訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第18期(平成26年10月1日-平成27年3月31日)
(1) 【投資方針】
① 基本方針
本投資法人は、資産を主として日本全国に所在する主たる用途を住居とする不動産等資産(後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (イ)」に記載する不動産等資産を指します。以下同様とします。)の特定資産(賃貸住宅)への投資を行います(住宅特化型REIT)。本投資法人は、賃貸住宅について、オフィス、商業施設等と比べて、投資地域の分散が容易であり、また、賃料収入が好不況にかかわらず比較的安定している資産と判断しています。
かかる賃貸住宅への投資により、本投資法人は、中長期にわたり、ポートフォリオ収益の安定化、資産規模の着実な拡大及び各運用資産の収益の安定化を追求し、もって投資主価値の継続的な拡大を目指します。
本投資法人は、賃貸住宅の利用形態が、そのユーザーの家族構成、収入、年齢等によって大きく異なること、また、その需要動向もユーザー層毎に異なることに着目しています。その上で、家族構成の変化、それぞれの住居に対する考え方の変化、地域特性等の要因を考慮し、多様化するユーザーのニーズを捉えて、投資判断を行います。投資に際しては、ワンルームタイプ及びファミリータイプの2つの賃貸住宅カテゴリーの中から安定収益を生み出すと考える不動産を選別して、後記の投資比率に基づき組み合わせて投資を行う方針です(賃貸住宅カテゴリーの詳細については後記「③ 物件取得基準」をご参照下さい。)。
かかる投資により、多数のテナントが分散する住宅アセットの特徴を最大限に引き出すとともに、ポートフォリオが生み出すキャッシュ・フローの変動リスクを適度にコントロールすることができます。
<賃貸住宅カテゴリー>
本投資法人は、かかる2つのカテゴリーに分類した賃貸住宅について、下記の投資比率に基づき取得していきます。なお、競争力のある物件の確保及び不動産市場の状況等により、一時的又は一定期間、下記投資比率の範囲を超えることがあります。
<賃貸住宅カテゴリー別投資比率>
(注) 一棟の建物につき複数の賃貸住宅カテゴリーの住居が混在する場合、最も多い戸数のカテゴリーに属するものとして、当該一棟の建物全体を分類して投資比率を算定します。
<投資対象エリア別投資比率>
(注1) 東京都23区を除く関東・中京・近畿の3大都市圏とは、東京都23区以外の関東大都市圏、中京大都市圏及び近畿大都市圏をいいます。
(注2) 政令指定都市等とは、札幌大都市圏、仙台大都市圏、新潟大都市圏、静岡・浜松大都市圏、岡山大都市圏、広島大都市圏、北九州・福岡大都市圏及び熊本大都市圏並びに人口が30万人以上の中核市をいいます。
本投資法人は、資産の効率的な運用及び運用の機動性や安定性を図るため、その時々において的確な財務戦略を採用します。
なお、本資産運用会社は、本投資法人による不動産等の取得に関して、自主ルールとして利害関係者取引規則を定め、資産運用における独立性を確保することにより、適正かつ透明性を有するコンプライアンス及びガバナンスの体制を構築し、これを基礎とした資産運用を行います。利害関係者取引規則については後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係者取引規則」をご参照下さい。
② ポートフォリオ成長戦略
(イ)外部成長戦略
本投資法人は、収益力向上により投資主の皆様への長期的に安定した利益配分を実施するため、「資産規模の継続的拡大とポートフォリオの質の向上」を目指します。具体的には、当面の運用方針として①東京都23区を中心とした首都圏での新規物件の取得(原則1物件取得価格10億円以上)及び首都圏以外の地域トップクラスの大型物件の取得(原則1物件取得価格10億円以上)、②運用効率向上を目的とした、主に首都圏以外の築年数を比較的経た小型物件(特に1物件売却価格5億円以下)及び旧プレミアムタイプ物件の売却による保有物件の入替えを継続します。
物件取得については、「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅰ.新規物件の取得による外部成長」に記載したとおり、新規物件の取得に引き続き取組んでまいります。また、本投資法人は、第15期及び第16期に実施したような優先買取権を得ることを目的としたブリッジ・ファンドへの匿名組合出資が、将来の外部成長に向けた有用な手段であると考えています。今後も、不動産売買市場の動向や物件取得の資金調達の状況などに鑑み、本投資法人による直接の物件取得だけでなくブリッジ・ファンドの組成を通じた機動的な物件取得の両面で、外部成長を積極的に進めていく方針です。
なお、物件売却等により損失が発生した場合でも、本投資法人は、負ののれん発生益に基づいた配当積立金(第18期の分配金配当後7,020百万円)により、同積立金の未処分額を限度として損失に充当できるため、減配の影響を回避又は低減することが可能です。
(ロ)内部成長戦略
a. オペレーション全般の継続強化
「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅱ.オペレーション全般の継続強化」に記載したとおり、オペレーション全般について、引き続き取組みを強化してまいります。
b. 経費の削減
「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅱ.オペレーション全般の継続強化」に記載したとおり、経費削減について、引き続き取組みを強化してまいります。
c.全国の不動産業者との連携
本投資法人は、PM業務について、旧PRIの吸収合併以降、効率化及び経費節減の観点からPM会社の集約を進め、現在では、全国で9社の有力PM会社に業務委託する体制となっております。この中でも、大都市圏に所在する物件を中心とした111物件については株式会社長谷工ライブネットに業務委託を行っており、引き続き、同社との緊密な連携により、質の高い物件管理やリーシング活動等を実現していきます。また、各PM会社との提携により、それぞれの地域や物件に強みを持つ有力な不動産業者との強力なネットワークを構築し、稼働率の維持・向上のため、賃貸仲介業務及び賃貸管理業務に関する協力を受けることができる体制を整えています。
