨が賃貸借契約に規定されていますが、テナントの財務状況が悪化した場合、テナントが倒産手続の対象となった場合、住宅を用途とする不動産を賃貸に供している場合等には、当該規定にかかわらず、本投資法人において原状回復費の支出を余儀なくされることがあります。
(n)テナントの建物使用態様に関するリスク
法令、条例等の基準を満たす建物を賃貸する場合であっても、賃貸借期間中におけるテナントによる建物の変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令、条例等に違反する状態となり、本投資法人がその改善のための費用負担を余儀なくされる可能性があります。また、賃貸借契約における規定のいかんにかかわらず、テナントによる転貸あるいは賃借権の譲渡が本投資法人の関与なく行われる可能性があります。その他、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)に定める反社会的勢力の入居、あるいはテナントによる「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)に定める風俗営業の開始等により運用不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
なお、本投資法人が運用不動産を賃貸に供する場合には、入居者について反社会的勢力の該当の有無を調査することにより、反社会的勢力との取引を行わないための態勢を可能な限り整備していますが、特に、運用不動産を賃借人に転貸させる場合あるいは住宅を用途とする運用不動産を賃貸に供する等により個人がテナントとして入居する場合については、本投資法人が直接エンドテナントと契約を締結する場合あるいは法人がテナントとして入居する場合と比較して、反社会的勢力の該当の有無を調査することにつき一定の限界があること等が想定されるため、将来にわたり完全に排除できるとの保証はありません。
(o)不動産の毀損等に関するリスク
運用不動産につき滅失、毀損、劣化等が生じ、修繕が必要となることがあります。かかる修繕に多額の費用を要する場合があり、また、修繕工事の内容あるいはその実施方法によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの館内移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少し、あるいは少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、将来的に運用不動産から得られる賃料収入等が減少する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(p)火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故に関するリスク
火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他不測の事故等の災害により、運用不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅あるいは減少する可能性があります。また、これらの災害によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
有価証券報告書提出日現在、本投資法人が所有する運用不動産に関しては、火災保険等の保険契約が締結されており、今後本投資法人が取得する運用不動産についても、原則として適切な保険を付保する予定です。しかし、運用不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害あるいは事故(例えば、故意によるもの、戦争あるいはテロ行為等に基づくものは、必ずしも全て保険でカバーされるとは限りません。)が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが行われず若しくは遅延する可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合であっても、行政上の規制その他の理由により、事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
本投資法人の付保に関する方針の概要については、下記(q)及び(r)に関するものを含め、前記「2 投資方針 /(1)投資方針 / ② 基本方針に基づく運用方針の細目 / (ニ) 付保方針」をご参照ください。
(q)地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等に関するリスク
地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等の災害により運用不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅あるいは減少する可能性があります。また、これらの災害によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
(r)不動産に係る所有者責任に関するリスク
本投資法人の運用不動産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体又は財産その他法律上保護に値する利益を侵害した場合には損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、その占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、無過失責任を負うこととされております(民法第717条第1項)。
有価証券報告書提出日現在、本投資法人が所有する運用不動産に関しては、施設賠償責任保険等の保険契約が締結されており、今後本投資法人が取得する運用不動産についても、原則として適切な保険を付保する予定です。しかし、運用不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが行われず若しくは遅延する可能性は否定できません。
(s)有害物質に係るリスク
運用不動産として取得した土地に産業廃棄物、ダイオキシン等の有害物質が埋蔵あるいは含有されている場合、又はその利用する地下水に有害物質が含まれている場合(現在及び将来においてこれらの事実の可能性がある場合、並びに過去においてこれらの事実があった場合を含みます。)には、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性あるいは当該運用不動産の売却に困難をきたす可能性があります。また、かかる有害物質を除去等するために土壌の入れ替え又は洗浄が必要となる等、予想外の費用及び時間が必要となる可能性があります。この点に関連して、土壌汚染等について、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により土壌汚染の対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とするものと定められております。同法に規定する特定有害物質に係る一定の施設を設置していた場合、あるいは土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生じる可能性があると認められる場合には、その土地の所有者、管理者、占有者等は、かかる汚染の状況について調査報告を命じられることがあり、さらに、当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他必要な措置を講じるよう命じられることがあります。このような場合には、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があります。かかる負担について、本投資法人はその原因となった者に対し費用の償還を請求できることがありますが、かかる請求によっても本投資法人の損害を回復することができない可能性があります。その結果、本投資法人ひいては投資主が損害を受ける可能性があります。
また、運用不動産として取得した建物につき、その建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されている又は使用されている可能性がある場合、PCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性あるいは当該運用不動産の売却に困難をきたす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的な交換、あるいはかかる有害物質の保管・撤去等が必要となって、予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。有価証券報告書提出日現在、アスベストを使用している若しくは使用している可能性のある建物又はPCBを保管している建物が、運用不動産に含まれております。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、運用不動産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(t)運用不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 /(1)投資方針 / ② 基本方針に基づく運用方針の細目/ (イ) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、運用不動産が不動産市況によって一定の用途又は地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、市況の低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、テナント獲得に際し、賃貸市場において他の賃貸人と競合することにより、結果として賃料収入が減少し、本投資法人の収益に影響を与える可能性があり得ます。
また、一般に、総資産額に占める個別の運用不動産の割合は、総資産額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、総資産額に占める割合が大きい運用不動産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
有価証券報告書提出日現在、本投資法人の所有する運用不動産は、その多くの部分がオフィス向けの用途として東京23区内及び東京周辺都市部に集中しておりますが、特に東京23区内のオフィススペースの供給増加等により同区内におけるテナントの賃料水準又は運用不動産の稼働率が低下した場合には、運用不動産の同地域への偏在は本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(u)テナントの集中に関するリスク
運用不動産のテナント数が少ない場合ほど、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響をより受けやすくなります。すなわち、このような場合においてテナントが退去した場合には、空室率の上昇はより顕著なものとなるうえ、退去したテナントの賃貸面積が運用不動産に比して大きな割合を占めるほど、新たなテナントを決定して空室率を回復させることがより困難となることがあり、特にその決定までの期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、テナントが倒産した場合には、双方未履行の双務契約としてテナントの管財人が解除権を行使し、敷金あるいは保証金の返還を求めてくる可能性があります。この場合の解除権の行使は特に法律で認められたものであるため、解除に伴い本投資法人が違約金を取得できる旨の契約条項が存在する場合であっても、本投資法人は違約金を取得できない可能性があります。特に、当該テナントの賃料が相対的に多額である場合は、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(v)売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、不動産又は不動産信託受益権を売却した後に売主が倒産手続を開始した場合には、当該不動産又は不動産信託受益権の売買又は売買についての対抗要件の具備が、当該売主の管財人により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産又は不動産信託受益権を売却した場合には、当該不動産又は不動産信託受益権の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格づけることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人ないし財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては、深刻な問題となり得ます。
なお、本投資法人に対して、取得予定資産を含む運用不動産(当該不動産に関する不動産信託受益権を含みます。)を譲渡した前所有者(前信託受益者を含みます。)が、運用不動産(運用不動産に関する不動産信託受益権を含みます。)をその前々所有者から購入した当時の当該前々所有者の財産状態の健全性について、本投資法人は調査を行っておりません。前々所有者の倒産等の場合には、一定の条件のもとで、前々所有者と前所有者との間の取引に係る否認の効力が転得者にも及ぼされることがあります(破産法第170条、会社更生法第93条、民事再生法第134条)。したがって、かかる前々所有者を含む売主等の倒産の場合には、本投資法人が否認の効力を主張され、又は詐害行為取消権の行使を受けることにより、運用不動産又は当該不動産に関する不動産信託受益権の所有権を失う等、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
(w)取得予定資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
本投資法人は、現在保有する資産のみを投資対象とする投資法人ではなく、上場以来、その資産ポートフォリオの拡大(外部成長ということがあります。)や質の向上(内部成長ということがあります。)を目指し、中長期的な安定運用を目指して日々活動を行っており、有価証券報告書提出日現在も、常に新たな資産取得に向けた市場調査や物件売却情報の入手に努め、また、潜在的な売主又は買主や関係権利者との間での物件取得又は譲渡に向けたその他の検討や交渉等も行いつつあります。従って、本投資法人は、今後、本書記載以外の新たな資産の取得を決定し、あるいは物件の売却や交換の他、新たな資産取得又は譲渡に向けたその他の手法を採択する可能性があります。また、新たな資産取得の取得原資として、投資法人債の手取金や売却物件の売却代金が充てられることがあります。かかる決定がなされた場合には、引き続き適時開示に努めます。従って、かかる資産取得又は譲渡の決定は、本書提出から間もない時点で公表される場合があります。
また、本投資法人が物件の取得を決定し公表した後にも、受渡期日までの間に、譲渡契約で定める停止条件等が成就しない場合や、売主側で合意を遵守できない場合等の他、経済環境が著しく変化する等の事由により、かかる取得を予定する資産を予定どおり取得できず、又は受渡しが遅延し、それらの結果、本投資法人が予定する収益を上げることができず、結果として投資主に損害が生じる場合があります。
その他、本投資法人は、取得を予定する資産を取得できない場合には代替的な資産取得を検討しますが、投資に適した物件を速やかに取得できるとは限らず、そのため本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
なお、本投資法人は、いわゆるフォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1箇月以上経過した後に決済及び物件引渡しを行うものとしているものその他これに類する契約をいいます。)により、又は先日付の買付け意向表明等を行ったうえで、運用不動産の取得を行う場合があります。
これらの場合において、契約締結又は買付け意向表明等を行った後、運用不動産の取得を中止することを決定したときは、当該フォワード・コミットメント等若しくは買付け意向表明等に定められた解約条件により、又はかかる解約条件が定められていない場合であっても、当該取得の中止が債務不履行を構成することにより、運用不動産の売主等から解約金の支払いその他の損害賠償の請求がなされる可能性があります。そして、かかる支払いその他の損害賠償を余儀なくされた場合には、結果として本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
かかる支払いその他の損害賠償に伴い、本投資法人の収益、財務状況についてどの程度の悪影響が生じるかは、個々のフォワード・コミットメント等又は買付け意向表明等に定められた解約条件により異なりますが、例として、次に掲げるような解約条件(これらが併合して適用される場合を含みます。)又はこれらに類する解約条件(次に掲げる条件又はこれらに類する条件よりも本投資法人にとって過大な負担が生じる場合等もあります。)が定められる場合があります。また、運用不動産の売主の意向等により、運用不動産ごと個別の解約条件を開示することができない場合があります。
a)手付金、内金(売買代金の一部をいいます。)その他のあらかじめ売主等に預託され、あるいは支払われた金員を没収する旨
b)運用不動産の売主等に生じた一切の損害等(間接的あるいは特別の事情により生じた損害及び得べかりし利益を含みます。)を賠償する旨
c)運用不動産の売買代金等を基準として算定される違約金を支払う旨
d)あらかじめ一定の額が明示された違約金を支払う旨
e)違約金の支払いの遅延に係る損害金を支払う旨
(x)未稼働物件(開発物件を含む)の取得に関するリスク
本投資法人は、原則として、取得時点において既に賃貸されている不動産に投資を行いますが、本投資法人の規約又は本資産運用会社の内規である運用管理規程に定める投資方針に従って、竣工後に不動産や不動産信託受益権を取得するために、予め開発段階で当該不動産等の売買契約等を締結する場合があります。かかる場合、既に稼働中の物件につき売買契約を締結して取得する場合と比較して、a)開発途中において、地中障害物、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見され、これらが開発の遅延、変更又は中止の原因となる可能性、b)工事請負業者の倒産又は請負契約の不履行により、開発が遅延、変更又は中止される可能性、c)開発コストが当初の計画を大きく上回る可能性、d)天災地変により開発が遅延、変更又は中止される可能性、e)行政上の許認可手続により開発が遅延、変更又は中止される可能性、f)開発過程において事故が生じる可能性、g)竣工後のテナントの確保が当初の期待を下回り、見込みどおりの賃貸事業収入を得られない可能性、h)その他予期せぬ事情により開発が遅延、変更又は中止される可能性等の固有のリスクがあります。これらの結果、開発中の物件から得られる予定の収益が本投資法人の予想を大きく下回る可能性がある他、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、予定されていない費用、損害又は損失を本投資法人が被る可能性があり、そのため本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(y)オフィス・物流施設・商業施設・住宅以外の用途の不動産への投資に関するリスク
本資産運用会社は運用管理規程において、その投資の一部に限り、オフィス・物流施設・商業施設・住宅以外の用途の不動産(ホテルや老人介護施設等を含みます。)についても投資対象とすることを定めております。これは用途分散によるリスク低減を図った総合型ポートフォリオの構築を目指すものです。
しかし、取引参加者が比較的多く、また取引慣行・投資指標等がある程度確立された市場で取引されるオフィス、物流施設、商業施設、住宅といった不動産に比べて、それ以外の用途の不動産は、当該不動産に係る市場環境、これらを取り巻く経済環境あるいは関連法令等の変更による影響をより強く受ける可能性があります。
また、特殊性の高い用途である不動産の場合には、他の用途への転用が困難であったり、資産の利用面での汎用性が低いものがあります。あるいは土壌汚染の影響を受ける可能性が高い地域に立地することがあるほか、賃借人(テナントやホテル・老人介護施設等のオペレーター)となりうる市場参加者の層が限定されているため、将来における賃借人(テナントやホテル・老人介護施設等のオペレーター)の代替性に欠ける可能性がありますし、バックアップオペレーターを予め用意できない場合があります。したがって、このような不動産への投資を行うことにより、本投資法人が予想外の損失等を被る可能性があります。
さらに、老人介護施設等の場合には、業法規制・ノウハウ・財務体質等の各種要請から、オペレーターに関連する情報が投資判断の指標となりますが、オペレーターに関連する情報の開示について同意を得られずに、開示ができない場合があります。かかる場合、本投資法人の資産運用及びその業績に悪影響を与える情報が開示されない可能性は否定できません。
