有価証券報告書(内国投資証券)-第26期(平成26年10月1日-平成27年3月31日)

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2015/06/24 13:16
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(1)【投資方針】
a. 規約に定める資産運用の基本方針及び投資態度
本投資法人は、特定資産のうち不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等を投資対象とします(規約第26条第1号(a))。
本投資法人が投資対象とする不動産等の主な用途はオフィスとしますが、建物の用途集中によるリスクを軽減させるため、商業施設、ホテル、住宅等への分散投資も行います。また、本投資法人が投資対象とする不動産等の主な所在は東京都心部としますが、地震リスク、空室リスク等のキャッシュ・フローの変動リスクを軽減させるため、都心周辺部及び地方都市等への分散投資も行います(規約第26条第1号(b)、同条第4号(c))。
本投資法人は、これら投資対象について、安定したインカムゲインの確保と運用資産の着実な成長を目指して、中長期的な資産の安定運用を行うことを基本とします(規約第26条第1号(c))。
本投資法人は、投信法施行規則第105条第1号ヘに定める不動産等資産を主たる投資対象とします。(規約第26条第1号(d))。
また、本投資法人は投資する不動産の選定にあたっては、一般経済情勢や税制等の一般的要因、不動産の立地する地域の周辺環境、都市計画の状況及びそれらの将来動向等の地域要因、土地及び建物の規模、形状、接道状況等の個別的要因から長期にわたり優位性を持つと考えられる立地のものから、その不動産の生み出すキャッシュ・フローの予想及びそれに基づく収益価格等を総合的に検討及び判断して選定します(規約第26条第4号(a))。投資する不動産の選定においては、当該不動産に関する状況調査、法的調査、経済的調査等の詳細調査(デューデリジェンス)の結果を十分に考慮の上、総合的に判断します(規約第26条第4号(b))。投資する不動産は、取得時点において稼働中であるものを原則としますが、更地等の未稼働の不動産について、本投資法人の資産総額の20%を限度として取得することができ、また、上記以外に、老朽化・機能劣化、再開発等の事情による建物等の建替えまたは大規模修繕により、未稼働期間が発生することがあります(規約第26条第4号(d))。
不動産以外の不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の選定においても、かかる不動産等及び不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等の対象とされる不動産等に関し、可能な範囲内で、前記と同様の検討及び判断を行います(規約第26条第4号(e))。
資産運用会社は、本投資法人の規約に定める上記の資産運用の基本方針及び投資態度を踏まえたうえで、以下の基本的態度をもって、投資不動産の投資方針及び財務方針を、資産運用規程において規定しています。
(ⅰ)本投資法人が規約において規定する資産運用の対象とする特定資産のうち、不動産、不動産の賃借権及び地上権、並びに不動産、不動産の賃借権または地上権を信託する信託の受益権(以下「対象不動産等」といい、本投資法人の投資対象とする対象不動産等または取得した対象不動産等を「投資不動産」といいます。)を当面の投資対象として投資し、本投資法人の投資不動産で構成する保有資産(以下「ポートフォリオ」といいます。)の中長期的な安定運用により、安定したインカムゲインの確保とポートフォリオの着実な成長を目指します。
(ⅱ)投資不動産が内包する様々なリスク要因を網羅的に把握し、極小化することが必要であると判断するリスク要因を可能な限り軽減回避すべく、適切な投資を行います。
(ⅲ)投資不動産の選定において、当該投資不動産に関するデューデリジェンスを実施し、その結果を十分に踏まえたうえで、当該投資不動産が中長期的に生み出すキャッシュ・フローを予測し、それに基づく収益価格等を評価するとともに、ポートフォリオへの寄与度等、総合的な見地に立って慎重な検討を行い投資の可否を決定するものとします。
b. 投資不動産の投資及び運用方針
(ⅰ)ポートフォリオのアロケーション方針
本投資法人は、投資不動産の属性を地域(立地)の観点から「東京都心部」・「その他」の2つに分類し(下記「投資不動産の地域区分」をご覧ください。)ポートフォリオのキャッシュ・フローの変動リスクを軽減させるため、地域分散します。
本投資法人は、投資不動産の用途にかかわらず、商業・産業・人口の集積地である「東京都心部」を中心に、資産総額の60~80%を目途に投資を行いますが、「その他」の地域に立地する投資不動産であっても、例えば、交通結節点等の利便性が良いオフィス集積度の高い地域に立地しているオフィスビルや、商圏内で高い競争力を有する優良商業施設等、当該地域における投資不動産の用途の適合性、競争力等を調査したうえで、十分な投資採算性が見込めると判断される場合、一定の投資割合(資産総額の20~40%)のもとで、投資を行うことを可能とします。
