訂正有価証券報告書(内国投資証券)-第14期(令和1年8月1日-令和2年1月31日)

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2020/09/14 14:41
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以下において、本投資口への投資に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、今後本投資法人が投資法人債(以下「本投資法人債」といい、短期投資法人債を含むことがあります。)を発行する場合、これらの事項は、本投資法人債への投資に関してもリスク要因となる可能性があります。但し、以下は本投資法人への投資に関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本書に記載の事項には、特に本投資法人及び本資産運用会社の目標及び意図を含め、将来に関する事項が存在しますが、別段の記載のない限り、これら事項は本書の日付現在における本投資法人及び本資産運用会社の判断、目標、一定の前提又は仮定に基づく予測等であって、不確実性を内在するため、実際の結果と異なる可能性があります。
以下に記載のいずれかのリスクが現実化した場合、本投資口又は本投資法人債の市場価格が下落し、本投資口又は本投資法人債の投資家は、投資した金額の全部又は一部を回収できないおそれがあります。本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避できるとの保証や対応が十分であるとの保証はありません。
本投資口及び本投資法人債に投資を行う際は、以下のリスク要因及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上、各投資家自らの責任と判断において行う必要があります。
(1)リスク要因
本項に記載されている項目は、以下のとおりです。
① 投資法人が発行する投資口及び投資法人債に関するリスク
(ア)換金性・流動性に関するリスク
(イ)市場価格変動に関するリスク
(ウ)金銭の分配に関するリスク
(エ)投資口の売却に関するリスク
② 投資法人の組織及び投資法人制度に関するリスク
(ア)投資法人の組織運営に関するリスク
(イ)投資法人の制度に関するリスク
(ウ)イオングループへの依存に関するリスク
(エ)投資法人制度におけるインサイダー取引規制に関するリスク
③ 投資法人の運用資産:原資産である不動産特有のリスク
(ア)投資対象を商業施設等に特化していることによるリスク
(イ)不動産から得られる賃料収入に関するリスク
(ウ)不動産の瑕疵及び契約不適合に関するリスク
(エ)PM会社に関するリスク
(オ)費用に関するリスク
(カ)専門家報告書等に関するリスク
(キ)マーケットレポートへの依存に関するリスク
(ク)不動産の毀損・滅失・劣化に関するリスク
(ケ)取得・売却時の不動産流動性に関するリスク
(コ)建築基準法等の既存不適格に関するリスク
(サ)共有物件に関するリスク
(シ)区分所有建物に関するリスク
(ス)借地権等に関するリスク
(セ)仮換地及び保留地に関するリスク
(ソ)底地物件に関するリスク
(タ)有害物質又は放射能汚染等に関するリスク
(チ)不動産の所有者責任に関するリスク
(ツ)マスターリースに関するリスク
(テ)将来における法令等の改正に関するリスク
(ト)テナント(マスターレッシー)及びエンドテナントによる不動産の使用に基づく価値減損に関するリスク
(ナ)売主の倒産等の影響に関するリスク
(ニ)開発物件に関するリスク
(ヌ)資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
(ネ)フォワード・コミットメント等に関するリスク
(ノ)敷金・保証金の利用に関するリスク
(ハ)地球温暖化対策に係るリスク
(ヒ)伝染病・疫病等の影響に関するリスク
④ 投資法人の運用資産:信託の受益権特有のリスク
(ア)信託受益者として負うリスク
(イ)信託受益権の流動性に関するリスク
(ウ)信託受託者に関するリスク
(エ)信託受益権の準共有等に関するリスク
⑤ 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
⑥ 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
⑦ 海外不動産等への投資に関するリスク
(ア)外国法人税額を負担することに関するリスク
(イ)海外不動産等の保有に係る会計上・税務上の取扱いの相違に関するリスク
(ウ)外国為替についての会計処理に関するリスク
(エ)海外不動産等への減損会計の適用に関するリスク
(オ)海外不動産等の取得並びに管理及び運用に関するリスク
(カ)マレーシアにおけるリスク
⑧ 税制等に関するリスク
(ア)配当等の額の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
(イ)過大な税負担等の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ウ)税務調査等による更正のため追加的な税金が発生するリスク
(エ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(オ)同族会社に該当するリスク
(カ)借入金に係る配当等の額の損金算入要件に関するリスク
(キ)投資口を保有する投資主数に関するリスク
(ク)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
(ケ)一般的な税制の変更に関するリスク
(コ)減損会計の適用に関するリスク
(サ)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
⑨ その他
(ア)取得予定資産の組入れ又は譲渡予定資産の譲渡ができないリスク
(イ)過去の収支状況が将来の本投資法人の収支状況と一致しないリスク
① 投資法人が発行する投資口及び投資法人債に関するリスク
(ア)換金性・流動性に関するリスク
本投資口については、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型です。従って、本投資口の換金・投資回収には、上場する金融商品取引所を通じて又は取引所外にて第三者へ売却する必要があります(その他、本投資法人の清算・解散による残余財産分配請求権等による場合があります)。しかしながら、取引所を通じた取引であっても、投資家の希望する時期や条件で取引できるとの保証も、常に買主が存在するとの保証はなく、譲渡価格を保証する第三者も存在しません。また、東京証券取引所が定める上場廃止基準に抵触する場合には本投資口の上場が廃止され、投資主は保有する本投資口を取引所外において相対で譲渡する他に換金の手段はありません。これらにより、本投資口を低廉な価格で譲渡しなければならない場合や本投資口の譲渡ができなくなる場合があります。なお、本投資法人が本投資法人債を発行した場合について、本投資法人債には、確立された取引市場が存在せず、買主の存在も譲渡価格も保証されていません。
(イ)市場価格変動に関するリスク
本投資口の市場価格は、金利動向や為替相場等の金融環境変化、市場環境や将来的な景気動向、内外の投資家による本投資口に関する売買高、他の金融商品との比較、地震、津波、液状化等の天災を含む不動産取引の信用性に影響を及ぼす社会的事象等によって影響を受けることがあります。
また、本投資法人は、不動産等及び不動産対応証券を主な投資対象としており、本投資口の市場価格は、不動産の評価額の変動、不動産市場の趨勢、不動産の需給関係、不動産需要を左右することのある企業を取り巻く経済環境、法令・会計・税務の諸制度の変更等、不動産関連市場を取り巻く要因による影響を受けることがあります。
加えて、本投資法人は、その事業遂行のために必要に応じて資金を調達しますが、その資金調達が新投資口の発行により行われる場合には、本投資口1口当たりの分配金・純資産額が希薄化することがあります。これらの事象により、またそれ以外の状況のため、市場での本投資口の需給バランスが影響を受け、本投資口の市場価格が影響を受けることがあります(注)。
(注)本投資法人が、新投資口予約権の無償割当て(いわゆるライツ・オファリング)(投信法第88条の2以下)を行う場合は、同様に、本投資口の市場価格が影響を受ける可能性もあります。
また、本投資法人若しくは本資産運用会社、又は他の投資法人若しくは他の資産運用会社に対して監督官庁等による行政指導、行政処分の勧告や行政処分が行われた場合にも、本投資口の市場価格が下落することがあります。
その他、本投資法人債は金利動向等の市場環境等により価格が変動することがあり、また格付けの見直しや引き下げによる影響を受けることがあります。
(ウ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人はその分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無、金額及びその支払いは、いかなる場合においても保証されません。特に、想定している不動産等の取得又は売却が行われない場合やその時期に変更が生じた場合のほか、資産から得られる賃料収入の低下、損失の発生、現金不足等が生じた場合等には、予想されたとおりの分配を行えない可能性があります。
また、本投資法人は本書の日付現在、利益を超える分配を想定しておりませんが、将来において、経済環境、不動産市場、賃貸市場等の動向により本投資法人が適切と判断する場合、利益を超える金銭の分配(出資の払戻し)を行わないとは限りません(前記「2 投資方針/(3)分配方針/② 利益を超えた金銭の分配」をご参照ください。)。利益を超える分配は、内部留保の流出と出資の払戻しとの側面をもつため、かかる利益を超える金銭の分配が行われた場合には、本投資法人の再投資の原資が減少し、結果として、本投資法人への悪影響があり、また投資主価値の最大化に貢献しないおそれがあります。
(エ)投資口の売却に関するリスク
スポンサーであるイオン(株)、並びに上場の際の一般募集における指定先の三井住友信託銀行株式会社、株式会社みずほ銀行及び東京センチュリー株式会社は、前記「1 投資法人の概況/(6)主要な投資主の状況」記載のとおり、保有する投資口の比率が高い上位10名の投資主に該当します。しかしながら、今後、これらの投資主より本投資口が売却される可能性があり、その場合、本投資口の市場価格が悪影響を受ける可能性があります。
② 投資法人の組織及び投資法人制度に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づいて設立される社団(投信法第2条第12項)であり、一般の法人と同様の組織運営上のリスク及び投資法人制度固有のリスクが存在します。
(ア)投資法人の組織運営に関するリスク
本投資法人の組織運営上の主なリスクは、以下のとおりです。
a.役員の職務遂行に関するリスク
投信法上、投資法人の業務を執行し投資法人を代表する執行役員及び執行役員の職務の執行を監督する監督役員は、投資法人に対して善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負います。しかし、これらの義務が遵守されないおそれは完全には否定できません。また、本資産運用会社の役員等の主要な役職員の過半数は、スポンサーであるイオン(株)をはじめとするイオングループ各社からの転籍者又は出向者等です。
b.投資法人の資金調達に関するリスク