また、老人介護施設等に関連する法令、ガイドラインの改正や介護保険等の制度改正等が老人介護施設等の運営や競争環境に影響を及ぼし、本投資法人が保有する施設の収益に影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(z)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却した場合には、運用不動産に物的又は法的な瑕疵があるために、法令の規定に従い、瑕疵担保責任を負担する可能性があります。特に、本投資法人は宅建業法上のみなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、本投資法人の瑕疵担保責任に関するリスクを排除できない場合があります。また、法令の規定以外にも、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や瑕疵担保責任を負う可能性があります。
これらの法令上又は契約上の表明保証責任や瑕疵担保責任を負担する場合には、買主から売買契約を解除され、あるいは買主が被った損害の補償をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、新たな所有者が賃借人に対する敷金等の返還債務を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新たな所有者とともに当該債務を負担するものと解される可能性があります。したがって、本投資法人が運用不動産を売却する場合には、このように予想外の債務又は義務等を負う可能性があります。
④ 信託の受益権特有のリスク
本投資法人は、不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得することがありますので、不動産特有のリスクに加え、以下のような信託の受益権特有のリスクを負います。
なお、平成19年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号。以下「新信託法」といいます。)と、新信託法施行と同時に廃止された信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含み、以下「旧信託法」といいます。)については、信託契約に別段の定めがない限り、平成19年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)第2条)。
(a)信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受する者ですが、他方で、旧信託法の下では、信託財産に関する租税、信託受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に信託受益者が負担することになっております(旧信託法第36条第2項)。したがって、本投資法人が不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンス(詳細な調査等)を実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、信託受託者を被保険者とする損害保険を付保する等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の措置を講じたうえで取得する必要があるほか、一旦不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになります。
また、信託受託者は、信託事務の遂行に関して被った損害につき、信託財産から支弁を受け又は受益者にその賠償を請求することができます。信託受託者は、かかる信託費用支払いの担保として信託財産を留置することができるほか、信託費用が支払われない場合には、信託財産である不動産を売却することができます。このため、信託財産からの支弁又は受益者に対する請求がなされた場合には、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。新信託法の下では、旧信託法第36条第2項が廃止され、原則として信託受益者がこのような責任を負うことはなくなりましたが、信託受益者と信託受託者の間で信託費用等に関し別途の合意をした場合には、当該合意に従い信託受益者に対し信託受託者から信託費用等の請求がなされることがあり(新信託法第48条第5項、第54条第4項)、したがって、このような合意がなされた場合には、上記と同様に、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(b)信託の受益権の流動性リスク
本投資法人が信託の受益権を運用資産とする場合で、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既述の不動産の流動性リスクが存在します(前記「③ 不動産に関するリスク/(a)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク」をご参照ください。)。また、信託の受益権を譲渡しようとする場合には、通常の信託契約においては、信託受託者の承諾を得る必要があり、さらに、譲渡する不動産信託受益権については有価証券とみなされますが、譲渡に際しては債権譲渡と同様の譲渡方法によるため(新信託法第94条)、株券や社債券のような典型的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低いものといえます。
(c)信託受託者の破産・会社更生等に関するリスク
信託法上、信託受託者につき破産手続、民事再生手続、会社更生手続その他の倒産手続が開始された場合における信託財産の取扱いに関しては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定の趣旨あるいは信託財産の独立性という観点から、信託財産が破産財団、再生債務者又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属すると解釈される可能性は極めて小さいものと考えられていました。新信託法においては、信託財産は不動産信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。ただし、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された財産について信託の公示(信託の登記)が必要とされます。
(d)信託受託者の債務負担及び不当な行為に関するリスク
信託受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分すること、信託財産である不動産を引当てとして何らかの債務を負うこと又は信託契約に違反すること等により、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法及び新信託法は、信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めておりますが、常にかかる権利の行使により損害を回避できるとは限りません。
(e)信託の受益権の準共有に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合には、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。旧信託法の下では、所有権以外の財産権の準共有については、所有権の共有に関する規定が可能な限り準用されます(民法第264条)。新信託法の下では、信託受益者が複数の場合における意思決定の方法に関する明文規定があり(新信託法第105条以下)、不動産信託受益権が準共有されている場合にもかかる規定の適用があるものと解されるため、所有権の共有に関する民法の規定に優先して、かかる規定がまず適用されます。
旧信託法では、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有されている不動産信託受益権の変更に当たる行為には準共有者全員の合意を要し(民法第251条)、変更に当たらない管理は、準共有者の準共有持分の過半数で決定する(民法第252条)ものと考えられます。したがって、特に本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
一方、新信託法の下では、信託契約において意思決定の方法が定められていない場合には、一定の行為を除き、準共有者の全員一致によることになるものと解されます(新信託法第105条第1項本文)。この場合には、他の準共有者全員が承諾しない限り、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができないこととなります。また、信託契約において意思決定の方法が特に定められている場合であっても、当該方法が本投資法人の意向を反映するような形で定められているとは限らず、上記と同様に、信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれの下でも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の準共有者が変更される可能性があります。準共有者の間において信託契約とは別の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又はかかる処分を行おうとする準共有者に一定の手続の履践義務等を課している場合があります。これにより、本投資法人が了知しないまま他の準共有者が変動するというリスクは減少しますが、一方で、本投資法人がその準共有持分を処分する際には、逆に上記のような制約を受けることになります。
不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権及び不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は、別段の合意のない限り、準共有される財産に関する債権債務として不可分債権及び不可分債務であると一般的には解されております。したがって、他の準共有者の債権者が当該準共有者の準共有持分の割合を超えて信託交付金請求権全部を差し押さえ、又は他の準共有者が不動産信託受託者からの信託費用等の請求をその準共有持分の割合に応じて履行しない場合には、本投資法人が請求された全額を支払わざるを得なくなる可能性があります。これらの場合には、不動産が共有されている場合と同様に、本投資法人は、差し押さえられた信託交付金請求権のうち自己の準共有持分に応じた金額の支払、あるいは支払った信託費用等のうち他の準共有者の準共有持分に応じた金額の償還を、当該他の準共有者に請求することができますが、当該他の準共有者の資力の有無によっては、支払又は償還を受けることができない可能性があります。
⑤ 税制に関するリスク
(a)利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「利益配当等の損金算入要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を低減するため、利益の配当等を損金に算入することが認められております。本投資法人は、利益配当等の損金算入要件を継続して満たすよう努める予定ですが、今後、分配金支払原資の不足、本投資法人の投資主の減少、資金の調達先、多額の法人税額等の発生、法令の解釈・改正その他の要因により、利益配当等の損金算入要件を満たすことができない可能性があります((b)以下の具体的事例をご参照ください。)。損金算入要件のうち1つでも満たさない場合には、利益の配当等を損金算入することができません。この場合には本投資法人の税負担が増大し、結果として投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。なお、本投資法人における利益の配当等の損金算入の有無にかかわらず、個人投資主における配当控除又は法人投資主における受取配当金の益金不算入の適用はありません。課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い」をご参照ください。
(b)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、配当可能利益の額(会計上の税引前当期純利益に前期繰越損失、負ののれん発生益及び減損損失並びに買換特例圧縮積立金に係る一定の調整を加えた後の額(なお、平成26年4月1日以後開始事業年度における当該調整については、正ののれんの償却額に係る一定の調整が加わります。))の90%超(又は配当可能額の90%超)の分配を行わなければならないとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)については、会計上の税引前当期純利益を基礎とした配当可能利益の額と税引後当期利益を基礎とした実際の利益配当等の額の比較によりその判定を行うこととされています。減損損失及び正ののれんの償却額を要因とした法人税額が発生した場合におきましては上述のとおり、配当可能利益の額の計算上、一定の調整が行われることとされていますが、これら以外の何らかの要因によって本投資法人に多額の法人税等の課税が行われる場合には、支払配当要件を満たすことが困難となり、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(c)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分できないリスク
本投資法人において利益が生じている際の配当原資が不足する場合、借入金や資産の処分により原資を確保する可能性があります。しかし、利益配当等の損金算入要件を満たすための借入先の制限や資産処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、支払配当要件を満たせなくなる可能性があります。この場合、通常の法人と同様の法人税等の課税を受けることとなり、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(d)配当後の留保利益に対して通常の法人税等の課税が行われるリスク
利益配当前当期利益から利益配当額を控除した後の当期利益に係る課税所得に対しては、通常の法人と同様に法人税等の課税が行われます。利益の配当等の損金算入規定が適用されたとしても支払配当の金額が課税所得額の100%に相当しない場合には、投資法人として税負担が生じ、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(e)利益配当等の損金算入要件が満たされなくなることにより、次年度以降は通常の法人税率により課税が行われるリスク
本投資法人において、利益配当等の損金算入要件を満たさないこととなる場合、多額の租税債務が生じ、当該事業年度以降の利益配当等の損金算入要件へも影響を及ぼすこととなる場合があります。すなわち、会計上の租税債務の認識が次年度以降になる場合には、次年度以降も利益配当等の損金算入要件を満たすことが困難となり、通常の法人と同様に法人税等の課税を受け、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(f)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において損金算入した配当金が税務否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(g)同族会社に該当するリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、事業年度終了時に同族会社のうち一定のものに該当していないこと(発行済投資口総数又は一定の重要な事項に関する議決権の50%超が上位1位の投資主グループによって保有されていないこと)とする要件については、投資証券が市場で流通するため、一部の投資主が大株主となることにより、本投資法人の意思にかかわらず、結果としてこれを満たさなくなるリスクがあります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(h)投資口の国外募集に関するリスク
本投資法人は、規約において、本投資法人の投資口の発行価額の総額のうち、国内において募集される投資口の発行価額の占める割合は、100分の50を超えるものとすると定めており、この記載により導管性要件のうちの投資口の50%超国内募集要件を満たすこととしています。しかし、今後本投資法人が何らかの理由により国外募集による多額の投資口の発行を余儀なくされた場合において、投資口の発行価額の総額のうちに国外において募集される投資口の発行価額の占める割合が100分の50以上となるときには、上記要件を満たせないことになります。かかる場合、利益の配当等の額を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(i)機関投資家以外からの借入に係るリスク
利益配当等の損金算入要件として、借入を行う場合には機関投資家のみからこれを行うべきとされております。したがって、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入を余儀なくされた場合、上記要件を満たせないことになります。また、建設協力金、保証金、敷金又は売上預り金(主に商業施設において、賃料、共益費等を控除したうえ所定の期日に返還することを目的として、毎日の営業終了後に当該日の売上金としてテナントから預託を受ける金銭をいいます。)等の全部又は一部がテナントからの借入金の範疇に入るものと解釈された場合、上記損金算入要件を満たせないことになります。これらによって、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(j)投資主の減少に関するリスク
本投資証券の市場での売買の如何によっては、本投資法人の意思にかかわらず、利益配当等の損金算入要件のうち、事業年度終了時に投資主として機関投資家又は50人以上の者が存在することとする要件等が、結果として満たされなくなる可能性があります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(k)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、その規約における投資方針において、投資法人に係る不動産取得税及び登録免許税の軽減税制の適用を受けることを前提に、特定不動産の割合を100分の75以上とする旨を定めております。
しかし、対象不動産の用途等が税制の要件を満たさない場合等、本投資法人がかかる軽減措置の適用要件を満たすことができない場合又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合においては、軽減措置の適用を受けることができません。なお、当該投資法人に係る不動産取得税の軽減措置及び登録免許税の軽減措置は平成27年3月31日までとされております。
(l)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈が変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制が変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(m)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準委員会 平成15年10月31日 企業会計基準適用指針第6号))が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されております。減損会計とは、主として土地及び建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等の如何によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の業績は悪影響を受ける可能性があり、また、税務上は当該不動産の売却まで当該損失に係る損金を認識することができないため(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上減価償却費に相当する額を除きます。)、税務と会計の齟齬が発生することとなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
⑥ その他のリスク
(a)特定目的会社等の優先出資証券・特定社債等・貸付債権等への投融資に係るリスク
本投資法人は、その規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社又は特別目的会社(合同会社を含みます。)その他これらに類する形態の法人等(以下「特定目的会社等」と総称します。)が不動産等を主たる投資対象とすることを目的とする場合、特定目的会社等の発行する優先出資証券・特定社債等への投資を行うことがあり、あるいは、特定目的会社等向け貸付債権等の金銭債権を譲り受けることもあります。これら特定目的会社等への投融資は、通例、新規物件に係る優先交渉権の取得を目的とすると想定されますが、優先交渉権を獲得できるとの保証も、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できるとの保証もありません。また、これら特定目的会社等への投融資については、契約上、その譲渡禁止又は譲渡制限が付されることや法令上の制限に従って譲渡先が限定される等の制限を受けることがあり、その他、転売しようとしても、確立された流通市場が存在しないためその流動性は低く、売却を意図しても、適切な時期及び価格で売却することが困難な可能性があります。