今後も、全国各地の有力な不動産業者とのさらなる連携の強化を進め、各物件又は各地域の特性に合わせた効果的なリーシング活動を行い、稼働の改善、賃料水準の適正化、入居者の入替率の低減などを図ってまいります。
(ハ)財務戦略等
本投資法人のデット・ファイナンスは、「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅲ.新規物件の取得資金調達及び調達の多様化」に記載のとおり、有利子負債は、総資産LTVの当面の上限を55%として、追加での物件取得余力を確保していきたいと考えております。銀行借入に関しては、借入期間の一層の長期化、返済期日の分散化、変動金利の固定化、金融費用の更なる低減等を目指します。また、今後とも強固なバンクフォーメーションを維持するとともに、新規レンダーの開拓を図り、資金調達先の更なる拡大に努めていきます。投資法人債についても、金融環境の推移や金利削減効果等の諸条件を見極めつつ、引き続き起債を検討してまいります。また、エクイティ・ファイナンスは、新規物件の取得、総資産LTV、分配金への影響、金融市場の環境等も総合的に勘案のうえ、検討してまいります。
(ニ)業務提携契約に基づくサポート内容
各不動産業者との間の業務提携契約に基づき各不動産業者から提供を受けるサポートの内容は、以下のとおりです。
i.対象不動産の売買に関する情報の優先的な情報提供 ※1
ⅱ.対象不動産の売買に関する優先交渉権の付与 ※2
ⅲ.賃料相場、建物管理費等のマーケットに関する情報提供
ⅳ.上記i.乃至ⅲ.を前提として委託される、本投資法人の取得した対象不動産の賃貸仲介及び賃貸管理等に関する業務
※1 「優先的な情報提供」とは、遅くとも第三者と同時に情報の提供を受けることをいいます。
※2 「優先交渉権」とは、第三者に先駆けて売買の交渉を行う権利をいいます。
<業務提携先不動産業者>
(注) 店舗数、支社数、支店数及び営業所数は、平成27年3月31日現在の数値です。
③ 物件取得基準
(イ)保有期間
本投資法人は、原則として中長期的な保有を目的として不動産等を取得し、当初から短期で売却することを想定した不動産等の取得を行いません。
(ロ)選別基準及び取得基準
本投資法人は、2つの賃貸住宅カテゴリーから安定収益を生み出す不動産等を選別して取得するために、以下の選別基準及び取得基準を設けています。ただし、下記基準を充足しない不動産等であっても、競争力があり中長期的な安定収益が見込める場合には、かかる不動産等を所定の意思決定手続を経て取得することがあります。
a.選別基準
本投資法人が各カテゴリーにおける不動産等に関して想定するテナント及び安定した収益を生み出す不動産等を選別するための基準は、以下のとおりです。
(注) その他人口30万人以上の中核市とは、地方自治法に基づき指定された市を指します。
b.取得基準
ポートフォリオ全体において中長期的観点から安定収益を確保することを目的として上記の選別基準を満たした不動産等のうち、原則として以下の取得基準を満たす物件に投資します。
(ハ)開発型物件及び再生物件の取得について
本投資法人は、原則として安定収益を生み出している不動産等を投資対象とします。このため、開発中及び建築確認の再取得を要する改修工事を行っている物件に対しては投資を行いません。かかる不動産等については、竣工後又は改修工事完了後に投資することとします。
(ニ)環境有害物質及び土壌汚染について
本投資法人は、環境有害物質が検出されず、かつ、土地に含まれる有害物質が土壌汚染調査基準値を超えない不動産等のみを取得するものとします。環境有害物質が検出された場合、又は土地に含まれる有害物質が土壌汚染調査基準値を超えていた場合には、適切な処理が施され第三者機関によるレポートで安全性が確認されること、また、当該不動産等が立地する市町村の行政当局に対する改善報告の義務がある場合には行政当局によって安全性が確認されることを条件として、かかる不動産等を取得することとします。
(ホ)権利形態
本投資法人は、原則として完全所有権の物件に投資するものとしますが、例外として完全所有権以外の物件を選定する場合は、以下に定めるところに従い、個別に判断するものとします。
a.区分所有物件
区分所有物件については、管理運営の実態を調査し、収益の安定性、物件特性、市場環境等を検討した上で総合的に判断し、投資するものとします。
b.借地物件
権利関係が明確であり、かつ底地の借地権が十分な賃借期間を残した定期賃貸借又は将来の契約更新が可能な賃貸借である場合においてのみ取得するものとします。
c.共有物件
共有物件については、管理・処分の自由度が確保できることを前提に、他の共有者の属性、信用力等を検討した上で総合的に判断し、投資するものとします。なお、共有物件へ投資する場合には、収益の安定性を確保するために必要な措置(共有物不分割特約の締結及び共有物件の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限りません。)を講ずるものとします。
(ヘ)フォワード・コミットメント
本投資法人は、フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結から1月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合は、以下の事項を遵守するものとします。
a. フォワード・コミットメントを履行できない場合に生じる解約違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響に比して、過大にならないか慎重かつ適切に検討します。
b. 取得額の上限及び売買契約書締結から決済・物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを設定し、これを遵守することとします。
(ト)その他
特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。以下同じです。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とします。
また、本投資法人は、その有する資産の総額のうちに占める不動産等(本(へ)においては、不動産(投資法人の計算に関する規則(平成18年内閣府令第47号。その後の改正を含む。以下同じ。)第37条第3項第2号イ、ロ及びホに掲げる資産をいいます。以下、本(へ)において同じです。)、不動産の賃借権、同号ヘに掲げる資産、地上権及び地役権並びにこれらの資産を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の割合を100分の70以上とします。