本投資法人は資金調達を目的として、借入れ及び投資法人債を発行することがあり、規約上、借入金と投資法人債を合わせた限度額は1兆円とされ、また、借入れを行う場合、借入先は、適格機関投資家(但し、租税特別措置法第67条の15に規定する機関投資家に限ります。)に限るものと規定されています。
借入れ又は投資法人債の発行を行う際には様々な条件、例えば財務制限、第三者に対する担保提供の制限、担保提供義務、付保義務、現金等の留保義務、海外投資比率制限その他本投資法人の業務に関する約束や制限等が要請されます。このような約束や制限等の結果、本投資口又は本投資法人債の市場価格に悪影響が出ることがあります。また、借入れ及び投資法人債の発行は、金利実勢、本投資法人の財務状況、経済環境のほか、借入先や投資家の自己資本規制その他の法的・経済的状況等の多くの要因に従って決定されるため、本投資法人が必要とする時期及び条件で行うことができるとの保証はありません。本投資法人が既存の借入れの返済資金及び投資法人債の償還資金を新たな借入れ等で調達することを予定していたにもかかわらず、かかる調達ができない場合には、既存の借入れ等の返済ができないことにより債務不履行となる可能性があります。
本投資法人は、その保有資産の取得にあたり金融機関との間で資金借入れに関する基本合意書及びローン契約を締結しています。かかるローン契約において、資産・負債等に基づく一定の財務指標上の数値を維持すること等の財務制限及び海外投資比率制限が設定され、また海外投資等につき金融機関の事前承諾等が必要とされるほか、イオングループ各社との間の各種サポート契約(スポンサーサポート契約、パイプラインサポート契約及びSCマネジメント契約等)の変更又は解除に金融機関との協議を要する等の制限が規定されています。
借入れに当たり、税法上の導管性要件(後記「⑧ 税制等に関するリスク/(ア)配当等の額の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク」をご参照ください。)を満たすためには、本投資法人は、その借入先を機関投資家(租税特別措置法第67条の15第1項第1号ロ(2)に規定するものをいいます。)に限定することが要請され、借入先は現実には限定されています。また、本投資法人の保有不動産の全部又は一部が資金の借入先に対して担保に供された場合、担保対象となる保有不動産の処分及び建替等は、制限を受けることとなります。その結果、本投資法人が必要とする時期及び条件で保有不動産の処分や建替等ができないおそれがあります。また、本投資法人の保有不動産の売却等により借入金の期限前返済を行う場合には、期限前返済コスト(違約金等)がその時点における金利情勢によって決定される場合がある等、予測しがたい経済状況の変化により本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。本投資法人が資金を調達しようとする場合、借入れのほか、投資法人債の発行又は新投資口の発行の方法によることがあります。投資法人債の発行を行う場合、一般に、前述したものをはじめとする様々な財務制限条項や誓約事項が規定されることがあります。また、投資法人債の発行及び条件は、信用格付業者からの格付けや市場環境の影響を受けるおそれがあり、本投資法人の必要とする時期及び条件で発行できないおそれがあります。新投資口の発行を行う場合、投資口の発行価格はその時々の市場価格により左右され、場合により、本投資法人の必要とする時期及び条件で発行できないおそれがあります。
さらに、本投資法人は、LTV(本投資法人の保有する資産総額に対する、有利子負債残高に預かり敷金及び保証金(信託預り敷金及び保証金を含みます。)を加えた額の割合)の水準について、資金余力の確保に留意し、原則として50%前後の水準とし、その上限を60%としていますが、新たな資産の取得等に伴い、短期的に60%を超えることがあります。LTVが高まった場合、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、その結果、投資主への分配金額が減少するおそれがあります。
c.投資法人が倒産し又は登録を取り消されるリスク
本投資法人は一般の法人と同様に、債務超過に至る可能性を否定することはできません。本投資法人は、現行法上、破産法、民事再生法及び投信法上の特別清算手続の適用を受けます。
また、本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。本投資口及び本投資法人債は金融機関の預金と異なり、預金保険等の対象ではなく、本投資口につき、当初の投資額が保証されているものではありません。本投資法人が清算される場合、投資主は、すべての上位債権者への償還の後でしか投資額を回収できません。従って、清算手続において、投資主は投資額の全部又は一部につき償還を受けられないことがあります。また、本投資法人債の債権者は清算手続に従って投資額を回収することになるため、債権全額の償還を受けられる保証はありません。
(イ)投資法人の制度に関するリスク
投資法人の制度上の主なリスクは以下のとおりです。
a.業務委託に関するリスク
投資法人は、資産の運用以外の営業行為を行うことができず、使用人を雇用することはできません。また、本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。従って、本投資法人の業務執行全般は、本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者の能力や信用性に依存することになります。金商法上、資産運用会社となるためには投資運用業の登録を行う必要があり、資産保管会社は信託業を兼営する銀行等一定の要件を満たすものに資格が限定されており、一般事務受託者については、投資法人の設立時及び設立後に新たに行う一般事務受託者との契約締結時に、不適当なものでないことの調査が執行役員及び監督役員により行われています。本投資法人では、スポンサーであるイオン(株)が形成するイオングループとの間で、運用資産の譲渡・売却、マスターリースを含む賃貸借や転貸借、PM業務、SCマネジメント業務、物流施設マネジメント業務等の様々な取引(取引の条件設定を含みます。)が想定されており、それぞれの業務受託者において、今後業務遂行に必要とされる人的・財産的基盤が損なわれた場合や、これらの業務受託者が金商法及び投信法により投資法人に対して負う善管注意義務や忠実義務に反する行為を行った場合、結果として投資家が損害を受ける可能性があります。
また、投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者へ委託することが義務付けられているため、本資産運用会社、資産保管会社又は一般事務受託者が、倒産手続等により業務遂行能力を喪失する場合には、倒産に至った業務受託者等に対して本投資法人が有する債権の回収に困難が生じるだけでなく、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになります。また、委託契約が解約又は解除された場合において、本投資法人の必要とする時期及び条件で現在と同等又はそれ以上の能力と専門性を有する第三者を選定し業務を委託できないときには、本投資法人の収益等が悪影響を受けるおそれがあるほか、本投資口が上場廃止になる可能性があります。
b.資産の運用に関するリスク
投資法人は、投信法上、資産運用会社にその資産の運用に関する業務を委託しなければならないため、本投資法人の資産の運用成果は、特に資産の運用に関する業務を行う本資産運用会社の業務遂行能力に依存することになります。資産運用会社についての主なリスクは以下のとおりです。
(ⅰ)資産運用会社の運用能力に関するリスク
資産運用会社は、投資法人に対し善管注意義務を負い、また、投資法人のために忠実義務を負いますが、運用成果に対して何らの保証を行うものではありません。また、資産運用会社となるためには投資運用業の登録を行う必要があり、金商法及び投信法に定める監督を受け、その信用力の維持には一定限度の制度的な裏付けがありますが、その運用能力が保証されているわけではありません。
本投資法人は2012年11月30日に設立され、本資産運用会社が本投資法人よりその資産運用業務の委託を受け、具体的な資産の運用を2013年11月より開始しました。
本資産運用会社による上場不動産投資法人に適用される各種法規制及び上場規則に基づく運用が期待どおりの収益を上げるとの保証はありません。また、イオングループの運用実績や本投資法人の保有資産の過去における収益の状況は、本投資法人としての今後の運用実績を保証するものではありません。
(ⅱ)資産運用会社の行為に関するリスク
資産運用会社は、投資法人に対し善管注意義務を負い、また、投資法人のために忠実義務を負い、さらに資産運用会社の行為により投資法人が損害を被るリスクを軽減するため、金商法及び投信法において業務遂行に関して行為準則が詳細に規定されています。しかし、本資産運用会社のスポンサー等の利害関係人と本投資法人との間で取引等を行うに際して、本資産運用会社が、かかる行為準則に違反したり、適正な法的措置を行わない場合には、本投資法人に損害が発生する可能性があります。なお、本資産運用会社自身も自ら投資活動を行うことは法令上禁止されているものではありません。そのような場合に、本資産運用会社が自己又は第三者の利益を図るため、本投資法人の利益を害することとなる取引を行わないとの保証はありません。
(ⅲ)資産運用会社における投資方針・社内体制等の変更に関するリスク
本資産運用会社は、本投資法人の規約に基づいて投資運用業を遂行するため、本資産運用会社の社内規程である運用ガイドラインにおいて、投資対象資産に関する取得・維持管理・売却の方針及び財務上の指針を定めていますが、その内容は本投資法人の規約に反しない限度で投資主総会の承認を得ることなく適宜見直し、変更されることがあります。そのため、投資主の意思が反映されないまま運用ガイドラインが変更される可能性があります。また、本資産運用会社は、運用ガイドラインに従いその業務を適切に遂行するため、一定の社内体制を敷いていますが、かかる社内体制について効率性・機能性その他の観点から今後その変更を行わないとは限りません。このような、本資産運用会社における投資方針・社内体制等の変更によって、本投資法人の資産運用の内容が変更され、その結果、当初予定されていた収益を上げられない可能性があります。
(ウ)イオングループへの依存に関するリスク
イオン(株)は、本投資法人の主要な投資主及び本資産運用会社の100%株主であるだけではなく、本投資法人とスポンサーサポート契約及び商標の使用を許諾している会社です。また、イオン(株)の子会社であるパイプラインサポート会社は、本投資法人とパイプラインサポート契約、SCマネジメント契約及び物流施設マネジメント契約を締結しております。これらの点に鑑みると、本投資法人は、イオン(株)を中心とするイオングループと密接な関連性を有しています。しかし、業容拡大に伴い、専門性の高い外部人材を積極的に採用することにより、本書の日付現在、本資産運用会社の従業員におけるイオングループからの受入出向者又は転籍者の構成比を低下させ、イオングループへの依存度の低減を図っています。
従って、本投資法人が、イオングループから本書の日付現在と同一の関係を維持できなくなった場合又は業務の提供を受けられなくなった場合には、本投資法人に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。また、イオングループの業績が悪化した場合や、イオングループのブランド価値が風評等により損なわれた場合、イオングループの経営戦略の変更があった場合等にも、本投資法人に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
