有価証券報告書(内国投資証券)-第17期(平成30年8月1日-平成31年1月31日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、中長期にわたる安定的収益の獲得と運用資産の成長を目指し、日本全国に立地する、あらゆるタイプの賃貸住宅を投資対象として、分散を図りながら投資を行い、投資主価値の極大化を図ります。本投資法人は、かかる目的達成のため、主に伊藤忠グループ(注1)、さらに、本資産運用会社に出資した企業等より、賃貸住宅の取得、運営管理及びマーケティングといった住宅事業に係る全面的なバックアップ、さらには人材派遣を受けるとともに、伊藤忠グループ及びサポート企業(注2)が有する資産運用に関するスキルとノウハウを活用していきたいと考えています。本投資法人は、かかる各企業との間で充実したサポート体制を構築し、投資基準に合致した運用資産の確保に努め、本投資法人の着実な成長を目指します。
本投資法人は、安定的な賃貸ニーズと収益に支えられていると考える賃貸住宅市場に投資を行います。
本投資法人は、賃貸住宅について、オフィスビルや商業施設等に比較して、テナント、立地及び住戸タイプについて分散投資が図り易いこと、また、住宅の賃料が生活必需コストとして、経済や社会情勢の影響を受けにくいことから、収益の安定性が高いと考えています。
また、我が国の人口は減少基調で推移するものと考えられますが、都区部を中心とした東京都の人口は当面増加するものと見込んでいます。これは、都市的利便性のニーズの高まりや企業の拠点集約に伴う都心回帰の傾向を反映したものであると本投資法人は考えています。さらに、シングル(社会人や学生等の単身世帯をいいます。以下同じです。)やDINKS(共働きのため夫婦ともに収入があり、かつ子供のいない世帯をいいます。以下同じです。)の世帯の増加等により、一世帯当たりの人員数は減少傾向を示しています。このため、人口とは異なり世帯数は現在も増加基調で推移しており、当面はその傾向が続くものと見込んでいます。
シングル・DINKSの世帯は、ファミリー(子供のいる夫婦世帯をいいます。以下同じです。)の世帯と比べ持ち家比率は低いため、本投資法人は、賃貸住宅需要が高まるものと推測しています。
(注1)伊藤忠グループとは、伊藤忠商事株式会社及びその関連会社で構成された企業集団をいいます。関連会社は、2018年12月31日現在、連結子会社207社及び持分法適用関連会社91社の合計298社です。以下同じです。
(注2)サポート企業とは、パートナーサポートライン会社及び物件情報提供ライン会社をいいます。以下同じです。
伊藤忠グループ及びサポート企業各社による支援については、後記「② 本投資法人の成長戦略」をご参照ください。
なお、伊藤忠グループ又はサポート企業(株式会社新日本建物及び東京建物不動産販売株式会社を除きます。)から投資資産を取得する場合には、その取引の基準を利害関係者との取引規程等により定め、かつ、運営面においても独立性を保つ等、コンプライアンスやガバナンスの体制に十分に注意した運営を行います。利害関係者との取引規程については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利害関係者との取引規程」をご参照ください。
(イ)全国及び全住戸タイプへの分散投資
本投資法人は、投資対象エリアを全国とし、投資対象物件を全住戸タイプの賃貸住宅として、分散投資による収益の安定化を図ることを基本方針としますが、当面は、賃料・稼働率の安定度が高い東京23区及びその近郊エリアのシングル・タイプ住戸へ重点的に投資を行います(後記「③ ポートフォリオ構築方針 (イ)投資対象エリア及び(ロ)住戸タイプ」をご参照ください。)。
(ロ)運営型賃貸住宅の組入れ
本投資法人は、企業の社宅や寮の廃止に伴って高まる賃貸住宅への代替需要、遠隔地にある学校への進学等に伴う学生の賃貸住宅需要、又は高齢化社会への移行に伴う高齢者の賃貸住宅需要等、一般の賃貸住宅では捉えきれない需要について的確に対応することができる賃貸住宅として、運営型賃貸住宅(オペレーターにより一括運営されている物件をいいます。以下同じです。)に対して、中長期的に安定した収益実現の可能性を図るため投資を行っていきます。運営型賃貸住宅の特色や取得条件等については、後記「③ ポートフォリオ構築方針 (ハ)運営型賃貸住宅の組入れ」をご参照ください。
② 本投資法人の成長戦略

(イ)外部成長戦略
a.伊藤忠サポートラインの活用による外部成長戦略
本投資法人(旧ADRを含みます。以下本「(イ)外部成長戦略」において同じです。)及び本資産運用会社は、伊藤忠サポートライン会社である伊藤忠商事株式会社及び伊藤忠都市開発株式会社との間で、外部成長を実現するため、2005年10月20日付で優先交渉権等に関する覚書(以下「伊藤忠サポートライン契約」といいます。)を締結しています。伊藤忠サポートライン契約に基づき、本資産運用会社は、伊藤忠サポートライン会社が取り扱う不動産について、伊藤忠サポートライン会社以外の第三者に優先して購入を検討することができます。
ⅰ.伊藤忠サポートライン会社により企画・開発された物件の取得
本投資法人及び本資産運用会社は、中長期的に着実な成長を図るため、伊藤忠サポートライン会社を活用します。中でも分譲マンション開発に実績のある伊藤忠サポートライン会社が企画・開発・展開する賃貸マンションの優先的な取得機会の確保を重視します。かかる対応により、本投資法人は、伊藤忠サポートライン会社が有するマンション開発ノウハウに基づき、品質管理が行われた新築物件を取得する機会を確保することができると考えています。さらに、本資産運用会社と伊藤忠サポートライン会社との間の賃貸マーケットに係る情報交換や賃貸住宅の商品性に関する議論及び検討を通じて、本投資法人の投資方針に合致した物件の開発が増え、より多くの取得機会を確保することができると考えています。
ⅱ.伊藤忠サポートライン会社の概要
(ⅰ)伊藤忠商事株式会社の概要
本資産運用会社のメインスポンサーである伊藤忠商事株式会社の建設・金融部門が主に本投資法人をサポートします。建設・金融部門は、住宅・物流施設・商業施設等の企画・開発やイトーピア・アセットマネジメント株式会社(注)を通じてこれら不動産の証券化業務を担っており、本資産運用会社のスポンサー企業として、本投資法人向けの賃貸マンションの開発・供給も行っております。
(注)イトーピア・アセットマネジメント株式会社は、伊藤忠商事株式会社の連結子会社で、主として、伊藤忠商事株式会社が組成する不動産私募ファンドのアセットマネジメントを受託している投資運用業、投資助言・代理業者です。
(ⅱ)伊藤忠都市開発株式会社の概要
伊藤忠都市開発株式会社は、伊藤忠商事株式会社が100%の議決権を所有する同社の連結子会社で、「クレヴィア」シリーズの自社ブランドマンションや戸建等の建設・分譲を行う伊藤忠グループの不動産会社であり、本投資法人向けの賃貸マンションの開発・供給も行っています。
ⅲ.伊藤忠サポートライン契約の概要
(ⅰ)売却物件の優先交渉権
伊藤忠サポートライン会社が、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致する不動産等を売却しようとする場合、本資産運用会社を通じて本投資法人に対して、優先的にその売却を申し入れるものとし、本投資法人がその取得を希望し一定期間中に当事者間で売却条件に合意した場合には、本投資法人に対して売却することとしています。
なお、売却条件が合意に達しなかった場合には、伊藤忠サポートライン会社は、当該不動産等を第三者に売却することができますが、第三者が提示する条件が本資産運用会社より提示された条件と同等以下である場合には、伊藤忠サポートライン会社は本資産運用会社を通じて本投資法人に対して、再度当該不動産等の売却を当該第三者と同条件により申し入れ、かかる売却条件で合意した場合には、本投資法人に対して売却するものとされています。
(ⅱ)物件情報提供に係る優先交渉権
伊藤忠サポートライン会社は、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致する不動産等で、かつ第三者が保有し又は開発・保有を予定する不動産等に係る売却・仲介情報を得た場合、本資産運用会社を通じて本投資法人に対して提供するものとし、本資産運用会社が当該情報に係る不動産等の本投資法人による購入を検討するための一定期間中、これを第三者に提供しないものとされています。
ⅳ.伊藤忠商事株式会社によるウェアハウジング機能の提供
将来における本投資法人の物件取得を実現するために、第三者が保有又は運用する不動産等について取得及び一時的な保有を、伊藤忠商事株式会社において行います。
b.パートナーサポートラインの活用による外部成長戦略
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社新日本建物(注)との間で、2005年10月20日付で交渉権等に関する覚書を締結しています。交渉権等に関する覚書に基づき、本資産運用会社は、株式会社新日本建物が所有する不動産等のうち、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致するものを売却しようとする場合、同社より売却の申入れを受けることとなっており、また、第三者が保有し又は開発・保有を予定する不動産等に係る売却・仲介情報を同社が得た場合、速やかに情報提供を受け、購入を検討することができます。