④ 投資対象不動産のデュー・デリジェンス
本投資法人は、運用資産の取得に際して、利害関係のない専門家から不動産鑑定評価書、建物診断報告書、地震リスク報告書、地質調査報告書及び必要に応じてマーケットレポートを取得し、対象不動産についてのデュー・デリジェンスを行い、各調査事項を総合的に考慮して投資の可否について判断します。
⑤ 管理運営方針
本投資法人は、適切な日常の管理・運営及び計画的な建物・設備のリニューアル・修繕等により運用資産の資産価値の維持・向上を図るとともに、運用資産が所在するエリアにおいてリーシング実績のあるPM会社を採用し、中長期的に収益安定性のある運営を目指します。
(イ)PM会社の選定基準
本資産運用会社は、運用資産の資産価値及び競争力の維持・向上、中長期的な安定収益の確保のため、以下の各項目に照らして最適なPM会社を選定します。
・ 法令等の遵守状況
・ 経験及び実績
・ 財務基盤・信用力
・ 建物及び設備の管理・運営・保全能力
・ プライバシーポリシーの確立及びそれに対応する社内体制
・ テナント対応における迅速性・サービス能力
・ リーシング能力(特に新規テナント募集能力)
・ レポーティング能力
・ 報酬手数料の水準
(ロ)PM会社の管理方針及び指導・監督
本資産運用会社は、PM会社から毎月以下の報告を受けることとし、当該報告により各運用資産の事業計画の検証を行うとともに、PM会社に対し、各運用資産の事業計画に沿った運営管理を実行させるための指導・監督を行います。
・ テナントからの入出金状況
・ 経費等の支出状況
・ テナント退去に関する情報
・ テナントからの要望・クレームとその対処
・ リーシング情報(新規テナント契約及び更新契約)
・ 新規テナント獲得に関する情報及び獲得に関する活動内容
・ 各投資対象不動産周辺の賃貸住宅市況
・ 建物管理・運営情報(サービス業務・清掃・点検等の実施状況)
・ 原状回復等修繕工事等の状況
(ハ)PM会社の評価
本資産運用会社は、定期的に(原則1年毎)、以下の各項目に照らしてPM会社の運営管理実績を評価し、その結果によっては、PM会社の変更を検討します。
・ 管理運営計画の達成度
・ リーシング実績
・ 運用資産の管理運営状況及び改善提案能力
・ テナント対応能力
(ニ)テナント選定
本投資法人は、中長期的な安定収益の確保を目的として、以下の各項目に照らしてテナントを決定します。また、反社会的勢力との取引を未然に防止するため、テナントに対する適切な事前審査を実施するとともに、関係遮断を徹底する観点から既存契約の適切な事後検証を実査するものとします。
a.法人
・ 業種、業歴、事業規模、業況等
・ 使用目的、契約期間
・ 保証会社による保証の適否
b.個人
・ 職業又は勤務先の業種、勤務先の規模、勤務年数
・ 年収、その他賃料負担能力の根拠
・ 使用目的、契約期間
・ 家族構成
・ 保証会社による保証の適否
(ホ)日常の管理運営及び計画的な建物・設備のリニューアル・修繕
本投資法人は、中長期的な観点から以下の項目について留意し、支出を行います。
・ 運用資産の建物・設備の状況、入居者のセグメントに最適なサービス業務・管理仕様を選定し、コストに留意の上決定します。
・ 運用資産の建物・設備の機能・美観上の観点から中長期的な経年劣化への対応及び資産価値及び競争力の維持・向上のため、計画的な修繕を立案・実行し、ポートフォリオ全体への影響の平準化を図ります。
⑥ 付保方針
各種保険の付保に際して、保険料、免責額、キャッシュリザーブ等を総合的に勘案して判断します。
(イ)損害保険
損害保険の付保に関しては、各物件の特性に応じて適正と判断される内容の火災保険及び賠償責任保険を付保します。
(ロ)地震保険
地震リスク調査報告書に基づきPML値が15%以上の場合には、地震保険の付保を条件としてのみ不動産等を取得します。また、上記以外のケースであっても、ポートフォリオ及び個別運用資産毎のPML値及び地震発生時における予想最大損失額と付保に要するコスト等を勘案し、適切と判断される場合にはポートフォリオ又は個別運用資産毎に地震保険を付保することがあります。
⑦ 資産運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産全体について「中期(3年)資産運用計画」及び「期別運用計画」を策定し、計画的な運用を行います。
(イ)期別運用計画
本投資法人の保有するポートフォリオ全体及び各運用資産の運営管理について、営業期間毎に、期別運用計画を策定し、計画的な運営管理を実施します。期別運用計画は、各営業期間開始時点のポートフォリオ全体の収支予算及び物件別事業計画(物件別収支予算、リーシング計画及び大規模修繕計画を含みます。)により構成されるものとし、各営業期間の開始時までに決定されます。
(ロ)資産運用計画等の検証
a.月次検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体での月次収支実績を検証します。月次収支予算と実績に乖離が見られる等、期別運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正期別運用計画(期中運用計画)を策定します。なお、期中に不動産等の取得・売却を行った場合も同様とします。
b.営業期間毎の検証
各運用資産及びポートフォリオ全体の運用状況を分析し、それを踏まえて、翌営業期間以降の期別運用計画を策定します。
⑧ 売却方針
本投資法人は、中長期的な保有を基本方針として運用資産の取得を行いますが、以下の項目を検討した結果、運用資産を売却することが有益であると判断した場合には、運用資産を売却することがあります。
(イ)ポートフォリオの構成
(ロ)当該不動産等の将来の収支動向予想
(ハ)当該不動産等の経年劣化による保有コストと期待収益とのバランス
(ニ)当該不動産等が所在する周辺の将来性予測
(ホ)当該不動産等の将来価値変動予測
(ヘ)所在エリアの賃貸市場動向及び不動産売買市場動向
⑨ 財務方針
(イ)基本方針
本投資法人は、資産の効率的な運用及び運用の機動性、安定性を図るため、運用資産の取得資金、運用資産に係る工事代金及び運転資金又は債務の返済等を使途として、借入れ又は投資法人債の発行を行います。