スポンサー及びパイプラインサポート会社は、それぞれスポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約に基づき、適格不動産(本投資法人の投資基準に適合すると合理的に想定される不動産等)を売却しようとする場合、本資産運用会社に対し、一定の場合を除き、当該不動産等に係る情報を遅くとも本資産運用会社以外の第三者に対して情報提供する時点までに提供するものとされていますが、本投資法人への売却を義務付けるものではありません。
また、第三者が売却を予定する不動産等に係る情報を入手した場合、当該不動産等が適格不動産に該当し、かつ本投資法人への売却が適当な不動産等であると合理的に判断されるときは、一定の場合を除き、本資産運用会社に対し、速やかにかかる情報を通知するよう努めるものとされていますが、必ずしも本資産運用会社がかかる情報の提供を受ける機会が保証されているものではありません。
前記に加え、スポンサーサポート契約及びパイプラインサポート契約の有効期間は、契約上定められた日又は契約締結日から3年間とされ、自動更新されることとされておりますが、契約の更新がなされない等により契約が終了した場合、スポンサー又はパイプラインサポート会社からのスポンサーサポート又はパイプラインサポートが受けられなくなるおそれがあります。
本投資法人がイオングループより商業施設等を取得する場合、取得と同時にイオングループ企業にマスターリースされ(本投資法人の資産となる商業施設等のマスターリース契約におけるマスターレッシーを以下「マスターレッシー」又は単に「テナント」といいます。これに対し、マスターレッシーから商業施設の一部の店舗を転借するテナントを以下「エンドテナント」といいます。)、当該イオングループ企業がマスターレッシーになることが想定されます。この場合、その時点で設定される賃貸借契約条件(賃料を含みます。)が適正に設定されるとの保証はありません。また、このような取引はリースバック取引とも言われ、その実態によっては、譲渡取引が担保取引と扱われ、あるいは倒産手続において、否認される等のおそれがないとは言い切れません。
さらに、本投資法人は、資産運用活動全般を通じて、利害関係者に事業及び取引機会をもたらすことがあります。この場合、利害関係者が、本投資法人の投資家の利益に反する行為を行わないよう、本投資法人は、投資家の利益を害することがないよう適切と考えられる体制を整備しています。しかし、これらの体制が有効に機能しないことがあった場合には、本投資法人の投資家の利益に反する取引が行われ、投資家に損害が発生する可能性があります。なお、かかる利益相反リスクに対する方策については後記「(2)リスクに対する管理体制」をご参照ください。
(エ)投資法人制度におけるインサイダー取引規制に関するリスク
本投資法人の投資口は、金融商品取引法で定める、いわゆるインサイダー取引規制の適用を受けます。また、本投資法人及び本資産運用会社は、内部規程を設け、その役職員がその立場上知り得た上場投資法人等に係る未公表の重要事実の伝達及び取引推奨を原則禁止とする旨を規定しています。しかしながら、本資産運用会社の役職員又は本投資法人の役員が金商法で定めるインサイダー取引規制に違反する場合には、本投資法人及び本資産運用会社に係る情報の管理に対する信頼が揺らぎ、投資家の信頼又は市場における信頼を損ね又は喪失する可能性があり、その結果、本投資法人の投資家が不利益を受けるおそれがあります。
③ 投資法人の運用資産:原資産である不動産特有のリスク
本投資法人は、国内の不動産及び不動産を信託する信託の受益権を主要投資対象としており、これらの原資産となる不動産等については、以下のリスクがあります。また、本投資法人は、マレーシアを含む海外の不動産及び当該不動産を信託する信託の受益権への投資を行うことを想定しており、かかるマレーシアその他海外の不動産等への投資に係るリスクについては、後記「⑦ 海外不動産等への投資に関するリスク」をご参照ください。
(ア)投資対象を商業施設等に特化していることによるリスク
前記に記載のとおり、本投資法人は、不動産の中でも、商業施設等を主たる投資対象とし、特に大規模商業施設を中心として取得・運用を行います。
一般に、商業施設への投資に際しては、1件当たりの投資額が相対的に大きく、テナント(本件ではマスターレッシー)も営業ノウハウを持つ特定少数の事業者に限定される可能性があるほか、建物や設備が特定のテナント(マスターレッシー)の仕様に合わせて構築され、テナント(マスターレッシー)の代替性と物件の利用形態の転用において柔軟性に乏しくなることがあります。また、商業施設のテナント(マスターレッシー)の収益性は、近隣の商圏からの顧客動向や人口動態、さらには地域特性にも影響され、かつ、個人消費を含む日本経済全体の景気動向にも影響される可能性がありますので、それらが悪化した場合には、テナント(マスターレッシー)の撤退のおそれや賃料の下方圧力となる場合もありえます。本投資法人の場合、大規模商業施設(SRSC、RSC及びCSC)だけでなく、その他の商業施設(NSC及びSM)や物流施設をも取得対象としていますが、大規模商業施設やその他の商業施設については、テナント(マスターレッシー)にイオングループ各社を想定しており、イオングループの事業方針に沿った立地特性と商圏をもつ商業施設がその中心となると想定されます。そのため、本投資法人の業績は、その投資対象である商業施設の収益性と市場動向により、さらには、イオングループの事業方針に沿った商業施設が市場で受ける評価に大きく影響を受けることになります。これらイオングループの事業方針に沿った商業施設の収益性が低下した場合には、本投資法人の収益も悪影響を受けるおそれがあります。
また、本投資法人は、商業施設に商品を提供するための拠点となる物流施設へも一部投資を行うことがあります。物流施設からの収益は、配送先となる商業施設との利便性と交通アクセスや輸送費との相関関係で全体としての収益が左右され、その結果、近隣の別の類似施設の存否や交通網と代替輸送手段の発展、あるいは規制環境の変化により影響を受けることがあります。また、施設周辺の市街化により住宅や学校・病院等の公益施設等が建設される場合、周辺環境次第ではテナント(マスターレッシー)の商品輸送の操業に悪影響がないとはいえません。それらの結果、テナント(マスターレッシー)となる需要が後退し、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、物流施設が、国内だけでなく、海外への輸出又は海外からの輸入拠点として使用される場合、それらの物流施設におけるテナント(マスターレッシー)となる需要は、為替相場や世界の経済情勢・物流動向に左右される可能性があります。それらの結果、本投資法人の収益や財務状況が悪影響を受けるおそれがあります。
上記のほか、本投資法人が商業施設等を投資対象とすることから、その建物の特性、適用規制及びテナント(マスターレッシー)の特性等に起因して、現時点では想定できない状況の悪化や不利益な状況が発生するリスクが存在し、これらは本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(イ)不動産から得られる賃料収入に関するリスク
本投資法人の主な収益は、本投資法人が直接(又は信託を通じて間接的に)保有する不動産等の賃料収入に依存しています。不動産等の賃料収入は以下を含む様々なリスクにより影響を受けることがあります。以下では、主として商業施設の事業者(本件ではマスターレッシー)に対して不動産を賃貸する場合を想定して記載します。但し、本投資法人において、その不動産を、マスターレッシーを介することなく第三者に賃貸する場合もあり、その場合にも、以下の記載と同様の様々なリスクによる影響を受けることがあります。
a.不動産等の稼働・解約等に関するリスク
商業施設等においては、当該不動産の開発が一定の商圏における商業施設の開設を企図する商業施設の事業者(本件ではマスターレッシー)の意向で発足し、そのため、賃貸借契約において、特定の商業施設等に特有の合意がなされ、その結果、契約期間の定めにかかわらず、マスターレッシーが一定期間前の通知を行うことにより契約を解約できるとの定めがなされること、その他の合意が存在することがあります。このような場合には、契約期間中であってもマスターレッシーの意思で賃貸借契約を終了することが可能となるため、マスターレッシーから賃料収入が契約上の賃貸借期間の満了時まで確定されないこととなります。さらに、賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされるとの保証はありません。このような理由により、当該商業施設等の稼働率が低下した場合、当該商業施設等からの賃料収入が減少することになります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を賃貸借契約にて定めることで、賃貸借期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によってかかる条項の効力が否定され、又は解約ペナルティが減額される可能性がないとはいえません。
b.不動産等のマスターレッシー又は信用力及び賃料未払いに関するリスク
一般に、マスターレッシーの財務状況が悪化し、又はマスターレッシーが破産手続、会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、賃料の支払いが滞る可能性があるほか、修繕費をマスターレッシーが支弁するとの定めがある場合には、商業施設等の修繕がなされず、不動産の価値が低下するおそれもありえます。商業施設等の賃借に際しての敷金及び保証金の定めは様々であり、かかる敷金及び保証金をもって、延滞賃料等をすべて担保できるとの保証はなく、また、それを超える範囲において賃料等が延滞した場合、本投資法人はかかる延滞賃料等を収受できず、その収益が悪影響を受けるおそれがあります。また、マスターレッシーが倒産手続の対象となった場合には、解約制限の定めのある賃貸借契約であっても、倒産法に基づいて、管財人等により、賃貸借契約が解除されることがあります。本投資法人が投資対象とする商業施設等のマスターレッシーは原則としてイオングループ企業であるため、イオングループの財務状況が悪化し、又は破産手続、会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合には、本投資法人の収益が重大な悪影響を受ける可能性があります。
c.マスターレッシーによる賃料減額のリスク
商業施設等の賃貸借においては、当該施設等からの収益率や売上が低下し、あるいはマスターレッシーの財務内容が悪化した場合等には、賃貸人(本件では本投資法人又は信託受託者)とテナント(本件ではマスターレッシー)はその合意により、賃貸借契約の更新時か契約期間中かを問わず、テナント(マスターレッシー)が支払うべき賃料の減額に合意することがあります。本投資法人とテナント(マスターレッシー)との間で締結が予定されるマスターリース契約においても、一定期間、賃料は改定しないものと定めていますが、当該期間経過後は、賃料の改定が可能である旨定められる予定です。賃料の減額は、賃貸借契約の解約を回避するために任意の合意によりなされる場合のほか、テナント(マスターレッシー)が賃貸人(本投資法人又は信託受託者)に対し、借地借家法(平成3年法律第90号、その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を行使することによりなされることもありえます。本投資法人は、原則としてマスターリース契約の締結により固定賃料で運用資産をイオングループ企業に賃貸しますが、賃料減額がなされないとの保証はなく、当該商業施設等から収受する賃料が全体として減額となることもありえます。