(注)株式会社新日本建物は、マンション・戸建住宅の開発・分譲販売等を行う不動産会社で、東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)上場企業です。
c.物件情報提供ラインの活用による外部成長戦略
ⅰ.株式会社センチュリー21・ジャパンの加盟店ネットワーク活用
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社センチュリー21・ジャパン(注)との間で、2005年10月20日付で加盟店による不動産情報提供に関する覚書を締結しており、同社が首都圏、関西圏、中部圏及び九州圏に有する不動産業者加盟店のネットワークを利用した物件の情報提供を受けることができます。
(注)株式会社センチュリー21・ジャパンは、不動産業者を加盟店としてセンチュリー21フランチャイズシステムを運営するサブフランチャイザー(日本本部)であり、伊藤忠グループの東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)上場企業です。
ⅱ.三井住友信託銀行株式会社による物件情報提供
本投資法人及び本資産運用会社は、三井住友信託銀行株式会社(注)との間で、2005年10月20日付で不動産等の仲介情報提供に関する協定書を締結しています。不動産等の仲介情報提供に関する協定書に基づき、本資産運用会社は、三井住友信託銀行株式会社が入手する第三者保有の不動産等の売却に関する仲介情報のうち、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致するものについて、速やかに情報提供を受けることができます。
(注)三井住友信託銀行株式会社は、銀行法(昭和56年法律第59号。その後の改正を含みます。)(以下「銀行法」といいます。)に基づく銀行業とともに金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号。その後の改正を含みます。)(以下「兼営法」といいます。)に基づく信託業務を中心とした金融サービス及び不動産事業を行う東京証券取引所第一部上場企業である三井住友トラスト・ホールディングス株式会社の連結子会社です。
ⅲ.東京建物不動産販売株式会社による物件情報提供
本投資法人及び本資産運用会社は、東京建物不動産販売株式会社(注)との間で、2005年10月20日付で不動産等売却情報の提供に関する覚書を締結しています。不動産等売却情報の提供に関する覚書に基づき、本資産運用会社は、東京建物不動産販売株式会社が入手する第三者保有の不動産等に関する売却・仲介情報のうち、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致するものについて、速やかに情報提供を受けることができます。
(注)東京建物不動産販売株式会社は、東京証券取引所第一部上場企業である東京建物株式会社の連結子会社で、不動産の売買及び貸借等の仲介・代理を行う東京証券取引所第一部上場企業です。
(ロ)内部成長戦略
本投資法人(旧ADR及びNRIを含みます。以下本「(ロ)内部成長戦略」において同じです。)及び本資産運用会社は、伊藤忠グループ及びサポート企業から多角的な支援を受けるという基本方針に則り、伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社(注)及び株式会社センチュリー21・ジャパン各社との間で、資産価値の維持及びPM業務水準を確保することを目指し、以下の通りサポート体制を構築しています。
(注)伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社は、伊藤忠商事株式会社の連結子会社で、主に住宅・オフィスのPM・BM及び学生会館の運営を行う、不動産の賃貸運営・管理会社です。
a.マスターリース兼PM機能集約による効果的・効率的な賃貸運営管理
本投資法人は、中長期的な運営管理業務の質の向上及び効率化を目指し、伊藤忠グループの住宅運営管理会社として豊富な実績を有している伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社に対するマスターリース兼PM業務委託の集約化によるコスト削減、契約・会計等の情報一元管理による効率化及びデータの活用を図るとともに、同社を窓口として、他のPM会社及び賃貸媒介業者とのネットワークを構築することにより、テナント・リーシングを強化していく方針です。さらに、本投資法人は、立地及び物件特性(住戸タイプ、仕様及び運営方法等)に応じて、一部の物件については、マスターリース兼PM業務又はPM業務を上記以外の適切な業者に委託又は再委託する方針です。
伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社は、長年にわたる住宅管理実績を有しており、建物管理面でのコスト削減、資産価値維持を目指した修繕計画の立案及び実践が期待できます。
このように、伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社を活用して賃貸住宅の運営管理を実施することを通じて、顧客重視のサービスを提供し入居者満足度の向上に努める方針です。
b.株式会社センチュリー21・ジャパンの加盟店ネットワーク活用
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社センチュリー21・ジャパンとの間で、2005年10月20日付で加盟店による不動産情報提供に関する覚書を締結しており、同社の有する不動産業者加盟店のネットワークを利用した、賃貸マーケット情報の収集やテナント・リーシングを展開しています。
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、賃貸住宅の特性を考慮しつつ、以下の方針に基づきポートフォリオを構築します。
(イ)投資対象エリア
東京23区を中心としながら、首都圏、政令指定都市等に所在する物件に投資し、以下の投資比率を目標に全国に分散投資を行います。
(注1)東京23区のうち、港区、千代田区、渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区及び品川区を都心主要7区とし、都心主要7区を除く東京23区を都心部として分類します。
(注2)「その他地域」とは、東京23区を除く首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県をいいます。)と政令指定都市及びこれに準ずる都市を指します。
(注3)「投資比率」は、取得価格ベースとしています。「取得価格」とは、本投資法人が取得する資産及び旧ADR保有資産については、当該不動産等の取得に要した諸費用(売買媒介手数料、公租公課等)を含まない金額(信託受益権譲渡契約書又は不動産売買契約書に記載された不動産等の売買代金)を、NRI保有資産については、2010年2月末時点の鑑定評価額又は調査価格を、それぞれ指します。
各投資対象エリアについての本資産運用会社の分析は以下の通りです。
(注)本資産運用会社が、各投資対象エリアについて、本書の日付現在において、その性質や需給の見込み等を分析した結果を記載しています。したがって、分析の時点における本資産運用会社の意見を示したものにとどまり、客観的な当該投資対象エリアの性質や需給の状況等と一致するとは限りません。また、かかる本資産運用会社の分析の結果は、現在及び将来において当該分析に従った性質や需給の状況が生じることを保証又は約束するものではありません。
(ロ)住戸タイプ
地域特性、社会情勢の動向、賃貸住宅需要の変化等に応じて、シングル向けからファミリー向けまで幅広いテナントを対象とする物件に投資し、以下の投資比率を目標に住戸タイプの分散投資を図ります。
また、上記の投資比率にかかわらず、以下の投資を行うことができます。
(注)比率は賃貸可能面積ベースとします。
上記でいう住戸タイプの定義は以下の通りです。
各住戸タイプについての本資産運用会社の分析は以下の通りです。
(注)本資産運用会社が、各住戸タイプについて、本書の日付現在において、その性質や需給の見込み等を分析した結果を記載しています。したがって、分析の時点における本資産運用会社の意見を示したものにとどまり、客観的な当該住戸タイプの性質や需給の状況等と一致するとは限りません。また、かかる本資産運用会社の分析の結果は、現在及び将来において当該分析に従った性質や需給の状況が生じることを保証又は約束するものではありません。
(ハ)運営型賃貸住宅の組入れ
本投資法人は、一般の賃貸住宅とは異なる運営を行う物件(運営型賃貸住宅)に投資することができます。運営型賃貸住宅とは、サービス・アパートメント(短期滞在者向けの家具付賃貸住宅をいいます。以下同じです。)、社会人及び学生向けの寮、高齢者向け住宅等で、フロントサービスや食事提供等の生活支援サービスが付加された賃貸住宅、並びに宿泊サービスの提供が可能な賃貸住宅をいいます。
本投資法人は、取得に際して以下の事項に留意しながら、総合的に判断して投資を行うものとします。
a.物件の特性(立地、利便性、周辺の状況等)から、社宅・寮等、物件の運営内容に照らし、将来にわたりエンド・ユーザーのニーズが見込めると判断されること。