借入れ及び投資法人債発行の際には、a.短期・長期調達の組合せ、b.返済・償還期限の分散、及びc.固定・変動調達のバランスに留意しつつ資金調達を行います。
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
借入先は、租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定する機関投資家に限ります。
(ロ)負債比率
本投資法人の保有する資産の総額に対する借入金(投資法人債を含みます。)残高の割合の上限は、60%を目途とします。ただし、資産の取得状況や投資口の追加発行のタイミング等により一時的に上記数字を超えることがあります。
(ハ)投資法人債の発行
安定的な資金調達の手段として投資法人債を発行することがあります。
(ニ)借入条件等に関する方針
借入条件等については、借入期間、金利、財務制限条項の内容、担保設定の有無等諸条件を複数の借入先と交渉し、総合的に最も有利とされる条件を採用します。
(ホ)コミットメントライン
運用資産の追加取得に係る機動的な資金調達を目的とし、コミットメントライン契約や極度貸付枠設定契約等、随時借入れの予約契約や借入枠の設定を行うことがあります。
(ヘ)投資口の追加発行
本投資法人の資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、金融環境を的確に把握した上で、投資口の希薄化(投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ、投資口の追加発行を行うことがあります。
⑩ 開示方針
(イ)投信法、金商法、株式会社東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会(以下「投資信託協会」といいます。)等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って開示を行います。
(ロ)投資家に対して可能な限り迅速、正確、公平かつわかりやすい自主的な情報開示を行います。具体的には、以下のような場合を想定しています。
・ 物件の取得・売却の事実が発生した場合における取得・売却資産の概要について
・ 自然災害等の投資不動産に重要な影響を及ぼすおそれのある事象が生じた場合における運用資産への影響について
・ その他資産の運用に重要な影響を及ぼす事実が生じた場合における当該事実について
① 基本方針
本投資法人は、資産を主として日本全国に所在する主たる用途を住居とする不動産等資産(後記「(2) 投資対象 ① 投資対象とする資産の種類 (イ)」に記載する不動産等資産を指します。以下同様とします。)の特定資産(賃貸住宅)への投資を行います(住宅特化型REIT)。本投資法人は、賃貸住宅について、オフィス、商業施設等と比べて、投資地域の分散が容易であり、また、賃料収入が好不況にかかわらず比較的安定している資産と判断しています。
かかる賃貸住宅への投資により、本投資法人は、中長期にわたり、ポートフォリオ収益の安定化、資産規模の着実な拡大及び各運用資産の収益の安定化を追求し、もって投資主価値の継続的な拡大を目指します。
本投資法人は、賃貸住宅の利用形態が、そのユーザーの家族構成、収入、年齢等によって大きく異なること、また、その需要動向もユーザー層毎に異なることに着目しています。その上で、家族構成の変化、それぞれの住居に対する考え方の変化、地域特性等の要因を考慮し、多様化するユーザーのニーズを捉えて、投資判断を行います。投資に際しては、ワンルームタイプ及びファミリータイプの2つの賃貸住宅カテゴリーの中から安定収益を生み出すと考える不動産を選別して、後記の投資比率に基づき組み合わせて投資を行う方針です(賃貸住宅カテゴリーの詳細については後記「③ 物件取得基準」をご参照下さい。)。
かかる投資により、多数のテナントが分散する住宅アセットの特徴を最大限に引き出すとともに、ポートフォリオが生み出すキャッシュ・フローの変動リスクを適度にコントロールすることができます。
<賃貸住宅カテゴリー>
| 賃貸住宅カテゴリー | 主たるユーザー |
| ワンルームタイプ | 単身者世帯又はDINKS(共働きで子供を持たない世帯)等 |
| ファミリータイプ | 家族を有する世帯等 |
本投資法人は、かかる2つのカテゴリーに分類した賃貸住宅について、下記の投資比率に基づき取得していきます。なお、競争力のある物件の確保及び不動産市場の状況等により、一時的又は一定期間、下記投資比率の範囲を超えることがあります。
<賃貸住宅カテゴリー別投資比率>
| 賃貸住宅カテゴリー | 取得価格ベース投資比率 |
| ワンルームタイプ | 50~80% |
| ファミリータイプ | 20~50% |
(注) 一棟の建物につき複数の賃貸住宅カテゴリーの住居が混在する場合、最も多い戸数のカテゴリーに属するものとして、当該一棟の建物全体を分類して投資比率を算定します。
<投資対象エリア別投資比率>
| 投資対象エリア | 取得価格ベース投資比率 |
| 東京都23区 | 30~70% |
| 東京都23区を除く関東・中京・近畿の 3大都市圏(注1) | 30~60% |
| 政令指定都市等(注2) | 0~25% |
(注1) 東京都23区を除く関東・中京・近畿の3大都市圏とは、東京都23区以外の関東大都市圏、中京大都市圏及び近畿大都市圏をいいます。
(注2) 政令指定都市等とは、札幌大都市圏、仙台大都市圏、新潟大都市圏、静岡・浜松大都市圏、岡山大都市圏、広島大都市圏、北九州・福岡大都市圏及び熊本大都市圏並びに人口が30万人以上の中核市をいいます。
本投資法人は、資産の効率的な運用及び運用の機動性や安定性を図るため、その時々において的確な財務戦略を採用します。
なお、本資産運用会社は、本投資法人による不動産等の取得に関して、自主ルールとして利害関係者取引規則を定め、資産運用における独立性を確保することにより、適正かつ透明性を有するコンプライアンス及びガバナンスの体制を構築し、これを基礎とした資産運用を行います。利害関係者取引規則については後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2) 利害関係者取引規則」をご参照下さい。
② ポートフォリオ成長戦略
(イ)外部成長戦略