投資不動産の地域区分
地域区分所在地
東京都心部千代田区・中央区・港区・品川区・渋谷区・新宿区
その他首都圏(東京都(東京都心部を除く)・神奈川県・千葉県・埼玉県)及びその他主要都市

また、本投資法人は投資不動産の属性を用途の観点から「オフィスビル」・「商業施設」・「その他」の3つに分類し、ポートフォリオの用途集中リスクを軽減させるため、用途分散します。
本投資法人は、「オフィスビル」を用途とする投資不動産に対し、資産総額の70~90%を目途に投資を行うとともに、「オフィスビル」以外の投資不動産として、「商業施設」(資産総額の10~30%)及び「その他(但し、当面の間、住宅及びホテルに限るものとします。)」(資産総額の0~10%)に対しても併せて投資を行うものとします。
本投資法人は、上記を踏まえたうえで、ポートフォリオの将来的な姿を明確にするため、ポートフォリオにおける地域別・用途別の投資割合を下記「目標ポートフォリオ」記載のとおり定め、当該数値を目途とした投資不動産の選定及びポートフォリオの構築に努めます。
目標ポートフォリオ
地域区分東京都心部その他合計
用途オフィスビル60~70%10~20%70~90%
商業施設0~10%10~20%10~30%
その他(住宅・ホテル)
合計60~80%20~40%100%

(注1)上記「目標ポートフォリオ」は、本書の提出日現在の経済情勢・不動産市場動向等を考慮し作成したものであり、運用期間において、かかる経済情勢等が著しく変化しないと想定した場合のものです。
(注2)投資比率は投資不動産の取得価格に基づく比率であり、一時的に記載数値を満たさないことがあります。
(注3)複数の用途を有する物件については、その主たる用途をもってその属性を判断します。
各用途別の投資方針は、下記「投資不動産の用途別の個別投資方針」記載のとおり定め、投資不動産における用途別の特性を考慮し、個別の投資方針に基づいて投資することで、ポートフォリオの用途集中リスクの軽減を図ります。
投資不動産の用途別の個別投資方針
用途個別投資方針
オフィスビル1.オフィスビルは他の用途の不動産と比較して、相対的に市場規模が大きく、流動性が高いと想定できるため、本投資法人において中核的な投資対象とします。
2.オフィス集積度の高い東京都心部に立地するビル、大型ビル、設備等充実したハイグレードビル等、利便性が良く市場競争力の高いオフィスビルを中心に投資します。
3.信用力のあるテナント選定やテナントとの定期建物賃貸借契約または長期賃貸借契約の締結により安定したキャッシュ・フローの確保を目指します。
4.適正規模に分割された優良なテナントの入居しているマルチテナントビルへの投資も併せて行います。
商業施設1.収益性の向上と投資対象の分散化を図るために、商業施設への投資を行います。さらに商業施設の中でも、「郊外型商業施設」と「都心型商業施設」に分類して投資します。
2.商業施設への投資については、立地やテナントによって事業の安定性が左右されるため、商圏調査やテナント信用力調査の結果を重要な投資判断指標とします。また、業態動向に対する予測や賃貸借契約終了後の転用による利用の可能性の把握により、投資リスクを極力抑えます。
(郊外型商業施設)
・ 郊外型商業施設においては、主要幹線道路沿い等で車によるアクセスが良い地域に立地し、同一商圏内で競合する他の商業施設に対して競争力を有し、原則として賃貸可能面積1万㎡以上の大型物件への投資を行います。また、信用力のあるテナント選定やテナントとの定期建物賃貸借契約または長期賃貸借契約の締結により安定したキャッシュ・フローの確保を目指します。
・ テナントが郊外型商業施設を営業する目的で賃借する土地の取得も併せて行います。また、原則として賃貸可能面積1万㎡以上の大型物件が運営できる土地へ投資し、信用力の高いテナント選定及びテナントとの長期賃貸借契約(事業用借地権設定契約等)の締結により安定したキャッシュ・フローの確保を目指します。
(都心型商業施設)
・ 都心型商業施設においては、広域商圏を有する「渋谷・新宿等のターミナル駅周辺」や「全国的に知名度の高い商業集積地(銀座・表参道等)」に立地し、テナントミックスがされた安定的なキャッシュ・フローの確保を目指します。
・ 大阪市、名古屋市等大都市圏においても、上記と同等の商圏及び商業集積地を有する地域に立地する不動産に対しても投資することがあります。
その他住宅1.周辺に文化施設・生活施設等が充実し、利便性の高い住環境として競争力の高い「麻布・赤坂・青山」等に所在する賃貸住宅に、用途によるリスク分散を図り、ポートフォリオ全体のキャッシュ・フローの安定性を確保する目的から投資を行います。
2.安定したキャッシュ・フローや適正な管理コストを維持するために、一定の戸数・規模以上の不動産を投資対象とします。
3.セキュリティ設備の充実・適正な付帯サービス機能・ITへの対応等、ハード・ソフト両方で高付加価値を創出でき、同一用途の他の不動産と差別化できる不動産を投資対象とします。