b.テナントである法人又はオペレーターへの一括賃貸を前提とし、テナントの信頼性、運営能力、実績等を考慮した上で、中長期的な安定収益の獲得が可能と判断されること。
c.オペレーターの事業に係る必要な許認可等が得られていることを確認すること。
上記に加え、本投資法人は、運営型賃貸住宅のうち、シニアタイプ物件(有料老人ホーム(老人福祉法(昭和38年法律第133号。その後の改正を含みます。)第29条に定める有料老人ホームをいいます。以下同じです。)及びサービス付き高齢者向け住宅(高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号。その後の改正を含みます。)第5条に定めるサービス付き高齢者向け住宅をいいます。以下同じです。)等の高齢者向けの住宅物件を総称していいます。以下同じです。)については、以下の事項に留意します。
d.シニアタイプ物件について、市場性・事業性の評価、法令遵守状況等に関するデュー・ディリジェンスを実施し、また、運営状況に係るモニタリングを実施すること。なお、これらの実施に際しては、必要に応じて外部専門家を活用すること。
e.物件に係る運営状況、入居者の状況等から、オペレーターにつき相応の賃料負担能力が認められること。
(ニ)テナント構成
テナント構成が特定のテナント層に集中するのを避け、テナント層における分散を図りながら運用を行います。
④ 投資基準
本投資法人は、投資にあたり、以下の投資基準を満たすことを前提とします。ただし、以下の基準のうち(ロ)のa.からe.までの各項目(細目を含みます。)に適合しない要素が3つまでであり、その投資が投資主価値の増大に寄与すると判断できる場合には、運用ガイドラインに定める容認取引として投資を行うことができるものとします。
(イ)保有期間
本投資法人は、原則として、5~10年の中長期保有を前提に投資するものとし、短期の売却を目的とした不動産の取得を行いません。
(ロ)取得基準
a.築年数
原則として、取得時において15年以内とします。
b.立地
以下の要素に地域及び物件の特性を加味し、総合的に勘案した上で取得の是非を判断します。ただし、運用ガイドラインに定める容認取引の基準としては、各細目を1つの要素として勘定します。
ⅰ.最寄駅の都心部或いは中心ターミナル駅へのアクセスの良否
ⅱ.最寄駅からの距離
シングル・タイプ及びコンパクト・タイプについては徒歩10分以内、ファミリー・タイプ及びラージ・タイプについては徒歩15分以内を目途とします。
ⅲ.日照、眺望、景観、騒音等の住環境、嫌悪施設の有無
ⅳ.公共サービス、日常利便施設の有無
ⅴ.周辺の土地利用状況の適否
c.構造
原則として、構造は、RC(鉄筋コンクリート)造又はSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造で、新耐震基準(昭和56年に改正された建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)に基づく建物等の耐震基準を指します。以下同じです。)に適合している、又は同程度の建物とします。
d.規模
ⅰ.原則として、1物件当たりの取得価格(取引価格を指し、取引に付随する費用を含みません。以下同じです。)は、ポートフォリオ全体の取得価格総額の10%以内とします。
ⅱ.原則として、1物件当たりの取得価格は5億円以上とします。
e.権利形態
原則として、敷地も含めた物件全体の所有権を取得するものとしますが、ポートフォリオ全体への影響を考慮した上で、以下の物件も取得できるものとします。
ⅰ.区分所有建物
原則として、50%以上の区分所有割合の場合に取得できるものとします。
ⅱ.共有物件
管理・処分の自由度が確保できることを前提に、他の共有者の属性、信用力等を総合的に考慮し、個別に判断します。
ⅲ.借地物件
原則として、借地権又は定期借地権付建物を取得できるものとします。具体的には、借地契約の内容を、収益性、安全性、流動性等の観点から検討した上で取得の是非を判断します。
ⅳ.その他
用益物権が付着している不動産及び担保権設定物件等については、設定内容を確認の上、収益性、安全性、流動性等の観点から検討した上で取得の是非を判断します。
原則として、担保権設定物件は取得しません。
f.環境・地質等
デュー・ディリジェンスの結果、土壌汚染があり、適切な処置が施されていないことが判明した物件、又は、日本国の法令(条例を含みます。)上、不動産に対する使用が禁止若しくは制限されている有害物質を含む建材等を使用し、適切な処置が施されていないことが判明した物件は取得しません。
g.現所有者の属性等
現所有者又は主たる使用者が、反社会的団体又はその構成員である物件、及び社会通念に照らして公序良俗に反する使用が行われている物件は取得しません。
(ハ)デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、物件の取得にあたっては、当該不動産の予想収益、エリアの将来性、建物仕様、耐震性能、権利関係、建物管理状況、環境・地質等を充分に調査し、総合的に検討します。具体的には、投資対象不動産の投資価値を見極めるために、公正かつ調査能力・経験のある第三者による不動産鑑定評価書、建物状況調査報告書、地震リスク診断報告書による分析評価及びマーケットレポート等を参考にするとともに、経済的調査、物理的調査、法的調査等の物件精査を行った上で、総合的に判断します。
a.経済的調査
b.物理的調査
c.法的調査
(注)上表に記載する事項は投資対象不動産等取得の判断にあたっての検討事項であり、本投資法人が取得する投資対象物件等が結果的に一部の項目について基準を満たさないことがあります。
(ニ)開発案件への投資方針
安定的賃貸収入を現に生じている不動産の取得を原則とし、自ら土地を取得し建物を建築する開発投資は行わないものとします。ただし、第三者が建築中の物件については、竣工後のテナント確保が十分可能と判断され、完工・引渡しリスクが極小化されていると判断できる場合には、当該建物の竣工前の取得契約も検討することができることとします。また、既取得物件の建替を行う場合や投資法人が自ら宅地の造成又は建物に係る請負契約の注文者となる場合については、本投資法人に一定の期間、賃貸事業収入が生じないデメリットやその他に生じ得るリスク等を十分に勘案した上で実施するものとします。
(ホ)不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資方針
不動産に関する匿名組合出資持分(後記「(2)投資対象 ①投資対象とする資産の種類(イ)f.」に定義します。以下同じです。)又は不動産対応証券(後記「(2)投資対象 ①投資対象とする資産の種類(ロ)」に定義します。以下同じです。)への投資を行う場合は、以下の事項も検討して投資を行うものとします。
a.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等が本「④ 投資基準」に適合した資産であること。
b.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の運用対象とされる不動産等の売却時に、本投資法人による取得機会が与えられていること。
⑤ 運営管理方針
運用資産の価値の維持向上、空室率の低減、運営管理コストの削減等、安定的な賃貸収益確保のため、以下の方針でPM業務を委託します。
(イ)PM会社選定における基準
以下の観点から複数のPM会社を比較検討することにより、効果的かつ効率的な運営管理の実行を図ります。
a.経験及び実績
b.財務体質・信用力
c.リーシング能力
d.建物管理能力
e.レポーティング能力
f.報酬手数料の水準
(ロ)PM会社の管理及び指導監督方針
主に毎月の状況報告書に基づき、以下の事項につき検証するとともに、PM会社に対し、運用計画に沿った運営管理を遂行させるための指導及び監督を行います。
a.テナントからの入金状況
b.テナントの入退去の状況
c.経費等の支払状況
d.テナントからの要望・クレームとその対応
e.新規テナントの獲得に関する情報及びその活動内容
f.修繕等工事の状況
(ハ)PM会社の評価
定期的(原則として1年)に以下の観点を含む事項につき運営管理実績を評価し、その結果によってはPM会社の変更を検討します。
a.運営管理計画の達成度
b.リーシング実績
c.PM業務の遂行能力
d.テナント対応能力
(ニ)テナントの選定
以下の項目について総合的に評価して選定します。
a.法人
・業種、業歴、決算等
・賃貸借の内容(使用目的、契約期間等)
・連帯保証人の有無とその属性
・保証会社による保証の適否
b.個人
・職業、勤務先の内容等
・年収、その他賃料負担能力の根拠
・賃貸借の内容(使用目的、契約期間等)
・連帯保証人の有無とその属性
・保証会社による保証の適否
⑥ 付保方針
(イ)損害保険
各不動産の特性に応じて適正と判断される内容の火災保険及び賠償責任保険を付保します。
(ロ)地震保険
個別の投資物件のPML(予想最大損失率)値(注)が20%を超過する場合、又は個別の投資物件が加わることによりポートフォリオ全体のPML値が10%を超過する場合には、災害による影響と保険料負担等とを総合的に比較した上で、地震保険の付保を検討します。