本投資法人は、収益力向上により投資主の皆様への長期的に安定した利益配分を実施するため、「資産規模の継続的拡大とポートフォリオの質の向上」を目指します。具体的には、当面の運用方針として①東京都23区を中心とした首都圏での新規物件の取得(原則1物件取得価格10億円以上)及び首都圏以外の地域トップクラスの大型物件の取得(原則1物件取得価格10億円以上)、②運用効率向上を目的とした、主に首都圏以外の築年数を比較的経た小型物件(特に1物件売却価格5億円以下)及び旧プレミアムタイプ物件の売却による保有物件の入替えを継続します。
物件取得については、「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅰ.新規物件の取得による外部成長」に記載したとおり、新規物件の取得に引き続き取組んでまいります。また、本投資法人は、第15期及び第16期に実施したような優先買取権を得ることを目的としたブリッジ・ファンドへの匿名組合出資が、将来の外部成長に向けた有用な手段であると考えています。今後も、不動産売買市場の動向や物件取得の資金調達の状況などに鑑み、本投資法人による直接の物件取得だけでなくブリッジ・ファンドの組成を通じた機動的な物件取得の両面で、外部成長を積極的に進めていく方針です。
なお、物件売却等により損失が発生した場合でも、本投資法人は、負ののれん発生益に基づいた配当積立金(第18期の分配金配当後7,020百万円)により、同積立金の未処分額を限度として損失に充当できるため、減配の影響を回避又は低減することが可能です。
(ロ)内部成長戦略
a. オペレーション全般の継続強化
「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅱ.オペレーション全般の継続強化」に記載したとおり、オペレーション全般について、引き続き取組みを強化してまいります。
b. 経費の削減
「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅱ.オペレーション全般の継続強化」に記載したとおり、経費削減について、引き続き取組みを強化してまいります。
c.全国の不動産業者との連携
本投資法人は、PM業務について、旧PRIの吸収合併以降、効率化及び経費節減の観点からPM会社の集約を進め、現在では、全国で9社の有力PM会社に業務委託する体制となっております。この中でも、大都市圏に所在する物件を中心とした111物件については株式会社長谷工ライブネットに業務委託を行っており、引き続き、同社との緊密な連携により、質の高い物件管理やリーシング活動等を実現していきます。また、各PM会社との提携により、それぞれの地域や物件に強みを持つ有力な不動産業者との強力なネットワークを構築し、稼働率の維持・向上のため、賃貸仲介業務及び賃貸管理業務に関する協力を受けることができる体制を整えています。
今後も、全国各地の有力な不動産業者とのさらなる連携の強化を進め、各物件又は各地域の特性に合わせた効果的なリーシング活動を行い、稼働の改善、賃料水準の適正化、入居者の入替率の低減などを図ってまいります。
(ハ)財務戦略等
本投資法人のデット・ファイナンスは、「1 投資法人の概況 (1) 主要な経営指標等の推移 ② 事業の概況 (ロ)次期の見通し b. 次期における運用方針及び対処すべき課題 ⅲ.新規物件の取得資金調達及び調達の多様化」に記載のとおり、有利子負債は、総資産LTVの当面の上限を55%として、追加での物件取得余力を確保していきたいと考えております。銀行借入に関しては、借入期間の一層の長期化、返済期日の分散化、変動金利の固定化、金融費用の更なる低減等を目指します。また、今後とも強固なバンクフォーメーションを維持するとともに、新規レンダーの開拓を図り、資金調達先の更なる拡大に努めていきます。投資法人債についても、金融環境の推移や金利削減効果等の諸条件を見極めつつ、引き続き起債を検討してまいります。また、エクイティ・ファイナンスは、新規物件の取得、総資産LTV、分配金への影響、金融市場の環境等も総合的に勘案のうえ、検討してまいります。
(ニ)業務提携契約に基づくサポート内容
各不動産業者との間の業務提携契約に基づき各不動産業者から提供を受けるサポートの内容は、以下のとおりです。
i.対象不動産の売買に関する情報の優先的な情報提供 ※1
ⅱ.対象不動産の売買に関する優先交渉権の付与 ※2
ⅲ.賃料相場、建物管理費等のマーケットに関する情報提供
ⅳ.上記i.乃至ⅲ.を前提として委託される、本投資法人の取得した対象不動産の賃貸仲介及び賃貸管理等に関する業務
※1 「優先的な情報提供」とは、遅くとも第三者と同時に情報の提供を受けることをいいます。
※2 「優先交渉権」とは、第三者に先駆けて売買の交渉を行う権利をいいます。
<業務提携先不動産業者>
| 名称 | 本店所在地 店舗数(注) | 事業内容 | 営業地域 |
| 株式会社長谷工ライブ ネット | 東京都港区 2支社4支店 | 不動産賃貸借の管理受託及びこれらのコンサルタント業務 不動産の売買、賃貸借及びこれらの仲介、代理、媒介業務 不動産情報の提供に関する業務 | 北海道・東北・関東・関西・中部・九州及びその他の地域の府県所在地 |
| 株式会社タカラ | 北海道札幌市中央区 1店舗 | 賃貸マンション・アパートの管理、賃貸、仲介、売買、企画、保険代理業、電気通信事業 | 札幌市内及びその近郊 |
| 株式会社毎日コムネット | 東京都千代田区 9事業所 | 不動産活用コンサルティング 収益不動産の企画、設計監理、開発 学生マンション・大学学生寮のプロパティマネジメント 合宿・研修旅行の企画手配 各種スポーツ大会、国際交流プログラムの企画運営 就活支援、就職セミナー等の開催 自動車教習所の斡旋 | 首都圏 |
| 株式会社三好不動産 | 福岡県福岡市中央区 25店舗 | 不動産の売買、賃貸及びその仲介業 宅地の造成、分譲及び建売業 不動産有効利用コンサルタント及び経営企画 賃貸不動産の総合管理業 内装仕上げ工事業 生命保険の募集に関する業務 損害保険代理業 第二種金融商品取引業 有価証券販売に関する業務 遺言信託、遺産整理業務に関する指導・仲介及び斡旋 金融商品仲介業 | 福岡市内及びその近郊、並びに横浜市及びその近郊 |
(注) 店舗数、支社数、支店数及び営業所数は、平成27年3月31日現在の数値です。
③ 物件取得基準
(イ)保有期間
本投資法人は、原則として中長期的な保有を目的として不動産等を取得し、当初から短期で売却することを想定した不動産等の取得を行いません。
(ロ)選別基準及び取得基準