また、特定目的会社の投資する不動産に係る収益が悪化した場合、当該不動産の価値が下落した場合、特定目的会社の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合又は導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券に投資した本投資法人が、当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。
また、本投資法人が保有する優先出資証券に関して、本投資法人以外に優先出資社員が存在する場合には、本投資法人の保有割合によっては、当該特定目的会社の社員総会において、優先出資社員が議決権を有する事項について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があり、また優先出資社員間の契約等において、優先出資証券の譲渡に際し、他の優先出資社員の承諾の取得、先買権又は優先交渉権の付与といった譲渡処分に関する一定の制約が課される場合があります。
(b)匿名組合出資持分への投資に係るリスク
本投資法人は、その規約に基づき、匿名組合が不動産等を主たる投資対象とすることを目的とする場合、当該匿名組合の出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が投資対象とするかかる匿名組合出資持分については、契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、また、確立された流通市場が存在しないためその流動性は低く、売却を意図しても、適切な時期及び価格で売却することが困難な可能性があります。
また、匿名組合の投資する不動産に係る収益が悪化した場合、当該不動産の価値が下落した場合、匿名組合の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合又は導管体である匿名組合において意図されない課税が生じた場合等には、当該匿名組合の出資持分に投資した本投資法人が、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。
また、匿名組合出資持分への投資は、新規物件に係る優先交渉権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(2)投資リスクに関する管理体制
本資産運用会社及び本投資法人は、本投資法人の資産運用に関し、以下のような体制により、可能な限り、本投資証券への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
① 本資産運用会社の体制
(イ)運用管理規程等の整備
Ⅰ.本資産運用会社は、運用管理規程において主に以下の諸点に関する運用方針及び不動産の管理方針を定め、これを遵守することにより、リスクの管理に努めております。
ⅰ)投資方針
ⅱ)個別の不動産の取得に関する方針
ⅲ)運用不動産の運営・譲渡に関する方針
ⅳ)関係会社等との取引に関する方針
ⅴ)運用不動産への保険付保に関する方針
ⅵ)テナントの選定に関する方針
ⅶ)資金調達及び余資運用に関する方針
ⅷ)外部管理会社の監督等、運用不動産の管理業務に関する方針
なお、運用管理規程の概要については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/② 基本方針に基づく運用方針の細目」をご参照ください。
Ⅱ.本資産運用会社は、関係会社取引規程において利益相反のおそれのある当事者間での取引等に係る方針を定め、これを遵守することにより、利益相反等に係るリスクの管理に努めております。関係会社取引規程の概要については前記「2 投資方針/(1)投資方針/④ 関係会社等との取引方針」を、関係会社等との取引の際の資産運用会社内部の手続きについては後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/⑤ 関係会社等との取引の際の手続き」をご参照ください。
Ⅲ.本資産運用会社は、社内規則を定めてその役職員によるインサイダー取引の防止に努めております。インサイダー取引の防止に係る社内規則については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/⑦ インサイダー取引の防止」をご参照ください。
(ロ)資産運用実績等の定期的把握及び意思決定手続きの明確化
本資産運用会社は、社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、継続的なリスクの把握に努めております。具体的には、投資運用部長は、運用資産に係る運営管理業務の実績を毎月リスク・コンプライアンス委員会に報告し、財務経理部長は、運用資産のポートフォリオの状況を、6箇月毎にリスク・コンプライアンス委員会に報告します。
また、本資産運用会社は、運用管理規程の変更あるいは不動産等の取得・処分等を実施するにあたり、運用及び管理に関する種々の決定事項の重要性に応じ、リスク・コンプライアンス委員会における審議を経て社長の決裁を要求する、あるいは取締役会において決議を得る等の意思決定手続きを明確化し、運用及び管理に係るリスクを管理しております。
本資産運用会社の組織及び業務分掌体制並びに意思決定手続きについては、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/① 組織」、「同/② 業務分掌体制」及び「同/③ 意思決定手続き」をご参照ください。
(ハ)リスク管理及びコンプライアンス体制の整備
本資産運用会社は、リスク管理及びコンプライアンスを統括する部門としてリスク・コンプライアンス部を設置しております。また、社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、役職員による法令等の遵守を図っております。本資産運用会社のコンプライアンス手続きについては、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/④ コンプライアンス手続き」をご参照ください。
② 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に従って3箇月に1回以上の頻度で役員会を開催し、執行役員から定期的に業務執行状況の報告を受けるほか、本資産運用会社の関係会社等との一定の取引については本投資法人の役員会の事前承認を要することとして、利益相反等に係るリスクの管理に努めております。
以下には、本投資証券又は本投資法人債への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。ただし、以下は本投資証券又は本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。以下における不動産に関する記述は、不動産信託受益権その他の資産についてもほぼ同様に該当しますが、資産としての種類の相違に応じて追加的に発生するリスクもあります。また、本書に記載の事項には、特に本投資法人及び本資産運用会社の目標及び意図を含め、将来に関する事項が存在しますが、別段の記載のない限り、これらの事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であって、不確実性を内在するため、実際の結果と異なる可能性があります。また、個々の運用不動産に特有のリスクについては、前記「 1 投資法人の概況 / (1)主要な経営指標等の推移 / ② 事業の状況 / (ロ)その他」及び後記「5 運用状況 /(2)投資資産 / ③ その他投資資産の主要なもの / Ⅰ.投資不動産の内容 / (ト)不動産の概要」をご参照ください。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分なものであるとの保証はありません。
なお、記載されたリスクのうち、将来に関する事項については、本書の日付現在において本投資法人が判断したものです。
| 以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資法人の財務内容が悪化し、分配金の額が低下し、あるいは本投資証券の市場価格が下落する可能性があり、その結果として、投資主又は本投資法人債権者は、投資した金額の全部又は一部を回収できなくなる可能性があります。 各投資家は、自らの責任において、本項及び本書の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで、本投資証券又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。 |
本項に記載されているリスク項目は以下のとおりです。
① 一般的なリスク
(a)投資口・投資証券の商品性に関するリスク
(b)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
(c)本投資証券の流動性に関するリスク
(d)本投資証券の価格変動に関するリスク
(e)投資口の希薄化に関するリスク
(f)投資口の売却に関するリスク
(g)金銭の分配に関するリスク
(h)借入等比率に関するリスク
(i)役員の職務遂行に係るリスク
(j)投資法人の法律上、税制上その他諸制度上の取扱い及び解釈に関するリスク
(k)本投資法人の登録が取消されるリスク
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(a)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
(b)借入及び投資法人債に関するリスク
(c)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
(d)本資産運用会社に関するリスク
(e)不動産管理会社に関するリスク
(f)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
(g)運用不動産の取得方法に関するリスク
(h)インサイダー取引規制等に関するリスク
(i)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
③ 不動産に関するリスク
(a)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
(b)物件取得の競争に関するリスク
(c)テナントの獲得競争に関するリスク
(d)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
(e)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(f)法令等の変更に関するリスク
(g)区分所有物件に関するリスク
(h)共有物件に関するリスク
(i)借地物件・底地物件に関するリスク
(j)専門家報告書等に関するリスク
(k)わが国における建物賃貸借契約に関するリスク
(l)賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク
(m)不動産の運用費用の増加に関するリスク
(n)テナントの建物使用態様に関するリスク
(o)不動産の毀損等に関するリスク
(p)火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故に関するリスク
(q)地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等に関するリスク
(r)不動産に係る所有者責任に関するリスク
(s)有害物質に係るリスク
(t)運用不動産の偏在に関するリスク
(u)テナントの集中に関するリスク
(v)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(w)取得予定資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
(x)未稼働物件(開発物件を含む)の取得に関するリスク
(y)オフィス・物流施設・商業施設・住宅以外の用途の不動産への投資に関するリスク
(z)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
④ 信託の受益権特有のリスク
(a)信託受益者として負うリスク
(b)信託の受益権の流動性リスク
(c)信託受託者の破産・会社更生等に関するリスク
(d)信託受託者の債務負担及び不当な行為に関するリスク
(e)信託の受益権の準共有に関するリスク
⑤ 税制に関するリスク
(a)利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
(b)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
(c)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分できないリスク
(d)配当後の留保利益に対して通常の法人税等の課税が行われるリスク
(e)利益配当等の損金算入要件が満たされなくなることにより、次年度以降は通常の法人税率により課税が行われるリスク
(f)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
(g)同族会社に該当するリスク
(h)投資口の国外募集に関するリスク
(i)機関投資家以外からの借入に係るリスク
(j)投資主の減少に関するリスク
(k)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(l)一般的な税制の変更に関するリスク
(m)減損会計の適用に関するリスク
⑥ その他のリスク
(a)特定目的会社等の優先出資証券・特定社債等・貸付債権等への投融資に係るリスク
(b)匿名組合出資持分への投資に係るリスク
① 一般的なリスク
(a)投資口・投資証券の商品性に関するリスク
投資口ないし投資証券は、株式会社における株式ないし株券に類似する性質(いわゆるエクイティ証券としての性質)を有しているため、投資金額の回収あるいは利回りは本投資法人の業務又は財産の状況に影響され、また譲渡による換価時に投資金額以上の回収を図ることが可能であるか否かは定かではありません。また、本投資法人に係る通常の清算又は倒産手続きの下における清算においては、エクイティ証券として最劣後の地位となり、投資額の全部又は一部の支払が行われない可能性があります。投資証券は、投資額が保証される商品ではなく、金融機関の預金と異なり預金保険等の対象になっておりません。
(b)本投資証券の払戻しがないことに関するリスク
本投資法人は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。したがって、投資主が本投資証券を換価する手段は、投資主総会での決議に基づき本投資法人が解散し清算された場合の残余財産分配請求権等を除き、第三者に対する売却(東京証券取引所を通じた売却を含みます。)に限られます。本投資証券の第三者に対する売却が困難又は不可能となった場合、投資主は、本投資証券を希望する時期及び条件で換価できない可能性が極めて高まります。
(c)本投資証券の流動性に関するリスク
本投資証券は東京証券取引所の不動産投資信託証券市場に上場されております。ただし、本投資証券の流動性を将来にわたって予測することは困難であり、本投資証券を投資主の希望する時期及び条件で取引できることは保証されていないため、東京証券取引所における売却に際しても、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で売却せざるを得ない場合あるいは本投資証券の売却自体が不可能な場合があります。
また、本投資法人の総資産額が減少した場合、本投資証券の売買高が減少した場合、東京証券取引所の上場規程ないし規則等に定める一定の上場廃止基準に抵触した場合等には、本投資証券の上場が廃止される可能性があります。上場廃止後は本投資証券を東京証券取引所にて売却することは不可能となり、投資主の換価手段が大きく制限されることとなります。
上記に加えて、我が国における不動産投資信託は、平成13年9月から東京証券取引所での取引が開始されたものであり相対的に歴史が浅く、したがって有価証券報告書提出日現在、不動産投資信託の将来の市場規模を予測することは困難であり、また不動産投資信託の上場市場の存続も保証されておりません。
(d)本投資証券の価格変動に関するリスク
本投資証券の市場価格は、取引所における需給関係や不動産関連資産への投資の動向、他の資産への投資との比較、金利情勢、経済情勢等、市場を取り巻く様々な要因の影響を受けます。
本投資法人は、不動産及び不動産信託受益権を主な投資対象としておりますが、不動産の価格及び不動産信託受益権の価格は、不動産市況、社会情勢等の要因を理由として変動します。さらに、不動産の流動性は一般的に低いため、望ましい時期及び価格で不動産を売却することができない可能性があり、そのために実際の売却時までに価格が下落する可能性等もあります。これらの要因により本投資法人の保有する資産の価値が下落すれば、本投資証券の市場価格の下落をもたらす可能性があります。
本投資法人若しくは本資産運用会社又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁による行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資証券の市場価格が下落することがあります。
また、東京証券取引所の不動産投資信託証券市場の将来的な規模及び同市場における流動性の不確実性、法制や税制の変更等が本投資証券の価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
(e)投資口の希薄化に関するリスク
本投資法人は、資産の取得若しくは修繕等の本投資法人の運営に要する資金又は債務の返済(敷金・保証金並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを随時必要としております。本投資法人は、規約及び投信法に従い、その事業遂行のために必要に応じて規約で定める範囲内(本投資法人の場合は1,000万口)において、投資法人の保有する資産の内容に照らし公正な金額(投信法第82条第6項)で投資口を随時追加発行する予定です。投資口が追加発行された場合、既存の投資主が有する投資口の本投資法人の発行済投資口数に対する割合は、当該追加発行において所要の口数を追加的に取得しない限り、希薄化することとなります。また、期中において追加発行された投資口に対して、その期の保有期間にかかわらず、既存の投資主が有する投資口と同額の金銭の分配を行うことがあり、これによって既存の投資主が有する投資口への分配額に影響を与える可能性があります。さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産額が影響を受けることがあります。また、市場における投資口の需給バランスに影響を与えることもあるため、その結果、本投資証券の市場価格が悪影響を受ける可能性があります。
それらの結果、本投資証券の投資主は市場価格の変動により、当初の投資額を下回る金額しか回収できない可能性があります。
(f)投資口の売却に関するリスク
前記「1 投資法人の概況 /(6)主要な投資主の状況」に記載の本投資法人の主要な投資主を含む全ての投資主は、その保有する投資口を市場その他で自由に売却することが可能であり、そのために多数の投資口が売却された場合には、本投資証券の市場価格が低下する可能性があります。
(g)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 /(3)分配方針」に記載の分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払は、いかなる場合においても保証されるものではありません。
(h)借入等比率に関するリスク
本投資法人の借入等比率の上限は、本資産運用会社の運用管理規程により70%とされておりますが、資産の取得等に伴い一時的に70%を超過することがあります。一般的に、借入等比率が上昇するほど、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果投資主への分配額が減少する可能性があります。なお、借入等比率とは、本投資法人の資産総額(後記「第二部 投資法人の詳細情報 / 第3 管理及び運営 / 1 資産管理等の概要 /(1)資産の評価 / ③ 公正なる価額」に記載する評価方法に従って評価した場合の資産総額をいいます。)から現預金を控除した金額に対し、借入額、投資法人債発行残高及び本投資法人がテナントから受け入れた敷金又は保証金等の預り金から現預金を控除した金額の占める割合をいいます。
(i)役員の職務遂行に係るリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し、投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っております(投信法第109条第5項、第111条第3項、会社法第355条)。しかし、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行い、結果として投資主が損害を受ける可能性があります。なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況 /(4)投資法人の機構 / ① 投資法人の統治に関する事項 /(ロ)執行役員、監督役員及び役員会」をご参照ください。