(注)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震による予想最大損失率を意味し、個別物件に関するものと、ポートフォリオ全体に関するものとがあります。PMLについての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(再現期間475年、50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、損害の予想損失額の再調達原価に対する比率(%)で示したものをいいます。以下同じです。
ただし、予想損失額は、地震動による建物(構造部材・非構造部材・建築設備)のみの直接損失に関するものであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
⑦ 資産運用計画書
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産全体について、投資法人の営業期間を基準として年度(1年)資産運用計画書及び中期(3年)資産運用計画書を策定し、計画的な資産の運用を行います。これら資産運用計画書には、新規投資、保有資産の売却及び物件ごとの運営管理計画(修繕計画を含みます。)が含まれます。
(イ)年度資産運用計画書
2営業期間ごとに年度資産運用計画書を策定し、本投資法人の計画的なポートフォリオ運用を実施します。年度資産運用計画書は、各物件の収支予算、新規投資、保有資産の売却予定から構成され、各営業期間の開始時までに、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会において審議及び決議されます。
(ロ)中期(3年)資産運用計画書
中期(3年)資産運用計画書を策定し、本投資法人の中長期的な視野に立った計画的なポートフォリオ運用を実施します。中期(3年)資産運用計画書は、中期の各物件の収支予算、新規投資計画、保有資産の売却計画から構成され、各営業期間の開始時までに、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会において審議及び決議されます。
(ハ)資産運用計画書の検証
年度資産運用計画書については、月次収支実績による検証を行い、予算と実績に乖離が見られる等、計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正年度資産運用計画書を策定します。
また、中期(3年)資産運用計画書については、営業期間ごとに実績による検証を行い、予算と実績に乖離が見られる等、計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正中期(3年)資産運用計画書を策定します。
資産運用計画書の変更は、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会において審議及び決議されます。
⑧ 売却方針
本投資法人は、中長期での運用を基本方針として物件の取得を行います。ただし、以下の事項を検討の上、総合的に判断して物件の売却を行うことがあります。
(イ)金融市場及び不動産市場の動向
(ロ)収益予想
(ハ)資産価値の増減及びその予測
(ニ)立地エリアの将来性
(ホ)ポートフォリオの構成
⑨ 財務方針
(イ)基本方針
本投資法人は、資金調達の機動性及び財務体質の健全性の維持を図りつつ、物件取得による外部成長の実現に努めます。
(ロ)現預金の管理方針
本投資法人は、修繕、分配金の支払、物件の購入等の諸々の資金需要に対応するため、融資極度枠等の設定状況も勘案した上で、妥当と考えられる現預金を常時保有します。また、余資の運用を目的として、安全性及び換金性を重視しながら、有価証券又は金銭債権に投資することがあります。
(ハ)借入れ及び投資法人債発行
a.短期又は長期、変動又は固定金利及び有担保又は無担保等のバランスをとりながら、借入れ又は投資法人債の発行を行います。
b.本投資法人の資産の総額に対する借入金及び投資法人債の残高の割合の上限は60%を目途とします。なお、本投資法人は、本投資法人の負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジするため、デリバティブ取引に係る権利(投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令第480号。その後の改正を含みます。)(以下「投信法施行令」といいます。)第3条第2号で定めるものをいいます。)への投資を行うことがあります。
c.借入先の選定にあたっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき、市場相場と比較しながら総合的に判断して決定します。なお、借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(ただし、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限定します。
(ニ)投資口の追加発行
長期的かつ安定的な成長を目指し、投資口の希薄化に配慮しつつ投資口の追加発行を行います。
⑩ 開示方針
(イ)本投資法人は、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、正確かつ迅速に開示します。
(ロ)本投資法人は、投信法、金融商品取引法、一般社団法人投資信託協会が定める規則、その他の法令等及び本資産運用会社の諸規程を遵守した情報開示を行います。
(ハ)本投資法人は、投資主及び投資家に可能な限り迅速かつ理解し易い情報開示に努めます。
⑪ その他
本投資法人は、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の合計額に占める割合を100分の75以上とします。
① 本投資法人の基本戦略
本投資法人は、中長期にわたる安定的収益の獲得と運用資産の成長を目指し、日本全国に立地する、あらゆるタイプの賃貸住宅を投資対象として、分散を図りながら投資を行い、投資主価値の極大化を図ります。本投資法人は、かかる目的達成のため、主に伊藤忠グループ(注1)、さらに、本資産運用会社に出資した企業等より、賃貸住宅の取得、運営管理及びマーケティングといった住宅事業に係る全面的なバックアップ、さらには人材派遣を受けるとともに、伊藤忠グループ及びサポート企業(注2)が有する資産運用に関するスキルとノウハウを活用していきたいと考えています。本投資法人は、かかる各企業との間で充実したサポート体制を構築し、投資基準に合致した運用資産の確保に努め、本投資法人の着実な成長を目指します。
本投資法人は、安定的な賃貸ニーズと収益に支えられていると考える賃貸住宅市場に投資を行います。
本投資法人は、賃貸住宅について、オフィスビルや商業施設等に比較して、テナント、立地及び住戸タイプについて分散投資が図り易いこと、また、住宅の賃料が生活必需コストとして、経済や社会情勢の影響を受けにくいことから、収益の安定性が高いと考えています。
また、我が国の人口は減少基調で推移するものと考えられますが、都区部を中心とした東京都の人口は当面増加するものと見込んでいます。これは、都市的利便性のニーズの高まりや企業の拠点集約に伴う都心回帰の傾向を反映したものであると本投資法人は考えています。さらに、シングル(社会人や学生等の単身世帯をいいます。以下同じです。)やDINKS(共働きのため夫婦ともに収入があり、かつ子供のいない世帯をいいます。以下同じです。)の世帯の増加等により、一世帯当たりの人員数は減少傾向を示しています。このため、人口とは異なり世帯数は現在も増加基調で推移しており、当面はその傾向が続くものと見込んでいます。
シングル・DINKSの世帯は、ファミリー(子供のいる夫婦世帯をいいます。以下同じです。)の世帯と比べ持ち家比率は低いため、本投資法人は、賃貸住宅需要が高まるものと推測しています。
(注1)伊藤忠グループとは、伊藤忠商事株式会社及びその関連会社で構成された企業集団をいいます。関連会社は、2018年12月31日現在、連結子会社207社及び持分法適用関連会社91社の合計298社です。以下同じです。
(注2)サポート企業とは、パートナーサポートライン会社及び物件情報提供ライン会社をいいます。以下同じです。
伊藤忠グループ及びサポート企業各社による支援については、後記「② 本投資法人の成長戦略」をご参照ください。
なお、伊藤忠グループ又はサポート企業(株式会社新日本建物及び東京建物不動産販売株式会社を除きます。)から投資資産を取得する場合には、その取引の基準を利害関係者との取引規程等により定め、かつ、運営面においても独立性を保つ等、コンプライアンスやガバナンスの体制に十分に注意した運営を行います。利害関係者との取引規程については、後記「第二部 投資法人の詳細情報 第3 管理及び運営 2 利害関係人との取引制限 (2)利害関係者との取引規程」をご参照ください。
(イ)全国及び全住戸タイプへの分散投資
本投資法人は、投資対象エリアを全国とし、投資対象物件を全住戸タイプの賃貸住宅として、分散投資による収益の安定化を図ることを基本方針としますが、当面は、賃料・稼働率の安定度が高い東京23区及びその近郊エリアのシングル・タイプ住戸へ重点的に投資を行います(後記「③ ポートフォリオ構築方針 (イ)投資対象エリア及び(ロ)住戸タイプ」をご参照ください。)。
(ロ)運営型賃貸住宅の組入れ