ホテル1.ホテルへの投資は、稼働率推移・収益構成・周辺競合ホテルとの比較等慎重に調査・検討のうえ安定的な賃貸収益が確保されると判断した場合には、投資を行います。
2.交通の利便性がよい位置に立地するシティホテルや国内有数の観光地、または高い集客力を維持できるエンターテイメント施設に近接し、施設状況が優れ、競争力のあるホテルについては、ブランド力のある優秀なホテルマネジメントが可能な会社との長期賃貸借契約の締結により収益性を確保できる場合には、投資を行います。

(注)上記「投資不動産の用途別の個別投資方針」は、本書の提出日現在の不動産投資分析に関する見解を記載したものであり、今後の経済情勢及び不動産市場動向等により変更される可能性があります。また、これらに記載した事項は、将来的な用途別の重要度の動向、変動性及び収益性等を保証するものではありません。
(ⅱ)投資不動産の取得方針
(イ)投資不動産のデューデリジェンス
本投資法人は、投資不動産の取得にあたり、的確な投資判断を行うため、資格があり、かつ実績のある専門家によって作成された不動産鑑定評価書及び各種デューデリジェンスレポート等を精査し、経済的調査・物理的調査・法律的調査の各調査項目について、十分な検討をすることはもとより、現地調査・建物管理担当者等へのヒアリング等も実施します。主要な検討項目は、下記「投資不動産の取得における検討項目」記載のとおりとします。
投資不動産の取得における検討項目
調査項目調査内容
経済的調査1.投資不動産の不動産鑑定評価(注1)
2.テナントの入居構成、信用力(ホテル・商業施設の場合は運営能力)
3.過去稼働率の推移、賃料水準の動向
4.投資不動産の立地するエリア特性(周辺不動産の利用状況)
5.投資不動産の立地するエリアの空室率の推移及び予測
6.投資不動産の用途・規模の適合性
7.鉄道等主要交通機関からの利便性
8.投資不動産の収益(賃料・共益費等)の適正性
9.投資不動産の費用(管理費・水光熱費・修繕費等)の適正性
10.投資不動産の敷金・保証金等の適正性
11.過去の実績(トラックレコード)のない案件(特に商業施設)については特に商圏の分析及びテナントの集客力の分析
物理的調査1.建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)・都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)等関連法令に対する遵守状況
2.建物主要構造・規模・築年数・施工業者等
3.賃貸可能面積・形状・間取り・天井高・電気容量・空調方式・床荷重・OAフロア・防災設備・駐車場・昇降機設備等の状況
4.耐震性能(新耐震基準(注2)または同等の耐震性能を有しているか)
5.地震PML(予想最大損失率)の検証(注3)
6.修繕計画の検証
7.アスベスト・PCB等の有害物質の使用・保管状況
8.土壌汚染状況等環境調査
9.維持管理の状態
法律的調査1.不動産登記簿・公図の調査
2.土地境界確定の状況、境界紛争の調査
3.賃貸借契約・転貸借契約・使用貸借契約等の調査
4.区分所有建物の場合
(1)管理規約・協定書等の調査
(2)敷地権登記設定の有無・区分所有建物とその敷地の分離処分禁止の措置
5.共有持分の場合
(1)共有持分不分割特約及びその旨の登記の調査
(2)共有者間における特約・協定・債権債務等の有無
(3)賃貸借契約の内容・賃料債権・敷金返還債務の調査
6.借地権の場合
(1)借地権に対する対抗要件の具備の状況
(2)借地権売却時の承諾料の有無及び金額
7.テナントとの紛争の可能性
8.優先交渉権の有無
9.前所有者の状況(否認権の確認)

(注1)不動産鑑定評価は、適正な投資採算価値をあらわす特定価格とします。なお、不動産鑑定業者は、特定価格の鑑定実績、または不動産投資信託に組込まれている不動産等の鑑定実績に乏しい鑑定業者は選定しません。
(注2)新耐震基準とは、昭和55年建築基準法改正(昭和56年施行)に基づく構造基準をいいます。
(注3)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震による予想最大損失率をいいます。PMLには個々の建築物に関するものと、ポートフォリオに関するものがあります。PMLについての統一的な定義はありませんが、本書においては、PMLとは50年間に10%の超過確率(=再現期間475年)で発生する大きさの地震が1回発生した場合に、その建物に生ずる損失コストの90%信頼値としての予想最大損失率(被災前の状態に復旧する補修工事費の、総建替工事費(再調達価格)に対する割合)をいいます。また、ポートフォリオに関するPMLとは、複数の建築物をまとめて1つの建築物群としたとき、被害の相関性を考慮して、建築物群の中の1ないし複数の建築物に影響を与えるような50年間に10%の超過確率(=再現期間475年)で発生する地震(シナリオ地震)を想定し、それらの地震が1回発生した場合の、建築物群全体に生ずる損失コストの90%信頼値としての予想最大損失率の最大値(個々の地震によって生じた建築物群の補修工事費合計の、建築物群の総建替工事費(再調達価格)合計に対する割合の最大値)をいいます。
(ロ)投資不動産の選定基準