(j)投資法人の法律上、税制上その他諸制度上の取扱い及び解釈に関するリスク
不動産又は不動産信託受益権等を主な運用対象とする投資法人の設立は、投信法並びに政令及び規則の改正により平成12年11月以降可能になりました。しかし、今後、投資法人に関する法律上、税制上その他諸制度上の取扱い若しくは解釈が大幅に変更され又は新たな法律が制定され、それに伴い、本投資法人の現在の運用方針、運営形態等の変更が必要となる可能性があります。その結果、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(k)本投資法人の登録が取消されるリスク
本投資法人は、投信法に基づき投資法人としての登録を受けており、将来にわたりこれを維持する方針ですが、一定の事由が発生した場合には、その登録を取消される可能性があります(投信法第216条)。この場合においては、本投資証券の上場が廃止されるとともに、本投資法人は解散すべきものとされ、清算手続きに入ることになります。
② 商品設計及び関係者に関するリスク
(a)収入及び費用、キャッシュ・フローの変動に関するリスク
本投資法人の収益は、主として運用不動産からの賃料収入に依存しております。運用不動産に係る賃料収入は、運用不動産の稼働率の低下、賃料水準の低下(賃料水準に関しては、後記「③ 不動産に関するリスク / (k)わが国における建物賃貸借契約に関するリスク」及び「同 / (l)賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク」も併せてご参照ください。)、賃借人・テナントによる賃料の支払債務の不履行・遅延等により、大きく減少する可能性があります。また、賃借人・テナントの入居時及びその後の支払能力ないし信用状態は一様ではありません。
本投資法人は、本資産運用会社を通じて、支払能力が高く信用状態の良好な賃借人・テナントを確保すべく努力しますが、その目的が常に達成されるとは限りません。また、一旦、このような良質のテナントを確保しても、当該テナントが永続的に本投資法人の保有する運用資産を賃借し続けるとの保証もありません。
なお、本投資法人の運用資産に係る賃貸借契約の中には、それが転貸され、賃料収入の確保につき実質的にエンドテナント(最終的な利用者ないし転借人)の支払能力に依存しているものがあり、かかる場合には、本投資法人は賃借人とエンドテナントの二重の信用リスクを負っていることとなります。
たとえば、本投資法人がその所有権等を取得する以前に、賃借人が前所有者からこれを賃借したうえでエンドテナントに転貸していた不動産(決算日以降に取得したものを含みます。)について、本投資法人がこれを取得し、同時に賃借人とエンドテナントとの間の転貸借契約における賃借人の貸主としての地位を承継しようとする際、一部のエンドテナントが当該地位の承継について承諾しなかった場合には(かかる場合におけるエンドテナントを、以下「未承諾テナント」と総称します。)、かかる未承諾テナントから当該承諾を得るまでの間について、本投資法人は賃借人に不動産を賃貸し、これを賃借人が未承諾テナントに対して転貸していることとなりますが、本投資法人と賃借人との間の賃貸借契約において、あくまで本投資法人が各未承諾テナントに直接に賃貸している場合と同様の経済状態に置くこととするために、本投資法人と賃借人との合意により、①賃料、共益費及び管理費等の金額、賃貸借期間その他の賃貸借条件を賃借人と未承諾テナントとの転貸借条件と同一にし、未承諾テナントから賃借人への賃料等の支払後、賃借人が本投資法人に賃料等を支払うこと、②賃借人は本投資法人に対して敷金、保証金等相当額を差し入れないものとすること等の対応を実施している場合があります。したがって、かかる対応においては、本投資法人は、賃借人による賃料不払い等のリスクのほか、未承諾テナントによる賃料不払いのリスクを負担していることとなります。その他、転貸に関するリスクは、「③ 不動産に関するリスク / (l) 賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク」及び「③ 不動産に関するリスク / (n) テナントの建物使用態様に関するリスク」をご参照ください。
また、上記収入の減少だけでなく、退去するテナントへの敷金・保証金の返還、資本的支出、未稼働運用不動産の取得等は、キャッシュ・フローを減ずる効果をもたらし、その結果、資金繰りの悪化が生ずる等、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
賃料収入のほか、運用不動産の売却に伴い収入が発生する可能性がありますが、運用不動産の売却に伴う収入は、恒常的に発生するものではなく、本投資法人の運用方針、不動産市場の環境等に左右されるものであり、安定的に得られる性質のものではありません。
他方、運用不動産に関する費用としては、減価償却費、運用不動産に関して課される公租公課、運用不動産に関して付保された保険の保険料、管理組合費、水道光熱費、不動産管理費用、清掃衛生業務、保安警備業務及び設備管理業務等の建物管理業務に係る費用、維持修繕費用、建物所有者において負担を余儀なくされる原状回復費、借地借家料、テナント誘致費用(媒介手数料、広告料等)等があります。かかる費用の額は状況により増大する可能性があります(費用の増加リスクに関しては、後記「③ 不動産に関するリスク / (m)不動産の運用費用の増加に関するリスク」も併せてご参照ください。)。
このように、運用不動産からの収入が減少する可能性がある一方で、運用不動産に関する費用が増大する可能性があり、これら双方又はいずれか一方の事由が生じた場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(b)借入及び投資法人債に関するリスク
本投資法人は、本書記載の投資方針に従い、機関投資家からの借入及び投資法人債の発行による資金調達を継続的に行います。本投資法人は規約において、その限度額を、借入については1兆円、投資法人債については1兆円とし、かつ、その限度額が合計して1兆円を超えないものとしております(規約第40条)。
借入及び投資法人債の発行の可能性及び条件は、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後、本投資法人の希望する時期及び条件により借入及び投資法人債の発行を行うことができるという保証はなく、また、金利と本投資法人の受け取る賃料収入等とは必ずしも連動して上昇する関係にはないため、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、既存の借入の返済期限が到来した場合の借換は、金融情勢の混乱、信用収縮等により同一の借入先からほぼ同一の条件にて借入を行うことができない可能性があります。また、金利、財務制限条項等の面で従来より不利な条件にて借入を行う可能性があります。
また、本投資法人の信用格付の格下げあるいは見通しの変更が行われた場合には、本投資法人の希望する時期及び条件により借入及び投資法人債の発行を行うことができず、その結果、借入コストが上昇する等、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
利益配当の損金算入要件のうち、投資法人による借入金の借入先を機関投資家に限定するという税法上の要件により、本投資法人が資金調達を行うに際して、借入先が限定され資金調達が機動的に行えない場合があります。そして、追加の借入を行おうとする際には、担保提供等の条件について制約が課され、本投資法人が希望する条件での借入ができなくなる可能性もあります。
本投資法人が借入又は投資法人債の発行を行う場合において、借入金比率に応じて投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられ、あるいは修繕費用、預り金等に対応した現金の積立てを強制される場合があり、また物件の取得に一定の制約が課され、規約等の変更が制限される場合もあります。このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらすほか、このような制約により投資主への金銭の分配が制限され、利益配当等の損金算入要件(後記「⑤ 税制に関するリスク / (a)利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク」をご参照ください。)を満たせなくなる等、投資主への金銭の分配に重大な悪影響を及ぼす場合があります。なお、有価証券報告書提出日現在、本投資法人が借入先金融機関との間で締結するローン契約及び本投資法人の投資法人債とも、すべて無担保ですが、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持することを定める等の財務制限条項が設けられています。
借入又は投資法人債の発行において運用不動産に担保を設定した場合には(当初は無担保の借入又は投資法人債であっても、一定の条件のもとに担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された運用不動産の売却を希望したとしても、担保の解除手続きその他の事情により、希望どおりの時期に売却できない又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により担保不動産の評価額が借入先によって引き下げられた場合あるいは他の借入を行う場合等、一定の条件のもとに運用不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、担保不動産から生じるキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先から借入金の期限前返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換資金を調達せざるを得なくなったり、借入先より担保不動産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件により運用不動産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
借換、運用不動産の売却等によって借入金の期限前返済を行おうとする場合には、違約金等がその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動により本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、本投資法人のキャッシュ・フローの減少、金利情勢の変動その他の理由により、運用不動産を処分しなければ借入の返済及び投資法人債の償還ができなくなる可能性があります。この場合においては、本投資法人の希望しない時期及び条件により運用不動産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人が借入又は投資法人債について債務不履行となった場合には、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分、差押え等の強制執行等が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産等の倒産手続きの申立が行われる可能性があります。
(c)本投資法人以外の関係者への依存に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に委託しております。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためには、これらの者の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基礎等を必ずしも継続的に維持できるとの保証はありません。本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者は、委託を受けた業務の執行につき金商法及び投信法に基づく善管注意義務及び忠実義務を負っておりますが、これらの者による業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続、収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、一定の場合には、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約又は解除されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者への委託が必須のものとされているため(投信法第117条、第198条、第208条)、委託契約が解約又は解除された場合には、本投資法人は新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を選任する必要があります。しかし、新たな資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者を速やかに選任できるとの保証はなく、これにより本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があるほか、場合によっては本投資証券が上場廃止になる可能性もあります。さらに、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社が、破産等により金商法における登録あるいは業務執行能力を喪失する場合には、新たな資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託会社への委託が必要となり、上記と同様のリスクがあります。
上記に加えて、本資産運用会社は、オリックスグループとの協働関係(ORIXシナジー)を強化し、本投資法人のさらなる安定した収益の確保と運用資産の成長を目指すべく、オリックスグループであるオリックス株式会社、オリックス不動産株式会社及びオリックス・エム・アイ・シー株式会社(以下併せて「スポンサー」といいます。)との間でスポンサー・サポート契約を締結しています。これにより、本投資法人や本資産運用会社は、オリックスグループとの間により密接な関係を持つことになるため、その成果につきオリックスグループの影響を受けやすくなることが想定されます。また、上記スポンサー・サポート契約が更新されない、あるいは解除される等の事由が生じた場合には、これによりオリックスグループからノウハウ等の移転等を受けられなくなる可能性があり、このような場合には、本投資法人の資産運用に悪影響を与える可能性があります。さらに、スポンサーによる助言によって本投資法人の資産運用につき一定の成果が上がるとの保証はありません。
(d)本資産運用会社に関するリスク
本投資法人が適切な運用資産を確保するためには、特に本資産運用会社の能力、経験及びノウハウに拠るところが大きいと考えられますが、本資産運用会社において、かかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が常に維持されるとの保証はありません。
また、資産運用会社となるためには金商法上の投資運用業の登録を行う必要があるほか、金融庁等の監督官庁から投信法及び金商法に基づく監督を受けることとなるため、その信用力の維持には一定限度の制度的な裏付けがありますが、投信法及び金商法はその運用能力まで保証するものではありません。本資産運用会社に対して、監督官庁により資産運用会社としての登録の取消しを含む処分等がなされた場合には、本投資法人の資産運用業務にも影響が生じ、結果として投資主に損害を与える可能性があります。
本投資法人は、投資主総会の承認を得て、本資産運用会社との資産運用委託契約を解約することができます。また、本投資法人は、投信法及び資産運用委託契約の規定に基づいて、本資産運用会社が職務上の義務に違反した場合その他一定の場合に、本資産運用会社との資産運用委託契約を解約又は解除することができるほか、本資産運用会社が金商法上の金融商品取引業者でなくなったときその他一定の場合には、本資産運用会社との資産運用委託契約を解約又は解除しなければならないとされております。本資産運用会社との資産運用委託契約が解約又は解除された場合について、現在の本資産運用会社との資産運用委託契約においては一定の手当てがなされておりますが、一般的には上記(c)に記載のリスクがあてはまります。また、資産運用会社の変更は、本投資法人が借入金債務及び投資法人債について有する期限の利益の喪失事由となる可能性があります。
(e)不動産管理会社に関するリスク
本資産運用会社は、主たる不動産管理会社として、原則として本投資法人の運用不動産(住宅の用に供する部分を除きます。)につき、不動産管理業務を受託します。主たる不動産管理会社としての本資産運用会社は、一棟貸し等の場合を除き、一部の管理業務を外部管理会社に再委託したうえ、外部管理会社と協働で管理を行います。また、本投資法人又は信託受託者(本投資法人が信託受益権により運用不動産を保有する場合における信託受託者をいいます。)は、清掃、保安警備等の保守管理業務を外部業者に直接委託します。
一般に、建物の保守管理を含めた不動産管理業務全般の成否は、管理会社の能力、経験、ノウハウ等によるところが大きいため、運用不動産の管理については、管理を受託する管理会社の業務遂行能力に強く依拠することになりますが、主たる不動産管理会社及び外部管理会社において、かかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。これらの者について業務の懈怠その他義務違反があった場合には、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、主たる不動産管理会社及び外部管理会社が、破産その他の法的倒産手続き等により業務執行能力を喪失する場合においては、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、これにより投資主への金銭の分配に悪影響を与える可能性があります。
(f)本投資法人の運営に関与する法人の利益相反等に関するリスク
金商法上、本資産運用会社は本投資法人のため忠実に、かつ本投資法人に対し善良な管理者の注意をもって、本投資法人の資産の運用に係る業務を遂行することが義務づけられているほか(金商法第42条)、自己又は第三者の利益を図るため本投資法人の利益を害することとなる取引を行うことを内容とした運用を行うことが明示的に禁止されております(金商法第42条の2第7号及び業府令第130条第1項第2号)。
しかしながら、本資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合には、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定をする可能性は否定できません。
また、本資産運用会社の株主、本資産運用会社の役職員の出向元企業等、本投資法人に現在関与し、又は将来関与する可能性がある法人その他投信法に定める利害関係人等に該当する法人及びその関連会社等(以下「資産運用会社関係者」といいます。)は、本資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、資産運用会社関係者は、自ら不動産投資、運用業務を行っており又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行っており又は将来行う可能性があります。そのため、第一に、本資産運用会社が、資産運用会社関係者に有利な条件で本投資法人に係る資産を取得させることにより、資産運用会社関係者の利益を図る可能性があり、第二に、本投資法人と資産運用会社関係者が特定の資産の取得若しくは処分又は特定の資産の賃貸借若しくは管理委託に関して競合する場合には、本資産運用会社が本投資法人の利益を優先せず、資産運用会社関係者又はその顧客の利益を優先し、その結果、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。
本資産運用会社は、有価証券報告書提出日現在において、オリックス株式会社の子会社であるため、オリックス株式会社は資産運用会社関係者となります。オリックス株式会社及びその関係会社等は、オフィスビルを含む不動産の開発、運営等を手掛け、賃貸物件を管理し、ゴルフ場、宿泊施設、物流施設、商業施設、住宅、有料老人ホーム及び高齢者専用賃貸住宅等を所有又は運営しているほか、不動産事業又はこれに関連する事業のための資金を融通する等しており(建設会社やディベロッパーへの不動産開発関連の貸付けを含みます。)、また自ら多くの不動産開発に関与する等広範な活動を行っております。
(g)運用不動産の取得方法に関するリスク
税制上の軽減措置に要する手続きとの関係で、本投資法人が不動産を取得するにあたり、譲渡代金支払日後直ちには当該不動産についての所有権等の移転本登記申請を行わない場合があります。この場合においては、譲渡代金支払後本登記申請までの間に、売主が当該不動産を二重譲渡し若しくは担保提供し、又は売主が倒産すること等により、本投資法人が運用不動産の完全な所有権を取得できなくなる、あるいは同時に支払済みの譲渡代金の全部又は一部につき返還を受けられなくなる等の可能性があります。なお、上記軽減措置に関する手続きには20日程度の日数を要する場合がありますが、このような場合においては、運用不動産の所有権取得時(譲渡代金支払時)から上記軽減措置に関する手続き終了時(終了後直ちに移転本登記申請を行います。)までの間は仮登記を経ることにより、本登記の順位を保全して上記のリスクを可能な限り回避する方針でおります。ただし、仮登記はそれに基づく本登記がなされるまでは順位保全効しかなく、仮登記に基づき本登記がなされる前に売主が倒産した場合等においては、本投資法人が保護されない可能性もあり、上記のリスクを完全に排除できるとは限りません。