本投資法人は、企業の社宅や寮の廃止に伴って高まる賃貸住宅への代替需要、遠隔地にある学校への進学等に伴う学生の賃貸住宅需要、又は高齢化社会への移行に伴う高齢者の賃貸住宅需要等、一般の賃貸住宅では捉えきれない需要について的確に対応することができる賃貸住宅として、運営型賃貸住宅(オペレーターにより一括運営されている物件をいいます。以下同じです。)に対して、中長期的に安定した収益実現の可能性を図るため投資を行っていきます。運営型賃貸住宅の特色や取得条件等については、後記「③ ポートフォリオ構築方針 (ハ)運営型賃貸住宅の組入れ」をご参照ください。
② 本投資法人の成長戦略

(イ)外部成長戦略
a.伊藤忠サポートラインの活用による外部成長戦略
本投資法人(旧ADRを含みます。以下本「(イ)外部成長戦略」において同じです。)及び本資産運用会社は、伊藤忠サポートライン会社である伊藤忠商事株式会社及び伊藤忠都市開発株式会社との間で、外部成長を実現するため、2005年10月20日付で優先交渉権等に関する覚書(以下「伊藤忠サポートライン契約」といいます。)を締結しています。伊藤忠サポートライン契約に基づき、本資産運用会社は、伊藤忠サポートライン会社が取り扱う不動産について、伊藤忠サポートライン会社以外の第三者に優先して購入を検討することができます。
ⅰ.伊藤忠サポートライン会社により企画・開発された物件の取得
本投資法人及び本資産運用会社は、中長期的に着実な成長を図るため、伊藤忠サポートライン会社を活用します。中でも分譲マンション開発に実績のある伊藤忠サポートライン会社が企画・開発・展開する賃貸マンションの優先的な取得機会の確保を重視します。かかる対応により、本投資法人は、伊藤忠サポートライン会社が有するマンション開発ノウハウに基づき、品質管理が行われた新築物件を取得する機会を確保することができると考えています。さらに、本資産運用会社と伊藤忠サポートライン会社との間の賃貸マーケットに係る情報交換や賃貸住宅の商品性に関する議論及び検討を通じて、本投資法人の投資方針に合致した物件の開発が増え、より多くの取得機会を確保することができると考えています。
ⅱ.伊藤忠サポートライン会社の概要
(ⅰ)伊藤忠商事株式会社の概要
本資産運用会社のメインスポンサーである伊藤忠商事株式会社の建設・金融部門が主に本投資法人をサポートします。建設・金融部門は、住宅・物流施設・商業施設等の企画・開発やイトーピア・アセットマネジメント株式会社(注)を通じてこれら不動産の証券化業務を担っており、本資産運用会社のスポンサー企業として、本投資法人向けの賃貸マンションの開発・供給も行っております。
(注)イトーピア・アセットマネジメント株式会社は、伊藤忠商事株式会社の連結子会社で、主として、伊藤忠商事株式会社が組成する不動産私募ファンドのアセットマネジメントを受託している投資運用業、投資助言・代理業者です。
(ⅱ)伊藤忠都市開発株式会社の概要
伊藤忠都市開発株式会社は、伊藤忠商事株式会社が100%の議決権を所有する同社の連結子会社で、「クレヴィア」シリーズの自社ブランドマンションや戸建等の建設・分譲を行う伊藤忠グループの不動産会社であり、本投資法人向けの賃貸マンションの開発・供給も行っています。
ⅲ.伊藤忠サポートライン契約の概要
(ⅰ)売却物件の優先交渉権
伊藤忠サポートライン会社が、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致する不動産等を売却しようとする場合、本資産運用会社を通じて本投資法人に対して、優先的にその売却を申し入れるものとし、本投資法人がその取得を希望し一定期間中に当事者間で売却条件に合意した場合には、本投資法人に対して売却することとしています。
なお、売却条件が合意に達しなかった場合には、伊藤忠サポートライン会社は、当該不動産等を第三者に売却することができますが、第三者が提示する条件が本資産運用会社より提示された条件と同等以下である場合には、伊藤忠サポートライン会社は本資産運用会社を通じて本投資法人に対して、再度当該不動産等の売却を当該第三者と同条件により申し入れ、かかる売却条件で合意した場合には、本投資法人に対して売却するものとされています。
(ⅱ)物件情報提供に係る優先交渉権
伊藤忠サポートライン会社は、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致する不動産等で、かつ第三者が保有し又は開発・保有を予定する不動産等に係る売却・仲介情報を得た場合、本資産運用会社を通じて本投資法人に対して提供するものとし、本資産運用会社が当該情報に係る不動産等の本投資法人による購入を検討するための一定期間中、これを第三者に提供しないものとされています。
ⅳ.伊藤忠商事株式会社によるウェアハウジング機能の提供
将来における本投資法人の物件取得を実現するために、第三者が保有又は運用する不動産等について取得及び一時的な保有を、伊藤忠商事株式会社において行います。
b.パートナーサポートラインの活用による外部成長戦略
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社新日本建物(注)との間で、2005年10月20日付で交渉権等に関する覚書を締結しています。交渉権等に関する覚書に基づき、本資産運用会社は、株式会社新日本建物が所有する不動産等のうち、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致するものを売却しようとする場合、同社より売却の申入れを受けることとなっており、また、第三者が保有し又は開発・保有を予定する不動産等に係る売却・仲介情報を同社が得た場合、速やかに情報提供を受け、購入を検討することができます。
(注)株式会社新日本建物は、マンション・戸建住宅の開発・分譲販売等を行う不動産会社で、東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)上場企業です。
c.物件情報提供ラインの活用による外部成長戦略
ⅰ.株式会社センチュリー21・ジャパンの加盟店ネットワーク活用
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社センチュリー21・ジャパン(注)との間で、2005年10月20日付で加盟店による不動産情報提供に関する覚書を締結しており、同社が首都圏、関西圏、中部圏及び九州圏に有する不動産業者加盟店のネットワークを利用した物件の情報提供を受けることができます。
(注)株式会社センチュリー21・ジャパンは、不動産業者を加盟店としてセンチュリー21フランチャイズシステムを運営するサブフランチャイザー(日本本部)であり、伊藤忠グループの東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)上場企業です。
ⅱ.三井住友信託銀行株式会社による物件情報提供
本投資法人及び本資産運用会社は、三井住友信託銀行株式会社(注)との間で、2005年10月20日付で不動産等の仲介情報提供に関する協定書を締結しています。不動産等の仲介情報提供に関する協定書に基づき、本資産運用会社は、三井住友信託銀行株式会社が入手する第三者保有の不動産等の売却に関する仲介情報のうち、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致するものについて、速やかに情報提供を受けることができます。
(注)三井住友信託銀行株式会社は、銀行法(昭和56年法律第59号。その後の改正を含みます。)(以下「銀行法」といいます。)に基づく銀行業とともに金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号。その後の改正を含みます。)(以下「兼営法」といいます。)に基づく信託業務を中心とした金融サービス及び不動産事業を行う東京証券取引所第一部上場企業である三井住友トラスト・ホールディングス株式会社の連結子会社です。
ⅲ.東京建物不動産販売株式会社による物件情報提供
本投資法人及び本資産運用会社は、東京建物不動産販売株式会社(注)との間で、2005年10月20日付で不動産等売却情報の提供に関する覚書を締結しています。不動産等売却情報の提供に関する覚書に基づき、本資産運用会社は、東京建物不動産販売株式会社が入手する第三者保有の不動産等に関する売却・仲介情報のうち、本投資法人の投資方針及び投資基準に合致するものについて、速やかに情報提供を受けることができます。
(注)東京建物不動産販売株式会社は、東京証券取引所第一部上場企業である東京建物株式会社の連結子会社で、不動産の売買及び貸借等の仲介・代理を行う東京証券取引所第一部上場企業です。
(ロ)内部成長戦略
本投資法人(旧ADR及びNRIを含みます。以下本「(ロ)内部成長戦略」において同じです。)及び本資産運用会社は、伊藤忠グループ及びサポート企業から多角的な支援を受けるという基本方針に則り、伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社(注)及び株式会社センチュリー21・ジャパン各社との間で、資産価値の維持及びPM業務水準を確保することを目指し、以下の通りサポート体制を構築しています。
(注)伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社は、伊藤忠商事株式会社の連結子会社で、主に住宅・オフィスのPM・BM及び学生会館の運営を行う、不動産の賃貸運営・管理会社です。
