訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第14期(令和1年8月1日-令和2年1月31日)
(1)【投資方針】
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、主として商業施設等(注)の用に供され又は供されることが可能な不動産(複数の不動産が一体的に開発又は利用されている場合を含みます。)が本体又は裏付けとなっている資産に投資を行うことを目的とする投資法人です。
(注)商業施設等の定義については、前記「1 投資法人の概況/(2)投資法人の目的及び基本的性格/① 投資法人の目的及び基本的性格」をご参照ください。
本投資法人において、商業施設等は、地域社会の豊かな暮らしに欠かせない存在、すなわち、「小売から暮らしを支える『地域社会の生活インフラ資産』」であるとの認識のもと、このような商業施設等を本投資法人の主な投資対象と位置付けています。本投資法人は、商業施設等への投資を通じて人々の豊かな生活の実現及び地域社会への貢献を理念としながら、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指します。
本投資法人のスポンサーは、本資産運用会社の親会社であるイオン株式会社(以下「イオン(株)」又は「スポンサー」ということがあります。)です。イオン(株)は、自らを持株会社とするイオングループ(注)という企業グループを形成しています。
イオングループは、平和で豊かな暮らしの実現を目指し、地域の生活に欠かせない生活インフラとしての小売業を通じて、地域の人々の暮らしと共に成長してきました。本投資法人は、かかるイオングループの成長を取り込むことにより本投資法人の着実な成長につなげること、すなわち、イオングループが運営する商業施設等を中心に投資を行うことを基本理念としています。
(注)本書において、イオングループとは、純粋持株会社であるイオン(株)並びに287社の連結子会社及び28社の持分法適用関連会社(2020年2月現在)にて構成されるグループをいいます。
② 本投資法人の基本方針
(ア)イオングループの大規模商業施設を中心とした安定性の高いポートフォリオ
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本理念」に記載のとおり、主として、「地域社会の生活インフラ資産」である商業施設等に投資します。なかでも、中長期にわたり安定したキャッシュ・フローの創出が見込まれる、イオングループが運営する大規模商業施設を中心としたポートフォリオを構築します。
本書において、「大規模商業施設」とは、下表におけるSRSC(スーパーリージョナル型ショッピングセンター)、RSC(リージョナル型ショッピングセンター)及びCSC(コミュニティ型ショッピングセンター)という3つの区分のいずれかに該当する商業施設を意味するものとします。
これら大規模商業施設を含む商業施設等への投資比率等については、後記「⑥ ポートフォリオ構築方針/(イ)投資対象と投資比率」をご参照ください。
(注1)本書において、「ショッピングモール」とは、専門店を主要通路沿いに計画的に配置し、モール(遊歩道・商店街)を形成することで、回遊性を高めた一体的な商業集積店舗網をいいます。また、後記「③ イオングループの競争力/(ア)イオングループの概要」記載のモール型RSCといったショッピングモールを備えた商業施設を「モール型」商業施設と称することがあります。
(注2)本書において、「ショッピングセンター」とは、一般に、ディベロッパーのもとに計画、開発、所有され、1つの組織体として、運営されている小売業、飲食業、サービス業等の集団的商業施設を意味するものをいいます。多くの場合、各ショッピングセンターの商圏の特性に適合した立地や規模、テナント構成を有し、店舗タイプや商業施設の規模に適合する駐車場が併設されています。なお、本書において、「ショッピングセンター」を「SC」、「スーパーマーケット」を「SM」と、それぞれ表記することがあります。
(注3)本書において、「GMS」とは、General Merchandise Storeの略称であり、食料品や日用品のみならず、衣料品や家電、家具等、日常生活で使う様々な商品を総合的に揃えている総合スーパーをいいます。
<大規模商業施設の特徴>
一般に、大規模商業施設は、広い駐車場を備え、GMSや大型専門店等の核テナントと多くの専門店テナントにより形成されている商業集合体をいいます。核テナントと専門店テナントという商業の集積により品揃え・店揃えに幅を持たせ、さまざまな年代・客層のニーズに応えるとともに、モールと呼ばれるショッピングのための遊歩道を設け、商業施設内の回遊性を高めて比較購買を可能にすることで、商業施設全体の集客力の向上を図っています。
最近では、「モノ消費からコト消費へ」と言われるように、核テナントとして映画館等のアミューズメント施設を導入したり、カルチャー教室やフィットネスクラブ等のコミュニティ施設を商業施設内に設けたりと、商業施設は、単にモノを買う場所から、レジャーやコミュニティの拠点として滞在して時間を楽しむという時間消費型の施設へと変化してきています。大規模商業施設は、売場面積の広さゆえに区画運営に柔軟性を保てることから、消費者のライフスタイル・ニーズ等の変化に柔軟に対応できると考えています。このような大規模商業施設の特性を引き出す形で商業施設の大型化を図ることで、商業施設に付加価値をもたらし、競争力を向上させるものと考えています。
(イ)イオングループの総合力を活用した高い成長力
本投資法人及び本資産運用会社は、イオングループの総合力を活用するため、イオングループ各社(後記「④ 本投資法人の成長戦略/(イ)外部成長戦略」にて定義されます。以下同じです。)との間で「スポンサーサポート契約」、「パイプラインサポート契約」、「SCマネジメント契約」、「物流施設マネジメント契約」及び「マレーシア不動産投資に関する覚書」を締結しています。本投資法人及び本資産運用会社は、これらの各種契約を通じ、イオングループにおける商業施設の開発・運営・取得などのノウハウとネットワークを最大限活用します。また、本投資法人は、イオン(株)との間で「商標使用許諾契約」を締結することを通じて、イオングループのブランド力を活用します。
これら「スポンサーサポート契約」、「パイプラインサポート契約」、「SCマネジメント契約」、「物流施設マネジメント契約」、「マレーシア不動産投資に関する覚書」及び「商標使用許諾契約」の概要につきましては、後記「④ 本投資法人の成長戦略/(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容」をご参照ください。
(ウ)戦略的なキャッシュ・マネジメントと安定した財務基盤
本投資法人は、中長期的に安定したキャッシュ・フローを確保しつつ、運用資産が着実に成長を遂げられるよう、安定した財務基盤を構築することを基本方針とします。具体的には、財務健全性確保のため、本投資法人は、原則として、その保有する資産総額に対する有利子負債総額(短期借入金、長期借入金、投資法人債及びその他有利子負債の合計をいいます。以下同じです。)に預り敷金及び保証金(信託預り敷金及び保証金を含みます。)を加えた額の割合(以下「LTV(敷金込み)」といいます。)を50%前後の水準で運用するとともに(注)、メガバンクを中心とした金融機関との強固かつ安定的な取引関係を築くことを基本方針としています。
なお、本投資法人は本書の日付現在、株式会社日本格付研究所(JCR)より、長期発行体格付(AA-(ダブルエー・マイナス))を取得しています。
また、本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保金を含む手元資金を、物件の新規取得、運用物件の増床、改装、改築等の機能的改善を伴う活性化投資、借入金の返済等に戦略的に活用するといった、その時々において最も有効的かつ戦略的なキャッシュ・マネジメントを行います。
(注)LTVの上限は60%として運用を行います。但し、運用資産の取得等により、短期的にそれらの数値を超えることがあります。
(エ)投資主価値を最大化するための体制(ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係)
本投資法人は、イオングループの総合力の活用により投資主価値を最大化することを目指し、本投資法人の投資主価値の最大化がイオングループにとっても利益となる、投資主とイオングループとのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係(注)を構築します。
また、スポンサーサポート契約において、イオン(株)は、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、及び同社の保有する投資口についてその保有を継続し一定の比率(19.9%)を保つように努めること等を規定しています。また、本投資法人の投資主価値の最大化がイオングループにおいても利益となる関係の構築に向けて、本投資法人は、その資産の運用に関し本資産運用会社に支払う報酬につき、本投資法人の運用成績に連動する運用報酬体系を採用しています。
なお、「ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係」の構築と同時に、利害関係者取引に対応するための透明性の高いガバナンスを実現するため、本投資法人は、種々の施策を講じています。その詳細につきましては、後記「④ 本投資法人の成長戦略」及び「⑤ 適切なガバナンス体制の構築 ~ 投資主とスポンサーとの利益共有・利益相反防止策」をご参照ください。
(注)ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係とは、本書においては、イオングループの総合力の活用が、本投資法人の投資主価値の最大化につながり、同時に、投資主価値の最大化がイオングループの企業価値の向上につながる、といった関係をいいます。
③ イオングループの競争力
本投資法人が資産の運用を委託する本資産運用会社のスポンサーであるイオン(株)を中心とするイオングループは、小売業から豊かな暮らしの実現を目指し、「地域社会の生活インフラ資産」の提供を通じて地域の人々の日々の暮らしと共に成長してきた企業グループです。
<イオングループの競争力>イオングループの概要は以下のとおりです。
(ア)イオングループの概要
イオングループは、初代岡田惣左衛門が1758年(宝暦8年)に四日市において太物・小間物商を開業、1926年(大正15年)に六代目惣右衛門が株式会社岡田屋として改組し、今に至っています。イオングループは、これまで「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という企業理念のもと、小売業を発展させてきました。現在は、GMS(総合スーパー)事業を核とした小売事業を中心として、総合金融、ディベロッパー、サービス等の各事業を複合的に展開しています。これらの高い競争力を有する事業の有機的な結集により相乗効果(シナジー)が創出され、さらなる成長が期待できると考えます。また、商業施設の開発・運営においては、モール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)(注)をはじめ食品スーパー等、多様な商業施設の競争力の維持・向上に関する様々なノウハウを蓄積しています。
(注)モール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)とは、建物の階数が2~4階の低層で、両側に2つ以上の核店舗(GMSや百貨店、大型専門店等)を配し、この核店舗を専門店モールで結んでいる建物形態を持つRSCのことをいいます。
(注)出典:イオン(株)「2020年2月期 決算補足資料(第95期)」
イオングループは、日本を含むアジアをひとつのマーケットととらえ、現在14ヵ国(注)で事業を行っています(2020年2月末日現在)。成長著しいアジア地域において、GMSを核としたショッピングセンターの出店を加速し、これをプラットフォームにクレジットカード事業、サービス事業、専門店事業等の各事業が連携したマルチフォーマットでの展開を推進しています。
(注)出典:イオン(株)「2020年2月期 決算補足資料(第95期)」
(イ)イオングループの商業施設に対する考え方
a.「立地創造力」と「まちづくり」
イオングループは、「小売業は地域に根ざし、地域とともに成長していく地域産業である」との信念のもと、大規模商業施設の開発・建設・運営を「立地創造力」を活用した「まちづくり」として捉えています。
「立地創造力」とは、商圏における大規模商業施設を運営していくため、立地の分析に留まらず、商圏の特性や顧客ニーズを勘案し、その立地に適した業態、テナントミックス及びゾーニング等を検討し、周辺地域及び専門店企業との対話を通じて、大規模商業施設を開発し、商業施設の立地としてのさらなる魅力を創りあげる力のことをいいます。また、「まちづくり」とは、地方自治体、地域住民との連携を図り、行政窓口、銀行、クリニック等の公共的な機能を取り込むことに加え、自然環境を含めた地域の環境面に配慮することで、商業施設が地域社会と共に発展することを目指すことをいいます。
b.「小売と商業施設は密接不可分」
イオングループは、集客力の高い小売は商業施設の競争力を高め、競争力の高い商業施設は小売の集客力を高めるという相互補完の関係にあり、「小売と商業施設は密接不可分」であると考えています。
c.「お客さま第一」の姿勢
イオングループは、「すべてはお客さまのために考え、行動する」という「お客さま第一」という基本理念を持っています。「すべてはお客さまのために」の視点で行動し、前例や慣習にとらわれることなく「お客さまの日々の暮らし」に貢献することを永遠の使命としています。
イオングループの商業施設の開発においても、地域のお客さまへの貢献を第一として、時代の変化に応じて、郊外のモール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)と呼ばれる大規模商業施設から、都心の利便性の高いミニスーパーまで、新しいタイプの商業施設を開発・運営し、「お客さまの日々の暮らし」に「楽しさ」「利便性」「安心」「信頼」を提供することを目指しています。
d.環境・地域共生に配慮したモールづくり
イオングループにおいて、「環境と共生するモールづくり」「地域と共生するモールづくり」は、その社会的責務であると同時に、地域におけるショッピングモールの持続的成長につながるものと認識しています。ソーラーパネルによる太陽光発電やLED照明の導入といった省エネルギー活動を通じてCO2の排出量の削減を進めるとともに、地域植生にあった苗木を植樹するといった地域の生態系を守るための取り組みも進めています。
(ウ)イオングループの競争戦略~イオングループの大規模商業施設における開発力、運営力~
イオングループは、前記の「小売と商業施設は密接不可分」という考え方のもと、小売業と商業ディベロッパー業を融合したビジネスモデルを構築しており、このビジネスモデルにイオングループの競争優位性があります。
多くの商業ディベロッパーにとって、核テナントの誘致が大規模商業施設の開発における重要な要素となっていますが、イオングループは小売業と商業ディベロッパー業という二つの事業を合わせ持っているため、GMS(総合スーパー)等を核テナントとするモール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)をはじめとする大規模商業施設を一体的に開発、運営することができます。
a.小売業としてのイオングループの競争力
(ⅰ)強い集客力を持つ核テナント(GMSないし総合スーパー)
イオングループでは、大規模商業施設の集客力は、核テナントと呼ばれる大型テナントの集客力と専門店の集積度合の相乗効果により決まると考えています。小売業としてのイオングループのGMS(総合スーパー)は、戦略的な物流機能によりコストを低減しながら、豊富な商品構成により、核テナントとしての高い競争力を確保しています。なお、小売業としてのイオングループの中核会社は「イオンリテール株式会社」(以下「イオンリテール(株)」ということがあります。)です。
イオングループは、核テナントとなりうるGMSを国内外で613店舗(注1)展開しています(2020年2月末日現在)。イオングループが展開するGMSは、衣・食・住の幅広い品揃えとトップバリュ(注2)をはじめとした競争力のある商品により、日常生活のお客さまのニーズに対応でき、近隣商圏において強い集客力を持つ商業施設です。また、幅広い品揃えを持つGMSが核テナントとしてあることで、ショッピングモールの専門店との比較購買による買い物の楽しさを高め、専門店の商品ラインナップを補完し、商業施設としての魅力をより高めています。
(注1)出典:イオン(株)「2020年2月期 決算補足資料(第95期)」
(注2)トップバリュは、イオングループの登録商標であり、イオングループにおけるプライベートブランド(独自の商標)です。
(ⅱ)戦略的な物流機能
イオングループは、独自の物流機能を全国規模で保有しています。小売業のバリューチェーンにおいて、トップバリュをはじめとする開発商品の調達から各店舗への配送までの効率的なサプライチェーン・マネジメントのノウハウが、イオングループの小売事業の競争力向上のための重要な要素となっており、小売業の競争力を確保しながら核テナントの魅力を高め、結果的に商業施設の価値を高めることに繋がっています。イオングループが有する物流機能は、イオングループにとって貴重な事業基盤となっています。
b.商業ディベロッパーとしてのイオングループの競争力(開発力)
(ⅰ)日本有数の商業ディベロッパーとしてのイオングループの開発力
イオングループは、小売業及び商業ディベロッパー業を融合したビジネスモデルを採用しています。小売業及び商業ディベロッパー業を通じて培った経験とノウハウを基礎として、様々な立地においても、最適かつ多様な形態の商業施設開発を可能とする開発力を有しています。なお、商業ディベロッパーとしてのイオングループの中核会社は「イオンモール(株)」です。
イオングループは、現在、GMS(総合スーパー)等を核テナントとしてこれにショッピングモールを配したモール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)が、最も競争力のある商業施設として、大規模商業施設の主流となっていると考えています。
(ⅱ)大規模商業施設の希少性とイオングループのシェア
2007年に、まちづくり三法が改正され、郊外での大規模商業施設の開発規制が強化されたため、2008年以降、大規模商業施設の開発件数は大幅に減少しており、イオングループの大規模商業施設の希少性がより一層高まっています。
また、法改正以降も、イオングループの大型商業施設に関する開発実績・ノウハウが地方行政機関、住民に高く評価されており、規制強化により大規模商業施設の開発が難しいエリアにおいても、まちづくりという観点から、イオングループと地域社会が協働することで、多くの大規模商業施設を開発しています。
c.商業ディベロッパーとしてのイオングループの競争力(運営力)
大規模商業施設の競争力維持・向上のために、商圏を分析しながら最適なテナントミックスや業態開発を施すことが重要です。そして、最適なテナントミックスの構築には、競争力のある専門店の誘致を含むテナントのリーシング力が不可欠です。
イオングループは、郊外も含めたすべての大規模商業施設の開発・運営において、専門店テナントとのネットワークを通じて自らリーシングを行っています。
(ⅰ)イオングループのテナントリーシングの考え方
イオングループは、専門店の誘致に際し、①ナショナルチェーン店、②地元専門店/地域初出店、③イオングループテナントの3つをバランスよく配置することで、新鮮さと利便性を兼ね備えた店舗空間を創造することを目指しています。商業施設内を歩くこと自体に楽しみがあり、何度でも足を運びたくなるような魅力的で居心地のよい商業施設を追求し、顧客一人ひとりの顧客満足度を重視しながらリーシングを行っています。
(注)本書において、「ナショナルチェーン」とは、全国規模で複数の店舗を展開しているチェーンストアをいい、「チェーンストア」とは、同一資本のもとにブランド、経営方針、サービスの内容、外観などに統一性を持たせ、多数の店舗の運営や管理を行う経営形態をいいます。
(ⅱ)大規模商業施設の競争力を高める日本有数のテナントリーシング力
イオングループは、商業施設に入居するテナントを会員とする「イオン同友店会」というテナント組織を有しています。自らも小売事業を運営し、小売について高いノウハウを持つイオングループは、「イオン同友店会」の会員に対し、「店舗運営」「販売戦略」「売場作り」「人材育成」等の多面的な「テナントサポート(テナント営業支援)」を行っています。このような、「イオン同友店会」と充実した「テナントサポート」によって、多種多様なテナントと高い信頼関係を築き、強いリーシング力を実現しています。