本投資法人は、主たる投資対象であるオフィスビル及び商業施設を用途とする投資不動産に対し、投資不動産1件当たりの最低投資額(取得価格ベース)を下記「投資不動産1件当たりの最低投資額」記載のとおり定めています。
投資不動産1件当たりの最低投資額
用途(地域区分)最低投資額
オフィスビル(東京都心部)原則 50億円
オフィスビル(その他)原則 30億円
商業施設原則 30億円


また、投資不動産の取得において、下記「投資不動産の主要スペック」記載のとおり、建物規模、築年数、耐震性能及び環境等の基本的な項目に関し基準を設け、当該基準と同等以上もしくは当該基準に準じるスペックを有する投資不動産を取得するよう努めます。
投資不動産の主要スペック
・共通基本スペック
事項基準
築年数概ね30年以内とします。
但し、大規模修繕等により、建物性能が向上したものについては、この限りでありません。
耐震性能新耐震基準または同等の耐震性能を有するものとします。
地震PML
(予想最大損失率)
原則、非超過確率90%信頼値で投資不動産単体のPMLは15%未満、ポートフォリオのPMLは10%以下とします。
アスベスト・PCB等の有害物質についての基準アスベスト原則として、アスベストを使用している建物は、投資不動産の対象外とします。但し、環境調査等によりアスベストの飛散防止措置がなされており、飛散の可能性が極めて低いと判明した場合は、法令遵守のために建物解体時に発生する費用等を考慮して取得価格を決定するものとします。
PCBPCBが合法的に(法律とは、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号。その後の改正を含みます。)」をいいます。)保管されていれば投資不動産の対象とします。但し、保管費用等を考慮して取得価格を決定するものとします。
その他上記以外の有害物質についても考慮します。
土壌汚染原則として、投資不動産の所在土地が、指定区域(注1)に指定、または過去に指定区域に指定されていた場合は投資対象外とします。
また、投資不動産について、環境調査により土壌汚染(注2)が存することが判明した場合は、汚染の分布状況・除去等に要する費用を考慮して取得価格を決定するものとします。

(注1)指定区域とは、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みますが、平成21年法律第23号による改正前のものをいいます。)第5条第4項で定義される指定区域並びに平成21年法律第23号による改正後の土壌汚染対策法第6条第4項で定義される要措置区域及び同法第11条第2項で定義される形質変更時要届出区域をいいます。
(注2)土壌汚染は、土壌汚染対策法及び国・地方公共団体により施行(公布後の場合は予定も含みます。)された土壌汚染にかかる法令・指針等によって定められた有害物質についての基準値を超過する状態であることを指します。但し、別途必要であると認めた場合は、かかる有害物質により土壌が汚染された状態も指すものとします。
・用途別基本スペック
用途基準
オフィスビル<面積>賃貸可能面積:3,300㎡以上
基準階賃貸可能床面積:660㎡以上
(なお、基準階とは建物の標準的な平面を有する階をいいます。)
商業施設都心型賃貸可能面積:3,300㎡以上
郊外型賃貸可能面積:1万㎡以上
住宅住戸数:20戸以上
ホテル客室数:100室以上

(ハ)セール・アンド・リースバックによる投資不動産の取得
投資不動産の前所有者が投資不動産を本投資法人へ売却後、引き続き賃借人(あるいは転借人)として賃借(あるいは転借)する所謂セール・アンド・リースバックを希望する場合、本投資法人は積極的に検討します。但し、上記の検討においては、前所有者の信用度・財務健全性・テナントリーシング能力等、後記「(ⅲ)投資不動産のリーシング方針」を考慮するものとします。
(ニ)未稼働不動産等に関する投資基準
本投資法人は、原則として現況稼働中の対象不動産等に投資するものとしますが、現況未稼働もしくは低稼働または建設予定もしくは建設工事中の対象不動産等(以下「未稼働不動産等」といいます。)の取得を検討する際には、下記「未稼働不動産等への投資基準」に則り、テナントの確保が十分可能と判断され、かつ資産総額の20%を限度とすること等、本投資法人の投資方針を満たすと判断される場合に限り、取得を検討するものとします。なお、本投資法人は、未稼働不動産等にかかる各種リスク要因(完工・引渡リスク等)は負担しないものとし、リスク要因による最大損失を考慮して取得価格を決定するなど、投資リスクが軽減されていると認められる場合は、投資機会を確保するための売買予約契約または停止条件付売買契約等の締結を妨げないものとします。
未稼働不動産等への投資基準
投資不動産の現況(想定)投資基準
未稼働、低稼働、建設予定、建設工事中1.テナント確保が十分可能であること。
2.投資不動産の完工・引渡リスク等が軽減されていること。
3.取得検討においては、取得方針に則り、改めて各種デューデリジェンスを実施し、投資不動産として問題ないことを確認のうえ取得すること。