本投資法人は、2つの賃貸住宅カテゴリーから安定収益を生み出す不動産等を選別して取得するために、以下の選別基準及び取得基準を設けています。ただし、下記基準を充足しない不動産等であっても、競争力があり中長期的な安定収益が見込める場合には、かかる不動産等を所定の意思決定手続を経て取得することがあります。
a.選別基準
本投資法人が各カテゴリーにおける不動産等に関して想定するテナント及び安定した収益を生み出す不動産等を選別するための基準は、以下のとおりです。
| 項 目 | ワンルームタイプ | ファミリータイプ |
| 世帯像 (主たるユーザー) | 単身者世帯又はDINKS(共働きで子供を持たない世帯)等 | 家族を有する世帯等 |
| 間取り等 | 1R、1K、1DK、1LDK | 2K、2DK、2LDK以上 |
| 立地・住環境 | 原則として主要交通機関からの距離が概ね徒歩5分以内であること。 生活上の利便性が高いこと。 | 原則として主要交通機関からの距離が概ね徒歩12分以内又は一定数の駐車場が確保されていること。教育施設、商業施設等が周辺にあり、生活利便性が高いこと。嫌悪施設が近隣にないこと。 |
| 投資地域 | 全国(関東大都市圏、札幌大都市圏、仙台大都市圏、新潟大都市圏、静岡・浜松大都市圏、中京大都市圏、近畿大都市圏、岡山大都市圏、広島大都市圏、北九州・福岡大都市圏、熊本大都市圏、その他人口30万人以上の中核市(注)) | 全国(関東大都市圏、札幌大都市圏、仙台大都市圏、新潟大都市圏、静岡・浜松大都市圏、中京大都市圏、近畿大都市圏、岡山大都市圏、広島大都市圏、北九州・福岡大都市圏、熊本大都市圏、その他人口30万人以上の中核市(注)) |
(注) その他人口30万人以上の中核市とは、地方自治法に基づき指定された市を指します。
b.取得基準
ポートフォリオ全体において中長期的観点から安定収益を確保することを目的として上記の選別基準を満たした不動産等のうち、原則として以下の取得基準を満たす物件に投資します。
| ワンルームタイプ | ファミリータイプ | |
| 1物件当たり投資額 | 1億円以上 | 2億円以上 |
| 1物件当たり戸数 | 20戸以上 | 20戸以上 |
| 築年数 | 築20年以下 | 築20年以下 |
| 耐震性 | 建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)上の新耐震基準を満たしている物件又はそれと同等と判断される物件で、かつPML値(地震による予想最大損失率)が15%未満である物件 (例外的にPML値が15%以上の物件を取得する場合には、耐震補強工事等を行いPML値が15%未満となることを原則とします。ただし、上記基準を超過する場合においても、地震保険の付保により実質的なリスクを軽減できることを条件として取得することができるものとします。) | |
| 設備の更新に関する基準 | 取得後5年以内に大規模修繕等の支出が見込まれる場合には、費用を勘案して取得します。 | |
| 賃貸形態 | 通常の賃貸住宅での運営形態のほかに、以下の運営形態の不動産等についても、特性を考慮して取得することができるものとします。 ⅰ.社宅又は寮 原則として賃貸住宅として活用できる不動産等のみを取得します。テナントである法人への一括賃貸を前提としますが、テナントである法人の変更後も収益の継続性が見込める不動産等のみを取得します。 ⅱ.サービスアパートメント(家具付きで寝具交換やフロントサービス等の付加的サービスの提供を伴う賃貸住宅) 独自の運営組織が必要なため専門業者への運営委託を前提とします。今後の市場環境を精査し、本投資法人による資産運用の一環として、中長期的な安定収益が見込める不動産等のみを取得します。 ⅲ.高齢者向け住宅 高齢者を主な入居者とする賃貸住宅を取得します。ただし、高齢者を対象として医療サービス等の提供を伴い、かつ、そのサービスが住戸の賃貸と一体をなすものとして提供されている不動産等については、今後の市場環境を精査し、本投資法人による資産運用の一環として、中長期的な安定収益が見込める不動産等のみを取得します。 | |
(ハ)開発型物件及び再生物件の取得について
本投資法人は、原則として安定収益を生み出している不動産等を投資対象とします。このため、開発中及び建築確認の再取得を要する改修工事を行っている物件に対しては投資を行いません。かかる不動産等については、竣工後又は改修工事完了後に投資することとします。
(ニ)環境有害物質及び土壌汚染について
本投資法人は、環境有害物質が検出されず、かつ、土地に含まれる有害物質が土壌汚染調査基準値を超えない不動産等のみを取得するものとします。環境有害物質が検出された場合、又は土地に含まれる有害物質が土壌汚染調査基準値を超えていた場合には、適切な処理が施され第三者機関によるレポートで安全性が確認されること、また、当該不動産等が立地する市町村の行政当局に対する改善報告の義務がある場合には行政当局によって安全性が確認されることを条件として、かかる不動産等を取得することとします。
(ホ)権利形態
本投資法人は、原則として完全所有権の物件に投資するものとしますが、例外として完全所有権以外の物件を選定する場合は、以下に定めるところに従い、個別に判断するものとします。
a.区分所有物件
区分所有物件については、管理運営の実態を調査し、収益の安定性、物件特性、市場環境等を検討した上で総合的に判断し、投資するものとします。
b.借地物件
権利関係が明確であり、かつ底地の借地権が十分な賃借期間を残した定期賃貸借又は将来の契約更新が可能な賃貸借である場合においてのみ取得するものとします。
c.共有物件
共有物件については、管理・処分の自由度が確保できることを前提に、他の共有者の属性、信用力等を検討した上で総合的に判断し、投資するものとします。なお、共有物件へ投資する場合には、収益の安定性を確保するために必要な措置(共有物不分割特約の締結及び共有物件の相互利用に関する取決めを含みますが、これらに限りません。)を講ずるものとします。
(ヘ)フォワード・コミットメント
本投資法人は、フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結から1月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているものその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合は、以下の事項を遵守するものとします。