(h)インサイダー取引規制等に関するリスク
本投資法人の上場以来、本資産運用会社及び本投資法人はそれらの内規において、本資産運用会社の役職員及び本投資法人の役員が、インサイダー情報類似の情報を知りながら、その公表前に本投資法人の投資口に係る売買等の有償の取引をしてはらならないこと等の自主規制を実施しておりました。また、平成25年6月12日に上場投資法人等の発行する投資証券へのインサイダー取引規制の導入等を定めた金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成25年法律第45号)が成立したことを踏まえ、上記の内規を改正し、本資産運用会社の役職員及び本投資法人の役員がその立場上知り得た重要事実(本資産運用会社又は本投資法人に関する情報であって、金融商品取引法第166条第2項において定義する「業務等に関する重要事実」をいい、それらに該当する情報を「インサイダー情報」といいます。)の公表前に本投資法人の投資口、新投資口予約権及び投資法人債の売買等を行うことを禁止するとともに、インサイダー情報の伝達を原則禁止としております。しかしながら、本資産運用会社の役職員又は本投資法人の役員が金商法で定めるインサイダー取引規制に違反する場合には、本投資法人及び本資産運用会社に係る情報の管理に対する信頼が揺らぎ、その結果、本投資証券の投資主に悪影響が及ぶ可能性があります。
(i)本投資法人の投資方針等の変更に関するリスク
本投資法人は、投信法の規定に従い、資産運用の対象及び方針を規約別紙1において定めており(投信法第67条第1項第7号、同法施行規則第105条第1号、規約別紙1)、本資産運用会社は、かかる規約の定めに従って本投資法人の資産の運用を行っております。しかし、実際の資産運用においては、様々な資産の特性又はその時々の市場環境若しくは経済情勢に応じた、的確かつきめ細やかな対応を余儀なくされることがあります。そのため、本資産運用会社は、その内規として「運用管理規程」を、また、当該規程の趣旨を踏まえ、本投資法人が保有する不動産関連資産の内容・状況、経済・金融情勢及び不動産市況等を総合的に勘案のうえ、投資法人の決算期ごとに、本投資法人の資産運用に係る「投資方針」を定め、資産運用において適時適切な対応を行うこととしております。
なお、規約別紙1に定める資産運用の対象及び方針の改正には投資主総会の決議を必要としますが、運用管理規程及び投資方針の変更等は、本資産運用会社の取締役会において決定されることとしているため、投資主総会の決議によらず変更されることがあります。しかし、かかる変更等により、意図したとおりの運用が成功を収めるとの保証はないため、結果的に本投資法人の資産運用及びその業績に悪影響を与える可能性は否定できず、このような場合には、本投資証券の投資主は損害を被る可能性があります。
③ 不動産に関するリスク
(a)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、特に地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、不増性、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、上記の特性の他に、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性があります。これらの特性のために、不動産は、国債・長期預金等の金融商品等に比べ、一般的に流動性が相対的に低い資産として理解されております。そして、それぞれの不動産の個別性が強いため、売買において一定の時間と費用を要し、その時間と費用の見積もりが困難であり、その結果、予想よりも多くの時間と費用が費やされ、不動産を取得若しくは売却できない可能性があり、さらに、不動産が共有物件又は区分所有物件である場合には、土地と建物が別個の所有者に属する等、権利関係の態様が単純ではないことがあり、上記の流動性等に関するリスクの影響度が高まります。
経済環境及び不動産需給関係の影響によって、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件により取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件により売却できない可能性もあります。このような場合には、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、底地物件の流動性に関するリスクは、後記「(i) 借地物件・底地物件に関するリスク / (i)-2.底地物件に関するリスク」をご参照ください。
(b)物件取得の競争に関するリスク
本投資法人は、その規約において、不動産及び不動産信託受益権を主たる投資対象として、中長期的な観点から、運用資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指して運用を行うことをその投資の基本方針としております。しかし、不動産投資信託その他のファンド、大小の投資家等による不動産投資が活発化する等の影響により、物件取得の競争が激化した場合には、物件を確保すること自体が困難となる、又は投資採算の観点から希望した価格での物件取得ができない等の事情により、本投資法人が利回りの向上、収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを実現できない可能性があります。その他、本書記載の様々なリスク及びその要因を受け、本投資法人がその投資方針に従った運用ができず、これにより本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(c)テナントの獲得競争に関するリスク
通常、運用不動産は他の不動産とのテナント獲得競争に晒されているため、競合する不動産の新築、リニューアル等の競争条件の変化あるいは競合不動産の募集賃料水準の引下げ等により、賃料引下げ、稼働率の低下等を余儀なくされ、これにより本投資法人の収益が悪化する場合があります。
(d)不動産の物的及び法的な欠陥・瑕疵に関するリスク
一般に、不動産には地盤地質、構造、材質等に関して欠陥、瑕疵等(隠れたものを含みます。)が存在している可能性があります。また、適用される法令上の規制、周辺の土地利用状況等にも、不動産の瑕疵あるいは欠陥となる可能性となるものが含まれております。そこで、本資産運用会社が不動産又は不動産信託受益権の選定・取得の判断を行うにあたっては、対象となる不動産及び信託財産である不動産について、利害関係のない第三者である専門業者(建設会社等)からエンジニアリングレポート等を取得し、かつ、原則として当該不動産又は不動産信託受益権の売主から売買契約等において譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得するとともに、一定の瑕疵担保責任を負担させることとしております。
エンジニアリングレポート等には、建物等に関する専門家が設計図書等の確認、現況の目視調査及び施設管理者への聴き取りを行うこと等により、現在又は将来発生することが予想される建物の不具合、必要と考えられる修繕又は更新工事の抽出及びこれらに要する概算費用、再調達価格の算出、建物の耐震性能及び地震による損失リスク等を検討した結果等が記載されており、本投資法人ではこれらの専門業者からの報告書等を参考として、取得対象資産の欠陥、瑕疵の有無等の確認を行っています。なお、エンジニアリングレポートの作成者、地震リスク分析評価会社等については、後記「5 運用状況 /(2)投資資産 / ③ その他投資資産の主要なもの / Ⅰ.投資不動産の内容 /(ニ)エンジニアリングレポートの概要」をご参照ください。
しかし、エンジニアリングレポート等の作成に係る専門業者の調査には、提供される資料の内容、その調査範囲、時間的な制約等から一定の限界があり、不動産及び信託財産である不動産に関する欠陥・瑕疵等について完全に報告が行われているとは限りません。さらに、エンジニアリングレポート等で指摘されなかった事項であっても、本投資法人が不動産又は不動産信託受益権を取得した後に、欠陥、瑕疵等の存在が判明する可能性があります。
また、不動産又は不動産信託受益権に関する売主の表明及び保証の内容が、真実かつ正確であるとは限らず、本投資法人の取得後に欠陥、瑕疵等の存在が判明する可能性がある一方、表明及び保証の期間及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例です(なお、強制競売で購入した物件については、瑕疵担保責任の追及はできません(民法第570条ただし書き)。)。さらに、不動産又は不動産信託受益権の売主が表明及び保証を全く行わず、あるいは制限的にしか行わない場合又は瑕疵担保責任を全く負担せず、あるいは制限的にしか負担しない場合であっても、本投資法人が当該不動産又は不動産信託受益権を取得する可能性があります。
運用不動産に欠陥、瑕疵等が存在する場合、その程度によっては、当該運用不動産の資産価値が減少する可能性があり、あるいは、これを防ぐために、買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵等の補修その他に係る予定外の費用を負担せざるを得ない可能性があります。そして、これらに関し、売主に対して表明及び保証違反を理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任を追及することが法的には可能であっても、売主が特別目的会社や経済的に破綻した会社である等の理由によりその資力が十分でない、あるいは解散等により存在しなくなっている等の事情により責任追及に実効性がない場合には、これにより本投資法人に費用負担が発生する可能性があります。本投資法人は現に多くの運用不動産を特別目的会社から取得しているため、上記の理由により、前所有者に対する瑕疵担保責任の追及が実効性を欠くことになる可能性を否定できません。
不動産をめぐる権利義務関係も、その特殊性ないし複雑性の故に種々の問題を引き起こす可能性があります。本投資法人は運用不動産を取得するにあたって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において、売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、当初から売主が所有権を有していなかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていること、あるいは第三者の権利を侵害していることが、本投資法人の取得後になって判明する可能性があります。これらの問題が発生した場合には、前述した欠陥、瑕疵等が存在した場合と同様に、法律上又は契約上の瑕疵担保責任あるいは表明保証責任を追及できることもありますが、実効性がない可能性もあります。
他方、運用不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者との境界確認が未了のまま又は境界標の確認ができないまま、当該運用不動産を取得する事例が少なからず見られ、また、今後取得する不動産についてもその可能性はあり得るものと考えられます。したがって、状況によっては、後日このような運用不動産を処分するときに障害が発生し、また境界に関して紛争が発生し、これらにより所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、運用不動産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物が存在することにより、運用不動産の利用が制限され賃料収入に悪影響を与える可能性あるいは越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
他方、本投資法人が不動産を売却する場合には、瑕疵担保責任を負う場合があります。特に、本投資法人は宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。以下「宅建業法」といいます。)の規定により宅地建物取引業者とみなされるため、買主が宅地建物取引業者でない場合には、瑕疵担保責任を排除することが原則としてできません。
これらの結果、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(e)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。また、これに基づく命令・条例を含みます。以下同じです。)の規定又はその改正法の規定が施行される際においてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)及びその敷地については、通常、当該規定が適用されない扱いとされております。運用不動産の中には、上記のような扱いの結果、現行の建築基準法の規定の一部を満たしていないが違法とはならない、いわゆる既存不適格である建物を含む場合があります。特に、耐震設計基準に関し、昭和56年以前に建築確認申請がなされた建物については、いわゆる旧耐震基準を採用しており、現行法において必要とされる基準を満たしていないものがあります。これらの建物の建替え、改修等を行う場合には、現行の規定に合致するよう、既存不適格に該当する箇所の改修等をする必要があり、その結果として、費用等の追加的な負担が必要となる可能性があります。
また、不動産に係る様々な行政法規あるいは各地の条例による規制が運用不動産に適用される可能性があります。例えば、一定割合において住宅を付置する義務、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務、雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合には、当該運用不動産を処分するとき、あるいは建替え等を行うときに、事実上その遂行が困難となったり、これらの義務を遵守するための追加的な負担が生じたりする可能性があります。さらに、運用不動産を含む地域が道路設置等都市計画等の対象となる場合には、当該都市計画対象部分に建築制限が付されたり、建物の敷地とされる面積が減少したりすることにより、運用不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。その他、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制約又は義務が存在することにより、排出量削減のための建物改修工事や義務を達成できない場合の排出権の購入等の負担を負う可能性があります。
(f)法令等の変更に関するリスク
消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の建築・運営・管理に影響する関係法令、条例の改正等により、運用不動産の管理費用等が増加する可能性があります。また、建築基準法、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)その他不動産に関する行政法規の制定、改正、廃止等により、あるいは、収用、再開発、区画整理等の事業により、運用不動産に関する権利が制限される可能性があります。
また、エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号。その後の改正を含みます。)及び、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。その後の改正を含みます。)等、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例の改正等により、運用不動産に追加的な費用負担が発生する可能性があります。さらに、環境保護を目的とする他の法令等が将来において制定・施行され、運用不動産について大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性、あるいはその所有者としての無過失責任等が課される可能性があります。このように、法令又は条例の制定・改廃等が本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(g)区分所有物件に関するリスク
不動産が区分所有物件である場合には、その管理及び運営は区分所有者間で定められる管理規約等に服します。この管理規約等は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません(建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)第31条。なお、建替え決議等においては、さらに多数決の要件が加重されております。また、区分所有者の議決権数は、必ずしも区分所有割合(専有部分の床面積割合)に比例するわけではありません。)。したがって、本投資法人が区分所有者及びその議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を十分に反映させることができない可能性があります。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく区分所有者が変更される可能性があります。新たな区分所有者の資力、数、属性等によっては、運用不動産の価値あるいは収益が減少する可能性があります。これに対し、区分所有規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合には、他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。このような場合には、本投資法人が区分所有権を処分する際に、他者に優先して当該他の区分所有者と事前に交渉を行う等の制約を受ける可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を、原則として自由に賃貸する等使用収益することができます。その結果、本投資法人の運用不動産の価値あるいは収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合には、当該区分所有権あるいは運用不動産が法的手続きの対象となり又は劣化する等の可能性があります。
なお、区分所有建物では、専有部分と敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利をいいます。)の一体性を保持するために、専有部分と敷地利用権を分離して処分することが禁止されております(区分所有法第22条。ただし、区分所有規約で別段の定めをすることはできます。)。そして、敷地権(敷地利用権をもとに、区分所有建物の敷地になっている土地について、建物と一体化されて登記されている権利をいいます。)の登記がなされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権のみ分離され処分されても、当該分離処分は無効となります。しかし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません。このような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
(h)共有物件に関するリスク
運用不動産が第三者との間で共有されている場合、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有物の管理に関する事項は、共有者間で別段の定めをした場合等を除き、共有者の持分の価格に従い、その過半数で決するものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられる可能性があります。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は、希望する時期及び価格によりその有する共有物を売却できない可能性があります。もっとも、共有者には原則として共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条第1項本文)、これにより単独の処分又は使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合等においては、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まない場合であっても、他の共有者からの請求に服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが(民法第256条第1項ただし書き)、その場合であっても、合意の有効期間(5年が最長ですが、同条第2項により、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していることにより、あるいはその合意が未登記であることにより、第三者に対抗できないことがあります。また、共有者が破産した場合又は共有者について会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合には、共有物の分割が行われる可能性があります(ただし、共有者は、破産、会社更生手続又は民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。)第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。)第60条、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。)第48条)。)。