a.マスターリース兼PM機能集約による効果的・効率的な賃貸運営管理
本投資法人は、中長期的な運営管理業務の質の向上及び効率化を目指し、伊藤忠グループの住宅運営管理会社として豊富な実績を有している伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社に対するマスターリース兼PM業務委託の集約化によるコスト削減、契約・会計等の情報一元管理による効率化及びデータの活用を図るとともに、同社を窓口として、他のPM会社及び賃貸媒介業者とのネットワークを構築することにより、テナント・リーシングを強化していく方針です。さらに、本投資法人は、立地及び物件特性(住戸タイプ、仕様及び運営方法等)に応じて、一部の物件については、マスターリース兼PM業務又はPM業務を上記以外の適切な業者に委託又は再委託する方針です。
伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社は、長年にわたる住宅管理実績を有しており、建物管理面でのコスト削減、資産価値維持を目指した修繕計画の立案及び実践が期待できます。
このように、伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社を活用して賃貸住宅の運営管理を実施することを通じて、顧客重視のサービスを提供し入居者満足度の向上に努める方針です。
b.株式会社センチュリー21・ジャパンの加盟店ネットワーク活用
本投資法人及び本資産運用会社は、株式会社センチュリー21・ジャパンとの間で、2005年10月20日付で加盟店による不動産情報提供に関する覚書を締結しており、同社の有する不動産業者加盟店のネットワークを利用した、賃貸マーケット情報の収集やテナント・リーシングを展開しています。
③ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、賃貸住宅の特性を考慮しつつ、以下の方針に基づきポートフォリオを構築します。
(イ)投資対象エリア
東京23区を中心としながら、首都圏、政令指定都市等に所在する物件に投資し、以下の投資比率を目標に全国に分散投資を行います。
| 投資対象エリア | 投資比率(注3) |
| 東京23区(注1) | 70~100% |
| その他地域(注2) | 0~30% |
(注1)東京23区のうち、港区、千代田区、渋谷区、新宿区、目黒区、世田谷区及び品川区を都心主要7区とし、都心主要7区を除く東京23区を都心部として分類します。
(注2)「その他地域」とは、東京23区を除く首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県をいいます。)と政令指定都市及びこれに準ずる都市を指します。
(注3)「投資比率」は、取得価格ベースとしています。「取得価格」とは、本投資法人が取得する資産及び旧ADR保有資産については、当該不動産等の取得に要した諸費用(売買媒介手数料、公租公課等)を含まない金額(信託受益権譲渡契約書又は不動産売買契約書に記載された不動産等の売買代金)を、NRI保有資産については、2010年2月末時点の鑑定評価額又は調査価格を、それぞれ指します。
各投資対象エリアについての本資産運用会社の分析は以下の通りです。
| 投資対象エリア | 分析(注) |
| 都心主要7区 | JR山手線の内側及びその周辺の地域で生活利便性が極めて良好である地区、エリアとしてのブランドイメージが定着している地区、及び従来からの住宅地で比較的新規物件の供給が難しい地区が集積する地域 |
| 都心部 | 立地特性・賃料水準等から、都心主要7区とは異なる賃貸需要が期待でき、ターミナル駅へのアクセスで都心主要7区に準じた利便性を有する地域、及び再開発計画等により将来性の見込める地区が存在する地域 |
| 首都圏 | 主要駅から徒歩圏で、都心への良好なアクセスを有するベッドタウン地域、及び、独自の経済圏を有する地域 |
| 政令指定都市及びこれに準ずる都市 | 各地方経済圏で、一定の優位性を有する主要地方都市 |
(注)本資産運用会社が、各投資対象エリアについて、本書の日付現在において、その性質や需給の見込み等を分析した結果を記載しています。したがって、分析の時点における本資産運用会社の意見を示したものにとどまり、客観的な当該投資対象エリアの性質や需給の状況等と一致するとは限りません。また、かかる本資産運用会社の分析の結果は、現在及び将来において当該分析に従った性質や需給の状況が生じることを保証又は約束するものではありません。
(ロ)住戸タイプ
地域特性、社会情勢の動向、賃貸住宅需要の変化等に応じて、シングル向けからファミリー向けまで幅広いテナントを対象とする物件に投資し、以下の投資比率を目標に住戸タイプの分散投資を図ります。
| 住戸タイプ | 投資比率(注) |
| シングル・タイプ | ~50% |
| コンパクト・タイプ | 20~40% |
| ファミリー・タイプ | 20~40% |
| ラージ・タイプ | ~10% |
また、上記の投資比率にかかわらず、以下の投資を行うことができます。
| 住戸タイプ | 投資比率(注) |
| ドミトリー・タイプ | 上限20% |
(注)比率は賃貸可能面積ベースとします。
上記でいう住戸タイプの定義は以下の通りです。
| 専有面積 | ||||||||
| 間取り | ~30㎡ | ~40㎡ | ~50㎡ | ~60㎡ | ~70㎡ | ~80㎡ | ~90㎡ | 90㎡超 |
| STUDIO | S | S | C | C | L | L | L | L |
| 1BED | S | C | C | C | L | L | L | L |
| 2BED | C | C | F | F | F | F | L | |
| 3BED | F | F | F | F | F | L | ||
| 4BED | F | F | F | L | ||||
| S:シングル・タイプ | 主に単身者向けの住戸 |
| C:コンパクト・タイプ | 主に単身者及び小規模家族(2~3人)向けの住戸 |
| F:ファミリー・タイプ | 主にファミリー向けの住戸 |
| L:ラージ・タイプ | 主に外国人向けの住戸 |
| STUDIO | 1R、1K、STUDIO |
| 1BED | 1DK、1LDK |
| 2BED | 2DK、2LDK、1LDK+S等 |
| 3BED | 3DK、3LDK、2LDK+S等 |
| 4BED | 4DK、4LDK、3LDK+S等及び居室が5以上あるもの |
| ドミトリー・タイプ | 浴室や洗濯機置場がなく、物件内の共用施設(共同浴場・ランドリー等)の利用によって賄われる住戸 |
各住戸タイプについての本資産運用会社の分析は以下の通りです。
| 住戸タイプ | 分析(注) |
| シングル・タイプ | 企業の単身寮廃止・晩婚化等のトレンドから、需要は旺盛であり、かつ一時的住居というニーズの性格からも、現状では最も大きなマーケットを形成しています。 |
| コンパクト・タイプ | 都心回帰、20~30代の個性的なライフスタイルを求める傾向、また、高齢者層の潜在需要等から、有望なマーケットを形成しています。 |
| ファミリー・タイプ | 都心部にあっては、日本人の富裕層を中心に根強い需要があり魅力的な投資対象ですが、マーケットの規模は比較的小さいといえます。 都心部以外の地域にあっては、勤務先から家賃補助のある家族帯同転勤者や、分譲住宅を購入するまでの間、賃貸住宅を志向するファミリー層など、常時一定量のニーズがあり安定的なマーケットが形成されています。 |
| ラージ・タイプ | マーケット規模が小さく、外資系企業の動向等に左右される傾向にあります。 有能と判断されるPM業者(オペレーター)の管理運営が不可欠な物件です。 |
| ドミトリー・タイプ | 一般の住戸タイプと比較して汎用性に劣りますが、後記「(ハ)運営型賃貸住宅の組入れ」に記載の運営型賃貸住宅に属する場合のみ投資が可能となります。 |
(注)本資産運用会社が、各住戸タイプについて、本書の日付現在において、その性質や需給の見込み等を分析した結果を記載しています。したがって、分析の時点における本資産運用会社の意見を示したものにとどまり、客観的な当該住戸タイプの性質や需給の状況等と一致するとは限りません。また、かかる本資産運用会社の分析の結果は、現在及び将来において当該分析に従った性質や需給の状況が生じることを保証又は約束するものではありません。
(ハ)運営型賃貸住宅の組入れ
本投資法人は、一般の賃貸住宅とは異なる運営を行う物件(運営型賃貸住宅)に投資することができます。運営型賃貸住宅とは、サービス・アパートメント(短期滞在者向けの家具付賃貸住宅をいいます。以下同じです。)、社会人及び学生向けの寮、高齢者向け住宅等で、フロントサービスや食事提供等の生活支援サービスが付加された賃貸住宅、並びに宿泊サービスの提供が可能な賃貸住宅をいいます。
本投資法人は、取得に際して以下の事項に留意しながら、総合的に判断して投資を行うものとします。
a.物件の特性(立地、利便性、周辺の状況等)から、社宅・寮等、物件の運営内容に照らし、将来にわたりエンド・ユーザーのニーズが見込めると判断されること。
b.テナントである法人又はオペレーターへの一括賃貸を前提とし、テナントの信頼性、運営能力、実績等を考慮した上で、中長期的な安定収益の獲得が可能と判断されること。