a. フォワード・コミットメントを履行できない場合に生じる解約違約金の水準が、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響に比して、過大にならないか慎重かつ適切に検討します。
b. 取得額の上限及び売買契約書締結から決済・物件引渡しまでの期間の上限並びに決済資金の調達方法等についてのルールを設定し、これを遵守することとします。
(ト)その他
特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。以下同じです。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の価額の合計額に占める割合を100分の75以上とします。
また、本投資法人は、その有する資産の総額のうちに占める不動産等(本(へ)においては、不動産(投資法人の計算に関する規則(平成18年内閣府令第47号。その後の改正を含む。以下同じ。)第37条第3項第2号イ、ロ及びホに掲げる資産をいいます。以下、本(へ)において同じです。)、不動産の賃借権、同号ヘに掲げる資産、地上権及び地役権並びにこれらの資産を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の割合を100分の70以上とします。
④ 投資対象不動産のデュー・デリジェンス
本投資法人は、運用資産の取得に際して、利害関係のない専門家から不動産鑑定評価書、建物診断報告書、地震リスク報告書、地質調査報告書及び必要に応じてマーケットレポートを取得し、対象不動産についてのデュー・デリジェンスを行い、各調査事項を総合的に考慮して投資の可否について判断します。
| 調査事項 | 調査内容 | 調査方法 | |
| 経済的調査 | 取得価格 | 取得価格の妥当性 | 独立した第三者の不動産鑑定評価書 |
| 市場調査 | ⅰ.賃貸市場の現況(賃料相場、稼働率、テナント需要) ⅱ.賃貸市場の動向(賃料相場推移、稼働率推移、中長期の需要動向) ⅲ.新規供給状況、競合物件の状況 | マーケットレポート 仲介会社及びPM会社からのヒアリング 現地調査 | |
| 入居テナント調査 | ⅰ.テナント信用力、賃料収受状況 ⅱ.建物利用目的、使用状況、紛争の有無、世帯状況 ⅲ.店舗がある場合の業種及び営業状況 | 仲介会社及びPM会社からのヒアリング | |
| 収益関係 | ⅰ.契約条件(賃料・その他収益) ⅱ.賃貸稼働状況、収益実績 ⅲ.賃貸運営方法・運営費用、運営費用の削減余地 | 売主開示の賃貸借契約書 現地調査 | |
| 物理的調査 | 立地 | ⅰ.生活上の利便性 ⅱ.土地利用状況、嫌悪施設の有無 ⅲ.都市計画及び地域計画と将来動向 | エンジニアリング・レポート等 現地調査 |
| 建築及び設備・仕様 | ⅰ.設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類 ⅱ.外溝、屋上、外装、設備等 ⅲ.賃貸住宅に則した設備・仕様 ⅳ.関係法令の遵守状況等 | エンジニアリング・レポート等 現地調査 | |
| 建物管理関係 | ⅰ.管理運営方法・規約等 ⅱ.関係法規の遵守状況 ⅲ.管理会社の管理状況 ⅳ.緊急修繕の必要性 ⅴ.長期修繕計画と実施状況 | エンジニアリング・レポート等 現地調査 | |
| 耐震性能 | ⅰ.新耐震基準又はそれと同等水準以上の性能の確保 ⅱ.地震調査(PML値) | エンジニアリング・レポート等 地震調査レポート | |
| 環境・地質等 | ⅰ.アスベスト・PCB等の有害物質の使用・管理状況 ⅱ.土地利用履歴、土壌汚染調査等 | エンジニアリング・レポート等 土壌調査レポート |
| 調査事項 | 調査内容 | 調査方法 | |
| 法的調査 | 権利関係 | 前所有者等の権利の確実性。特に区分所有・借地物件等、本投資法人が所有権を有しないか又は単独では所有権を有しない等権利関係が複雑な物件について、以下の点を含めその権利関係について慎重に検討します。 ⅰ.借地権に関する対抗要件具備の有無及び借地権に優先する他の権利の有無 ⅱ.敷地権登記の有無、建物と敷地権の分離処分の制限及びその登記の有無、持分割合の状況 ⅲ.敷金保全措置、長期修繕計画に対する積立金の方針・措置 ⅳ.積立金の滞納の有無 ⅴ.区分所有形態 ⅵ.本投資法人による取得前に設定された担保の設定状況や契約の内容とその承認の有無 ⅶ.借地権設定者、区分所有者等の法人・個人の別等の属性 ⅷ.不動産信託の受益権については信託契約の内容 | エンジニアリング・レポート等 売主提示の物件概要説明書 現地調査 |
| 境界調査 | 境界確定の状況と書面の有無、越境物の有無とその状況 | エンジニアリング・レポート等 現地調査 |
⑤ 管理運営方針
本投資法人は、適切な日常の管理・運営及び計画的な建物・設備のリニューアル・修繕等により運用資産の資産価値の維持・向上を図るとともに、運用資産が所在するエリアにおいてリーシング実績のあるPM会社を採用し、中長期的に収益安定性のある運営を目指します。
(イ)PM会社の選定基準
本資産運用会社は、運用資産の資産価値及び競争力の維持・向上、中長期的な安定収益の確保のため、以下の各項目に照らして最適なPM会社を選定します。
・ 法令等の遵守状況
・ 経験及び実績
・ 財務基盤・信用力
・ 建物及び設備の管理・運営・保全能力
・ プライバシーポリシーの確立及びそれに対応する社内体制
・ テナント対応における迅速性・サービス能力
・ リーシング能力(特に新規テナント募集能力)
・ レポーティング能力
・ 報酬手数料の水準
(ロ)PM会社の管理方針及び指導・監督
本資産運用会社は、PM会社から毎月以下の報告を受けることとし、当該報告により各運用資産の事業計画の検証を行うとともに、PM会社に対し、各運用資産の事業計画に沿った運営管理を実行させるための指導・監督を行います。
・ テナントからの入出金状況
・ 経費等の支出状況
・ テナント退去に関する情報
・ テナントからの要望・クレームとその対処
・ リーシング情報(新規テナント契約及び更新契約)
・ 新規テナント獲得に関する情報及び獲得に関する活動内容
・ 各投資対象不動産周辺の賃貸住宅市況
・ 建物管理・運営情報(サービス業務・清掃・点検等の実施状況)
・ 原状回復等修繕工事等の状況
(ハ)PM会社の評価
本資産運用会社は、定期的に(原則1年毎)、以下の各項目に照らしてPM会社の運営管理実績を評価し、その結果によっては、PM会社の変更を検討します。