<「イオン同友店会」に属するテナント例>
(ⅲ)機動的なリーシングを可能にするイオングループが運営する多様なテナント
イオングループは、スポーツオーソリティ、イオンシネマ、イオン銀行、イオン保険サービス、イオンリカー、イオンバイク、イオンペット、未来屋書店、モーリーファンタジー、イッカ、タカキュー、アスビー、マジックミシン等の名称で、店舗を運営する多様なテナント企業をグループ内に有しています。
このような、大規模商業施設への出店が可能なテナント企業がグループ内に多数存在することで、イオングループの商業施設では、機動的なリーシング及びより一体的なショッピングセンター運営が可能となります。その結果、商業施設全体として総合的な視点から競争力を高めていくことができます。
(ⅳ)大規模商業施設における活性化投資(改装・増床)による競争力の維持・向上
大規模商業施設の競争力を維持・向上していくためには、施設の経年劣化や、顧客ニーズ、商圏人口、競争環境等の変化によってもたらされる商業施設としての魅力の低下(陳腐化)にどのように対応するかが非常に重要です。イオングループは、中長期的な視点から継続的・機動的な活性化投資を行い、SCのコンセプトを再構築しつつ、新しい魅力あるテナントの誘致、既存テナントの入替等の対策を実施しています。イオングループは、大規模商業施設の競争力の維持・向上を実現する活性化投資について豊富な実績があり、日本有数のノウハウを有しています。
また、イオングループは、大規模商業施設の開発に際し、可能な限り、後々の環境変化に対応するための増床余地を確保しています。営業状況が好調で更なる規模拡大を狙う場合や、強力な競合店舗の出現により競争力の強化が求められる場合等には、柔軟に増床余地を活用することで、商業施設としての競争力の維持・向上と、更なる成長を可能としています。
④ 本投資法人の成長戦略
(ア)本投資法人とイオングループのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係に基づく成長戦略
イオングループは、大規模商業施設をはじめとする様々な類型の商業施設を開発から運営まで一貫して実施できる総合力を有しています。本投資法人は、このイオングループの総合力を最大限活用することで、大規模商業施設を中心とした安定性の高いポートフォリオを構築するとともにポートフォリオの中長期的な成長を目指します。新規上場以来、本投資法人は、国内大規模商業施設を中心に取得を進めてきましたが、国内大規模商業施設以外の資産についても、今後積極的に取得を進めていきたいと考えています。
また、2014年9月の投信法施行規則改正により、海外の不動産に投資するに際して多様なスキーム選択が可能となったことを受け、海外不動産保有法人の発行済株式又は出資の総数又は過半数を取得する場合があることを明確にするため、2015年10月14日開催の本投資法人投資主総会において規約変更を実施しました。第8期中の2016年9月に、J-REITではじめて海外不動産保有法人を通じた海外不動産への投資を実施しましたが、このような国内大規模商業施設以外の資産(すなわち、物流施設や海外不動産(海外不動産保有法人を通じて保有する海外不動産を含みます。以下同じです。))についても、イオングループの戦略上重要なアセットであること等を踏まえ、今後も物件を厳選しながら取得を検討・実施していきます。
本投資法人は、「スポンサーサポート契約」、「パイプラインサポート契約」及び「マレーシア不動産投資に関する覚書」に基づくイオングループが開発した商業施設等の取得を通じて、資産規模の拡大、運用の安定性向上及び資金調達力の向上を達成できると考えています。そして、資金調達力の向上によって、さらなる物件取得による資産規模の拡大へと繋げることができます。他方で、イオングループは、本投資法人に商業施設等を売却することによって得た資金を成長投資の実行(新規店舗の開発や既存店舗の改装等)に充てることが可能となります。このような成長投資の実行は、イオングループの収益の増加、企業価値の向上に寄与することとなると考えられ、本投資法人のさらなる成長を支える存在となり得ます。
本投資法人は、上記のような本投資法人とイオングループがそれぞれ好循環に至る良好な関係、すなわち、ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係を構築し、投資主価値の最大化を目指します。

(イ)外部成長戦略
a.イオングループによるサポート
本投資法人は、イオングループの総合力を、前記「(ア)本投資法人とイオングループのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係に基づく成長戦略」記載の成長戦略に沿って最大限活用することにより、本投資法人の投資主価値の最大化を目指します。
このようなイオングループによるサポートを実現するため、本投資法人及び本資産運用会社は、イオン(株)、イオンリテール(株)及びイオンモール(株)との間で、スポンサーサポート契約又はパイプラインサポート契約及びSCマネジメント契約を締結し、イオンマレーシア社及びイオンビッグマレーシア社との間で、マレーシア不動産投資に関する覚書を締結しています。また、このほか、本投資法人及び本資産運用会社は、イオン北海道株式会社、イオン九州株式会社、イオン琉球株式会社、イオンタウン株式会社及び株式会社ダイエー(以下、それぞれ、イオン北海道(株)、イオン九州(株)、イオン琉球(株)、イオンタウン(株)及び(株)ダイエーということがあります。)との間で、パイプラインサポート契約及びSCマネジメント契約を、イオングローバルSCM株式会社(以下イオングローバルSCM(株)ということがあります。)との間で、パイプラインサポート契約及び物流施設マネジメント契約を締結しています。これに加えて、本投資法人及び本資産運用会社は、イオン(株)との間で、それぞれ商標使用許諾契約を締結し、本投資法人及び本資産運用会社がそれらの事業を推進するに当たり、イオン(株)の保有する商標を無償で使用することの許諾を受けています。それらイオングループ各社(上記各社を「イオングループ各社」又は「イオングループ企業」ということがあります。)との間で締結した契約の詳細については、後記「(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容」をご参照ください。
b.独自の外部成長戦略
本資産運用会社は、その役職員がこれまでイオングループにおいて、商業施設の開発・運営や取得に関与することで構築した独自の不動産ノウハウとネットワークを活用し、今後とも物件情報の収集を行い、商業施設をはじめとする優良資産を外部から取得する機会の確保を目指します。また、イオングループ以外の運営者による物件についても、本資産運用会社は主体的に取得を検討し、さらに、実際の取得の際には、イオングループによる運営に切り替えて物件競争力と資産の価値の向上を図ることも併せて検討します。
c.国内資産及び海外資産の取得を行い、更なる安定成長へ
本投資法人は、2020年1月31日現在、日本国内に所在の39物件及びマレーシアに所在の2物件を取得しています。また、マレーシア所在の2物件のうち1物件は、J-REITではじめて海外不動産保有法人を活用した取得です。本投資法人によるこれら資産の取得は、上記「a.イオングループによるサポート」のイオングループによるサポートと、上記「b.独自の外部成長戦略」の独自の不動産ノウハウとネットワークの活用によるものです。
本資産運用会社の独自の物件取得ネットワークのより一層の拡大と、新たな物件取得機会の創出を通じて、本投資法人は、ポートフォリオの中長期的な安定成長を目指します。
(ウ)内部成長戦略
a.中長期的に安定したキャッシュ・フローの創出 ~ イオングループへのリース方針
本投資法人は、イオングループが運営する商業施設等の取得にあたり、イオングループ各社を借主(マスターレッシー)として建物全体を一括賃貸するマスターリース契約を締結することを基本方針とします。かかるマスターリース契約の締結により、キャッシュ・フローの中長期的な安定化、テナント退去リスクや賃料下落リスクの極小化を図ります。かかるマスターリース契約は以下の基本条件を原則とし、これらに準ずる範囲内で締結するものとします。
<リースストラクチャーのイメージ>
(注1)駐車場部分及び第三者所有建物の敷地部分等についての普通土地賃貸借契約を含みます。
(注2)マレーシアに所在する物件については賃貸借期間10年を基本としています。マスターレッシー以外の第三者(例:ガソリンスタンド等)の所有建物の敷地部分については、20年より長い期間としている場合があります。
(注3)賃料は、市場賃料の水準及び当該物件の競争力の持続可能性の観点から公正・妥当であることを前提とし、実際の店舗の売上高及び営業利益、今後の売上高及び営業利益予想額をはじめ、今後の改装・増床計画並びに修繕計画等についても総合的に勘案しながら賃借人との協議の上で決定します。なお、賃料水準の妥当性については、第三者専門機関によるマーケットレポート及び鑑定評価書において検証します。
b.オペレーターとしてのイオングループの積極的な関与
本投資法人が投資対象とする商業施設は、商業施設の運営が資産価値に及ぼす影響が大きい性質の資産であると考えております。そのため、豊富な実績及びノウハウを有するイオングループとSCマネジメント契約を締結することにより、本投資法人が所有する商業施設の保有・管理において、イオングループの情報・ノウハウ等を積極的に活用することが可能な体制を構築致します。
c.施設価値を最大化するメインテナンス戦略
本投資法人は、中長期的な施設価値の維持・向上に向けて、積極的に施設のメインテナンスを行います。
中長期的な施設価値の維持・向上については、本投資法人の視点のみならず、マスターレッシー(注)のキャッシュ・フローの最大化が重要であると考えており、テナントの売上及び収益の最大化を実現できるよう、マスターレッシーと緊密にコミュニケーションを図りながら、資本的支出及び修繕計画を立てます。
本投資法人は、当該メインテナンス戦略においても、前記のSCマネジメント契約を活用することにより、商業施設を適切に運営することができると考えています。
(注)本投資法人の資産となる商業施設等のマスターリース契約におけるマスターレッシーを以下「マスターレッシー」又は単に「テナント」といいます。これに対し、マスターレッシーから商業施設の一部の店舗を転借するテナントを以下「エンドテナント」といいます。
d.運用資産の安定収益確保のためのイオングループに対するエンドテナント出店の検討要請
本投資法人の運用資産の安定収益確保のため、本投資法人が保有し又は取得を検討する商業施設等について、本資産運用会社がイオンモール(株)、イオンリテール(株)、イオン北海道(株)、イオン九州(株)、イオン琉球(株)、イオンタウン(株)又は(株)ダイエーに賃借人(マスターレッシー又はエンドテナント)としての出店の検討又はリーシングのサポートの提供を依頼した場合、これらの法人は、当該物件への賃借人としての出店又はリーシングのサポートの提供につき真摯に検討を行うこと、また、それらの一定のグループ会社に対しても検討させる旨、パイプラインサポート契約において合意しています。その詳細は、後記「(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容」をご参照ください。
(エ)戦略的なキャッシュ・マネジメント
本投資法人がポートフォリオの中心とする大規模商業施設は、郊外立地が多いゆえに不動産価格に占める建物価格の割合が高く、加えて、オフィスビルや住居に比べ会計上の償却年数が短いことから、減価償却費の不動産価格に対する割合が大きくなる傾向があります。本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保金を含む手元資金をその時々の状況に応じて最適に配分していきます。そして、このような配分の実施により、資金効率を高め、キャッシュ・フローの安定化を図ります。具体的には、以下のような配分が考えられます。これら直接的、間接的な施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上を図ります。
(ⅰ)新規物件取得資金への充当
(ⅱ)活性化投資による物件の収益力・競争力向上
前記「(ウ)内部成長戦略」のとおり、賃料は原則固定となっていますが、活性化投資により店舗価値の増加が見込まれる場合、賃料増額改定の協議を行います。
(ⅲ)有利子負債返済による負債コストの削減
(ⅳ)利益超過分配の実施
(ⅴ)自己投資口の取得等を通じた資本の効率化

(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容
本投資法人及び本資産運用会社は、以下の各種サポート契約等をイオングループ各社との間で締結することにより、本投資法人に対するイオングループの総力を挙げたサポート体制を構築しています。これらサポート契約等を通じ、商業施設の開発・運営においてイオングループが培ってきたノウハウ・総合力を最大限活用し、中長期的なポートフォリオ成長を目指していきます。これらサポート契約の詳細は、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/⑤ サポート契約」をご参照ください。
<スポンサーグループのサポート体制>
<サポート契約等の一覧>
(注1)イオン(株)、イオンモール(株)及びイオンリテール(株)との間で締結している各サポート契約等の有効期間は2013年10月17日から3年間とされています。期間満了日の3ヶ月前までに書面による別段の通知がない限り、さらに3年間同一の条件にて自動更新され、以後も同様です。また、イオン北海道(株)、イオン九州(株)、イオン琉球(株)及びイオンタウン(株)との間で締結している各サポート契約等の有効期間は2014年6月19日から3年間、イオングローバルSCM(株)との間で締結しているサポート契約等の有効期間は2015年12月1日より3年間、(株)ダイエーとの間で締結しているサポート契約等の有効期間は2016年7月28日より3年間とされています。期間満了日の3ヶ月前までに書面による別段の通知がない限り、さらに3年間同一の条件にて自動更新され、以後も同様です。
(注2)かかる覚書には有効期間の定めはなく、また同覚書は法的拘束力を持たないものとされています。
(注3)有効期間は2013年8月7日から2014年7月31日までとされていますが、更新されています。期間満了日の1ヶ月前までに書面による別段の通知がない限り、さらに1年間同一の条件にて自動更新され、以後も同様です。
以下は、上表記載の各種のサポート契約の概要です。なお、以下は概要のみの記載であり、それらの詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/⑤ サポート契約」をご参照ください。
a.スポンサーサポート契約
(ⅰ)保有物件の情報提供
イオン(株)は、一定の例外を除き、イオン(株)自ら(注)又はイオングループが保有、開発、賃借する不動産等につき、可能な限り最大限の情報提供を行います。
(注)本書の日付現在、イオン(株)は純粋持株会社であり、本投資法人の投資対象となりうるイオン(株)自らが保有、開発、賃借する不動産等はありません。
(ⅱ)イオングループ運営の商業施設等に係る優先交渉権の付与
(a)ファーストルック優先交渉権
イオン(株)は、一定の例外を除き、イオン(株)自ら又はイオングループが不動産等の売却を予定する場合、当該不動産等に関する情報を第三者に先立ち本資産運用会社及び本投資法人に提供し、当該不動産等に関する優先交渉権を本資産運用会社に付与します。
(b)ラストルック優先交渉権
上記(a)の後、当該不動産等を取得しなかった場合でも、第三者が提示する条件が本投資法人と同等以下である場合には、本投資法人は、同等以上の条件を提示することにより、当該第三者に優先して当該不動産等を購入することができます。
(ⅲ)第三者保有物件の売却情報の提供
イオン(株)は、第三者から不動産等の売却情報を取得し、イオングループが当該不動産等を取得しない場合、関係者の承諾を条件として、裁量により、本投資法人及び本資産運用会社に対し当該売却情報を提供します。
(ⅳ)本投資法人の保有資産に係るテナント出店等の検討
本投資法人が保有又は取得を検討する不動産等につき、本資産運用会社が申し入れを行った場合、イオン(株)は、自己又はイオングループによる当該物件への賃借人としての出店又はリーシングのサポートの提供につき検討します。
(ⅴ)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、本投資法人が不動産等を直ちに取得できない場合に、本投資法人への将来の譲渡を前提として、イオン(株)による一時的な保有を依頼することができます。
(ⅵ)スポンサーによる投資戦略・物件取得に関するアドバイザリー
イオン(株)は、本資産運用会社の要請があれば、一定の条件のもと、別途合意を条件に、以下の業務受託を行うこととします。
(a)リサーチ関連業務(小売業界に関する調査、不動産市場動向の調査、個別不動産の立地、商圏、競争環境に関する調査)
(b)投資戦略に関する助言
(c)投資不動産に関する助言業務
(d)個別不動産に関する各種分析及びデュー・ディリジェンス補助等
(ⅶ)本投資法人との物件共有又は準共有
イオン(株)又はイオングループが本投資法人に不動産等を譲渡する場合、本資産運用会社が要請したときは、イオン(株)は、本投資法人との物件共有を検討し又は検討させるものとします。
(ⅷ)本投資法人へのセイムボート出資
イオン(株)は、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと及び本投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について保有を継続し一定の比率(19.9%)を保つことに努めます。
(ⅸ)人材の確保に関する協力
イオン(株)及び本資産運用会社は、要請があれば、人材の確保に合理的な範囲で協力します。
b.パイプラインサポート契約
(ⅰ)保有物件の情報提供
パイプラインサポート会社は、自ら又はその一定のグループ会社が保有、開発、賃借する不動産等につき、可能な限り最大限の情報提供を行います。但し、一部の例外を除きます。
(ⅱ)パイプラインサポート会社運営の商業施設等に係る優先交渉権の付与
(a)ファーストルック優先交渉権
パイプラインサポート会社は、自ら又はその一定のグループ会社が不動産等の売却を予定する場合、当該不動産等に関する情報を第三者に先立ち本資産運用会社及び本投資法人に提供し、当該不動産等に関する優先交渉権を本資産運用会社に付与します。但し、一部の例外を除きます。
(b)ラストルック優先交渉権
上記(a)の後、当該不動産等を取得しなかった場合でも、第三者が提示する条件が本投資法人と同等以下である場合には、本投資法人は、同等以上の条件を提示することにより、当該第三者に優先して当該不動産等を売却希望会社より購入することができます。
(ⅲ)第三者保有物件の売却情報の提供
パイプラインサポート会社は、第三者から不動産等の売却情報を取得し、パイプラインサポート会社でそれを取得しない場合、関係者の承諾を条件として、裁量により、本投資法人及び本資産運用会社に対し情報を提供します。
(ⅳ)本投資法人の保有資産におけるテナント出店等の検討
本投資法人が保有又は取得を検討する不動産等につき、本資産運用会社が申し入れを行った場合、パイプラインサポート会社は、当該物件への賃借人としての出店又はリーシングのサポートの提供につき検討します。
(ⅴ)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、本投資法人が不動産等を直ちに取得できない場合に、本投資法人への将来の譲渡を前提として、パイプラインサポート会社による一時的な保有を依頼することができます。
(ⅵ)パイプラインサポート会社による投資戦略・物件取得に関するアドバイザリー
パイプラインサポート会社は、本資産運用会社の要請があれば、一定の条件のもと、別途合意を条件に、以下の業務受託を行うこととします。
(a)リサーチ関連業務(小売業界に関する調査、不動産市場動向の調査、個別不動産の立地、商圏、競争環境に関する調査)
(b)投資戦略に関する助言
(c)投資不動産に関する助言業務
(d)個別不動産に関する各種分析及びデュー・ディリジェンス補助等
(ⅶ)本投資法人との物件共有又は準共有
パイプラインサポート会社又はその一定のグループ会社が本投資法人に不動産等を譲渡する場合、本資産運用会社が要請したときは、パイプラインサポート会社は、本投資法人との物件共有を検討し又は検討させるものとします。