c.オペレーターの事業に係る必要な許認可等が得られていることを確認すること。
上記に加え、本投資法人は、運営型賃貸住宅のうち、シニアタイプ物件(有料老人ホーム(老人福祉法(昭和38年法律第133号。その後の改正を含みます。)第29条に定める有料老人ホームをいいます。以下同じです。)及びサービス付き高齢者向け住宅(高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号。その後の改正を含みます。)第5条に定めるサービス付き高齢者向け住宅をいいます。以下同じです。)等の高齢者向けの住宅物件を総称していいます。以下同じです。)については、以下の事項に留意します。
d.シニアタイプ物件について、市場性・事業性の評価、法令遵守状況等に関するデュー・ディリジェンスを実施し、また、運営状況に係るモニタリングを実施すること。なお、これらの実施に際しては、必要に応じて外部専門家を活用すること。
e.物件に係る運営状況、入居者の状況等から、オペレーターにつき相応の賃料負担能力が認められること。
(ニ)テナント構成
テナント構成が特定のテナント層に集中するのを避け、テナント層における分散を図りながら運用を行います。
④ 投資基準
本投資法人は、投資にあたり、以下の投資基準を満たすことを前提とします。ただし、以下の基準のうち(ロ)のa.からe.までの各項目(細目を含みます。)に適合しない要素が3つまでであり、その投資が投資主価値の増大に寄与すると判断できる場合には、運用ガイドラインに定める容認取引として投資を行うことができるものとします。
(イ)保有期間
本投資法人は、原則として、5~10年の中長期保有を前提に投資するものとし、短期の売却を目的とした不動産の取得を行いません。
(ロ)取得基準
a.築年数
原則として、取得時において15年以内とします。
b.立地
以下の要素に地域及び物件の特性を加味し、総合的に勘案した上で取得の是非を判断します。ただし、運用ガイドラインに定める容認取引の基準としては、各細目を1つの要素として勘定します。
ⅰ.最寄駅の都心部或いは中心ターミナル駅へのアクセスの良否
ⅱ.最寄駅からの距離
シングル・タイプ及びコンパクト・タイプについては徒歩10分以内、ファミリー・タイプ及びラージ・タイプについては徒歩15分以内を目途とします。
ⅲ.日照、眺望、景観、騒音等の住環境、嫌悪施設の有無
ⅳ.公共サービス、日常利便施設の有無
ⅴ.周辺の土地利用状況の適否
c.構造
原則として、構造は、RC(鉄筋コンクリート)造又はSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造で、新耐震基準(昭和56年に改正された建築基準法(昭和25年法律第201号。その後の改正を含みます。)(以下「建築基準法」といいます。)に基づく建物等の耐震基準を指します。以下同じです。)に適合している、又は同程度の建物とします。
d.規模
ⅰ.原則として、1物件当たりの取得価格(取引価格を指し、取引に付随する費用を含みません。以下同じです。)は、ポートフォリオ全体の取得価格総額の10%以内とします。
ⅱ.原則として、1物件当たりの取得価格は5億円以上とします。
e.権利形態
原則として、敷地も含めた物件全体の所有権を取得するものとしますが、ポートフォリオ全体への影響を考慮した上で、以下の物件も取得できるものとします。
ⅰ.区分所有建物
原則として、50%以上の区分所有割合の場合に取得できるものとします。
ⅱ.共有物件
管理・処分の自由度が確保できることを前提に、他の共有者の属性、信用力等を総合的に考慮し、個別に判断します。
ⅲ.借地物件
原則として、借地権又は定期借地権付建物を取得できるものとします。具体的には、借地契約の内容を、収益性、安全性、流動性等の観点から検討した上で取得の是非を判断します。
ⅳ.その他
用益物権が付着している不動産及び担保権設定物件等については、設定内容を確認の上、収益性、安全性、流動性等の観点から検討した上で取得の是非を判断します。
原則として、担保権設定物件は取得しません。
f.環境・地質等
デュー・ディリジェンスの結果、土壌汚染があり、適切な処置が施されていないことが判明した物件、又は、日本国の法令(条例を含みます。)上、不動産に対する使用が禁止若しくは制限されている有害物質を含む建材等を使用し、適切な処置が施されていないことが判明した物件は取得しません。
g.現所有者の属性等
現所有者又は主たる使用者が、反社会的団体又はその構成員である物件、及び社会通念に照らして公序良俗に反する使用が行われている物件は取得しません。
(ハ)デュー・ディリジェンス基準
本投資法人は、物件の取得にあたっては、当該不動産の予想収益、エリアの将来性、建物仕様、耐震性能、権利関係、建物管理状況、環境・地質等を充分に調査し、総合的に検討します。具体的には、投資対象不動産の投資価値を見極めるために、公正かつ調査能力・経験のある第三者による不動産鑑定評価書、建物状況調査報告書、地震リスク診断報告書による分析評価及びマーケットレポート等を参考にするとともに、経済的調査、物理的調査、法的調査等の物件精査を行った上で、総合的に判断します。
a.経済的調査
| 評価項目 | 調査事項 |
| テナント調査 | ⅰ.テナントの信用情報 ⅱ.テナントの賃料支払状況等 ⅲ.テナントの業種、テナント数、賃借目的、契約内容、用途等 ⅳ.現在及び過去の稼働率、平均入居期間、賃料推移及び将来の見通し ⅴ.各建物における各テナントの占有割合等 |
| 市場調査 | ⅰ.市場賃料、稼働率 ⅱ.競合物件・テナント需要動向等 ⅲ.周辺の開発計画の動向 ⅳ.商圏分析:商圏人口、世帯数、商業指標等 |
| 収益関係 | ⅰ.テナント誘致・物件の処分性等の競争力調査 ⅱ.賃貸借契約水準、賃貸借契約体系及び更新の可能性 ⅲ.費用水準、費用関連の契約体系及び更新の可能性 ⅳ.適正賃料水準、適正費用水準の調査、将来予想される費用負担の可能性 ⅴ.修繕履歴及び修繕計画との比較における実際の修繕積立状況 ⅵ.公租公課 |
b.物理的調査
| 評価項目 | 調査事項 |
| 立地要因 | ⅰ.街路の状況、鉄道等主要交通機関からの利便性、主要交通機関の乗降客数 ⅱ.利便施設、経済施設、教育施設、官公署、娯楽施設等の配置、近接性 ⅲ.周辺土地の利用状況及び将来の動向 ⅳ.都市計画及び地域計画 ⅴ.日照、眺望、景観、騒音等環境状況 ⅵ.公共サービス・インフラ整備状況 ⅶ.地域の知名度、評判等の状況 |
| 建築・設備・仕様概要 | ⅰ.意匠、主要構造、築年数、設計・施工業者等 ⅱ.内外装の部材の状況 <住宅>間取り、天井高、空調設備、防犯設備、放送受信設備、インターネット配備状況、給排水設備、昇降機設備、駐車場、駐輪場、エントランス等その他共用設備の状況等 <オフィス・店舗>前面道路との位置関係及び前面道路からの視認性、前面道路の繁華性、開口又は奥行等の形状と広さ、分割対応の可否、階数、天上高、空調方式、電気容量、営業可能業種、駐車場その他共有施設の利用状況、フリーアクセスフロア、床荷重等 |
| 耐震性能診断 | ⅰ.新耐震基準又はそれと同水準以上の性能の確保 ⅱ.地震リスク分析及び耐震診断実施 |
| 建物・管理診断 | ⅰ.関係法規(建築基準法、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)(以下「消防法」といいます。)、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)(以下「都市計画法」といいます。)その他建築法規及び自治体による指導要綱等)の遵守状況等 ⅱ.建物状況調査報告書における将来(10~12年程度)の修繕費見込み ⅲ.建物管理状況の良否、管理規約の有無・内容、管理会社へのヒアリング ⅳ.施工業者からの保証及びアフターサービス内容 ⅴ.近隣住民との協定書の有無 |
| 環境・土壌等 | ⅰ.アスベスト・フロン・PCB等の有害物質の使用・管理状況 ⅱ.地質状況、土地利用履歴、土壌等の環境調査 |
c.法的調査
| 評価項目 | 調査事項 |
| 権利関係への対応 | 前所有者等の権利の確実性を検討。特に、共有・区分所有・借地物件等、本投資法人が所有権を有しない又は単独では所有権を有しない等、権利関係が複雑な物件について、以下の点を含めその権利関係について慎重に検討します。 ⅰ.借地権に関する対抗要件具備の有無及び借地権に優先する他の権利の有無 ⅱ.敷地権登記の有無、建物と敷地権の分離処分の制限及びその登記の有無、持分割合の状況 ⅲ.敷金保全措置、長期修繕計画に基づく積立金の方針・措置 ⅳ.共有物不分割特約及びその登記の有無、共有物分割請求及び共有持分売却等に関する適切な措置の有無並びに共有者間における債権債務関係 ⅴ.区分所有の区分性 ⅵ.本投資法人による取得前に設定された担保の設定状況や契約の内容とその承継の有無 ⅶ.借地権設定者、区分所有者及び共有者等と締結された規約・特約等の内容(特に優先譲渡条項の有無とその内容) ⅷ.借地権設定者、区分所有者及び共有者等の法人・個人の別等の属性 ⅸ.不動産を信託する信託受益権については信託契約の内容 |
| 境界調査 | 境界確定の状況、越境物の有無とその状況 |
(注)上表に記載する事項は投資対象不動産等取得の判断にあたっての検討事項であり、本投資法人が取得する投資対象物件等が結果的に一部の項目について基準を満たさないことがあります。