・ 管理運営計画の達成度
・ リーシング実績
・ 運用資産の管理運営状況及び改善提案能力
・ テナント対応能力
(ニ)テナント選定
本投資法人は、中長期的な安定収益の確保を目的として、以下の各項目に照らしてテナントを決定します。また、反社会的勢力との取引を未然に防止するため、テナントに対する適切な事前審査を実施するとともに、関係遮断を徹底する観点から既存契約の適切な事後検証を実査するものとします。
a.法人
・ 業種、業歴、事業規模、業況等
・ 使用目的、契約期間
・ 保証会社による保証の適否
b.個人
・ 職業又は勤務先の業種、勤務先の規模、勤務年数
・ 年収、その他賃料負担能力の根拠
・ 使用目的、契約期間
・ 家族構成
・ 保証会社による保証の適否
(ホ)日常の管理運営及び計画的な建物・設備のリニューアル・修繕
本投資法人は、中長期的な観点から以下の項目について留意し、支出を行います。
・ 運用資産の建物・設備の状況、入居者のセグメントに最適なサービス業務・管理仕様を選定し、コストに留意の上決定します。
・ 運用資産の建物・設備の機能・美観上の観点から中長期的な経年劣化への対応及び資産価値及び競争力の維持・向上のため、計画的な修繕を立案・実行し、ポートフォリオ全体への影響の平準化を図ります。
⑥ 付保方針
各種保険の付保に際して、保険料、免責額、キャッシュリザーブ等を総合的に勘案して判断します。
(イ)損害保険
損害保険の付保に関しては、各物件の特性に応じて適正と判断される内容の火災保険及び賠償責任保険を付保します。
(ロ)地震保険
地震リスク調査報告書に基づきPML値が15%以上の場合には、地震保険の付保を条件としてのみ不動産等を取得します。また、上記以外のケースであっても、ポートフォリオ及び個別運用資産毎のPML値及び地震発生時における予想最大損失額と付保に要するコスト等を勘案し、適切と判断される場合にはポートフォリオ又は個別運用資産毎に地震保険を付保することがあります。
⑦ 資産運用計画
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産全体について「中期(3年)資産運用計画」及び「期別運用計画」を策定し、計画的な運用を行います。
(イ)期別運用計画
本投資法人の保有するポートフォリオ全体及び各運用資産の運営管理について、営業期間毎に、期別運用計画を策定し、計画的な運営管理を実施します。期別運用計画は、各営業期間開始時点のポートフォリオ全体の収支予算及び物件別事業計画(物件別収支予算、リーシング計画及び大規模修繕計画を含みます。)により構成されるものとし、各営業期間の開始時までに決定されます。
(ロ)資産運用計画等の検証
a.月次検証
本資産運用会社は、運用資産毎及びポートフォリオ全体での月次収支実績を検証します。月次収支予算と実績に乖離が見られる等、期別運用計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正期別運用計画(期中運用計画)を策定します。なお、期中に不動産等の取得・売却を行った場合も同様とします。
b.営業期間毎の検証
各運用資産及びポートフォリオ全体の運用状況を分析し、それを踏まえて、翌営業期間以降の期別運用計画を策定します。
⑧ 売却方針
本投資法人は、中長期的な保有を基本方針として運用資産の取得を行いますが、以下の項目を検討した結果、運用資産を売却することが有益であると判断した場合には、運用資産を売却することがあります。
(イ)ポートフォリオの構成
(ロ)当該不動産等の将来の収支動向予想
(ハ)当該不動産等の経年劣化による保有コストと期待収益とのバランス
(ニ)当該不動産等が所在する周辺の将来性予測
(ホ)当該不動産等の将来価値変動予測
(ヘ)所在エリアの賃貸市場動向及び不動産売買市場動向
⑨ 財務方針
(イ)基本方針
本投資法人は、資産の効率的な運用及び運用の機動性、安定性を図るため、運用資産の取得資金、運用資産に係る工事代金及び運転資金又は債務の返済等を使途として、借入れ又は投資法人債の発行を行います。
借入れ及び投資法人債発行の際には、a.短期・長期調達の組合せ、b.返済・償還期限の分散、及びc.固定・変動調達のバランスに留意しつつ資金調達を行います。
借入金及び投資法人債発行の限度額は、それぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。
借入先は、租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定する機関投資家に限ります。
(ロ)負債比率
本投資法人の保有する資産の総額に対する借入金(投資法人債を含みます。)残高の割合の上限は、60%を目途とします。ただし、資産の取得状況や投資口の追加発行のタイミング等により一時的に上記数字を超えることがあります。
(ハ)投資法人債の発行
安定的な資金調達の手段として投資法人債を発行することがあります。
(ニ)借入条件等に関する方針
借入条件等については、借入期間、金利、財務制限条項の内容、担保設定の有無等諸条件を複数の借入先と交渉し、総合的に最も有利とされる条件を採用します。
(ホ)コミットメントライン
運用資産の追加取得に係る機動的な資金調達を目的とし、コミットメントライン契約や極度貸付枠設定契約等、随時借入れの予約契約や借入枠の設定を行うことがあります。
(ヘ)投資口の追加発行
本投資法人の資産の長期的かつ安定的な成長を目指し、金融環境を的確に把握した上で、投資口の希薄化(投資口の追加発行による投資口の持分割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ、投資口の追加発行を行うことがあります。
⑩ 開示方針
(イ)投信法、金商法、株式会社東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会(以下「投資信託協会」といいます。)等がそれぞれ要請する内容及び様式に従って開示を行います。
(ロ)投資家に対して可能な限り迅速、正確、公平かつわかりやすい自主的な情報開示を行います。具体的には、以下のような場合を想定しています。
・ 物件の取得・売却の事実が発生した場合における取得・売却資産の概要について
・ 自然災害等の投資不動産に重要な影響を及ぼすおそれのある事象が生じた場合における運用資産への影響について
・ その他資産の運用に重要な影響を及ぼす事実が生じた場合における当該事実について