d.テナント集中に関するリスク
イオングループが行うSC事業を含む商業施設の運営には、通常、広大な敷地を必要とし、また、広い面積を一度に賃借するマスターレッシーを誘致するには時間がかかることがあります。本投資法人の保有する商業施設では、イオングループ企業をマスターレッシーとして一棟全体を賃貸し、マスターレッシー自体が核テナントとして営業を行うほか、エンドテナントに転貸を行うことで、全体としてSC事業を行うことが想定されています。
そして、商業施設は、一般的には、建物の構造や立地条件その他により、当該不動産の用途を大きく変更することが困難であるのが通例です。このような場合に既存テナント(マスターレッシー)が退去したときは、その立地及び構造から代替テナントとなりうる商業施設事業者が少ないため、空室期間が長期化することや、代替テナント確保のために賃料水準を下げざるを得なくなることがあり、賃料収入が大きな影響を受ける可能性があります。本投資法人が保有する商業施設等は、核となる部分もモール部分も商業用途であり、またイオングループ企業をマスターレッシーとして、そのニーズに応じて構築されているため、仮にマスターレッシーが交代する場合に、代替となるマスターレッシーのニーズにあわせた大幅な用途変更が必ずしも容易でないため、既存のマスターレッシーの退去時に代替テナントの確保が困難となり、空室期間が長期化し、その結果、本投資法人の賃料収入に影響を与えることがあります。
さらに、当該マスターレッシーの資力、退去、利用状況等によっては、当該不動産等の収益が大きく影響を受けるおそれがあります。特に、かかるマスターレッシーが賃料の減額を要求する場合はもちろん、退去する場合には、一度に多額の資金の返還を余儀なくされ、かつ、大きな面積の空室が生じるため、一時的に当該不動産等の収益が急激に悪化することがあります。なお、イオングループ企業がマスターレッシーであるとしても、本投資法人は、市場実勢を踏まえた独立第三者基準での賃料等のマスターリースの条件設定を行っています。従って、マスターレッシーであるイオングループ企業との間においても賃料の増減額の交渉等は利害関係を離れた見地で妥結されます。そのため、保有不動産の賃料に係る市場実勢が低下した場合には、賃料の減額請求やマスターレッシーの退去等の可能性があり、その場合には、本投資法人の収益や財務内容は悪影響を受けることがあります。
本投資法人の保有物件に係るマスターレッシーは、原則としてイオングループ企業であり、マスターレッシーとして1つの企業グループに依存するため、イオングループの財務状況や業績が悪化した場合等には、本投資法人の保有する複数の不動産等においてテナント(マスターレッシー)から同時に減額の要求を受け、又は複数の不動産等のテナント(マスターレッシー)が同時に退去する可能性があり、その場合には、本投資法人の収益が重大な悪影響を受ける可能性があります。
e.変動賃料に関するリスク
本投資法人とマスターレッシーとのリース契約では、原則として、固定賃料となりますが、追加の変動賃料として、固定資産税及び都市計画税相当額が支払われるものとされます。この追加の変動賃料については、固定資産税及び都市計画税の変動に応じて、毎年見直しが行われます。
また、固定賃料に加えて、不動産等のマスターレッシーの収益等に応じた変動賃料の支払いを伴う賃貸条件での賃貸を行うことがないとは言えません。そのような変動賃料の場合、不動産等の収益等の減少が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)不動産の瑕疵及び契約不適合に関するリスク
不動産には権利、地盤地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があり、また当該不動産が通常有すべき性状を欠く状態又は当事者間の契約において通常若しくは特別に予定された品質や性状等を欠く状態(以下そのような状態を「契約不適合」といいます。)となっている可能性があります。かかる瑕疵又は契約不適合には、例えば、建物の構造、用いられる材質、地盤、特に土地に含有される有毒物質、地質の構造等に関する欠陥、瑕疵又は契約不適合等のほか、不動産には様々な法規制が適用されているため、法令上の規制違反の状態をもって瑕疵又は契約不適合とされることもあり得ます。また、建物の施工を請負った建設会社又はその下請業者において、建物が適正に施工されない場合があり得るほか、建築資材の強度・機能等の不具合や基準への不適合がないとの保証はありません。権利に関しては、不動産をめぐる権利義務関係の複雑性ゆえに、本投資法人が取得した権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明したりする可能性があります。これらの欠陥、瑕疵又は契約不適合等により、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
本資産運用会社が不動産等の選定・取得の判断を行うにあたっては、対象となる不動産等について専門業者からエンジニアリング・レポートを取得するとともに、原則として当該不動産等の売主から譲渡の時点における一定の表明及び保証を取得しています。しかし、これらの表明及び保証の内容が真実かつ正確である保証はありませんし、エンジニアリング・レポートで指摘されなかった事項や売主が表明及び保証した事項であっても、取得後に欠陥、瑕疵又は契約不適合等が判明する可能性もあります。なお、本投資法人は、不動産等の売主が表明及び保証を行わない場合や、不動産等の売主が瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負わない場合にも、当該不動産等を取得する可能性があります。その他、不動産等を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できないまま、当該不動産等を取得する可能性もあります。
本投資法人は不動産等を取得するにあたって、不動産登記簿を確認する等売主の所有権の帰属に関する調査を行いますが、不動産登記にいわゆる公信力がない一方で、実際の取引において売主の権利帰属を確実に知る方法が必ずしもあるとはいえないため、本投資法人の取得後に、売主が所有権者でなかったことが判明する可能性があります。また、本投資法人が取得した権利が第三者の権利の対象になっていることや第三者の権利を侵害していることが、本投資法人の取得後になって判明する可能性があります。
また、売主が表明及び保証を行った場合や、売主が瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負担した場合であっても、売主に対して、表明及び保証した事実が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任、瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を追及しようとしても、売主の損害賠償責任、瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任の責任額や負担期間が限定されていたり、売主がSPC(特別目的会社)である等売主の資力が不十分であったり、売主が解散等により存在しなくなっている等の事情により、実効性がない可能性があります。
(エ)PM会社に関するリスク
商業施設では、一般に、建物の保守管理を含めた不動産等の管理業務全般の成否が、商業施設の運営に精通するPM会社のノウハウ等に依拠することが多く、特に競争力を維持し向上させつつ商業施設自体の魅力を成長させるには、PM会社の業務遂行能力に大きく依存する傾向があります。従って、PM会社が業務の適切な遂行を怠る場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、PM会社が破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特別清算その他の倒産手続等により業務執行能力を喪失する場合においては、マスターレッシーから本投資法人に支払われるべき賃料の支払いが困難になり、また、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、投資主への金銭の分配に影響を与える可能性があります。とりわけ、SC事業を成功させるには非常に高度なノウハウが必要とされ、従って、SC事業の成否は、エンドテナントの選定も含め、PM会社の能力、経験、ノウハウに強く依拠することになります。本投資法人の場合、保有する商業施設等のPM業務をイオングループに委託することが適切と判断される場合には、PM業務をイオングループ企業に委託することを原則としています。しかしながら、PM会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持されるとの保証はありません。PM会社について業務の懈怠その他義務違反があった場合には、マスターレッシーが運営するSCの収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、PM会社とのプロパティ・マネジメント契約が終了あるいは解除された場合、代替する能力を持つPM会社が見つからない可能性、あるいは高額の費用負担が必要となる可能性があり、結果として商業施設の運営あるいは本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(オ)費用に関するリスク
不動産の維持管理には、経済状況によって、インフレーション、水道光熱費等の費用の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、租税公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。
なお、民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)による改正後の民法においては、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、若しくは賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当期間内に必要な修繕をしないとき、又は②急迫の事情がある場合、賃借人が修繕権を持つものとされています(民法第607条の2)。かかる修繕権を賃貸借契約上特約で排除していない場合、予期しない金額で賃借人が賃貸人のコントロールの及ばない修繕を行い、本投資法人が修繕費用の請求を受け、想定外の費用の増加をもたらす可能性があります。
(カ)専門家報告書等に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価額は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法若しくは時期によって鑑定評価額、調査価額の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在又は将来において当該鑑定評価額や調査価額により当該不動産の売買が可能であると保証又は約束するものではありません。
建物環境リスク評価書及び土壌汚染リスク評価書も、個々の調査会社が行った分析に基づく意見の表明であり、評価方法、調査の方法等によってリスク評価の内容が異なる可能性があります。また、かかる報告書は、専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、土壌汚染等の環境上の問題が存在しないことを保証又は約束するものではありません。