4. 建設予定または建設工事中等の投資不動産について、フォワード・コミットメントを行う場合は、解約違約金等の解約条件、物件の取得価格の決定方法等を慎重に検討し、リスクを軽減するよう努めること。


(ⅲ)投資不動産のリーシング方針
(イ)リーシングの基本方針
本投資法人の投資不動産が中長期にわたり安定的な収益を確保するために、経済情勢及び不動産市場動向等を考慮した賃貸事業を遂行し、中長期の賃貸借契約を賃借人と締結することを基本とします。また、可能な限り定期建物賃貸借契約、その他賃料の固定化または契約期間の長期化に配慮した賃貸借契約を締結するよう努めるものとし、賃借人との信頼関係の構築、契約期間と賃料収入の確実性をもって、投資不動産の収益性に安定度を付与するものとします。
(ロ)マスターリース契約の導入方針
本投資法人の投資不動産の賃貸にかかる契約形態については、投資不動産を直接テナントに賃貸する形態のほか、本投資法人とテナント(本項において、後記の「サブレッシー」と同義とします。)との間に下記「マスターレッシー選定基準」を満たす賃借人(以下「マスターレッシー」といいます。)を介在させ、投資不動産をマスターレッシーに賃貸する(かかる賃貸借契約を以下「マスターリース契約」といいます。)形態がありますが、マスターリース契約については、投資不動産の規模、用途、テナント構成等を考慮のうえ、賃料収入の安定性または運営管理の効率性等といった経済効果が直接テナントと賃貸借契約を締結する場合と同等もしくはそれ以上に得られると認められた場合には、積極的に検討するものとします。なお、マスターリース契約下におけるマスターレッシーがさらに投資不動産を転貸する(かかる転貸借契約を以下「サブリース契約」といい、転借人を以下「サブレッシー」といいます。)ことを妨げないものとします。
マスターレッシー選定基準
選定基準
以下の基準を総合的に判断し、マスターレッシーに成り得ると認められる場合、選定を検討します。
1.過去に第三者との間でマスターリース契約締結の実績があること。
2.マスターレッシーとしての信用度・財務健全性が良好であると認められること。
3.当該投資不動産の属する地域において、テナントリーシング能力があると認められること。
4.当該投資不動産に対するプロパティマネジメント能力があると認められること。
5.当該投資不動産に対する理解度、関係度が高いと認められること。
なお、マスターレッシーの選定を検討するケースとして、以下の想定ケースを含みます。
1.セール・アンド・リースバック方式により取得する投資不動産の前所有者自身が、マスターレッシーを希望する場合。
2.セール・アンド・リースバック方式により取得する投資不動産の前所有者が、自らサブレッシーの地位に転化したとしても、前所有者が斡旋した第三者をマスターレッシーに介在させた賃貸借契約を希望する場合。


本投資法人は、マスターリース契約において、利害関係人等(資産運用会社の利害関係人取引規程に規定する利害関係人等を意味します。後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/b. 利害関係人等との取引における自主ルール」をご覧ください。)が有するテナントリーシング能力・プロパティマネジメント能力を活用することが、投資不動産の運用上最良であると判断した場合、マスターレッシーに利害関係人等を選択することがあります。利害関係人等とのマスターリース契約は、下記「利害関係人等・マスターリース方針」を基本とします。
利害関係人等・マスターリース方針
基本項目内容
1.地域地区東京都心部を基本とします
2.用途オフィスビル・商業施設
3.契約形態定期建物賃貸借契約
4.契約期間3~5年程度
5.プロパティマネジメントマスターリース契約に含みます

(ハ)テナント選定基準
投資不動産において、入居が見込まれるテナントについては、下記「テナント審査項目」に定める審査内容をもって選定を判断するものとします。また、ポートフォリオを構成する他の投資不動産への影響度、あるいは当該投資不動産の他のテナントへの影響度等、総合的に判断し選定するものとします。
テナント審査項目
審査項目審査内容
1.業種業界動向の審査、必要に応じて役職員等の面談を実施
2.業歴事業継続年数、上場の有無、役員異動の頻度
3.業績過去3期における業績(B/S、P/L、C/F等)、株価動向
4.信用度資本関係、国内外の信用格付業者による長期または短期格付、主要調査会社のデータベースによる信用調査評価
5.賃貸借内容賃借の目的、契約期間、賃料、賃借規模、内装工事内容等、上記1.ないし4.の内容との相応性
6.その他居住目的の個人の場合は、所得水準に占める賃料の割合、上記1.ないし4.に基づく勤務先の状況、勤務年数


(ニ)賃貸借契約の締結基準
賃貸借契約における賃料・敷金・契約期間の扱いについては、以下を基本とします。
(a)賃料
投資不動産の特性、賃貸市場での競合物件等を考慮のうえ算定される適正市場賃料以上での成約を目指し、テナントの信用力・契約期間等の諸条件を総合的に判断し決定します。
(b)敷金