(ⅷ)人材の確保に関する協力
パイプラインサポート会社及び本資産運用会社は、要請があれば、人材の確保に合理的な範囲で協力します。
c.SCマネジメント契約
国内に所在する資産に関するノウハウを用いた以下の業務(以下併せて「SCマネジメント」といいます。)の提供を受けることを定めます。
(ⅰ)個別の不動産等に係るリサーチ関連業務
(a)個別の商業施設等に係る商圏や競合店動向等商業施設を取り巻く環境の把握・分析、テナント動向の把握
(b)全国に展開するイオングループの参考となる事例やノウハウの水平展開事例の紹介
(ⅱ)個別の不動産等の運用に関する助言・マネジメント等補助業務(国内)
(a)個別の商業施設等に係る運営管理全般の助言
(b)直接管理し把握している個別の商業施設に係る売上げ実績等のデータの提供
(ⅲ)その他個別の不動産の中長期における活性化・再開発検討業務
(a)商圏、競合の分析を通じた最適業態、最適商業施設の企画・検討
(b)資金計画、設計・建設計画等のオーナー向けフィージビリティスタディ
(c)本投資法人と賃借人の資産区分等の検討
(d)計画実施のための各種補助業務及びマネジメント業務
d.物流施設マネジメント契約
国内に所在する資産に関するノウハウを用いた以下の業務の提供を受けることを定めます。
(ⅰ)個別の不動産等に係るリサーチ関連業務
(a)個別の物流施設等を取り巻く環境の把握・分析、テナント動向の把握
(b)全国に展開するイオングループの参考となる事例やノウハウの水平展開事例の紹介
(ⅱ)個別の不動産等の運用に関する助言・マネジメント等補助業務(国内)
(a)個別の物流施設等に係る運営管理全般の助言
(b)直接管理し把握している個別の物流施設に係る出荷量等のデータの提供
(ⅲ)その他個別の不動産の中長期における活性化・再開発検討業務
(a)中長期における最適物流施設の企画・検討
(b)資金計画、設計・建設計画等のオーナー向けフィージビリティスタディ
(c)本投資法人と賃借人の資産区分等の検討
(d)計画実施のための各種補助業務及びマネジメント業務
e.マレーシア不動産投資に関する覚書
本投資法人及び本資産運用会社は、イオンマレーシア社又はイオンビッグマレーシア社から提供を受けるマレーシアに所在する不動産投資に関する各種サポートに関して下記内容によるマレーシア不動産投資に関する覚書をイオンマレーシア社及びイオンビッグマレーシア社(以下「海外サポート会社」ということがあります。)との間で締結しています。なお、以下はマレーシア所在の不動産等(商業施設等)に限られます。
(ⅰ)不動産等の売却又は購入の情報提供
海外サポート会社は、不動産等の売却を予定する場合、当該情報を第三者と同時に本投資法人に提供します。また、海外サポート会社は、不動産等の取得を予定し又は第三者からの売却情報を受けた場合に、海外サポート会社が当該不動産等を取得しない方向で検討している場合は、その裁量により、本投資法人に対し(イオンビッグマレーシア社からは、本資産運用会社に対しても)、当該情報を提供します。
(ⅱ)保有物件の情報提供
海外サポート会社保有不動産等の取得の交渉を希望した場合、海外サポート会社は、裁量により、同意する範囲にて当該情報を提供します。
(ⅲ)テナント出店等の検討
本投資法人が保有し又は取得を検討する不動産等について、本資産運用会社が海外サポート会社に賃借人としての出店の検討又はリーシングのサポートの提供の検討の申し入れを行った場合、海外サポート会社は真摯に検討します。
(ⅳ)ウェアハウジング機能の提供
海外サポート会社がマスターレッシーとなる旨の希望を有する場合において、本投資法人が当該不動産等の意向を強く示しつつも直ちに取得できないときは、海外サポート会社は、本投資法人が合理的な期間内に取得するとの合意のもと、海外サポート会社が当該不動産等を確保することに最大限努力します。
(ⅴ)スポンサーからの投資戦略・物件取得に関するアドバイザリー
海外サポート会社は、投資戦略及び物件取得に関する協力及び助力をするよう最大限努力します。
(ⅵ)本投資法人との物件共有又は準共有
海外サポート会社が不動産等の共有を検討する場合において、要請があれば、本投資法人との不動産等の共有又は準共有について真摯に検討します。
(ⅶ)人材の確保に関する協力
海外サポート会社は、要請があれば、人材確保のための最大限努力を行います。
f.商標使用許諾契約
スポンサーサポート契約、パイプラインサポート契約、SCマネジメント契約、物流施設マネジメント契約及びマレーシア不動産投資に関する覚書のほか、本投資法人は、イオン(株)との間で、商標使用許諾契約を締結し、本投資法人が事業の推進をするに当たり、イオン(株)の保有する商標を使用することの許諾を受けています。
⑤ 適切なガバナンス体制の構築 ~ 投資主とスポンサーとの利益共有・利益相反防止策
本投資法人は、イオングループの総合力を活用することにより投資主価値を最大化することを目指し、本投資法人の投資主価値の最大化がイオングループにとっても利益となる、投資主とイオングループとのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係を構築します。また、このような投資主価値の最大化を実現するにあたっては、適切なガバナンス体制の構築が重要であると考えております。これらの観点から、本投資法人及び本資産運用会社は、以下の各種の施策を講じています。
(ア)本資産運用会社における利害関係者取引に関する透明性のある意思決定プロセス

イオングループからの資産の取得等の利害関係者取引に関する本資産運用会社の意思決定については、イオングループと利害関係のない第三者の意見が反映される仕組みが構築されています。具体的には、投資委員会及びコンプライアンス委員会の双方に、イオングループと利害関係のない第三者である外部専門家が委員として選任され、利害関係者との取引の機関決定においては、当該外部専門家の出席及び賛成を必須とする意思決定プロセスとなっています。利害関係者との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご参照ください。
(イ)イオン(株)による投資口保有
イオン(株)は、本投資法人の投資主の利益と自社の利益を共通のものとする目的から、スポンサーサポート契約において、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、及び同社の保有する投資口についてその保有を継続し一定の比率(19.9%)を保つことに努めること等を、本資産運用会社に対し表明しています。
(ウ)イオングループとの物件の共同保有
本投資法人は、ポートフォリオの分散状況及び物件の個別要因の状況を勘案し、スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約に基づくイオングループ各社との戦略的な物件共有(準共有を含む。)を行うことがあります。この物件の共同保有により、本投資法人はイオングループとの利害関係を一致させた運営を図ることができると考えております。
(エ)投資口1口当たり分配金に連動する運用報酬体系の導入
本投資法人は、本資産運用会社の運用報酬のうち一部が投資口1口当たり分配金の額に連動する運用報酬体系を導入することにより、本投資法人と本資産運用会社のスポンサーの利益の方向を一致させるとともに本投資法人の投資主価値の最大化を目指します。運用報酬体系の詳細は、後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/③ 本資産運用会社への支払報酬」をご参照ください。
⑥ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、以下の方針に基づき、ポートフォリオを構築します。
(ア)投資エリア
本投資法人は、規約の規定及び本資産運用会社の運用ガイドラインに基づき、日本国内での投資を中心としつつ、海外への投資も行います(注1)。
a. 国内投資
本投資法人は、イオングループが日本国内で運営する商業施設等を中心に投資を行います。
これは、イオングループが既に構築している各種の商業施設等の強固な収益基盤と安定的な成長性に着目するためです。イオングループは、前記「③ イオングループの競争力」に記載のとおり、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という企業理念のもと、小売業を発展させてきました。また、イオングループは、「立地創造力」と「まちづくり」の考え方のもと、小売業は地域に根ざし、地域とともに成長していく地域産業と捉えています。
以上の基本的理念のもと、本投資法人は、資産の取得にあたり、日本国内においては、原則として、イオングループが運営する商業施設等において、確立した商圏を持つ地域密着型商業施設の中から、本投資法人の投資主価値の最大化に寄与する商業施設に対し、厳選して投資を行う方針です。また、本投資法人は、国内においては、日本全国を投資対象エリアとし、一地域への偏在を回避し、地理的に分散されたポートフォリオを目指します。
b. 海外投資
本投資法人は、上記「a. 国内投資」記載のとおり、国内での投資を中心としつつ、中長期的に経済発展が見込める国・地域にイオングループが展開している商業施設等についても安定したキャッシュ・フローの創出が見込めると考えており、海外のイオングループの商業施設についても厳選して投資を検討します。
海外においては、中長期的に経済発展が見込める国・地域に展開している商業施設への厳選した投資を行うとの観点から、マレーシア等のアセアン地域(注2)や、中国及び人口が増加傾向にある等中長期的に経済発展が見込める国・地域を投資対象エリアとします。投資にあたっては、当該国・地域における商業施設に対し、人口動態・経済成長等を踏まえ、投資対象施設の存在する国の法制度・税制・政治制度・文化的親和性等の各種の観点からの複合的な検証を行うほか、いわゆるカントリー・リスクを踏まえつつ、慎重に判断します。
(注1)本投資法人規約において、本投資法人は、日本国内及び海外での投資を行うこと、また、海外での投資に際しては、マレーシアを含むアセアン地域及び中国を中心に、その他人口が増加傾向にある等中長期的に経済発展が見込める国・地域を中心的な投資対象エリアとする旨定めています(規約第28条第3項)。
(注2)前記「1 投資法人の概況/(2)投資法人の目的及び基本的性格/① 投資法人の目的及び基本的性格」記載のとおり、アセアン地域とは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアをいいます。
(イ)投資対象と投資比率
本投資法人は、以下の類型の商業施設等に投資を行います。国内と海外の投資比率は、国内不動産を85%以上、海外不動産を15%以下として、運用を行います。また、その資産の80%以上は、大規模商業施設に対する投資を行うこととします。但し、この比率は、資産規模の拡大に応じ、今後見直されることがあります。
(注)投資比率は取得価額ベースにて算出します。不動産関連資産の取得又は売却の結果、短期的には上記比率と異なる比率となる可能性があります。以下同じとします。
a.国内商業施設等
(ⅰ)投資対象
本投資法人は、前記「② 本投資法人の基本方針」に記載のとおり、日本国内においては、イオングループが運営する商業施設等を主たる投資対象とします。本投資法人は、商業施設はその性質上、大規模に集積するほど集客力が高く、かつ、売場面積の広さゆえに区画運営に柔軟性を保つことができると考えています。そのため、イオングループが運営する商業施設等の中でも、特に希少性が高く、かつ各地域における競争力を有すると考える大規模商業施設を中心に投資を行います。
また、イオングループは、他の小売業に先駆け、商業施設の運営を支える、独自の物流施設による先進的なサプライチェーンを構築しています。本投資法人は、これら小売業と密接な関係にある物流施設も投資対象の一部とします。
(ⅱ)投資比率
本投資法人は、上記商業施設のうちSRSC、RSC及びCSC(注)を大規模商業施設と定義し、本投資法人のポートフォリオの大規模商業施設への投資比率が80%以上(取得価額ベース)となるように運用します。また、物流施設への投資比率は10%以下(取得価額ベース)となるように運用します。
(注)SRSC(スーパーリージョナル型ショッピングセンター)、RSC(リージョナル型ショッピングセンター)、CSC(コミュニティ型ショッピングセンター)の定義と特徴については、前記「② 本投資法人の基本方針/(ア)イオングループの大規模商業施設を中心とした安定性の高いポートフォリオ」をご参照ください。
b.海外商業施設等~J-REIT初となる海外不動産への投資
(ⅰ)投資対象
本投資法人は、海外地域への投資のリスクを極小化するため、原則として、マスターリース契約によりイオングループへ一括賃貸をし、イオングループにて管理・運営することが確保され又は確保できるとの確証が得られる商業施設等を投資対象とします。
また、本投資法人は海外不動産特有のリスクとして①カントリー・リスク、②オペレーショナル・リスク、③為替リスクが存在すると考えておりますが、日本と海外の法制度、会計制度及び税制の親和性を考慮しながら、政治・経済動向等を勘案し、慎重に投資を行う方針です。
(ⅱ)投資比率
本投資法人は、海外商業施設等への投資比率を上限15%(取得価額ベース)となるよう運用します。
⑦ 投資基準
本投資法人は、資産(日本国内及び海外の資産)を取得するに際し、以下の投資基準により投資を行います。
(ア)立地
日本においては、日本全国を投資対象エリアとし、一地域への偏在を回避し、地理的に分散されたポートフォリオを目指します。
海外においては、アセアン地域(注)、中国及び人口が増加傾向にある等、中長期的に経済発展が見込める国・地域とします。
(注)アセアン地域とは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアをいいます。
(イ)投資金額
1物件当たりの投資金額は、原則、5億円以上(取得価額をいい、消費税等の諸費用は含みません。)とします。海外資産は取得時における邦貨換算額5億円以上を原則とします。
(ウ)取得価額
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係者との取引においては、鑑定評価額(税金、仲介手数料、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額、その他の取得費用等は含みません。)を超えた価格での取得は行いません。なお、本投資法人等(本投資法人、信託受託者(本(ウ)においては、本投資法人が保有する信託受益権に係る信託の受託者をいいます。)及び海外不動産保有法人をいいます。以下本(ウ)において同じです。)が既に保有する不動産(以下本(ウ)において「保有不動産」といいます。)の隣接地を追加取得する場合や保有不動産上に建物を追加取得する場合など、本投資法人等が取得しようとする不動産(以下本(ウ)において「取得予定不動産」といいます。)と保有不動産を合わせて一体の不動産として運用すると認められる場合は、当該一体運用を前提として取得予定不動産及び保有不動産を一体として鑑定若しくは調査された鑑定評価額若しくは調査価額から、保有不動産のみに係る鑑定評価額若しくは調査価額を控除した額(税金、仲介手数料、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額、その他の取得費用等を含みません。)を超える価格にて取得してはならないものとします。
また、海外資産についても同様とします。
(エ)耐震性
原則として、新耐震基準(1981年改正の建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を取得します。なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
(オ)地震PML
原則、国内ポートフォリオPML(Probable Maximum Loss: 予想最大損失率)(以下「PML」といいます。)値(注)は10%を超えないものとします。なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域でのPML値の取得の可否、地震保険の存否、現地実務等を勘案し総合的な判断を行います。
(注)PML値とは、本書においては、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)に想定される最大規模の地震(50年間で10%を超える確率で発生すると予想される大地震=再現期間475年相当(年超過確率0.211%)の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものです。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。以下同じです。なお、海外においてPMLに準じた規制又は基準がない場合には、これに代わる基準を定めて投資決定をします。
(カ)付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
地震保険の付保は、個別PML値が15%を超える場合において、地震の発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響並びに保険の実効性を勘案して総合的に判断します。
しかしながら、上記基準を超えない場合でも、保険料、免責額等、費用対効果を総合的に吟味し、地震保険の付保を行うことがあります。
(キ)環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の取扱・保管状況及び敷地内の土壌の状況・状態が大気汚染防止法や土壌汚染対策法等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が十分に講じられていることを原則とします。但し、取得後速やかに是正が見込まれる場合には、取得することがあります。また、海外資産においては、当該国・地域における環境・地質等の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
(ク)テナント
社会的信用力等を確認した上で、賃料水準、賃貸借契約期間、業種、競争力等についても評価・分析し、経済的信用力を有するテナントであることを原則とします。なお、海外資産についても同様とします。
(ケ)権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有、借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項・リスクが少ないことを原則とします。また、海外資産においては、当該国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
(コ)安定稼働不動産への投資
本投資法人は、安定したキャッシュ・フローを確保するため、原則として、安定してキャッシュ・フローを創出している不動産等に投資をするものとし、未稼働(開発中でキャッシュ・フローを生まないもの)の不動産等は投資対象としません。
但し、短期的に稼働率の低下した不動産等については、将来における稼働率の向上が早期に見込める場合や、イオングループがテナントとして出店し又はリーシングに協力すると見込まれる等の事情が存在する場合には、厳選して投資決定を行うことがあります。この場合には、慎重な判断を行うものとします。なお、海外資産についても同様とします。
⑧ デュー・ディリジェンス基準
投資対象資産の取得に際して、本資産運用会社は下記経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等の把握及びそれらの評価を中心とした、当該運用資産の投資対象としての妥当性について検討を行います。検討にあたり、調査能力及び経験を有する第三者が作成するエンジニアリング・レポート、マーケットレポート、地震リスク調査報告書等を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等を実施します。
なお、海外不動産に投資する場合は、基本的に、日本の不動産に投資する場合の基準に準じ、現地の法制度や特殊事情を加味した上でデュー・ディリジェンスを実施します(注)。
(注)海外不動産のデュー・ディリジェンスを実施するにあたっては、上表の項目のほか、道路への接続や公共サービス(例:水、ガス、下水処理サービス)の供給状況等についても調査を実施します。
⑨ 第三者への委託及び第三者の評価に関する基準