建物エンジニアリング・レポートについても、建物の状況及び構造に関して専門家が調査した結果を記載したものにすぎず、不動産に欠陥、瑕疵又は契約不適合が存在しないことを保証又は約束するものではありません(不動産の欠陥、瑕疵又は契約不適合に関するリスクについては、前記「③ 投資法人の運用資産:原資産である不動産特有のリスク/(ウ)不動産の瑕疵及び契約不適合に関するリスク」をご参照ください。)。また、各調査会社が試算した修繕費用は、あくまでも調査会社の意見であり、その内容の妥当性、正確性が保証されているものではありません。また、不動産に関して算出されるPML値は、個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
その他、不動産に関しては様々な専門家が国家又は民間団体の資格認定を受けて業務を遂行していますが、すべての専門家が常に過誤無くあらゆる業務を遂行できるとの保証はなく、当該専門家に対し、国土交通省住宅局建築指導課等より行政処分等が課される場合があります。本資産運用会社は、外部の資格を有する専門家の判断や報告に依拠して、本投資法人による資産取得を行いますが、その専門家の判断や報告が後に誤っていたとされるおそれがあり、その場合、本投資法人は重大な悪影響を受けるおそれがあります。
(キ)マーケットレポートへの依存に関するリスク
本投資法人は、商業施設等の取得や売却に際し、様々な情報を得て投資判断を行いますが、その際、第三者である専門家によるマーケットレポートでの分析を得て投資判断の材料とする場合があります。しかしながら、マーケットレポートは、第三者によるマーケット分析を示したもので、個々の調査会社の分析に基づく意見ないし判断であり、また、一定の前提に基づく、当該分析の時点での評価ないし意見に留まります。従って、そのレポートの内容が、本来存在する客観的な判断や正確な情報であるとの保証はなく、かつ、将来の想定が現実の結果と一致しないこともあります。加えて、同じ商業施設等の調査分析でも、調査分析を行う会社や専門家の相違により、あるいは分析方法や調査の方法と時期の相違により、マーケットレポートでの分析の結果が異なる可能性があります。特に商業施設や物流施設に関する情報は、オフィスビルや住宅に比較して、市場で入手可能なサンプル数が相対的に少ないため、投資判断に必要なすべての情報が網羅されているとの保証も、その正確性の保証もありません。
(ク)不動産の毀損・滅失・劣化に関するリスク
火災、地震、液状化、津波、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下併せて「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化若しくは毀損し、又は周辺環境の悪化等の間接被害を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化若しくは毀損した個所の修復又は建替えのために多額の費用を支出する必要性が生じる可能性に加え、一定期間建物の不稼働を余儀なくされ、又は建替え若しくは修繕が困難であること等により、賃料収入が減少し若しくは得られなくなり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、滅失、劣化又は若しくは毀損により当該不動産の価値が下落する可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で補填されない災害等が発生した場合、保険契約上災害等に伴う建物の不稼働について賃料補填がなされない場合又は保険契約に基づく保険会社による支払いがほかの何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
今後、本投資法人が物件を保有する地域において地震が発生する可能性は否定できず、その場合には、本投資法人が保有する物件が滅失、劣化又は毀損するおそれがあります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(ケ)取得・売却時の不動産流動性に関するリスク
一般に、不動産の有する特徴として、特に地理的位置の固定性、不動性(非移動性)、永続性(不変性)、個別性(非同質性、非代替性)等が挙げられます。また、前記の特性の他に、取引当事者の属性や取引動機等の取引事情等によってもその価格が影響される等の特性もあります。これらの特性のために、不動産は、国債・長期預金等の金融商品等に比べ一般的に流動性が相対的に低い資産として理解されています。そして、それぞれの不動産の個別性が強いため、売買において一定の時間と費用を要しますし、その時間や費用の見積もりが難しく、予想よりも多くの時間と費用が費やされ、その結果、不動産を取得若しくは売却できない可能性があります。さらに、不動産が共有物件又は区分所有物件である場合、土地と建物が別個の所有者に属する場合等、権利関係の態様が単純ではないことがあり、また、土地の使用に必要な土地所有者による貸与等の同意が想定どおりに取得できない等の可能性もあります。
経済環境や不動産需給関係の影響によって、取得を希望する物件を希望どおりの時期・条件で取得できず、又は売却を希望する物件を希望どおりの時期・条件で売却できない可能性もあります。これらの結果、本投資法人はその投資方針に従った運用ができず、本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
その他、不動産等を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できない場合、後日、このような不動産等を処分するときに事実上の障害が発生する可能性や、境界に関して紛争が発生し、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担等、これらの不動産等について予定外の費用や損失が発生する可能性があります。同様に、越境物や地中埋設物の存在により、不動産等の利用が制限されたり賃料に悪影響を与える可能性や、それらの除去費用等の追加負担が発生することで本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(コ)建築基準法等の既存不適格に関するリスク
建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際、原則としてこれらの規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の建替え等を行う場合には、現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致させる必要があり、そのため費用等追加的な負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。例えば、駐車場の付置義務のほか、不動産等を含む地域が現時点又は将来において、道路等の都市計画の対象となる場合には、建築制限が付されたり、敷地面積が減少したりする可能性があります。
(サ)共有物件に関するリスク
本投資法人が保有する不動産等が第三者との間で共有されている場合には、当該不動産等の持分を譲渡する場合における他の共有者の先買権又は優先交渉権、譲渡における一定の手続の履践等、共有者間で締結される協定書又は規約等による一定の制限に服する場合があります。
共有物の管理は、共有者間で別段の定めがある場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産等の管理について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
さらに、共有者は共有物の分割請求権を有するため(民法第256条)、共有者の請求により不動産等が分割される可能性があり、その場合の分割の方法によっては、本投資法人が金銭による価格賠償しか受けられない可能性があります。共有者間で不分割の合意(民法第256条)がある場合であっても、合意の有効期間が満了したり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります。また、共有者間で不分割の合意がある場合であっても、共有者について破産手続、会社更生手続又は民事再生手続が開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。
共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、他の共有者によるこれらの権利行使によって当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
共有者と共同して不動産等を第三者に賃貸している場合、賃貸借契約に基づく各共有者の権利が不可分債権とみなされ、当該賃貸借契約に基づく権利の全体が当該共有者の債権者等による差押等の対象となる可能性があります。また、共有物に係る賃貸借契約に基づく敷金返還債務が共有者間の不可分債務とみなされた場合には、本投資法人の持分に対応する部分のみならず、当該賃貸借契約に基づく敷金返還債務の全部について、本投資法人がマスターレッシーに対して債務を負担する可能性があります。
さらに、共有者は自己の持分を原則として自由に処分することができるため、本投資法人の意向に関わりなく不動産等の共有者が変更される可能性があります。
共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が影響を受ける場合があります。
(シ)区分所有建物に関するリスク
本投資法人が保有する不動産等が区分所有物件である場合には、管理規約が定められていない場合を除き、その管理及び運営は区分所有者間で定められる管理規約に服することに加えて、区分所有権を譲渡する場合における他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、譲渡における一定の手続の履践等、管理規約による一定の制限に服する場合があります。しかも、管理規約は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によって変更できるため(建物の区分所有等に関する法律第31条)、本投資法人が議決権の4分の3を有していない場合には、区分所有物件の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
また、区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができるため、他の区分所有者の意向に関わりなく区分所有者が変更される可能性があります。
他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、本投資法人が影響を受ける場合があります。
さらに本投資法人の意向に関わりなく、他の区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができ、他の区分所有者による使用収益の状況によって本投資法人が影響を受ける可能性があります。
これらの他にも、区分所有物件に特有の法律上又は事実上のリスクがあり得ます。
(ス)借地権等に関するリスク
本投資法人は、敷地利用権(土地の賃借権、転借権等)と借地権設定地上の建物に投資することがありますが、このような物件は、土地建物共に所有する場合に比べ、特有のリスクがあります。