投資不動産の特性、賃貸市場での競合状況、テナントの信用力及び契約期間等の諸条件を総合的に判断し決定しますが、可能な限りテナントの賃借目的にかかわらず、月額賃料の12か月分以上を基本とします。但し、投資不動産の用途が住宅の場合は、この限りではありません。なお、不動産等の取得時に既存の賃貸借契約が存続し、かかる契約における敷金が上記の敷金基準を満たしていない場合、契約更新時にこれを満たす交渉をします。また、賃貸借契約期間中、上記「テナント審査項目」に照らし、契約締結時には認められなかった欠格事項等が新たに生じ、テナントの適格性を補う必要が生じた場合には、テナント責任者へのインタビュー等を実施し、その結果によっては早期の手当てを行うよう努めるものとします。これは、テナントがマスターレッシーである場合も同様に適用します。
(c)契約期間
投資不動産の特性、賃貸市場での競合状況、テナントの信用力及び契約期間等の諸条件を総合的に判断し決定しますが、オフィスビル及び都心型商業施設については3年以上、郊外型商業施設については10年以上の賃貸借契約を基本とし、可能な限り長期の賃貸借契約を基本とします。
また、本投資法人のポートフォリオの運用において、そのリーシング方針から、一部のテナントが投資不動産の大半を占める投資不動産がポートフォリオに含まれることにより、一時的に高水準な空室が同時発生するリスク(テナント集中リスク)を軽減するために、中長期の契約期間及び契約期間満了日の分散をもって、かかるリスクを最小限に抑えるべく対処するものとします。これは、テナントがマスターレッシーである場合も同様に適用します。
(ⅳ)投資不動産のプロパティマネジメント方針
(イ)プロパティマネジメントの基本方針
投資不動産にかかるPM業務については、下記「プロパティマネジメント方針」に基づき、資産価値の維持向上、収益の最大化を実現し、併せて投資不動産の内部成長を図るよう努めるものとします。
プロパティマネジメント方針
資産運用会社が策定するプロパティマネジメント方針
施設運営管理1.投資不動産の運営管理方針の策定
2.投資不動産の運営管理計画及び実績の検証
3.投資不動産の賃貸収支管理
4.運営管理コスト配分方針の策定
5.施設運営管理業者への指示・助言・業務管理
賃貸営業管理1.投資不動産の賃貸方針の策定
2.新規契約・契約更新にかかる賃貸条件の策定
3.賃料調査等、マーケティング戦略の策定
4.賃貸営業管理業者への指示・助言・業務管理
5.テナント誘致・契約更新・賃料改定等の交渉
工事・営繕管理1.投資不動産の修繕計画方針の策定
2.投資不動産の資本的支出の意思決定
3.建物改修工事の計画方針策定
4.工事・営繕管理業者への指示・助言・業務管理

(ロ)PM会社の選定方針
投資不動産のPM業務は、PM会社が各投資不動産について、施設運営管理、賃貸営業管理、工事・営繕管理を統括することを基本としますが、投資不動産の運用上、かかる業務の一部を個別に委託することを妨げないものとします。
PM会社とのPM業務委託契約期間は1~2年を基本とし、契約期間満了時までに、考課測定を行い、契約期間中の実績等を慎重に検討したうえで、契約更新を行うものとします。
本投資法人がPM業務を委託する場合、PM会社の選定を投資不動産の特性に応じて個別に検討し、下記「PM会社審査項目」に定める審査内容に基づき総合的に判断し選定します。検討の結果、特定のPM会社に複数の投資不動産のPM業務を一括委託する場合もあります。
PM会社審査項目
審査項目審査内容
1.業容PM事業概要、人員体制、事業エリア等
2.実績不動産用途別または地域別の管理実績、専門とする不動産の用途または地域
3.財務健全性過去3期における業績(B/S、P/L、C/F等)、信用度
4.PM内容施設運営管理(保守・清掃・警備等)、賃貸営業管理(テナントリーシング等)、工事・営繕管理(建物の修理・修繕・更新・改修工事にかかる管理等)、これに伴う報告業務、管理企画提案、渉外業務等、PMの体制・質・スピード
5.報酬額PM内容との相応性
6.その他近隣競合建物の受託状況

マスターリース契約を締結する投資不動産において、マスターレッシーがPM業務を行う場合、上記「PM会社審査項目」に定める審査内容を考慮し、かつ外部の第三者へPM業務を委託することと同等以上の経済的効果が得られると総合的に判断した場合、PM業務委託をマスターリース契約と一体として当該マスターリース契約に規定するものとします。また、セール・アンド・リースバック等により、前所有者が引き続き賃借(あるいは転借)する投資不動産において、前所有者が自己の費用負担でPM業務を行うことを希望する場合にも、上記「PM会社審査項目」に定める審査内容を考慮し、かつ外部の第三者へPM業務を委託することと同等以上の経済的効果が得られると総合的に判断した場合、承諾するものとします。
(ⅴ)投資不動産の修繕計画及び資本的支出等に関する基本方針
投資不動産に関する修繕計画については、通常必要とされる資本的支出及び修繕費(以下「資本的支出等」といいます。)のほか、中長期にわたり投資不動産の市場競争力及びテナント満足度の維持向上を図るための資本的支出等を考慮した営業戦略的な修繕計画を投資不動産毎に策定し、必要な修理・修繕・更新・改修を行うものとします。