(ニ)開発案件への投資方針
安定的賃貸収入を現に生じている不動産の取得を原則とし、自ら土地を取得し建物を建築する開発投資は行わないものとします。ただし、第三者が建築中の物件については、竣工後のテナント確保が十分可能と判断され、完工・引渡しリスクが極小化されていると判断できる場合には、当該建物の竣工前の取得契約も検討することができることとします。また、既取得物件の建替を行う場合や投資法人が自ら宅地の造成又は建物に係る請負契約の注文者となる場合については、本投資法人に一定の期間、賃貸事業収入が生じないデメリットやその他に生じ得るリスク等を十分に勘案した上で実施するものとします。
(ホ)不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券への投資方針
不動産に関する匿名組合出資持分(後記「(2)投資対象 ①投資対象とする資産の種類(イ)f.」に定義します。以下同じです。)又は不動産対応証券(後記「(2)投資対象 ①投資対象とする資産の種類(ロ)」に定義します。以下同じです。)への投資を行う場合は、以下の事項も検討して投資を行うものとします。
a.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の裏付けとなる不動産等が本「④ 投資基準」に適合した資産であること。
b.不動産に関する匿名組合出資持分又は不動産対応証券の運用対象とされる不動産等の売却時に、本投資法人による取得機会が与えられていること。
⑤ 運営管理方針
運用資産の価値の維持向上、空室率の低減、運営管理コストの削減等、安定的な賃貸収益確保のため、以下の方針でPM業務を委託します。
(イ)PM会社選定における基準
以下の観点から複数のPM会社を比較検討することにより、効果的かつ効率的な運営管理の実行を図ります。
a.経験及び実績
b.財務体質・信用力
c.リーシング能力
d.建物管理能力
e.レポーティング能力
f.報酬手数料の水準
(ロ)PM会社の管理及び指導監督方針
主に毎月の状況報告書に基づき、以下の事項につき検証するとともに、PM会社に対し、運用計画に沿った運営管理を遂行させるための指導及び監督を行います。
a.テナントからの入金状況
b.テナントの入退去の状況
c.経費等の支払状況
d.テナントからの要望・クレームとその対応
e.新規テナントの獲得に関する情報及びその活動内容
f.修繕等工事の状況
(ハ)PM会社の評価
定期的(原則として1年)に以下の観点を含む事項につき運営管理実績を評価し、その結果によってはPM会社の変更を検討します。
a.運営管理計画の達成度
b.リーシング実績
c.PM業務の遂行能力
d.テナント対応能力
(ニ)テナントの選定
以下の項目について総合的に評価して選定します。
a.法人
・業種、業歴、決算等
・賃貸借の内容(使用目的、契約期間等)
・連帯保証人の有無とその属性
・保証会社による保証の適否
b.個人
・職業、勤務先の内容等
・年収、その他賃料負担能力の根拠
・賃貸借の内容(使用目的、契約期間等)
・連帯保証人の有無とその属性
・保証会社による保証の適否
⑥ 付保方針
(イ)損害保険
各不動産の特性に応じて適正と判断される内容の火災保険及び賠償責任保険を付保します。
(ロ)地震保険
個別の投資物件のPML(予想最大損失率)値(注)が20%を超過する場合、又は個別の投資物件が加わることによりポートフォリオ全体のPML値が10%を超過する場合には、災害による影響と保険料負担等とを総合的に比較した上で、地震保険の付保を検討します。
(注)PML(Probable Maximum Loss)とは、地震による予想最大損失率を意味し、個別物件に関するものと、ポートフォリオ全体に関するものとがあります。PMLについての統一された厳密な定義はありませんが、本書においては、想定した予定使用期間(50年=一般的建物の耐用年数)中に想定される最大規模の地震(再現期間475年、50年間に起こる可能性が10%の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、損害の予想損失額の再調達原価に対する比率(%)で示したものをいいます。以下同じです。
ただし、予想損失額は、地震動による建物(構造部材・非構造部材・建築設備)のみの直接損失に関するものであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。
⑦ 資産運用計画書
本資産運用会社は、本投資法人の運用資産全体について、投資法人の営業期間を基準として年度(1年)資産運用計画書及び中期(3年)資産運用計画書を策定し、計画的な資産の運用を行います。これら資産運用計画書には、新規投資、保有資産の売却及び物件ごとの運営管理計画(修繕計画を含みます。)が含まれます。
(イ)年度資産運用計画書
2営業期間ごとに年度資産運用計画書を策定し、本投資法人の計画的なポートフォリオ運用を実施します。年度資産運用計画書は、各物件の収支予算、新規投資、保有資産の売却予定から構成され、各営業期間の開始時までに、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会において審議及び決議されます。
(ロ)中期(3年)資産運用計画書
中期(3年)資産運用計画書を策定し、本投資法人の中長期的な視野に立った計画的なポートフォリオ運用を実施します。中期(3年)資産運用計画書は、中期の各物件の収支予算、新規投資計画、保有資産の売却計画から構成され、各営業期間の開始時までに、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会において審議及び決議されます。
(ハ)資産運用計画書の検証
年度資産運用計画書については、月次収支実績による検証を行い、予算と実績に乖離が見られる等、計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正年度資産運用計画書を策定します。
また、中期(3年)資産運用計画書については、営業期間ごとに実績による検証を行い、予算と実績に乖離が見られる等、計画の見直しが必要と判断される場合には、速やかに修正中期(3年)資産運用計画書を策定します。
資産運用計画書の変更は、本資産運用会社のコンプライアンス委員会、投資委員会及び取締役会において審議及び決議されます。
⑧ 売却方針
本投資法人は、中長期での運用を基本方針として物件の取得を行います。ただし、以下の事項を検討の上、総合的に判断して物件の売却を行うことがあります。
(イ)金融市場及び不動産市場の動向
(ロ)収益予想
(ハ)資産価値の増減及びその予測
(ニ)立地エリアの将来性
(ホ)ポートフォリオの構成
⑨ 財務方針
(イ)基本方針
本投資法人は、資金調達の機動性及び財務体質の健全性の維持を図りつつ、物件取得による外部成長の実現に努めます。
(ロ)現預金の管理方針
本投資法人は、修繕、分配金の支払、物件の購入等の諸々の資金需要に対応するため、融資極度枠等の設定状況も勘案した上で、妥当と考えられる現預金を常時保有します。また、余資の運用を目的として、安全性及び換金性を重視しながら、有価証券又は金銭債権に投資することがあります。
(ハ)借入れ及び投資法人債発行
a.短期又は長期、変動又は固定金利及び有担保又は無担保等のバランスをとりながら、借入れ又は投資法人債の発行を行います。
b.本投資法人の資産の総額に対する借入金及び投資法人債の残高の割合の上限は60%を目途とします。なお、本投資法人は、本投資法人の負債から生じる金利変動リスクその他のリスクをヘッジするため、デリバティブ取引に係る権利(投資信託及び投資法人に関する法律施行令(平成12年政令第480号。その後の改正を含みます。)(以下「投信法施行令」といいます。)第3条第2号で定めるものをいいます。)への投資を行うことがあります。
c.借入先の選定にあたっては、借入期間、金利、担保提供の要否、手数料等の諸条件につき、市場相場と比較しながら総合的に判断して決定します。なお、借入先は、金融商品取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(ただし、租税特別措置法(昭和32年法律第26号。その後の改正を含みます。)(以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限定します。
(ニ)投資口の追加発行
長期的かつ安定的な成長を目指し、投資口の希薄化に配慮しつつ投資口の追加発行を行います。
⑩ 開示方針
(イ)本投資法人は、透明性確保の観点から、法定開示に加えて、有用かつ適切と判断される投資情報を、正確かつ迅速に開示します。
(ロ)本投資法人は、投信法、金融商品取引法、一般社団法人投資信託協会が定める規則、その他の法令等及び本資産運用会社の諸規程を遵守した情報開示を行います。
(ハ)本投資法人は、投資主及び投資家に可能な限り迅速かつ理解し易い情報開示に努めます。
⑪ その他
本投資法人は、特定不動産(本投資法人が取得する特定資産のうち不動産、不動産の賃借権若しくは地上権又は不動産の所有権、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権をいいます。)の価額の合計額の本投資法人の有する特定資産の合計額に占める割合を100分の75以上とします。