まず、敷地利用権は、永久に存続するものではなく、定期借地権の場合は期限の到来により当然に消滅し、又は普通借地権の場合は期限の到来時に借地権設定者側が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当な事由がある場合には消滅します。また、借地権者側に地代不払等の債務不履行があれば解除により終了することもあります。借地権が消滅すれば、建物買取請求権が確保されている場合を除き、建物を取り壊して土地を返還しなければなりません。仮に、建物買取請求が認められても本投資法人が希望する価格で買い取られる保証はありません。
さらに、敷地が売却され、又は抵当権の実行により処分されることがありますが、この場合に、本投資法人が借地権について民法又は借地借家法等の法令に従い対抗要件を具備しておらず、又は競売等が先順位の対抗要件を具備した担保権の実行によるものである場合、本投資法人は、譲受人又は買受人に自己の借地権を主張できないこととなります。
また、借地権が土地の賃借権である場合には、これを取得し、又は譲渡する場合には、賃貸人の承諾が必要です。かかる承諾が速やかに得られる保証はなく、また、得られたとしても承諾料の支払を要求されることがあります。その結果、本投資法人が希望する時期及び条件で建物を処分することができないおそれがあります。また、本投資法人が借地権を取得するに際して保証金を差し入れた場合において、借地を明け渡す際に、敷地所有者の資力が保証金返還に足りないときは、保証金の全部又は一部の返還を受けられないおそれがあります。あるいは、敷地利用権の契約更新時に敷地の所有者へ更新料の支払いを余儀なくされることがあります。
なお、本投資法人が保有する不動産については原資産の土地の一部又は全部が借地となっているものがあります。
本投資法人は、商業施設等を取得するに際し、その建物の現所有者と敷地の所有者との間で設定される借地権につき対抗要件の有無を予め調査することとしていますが、一般的に、商業施設等の敷地は多数の土地所有者との間で敷地権が設定される場合があり、かかる敷地権や駐車場の一部につき対抗要件が具備されていない場合があります。今後、本投資法人が資産を取得する場合において、商業施設等の建物や駐車場の敷地利用権の一部につき、すべて対抗要件を具備しているとの保証はありません。この場合、当該敷地所有者につき破産手続等が開始され敷地が第三者に譲渡される等となったときに、当該商業施設等に係る敷地利用権を第三者に対抗できず、その結果、その敷地に係る利用権が制限され、代替利用地を確保する等の負担が発生し、さらには想定した商業施設等としての利用が困難となるおそれがあります。
(セ)仮換地及び保留地に関するリスク
a.仮換地に関するリスク
本投資法人は、土地区画整理法(昭和29年法律第119号、その後の改正を含みます。)に基づく土地区画整理事業において仮換地として指定されている土地を敷地とする商業施設等を信託不動産とする信託受益権の譲渡を受けることがあります。仮換地は将来の換地処分において換地と一致するとは限らないため、換地として当初想定していた土地と物理的に同一の土地に係る権利を最終的に取得できるという保証はありません。また、当該換地が従前地より狭いこともあるため、換地の使用価値又は資産価値が従前地のそれよりも小さいこともあります。
さらに、仮換地には従前地の権利関係の影響が及ぶため、仮換地を対象とした売買契約又は賃貸借契約等を締結しても、売主が従前地について実際には所有権を有しておらず、あるいは担保権を設定している等の事情があると、仮換地に係る権利取得に支障が生じることになります。同様に、従前地が共有状態にあった場合には、これを単独所有のものとして取得できる保証はないことになります。さらに、仮換地の取得時に従前地の権利関係に関する十分な情報を入手できないことも少なくありません。
また、換地処分の公告の日の翌日以降でなければ、仮換地に係る権利(所有権、賃借権等)についての登記をすることができないため、相当期間かかる権利の取得について第三者に対する対抗要件を具備することができない可能性があります。
なお、換地の所有権移転登記に伴い、(登記簿上の)譲渡人による買戻しの特約が登記されることがありますが、これは土地区画整理法の下で対象土地が一定期間、同法が想定する用途に使われることを確保する等の目的で転売等を制限するものと解されますから、本投資法人は、当該期間が経過するまで当該土地の処分について実質的に制限を受ける可能性があります。
b.保留地に関するリスク
本投資法人は、土地区画整理法に基づく土地区画整理事業において、施行者に対する同法第96条第1項に規定される保留地となることが予定されている土地を敷地とする商業施設等を信託不動産とする信託受益権の譲渡を受けることがあります。保留地予定地の所有権は、同法第86条第1項に規定される換地計画に当該土地が保留地として定められ、かかる換地計画に基づき同法第103条第1項に規定される換地処分がなされた場合に、かかる換地処分の公告があった日の翌日において、同法第104条第11項に基づき、土地区画整理事業の施行者が原始取得します。そのため、上記の換地処分がなされない限り、本投資法人は、保留地予定地の所有権を取得できません。また、保留地予定地は将来の換地処分において実際に保留地として指定される土地と一致するとは限らないため、想定していた保留地と物理的に同一の土地に係る所有権を最終的に取得できるという保証はありません。
さらに、換地処分の公告の日の翌日以降でなければ保留地に係る権利についての登記をすることができないため、相当期間かかる権利の取得について第三者に対する対抗要件を具備することができない可能性があります。
(ソ)底地物件に関するリスク
本投資法人は、第三者が賃借してその上に建物を所有している土地、いわゆる底地を取得することがあります。借地権は、定期借地権の場合は借地契約に定める期限の到来により当然に消滅し、普通借地権の場合には期限到来時に本投資法人が更新を拒絶しかつ本投資法人に更新を拒絶する正当事由がある場合に限り消滅します。借地権が消滅する場合、本投資法人は借地権者より時価での建物買取を請求される場合があります(借地借家法第13条、借地法第4条)。普通借地権の場合、借地権の期限到来時に更新拒絶につき前記正当事由が認められるか否かを本投資法人の物件取得時に正確に予測することは不可能であり、借地権者より時価での建物買取を請求される場合においても、買取価格が本投資法人の希望する価格以下である保証はありません。
また、借地権者の財務状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、借地契約に基づく土地の賃料の支払が滞る可能性があり、この延滞賃料の合計額が敷金及び保証金等で担保される範囲を超える場合は投資家に損害を与える可能性があります。借地契約では、多くの場合、賃料等の借地契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。賃料の改定により賃料が減額された場合、投資家に損害を与える可能性があります。借地権者は借地借家法第11条に基づく土地の借賃の減額請求をすることができ、これにより、当該底地から得られる賃料収入が減少し、投資家に損害を与える可能性があります。
(タ)有害物質又は放射能汚染等に関するリスク
本投資法人が取得した土地について産業廃棄物やダイオキシン等の有害物質が埋設されている場合、当該土地及び建物の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替や洗浄等が必要となって予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。この点に関連して、土壌汚染対策法に規定する特定有害物質に係る一定の施設を設置していた場合や、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康にかかる被害が生じる可能性があると認められる場合には、その土地の所有者、管理者又は占有者等は、かかる汚染の除去及び拡散の防止その他必要な措置を講じるよう命じられることがあります(土壌汚染対策法第7条)。このような場合に本投資法人に多額の負担が生じる可能性があります。もっとも、本投資法人は、かかる負担について、その原因となった者に対し費用償還を請求できる可能性がありますが、仮にかかる請求が可能な場合であっても、その者の財産状況が悪化しているような場合には、本投資法人の損害を回復することができない可能性があります。その結果、本投資法人が損害を受ける可能性があります。
また、本投資法人が取得した建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材等が使用されている場合若しくは使用されている可能性がある場合又はPCBが保管されている場合等には、状況によって当該建物及びその敷地の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、かかる有害物質を除去するために建材等の全面的又は部分的交換や保管・撤去費用等が必要となり、予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。
なお、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、不動産等の所有者は損害を賠償する義務を負う可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、原子力発電所の事故等により、不動産等又はその所在周辺地域において、放射能汚染又は風評被害が発生し、当該地域における社会的ないし経済的活動が阻害され、その結果、当該不動産等の収益性やその価値が大幅に減少する可能性があります。その他、原子力発電所の事故処理に長期間を要することとなる場合、当該不動産等の所在する地域だけでなく、不動産市場や金融市場、さらには日本経済全体も影響を受けることとなり、それがひいては本投資法人の収益等に悪影響をもたらす可能性があります。
(チ)不動産の所有者責任に関するリスク
本投資法人が保有する不動産等を原因として、第三者の生命、身体又は財産等を侵害した場合に、第一次的にはその占有者、そしてその占有者が損害の発生を防止するに必要な注意を行っていた場合には、その所有者が損害の賠償義務を負うため、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります(民法第717条)。
本投資法人が保有する不動産等に関しては、施設賠償責任保険等の保険契約が締結されており、今後本投資法人が取得する不動産に関しても原則として適切な保険を付保する予定ですが、不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、受領した保険金をもってしても原状復旧ができない場合、原状復旧に時間を要する場合又は保険契約に基づく支払いが保険会社により行われない又は支払いが遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
(ツ)マスターリースに関するリスク
マスターリース会社であるテナント(マスターレッシー)が信託受託者とマスターリース契約を締結した上で、各エンドテナントに対して転貸するマスターリースの形態をとった場合については、マスターレッシーの財務状況が悪化した場合、エンドテナントがマスターレッシーに賃料を支払ったとしても、マスターレッシーの債権者がマスターレッシーの転借人に対する賃料債権を差し押さえる等により、マスターレッシーから信託受託者への賃料の支払が滞る可能性があります。
(テ)将来における法令等の改正に関するリスク