他方、共有持分については、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があり、この場合においては、新たな共有者の資力、数、属性等によっては、運用不動産の価値あるいは収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書、規約等において、当該不動産の持分を処分するに際しては、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続きの履践等が課されている場合があります。この場合においては、本投資法人が持分を処分する際に、他者に優先して当該他の共有者と事前に交渉を行う等の制約を受ける可能性があります。
共有不動産を賃貸に供する場合には、賃貸人の賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務となると一般的には解されております。したがって、他の共有者(賃貸人)の債権者により当該他の共有者の持分を超えて本投資法人の賃料債権が差し押さえられたりする可能性、あるいは賃借人に対する敷金返還債務を他の共有者がその持分等に応じて履行しない場合には、本投資法人が敷金全部の返還債務を負わされる可能性があります。これらの場合、本投資法人は、自己の持分に応じた賃料債権相当額や他の共有者のために負担拠出した敷金返還債務相当額の償還を当該他の共有者に請求することができますが、当該他の共有者の資力の有無によっては、償還を受けることができない可能性があります。
また、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払又は積立てを履行しない場合には、当該不動産あるいはその持分が強制執行その他の法的手続きの対象となる、あるいは、劣化する等の可能性があります。
共有不動産については、上記のような制約あるいはリスクがあるため、不動産の鑑定評価及び市場における売買による価格の決定等において、単独所有の場合には存在しない減価要因が加わる可能性があります。
(i)借地物件・底地物件に関するリスク
(i)-1.借地物件に関するリスク
本投資法人は、運用不動産である建物の敷地の所有権を有しない場合があります。この場合においては、建物の処分に付随する借地権の処分に関して、敷地の所有者の同意等が要求されることがあり、そのため、本投資法人が事実上建物を処分できなかったり、多額の承諾料を徴求されたり、本投資法人が希望する価格、時期等の条件で建物を処分することができない可能性があるほか、隣地地権者との境界確認、境界線の確認、越境物の取扱いに関する確認等は、通常、建物の敷地の所有権を有する者において実施されるものであるため、当該者の協力が得られない場合には、当該確認等が実現できない可能性があります。
また、借地契約の終了又は解除その他の理由により本投資法人の有する借地権が消滅した場合には、本投資法人は、当該借地権に係る敷地の明渡義務を負うこととなります。さらに、本投資法人の有する借地権について民法、借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。)等の法令に基づく対抗要件が具備されていない場合、又は先順位の対抗要件を具備した担保権者が存在する場合には、本投資法人は、敷地の全部又は一部に関して所有権を取得した者又は競落人に対して、自己の有する借地権を対抗できず、結果として敷地を明け渡さざるを得なくなる可能性があります。
また、本投資法人が敷地の所有者に対し借地契約に係る敷金・保証金等の返還請求権を有する場合においては、敷地の所有者の資力の悪化、倒産等により、それらの全額又は一部が返還されない可能性があります。また、敷地の所有者に対する敷金、保証金等の返還請求権については、十分な担保設定や保証がなされない場合が少なくありません。
(i)-2.底地物件に関するリスク
本投資法人は、借地権が設定された土地(いわゆる底地)を取得することがあり、底地物件には、借地権が設定されることによる一定のリスクがあります。土地上に設定される借地権は、普通借地権の場合には、合意解約によるほか、契約期間の満了時に本投資法人が契約更新を拒絶する正当事由が認められなければ消滅しません。かかる正当事由が認められるかを予測することは困難であり、契約期間の満了後も長期間にわたり土地の利用が著しく制限される可能性があるため、普通借地権の底地は、他の不動産と比較すると著しく流動性が劣るものといえます。また、かかる正当事由が認められ普通借地契約が終了した場合であっても、借地権者は本投資法人に対して建物等の買取りを請求することができ(借地借家法第13条、借地法第4条)、本投資法人は建物等の買取りに対する支出を余儀なくされる可能性があります。他方、借地借家法に定める一定の要件を充足することを条件として定期借地権等(借地借家法第22条、第23条、第24条)とされる場合には、土地上の借地権は、借地契約の期間の満了に伴い当然に消滅しますが、契約締結の方法や内容等につき借地借家法に定める要件を満たさない場合には、定期借地権性が否定されて普通借地権となるおそれがあります。その他、契約期間満了後において、運用不動産の価値が本投資法人の予測する価格以上である保証はなく、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。また、建物譲渡特約付定期借地権における建物譲渡額が、本投資法人の希望する価格以下である保証はなく、同様に、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。なお、定期借地権等の底地は、普通借地権の底地よりも利用上の制限が限定的ではあるものの、土地利用が制限されるとの見地において、土地建物を保有する物件に比べて、相対的に流動性が劣るものといえます。
また、借地権者は、普通借地権・定期借地権等にかかわらず、借地借家法第11条に基づき、地代等の減額を請求することができます。この他、借地契約では、多くの場合、地代その他の借地契約の内容について定期的に見直しを行うこととされるため、本投資法人の取得時における借地契約条件が今後も維持される保証はなく、本投資法人に悪影響をもたらす可能性があります。
その他、本投資法人は、借地権者等(借地権者の賃借人・転借人、又はこれらが営む営業の運営受託者等、本投資法人との関係が直接であるか間接であるかを問わず、底地を使用する権限を有する一切の者を含みます。)が底地上に建築・設置等する建築物・工作物等に対して、あるいはこれらを使用して営む営業に対して適用される各種法令の遵守状況を確認できないまま、底地物件を運用不動産として取得する可能性があります。なお、本資産運用会社が底地物件の選定・取得の判断を行うにあたっては、かかる各種法令の遵守状況を確認することが困難であることが多いのが実情です。借地権者等による各種法令の違反に対しては、行政機関等から建築物の除去・使用制限、あるいは営業停止等を含む是正措置が講じられる可能性があります。これに起因して借地権者等の収益が減少・消失することによって地代等の支払いが困難となる場合があり、結果的に本投資法人の収益が悪化する可能性があります。
(j)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額は、個々の不動産鑑定士等による地域分析、個別分析等の分析の結果に基づく、ある一定時点における不動産鑑定士等の判断あるいは意見を示したものに留まります。本投資法人が取得した運用不動産については、毎決算期末を価格時点とした鑑定評価が行われております。なお、同一の物件について鑑定評価を行った場合であっても、個々の不動産鑑定士等によって、その適用する評価方法又は調査の方法若しくは時期、収集した資料等の範囲等によって鑑定評価額が異なる可能性があります。本書記載の鑑定評価額は、不動産鑑定評価基準及び留意事項に基づき、原則としてDCF法による収益価格を標準とし、直接還元法(DC法)による収益価格等による検証を行い決定された特定価格をもって「鑑定評価額」とするものですが、かかる鑑定評価の結果又はその見直し後の結果は、将来において本投資法人が当該鑑定評価額又は見直し後の鑑定評価額により運用不動産を売買できることを保証又は約束するものではありません。
土壌汚染リスク評価報告書は、個々の専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、土壌汚染が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
エンジニアリングレポート(建物地震リスク評価報告書等を含みます。)等は、建物等の評価に関する専門家が建物等の状況に関して調査した結果を記載したにものにすぎず、提供される資料の内容、その調査範囲及び時間的な制約等から一定の限界があり、不動産及び信託財産である不動産に関する欠陥・瑕疵等について完全に報告が行われているとは限りません。
また、不動産に関して算出されるPML(PMLの詳細については、後記「5 運用状況 /(2)投資資産 / ③ その他投資資産の主要なもの / Ⅰ.投資不動産の内容 /(ニ)エンジニアリングレポートの概要 /(注2)」をご参照ください。)は、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合には、予想復旧費用以上の費用が必要となる可能性があります。
(k)わが国における建物賃貸借契約に関するリスク
わが国における建物賃貸借契約(下記(l)に記載の原則的な定期建物賃貸借契約の場合を除きます。)では、契約期間が満了する日の一定期間前までに更新しない旨の意思表示がない限り、自動的に更新されるとするものが多く見られます。したがって、常に契約が更新されるとの保証はありません。また、契約期間の定めにかかわらず、テナントが一定期間前の通知を行うことにより契約を中途で解約できることとされている場合が多く見受けられます。賃貸借契約が更新されず又は契約期間中に解約された場合には、即時に新たなテナントが入居するとの保証はなく、その結果、賃料収入が減少する可能性があります。また、賃貸借契約において、契約期間中に賃借人の申し入れ又は賃借人の債務不履行若しくは破産手続開始等により解除した場合の違約金について規定することがありますが、かかる規定の内容によってはその全部又は一部が無効とされる可能性があります。
なお、賃貸人からの建物賃貸借契約の更新拒絶及び解除は、借地借家法第28条のいわゆる正当事由の存在が認められる場合を除いて、その実現が困難であることが多いのが実情です。
(l)賃料の減額・賃料の不払等に関するリスク
(l)-1.賃料の減額に関するリスク
運用不動産のテナントが支払うべき賃料は、一定の期間(以下「据置期間」といいます。)その増額又は減額をしない旨の特約があるか否かを問わず、賃貸人とテナントの合意により、又はテナントが賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求権を行使することにより、据置期間の中途であっても減額される可能性があります。また、運用不動産と競合すると思われる不動産の賃料水準が全般的に低下した場合には、新たに入居するテナントとの間で締結される賃貸借契約における賃料の額が、従前の賃料の額と比較して低下するとともに、上記のような賃料減額の可能性もより増大することになり、本投資法人の賃料収入の減少をもたらす可能性があります。
上記のような通常の建物賃貸借に対して、借地借家法第38条の定めに基づき、契約期間を定める等の一定の要件を満たすことにより、更新がないものとすることができる建物賃貸借(以下「定期建物賃貸借」といいます。)が存在し、そのような賃貸借においては借地借家法第32条の賃料増減請求権に服さない旨取り決めることができます。もっとも、賃貸人にとって、定期建物賃貸借契約には、通常の賃貸借契約に比べ契約期間中の賃料収入の安定が期待できるという有利な面がある一方で、賃料が低く抑えられがちであったり、特約の定め方によっては、一般的な賃料水準が上昇する場合又は当該不動産の価格若しくは公租公課が上昇する場合等でも、それに応じた賃料の増額を請求する権利がない等、不利益な面もあります。さらに、契約締結の方法又はこれをめぐる事情によっては、上記一定の要件を満たしていないと判断され、定期建物賃貸借であることが否定される可能性があります。
なお、本投資法人が賃貸している運用不動産を賃借人が転貸している場合で、転貸条件が必ずしも賃貸条件に比して本投資法人にとって有利ではなく何らかの理由で本投資法人が転借人と直接の賃貸借契約関係を有することとなったとき、又は転借人が賃借人に支払う賃料の額に応じて本投資法人が賃借人から収受する賃料の額が変動する取り決めが存在するときは、従前より低額な賃料を甘受せざるを得ない可能性があります。なお、底地物件の地代等の減額に関するリスクは、前記「(i) 借地物件・底地物件に関するリスク / (i)-2.底地物件に関するリスク」をご参照ください。
(l)-2.賃料の不払等に関するリスク
テナントの財務状況が悪化した場合、又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料を含めたテナントの債務の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合には、本投資法人の収益が悪化する可能性があります。
なお、本投資法人が運用不動産を賃貸に供する場合には、入居者の信用力について調査する態勢を可能な限り整備していますが、特に、運用不動産を賃借人に転貸させる場合あるいは住宅を用途とする運用不動産を賃貸に供する等により個人がテナントとして入居する場合については、本投資法人が直接エンドテナントと契約を締結する場合あるいは法人がテナントとして入居する場合と比較して、その信用力の有無を調査することにつき一定の限界があるといえます。
(m)不動産の運用費用の増加に関するリスク
経済全般のインフレーション、人件費あるいは水道光熱費の高騰、不動産管理あるいは建物管理に係る費用又は備品調達等の管理コストの上昇、修繕費の負担、各種保険料の値上げ、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。一方で、運用不動産からの収入がこれに対応して増加するとの保証はありません。また、テナントとの賃貸借契約が終了した場合に発生する貸室の原状回復費については、通常はテナントの負担とする旨が賃貸借契約に規定されていますが、テナントの財務状況が悪化した場合、テナントが倒産手続の対象となった場合、住宅を用途とする不動産を賃貸に供している場合等には、当該規定にかかわらず、本投資法人において原状回復費の支出を余儀なくされることがあります。
(n)テナントの建物使用態様に関するリスク
法令、条例等の基準を満たす建物を賃貸する場合であっても、賃貸借期間中におけるテナントによる建物の変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令、条例等に違反する状態となり、本投資法人がその改善のための費用負担を余儀なくされる可能性があります。また、賃貸借契約における規定のいかんにかかわらず、テナントによる転貸あるいは賃借権の譲渡が本投資法人の関与なく行われる可能性があります。その他、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)に定める反社会的勢力の入居、あるいはテナントによる「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(昭和23年法律第122号。その後の改正を含みます。)に定める風俗営業の開始等により運用不動産のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
なお、本投資法人が運用不動産を賃貸に供する場合には、入居者について反社会的勢力の該当の有無を調査することにより、反社会的勢力との取引を行わないための態勢を可能な限り整備していますが、特に、運用不動産を賃借人に転貸させる場合あるいは住宅を用途とする運用不動産を賃貸に供する等により個人がテナントとして入居する場合については、本投資法人が直接エンドテナントと契約を締結する場合あるいは法人がテナントとして入居する場合と比較して、反社会的勢力の該当の有無を調査することにつき一定の限界があること等が想定されるため、将来にわたり完全に排除できるとの保証はありません。
(o)不動産の毀損等に関するリスク
運用不動産につき滅失、毀損、劣化等が生じ、修繕が必要となることがあります。かかる修繕に多額の費用を要する場合があり、また、修繕工事の内容あるいはその実施方法によっては、テナントの使用収益に影響を与えたり、テナントの館内移転が必要となったりするため、賃料収入等が減少し、あるいは少なからぬ付帯費用が発生する場合があります。他方、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、将来的に運用不動産から得られる賃料収入等が減少する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(p)火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故に関するリスク
火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、電気的事故、機械的事故その他不測の事故等の災害により、運用不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅あるいは減少する可能性があります。また、これらの災害によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
有価証券報告書提出日現在、本投資法人が所有する運用不動産に関しては、火災保険等の保険契約が締結されており、今後本投資法人が取得する運用不動産についても、原則として適切な保険を付保する予定です。しかし、運用不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性、保険契約でカバーされない災害あるいは事故(例えば、故意によるもの、戦争あるいはテロ行為等に基づくものは、必ずしも全て保険でカバーされるとは限りません。)が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが行われず若しくは遅延する可能性も否定できません。また、保険金が支払われた場合であっても、行政上の規制その他の理由により、事故発生前の状態に回復させることができない可能性があります。
本投資法人の付保に関する方針の概要については、下記(q)及び(r)に関するものを含め、前記「2 投資方針 /(1)投資方針 / ② 基本方針に基づく運用方針の細目 / (ニ) 付保方針」をご参照ください。
(q)地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等に関するリスク
地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火、津波等の災害により運用不動産が滅失、劣化又は毀損し、その価値が消滅あるいは減少する可能性があります。また、これらの災害によりテナントの支払能力等が悪影響を受ける可能性もあります。
(r)不動産に係る所有者責任に関するリスク
本投資法人の運用不動産の瑕疵等を原因として、第三者の生命、身体又は財産その他法律上保護に値する利益を侵害した場合には損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損失を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、民法上、その占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、無過失責任を負うこととされております(民法第717条第1項)。
有価証券報告書提出日現在、本投資法人が所有する運用不動産に関しては、施設賠償責任保険等の保険契約が締結されており、今後本投資法人が取得する運用不動産についても、原則として適切な保険を付保する予定です。しかし、運用不動産の個別事情等により、保険契約が締結されない可能性、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生する可能性又は保険契約に基づく支払いが行われず若しくは遅延する可能性は否定できません。
(s)有害物質に係るリスク