本資産運用会社は、その運用方針に基づき、日本国内において、業務の委託・発注(資産運用業務の委託及び再委託は原則として行いません。)の品質確保と公正な委託先・発注先の選定及び委託先の契約更新のため、外部委託・評価基準を定めています。なお、海外資産に関しては、当該国・地域における法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上、かかる委託の有無と範囲を決定します。
(ア)委託業務別委託基準
業務の外部委託にあたっては、委託業務の内容に応じて、業務執行体制や業務経験・実績等により、一定の品質を確保するための個別具体的な基準を満たす者に委託を行うものとします。
具体的には、プロパティ・マネジメント業務を委託するにあたっては、①委託先の規模、②業務遂行能力、③法令遵守の状況、④報酬水準(所在地が日本国外である不動産等に係るプロパティ・マネジメント業務を委託する場合には、このうちの②③④の3項目)を審査し、不動産鑑定評価業務、デュー・ディリジェンス、エンジニアリング・レポートを委託するにあたっては、①委託先の規模、②業務遂行能力、③法令遵守の状況、④過去の不適切な業務の有無(所在地が日本国外である不動産等に係る鑑定業務又はデュー・ディリジェンス若しくはエンジニアリング・レポートを委託する場合には、このうちの②③④の3項目)を審査します。
(イ)委託条件
本資産運用会社及び本投資法人は業務の委託を行うにあたり、適切な業務執行体制の構築義務、報告義務及び守秘義務及びモニタリング協力義務を業務受託者に負わせることを標準とし(但し、契約相手方との交渉の結果、各項目についてこれらと異なる定めをすることを妨げないものとします。)、業務委託契約書等にて業務受託者の責任義務を明確にして行うものとします。
⑩ フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合には、以下の点に留意します。
・契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性、決済資金の調達方法等
⑪ ポートフォリオ運営管理方針
本投資法人は、日本国内において取得した資産の運営管理を行うに際し、以下の方針と基準によるものとします。海外における取得資産の運営管理に際しても、国内での基準を基本として、原則として、日本国内に準じた基準によるものとします。
(ア)基本方針
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持・向上及びテナント満足度を高めることを目指し、以下の方法に基づき、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
(イ)運用計画の策定
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドライン等に基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る資産管理運用計画(以下「資産管理計画」といいます。)を策定し、当該計画に沿った運営・管理を行います。資産管理計画は、運用資産の運用・管理に関する具体的な実行計画を規定するものであり、運用資産毎の収支計画を踏まえて、ポートフォリオ全体及び本投資法人全体の収支計画等より構成され、コンプライアンス・オフィサーの承認後、投資委員会にて審議及び決議し決定されます。また、コンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合は、投資委員会にて審議及び決議した後、コンプライアンス委員会にて審議及び決議を行い、決定されます。
なお、上記資産管理計画の策定にあたっては、原則としてSCマネジメントを提供する会社、物流施設マネジメントを提供する会社及びプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)の協力により運用資産毎の詳細を検討します。
資産管理計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更します。
(ウ)リーシング方針
本投資法人は、イオングループが運営する商業施設等の取得に際し、取得と同時に、イオングループを借主として、建物全体を一括賃貸するマスターリース契約を締結することを基本方針とします。海外における資産取得の場合も同様とします。
PM会社を最大限活用し、マスターリース契約のテナントとの情報共有に努めるとともにマーケット動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行います。
テナントとの賃貸借契約に際しては、本資産運用会社がマスターリース契約のテナントの信用度のチェック、及びエンドテナントも含めた反社会的勢力との関係をチェックし、再契約の可能性等を総合的に判断します。
(エ)PM会社の選定方針、モニタリング
PM会社の選定にあたっては、不動産運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。
本投資法人は上記方針をより高いレベルで実現するため、イオングループが当該商業施設等についてPM会社となることが適切と判断される場合にはイオングループに対してプロパティ・マネジメント業務を委託します。
その場合、上記業務委託にあたり、「利害関係者取引規程」及び「外部委託・評価基準」に基づき、業務水準や報酬額等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行及び報酬レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します(詳細については、前記「⑨ 第三者への委託及び第三者の評価に関する基準/(ア)委託業務別委託基準」及び後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(4)本資産運用会社の社内規程による利害関係者との取引制限」をご参照ください。)。
(オ)修繕及び資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕及び資本的支出をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕・資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断します。その際、テナントの満足度向上に向けた運営上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。また、エンドテナントの契約期間満了時の大規模リニューアルのタイミングでは、マスターレッシーと協調し、テナント区画のリニューアルと同時に共用施設のリニューアルを計画する等、ショッピングセンターの更なる価値向上のための投資を行うことがあります。
(カ)売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、安定収益を確保することを基本方針としているため、原則として、運用資産の短期的な売却は行わないものとします。但し、不動産マーケットの状況及びその分析等から勘案して、最適なポートフォリオの維持のために必要であると判断する場合には、運用資産の短期的な売却を検討することがあります。
売却に当たっては、不動産鑑定評価等の第三者意見を参考としつつ、マーケット調査、類似の取引事例、当該運用資産の将来にわたる収益性等を勘案した上で、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑫ 財務方針
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事金の支払、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払又は債務の返済等を目的として、投資口の追加発行を行います。投資口の追加発行は、長期的かつ安定的な成長を目指し、投資口の希薄化(新投資口の発行による投資口1口当たりの議決権割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ機動的に行います。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金商法」といいます。)に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
本投資法人の借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、本投資法人は、原則として無担保無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。
海外不動産へ投資を行う場合には、現地通貨建てで借入れを行う場合があります。また、調達時点のマーケット環境等を勘案し、円建てで調達し、現地通貨へ換金する場合もあります。
a.有利子負債比率及びLTV
本投資法人は、外部成長戦略、内部成長戦略等を考慮しながら、保守的な負債比率を意識しつつ、強固な財務基盤を維持します。運用にあたっては、原則として、LTVを50%前後の水準とし、その上限を60%として運用を行います。なお、運用資産の取得等により、短期的にそれらの数値を超えることがあります。
b.長期化・固定化
本投資法人は、テナントとの契約期間・内容等によるキャッシュ・フローの状況に対応した借入期間の設定を行います。また、各種リスクを低減させるため、借入期間の長期化及び金利の固定化を検討し、適切な運営を目指します。
c.メガバンクを中心としたバンクフォーメーションと、資金の調達先及び調達手法の多様化
借入れにあたっては、イオングループの信用力を活かし、メガバンクを中心としながら、借入金融機関の適切な分散を図ることを目指します。また、負債性の資金調達に際しては、マーケット環境及び本投資法人の財務状況等を総合的に勘案し、投資法人債の発行等を含む、直接金融・間接金融等の手法の多様化を図ります。
(ウ)デリバティブ取引
借入れ及びその他の本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクのヘッジを主たる目的として、経済状況及び金利の動向を考慮し、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
また、海外不動産への投資を行う場合において、主として賃料収入等の現地通貨での受取り及び支払いが必要となる場合には、為替リスクのヘッジのために、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
(エ)敷金・保証金の活用
本投資法人は、低コストかつ長期に安定した資金である、テナントから預託された敷金・保証金を有効活用することがあります。
また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払い、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、妥当と考えられる金額を現預金として保有するものとします。なお、第14期末における保有資産の敷金・保証金総額は、約132億円です。詳細については、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/(イ)賃貸借状況の概況」をご参照ください。
(オ)格付の取得
本投資法人は、本書の日付現在、株式会社日本格付研究所(JCR)よりAA-(ダブルエー・マイナス)の長期発行体格付を付与されております。かかる格付けは、本投資法人の投資口に付された格付けではありません。なお、本投資口について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供された若しくは閲覧に供された信用格付、又は信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
(カ)余資の運用方針
余資の運用は、安全性、換金性等を考慮し、金利環境及び資金繰りを十分に鑑みた上で慎重に行います。
⑬ 情報管理・開示方針
(ア)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。また、情報の透明性及び解りやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主のニーズに応えるべく自ら内容を検討し、適時かつ適切な情報の開示に努める方針とします。
(イ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ウ)投信法、金商法、東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会等にて定められている開示情報は、各々の所定様式に基づき適切に開示を行います。
⑭ 海外不動産投資
(ア)本投資法人の海外不動産等への投資
本投資法人は、本書の日付現在においては、アセアン地域(注)の中ではマレーシアに所在する商業施設を中心に投資を行うものとしています。本投資法人は、スポンサーであるイオングループが古くからマレーシアに出店しており、運営におけるトラックレコードが確認できること、一人当たりGDPが成長基調にあり今後も成長が予想されていること、今後の人口増加とともに高水準所得・中間所得者層の割合が高まることが予測されていること、法制度・税制についても十分に整備されていること、等を総合的に勘案し、マレーシアを中長期的な経済発展が見込める国・地域と分析し、投資対象に適した地域と考えています。
(注)アセアン地域とは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアをいいます。
(イ) 本資産運用会社における海外資産の取得の手続
本資産運用会社は、その社内規程において、本投資法人が海外に所在する物件の取得を検討するに際し、所在地が日本国外である不動産等(本資産運用会社の業務方法書第3条第1項第1号②に定める不動産等をいいます。以下本(イ)において同じです。)又は不動産等の所在地が日本国外である不動産等を主たる投資対象とする不動産対応証券(本資産運用会社の業務方法書第3条第1項第1号③に定める不動産対応証券をいいます。)その他の資産(以下「海外不動産等」と総称します。)の取得の指図を行う場合には、投資主の保護を図るため、次の各号に掲げる事項を遵守すべき旨を定めています。これは、一般社団法人投資信託協会の定める「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」第24条の2ないし第24条の4を踏まえたものです。
a.国内の物件を取得する場合と同程度の調査を行うこと。
b.鑑定評価書等の基礎的資料について、国内の物件を取得した場合と同程度の情報の内容、精度であるものを取得すること。
c.現地国・地域の実情に応じて現地代理人の選任をする等、適切に管理や賃貸等の回収を行うための必要な措置を講じること。
d.現地国・地域や物件の情報を適切に入手するための必要な措置を講じること。
e.次に掲げる要件を満たさない国又は地域における海外不動産等を投資対象としないこと。
(ⅰ)不動産等の使用、収益、処分に係る権利を適正に確保するための法制等が整備されていること。
(ⅱ)不動産等に係る権利の内容について第三者に対抗することが出来るための登記制度等の制度が整備されていること。
(ⅲ)不動産等に係る取引契約を適正に締結・履行するための法制等が整備されていること。
(ⅳ)取引に使用する通貨について、為替相場が適正に公表され、必要に応じて遅滞なく邦貨に転換できること。
(ⅴ)資金決済、送金等が適正に行える環境が備わっていること。
(ⅵ)裁判等の紛争処理制度が整備されていること。
f.本資産運用会社の諸規定に従って、次の各号に掲げる事項を適切に遂行すること。
(ⅰ)海外不動産等や現地国・地域に係る情報の開示
(ⅱ)現地国・地域の資産管理会社等との業務連絡の記録等の国内における保管
(ⅲ)現地国・地域から情報の取得及び当該情報に対する適時適切な対応
(ⅳ)災害等の発生に係る適時開示
① 本投資法人の基本理念
本投資法人は、主として商業施設等(注)の用に供され又は供されることが可能な不動産(複数の不動産が一体的に開発又は利用されている場合を含みます。)が本体又は裏付けとなっている資産に投資を行うことを目的とする投資法人です。
(注)商業施設等の定義については、前記「1 投資法人の概況/(2)投資法人の目的及び基本的性格/① 投資法人の目的及び基本的性格」をご参照ください。
本投資法人において、商業施設等は、地域社会の豊かな暮らしに欠かせない存在、すなわち、「小売から暮らしを支える『地域社会の生活インフラ資産』」であるとの認識のもと、このような商業施設等を本投資法人の主な投資対象と位置付けています。本投資法人は、商業施設等への投資を通じて人々の豊かな生活の実現及び地域社会への貢献を理念としながら、中長期にわたる安定した収益の確保と運用資産の着実な成長を目指します。
本投資法人のスポンサーは、本資産運用会社の親会社であるイオン株式会社(以下「イオン(株)」又は「スポンサー」ということがあります。)です。イオン(株)は、自らを持株会社とするイオングループ(注)という企業グループを形成しています。
イオングループは、平和で豊かな暮らしの実現を目指し、地域の生活に欠かせない生活インフラとしての小売業を通じて、地域の人々の暮らしと共に成長してきました。本投資法人は、かかるイオングループの成長を取り込むことにより本投資法人の着実な成長につなげること、すなわち、イオングループが運営する商業施設等を中心に投資を行うことを基本理念としています。
(注)本書において、イオングループとは、純粋持株会社であるイオン(株)並びに287社の連結子会社及び28社の持分法適用関連会社(2020年2月現在)にて構成されるグループをいいます。
② 本投資法人の基本方針
(ア)イオングループの大規模商業施設を中心とした安定性の高いポートフォリオ
本投資法人は、前記「① 本投資法人の基本理念」に記載のとおり、主として、「地域社会の生活インフラ資産」である商業施設等に投資します。なかでも、中長期にわたり安定したキャッシュ・フローの創出が見込まれる、イオングループが運営する大規模商業施設を中心としたポートフォリオを構築します。
本書において、「大規模商業施設」とは、下表におけるSRSC(スーパーリージョナル型ショッピングセンター)、RSC(リージョナル型ショッピングセンター)及びCSC(コミュニティ型ショッピングセンター)という3つの区分のいずれかに該当する商業施設を意味するものとします。
これら大規模商業施設を含む商業施設等への投資比率等については、後記「⑥ ポートフォリオ構築方針/(イ)投資対象と投資比率」をご参照ください。
| 類型 | 特徴 | |
| 大規模商業施設 | SRSC(スーパーリージョナル型 ショッピングセンター) | RSCをより大型化した、複数の核テナントと、200店を超える専門店を有するショッピングモール(注1)を備えた超広域商圏型ショッピングセンター(注2)。 |
| RSC(リージョナル型 ショッピングセンター) | 大型GMS(注3)等を核テナントとして、50店以上の専門店を有する広域商圏型ショッピングセンター。日常生活用品から衣料、サービス、エンターテイメント施設等の幅広い業種と業態のテナントが揃った一日中滞在できる「時間消費型」の商業施設。 | |
| CSC(コミュニティ型 ショッピングセンター) | GMS、ディスカウントストア又は大型食品スーパー等を核テナントとし、20~50店程度の専門店を有する商業施設。 | |
| その他の商業施設 | NSC(ネイバーフッド型 ショッピングセンター) | 食品スーパー等を核テナントとし、10~30店程度の専門店を有する、日常生活用品を主体とした商圏の小さい小型商業施設。 |
| SM(スーパーマーケット) (注2) | 食料品や日用品等の購買頻度の高い商品を主力商品とした食品スーパー。 | |
| 物流施設 | 上記小売業を支えるサプライチェーンを担う物流施設。 | |
(注1)本書において、「ショッピングモール」とは、専門店を主要通路沿いに計画的に配置し、モール(遊歩道・商店街)を形成することで、回遊性を高めた一体的な商業集積店舗網をいいます。また、後記「③ イオングループの競争力/(ア)イオングループの概要」記載のモール型RSCといったショッピングモールを備えた商業施設を「モール型」商業施設と称することがあります。
(注2)本書において、「ショッピングセンター」とは、一般に、ディベロッパーのもとに計画、開発、所有され、1つの組織体として、運営されている小売業、飲食業、サービス業等の集団的商業施設を意味するものをいいます。多くの場合、各ショッピングセンターの商圏の特性に適合した立地や規模、テナント構成を有し、店舗タイプや商業施設の規模に適合する駐車場が併設されています。なお、本書において、「ショッピングセンター」を「SC」、「スーパーマーケット」を「SM」と、それぞれ表記することがあります。