消防法等その他不動産の建築・運営・管理に影響する関係法令や条例の改正等により、不動産等の管理費用等が増加する可能性があります。また、建築基準法、都市計画法、大規模小売店舗立地法等の行政法規の改正等、新たな法令等の制定及びその改廃、又は、収用、再開発、区画整理等の事業により、不動産等に関する権利が制限される可能性があります。さらに、エネルギーや温室効果ガス削減を目的とした法令、条例等の、将来環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、追加的な費用負担が発生したり、大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務、所有者としての無過失責任等が課されたりする可能性があります。
(ト)テナント(マスターレッシー)及びエンドテナントによる不動産の使用に基づく価値減損に関するリスク
テナント(マスターレッシー)及びエンドテナントによる不動産等の利用状況により、当該不動産等の法令等への適合性に問題が生じ、又は当該不動産等の資産価値や、本投資法人の収益に悪影響が及ぶ可能性があります。また、エンドテナントの属性によっては、運用資産である不動産等のテナント属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
なお、本投資法人は、かかるリスクを低減するため、エンドテナントの不動産等の利用状況の調査を行っておりますが、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ナ)売主の倒産等の影響に関するリスク
一般に、不動産等を売却した後に売主が倒産手続に入った場合、当該不動産等の売買又は売買についての対抗要件具備が当該売主の管財人により否認される可能性があります。また、財産状態が健全でない売主が不動産等を売却した場合、当該不動産等の売買が当該売主の債権者により詐害行為を理由に取消される可能性があります。
また、売買取引を担保付融資取引であると法的に性格付けることにより、依然としてその目的物が売主(又は倒産手続における管財人ないし財団)に属すると解される可能性があり、特に担保権の行使に対する制約が、破産手続等に比較して相対的に大きい会社更生手続においては深刻な問題となり得ます。とりわけ、本投資法人が取得対象とする商業施設等は、売主がイオングループとなる場合が多く、かつ、マスターレッシー及びエンドテナントによる不動産の使用に基づく価値減損に関するリスクも当該売主たるイオングループであることからしても、売買取引が担保付融資取引であると法的に性格付けられる可能性があります。
(ニ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、投資方針上、未稼働の不動産等を取得対象としていません。未稼働の段階で売買契約を締結する場合には、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。なお、本投資法人は、未稼働の不動産等の取得に関する売買契約を締結する場合には、当該物件が図面どおりに竣工されることを確保することを取得の条件とすること等により、これらのリスクの最小化を図る所存です。
(ヌ)資産の組入れ・譲渡等に関するリスク
本投資法人は、今後、本書に記載された資産以外の新たな資産の取得を決定し、あるいは物件の売却や交換の他、新たな資産取得又は譲渡に向けたその他の手法を利用する可能性があります。資産取得又は譲渡の決定は、本書提出から間もない時点で適時開示により公表される場合もありえます。
実際に物件取得を行う旨合意し適時開示を行った場合にも、内装工事や修繕、物件の特性、売主その他の権利者との協議の結果として、実際の引渡し・資産運用の開始までに一定期間を要することがあります。物件取得の合意から引渡しまでの間に、経済環境が著しく変動した場合等においては、当該資産を購入することができないおそれも否定できず、その結果、予定した収益を上げることが困難となるおそれがあります。
(ネ)フォワード・コミットメント等に関するリスク
本投資法人は、不動産等の取得にあたって、先日付での売買契約であって、契約締結日から1ヶ月以上経過した後に決済・物件引渡しを行うこととしているもの及びその他これに類する契約(以下「フォワード・コミットメント」といいます。)を締結することがあります。フォワード・コミットメントは、契約締結から決済までに一定の期間があることから、その間の経済環境の変化等により決済のための資金が調達できず、不動産等を取得できない可能性があります。また、本投資法人側の理由により物件の取得を中止した場合には、違約金や損害賠償義務等を負担する可能性もあります。これらの結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ノ)敷金・保証金の利用に関するリスク
商業施設においては、マスターレッシーが多額の敷金及び保証金を長期間にわたって無利息又は低利で賃貸人に預託することが多く、本投資法人は、これらの資金を運用資産の取得資金の一部として利用し、今後も利用することを想定しています。しかし、マスターレッシーとの交渉等により、本投資法人の想定よりもマスターレッシーからの敷金及び保証金の預託額が少なくなり、又は賃貸借契約の中途解約により、預託期間が短くなる可能性があります。この場合、必要な資金を借入れ等により調達せざるを得なくなり、その結果、本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。
(ハ)地球温暖化対策に係るリスク
現在、地球の自然環境の問題は世界的な問題となっており、そのため、本投資法人が投資を行う商業施設等においても、環境問題への関心は高まっており、本投資法人もその点の配慮は欠かせないと考えています。そのような環境下、我が国だけでなく、本投資法人が投資対象の1つと位置付けるアセアン地域や中国その他人口が増加傾向にある等中長期的に経済発展が見込める国・地域においても、現在及び将来において、法令や条約等により、地球温暖化対策として、一定の不動産等の所有者や利用者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあり、またその規制が今後さらに強化される可能性があります。これらの規制の結果、商業施設等のマスターレッシーやエンドテナントの事業が制約され又は費用等の負担が増す可能性があるほか、本投資法人の保有する建物の改修や施設拡充の負担につながるおそれもあります。これらの場合、本投資法人の収益は悪影響を受けるおそれがあります。
(ヒ)伝染病・疫病等の影響に関するリスク
近時、新型コロナウイルスによる感染症の世界的拡大が見られ、業務の停滞や経済活動への悪影響が生じています。本投資法人の保有資産である商業施設等は、集客数の減少等に伴い、収益に悪影響が生じる可能性があります。また、日本経済全体のみならず、世界経済の状況に鑑み、市場の株価全体が大きく悪影響を受けており、本投資口もその例外ではありません。今後の感染症の拡大や、その影響の長期化の懸念が広がる中、更に市場全体が悪影響を受けるおそれがあります。さらに、新型コロナウイルスによる感染症の拡大により、商業施設等への需要が減退し、それを受け、本投資法人保有の不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格が低下することがあります。その結果、本投資法人が保有する不動産等を売却するとした場合には想定した価格での売却ができず、損失を被ることがあるほか、売却しない場合にも、評価損を減損損失として損失処理することを余儀なくされるおそれがあります。
また、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号。その後の改正を含みます。)に基づく緊急事態宣言に従った対応が必要となった場合や、感染症の影響が長期化し又は本資産運用会社の役職員に感染者が発生した場合に備え、本資産運用会社の役職員において、在宅勤務やテレワーキングシステムを活用することがあり得ますが、これに適さない業務もあり、また、顧客やテナントにおける業務に支障が発生することもあり、したがって、質の高い業務をこれまでと同様に展開し得るとの保証はありません。本資産運用会社の業務が様々な形で停滞することで、本投資法人の業績に悪影響が出るおそれがあります。
④ 投資法人の運用資産:信託の受益権特有のリスク
本投資法人が、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、以下のような信託の受益権特有のリスクがあります。
なお、以下、2007年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号、その後の改正を含みます。)を「新信託法」といい、同日施行の信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号、その後の改正を含みます。以下「信託法整備法」といいます。)による改正前の信託法(大正11年法律第62号、その後の改正を含みます。)を「旧信託法」といい、信託契約に別段の定めがない限り、2007年9月30日より前に効力を生じた信託契約については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法整備法第2条)。
(ア)信託受益者として負うリスク
信託受益者とは信託の利益を享受するものですが、他方で、旧信託法の下では、受託者が信託事務の処理上発生した信託財産に関する租税、受託者の報酬、信託財産に瑕疵又は契約不適合があることを原因として第三者が損害を被った場合の賠償費用等の信託費用については、最終的に受益者が負担することになっています(旧信託法第36条第2項)。すなわち、信託受託者が信託財産としての不動産を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的にはすべて受益者に帰属することになります。従って、本投資法人が不動産、不動産の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を取得する場合には、信託財産に関する十分なデュー・ディリジェンスを実施し、保険金支払能力に優れる保険会社を保険者、受託者を被保険者とする損害保険を付保すること等、本投資法人自ら不動産を取得する場合と同等の注意をもって取得する必要があり、一旦不動産、不動産の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権を保有するに至った場合には、信託受託者を介して、原資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを受益者たる本投資法人が負担することになり、その結果、本投資法人の収益又は存続に悪影響を及ぼすおそれがあります。新信託法の下では、旧信託法第36条第2項が廃止され、原則として信託受益者がこのような責任を負うことはなくなりましたが、信託受益者と信託受託者の間で信託費用等に関し別途の合意をした場合には、当該合意に従い信託受益者に対し信託受託者から信託費用等の請求がなされることがあり(新信託法第48条第5項、第54条第4項)、その場合には同様に本投資法人の収益等に悪影響が生じる可能性があります。
(イ)信託受益権の流動性に関するリスク