修繕計画は、原則として毎年現地実査を行い、各事業年度について、むこう12年間の修繕計画を策定し、毎年かかる修繕計画の更新または見直しをすることにより、中長期の資本的支出等を把握し計画的な実施を図るものとします。
中長期的な資本的支出に備え、ポートフォリオ全体の減価償却費と修繕計画を考慮して修繕積立金を積み立てるものとします。
資本的支出は、本投資法人の運用状況等を考慮し、修繕計画に基づき毎期作成する運用計画に則り実施します。
投資不動産において、資本的支出となる修理・修繕・更新・改修を実施する場合、原則としてポートフォリオ全体の修繕積立金の範囲で行います。
(ⅵ)投資不動産への付保方針
投資不動産に対する損害保険等の付保は、各投資不動産の特性、内在するリスク等を考慮し、災害等の発生においても、本投資法人及び投資主への損害が軽減することを基本に付保の判断を行うものとします。
地震保険は、原則として前記「(ⅱ)投資不動産の取得方針/(ロ)投資不動産の選定基準/投資不動産の主要スペック」に定める地震PML基準を超える投資不動産を取得しないため付保しませんが、当該基準を超過する投資不動産を取得する場合には、かかる保険料による当該投資不動産の収益性等を考慮し、付保の検討・判断を行います。
上記にかかわらず、ポートフォリオの運用上、特段の保険の付保が必要であると判断した場合、リスクに適合した保険を個別に付保することを検討するものとします。
(ⅶ)ポートフォリオの見直し
投資不動産については、原則として中長期間保有し短期譲渡は行わないものとします。しかしながら、ポートフォリオの運用上、特定の投資不動産について、中長期的な不動産市況、収益予測、資産価値の上昇・下落の見通し、立地地域の将来性、劣化に対応する資本的支出の見込み等、当該投資不動産の競争優位性を考慮したうえで、入替えが適切であると判断した場合は、当該投資不動産の譲渡を検討します。
また、特定の投資不動産について、その取得後、本投資法人の投資方針を満たさない事態が生じた場合、ポートフォリオへの影響度を考慮のうえ、入替えのための譲渡を検討します。
(ⅷ)投資不動産の取得もしくは譲渡についての制限
本投資法人は、利害関係人等より投資不動産を取得する場合、取引の適正性を欠くことのないよう、資産運用会社の定める利害関係人取引規程に従うとともに、関係法令の遵守等、慎重な対応をもって取得します(後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご覧ください。)。本投資法人が利害関係人取引規程において規定される利害関係人等より投資不動産を取得しようとする場合、当該不動産等の取得価格を決定するうえで不動産鑑定士による不動産鑑定評価書を入手したうえで、鑑定評価額以下で取得を行うものとします。逆に、利害関係人等に対し投資不動産を譲渡する際には、譲渡価格は不動産鑑定士による不動産鑑定評価書に基づく鑑定評価額以上とします。
(ⅸ)財務方針
運用資産の効率的な運用及び運用の安定性に資するため、本投資法人は、資産の取得、修繕等または分配金の支払い、もしくは債務の返済(敷金等並びに借入金及び投資法人債の債務の返済を含みます。)、運転資金等の資金の手当てを目的として、資金を借り入れまたは投資法人債を発行することができます(規約第26条第4号(f))。
(イ)担保差入
借入れその他の資金調達に際し、その資産を担保として提供することがあります。
(ロ)LTV基準
借入れその他の資金調達に際しては、本投資法人の資産総額のうち借入金額及び投資法人債発行残高の占める割合は、最大50%を目安とします。但し、新たな投資不動産の取得等に伴い、一時的に50%を超えることがあります。
(ハ)資金調達先の決定
資金調達先の決定に際しては、金融環境変化による影響を抑えつつ、低廉な資金調達コストを実現するよう、固定金利の割合、期間、担保設定の有無等の諸条件を、複数の適格機関投資家と交渉のうえ、比較し決定します。なお、将来の投資不動産の追加取得、または敷金・保証金の返還等にかかる必要資金の機動的な調達を目的として、極度借入枠設定契約、コミットメントライン契約等の事前の借入枠設定または随時の借入れの予約契約を締結することがあります。
(ニ)デリバティブ取引
借入れその他の投資法人にかかる負債から生じる金利変動リスクその他のリスクのヘッジを主たる目的として、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
(ホ)余資の運用
余資の運用は、安全性、換金性等を考慮し、金利環境及び資金繰りを十分に鑑みたうえで慎重に行います。
(ⅹ)森トラストグループとの不動産等の情報提供に関する協定書について
本投資法人及び森トラスト株式会社(以下本項において「森トラスト」といいます。)は、本投資法人と森トラスト及び森トラストグループ各社(下記(イ)で定義します。以下「グループ各社」といいます。)との間における不動産等の情報提供に関する行為準則を定めるために、平成15年12月1日付で「不動産等の情報提供に関する協定書」(その後の変更を含みます。以下本項において「本協定書」といいます。)を締結しています。
(イ)グループ各社の定義
本協定書において、グループ各社とは、「森トラストグループ」に含まれる以下の会社とします。