(注3)本書において、「GMS」とは、General Merchandise Storeの略称であり、食料品や日用品のみならず、衣料品や家電、家具等、日常生活で使う様々な商品を総合的に揃えている総合スーパーをいいます。
<大規模商業施設の特徴>

一般に、大規模商業施設は、広い駐車場を備え、GMSや大型専門店等の核テナントと多くの専門店テナントにより形成されている商業集合体をいいます。核テナントと専門店テナントという商業の集積により品揃え・店揃えに幅を持たせ、さまざまな年代・客層のニーズに応えるとともに、モールと呼ばれるショッピングのための遊歩道を設け、商業施設内の回遊性を高めて比較購買を可能にすることで、商業施設全体の集客力の向上を図っています。
最近では、「モノ消費からコト消費へ」と言われるように、核テナントとして映画館等のアミューズメント施設を導入したり、カルチャー教室やフィットネスクラブ等のコミュニティ施設を商業施設内に設けたりと、商業施設は、単にモノを買う場所から、レジャーやコミュニティの拠点として滞在して時間を楽しむという時間消費型の施設へと変化してきています。大規模商業施設は、売場面積の広さゆえに区画運営に柔軟性を保てることから、消費者のライフスタイル・ニーズ等の変化に柔軟に対応できると考えています。このような大規模商業施設の特性を引き出す形で商業施設の大型化を図ることで、商業施設に付加価値をもたらし、競争力を向上させるものと考えています。
(イ)イオングループの総合力を活用した高い成長力
本投資法人及び本資産運用会社は、イオングループの総合力を活用するため、イオングループ各社(後記「④ 本投資法人の成長戦略/(イ)外部成長戦略」にて定義されます。以下同じです。)との間で「スポンサーサポート契約」、「パイプラインサポート契約」、「SCマネジメント契約」、「物流施設マネジメント契約」及び「マレーシア不動産投資に関する覚書」を締結しています。本投資法人及び本資産運用会社は、これらの各種契約を通じ、イオングループにおける商業施設の開発・運営・取得などのノウハウとネットワークを最大限活用します。また、本投資法人は、イオン(株)との間で「商標使用許諾契約」を締結することを通じて、イオングループのブランド力を活用します。
これら「スポンサーサポート契約」、「パイプラインサポート契約」、「SCマネジメント契約」、「物流施設マネジメント契約」、「マレーシア不動産投資に関する覚書」及び「商標使用許諾契約」の概要につきましては、後記「④ 本投資法人の成長戦略/(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容」をご参照ください。
(ウ)戦略的なキャッシュ・マネジメントと安定した財務基盤
本投資法人は、中長期的に安定したキャッシュ・フローを確保しつつ、運用資産が着実に成長を遂げられるよう、安定した財務基盤を構築することを基本方針とします。具体的には、財務健全性確保のため、本投資法人は、原則として、その保有する資産総額に対する有利子負債総額(短期借入金、長期借入金、投資法人債及びその他有利子負債の合計をいいます。以下同じです。)に預り敷金及び保証金(信託預り敷金及び保証金を含みます。)を加えた額の割合(以下「LTV(敷金込み)」といいます。)を50%前後の水準で運用するとともに(注)、メガバンクを中心とした金融機関との強固かつ安定的な取引関係を築くことを基本方針としています。
なお、本投資法人は本書の日付現在、株式会社日本格付研究所(JCR)より、長期発行体格付(AA-(ダブルエー・マイナス))を取得しています。
また、本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保金を含む手元資金を、物件の新規取得、運用物件の増床、改装、改築等の機能的改善を伴う活性化投資、借入金の返済等に戦略的に活用するといった、その時々において最も有効的かつ戦略的なキャッシュ・マネジメントを行います。
(注)LTVの上限は60%として運用を行います。但し、運用資産の取得等により、短期的にそれらの数値を超えることがあります。
(エ)投資主価値を最大化するための体制(ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係)
本投資法人は、イオングループの総合力の活用により投資主価値を最大化することを目指し、本投資法人の投資主価値の最大化がイオングループにとっても利益となる、投資主とイオングループとのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係(注)を構築します。
また、スポンサーサポート契約において、イオン(株)は、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、及び同社の保有する投資口についてその保有を継続し一定の比率(19.9%)を保つように努めること等を規定しています。また、本投資法人の投資主価値の最大化がイオングループにおいても利益となる関係の構築に向けて、本投資法人は、その資産の運用に関し本資産運用会社に支払う報酬につき、本投資法人の運用成績に連動する運用報酬体系を採用しています。
なお、「ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係」の構築と同時に、利害関係者取引に対応するための透明性の高いガバナンスを実現するため、本投資法人は、種々の施策を講じています。その詳細につきましては、後記「④ 本投資法人の成長戦略」及び「⑤ 適切なガバナンス体制の構築 ~ 投資主とスポンサーとの利益共有・利益相反防止策」をご参照ください。
(注)ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係とは、本書においては、イオングループの総合力の活用が、本投資法人の投資主価値の最大化につながり、同時に、投資主価値の最大化がイオングループの企業価値の向上につながる、といった関係をいいます。
③ イオングループの競争力
本投資法人が資産の運用を委託する本資産運用会社のスポンサーであるイオン(株)を中心とするイオングループは、小売業から豊かな暮らしの実現を目指し、「地域社会の生活インフラ資産」の提供を通じて地域の人々の日々の暮らしと共に成長してきた企業グループです。
<イオングループの競争力>イオングループの概要は以下のとおりです。
(ア)イオングループの概要
イオングループは、初代岡田惣左衛門が1758年(宝暦8年)に四日市において太物・小間物商を開業、1926年(大正15年)に六代目惣右衛門が株式会社岡田屋として改組し、今に至っています。イオングループは、これまで「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という企業理念のもと、小売業を発展させてきました。現在は、GMS(総合スーパー)事業を核とした小売事業を中心として、総合金融、ディベロッパー、サービス等の各事業を複合的に展開しています。これらの高い競争力を有する事業の有機的な結集により相乗効果(シナジー)が創出され、さらなる成長が期待できると考えます。また、商業施設の開発・運営においては、モール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)(注)をはじめ食品スーパー等、多様な商業施設の競争力の維持・向上に関する様々なノウハウを蓄積しています。
(注)モール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)とは、建物の階数が2~4階の低層で、両側に2つ以上の核店舗(GMSや百貨店、大型専門店等)を配し、この核店舗を専門店モールで結んでいる建物形態を持つRSCのことをいいます。
| 事業名称 | 営業収益 (百万円) | 営業利益 (百万円) |
| GMS事業 | 3,070,521 | 7,223 |
| SM事業 | 3,224,363 | 21,507 |
| ヘルス&ウエルネス事業 | 883,220 | 35,029 |
| 総合金融事業 | 484,719 | 70,464 |
| ディベロッパー事業 | 371,926 | 63,279 |
| サービス・専門店事業 | 739,599 | 5,124 |
| 国際事業 | 439,202 | 10,386 |
| その他事業 | 52,623 | 1,789 |
| 調整額 | △661,968 | 724 |
| 連結合計 | 8,604,207 | 215,530 |
(注)出典:イオン(株)「2020年2月期 決算補足資料(第95期)」
イオングループは、日本を含むアジアをひとつのマーケットととらえ、現在14ヵ国(注)で事業を行っています(2020年2月末日現在)。成長著しいアジア地域において、GMSを核としたショッピングセンターの出店を加速し、これをプラットフォームにクレジットカード事業、サービス事業、専門店事業等の各事業が連携したマルチフォーマットでの展開を推進しています。
(注)出典:イオン(株)「2020年2月期 決算補足資料(第95期)」
(イ)イオングループの商業施設に対する考え方
a.「立地創造力」と「まちづくり」
イオングループは、「小売業は地域に根ざし、地域とともに成長していく地域産業である」との信念のもと、大規模商業施設の開発・建設・運営を「立地創造力」を活用した「まちづくり」として捉えています。
「立地創造力」とは、商圏における大規模商業施設を運営していくため、立地の分析に留まらず、商圏の特性や顧客ニーズを勘案し、その立地に適した業態、テナントミックス及びゾーニング等を検討し、周辺地域及び専門店企業との対話を通じて、大規模商業施設を開発し、商業施設の立地としてのさらなる魅力を創りあげる力のことをいいます。また、「まちづくり」とは、地方自治体、地域住民との連携を図り、行政窓口、銀行、クリニック等の公共的な機能を取り込むことに加え、自然環境を含めた地域の環境面に配慮することで、商業施設が地域社会と共に発展することを目指すことをいいます。
b.「小売と商業施設は密接不可分」
イオングループは、集客力の高い小売は商業施設の競争力を高め、競争力の高い商業施設は小売の集客力を高めるという相互補完の関係にあり、「小売と商業施設は密接不可分」であると考えています。
c.「お客さま第一」の姿勢
イオングループは、「すべてはお客さまのために考え、行動する」という「お客さま第一」という基本理念を持っています。「すべてはお客さまのために」の視点で行動し、前例や慣習にとらわれることなく「お客さまの日々の暮らし」に貢献することを永遠の使命としています。
イオングループの商業施設の開発においても、地域のお客さまへの貢献を第一として、時代の変化に応じて、郊外のモール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)と呼ばれる大規模商業施設から、都心の利便性の高いミニスーパーまで、新しいタイプの商業施設を開発・運営し、「お客さまの日々の暮らし」に「楽しさ」「利便性」「安心」「信頼」を提供することを目指しています。
d.環境・地域共生に配慮したモールづくり
イオングループにおいて、「環境と共生するモールづくり」「地域と共生するモールづくり」は、その社会的責務であると同時に、地域におけるショッピングモールの持続的成長につながるものと認識しています。ソーラーパネルによる太陽光発電やLED照明の導入といった省エネルギー活動を通じてCO2の排出量の削減を進めるとともに、地域植生にあった苗木を植樹するといった地域の生態系を守るための取り組みも進めています。
(ウ)イオングループの競争戦略~イオングループの大規模商業施設における開発力、運営力~
イオングループは、前記の「小売と商業施設は密接不可分」という考え方のもと、小売業と商業ディベロッパー業を融合したビジネスモデルを構築しており、このビジネスモデルにイオングループの競争優位性があります。
多くの商業ディベロッパーにとって、核テナントの誘致が大規模商業施設の開発における重要な要素となっていますが、イオングループは小売業と商業ディベロッパー業という二つの事業を合わせ持っているため、GMS(総合スーパー)等を核テナントとするモール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)をはじめとする大規模商業施設を一体的に開発、運営することができます。
a.小売業としてのイオングループの競争力
(ⅰ)強い集客力を持つ核テナント(GMSないし総合スーパー)
イオングループでは、大規模商業施設の集客力は、核テナントと呼ばれる大型テナントの集客力と専門店の集積度合の相乗効果により決まると考えています。小売業としてのイオングループのGMS(総合スーパー)は、戦略的な物流機能によりコストを低減しながら、豊富な商品構成により、核テナントとしての高い競争力を確保しています。なお、小売業としてのイオングループの中核会社は「イオンリテール株式会社」(以下「イオンリテール(株)」ということがあります。)です。
イオングループは、核テナントとなりうるGMSを国内外で613店舗(注1)展開しています(2020年2月末日現在)。イオングループが展開するGMSは、衣・食・住の幅広い品揃えとトップバリュ(注2)をはじめとした競争力のある商品により、日常生活のお客さまのニーズに対応でき、近隣商圏において強い集客力を持つ商業施設です。また、幅広い品揃えを持つGMSが核テナントとしてあることで、ショッピングモールの専門店との比較購買による買い物の楽しさを高め、専門店の商品ラインナップを補完し、商業施設としての魅力をより高めています。
(注1)出典:イオン(株)「2020年2月期 決算補足資料(第95期)」
(注2)トップバリュは、イオングループの登録商標であり、イオングループにおけるプライベートブランド(独自の商標)です。
(ⅱ)戦略的な物流機能
イオングループは、独自の物流機能を全国規模で保有しています。小売業のバリューチェーンにおいて、トップバリュをはじめとする開発商品の調達から各店舗への配送までの効率的なサプライチェーン・マネジメントのノウハウが、イオングループの小売事業の競争力向上のための重要な要素となっており、小売業の競争力を確保しながら核テナントの魅力を高め、結果的に商業施設の価値を高めることに繋がっています。イオングループが有する物流機能は、イオングループにとって貴重な事業基盤となっています。
b.商業ディベロッパーとしてのイオングループの競争力(開発力)
(ⅰ)日本有数の商業ディベロッパーとしてのイオングループの開発力
イオングループは、小売業及び商業ディベロッパー業を融合したビジネスモデルを採用しています。小売業及び商業ディベロッパー業を通じて培った経験とノウハウを基礎として、様々な立地においても、最適かつ多様な形態の商業施設開発を可能とする開発力を有しています。なお、商業ディベロッパーとしてのイオングループの中核会社は「イオンモール(株)」です。
イオングループは、現在、GMS(総合スーパー)等を核テナントとしてこれにショッピングモールを配したモール型RSC(リージョナル型ショッピングセンター)が、最も競争力のある商業施設として、大規模商業施設の主流となっていると考えています。
(ⅱ)大規模商業施設の希少性とイオングループのシェア
2007年に、まちづくり三法が改正され、郊外での大規模商業施設の開発規制が強化されたため、2008年以降、大規模商業施設の開発件数は大幅に減少しており、イオングループの大規模商業施設の希少性がより一層高まっています。
また、法改正以降も、イオングループの大型商業施設に関する開発実績・ノウハウが地方行政機関、住民に高く評価されており、規制強化により大規模商業施設の開発が難しいエリアにおいても、まちづくりという観点から、イオングループと地域社会が協働することで、多くの大規模商業施設を開発しています。
c.商業ディベロッパーとしてのイオングループの競争力(運営力)
大規模商業施設の競争力維持・向上のために、商圏を分析しながら最適なテナントミックスや業態開発を施すことが重要です。そして、最適なテナントミックスの構築には、競争力のある専門店の誘致を含むテナントのリーシング力が不可欠です。
イオングループは、郊外も含めたすべての大規模商業施設の開発・運営において、専門店テナントとのネットワークを通じて自らリーシングを行っています。
(ⅰ)イオングループのテナントリーシングの考え方
イオングループは、専門店の誘致に際し、①ナショナルチェーン店、②地元専門店/地域初出店、③イオングループテナントの3つをバランスよく配置することで、新鮮さと利便性を兼ね備えた店舗空間を創造することを目指しています。商業施設内を歩くこと自体に楽しみがあり、何度でも足を運びたくなるような魅力的で居心地のよい商業施設を追求し、顧客一人ひとりの顧客満足度を重視しながらリーシングを行っています。
(注)本書において、「ナショナルチェーン」とは、全国規模で複数の店舗を展開しているチェーンストアをいい、「チェーンストア」とは、同一資本のもとにブランド、経営方針、サービスの内容、外観などに統一性を持たせ、多数の店舗の運営や管理を行う経営形態をいいます。
(ⅱ)大規模商業施設の競争力を高める日本有数のテナントリーシング力
イオングループは、商業施設に入居するテナントを会員とする「イオン同友店会」というテナント組織を有しています。自らも小売事業を運営し、小売について高いノウハウを持つイオングループは、「イオン同友店会」の会員に対し、「店舗運営」「販売戦略」「売場作り」「人材育成」等の多面的な「テナントサポート(テナント営業支援)」を行っています。このような、「イオン同友店会」と充実した「テナントサポート」によって、多種多様なテナントと高い信頼関係を築き、強いリーシング力を実現しています。
<「イオン同友店会」に属するテナント例>

(ⅲ)機動的なリーシングを可能にするイオングループが運営する多様なテナント
イオングループは、スポーツオーソリティ、イオンシネマ、イオン銀行、イオン保険サービス、イオンリカー、イオンバイク、イオンペット、未来屋書店、モーリーファンタジー、イッカ、タカキュー、アスビー、マジックミシン等の名称で、店舗を運営する多様なテナント企業をグループ内に有しています。
このような、大規模商業施設への出店が可能なテナント企業がグループ内に多数存在することで、イオングループの商業施設では、機動的なリーシング及びより一体的なショッピングセンター運営が可能となります。その結果、商業施設全体として総合的な視点から競争力を高めていくことができます。
(ⅳ)大規模商業施設における活性化投資(改装・増床)による競争力の維持・向上
大規模商業施設の競争力を維持・向上していくためには、施設の経年劣化や、顧客ニーズ、商圏人口、競争環境等の変化によってもたらされる商業施設としての魅力の低下(陳腐化)にどのように対応するかが非常に重要です。イオングループは、中長期的な視点から継続的・機動的な活性化投資を行い、SCのコンセプトを再構築しつつ、新しい魅力あるテナントの誘致、既存テナントの入替等の対策を実施しています。イオングループは、大規模商業施設の競争力の維持・向上を実現する活性化投資について豊富な実績があり、日本有数のノウハウを有しています。
また、イオングループは、大規模商業施設の開発に際し、可能な限り、後々の環境変化に対応するための増床余地を確保しています。営業状況が好調で更なる規模拡大を狙う場合や、強力な競合店舗の出現により競争力の強化が求められる場合等には、柔軟に増床余地を活用することで、商業施設としての競争力の維持・向上と、更なる成長を可能としています。
④ 本投資法人の成長戦略
(ア)本投資法人とイオングループのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係に基づく成長戦略
イオングループは、大規模商業施設をはじめとする様々な類型の商業施設を開発から運営まで一貫して実施できる総合力を有しています。本投資法人は、このイオングループの総合力を最大限活用することで、大規模商業施設を中心とした安定性の高いポートフォリオを構築するとともにポートフォリオの中長期的な成長を目指します。新規上場以来、本投資法人は、国内大規模商業施設を中心に取得を進めてきましたが、国内大規模商業施設以外の資産についても、今後積極的に取得を進めていきたいと考えています。
また、2014年9月の投信法施行規則改正により、海外の不動産に投資するに際して多様なスキーム選択が可能となったことを受け、海外不動産保有法人の発行済株式又は出資の総数又は過半数を取得する場合があることを明確にするため、2015年10月14日開催の本投資法人投資主総会において規約変更を実施しました。第8期中の2016年9月に、J-REITではじめて海外不動産保有法人を通じた海外不動産への投資を実施しましたが、このような国内大規模商業施設以外の資産(すなわち、物流施設や海外不動産(海外不動産保有法人を通じて保有する海外不動産を含みます。以下同じです。))についても、イオングループの戦略上重要なアセットであること等を踏まえ、今後も物件を厳選しながら取得を検討・実施していきます。