運用不動産として取得した土地に産業廃棄物、ダイオキシン等の有害物質が埋蔵あるいは含有されている場合、又はその利用する地下水に有害物質が含まれている場合(現在及び将来においてこれらの事実の可能性がある場合、並びに過去においてこれらの事実があった場合を含みます。)には、当該敷地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性あるいは当該運用不動産の売却に困難をきたす可能性があります。また、かかる有害物質を除去等するために土壌の入れ替え又は洗浄が必要となる等、予想外の費用及び時間が必要となる可能性があります。この点に関連して、土壌汚染等について、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により土壌汚染の対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とするものと定められております。同法に規定する特定有害物質に係る一定の施設を設置していた場合、あるいは土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生じる可能性があると認められる場合には、その土地の所有者、管理者、占有者等は、かかる汚染の状況について調査報告を命じられることがあり、さらに、当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他必要な措置を講じるよう命じられることがあります。このような場合には、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があります。かかる負担について、本投資法人はその原因となった者に対し費用の償還を請求できることがありますが、かかる請求によっても本投資法人の損害を回復することができない可能性があります。その結果、本投資法人ひいては投資主が損害を受ける可能性があります。
また、運用不動産として取得した建物につき、その建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されている又は使用されている可能性がある場合、PCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性あるいは当該運用不動産の売却に困難をきたす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的な交換、あるいはかかる有害物質の保管・撤去等が必要となって、予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。有価証券報告書提出日現在、アスベストを使用している若しくは使用している可能性のある建物又はPCBを保管している建物が、運用不動産に含まれております。
また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、運用不動産の所有者として損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
(t)運用不動産の偏在に関するリスク
本投資法人は、前記「2 投資方針 /(1)投資方針 / ② 基本方針に基づく運用方針の細目/ (イ) 投資方針」に記載された投資方針に基づき運用を行いますが、運用不動産が不動産市況によって一定の用途又は地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、市況の低迷による稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、テナント獲得に際し、賃貸市場において他の賃貸人と競合することにより、結果として賃料収入が減少し、本投資法人の収益に影響を与える可能性があり得ます。
また、一般に、総資産額に占める個別の運用不動産の割合は、総資産額の規模が拡大する過程で低下していくと予想されるものの、総資産額に占める割合が大きい運用不動産に関して、地震その他の災害、稼働率の低下、賃料水準の下落等の事情が発生した場合には、本投資法人の収益等又は存続に著しい悪影響をもたらす可能性があります。
有価証券報告書提出日現在、本投資法人の所有する運用不動産は、その多くの部分がオフィス向けの用途として東京23区内及び東京周辺都市部に集中しておりますが、特に東京23区内のオフィススペースの供給増加等により同区内におけるテナントの賃料水準又は運用不動産の稼働率が低下した場合には、運用不動産の同地域への偏在は本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(u)テナントの集中に関するリスク
運用不動産のテナント数が少ない場合ほど、本投資法人の収益等は特定のテナントの退去、支払能力の悪化その他の事情による影響をより受けやすくなります。すなわち、このような場合においてテナントが退去した場合には、空室率の上昇はより顕著なものとなるうえ、退去したテナントの賃貸面積が運用不動産に比して大きな割合を占めるほど、新たなテナントを決定して空室率を回復させることがより困難となることがあり、特にその決定までの期間が長期にわたる場合には、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、テナントが倒産した場合には、双方未履行の双務契約としてテナントの管財人が解除権を行使し、敷金あるいは保証金の返還を求めてくる可能性があります。この場合の解除権の行使は特に法律で認められたものであるため、解除に伴い本投資法人が違約金を取得できる旨の契約条項が存在する場合であっても、本投資法人は違約金を取得できない可能性があります。特に、当該テナントの賃料が相対的に多額である場合は、本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(v)売主の倒産等の影響を受けるリスク
一般に、不動産又は不動産信託受益権を売却した後に売主が倒産手続を開始した場合には、当該不動産又は不動産信託受益権の売買又は売買についての対抗要件の具備が、当該売主の管財人により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産又は不動産信託受益権を売却した場合には、当該不動産又は不動産信託受益権の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格づけることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人ないし財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては、深刻な問題となり得ます。
なお、本投資法人に対して、取得予定資産を含む運用不動産(当該不動産に関する不動産信託受益権を含みます。)を譲渡した前所有者(前信託受益者を含みます。)が、運用不動産(運用不動産に関する不動産信託受益権を含みます。)をその前々所有者から購入した当時の当該前々所有者の財産状態の健全性について、本投資法人は調査を行っておりません。前々所有者の倒産等の場合には、一定の条件のもとで、前々所有者と前所有者との間の取引に係る否認の効力が転得者にも及ぼされることがあります(破産法第170条、会社更生法第93条、民事再生法第134条)。したがって、かかる前々所有者を含む売主等の倒産の場合には、本投資法人が否認の効力を主張され、又は詐害行為取消権の行使を受けることにより、運用不動産又は当該不動産に関する不動産信託受益権の所有権を失う等、本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
(w)取得予定資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
本投資法人は、現在保有する資産のみを投資対象とする投資法人ではなく、上場以来、その資産ポートフォリオの拡大(外部成長ということがあります。)や質の向上(内部成長ということがあります。)を目指し、中長期的な安定運用を目指して日々活動を行っており、有価証券報告書提出日現在も、常に新たな資産取得に向けた市場調査や物件売却情報の入手に努め、また、潜在的な売主又は買主や関係権利者との間での物件取得又は譲渡に向けたその他の検討や交渉等も行いつつあります。従って、本投資法人は、今後、本書記載以外の新たな資産の取得を決定し、あるいは物件の売却や交換の他、新たな資産取得又は譲渡に向けたその他の手法を採択する可能性があります。また、新たな資産取得の取得原資として、投資法人債の手取金や売却物件の売却代金が充てられることがあります。かかる決定がなされた場合には、引き続き適時開示に努めます。従って、かかる資産取得又は譲渡の決定は、本書提出から間もない時点で公表される場合があります。
また、本投資法人が物件の取得を決定し公表した後にも、受渡期日までの間に、譲渡契約で定める停止条件等が成就しない場合や、売主側で合意を遵守できない場合等の他、経済環境が著しく変化する等の事由により、かかる取得を予定する資産を予定どおり取得できず、又は受渡しが遅延し、それらの結果、本投資法人が予定する収益を上げることができず、結果として投資主に損害が生じる場合があります。
その他、本投資法人は、取得を予定する資産を取得できない場合には代替的な資産取得を検討しますが、投資に適した物件を速やかに取得できるとは限らず、そのため本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
なお、本投資法人は、いわゆるフォワード・コミットメント等(先日付での売買契約であって、契約締結から1箇月以上経過した後に決済及び物件引渡しを行うものとしているものその他これに類する契約をいいます。)により、又は先日付の買付け意向表明等を行ったうえで、運用不動産の取得を行う場合があります。
これらの場合において、契約締結又は買付け意向表明等を行った後、運用不動産の取得を中止することを決定したときは、当該フォワード・コミットメント等若しくは買付け意向表明等に定められた解約条件により、又はかかる解約条件が定められていない場合であっても、当該取得の中止が債務不履行を構成することにより、運用不動産の売主等から解約金の支払いその他の損害賠償の請求がなされる可能性があります。そして、かかる支払いその他の損害賠償を余儀なくされた場合には、結果として本投資法人の収益に悪影響が生じる可能性があります。
かかる支払いその他の損害賠償に伴い、本投資法人の収益、財務状況についてどの程度の悪影響が生じるかは、個々のフォワード・コミットメント等又は買付け意向表明等に定められた解約条件により異なりますが、例として、次に掲げるような解約条件(これらが併合して適用される場合を含みます。)又はこれらに類する解約条件(次に掲げる条件又はこれらに類する条件よりも本投資法人にとって過大な負担が生じる場合等もあります。)が定められる場合があります。また、運用不動産の売主の意向等により、運用不動産ごと個別の解約条件を開示することができない場合があります。
a)手付金、内金(売買代金の一部をいいます。)その他のあらかじめ売主等に預託され、あるいは支払われた金員を没収する旨
b)運用不動産の売主等に生じた一切の損害等(間接的あるいは特別の事情により生じた損害及び得べかりし利益を含みます。)を賠償する旨
c)運用不動産の売買代金等を基準として算定される違約金を支払う旨
d)あらかじめ一定の額が明示された違約金を支払う旨
e)違約金の支払いの遅延に係る損害金を支払う旨
(x)未稼働物件(開発物件を含む)の取得に関するリスク
本投資法人は、原則として、取得時点において既に賃貸されている不動産に投資を行いますが、本投資法人の規約又は本資産運用会社の内規である運用管理規程に定める投資方針に従って、竣工後に不動産や不動産信託受益権を取得するために、予め開発段階で当該不動産等の売買契約等を締結する場合があります。かかる場合、既に稼働中の物件につき売買契約を締結して取得する場合と比較して、a)開発途中において、地中障害物、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見され、これらが開発の遅延、変更又は中止の原因となる可能性、b)工事請負業者の倒産又は請負契約の不履行により、開発が遅延、変更又は中止される可能性、c)開発コストが当初の計画を大きく上回る可能性、d)天災地変により開発が遅延、変更又は中止される可能性、e)行政上の許認可手続により開発が遅延、変更又は中止される可能性、f)開発過程において事故が生じる可能性、g)竣工後のテナントの確保が当初の期待を下回り、見込みどおりの賃貸事業収入を得られない可能性、h)その他予期せぬ事情により開発が遅延、変更又は中止される可能性等の固有のリスクがあります。これらの結果、開発中の物件から得られる予定の収益が本投資法人の予想を大きく下回る可能性がある他、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、予定されていない費用、損害又は損失を本投資法人が被る可能性があり、そのため本投資法人の収益に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(y)オフィス・物流施設・商業施設・住宅以外の用途の不動産への投資に関するリスク
本資産運用会社は運用管理規程において、その投資の一部に限り、オフィス・物流施設・商業施設・住宅以外の用途の不動産(ホテルや老人介護施設等を含みます。)についても投資対象とすることを定めております。これは用途分散によるリスク低減を図った総合型ポートフォリオの構築を目指すものです。
しかし、取引参加者が比較的多く、また取引慣行・投資指標等がある程度確立された市場で取引されるオフィス、物流施設、商業施設、住宅といった不動産に比べて、それ以外の用途の不動産は、当該不動産に係る市場環境、これらを取り巻く経済環境あるいは関連法令等の変更による影響をより強く受ける可能性があります。
また、特殊性の高い用途である不動産の場合には、他の用途への転用が困難であったり、資産の利用面での汎用性が低いものがあります。あるいは土壌汚染の影響を受ける可能性が高い地域に立地することがあるほか、賃借人(テナントやホテル・老人介護施設等のオペレーター)となりうる市場参加者の層が限定されているため、将来における賃借人(テナントやホテル・老人介護施設等のオペレーター)の代替性に欠ける可能性がありますし、バックアップオペレーターを予め用意できない場合があります。したがって、このような不動産への投資を行うことにより、本投資法人が予想外の損失等を被る可能性があります。
さらに、老人介護施設等の場合には、業法規制・ノウハウ・財務体質等の各種要請から、オペレーターに関連する情報が投資判断の指標となりますが、オペレーターに関連する情報の開示について同意を得られずに、開示ができない場合があります。かかる場合、本投資法人の資産運用及びその業績に悪影響を与える情報が開示されない可能性は否定できません。
また、老人介護施設等に関連する法令、ガイドラインの改正や介護保険等の制度改正等が老人介護施設等の運営や競争環境に影響を及ぼし、本投資法人が保有する施設の収益に影響を及ぼし、ひいては当該施設の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(z)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却した場合には、運用不動産に物的又は法的な瑕疵があるために、法令の規定に従い、瑕疵担保責任を負担する可能性があります。特に、本投資法人は宅建業法上のみなし宅地建物取引業者となりますので、買主が宅地建物取引業者でない場合には、本投資法人の瑕疵担保責任に関するリスクを排除できない場合があります。また、法令の規定以外にも、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や瑕疵担保責任を負う可能性があります。
これらの法令上又は契約上の表明保証責任や瑕疵担保責任を負担する場合には、買主から売買契約を解除され、あるいは買主が被った損害の補償をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、新たな所有者が賃借人に対する敷金等の返還債務を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新たな所有者とともに当該債務を負担するものと解される可能性があります。したがって、本投資法人が運用不動産を売却する場合には、このように予想外の債務又は義務等を負う可能性があります。
④ 信託の受益権特有のリスク
本投資法人は、不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得することがありますので、不動産特有のリスクに加え、以下のような信託の受益権特有のリスクを負います。
なお、平成19年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号。以下「新信託法」といいます。)と、新信託法施行と同時に廃止された信託法(大正11年法律第62号。その後の改正を含み、以下「旧信託法」といいます。)については、信託契約に別段の定めがない限り、平成19年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)第2条)。
(a)信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受する者ですが、他方で、旧信託法の下では、信託財産に関する租税、信託受託者の報酬、信託財産に瑕疵があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に信託受益者が負担することになっております(旧信託法第36条第2項)。したがって、本投資法人が不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンス(詳細な調査等)を実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、信託受託者を被保険者とする損害保険を付保する等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の措置を講じたうえで取得する必要があるほか、一旦不動産、土地の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになります。
また、信託受託者は、信託事務の遂行に関して被った損害につき、信託財産から支弁を受け又は受益者にその賠償を請求することができます。信託受託者は、かかる信託費用支払いの担保として信託財産を留置することができるほか、信託費用が支払われない場合には、信託財産である不動産を売却することができます。このため、信託財産からの支弁又は受益者に対する請求がなされた場合には、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があり、その結果、投資主に損害を与える可能性があります。新信託法の下では、旧信託法第36条第2項が廃止され、原則として信託受益者がこのような責任を負うことはなくなりましたが、信託受益者と信託受託者の間で信託費用等に関し別途の合意をした場合には、当該合意に従い信託受益者に対し信託受託者から信託費用等の請求がなされることがあり(新信託法第48条第5項、第54条第4項)、したがって、このような合意がなされた場合には、上記と同様に、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(b)信託の受益権の流動性リスク
本投資法人が信託の受益権を運用資産とする場合で、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既述の不動産の流動性リスクが存在します(前記「③ 不動産に関するリスク/(a)不動産の流動性、取引コスト等に関するリスク」をご参照ください。)。また、信託の受益権を譲渡しようとする場合には、通常の信託契約においては、信託受託者の承諾を得る必要があり、さらに、譲渡する不動産信託受益権については有価証券とみなされますが、譲渡に際しては債権譲渡と同様の譲渡方法によるため(新信託法第94条)、株券や社債券のような典型的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低いものといえます。
(c)信託受託者の破産・会社更生等に関するリスク
信託法上、信託受託者につき破産手続、民事再生手続、会社更生手続その他の倒産手続が開始された場合における信託財産の取扱いに関しては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定の趣旨あるいは信託財産の独立性という観点から、信託財産が破産財団、再生債務者又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属すると解釈される可能性は極めて小さいものと考えられていました。新信託法においては、信託財産は不動産信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。ただし、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された財産について信託の公示(信託の登記)が必要とされます。
(d)信託受託者の債務負担及び不当な行為に関するリスク
信託受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分すること、信託財産である不動産を引当てとして何らかの債務を負うこと又は信託契約に違反すること等により、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法及び新信託法は、信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めておりますが、常にかかる権利の行使により損害を回避できるとは限りません。
(e)信託の受益権の準共有に関するリスク