(a)株式会社森トラスト・ホールディングス
(b)フォレセーヌ株式会社
(ロ)森トラストの不動産等の譲渡にかかる情報提供
(a)森トラストが、自ら所有する不動産等のうち、本投資法人の投資基準に適合する不動産等を譲渡しようとする場合、森トラストは本投資法人に対し、当該不動産等に関する情報を優先的に提供するものとします。
(b)前項に従い提供された情報により、本投資法人が当該不動産等の取得を希望する場合、森トラストは誠実に協議するよう努めるものとします。
(ハ)グループ各社の不動産等の譲渡にかかる情報提供
(a)グループ各社が所有する不動産等のうち、本投資法人の投資基準に適合する不動産等の譲渡を希望する場合、森トラストは当該グループ各社をして本投資法人に対し、当該不動産等に関する情報を速やかに提供するよう要請するか、またはこれに代わり自ら本投資法人に対し、かかる情報の提供に協力するものとします。
(b)前項に従い提供された情報により、本投資法人が当該不動産等の取得を希望する場合、森トラストは当該グループ各社をして誠実に協議に応じるよう要請し本投資法人に協力するものとします。
(ニ)投資機会にかかる情報提供
(a)本投資法人、森トラスト及びグループ各社は、原則として、それぞれ自由に第三者からの不動産等の取得を行うことができるものとします。
(b)本投資法人または森トラストが、第三者から不動産等を取得する機会(以下「投資機会」といいます。)に関する情報を得た場合、それぞれ独自の裁量でその取扱いについて決定することが可能であり、これを本協定書の他方当事者へ提供する義務を負わないものとします。また、グループ各社が、第三者の不動産等について投資機会に関する情報を得た場合、それぞれ独自の裁量でその取扱いについて決定することが可能であり、森トラストは当該グループ各社をして本投資法人に対し、かかる情報を提供せしめ、またはこれに代わり自ら本投資法人に対し、かかる情報を提供する義務を負わないものとします。
(c)本投資法人または森トラストが、独自の判断により第三者からの特定の不動産等に関する投資機会を放棄した場合で、かつ当該不動産等が本協定書の他方当事者の投資基準に適合する可能性があると合理的に判断した場合には、当該当事者は、当該不動産等に関する情報を、本協定書の他方当事者に提供するものとします。
(d)グループ各社が、独自の判断により第三者からの特定の不動産等に関する投資機会を放棄した場合で、かつ当該不動産等が本投資法人の投資基準に適合する可能性があると合理的に判断した場合には、森トラストは、当該グループ各社をして本投資法人に対し、当該不動産等に関する情報を提供するよう要請するか、またはこれに代わり自ら本投資法人に対し、かかる情報の提供に協力するものとします。
(ホ)本投資法人の不動産等の譲渡にかかる情報提供
(a)本投資法人が、自ら所有する不動産等のうち、森トラストまたはグループ各社が投資する可能性があると合理的に判断される不動産等を譲渡しようとする場合、本投資法人は森トラストに対し、当該不動産等に関する情報を優先的に提供するものとします。なお、森トラストはグループ各社に対し、かかる情報を速やかに通知するものとします。
(b)前項に従い提供された情報により、森トラストまたはグループ各社が当該不動産等の取得を希望する場合、本投資法人は誠実に協議するよう努めるものとします。
(ヘ)有効期間
本協定書の有効期間は、本協定書の締結の日から3年(自動更新)とします。
(ⅺ)その他の方針
(イ)税制上における優遇措置への対応について(規約第26条第2号)
(a)本投資法人は、税制により課税の軽減等、本投資法人及び投資主への優遇措置が講じられている場合には、積極的に対応するものとします。
(b)特定不動産(本項において、本投資法人が取得する特定資産のうち、不動産、不動産の賃借権もしくは地上権または不動産の所有権、土地の賃借権もしくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合は100分の75以上とします。
(ロ)組入資産の賃貸の目的及び範囲(規約第26条第6号)
(a)本投資法人は、中長期的な資産の安定運用を目的として、原則として運用資産に属する全ての不動産について賃貸(駐車場、看板等の設置等を含みます。)を行うこととします。
(b)特定資産である信託の受益権にかかる信託財産である不動産については、関連する信託契約に基づき可能な範囲内で、当該信託の受託者に対し、賃貸を行うよう指図することとします。
(c)上記(a)及び(b)の不動産の賃貸に際しては、敷金等を受け入れることがあり、かかる敷金等については、規約の定めに従い運用を行うか、または、借入金等の返済に充当します。
(d)運用資産に属する不動産に共有者が存する場合、共有不動産全体の本投資法人による利用について共有者の同意を得たうえで他の共有者の共有持分を、また、不動産が建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物である場合、他の区分所有者の所有する専有部分(共用部分の共有持分等を含みます。)を賃借したうえで、それぞれこれを転貸することがあります。