本投資法人は、「スポンサーサポート契約」、「パイプラインサポート契約」及び「マレーシア不動産投資に関する覚書」に基づくイオングループが開発した商業施設等の取得を通じて、資産規模の拡大、運用の安定性向上及び資金調達力の向上を達成できると考えています。そして、資金調達力の向上によって、さらなる物件取得による資産規模の拡大へと繋げることができます。他方で、イオングループは、本投資法人に商業施設等を売却することによって得た資金を成長投資の実行(新規店舗の開発や既存店舗の改装等)に充てることが可能となります。このような成長投資の実行は、イオングループの収益の増加、企業価値の向上に寄与することとなると考えられ、本投資法人のさらなる成長を支える存在となり得ます。
本投資法人は、上記のような本投資法人とイオングループがそれぞれ好循環に至る良好な関係、すなわち、ウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係を構築し、投資主価値の最大化を目指します。

(イ)外部成長戦略
a.イオングループによるサポート
本投資法人は、イオングループの総合力を、前記「(ア)本投資法人とイオングループのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係に基づく成長戦略」記載の成長戦略に沿って最大限活用することにより、本投資法人の投資主価値の最大化を目指します。
このようなイオングループによるサポートを実現するため、本投資法人及び本資産運用会社は、イオン(株)、イオンリテール(株)及びイオンモール(株)との間で、スポンサーサポート契約又はパイプラインサポート契約及びSCマネジメント契約を締結し、イオンマレーシア社及びイオンビッグマレーシア社との間で、マレーシア不動産投資に関する覚書を締結しています。また、このほか、本投資法人及び本資産運用会社は、イオン北海道株式会社、イオン九州株式会社、イオン琉球株式会社、イオンタウン株式会社及び株式会社ダイエー(以下、それぞれ、イオン北海道(株)、イオン九州(株)、イオン琉球(株)、イオンタウン(株)及び(株)ダイエーということがあります。)との間で、パイプラインサポート契約及びSCマネジメント契約を、イオングローバルSCM株式会社(以下イオングローバルSCM(株)ということがあります。)との間で、パイプラインサポート契約及び物流施設マネジメント契約を締結しています。これに加えて、本投資法人及び本資産運用会社は、イオン(株)との間で、それぞれ商標使用許諾契約を締結し、本投資法人及び本資産運用会社がそれらの事業を推進するに当たり、イオン(株)の保有する商標を無償で使用することの許諾を受けています。それらイオングループ各社(上記各社を「イオングループ各社」又は「イオングループ企業」ということがあります。)との間で締結した契約の詳細については、後記「(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容」をご参照ください。
b.独自の外部成長戦略
本資産運用会社は、その役職員がこれまでイオングループにおいて、商業施設の開発・運営や取得に関与することで構築した独自の不動産ノウハウとネットワークを活用し、今後とも物件情報の収集を行い、商業施設をはじめとする優良資産を外部から取得する機会の確保を目指します。また、イオングループ以外の運営者による物件についても、本資産運用会社は主体的に取得を検討し、さらに、実際の取得の際には、イオングループによる運営に切り替えて物件競争力と資産の価値の向上を図ることも併せて検討します。
c.国内資産及び海外資産の取得を行い、更なる安定成長へ
本投資法人は、2020年1月31日現在、日本国内に所在の39物件及びマレーシアに所在の2物件を取得しています。また、マレーシア所在の2物件のうち1物件は、J-REITではじめて海外不動産保有法人を活用した取得です。本投資法人によるこれら資産の取得は、上記「a.イオングループによるサポート」のイオングループによるサポートと、上記「b.独自の外部成長戦略」の独自の不動産ノウハウとネットワークの活用によるものです。
本資産運用会社の独自の物件取得ネットワークのより一層の拡大と、新たな物件取得機会の創出を通じて、本投資法人は、ポートフォリオの中長期的な安定成長を目指します。
(ウ)内部成長戦略
a.中長期的に安定したキャッシュ・フローの創出 ~ イオングループへのリース方針
本投資法人は、イオングループが運営する商業施設等の取得にあたり、イオングループ各社を借主(マスターレッシー)として建物全体を一括賃貸するマスターリース契約を締結することを基本方針とします。かかるマスターリース契約の締結により、キャッシュ・フローの中長期的な安定化、テナント退去リスクや賃料下落リスクの極小化を図ります。かかるマスターリース契約は以下の基本条件を原則とし、これらに準ずる範囲内で締結するものとします。
<リースストラクチャーのイメージ>

| 項目 | 契約内容(基本条件) | |
| (ⅰ) | 契約形態 | 普通建物賃貸借契約を基本とします(注1)。 |
| (ⅱ) | 借主 | イオングループ各社 |
| (ⅲ) | 賃貸借期間 | 20年を基本期間(注2)とします。 |
| (ⅳ) | 解約の条件 | 原則、賃貸借期間中は解約できないものとします。但し、賃貸借期間とは別に、個別物件毎に解約不能期間を定め、当該期間の最終日の翌日(以下「解約可能日」といいます。)においてのみ、賃料の6ヶ月相当額を解約金として賃貸人に支払うことにより契約を終了させることができます。その場合、賃借人は、賃貸人に対し、解約可能日の1年前までに書面により中途解約の意思表示を行うこととされます。 |
| (ⅴ) | 賃料 (注3) | 固定賃料を基本とします。さらに、追加の変動賃料として、固定資産税及び都市計画税相当額が支払われるものとし、かかる変動賃料の額は、固定資産税及び都市計画税の変動に応じて毎年見直しが行われます。 |
| (ⅵ) | 賃料の改定 | 固定賃料は、最初の解約不能期間中には改定しないこととします。但し、大規模な活性化投資及び増床により賃貸人に新たな投資が発生した場合には、賃貸人・賃借人協議の上、改定できることとします。 最初の解約不能期間経過後においては、公租公課又は経済情勢の変動、その他やむを得ない事情が発生した場合に、賃貸人及び賃借人が誠意をもって改定について協議するものとします。 |
| (ⅶ) | 敷金 | 固定賃料及び当初変動賃料の合計の6ヶ月相当分を基本とします。 |
| (ⅷ) | その他 | ・賃借人は賃借人の責任において第三者へ転貸することができます。 ・賃借人は善管注意義務をもって維持管理を行うものとします。 ・賃貸人が所有建物を第三者へ譲渡する場合又は所有建物を信託財産とする信託の信託受益権の譲渡について賃貸人が信託受託者として承諾する場合、事前に賃借人に対して譲渡価格等の条件を通知し、賃借人は通知に記載の価格以上の価格で第三者に優先して買取の交渉を行うことができます。 |
(注1)駐車場部分及び第三者所有建物の敷地部分等についての普通土地賃貸借契約を含みます。
(注2)マレーシアに所在する物件については賃貸借期間10年を基本としています。マスターレッシー以外の第三者(例:ガソリンスタンド等)の所有建物の敷地部分については、20年より長い期間としている場合があります。
(注3)賃料は、市場賃料の水準及び当該物件の競争力の持続可能性の観点から公正・妥当であることを前提とし、実際の店舗の売上高及び営業利益、今後の売上高及び営業利益予想額をはじめ、今後の改装・増床計画並びに修繕計画等についても総合的に勘案しながら賃借人との協議の上で決定します。なお、賃料水準の妥当性については、第三者専門機関によるマーケットレポート及び鑑定評価書において検証します。
b.オペレーターとしてのイオングループの積極的な関与
本投資法人が投資対象とする商業施設は、商業施設の運営が資産価値に及ぼす影響が大きい性質の資産であると考えております。そのため、豊富な実績及びノウハウを有するイオングループとSCマネジメント契約を締結することにより、本投資法人が所有する商業施設の保有・管理において、イオングループの情報・ノウハウ等を積極的に活用することが可能な体制を構築致します。
c.施設価値を最大化するメインテナンス戦略
本投資法人は、中長期的な施設価値の維持・向上に向けて、積極的に施設のメインテナンスを行います。
中長期的な施設価値の維持・向上については、本投資法人の視点のみならず、マスターレッシー(注)のキャッシュ・フローの最大化が重要であると考えており、テナントの売上及び収益の最大化を実現できるよう、マスターレッシーと緊密にコミュニケーションを図りながら、資本的支出及び修繕計画を立てます。
本投資法人は、当該メインテナンス戦略においても、前記のSCマネジメント契約を活用することにより、商業施設を適切に運営することができると考えています。
(注)本投資法人の資産となる商業施設等のマスターリース契約におけるマスターレッシーを以下「マスターレッシー」又は単に「テナント」といいます。これに対し、マスターレッシーから商業施設の一部の店舗を転借するテナントを以下「エンドテナント」といいます。
d.運用資産の安定収益確保のためのイオングループに対するエンドテナント出店の検討要請
本投資法人の運用資産の安定収益確保のため、本投資法人が保有し又は取得を検討する商業施設等について、本資産運用会社がイオンモール(株)、イオンリテール(株)、イオン北海道(株)、イオン九州(株)、イオン琉球(株)、イオンタウン(株)又は(株)ダイエーに賃借人(マスターレッシー又はエンドテナント)としての出店の検討又はリーシングのサポートの提供を依頼した場合、これらの法人は、当該物件への賃借人としての出店又はリーシングのサポートの提供につき真摯に検討を行うこと、また、それらの一定のグループ会社に対しても検討させる旨、パイプラインサポート契約において合意しています。その詳細は、後記「(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容」をご参照ください。
(エ)戦略的なキャッシュ・マネジメント
本投資法人がポートフォリオの中心とする大規模商業施設は、郊外立地が多いゆえに不動産価格に占める建物価格の割合が高く、加えて、オフィスビルや住居に比べ会計上の償却年数が短いことから、減価償却費の不動産価格に対する割合が大きくなる傾向があります。本投資法人は、減価償却費相当額の内部留保金を含む手元資金をその時々の状況に応じて最適に配分していきます。そして、このような配分の実施により、資金効率を高め、キャッシュ・フローの安定化を図ります。具体的には、以下のような配分が考えられます。これら直接的、間接的な施策を通じて、中長期的な投資主価値の向上を図ります。
(ⅰ)新規物件取得資金への充当
(ⅱ)活性化投資による物件の収益力・競争力向上
前記「(ウ)内部成長戦略」のとおり、賃料は原則固定となっていますが、活性化投資により店舗価値の増加が見込まれる場合、賃料増額改定の協議を行います。
(ⅲ)有利子負債返済による負債コストの削減
(ⅳ)利益超過分配の実施
(ⅴ)自己投資口の取得等を通じた資本の効率化

(オ)イオングループの総合力を活用するためのスポンサーサポート ~ 各種サポート契約の内容
本投資法人及び本資産運用会社は、以下の各種サポート契約等をイオングループ各社との間で締結することにより、本投資法人に対するイオングループの総力を挙げたサポート体制を構築しています。これらサポート契約等を通じ、商業施設の開発・運営においてイオングループが培ってきたノウハウ・総合力を最大限活用し、中長期的なポートフォリオ成長を目指していきます。これらサポート契約の詳細は、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/⑤ サポート契約」をご参照ください。
<スポンサーグループのサポート体制>

<サポート契約等の一覧>
| 契約名称 | 契約当事者 | 概要 | |
| a.スポンサーサポート契約 (注1) | イオン(株) | 本投資法人 本資産運用会社 | イオングループの持株会社であるイオン(株)より、本投資法人のスポンサー会社として、イオングループ全体を代表して本投資法人がその安定成長のために必要と考える将来の物件取得に関する各種サポート、本資産運用会社の体制面での支援等につき定めるとともに、本投資法人へのセイムボート出資を定めます。 |
| b.パイプラインサポート契約 (注1) | イオンモール(株) イオンリテール(株) イオン北海道(株) イオン九州(株) イオン琉球(株) イオンタウン(株) イオングローバルSCM(株) (株)ダイエー | 本投資法人 本資産運用会社 | イオングループのうち国内の商業施設等の運営を担う左記のパイプラインサポート会社8社より、本投資法人がその安定成長のために必要と考える将来の物件取得に関する各種サポート、本資産運用会社の体制面での支援等につき定めます。 |
| c.SCマネジメント契約 (注1) | イオンモール(株) イオンリテール(株) イオン北海道(株) イオン九州(株) イオン琉球(株) イオンタウン(株) (株)ダイエー | 本投資法人 本資産運用会社 | イオングループのうち国内の商業施設等の運営を担う左記のSCマネジメント提供会社7社より、国内の組入れ資産に関する運営管理助言等の各種ノウハウの提供を定めます。 |
| d.物流施設マネジメント契約 (注1) | イオングローバルSCM(株) | 本投資法人 本資産運用会社 | イオングループのうち国内の物流施設の運営を担う左記の物流施設マネジメント提供会社より、国内の組入れ資産に関する運営管理助言等の各種ノウハウの提供を定めます。 |
| e.マレーシア不動産投資に関する覚書(注2) | イオンマレーシア社 (AEON CO.(M)BHD.) イオンビッグマレーシア社 (AEON BIG(M)SDN. BHD.) | 本投資法人 本資産運用会社 | 海外サポート会社であるイオンマレーシア社及びイオンビッグマレーシア社から提供を受けるマレーシア所在の不動産投資に関する各種サポートに関する合意を定めます。 |
| f.商標使用許諾契約(注3) | イオン(株) | 本投資法人 | イオン(株)の保有する商標の使用を本投資法人に許容するものです。 |
(注1)イオン(株)、イオンモール(株)及びイオンリテール(株)との間で締結している各サポート契約等の有効期間は2013年10月17日から3年間とされています。期間満了日の3ヶ月前までに書面による別段の通知がない限り、さらに3年間同一の条件にて自動更新され、以後も同様です。また、イオン北海道(株)、イオン九州(株)、イオン琉球(株)及びイオンタウン(株)との間で締結している各サポート契約等の有効期間は2014年6月19日から3年間、イオングローバルSCM(株)との間で締結しているサポート契約等の有効期間は2015年12月1日より3年間、(株)ダイエーとの間で締結しているサポート契約等の有効期間は2016年7月28日より3年間とされています。期間満了日の3ヶ月前までに書面による別段の通知がない限り、さらに3年間同一の条件にて自動更新され、以後も同様です。
(注2)かかる覚書には有効期間の定めはなく、また同覚書は法的拘束力を持たないものとされています。
(注3)有効期間は2013年8月7日から2014年7月31日までとされていますが、更新されています。期間満了日の1ヶ月前までに書面による別段の通知がない限り、さらに1年間同一の条件にて自動更新され、以後も同様です。
以下は、上表記載の各種のサポート契約の概要です。なお、以下は概要のみの記載であり、それらの詳細については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(5)利害関係人等との取引状況等/⑤ サポート契約」をご参照ください。
a.スポンサーサポート契約
(ⅰ)保有物件の情報提供
イオン(株)は、一定の例外を除き、イオン(株)自ら(注)又はイオングループが保有、開発、賃借する不動産等につき、可能な限り最大限の情報提供を行います。
(注)本書の日付現在、イオン(株)は純粋持株会社であり、本投資法人の投資対象となりうるイオン(株)自らが保有、開発、賃借する不動産等はありません。
(ⅱ)イオングループ運営の商業施設等に係る優先交渉権の付与
(a)ファーストルック優先交渉権
イオン(株)は、一定の例外を除き、イオン(株)自ら又はイオングループが不動産等の売却を予定する場合、当該不動産等に関する情報を第三者に先立ち本資産運用会社及び本投資法人に提供し、当該不動産等に関する優先交渉権を本資産運用会社に付与します。
(b)ラストルック優先交渉権
上記(a)の後、当該不動産等を取得しなかった場合でも、第三者が提示する条件が本投資法人と同等以下である場合には、本投資法人は、同等以上の条件を提示することにより、当該第三者に優先して当該不動産等を購入することができます。
(ⅲ)第三者保有物件の売却情報の提供
イオン(株)は、第三者から不動産等の売却情報を取得し、イオングループが当該不動産等を取得しない場合、関係者の承諾を条件として、裁量により、本投資法人及び本資産運用会社に対し当該売却情報を提供します。
(ⅳ)本投資法人の保有資産に係るテナント出店等の検討
本投資法人が保有又は取得を検討する不動産等につき、本資産運用会社が申し入れを行った場合、イオン(株)は、自己又はイオングループによる当該物件への賃借人としての出店又はリーシングのサポートの提供につき検討します。
(ⅴ)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、本投資法人が不動産等を直ちに取得できない場合に、本投資法人への将来の譲渡を前提として、イオン(株)による一時的な保有を依頼することができます。
(ⅵ)スポンサーによる投資戦略・物件取得に関するアドバイザリー
イオン(株)は、本資産運用会社の要請があれば、一定の条件のもと、別途合意を条件に、以下の業務受託を行うこととします。
(a)リサーチ関連業務(小売業界に関する調査、不動産市場動向の調査、個別不動産の立地、商圏、競争環境に関する調査)
(b)投資戦略に関する助言
(c)投資不動産に関する助言業務
(d)個別不動産に関する各種分析及びデュー・ディリジェンス補助等
(ⅶ)本投資法人との物件共有又は準共有
イオン(株)又はイオングループが本投資法人に不動産等を譲渡する場合、本資産運用会社が要請したときは、イオン(株)は、本投資法人との物件共有を検討し又は検討させるものとします。
(ⅷ)本投資法人へのセイムボート出資
イオン(株)は、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと及び本投資法人の投資口を保有する場合には、保有した投資口について保有を継続し一定の比率(19.9%)を保つことに努めます。
(ⅸ)人材の確保に関する協力
イオン(株)及び本資産運用会社は、要請があれば、人材の確保に合理的な範囲で協力します。
b.パイプラインサポート契約
(ⅰ)保有物件の情報提供
パイプラインサポート会社は、自ら又はその一定のグループ会社が保有、開発、賃借する不動産等につき、可能な限り最大限の情報提供を行います。但し、一部の例外を除きます。
(ⅱ)パイプラインサポート会社運営の商業施設等に係る優先交渉権の付与
(a)ファーストルック優先交渉権
パイプラインサポート会社は、自ら又はその一定のグループ会社が不動産等の売却を予定する場合、当該不動産等に関する情報を第三者に先立ち本資産運用会社及び本投資法人に提供し、当該不動産等に関する優先交渉権を本資産運用会社に付与します。但し、一部の例外を除きます。
(b)ラストルック優先交渉権
上記(a)の後、当該不動産等を取得しなかった場合でも、第三者が提示する条件が本投資法人と同等以下である場合には、本投資法人は、同等以上の条件を提示することにより、当該第三者に優先して当該不動産等を売却希望会社より購入することができます。
(ⅲ)第三者保有物件の売却情報の提供
パイプラインサポート会社は、第三者から不動産等の売却情報を取得し、パイプラインサポート会社でそれを取得しない場合、関係者の承諾を条件として、裁量により、本投資法人及び本資産運用会社に対し情報を提供します。
(ⅳ)本投資法人の保有資産におけるテナント出店等の検討
本投資法人が保有又は取得を検討する不動産等につき、本資産運用会社が申し入れを行った場合、パイプラインサポート会社は、当該物件への賃借人としての出店又はリーシングのサポートの提供につき検討します。
(ⅴ)ウェアハウジング機能の提供