不動産信託受益権が準共有されている場合には、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。旧信託法の下では、所有権以外の財産権の準共有については、所有権の共有に関する規定が可能な限り準用されます(民法第264条)。新信託法の下では、信託受益者が複数の場合における意思決定の方法に関する明文規定があり(新信託法第105条以下)、不動産信託受益権が準共有されている場合にもかかる規定の適用があるものと解されるため、所有権の共有に関する民法の規定に優先して、かかる規定がまず適用されます。
旧信託法では、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有されている不動産信託受益権の変更に当たる行為には準共有者全員の合意を要し(民法第251条)、変更に当たらない管理は、準共有者の準共有持分の過半数で決定する(民法第252条)ものと考えられます。したがって、特に本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
一方、新信託法の下では、信託契約において意思決定の方法が定められていない場合には、一定の行為を除き、準共有者の全員一致によることになるものと解されます(新信託法第105条第1項本文)。この場合には、他の準共有者全員が承諾しない限り、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができないこととなります。また、信託契約において意思決定の方法が特に定められている場合であっても、当該方法が本投資法人の意向を反映するような形で定められているとは限らず、上記と同様に、信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれの下でも、準共有者は、不動産信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の準共有者が変更される可能性があります。準共有者の間において信託契約とは別の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又はかかる処分を行おうとする準共有者に一定の手続の履践義務等を課している場合があります。これにより、本投資法人が了知しないまま他の準共有者が変動するというリスクは減少しますが、一方で、本投資法人がその準共有持分を処分する際には、逆に上記のような制約を受けることになります。
不動産信託受益権の準共有者が不動産信託受託者に対して有する信託交付金の請求権及び不動産信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は、別段の合意のない限り、準共有される財産に関する債権債務として不可分債権及び不可分債務であると一般的には解されております。したがって、他の準共有者の債権者が当該準共有者の準共有持分の割合を超えて信託交付金請求権全部を差し押さえ、又は他の準共有者が不動産信託受託者からの信託費用等の請求をその準共有持分の割合に応じて履行しない場合には、本投資法人が請求された全額を支払わざるを得なくなる可能性があります。これらの場合には、不動産が共有されている場合と同様に、本投資法人は、差し押さえられた信託交付金請求権のうち自己の準共有持分に応じた金額の支払、あるいは支払った信託費用等のうち他の準共有者の準共有持分に応じた金額の償還を、当該他の準共有者に請求することができますが、当該他の準共有者の資力の有無によっては、支払又は償還を受けることができない可能性があります。
⑤ 税制に関するリスク
(a)利益の配当等の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「利益配当等の損金算入要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を低減するため、利益の配当等を損金に算入することが認められております。本投資法人は、利益配当等の損金算入要件を継続して満たすよう努める予定ですが、今後、分配金支払原資の不足、本投資法人の投資主の減少、資金の調達先、多額の法人税額等の発生、法令の解釈・改正その他の要因により、利益配当等の損金算入要件を満たすことができない可能性があります((b)以下の具体的事例をご参照ください。)。損金算入要件のうち1つでも満たさない場合には、利益の配当等を損金算入することができません。この場合には本投資法人の税負担が増大し、結果として投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。なお、本投資法人における利益の配当等の損金算入の有無にかかわらず、個人投資主における配当控除又は法人投資主における受取配当金の益金不算入の適用はありません。課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い」をご参照ください。
(b)多額の法人税等の発生により配当可能利益の額の90%超を配当できないリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、配当可能利益の額(会計上の税引前当期純利益に前期繰越損失、負ののれん発生益及び減損損失並びに買換特例圧縮積立金に係る一定の調整を加えた後の額(なお、平成26年4月1日以後開始事業年度における当該調整については、正ののれんの償却額に係る一定の調整が加わります。))の90%超(又は配当可能額の90%超)の分配を行わなければならないとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)については、会計上の税引前当期純利益を基礎とした配当可能利益の額と税引後当期利益を基礎とした実際の利益配当等の額の比較によりその判定を行うこととされています。減損損失及び正ののれんの償却額を要因とした法人税額が発生した場合におきましては上述のとおり、配当可能利益の額の計算上、一定の調整が行われることとされていますが、これら以外の何らかの要因によって本投資法人に多額の法人税等の課税が行われる場合には、支払配当要件を満たすことが困難となり、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(c)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分できないリスク
本投資法人において利益が生じている際の配当原資が不足する場合、借入金や資産の処分により原資を確保する可能性があります。しかし、利益配当等の損金算入要件を満たすための借入先の制限や資産処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、支払配当要件を満たせなくなる可能性があります。この場合、通常の法人と同様の法人税等の課税を受けることとなり、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(d)配当後の留保利益に対して通常の法人税等の課税が行われるリスク
利益配当前当期利益から利益配当額を控除した後の当期利益に係る課税所得に対しては、通常の法人と同様に法人税等の課税が行われます。利益の配当等の損金算入規定が適用されたとしても支払配当の金額が課税所得額の100%に相当しない場合には、投資法人として税負担が生じ、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(e)利益配当等の損金算入要件が満たされなくなることにより、次年度以降は通常の法人税率により課税が行われるリスク
本投資法人において、利益配当等の損金算入要件を満たさないこととなる場合、多額の租税債務が生じ、当該事業年度以降の利益配当等の損金算入要件へも影響を及ぼすこととなる場合があります。すなわち、会計上の租税債務の認識が次年度以降になる場合には、次年度以降も利益配当等の損金算入要件を満たすことが困難となり、通常の法人と同様に法人税等の課税を受け、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼすこととなる場合があります。
(f)税務調査等による更正処分のため、導管性要件が事後的に満たされなくなるリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、導管性要件に関する取扱いに関して、税務当局との見解の相違により更正処分を受け、過年度における導管性要件が事後的に満たされなくなる可能性があります。このような場合には、本投資法人が過年度において損金算入した配当金が税務否認される結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(g)同族会社に該当するリスク
利益配当等の損金算入要件のうち、事業年度終了時に同族会社のうち一定のものに該当していないこと(発行済投資口総数又は一定の重要な事項に関する議決権の50%超が上位1位の投資主グループによって保有されていないこと)とする要件については、投資証券が市場で流通するため、一部の投資主が大株主となることにより、本投資法人の意思にかかわらず、結果としてこれを満たさなくなるリスクがあります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(h)投資口の国外募集に関するリスク
本投資法人は、規約において、本投資法人の投資口の発行価額の総額のうち、国内において募集される投資口の発行価額の占める割合は、100分の50を超えるものとすると定めており、この記載により導管性要件のうちの投資口の50%超国内募集要件を満たすこととしています。しかし、今後本投資法人が何らかの理由により国外募集による多額の投資口の発行を余儀なくされた場合において、投資口の発行価額の総額のうちに国外において募集される投資口の発行価額の占める割合が100分の50以上となるときには、上記要件を満たせないことになります。かかる場合、利益の配当等の額を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(i)機関投資家以外からの借入に係るリスク
利益配当等の損金算入要件として、借入を行う場合には機関投資家のみからこれを行うべきとされております。したがって、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入を余儀なくされた場合、上記要件を満たせないことになります。また、建設協力金、保証金、敷金又は売上預り金(主に商業施設において、賃料、共益費等を控除したうえ所定の期日に返還することを目的として、毎日の営業終了後に当該日の売上金としてテナントから預託を受ける金銭をいいます。)等の全部又は一部がテナントからの借入金の範疇に入るものと解釈された場合、上記損金算入要件を満たせないことになります。これらによって、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(j)投資主の減少に関するリスク
本投資証券の市場での売買の如何によっては、本投資法人の意思にかかわらず、利益配当等の損金算入要件のうち、事業年度終了時に投資主として機関投資家又は50人以上の者が存在することとする要件等が、結果として満たされなくなる可能性があります。かかる場合、利益の配当等を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
(k)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、その規約における投資方針において、投資法人に係る不動産取得税及び登録免許税の軽減税制の適用を受けることを前提に、特定不動産の割合を100分の75以上とする旨を定めております。
しかし、対象不動産の用途等が税制の要件を満たさない場合等、本投資法人がかかる軽減措置の適用要件を満たすことができない場合又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合においては、軽減措置の適用を受けることができません。なお、当該投資法人に係る不動産取得税の軽減措置及び登録免許税の軽減措置は平成27年3月31日までとされております。
(l)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、不動産信託受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈が変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に係る利益の配当、出資の払戻し、譲渡等に関する税制が変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(m)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準委員会 平成15年10月31日 企業会計基準適用指針第6号))が、平成17年4月1日以後開始する事業年度より強制適用されたことに伴い、本投資法人においても減損会計が適用されております。減損会計とは、主として土地及び建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
減損会計の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等の如何によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の業績は悪影響を受ける可能性があり、また、税務上は当該不動産の売却まで当該損失に係る損金を認識することができないため(税務上の評価損の損金算入要件を満たした場合や減損損失の額のうち税務上減価償却費に相当する額を除きます。)、税務と会計の齟齬が発生することとなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に重大な悪影響をもたらす可能性があります。
⑥ その他のリスク
(a)特定目的会社等の優先出資証券・特定社債等・貸付債権等への投融資に係るリスク
本投資法人は、その規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社又は特別目的会社(合同会社を含みます。)その他これらに類する形態の法人等(以下「特定目的会社等」と総称します。)が不動産等を主たる投資対象とすることを目的とする場合、特定目的会社等の発行する優先出資証券・特定社債等への投資を行うことがあり、あるいは、特定目的会社等向け貸付債権等の金銭債権を譲り受けることもあります。これら特定目的会社等への投融資は、通例、新規物件に係る優先交渉権の取得を目的とすると想定されますが、優先交渉権を獲得できるとの保証も、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できるとの保証もありません。また、これら特定目的会社等への投融資については、契約上、その譲渡禁止又は譲渡制限が付されることや法令上の制限に従って譲渡先が限定される等の制限を受けることがあり、その他、転売しようとしても、確立された流通市場が存在しないためその流動性は低く、売却を意図しても、適切な時期及び価格で売却することが困難な可能性があります。
また、特定目的会社の投資する不動産に係る収益が悪化した場合、当該不動産の価値が下落した場合、特定目的会社の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合又は導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券に投資した本投資法人が、当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。
また、本投資法人が保有する優先出資証券に関して、本投資法人以外に優先出資社員が存在する場合には、本投資法人の保有割合によっては、当該特定目的会社の社員総会において、優先出資社員が議決権を有する事項について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があり、また優先出資社員間の契約等において、優先出資証券の譲渡に際し、他の優先出資社員の承諾の取得、先買権又は優先交渉権の付与といった譲渡処分に関する一定の制約が課される場合があります。
(b)匿名組合出資持分への投資に係るリスク
本投資法人は、その規約に基づき、匿名組合が不動産等を主たる投資対象とすることを目的とする場合、当該匿名組合の出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が投資対象とするかかる匿名組合出資持分については、契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、また、確立された流通市場が存在しないためその流動性は低く、売却を意図しても、適切な時期及び価格で売却することが困難な可能性があります。
また、匿名組合の投資する不動産に係る収益が悪化した場合、当該不動産の価値が下落した場合、匿名組合の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合又は導管体である匿名組合において意図されない課税が生じた場合等には、当該匿名組合の出資持分に投資した本投資法人が、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。
また、匿名組合出資持分への投資は、新規物件に係る優先交渉権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(2)投資リスクに関する管理体制
本資産運用会社及び本投資法人は、本投資法人の資産運用に関し、以下のような体制により、可能な限り、本投資証券への投資に関するリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、これらの措置が結果的に十分な成果を収める保証はありません。
① 本資産運用会社の体制
(イ)運用管理規程等の整備
Ⅰ.本資産運用会社は、運用管理規程において主に以下の諸点に関する運用方針及び不動産の管理方針を定め、これを遵守することにより、リスクの管理に努めております。
ⅰ)投資方針
ⅱ)個別の不動産の取得に関する方針
ⅲ)運用不動産の運営・譲渡に関する方針
ⅳ)関係会社等との取引に関する方針
ⅴ)運用不動産への保険付保に関する方針
ⅵ)テナントの選定に関する方針
ⅶ)資金調達及び余資運用に関する方針
ⅷ)外部管理会社の監督等、運用不動産の管理業務に関する方針
なお、運用管理規程の概要については、前記「2 投資方針/(1)投資方針/② 基本方針に基づく運用方針の細目」をご参照ください。
Ⅱ.本資産運用会社は、関係会社取引規程において利益相反のおそれのある当事者間での取引等に係る方針を定め、これを遵守することにより、利益相反等に係るリスクの管理に努めております。関係会社取引規程の概要については前記「2 投資方針/(1)投資方針/④ 関係会社等との取引方針」を、関係会社等との取引の際の資産運用会社内部の手続きについては後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/⑤ 関係会社等との取引の際の手続き」をご参照ください。
Ⅲ.本資産運用会社は、社内規則を定めてその役職員によるインサイダー取引の防止に努めております。インサイダー取引の防止に係る社内規則については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/⑦ インサイダー取引の防止」をご参照ください。
(ロ)資産運用実績等の定期的把握及び意思決定手続きの明確化
本資産運用会社は、社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、継続的なリスクの把握に努めております。具体的には、投資運用部長は、運用資産に係る運営管理業務の実績を毎月リスク・コンプライアンス委員会に報告し、財務経理部長は、運用資産のポートフォリオの状況を、6箇月毎にリスク・コンプライアンス委員会に報告します。
また、本資産運用会社は、運用管理規程の変更あるいは不動産等の取得・処分等を実施するにあたり、運用及び管理に関する種々の決定事項の重要性に応じ、リスク・コンプライアンス委員会における審議を経て社長の決裁を要求する、あるいは取締役会において決議を得る等の意思決定手続きを明確化し、運用及び管理に係るリスクを管理しております。
本資産運用会社の組織及び業務分掌体制並びに意思決定手続きについては、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/① 組織」、「同/② 業務分掌体制」及び「同/③ 意思決定手続き」をご参照ください。
(ハ)リスク管理及びコンプライアンス体制の整備
本資産運用会社は、リスク管理及びコンプライアンスを統括する部門としてリスク・コンプライアンス部を設置しております。また、社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、役職員による法令等の遵守を図っております。本資産運用会社のコンプライアンス手続きについては、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第4 関係法人の状況/1 資産運用会社の概況/(2)運用体制/④ コンプライアンス手続き」をご参照ください。
② 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に従って3箇月に1回以上の頻度で役員会を開催し、執行役員から定期的に業務執行状況の報告を受けるほか、本資産運用会社の関係会社等との一定の取引については本投資法人の役員会の事前承認を要することとして、利益相反等に係るリスクの管理に努めております。