本資産運用会社は、本投資法人が不動産等を直ちに取得できない場合に、本投資法人への将来の譲渡を前提として、パイプラインサポート会社による一時的な保有を依頼することができます。
(ⅵ)パイプラインサポート会社による投資戦略・物件取得に関するアドバイザリー
パイプラインサポート会社は、本資産運用会社の要請があれば、一定の条件のもと、別途合意を条件に、以下の業務受託を行うこととします。
(a)リサーチ関連業務(小売業界に関する調査、不動産市場動向の調査、個別不動産の立地、商圏、競争環境に関する調査)
(b)投資戦略に関する助言
(c)投資不動産に関する助言業務
(d)個別不動産に関する各種分析及びデュー・ディリジェンス補助等
(ⅶ)本投資法人との物件共有又は準共有
パイプラインサポート会社又はその一定のグループ会社が本投資法人に不動産等を譲渡する場合、本資産運用会社が要請したときは、パイプラインサポート会社は、本投資法人との物件共有を検討し又は検討させるものとします。
(ⅷ)人材の確保に関する協力
パイプラインサポート会社及び本資産運用会社は、要請があれば、人材の確保に合理的な範囲で協力します。
c.SCマネジメント契約
国内に所在する資産に関するノウハウを用いた以下の業務(以下併せて「SCマネジメント」といいます。)の提供を受けることを定めます。
(ⅰ)個別の不動産等に係るリサーチ関連業務
(a)個別の商業施設等に係る商圏や競合店動向等商業施設を取り巻く環境の把握・分析、テナント動向の把握
(b)全国に展開するイオングループの参考となる事例やノウハウの水平展開事例の紹介
(ⅱ)個別の不動産等の運用に関する助言・マネジメント等補助業務(国内)
(a)個別の商業施設等に係る運営管理全般の助言
(b)直接管理し把握している個別の商業施設に係る売上げ実績等のデータの提供
(ⅲ)その他個別の不動産の中長期における活性化・再開発検討業務
(a)商圏、競合の分析を通じた最適業態、最適商業施設の企画・検討
(b)資金計画、設計・建設計画等のオーナー向けフィージビリティスタディ
(c)本投資法人と賃借人の資産区分等の検討
(d)計画実施のための各種補助業務及びマネジメント業務
d.物流施設マネジメント契約
国内に所在する資産に関するノウハウを用いた以下の業務の提供を受けることを定めます。
(ⅰ)個別の不動産等に係るリサーチ関連業務
(a)個別の物流施設等を取り巻く環境の把握・分析、テナント動向の把握
(b)全国に展開するイオングループの参考となる事例やノウハウの水平展開事例の紹介
(ⅱ)個別の不動産等の運用に関する助言・マネジメント等補助業務(国内)
(a)個別の物流施設等に係る運営管理全般の助言
(b)直接管理し把握している個別の物流施設に係る出荷量等のデータの提供
(ⅲ)その他個別の不動産の中長期における活性化・再開発検討業務
(a)中長期における最適物流施設の企画・検討
(b)資金計画、設計・建設計画等のオーナー向けフィージビリティスタディ
(c)本投資法人と賃借人の資産区分等の検討
(d)計画実施のための各種補助業務及びマネジメント業務
e.マレーシア不動産投資に関する覚書
本投資法人及び本資産運用会社は、イオンマレーシア社又はイオンビッグマレーシア社から提供を受けるマレーシアに所在する不動産投資に関する各種サポートに関して下記内容によるマレーシア不動産投資に関する覚書をイオンマレーシア社及びイオンビッグマレーシア社(以下「海外サポート会社」ということがあります。)との間で締結しています。なお、以下はマレーシア所在の不動産等(商業施設等)に限られます。
(ⅰ)不動産等の売却又は購入の情報提供
海外サポート会社は、不動産等の売却を予定する場合、当該情報を第三者と同時に本投資法人に提供します。また、海外サポート会社は、不動産等の取得を予定し又は第三者からの売却情報を受けた場合に、海外サポート会社が当該不動産等を取得しない方向で検討している場合は、その裁量により、本投資法人に対し(イオンビッグマレーシア社からは、本資産運用会社に対しても)、当該情報を提供します。
(ⅱ)保有物件の情報提供
海外サポート会社保有不動産等の取得の交渉を希望した場合、海外サポート会社は、裁量により、同意する範囲にて当該情報を提供します。
(ⅲ)テナント出店等の検討
本投資法人が保有し又は取得を検討する不動産等について、本資産運用会社が海外サポート会社に賃借人としての出店の検討又はリーシングのサポートの提供の検討の申し入れを行った場合、海外サポート会社は真摯に検討します。
(ⅳ)ウェアハウジング機能の提供
海外サポート会社がマスターレッシーとなる旨の希望を有する場合において、本投資法人が当該不動産等の意向を強く示しつつも直ちに取得できないときは、海外サポート会社は、本投資法人が合理的な期間内に取得するとの合意のもと、海外サポート会社が当該不動産等を確保することに最大限努力します。
(ⅴ)スポンサーからの投資戦略・物件取得に関するアドバイザリー
海外サポート会社は、投資戦略及び物件取得に関する協力及び助力をするよう最大限努力します。
(ⅵ)本投資法人との物件共有又は準共有
海外サポート会社が不動産等の共有を検討する場合において、要請があれば、本投資法人との不動産等の共有又は準共有について真摯に検討します。
(ⅶ)人材の確保に関する協力
海外サポート会社は、要請があれば、人材確保のための最大限努力を行います。
f.商標使用許諾契約
スポンサーサポート契約、パイプラインサポート契約、SCマネジメント契約、物流施設マネジメント契約及びマレーシア不動産投資に関する覚書のほか、本投資法人は、イオン(株)との間で、商標使用許諾契約を締結し、本投資法人が事業の推進をするに当たり、イオン(株)の保有する商標を使用することの許諾を受けています。
⑤ 適切なガバナンス体制の構築 ~ 投資主とスポンサーとの利益共有・利益相反防止策
本投資法人は、イオングループの総合力を活用することにより投資主価値を最大化することを目指し、本投資法人の投資主価値の最大化がイオングループにとっても利益となる、投資主とイオングループとのウィン-ウィン(WIN-WIN)の関係を構築します。また、このような投資主価値の最大化を実現するにあたっては、適切なガバナンス体制の構築が重要であると考えております。これらの観点から、本投資法人及び本資産運用会社は、以下の各種の施策を講じています。
(ア)本資産運用会社における利害関係者取引に関する透明性のある意思決定プロセス

イオングループからの資産の取得等の利害関係者取引に関する本資産運用会社の意思決定については、イオングループと利害関係のない第三者の意見が反映される仕組みが構築されています。具体的には、投資委員会及びコンプライアンス委員会の双方に、イオングループと利害関係のない第三者である外部専門家が委員として選任され、利害関係者との取引の機関決定においては、当該外部専門家の出席及び賛成を必須とする意思決定プロセスとなっています。利害関係者との取引制限については、後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限」をご参照ください。
(イ)イオン(株)による投資口保有
イオン(株)は、本投資法人の投資主の利益と自社の利益を共通のものとする目的から、スポンサーサポート契約において、本投資法人が新たに投資口を発行する場合には、当該新投資口の一部を取得することについて真摯に検討を行うこと、及び同社の保有する投資口についてその保有を継続し一定の比率(19.9%)を保つことに努めること等を、本資産運用会社に対し表明しています。
(ウ)イオングループとの物件の共同保有
本投資法人は、ポートフォリオの分散状況及び物件の個別要因の状況を勘案し、スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約に基づくイオングループ各社との戦略的な物件共有(準共有を含む。)を行うことがあります。この物件の共同保有により、本投資法人はイオングループとの利害関係を一致させた運営を図ることができると考えております。
(エ)投資口1口当たり分配金に連動する運用報酬体系の導入
本投資法人は、本資産運用会社の運用報酬のうち一部が投資口1口当たり分配金の額に連動する運用報酬体系を導入することにより、本投資法人と本資産運用会社のスポンサーの利益の方向を一致させるとともに本投資法人の投資主価値の最大化を目指します。運用報酬体系の詳細は、後記「4 手数料等及び税金/(3)管理報酬等/③ 本資産運用会社への支払報酬」をご参照ください。
⑥ ポートフォリオ構築方針
本投資法人は、以下の方針に基づき、ポートフォリオを構築します。
(ア)投資エリア
本投資法人は、規約の規定及び本資産運用会社の運用ガイドラインに基づき、日本国内での投資を中心としつつ、海外への投資も行います(注1)。
a. 国内投資
本投資法人は、イオングループが日本国内で運営する商業施設等を中心に投資を行います。
これは、イオングループが既に構築している各種の商業施設等の強固な収益基盤と安定的な成長性に着目するためです。イオングループは、前記「③ イオングループの競争力」に記載のとおり、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という企業理念のもと、小売業を発展させてきました。また、イオングループは、「立地創造力」と「まちづくり」の考え方のもと、小売業は地域に根ざし、地域とともに成長していく地域産業と捉えています。
以上の基本的理念のもと、本投資法人は、資産の取得にあたり、日本国内においては、原則として、イオングループが運営する商業施設等において、確立した商圏を持つ地域密着型商業施設の中から、本投資法人の投資主価値の最大化に寄与する商業施設に対し、厳選して投資を行う方針です。また、本投資法人は、国内においては、日本全国を投資対象エリアとし、一地域への偏在を回避し、地理的に分散されたポートフォリオを目指します。
b. 海外投資
本投資法人は、上記「a. 国内投資」記載のとおり、国内での投資を中心としつつ、中長期的に経済発展が見込める国・地域にイオングループが展開している商業施設等についても安定したキャッシュ・フローの創出が見込めると考えており、海外のイオングループの商業施設についても厳選して投資を検討します。
海外においては、中長期的に経済発展が見込める国・地域に展開している商業施設への厳選した投資を行うとの観点から、マレーシア等のアセアン地域(注2)や、中国及び人口が増加傾向にある等中長期的に経済発展が見込める国・地域を投資対象エリアとします。投資にあたっては、当該国・地域における商業施設に対し、人口動態・経済成長等を踏まえ、投資対象施設の存在する国の法制度・税制・政治制度・文化的親和性等の各種の観点からの複合的な検証を行うほか、いわゆるカントリー・リスクを踏まえつつ、慎重に判断します。
(注1)本投資法人規約において、本投資法人は、日本国内及び海外での投資を行うこと、また、海外での投資に際しては、マレーシアを含むアセアン地域及び中国を中心に、その他人口が増加傾向にある等中長期的に経済発展が見込める国・地域を中心的な投資対象エリアとする旨定めています(規約第28条第3項)。
(注2)前記「1 投資法人の概況/(2)投資法人の目的及び基本的性格/① 投資法人の目的及び基本的性格」記載のとおり、アセアン地域とは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアをいいます。
(イ)投資対象と投資比率
本投資法人は、以下の類型の商業施設等に投資を行います。国内と海外の投資比率は、国内不動産を85%以上、海外不動産を15%以下として、運用を行います。また、その資産の80%以上は、大規模商業施設に対する投資を行うこととします。但し、この比率は、資産規模の拡大に応じ、今後見直されることがあります。
| 類型 | 投資比率(注) | |||
| 国内不動産 | 海外不動産 | |||
| 85%以上 | 15%以下 | |||
| 商業施設等 | 大規模 商業施設 | SRSC(スーパーリージョナル型ショッピングセンター) | 80%以上 | |
| RSC(リージョナル型ショッピングセンター) | ||||
| CSC(コミュニティ型ショッピングセンター) | ||||
| その他の 商業施設 | NSC(ネイバーフッド型ショッピングセンター) | 20%以下 | ||
| SM(スーパーマーケット) | ||||
| 物流施設 | 10%以下 | |||
(注)投資比率は取得価額ベースにて算出します。不動産関連資産の取得又は売却の結果、短期的には上記比率と異なる比率となる可能性があります。以下同じとします。
a.国内商業施設等
(ⅰ)投資対象
本投資法人は、前記「② 本投資法人の基本方針」に記載のとおり、日本国内においては、イオングループが運営する商業施設等を主たる投資対象とします。本投資法人は、商業施設はその性質上、大規模に集積するほど集客力が高く、かつ、売場面積の広さゆえに区画運営に柔軟性を保つことができると考えています。そのため、イオングループが運営する商業施設等の中でも、特に希少性が高く、かつ各地域における競争力を有すると考える大規模商業施設を中心に投資を行います。
また、イオングループは、他の小売業に先駆け、商業施設の運営を支える、独自の物流施設による先進的なサプライチェーンを構築しています。本投資法人は、これら小売業と密接な関係にある物流施設も投資対象の一部とします。
(ⅱ)投資比率
本投資法人は、上記商業施設のうちSRSC、RSC及びCSC(注)を大規模商業施設と定義し、本投資法人のポートフォリオの大規模商業施設への投資比率が80%以上(取得価額ベース)となるように運用します。また、物流施設への投資比率は10%以下(取得価額ベース)となるように運用します。
(注)SRSC(スーパーリージョナル型ショッピングセンター)、RSC(リージョナル型ショッピングセンター)、CSC(コミュニティ型ショッピングセンター)の定義と特徴については、前記「② 本投資法人の基本方針/(ア)イオングループの大規模商業施設を中心とした安定性の高いポートフォリオ」をご参照ください。
b.海外商業施設等~J-REIT初となる海外不動産への投資
(ⅰ)投資対象
本投資法人は、海外地域への投資のリスクを極小化するため、原則として、マスターリース契約によりイオングループへ一括賃貸をし、イオングループにて管理・運営することが確保され又は確保できるとの確証が得られる商業施設等を投資対象とします。
また、本投資法人は海外不動産特有のリスクとして①カントリー・リスク、②オペレーショナル・リスク、③為替リスクが存在すると考えておりますが、日本と海外の法制度、会計制度及び税制の親和性を考慮しながら、政治・経済動向等を勘案し、慎重に投資を行う方針です。
(ⅱ)投資比率
本投資法人は、海外商業施設等への投資比率を上限15%(取得価額ベース)となるよう運用します。
⑦ 投資基準
本投資法人は、資産(日本国内及び海外の資産)を取得するに際し、以下の投資基準により投資を行います。
(ア)立地
日本においては、日本全国を投資対象エリアとし、一地域への偏在を回避し、地理的に分散されたポートフォリオを目指します。
海外においては、アセアン地域(注)、中国及び人口が増加傾向にある等、中長期的に経済発展が見込める国・地域とします。
(注)アセアン地域とは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアをいいます。
(イ)投資金額
1物件当たりの投資金額は、原則、5億円以上(取得価額をいい、消費税等の諸費用は含みません。)とします。海外資産は取得時における邦貨換算額5億円以上を原則とします。
(ウ)取得価額
投資に際しては、鑑定評価額を参考に、本資産運用会社の評価額を基本として総合的に判断します。
利害関係者との取引においては、鑑定評価額(税金、仲介手数料、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額、その他の取得費用等は含みません。)を超えた価格での取得は行いません。なお、本投資法人等(本投資法人、信託受託者(本(ウ)においては、本投資法人が保有する信託受益権に係る信託の受託者をいいます。)及び海外不動産保有法人をいいます。以下本(ウ)において同じです。)が既に保有する不動産(以下本(ウ)において「保有不動産」といいます。)の隣接地を追加取得する場合や保有不動産上に建物を追加取得する場合など、本投資法人等が取得しようとする不動産(以下本(ウ)において「取得予定不動産」といいます。)と保有不動産を合わせて一体の不動産として運用すると認められる場合は、当該一体運用を前提として取得予定不動産及び保有不動産を一体として鑑定若しくは調査された鑑定評価額若しくは調査価額から、保有不動産のみに係る鑑定評価額若しくは調査価額を控除した額(税金、仲介手数料、取得費用、信託設定に要する費用、信託勘定内の積立金、信託収益、固定資産税等の期間按分精算額、その他の取得費用等を含みません。)を超える価格にて取得してはならないものとします。
また、海外資産についても同様とします。
(エ)耐震性
原則として、新耐震基準(1981年改正の建築基準法(昭和25年法律第201号、その後の改正を含みます。以下「建築基準法」といいます。)に基づく耐震基準)に基づく施工又は補強工事等により新耐震基準と同等以上の耐震性能を有すると判断される物件を取得します。なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
(オ)地震PML
原則、国内ポートフォリオPML(Probable Maximum Loss: 予想最大損失率)(以下「PML」といいます。)値(注)は10%を超えないものとします。なお、海外資産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域でのPML値の取得の可否、地震保険の存否、現地実務等を勘案し総合的な判断を行います。
(注)PML値とは、本書においては、想定した予定使用期間中(50年=一般的建物の耐用年数)に想定される最大規模の地震(50年間で10%を超える確率で発生すると予想される大地震=再現期間475年相当(年超過確率0.211%)の大地震)によりどの程度の被害を受けるかを、非超過確率に相当する予想損失額の再調達価格に対する割合(%)で示したものです。但し、予想損失額は、地震動による建物(構造体、仕上げ、建築設備)のみの直接損失に関するものだけであり、機器、家具、什器等の被害や地震後の水又は火災による損失、被災者に対する補償、営業中断による営業損失等の二次的被害は含まれていません。以下同じです。なお、海外においてPMLに準じた規制又は基準がない場合には、これに代わる基準を定めて投資決定をします。
(カ)付保方針
火災・事故等に起因する建物への損害や、第三者からの損害賠償請求等のリスクに対処するため、必要な火災保険及び損害賠償保険等を運用資産に付保します。
地震保険の付保は、個別PML値が15%を超える場合において、地震の発生時に予想される個別物件及びポートフォリオ全体に対する影響並びに保険の実効性を勘案して総合的に判断します。
しかしながら、上記基準を超えない場合でも、保険料、免責額等、費用対効果を総合的に吟味し、地震保険の付保を行うことがあります。
(キ)環境・地質
建物内におけるアスベスト等の有害物質の取扱・保管状況及び敷地内の土壌の状況・状態が大気汚染防止法や土壌汚染対策法等関連法令に適合している若しくはこれらへの対応策が十分に講じられていることを原則とします。但し、取得後速やかに是正が見込まれる場合には、取得することがあります。また、海外資産においては、当該国・地域における環境・地質等の法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
(ク)テナント
社会的信用力等を確認した上で、賃料水準、賃貸借契約期間、業種、競争力等についても評価・分析し、経済的信用力を有するテナントであることを原則とします。なお、海外資産についても同様とします。
(ケ)権利関係
所有権、賃借権、地上権等権利の態様を確認した上で、共有、区分所有、借地の場合は、物件の特性を総合的に勘案し、権利関係者の信用力・属性等に特段問題が無く、運営・管理や持分処分における制約事項・リスクが少ないことを原則とします。また、海外資産においては、当該国・地域における権利関係等の調査を行い、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上投資決定をします。
(コ)安定稼働不動産への投資
本投資法人は、安定したキャッシュ・フローを確保するため、原則として、安定してキャッシュ・フローを創出している不動産等に投資をするものとし、未稼働(開発中でキャッシュ・フローを生まないもの)の不動産等は投資対象としません。
但し、短期的に稼働率の低下した不動産等については、将来における稼働率の向上が早期に見込める場合や、イオングループがテナントとして出店し又はリーシングに協力すると見込まれる等の事情が存在する場合には、厳選して投資決定を行うことがあります。この場合には、慎重な判断を行うものとします。なお、海外資産についても同様とします。
⑧ デュー・ディリジェンス基準
投資対象資産の取得に際して、本資産運用会社は下記経済的調査、物理的調査及び法的調査を十分に実施し、資産価値の維持・向上を阻害する要因等の有無等の把握及びそれらの評価を中心とした、当該運用資産の投資対象としての妥当性について検討を行います。検討にあたり、調査能力及び経験を有する第三者が作成するエンジニアリング・レポート、マーケットレポート、地震リスク調査報告書等を参考とし、現地調査、譲渡予定者等へのヒアリング等を実施します。
なお、海外不動産に投資する場合は、基本的に、日本の不動産に投資する場合の基準に準じ、現地の法制度や特殊事情を加味した上でデュー・ディリジェンスを実施します(注)。
| 項目 | 内容 | |
| 経済的調査 | テナント調査 | ・テナント(必要に応じて、転借人を含みます。以下同じです。)の信用状況(業種、業容、業歴、決算内容、財務状況等) ・テナントの賃料支払状況、テナントと現所有者との紛争の有無及び可能性等 ・テナントの賃借目的、契約形態、契約内容及びその継承の有無 ・過去の稼働率、賃料推移 ・各建物における各既存テナントの占有割合、分布割合 |
| 市場調査 | ・商圏の状況(商圏人口、世帯数及び商業指標等) ・周辺の市場賃料、稼働率の調査 ・周辺の競合物件の状況 ・周辺の開発計画の動向 ・テナントの需要動向 ・テナント誘致の可能性 ・物件の処分(売却)の可能性 ・(海外不動産の場合)経済動向、政治動向、商慣習等の調査 | |
| 収入関係 | ・賃貸借契約形態と賃料の安定性 ・現行賃料と市場賃料の乖離状況と将来見通し ・テナント異動の可能性と代替テナント確保の容易性 ・テナント入退居見込、賃料減額の見込等の有無 ・プロパティ・マネジメント会社/マスターリース会社による中長期的なリーシング方針 | |
| 費用関係 | ・公租公課の変動可能性(軽減措置期間の終了、再開発進行等による評価額の上昇等) ・プロパティ・マネジメント業務委託契約の形態と管理水準、報酬の適正性 ・建物管理業務委託契約の形態と管理体制、管理水準、報酬の適正性 ・水道光熱費等の水準とテナントからの戻入状況 ・修繕履歴と修繕計画、現行の劣化状況を踏まえた予想修繕費、設備等の更新費等の負担及びその妥当性 ・修繕積立の状況と積立金額の妥当性(区分所有等) | |
| 項目 | 内容 | |
| 物理的調査 | 立地 | ・街路の状況、主要幹線道路へのアクセス状況 ・鉄道等の公共交通機関の利便性 ・周辺の土地利用状況、水害及び火災等の災害履歴 ・周辺の利便施設、官公諸施設等の配置及び近接性 ・地域の知名度及び評判、規模等の状況 ・商圏の安定性及びその成長性、競合の状況、周辺での開発状況、転用の可能性(商業施設の場合) |
| 建築及び設備・ 仕様 | ・意匠、主要構造、築年数、設計者・確認検査機関・施工業者等 ・内外装の部材の状況 ・賃貸可能面積、天井高、空調方式、床荷重、セキュリティ設備、電気容量、照明照度、区画割対応、防災設備、給排水設備、昇降機設備、駐車場その他共用設備の状況 | |
| 建物診断 | ・設計図書、建築確認通知書、検査済証等の書類調査 ・外構、屋上、外装、設備等についての現地調査 ・エンジニアリング・レポートにおける長期修繕計画の検証 ・建築基準法・都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。以下「都市計画法」といいます。)等関連法令の遵守状況等 ・耐震性能(新耐震基準又は同等の耐震性能を有しているか) ・地震PML値(予想最大損失率)の検証 | |
| 建物管理関係 | ・管理委託契約の内容(形態、仕様水準等)及び建物管理状況の良否、建物管理会社等へのヒアリング ・管理細則等の有無及びその内容、管理会社の質と信用力 | |
| 環境調査 | ・アスベスト・PCB等の有害物質の使用履歴、使用状況及び保管状況 ・地質状況、土地利用履歴、土壌汚染状況等 | |
| 法的調査 | 法令上の制限 | ・遵法性、既存不適格の有無 ・建築関連法規、条例、協定等による建築制限、用途制限、使用制限等の有無 |
| 境界調査 | ・境界確定の状況、越境物の有無とその状況 ・実測面積の確定状況 ・境界紛争の有無 | |
| テナント属性 | ・賃貸借契約、転貸借契約、使用契約等の調査 ・テナントとの紛争の有無 | |
| 権利関係の確認 | ・土地及び建物について、その権利関係(完全所有権、地上権、借地権、共有、分有、区分所有、区分所有の共有等)の把握と権利関係に付随する各種契約等の内容の検討 ・隣接地権者等との紛争の有無 ・信託契約の内容 | |
(注)海外不動産のデュー・ディリジェンスを実施するにあたっては、上表の項目のほか、道路への接続や公共サービス(例:水、ガス、下水処理サービス)の供給状況等についても調査を実施します。
⑨ 第三者への委託及び第三者の評価に関する基準
本資産運用会社は、その運用方針に基づき、日本国内において、業務の委託・発注(資産運用業務の委託及び再委託は原則として行いません。)の品質確保と公正な委託先・発注先の選定及び委託先の契約更新のため、外部委託・評価基準を定めています。なお、海外資産に関しては、当該国・地域における法令上の基準を遵守し、かつ地域での実務を勘案し総合的な判断の上、かかる委託の有無と範囲を決定します。
(ア)委託業務別委託基準
業務の外部委託にあたっては、委託業務の内容に応じて、業務執行体制や業務経験・実績等により、一定の品質を確保するための個別具体的な基準を満たす者に委託を行うものとします。
具体的には、プロパティ・マネジメント業務を委託するにあたっては、①委託先の規模、②業務遂行能力、③法令遵守の状況、④報酬水準(所在地が日本国外である不動産等に係るプロパティ・マネジメント業務を委託する場合には、このうちの②③④の3項目)を審査し、不動産鑑定評価業務、デュー・ディリジェンス、エンジニアリング・レポートを委託するにあたっては、①委託先の規模、②業務遂行能力、③法令遵守の状況、④過去の不適切な業務の有無(所在地が日本国外である不動産等に係る鑑定業務又はデュー・ディリジェンス若しくはエンジニアリング・レポートを委託する場合には、このうちの②③④の3項目)を審査します。
(イ)委託条件
本資産運用会社及び本投資法人は業務の委託を行うにあたり、適切な業務執行体制の構築義務、報告義務及び守秘義務及びモニタリング協力義務を業務受託者に負わせることを標準とし(但し、契約相手方との交渉の結果、各項目についてこれらと異なる定めをすることを妨げないものとします。)、業務委託契約書等にて業務受託者の責任義務を明確にして行うものとします。
⑩ フォワード・コミットメントに関する方針
フォワード・コミットメント(先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約をいいます。以下同じです。)を行う場合には、以下の点に留意します。
・契約不履行に関する解約違約金の水準、ポートフォリオ全体の収支及び配当水準等に与える影響等(東京証券取引所の定める上場廃止基準を含みます。)
・売買契約締結から物件引渡しまでの期間、当該期間中における金融環境及び不動産市場等の変動リスクの可能性、決済資金の調達方法等
⑪ ポートフォリオ運営管理方針
本投資法人は、日本国内において取得した資産の運営管理を行うに際し、以下の方針と基準によるものとします。海外における取得資産の運営管理に際しても、国内での基準を基本として、原則として、日本国内に準じた基準によるものとします。
(ア)基本方針
本投資法人は、中長期にわたる安定した収益の確保と資産価値の維持・向上及びテナント満足度を高めることを目指し、以下の方法に基づき、賃貸収入や稼働率の維持・向上、適切な管理・修繕の実施、管理コストの適正化・効率化に努めます。
(イ)運用計画の策定
本資産運用会社は、その社内規程である運用ガイドライン等に基づき、本投資法人の運用資産の運用に係る資産管理運用計画(以下「資産管理計画」といいます。)を策定し、当該計画に沿った運営・管理を行います。資産管理計画は、運用資産の運用・管理に関する具体的な実行計画を規定するものであり、運用資産毎の収支計画を踏まえて、ポートフォリオ全体及び本投資法人全体の収支計画等より構成され、コンプライアンス・オフィサーの承認後、投資委員会にて審議及び決議し決定されます。また、コンプライアンス・オフィサーが必要と判断した場合は、投資委員会にて審議及び決議した後、コンプライアンス委員会にて審議及び決議を行い、決定されます。
なお、上記資産管理計画の策定にあたっては、原則としてSCマネジメントを提供する会社、物流施設マネジメントを提供する会社及びプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」といいます。)の協力により運用資産毎の詳細を検討します。
資産管理計画は、原則として本投資法人の決算期毎に見直し、必要に応じて変更します。また、それ以外の場合でも必要に応じて、その都度変更します。
(ウ)リーシング方針
本投資法人は、イオングループが運営する商業施設等の取得に際し、取得と同時に、イオングループを借主として、建物全体を一括賃貸するマスターリース契約を締結することを基本方針とします。海外における資産取得の場合も同様とします。
PM会社を最大限活用し、マスターリース契約のテナントとの情報共有に努めるとともにマーケット動向を調査・把握し、個別物件における適正な賃貸条件等の検討を行います。
テナントとの賃貸借契約に際しては、本資産運用会社がマスターリース契約のテナントの信用度のチェック、及びエンドテナントも含めた反社会的勢力との関係をチェックし、再契約の可能性等を総合的に判断します。
(エ)PM会社の選定方針、モニタリング
PM会社の選定にあたっては、不動産運営・管理の経験や能力、対象となる運用資産における実績、運用計画に沿った業務遂行の実現性、コスト水準、運用の継続性等を総合的に勘案し、本投資法人の総合的な収益向上に寄与する会社を選定します。
本投資法人は上記方針をより高いレベルで実現するため、イオングループが当該商業施設等についてPM会社となることが適切と判断される場合にはイオングループに対してプロパティ・マネジメント業務を委託します。
その場合、上記業務委託にあたり、「利害関係者取引規程」及び「外部委託・評価基準」に基づき、業務水準や報酬額等についての評価を定期的に行い、適正な業務遂行及び報酬レベルが維持できない場合は、契約の解除を行うこと又は契約の更新を行わないことを検討します(詳細については、前記「⑨ 第三者への委託及び第三者の評価に関する基準/(ア)委託業務別委託基準」及び後記「第二部 投資法人の詳細情報/第3 管理及び運営/2 利害関係人との取引制限/(4)本資産運用会社の社内規程による利害関係者との取引制限」をご参照ください。)。
(オ)修繕及び資本的支出に関する方針
中長期的な運用資産の収益の維持及び向上を図ることを目的として、運用資産の状況及び特性、テナントニーズ等を考慮した個別物件毎の修繕及び資本的支出をPM会社と協議の上策定し、必要な修繕・資本的支出を行います。
修繕・資本的支出は、原則としてポートフォリオ全体の減価償却費も勘案して判断します。その際、テナントの満足度向上に向けた運営上の観点から必要なものについては早期に実施するものとします。また、エンドテナントの契約期間満了時の大規模リニューアルのタイミングでは、マスターレッシーと協調し、テナント区画のリニューアルと同時に共用施設のリニューアルを計画する等、ショッピングセンターの更なる価値向上のための投資を行うことがあります。
(カ)売却方針
本投資法人は、中長期にわたって運用資産を保有し、安定収益を確保することを基本方針としているため、原則として、運用資産の短期的な売却は行わないものとします。但し、不動産マーケットの状況及びその分析等から勘案して、最適なポートフォリオの維持のために必要であると判断する場合には、運用資産の短期的な売却を検討することがあります。
売却に当たっては、不動産鑑定評価等の第三者意見を参考としつつ、マーケット調査、類似の取引事例、当該運用資産の将来にわたる収益性等を勘案した上で、ポートフォリオ全体が受ける影響等も考慮に入れて総合的に判断します。
⑫ 財務方針
(ア)エクイティ・ファイナンス
資産の取得、工事金の支払、敷金・保証金の返済、本投資法人の運営に係る費用の支払又は債務の返済等を目的として、投資口の追加発行を行います。投資口の追加発行は、長期的かつ安定的な成長を目指し、投資口の希薄化(新投資口の発行による投資口1口当たりの議決権割合の低下及び投資口1口当たりの純資産額又は分配金の減少)に配慮しつつ機動的に行います。
(イ)デット・ファイナンス
運用資産の着実な成長並びに効率的な運用及び運用の安定性に資するため、資産の取得、修繕費若しくは分配金の支払い、本投資法人の運営に要する資金、若しくは債務の返済(敷金・保証金の返還並びに借入金及び投資法人債(短期投資法人債を含みます。以下同じです。)の債務の返済を含みます。)等の資金の手当てを目的として、資金を借入れ(コール市場を通じる場合を含みます。)又は投資法人債を発行することができます。但し、短期投資法人債の発行により調達した資金の使途又は目的については、法令に定める範囲に限るものとします。なお、資金を借り入れる場合は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)(以下「金商法」といいます。)に規定する適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)からの借入れに限るものとします。
本投資法人の借入金及び投資法人債発行の限度額はそれぞれ1兆円とし、かつ、その合計額が1兆円を超えないものとします。なお、本投資法人は、原則として無担保無保証での資金調達を行うものの、資金の借入れ及び投資法人債の発行において、運用資産を担保として提供することができます。
海外不動産へ投資を行う場合には、現地通貨建てで借入れを行う場合があります。また、調達時点のマーケット環境等を勘案し、円建てで調達し、現地通貨へ換金する場合もあります。
a.有利子負債比率及びLTV
本投資法人は、外部成長戦略、内部成長戦略等を考慮しながら、保守的な負債比率を意識しつつ、強固な財務基盤を維持します。運用にあたっては、原則として、LTVを50%前後の水準とし、その上限を60%として運用を行います。なお、運用資産の取得等により、短期的にそれらの数値を超えることがあります。
b.長期化・固定化
本投資法人は、テナントとの契約期間・内容等によるキャッシュ・フローの状況に対応した借入期間の設定を行います。また、各種リスクを低減させるため、借入期間の長期化及び金利の固定化を検討し、適切な運営を目指します。
c.メガバンクを中心としたバンクフォーメーションと、資金の調達先及び調達手法の多様化
借入れにあたっては、イオングループの信用力を活かし、メガバンクを中心としながら、借入金融機関の適切な分散を図ることを目指します。また、負債性の資金調達に際しては、マーケット環境及び本投資法人の財務状況等を総合的に勘案し、投資法人債の発行等を含む、直接金融・間接金融等の手法の多様化を図ります。
(ウ)デリバティブ取引
借入れ及びその他の本投資法人に係る負債から生じる金利変動リスクのヘッジを主たる目的として、経済状況及び金利の動向を考慮し、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
また、海外不動産への投資を行う場合において、主として賃料収入等の現地通貨での受取り及び支払いが必要となる場合には、為替リスクのヘッジのために、デリバティブ取引に係る権利への投資を行うことがあります。
(エ)敷金・保証金の活用
本投資法人は、低コストかつ長期に安定した資金である、テナントから預託された敷金・保証金を有効活用することがあります。
また、諸々の資金ニーズ(修繕及び資本的支出、分配金の支払い、小口債務の返済、本投資法人の運営に関わる運転資金、敷金等の返還、又は不動産関連資産の新規購入等)に対応するため、融資枠等の設定状況も勘案した上で、妥当と考えられる金額を現預金として保有するものとします。なお、第14期末における保有資産の敷金・保証金総額は、約132億円です。詳細については、後記「5 運用状況/(2)投資資産/③ その他投資資産の主要なもの/(イ)賃貸借状況の概況」をご参照ください。
(オ)格付の取得
本投資法人は、本書の日付現在、株式会社日本格付研究所(JCR)よりAA-(ダブルエー・マイナス)の長期発行体格付を付与されております。かかる格付けは、本投資法人の投資口に付された格付けではありません。なお、本投資口について、本投資法人の依頼により、信用格付業者から提供された若しくは閲覧に供された信用格付、又は信用格付業者から提供され、若しくは閲覧に供される予定の信用格付はありません。
(カ)余資の運用方針
余資の運用は、安全性、換金性等を考慮し、金利環境及び資金繰りを十分に鑑みた上で慎重に行います。
⑬ 情報管理・開示方針
(ア)本投資法人は、投資主に対し透明性を確保し、投資主の投資判断に必要な情報を適時かつ適切に開示するものとします。また、情報の透明性及び解りやすさに配慮し、法定開示以外の情報開示についても、投資主のニーズに応えるべく自ら内容を検討し、適時かつ適切な情報の開示に努める方針とします。
(イ)投資主に公平な情報取得機会を提供できるよう、正確かつ有用な情報を集約できる体制を構築し、速やかに開示できるように努めます。
(ウ)投信法、金商法、東京証券取引所、一般社団法人投資信託協会等にて定められている開示情報は、各々の所定様式に基づき適切に開示を行います。
⑭ 海外不動産投資
(ア)本投資法人の海外不動産等への投資
本投資法人は、本書の日付現在においては、アセアン地域(注)の中ではマレーシアに所在する商業施設を中心に投資を行うものとしています。本投資法人は、スポンサーであるイオングループが古くからマレーシアに出店しており、運営におけるトラックレコードが確認できること、一人当たりGDPが成長基調にあり今後も成長が予想されていること、今後の人口増加とともに高水準所得・中間所得者層の割合が高まることが予測されていること、法制度・税制についても十分に整備されていること、等を総合的に勘案し、マレーシアを中長期的な経済発展が見込める国・地域と分析し、投資対象に適した地域と考えています。
(注)アセアン地域とは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアをいいます。
(イ) 本資産運用会社における海外資産の取得の手続
本資産運用会社は、その社内規程において、本投資法人が海外に所在する物件の取得を検討するに際し、所在地が日本国外である不動産等(本資産運用会社の業務方法書第3条第1項第1号②に定める不動産等をいいます。以下本(イ)において同じです。)又は不動産等の所在地が日本国外である不動産等を主たる投資対象とする不動産対応証券(本資産運用会社の業務方法書第3条第1項第1号③に定める不動産対応証券をいいます。)その他の資産(以下「海外不動産等」と総称します。)の取得の指図を行う場合には、投資主の保護を図るため、次の各号に掲げる事項を遵守すべき旨を定めています。これは、一般社団法人投資信託協会の定める「不動産投資信託及び不動産投資法人に関する規則」第24条の2ないし第24条の4を踏まえたものです。
a.国内の物件を取得する場合と同程度の調査を行うこと。
b.鑑定評価書等の基礎的資料について、国内の物件を取得した場合と同程度の情報の内容、精度であるものを取得すること。
c.現地国・地域の実情に応じて現地代理人の選任をする等、適切に管理や賃貸等の回収を行うための必要な措置を講じること。
d.現地国・地域や物件の情報を適切に入手するための必要な措置を講じること。
e.次に掲げる要件を満たさない国又は地域における海外不動産等を投資対象としないこと。
(ⅰ)不動産等の使用、収益、処分に係る権利を適正に確保するための法制等が整備されていること。
(ⅱ)不動産等に係る権利の内容について第三者に対抗することが出来るための登記制度等の制度が整備されていること。
(ⅲ)不動産等に係る取引契約を適正に締結・履行するための法制等が整備されていること。
(ⅳ)取引に使用する通貨について、為替相場が適正に公表され、必要に応じて遅滞なく邦貨に転換できること。
(ⅴ)資金決済、送金等が適正に行える環境が備わっていること。
(ⅵ)裁判等の紛争処理制度が整備されていること。
f.本資産運用会社の諸規定に従って、次の各号に掲げる事項を適切に遂行すること。
(ⅰ)海外不動産等や現地国・地域に係る情報の開示
(ⅱ)現地国・地域の資産管理会社等との業務連絡の記録等の国内における保管
(ⅲ)現地国・地域から情報の取得及び当該情報に対する適時適切な対応
(ⅳ)災害等の発生に係る適時開示