投資法人が信託受益権を保有し、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分する場合には、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また、信託受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常です。さらに、不動産、不動産の賃借権又は地上権を信託する場合の信託受益権については金商法上の有価証券とみなされますが、譲渡に際しては債権譲渡と同様の譲渡方法によるため(新信託法第94条)、株券や社債券のような典型的な有価証券ほどの流動性があるわけではありません。また、信託受託者は原則として瑕疵担保責任又は契約不適合による担保責任を負っての信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
(ウ)信託受託者に関するリスク
a.信託受託者の破産・会社更生等に関するリスク
信託法上、受託者が倒産手続の対象となった場合に、信託財産が破産財団又は更生会社の財産その他受託者の固有財産に属するか否かに関しては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定、とりわけ信託財産の独立性という観点から、登記等の対抗要件を具備している限り、信託財産が受託者の破産財団又は更生会社の財産その他受託者の固有財産に帰属するリスクは極めて低いと判断されます。新信託法においては、信託財産は信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。但し、信託財産であることを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託された不動産に信託設定登記をする必要がありますので、不動産を信託する信託の受益権については、この信託設定登記がなされるものに限り本投資法人は取得する予定です。しかしながら、必ずこのような取扱いがなされるとの保証はありません。
b.信託受託者の債務負担に伴うリスク
信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、あるいは信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を財産とする本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。かかるリスクに備え、旧信託法及び新信託法は信託の本旨に反した信託財産の処分行為の取消権を受益者に認めていますが、本投資法人は、常にかかる権利の行使により損害を免れることができるとは限りません。
(エ)信託受益権の準共有等に関するリスク
信託受益権が準共有されている場合、単独で保有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。旧信託法の下では所有権以外の財産権の準共有については、所有権の共有に関する規定が可能な限り準用されます(民法第264条)。新信託法の下では信託受益者が複数の場合の意思決定の方法に関する明文規定があり(新信託法第105条以下)、信託受益権が準共有されている場合にもかかる規定の適用があるものと解されるため、所有権の共有に関する民法の規定に優先してかかる規定がまず適用されます。
旧信託法の下では、準共有者間で別段の定めをした場合を除き、準共有されている信託受益権の変更に当たる行為には準共有者全員の合意を要し(民法第251条)、変更に当たらない管理は、準共有者の準共有持分の過半数で決定する(民法第252条)ものと考えられます。従って、特に本投資法人が準共有持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
一方、新信託法の下では、信託契約において意思決定の方法が定められていない場合、一定の行為を除き、準共有者の全員一致によることになるものと解されます(新信託法第105条第1項本文)。この場合には、他の準共有者全員が承諾しない限り、当該不動産の管理及び運営についての信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができないこととなります。また、信託契約において別の意思決定の方法が定められている場合でも、当該方法が本投資法人の意向を反映するような形で定められているとは限らず、同様に信託受益者の指図に本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。
準共有持分の処分については、旧信託法及び新信託法いずれの下でも、準共有者は、信託受託者の承諾を得ることを条件として、自己の準共有持分を自己の判断で処分することができます。従って、本投資法人の意向に関わりなく他の準共有者が変更される可能性があります。準共有者の間において信託契約とは別の協定書等において、準共有者が準共有持分を処分する場合に他の準共有者に先買権若しくは優先交渉権を与え、又は一定の手続の履践義務等が課されることがあります。この場合は、本投資法人の知らない間に他の準共有者が変動するリスクは減少しますが、本投資法人がその準共有持分を処分する際に制約を受けることになります。
信託受益権の準共有者が信託受託者に対して有する信託交付金の請求権及び信託受託者に対して負担する信託費用等の支払義務は、別段の合意のない限り、準共有される財産に関する債権債務として不可分債権及び不可分債務であると一般的には解されています。従って、他の準共有者の債権者が当該準共有者の準共有持分の割合を超えて信託交付金請求権全部を差し押さえ、又は他の準共有者が信託受託者からの信託費用等の請求をその準共有持分の割合に応じて履行しない場合に、本投資法人が請求された全額を支払わざるを得なくなる可能性があります。不動産自体が共有されている場合と同様、これらの場合、本投資法人は、差し押さえられた信託交付金請求権のうち自己の準共有持分に応じた金額の支払や支払った信託費用等のうち他の準共有者の準共有持分に応じた金額の償還を当該他の準共有者に請求することができますが、当該他の準共有者の資力の如何によっては、支払又は償還を受けることができない可能性があります。
⑤ 匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行うことがあります。本投資法人が出資する匿名組合では、本投資法人の出資を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合や匿名組合に係る不動産等が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難な場合があります。また、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できる保証はありません。なお、かかる匿名組合出資持分への投資を行う場合にも、本投資法人は、税法上の導管性要件(後記「⑧税制等に関するリスク/(ア)配当等の額の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク」をご参照ください。)に抵触することなく保有する意向です。
⑥ 特定目的会社の優先出資証券への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、資産流動化法に基づく特定目的会社がその資産の2分の1を超える額を不動産等に投資することを目的とする場合、その優先出資証券への投資を行うことがあります。かかる優先出資証券への投資を行う場合にも、本投資法人は、税法上の導管性要件(後記「⑧ 税制等に関するリスク/(ア)配当等の額の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク」をご参照ください。)に抵触することなく保有する意向です。また、規約に基づき中長期の安定運用を目標としているため、取得した優先出資証券につき短期間でその売却を行うことは意図しておりません。但し、売却する方が本投資法人にとってより経済的な合理性があると判断される場合、その売却を行うことがあります。
しかしながら、優先出資証券については確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、従って売却を意図してもその売却が困難な場合があり、又は、予定より低い価額での売買を余儀なくされる可能性があります。また、特定目的会社の投資する不動産に関する収益が悪化した場合や当該不動産の価値が下落した場合又は特定目的会社の開発する不動産が予想した価格で売却できない場合、さらには導管体である特定目的会社において意図されない課税が生じた場合等には、当該特定目的会社の発行する優先出資証券に投資した本投資法人が当該優先出資証券より得られる運用益や分配される残余財産の減少等により損害を被るおそれがあります。また、優先出資証券の発行をした特定目的会社が自ら土地又は土地の賃借権を取得してその上に建物を建築する場合もあり、そのような場合には、前記「③ 投資法人の運用資産:原資産である不動産特有のリスク/(ニ)開発物件に関するリスク」に記載のリスクがあります。
⑦ 海外不動産等への投資に関するリスク
(ア)外国法人税額を負担することに関するリスク
本投資法人は海外不動産等への投資を行っており、投資先である現地において法人税等(以下「外国法人税」といいます。)を負担することとなります。投資法人が日本国外の不動産等への投資を行った場合に負担する外国法人税については、一般に、租税特別措置法の規定に基づき、投資法人が投資家へ支払う配当等の額に係る源泉所得税の額から控除(以下「外国税額の控除」といいます。)することが認められていますが、控除できる外国法人税額は当該源泉所得税の額が限度とされていますので、負担した外国法人税額のうち、外国税額の控除の規定により控除することができない金額が発生した場合には、投資主への分配金の額等がその分減少する可能性があります。
(イ)海外不動産等の保有に係る会計上・税務上の取扱いの相違に関するリスク
海外不動産等の保有に伴い計上される資産の区分、収益・費用の認識方法及び発生する外貨建取引の換算等に係る会計処理と税務上の取扱いの差異等により、過大な税負担が発生した場合には、後記「⑧ 税制等に関するリスク/(イ)過大な税負担等の発生により支払配当要件が満たされないリスク」における支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する事業年度については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ウ)外国為替についての会計処理に関するリスク
本投資法人は、海外不動産等への投資に関して外貨建ての取引を行う場合があります。そのような取引では外国為替相場の変動に係るリスクを有しており、外国為替相場の変動は本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。外国通貨に対して円高が進んだ場合、海外不動産等への投資に関して発生する外貨建て取引の円換算額が目減りし、本投資法人の当期純利益に対してマイナスの影響を与える可能性があります。
また、海外不動産等への投資に関して外貨建て資産及び負債が発生する場合には、それらの一部の項目は、財務諸表作成のために決算時の外国為替相場により円換算されます。これらの項目は、為替変動により本投資法人の当期純利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
(エ)海外不動産等への減損会計の適用に関するリスク
海外不動産等への投資についても、国内不動産と同様、固定資産の減損会計及び有価証券の減損会計の適用を受けます。減損会計の適用に関するリスクについては後記「⑧ 税制等に関するリスク/(コ)減損会計の適用に関するリスク」に記載のとおりです。なお、外国為替相場の変動が減損会計の適用により生ずる可能性のある減損損失に影響を及ぼす可能性があります。
(オ)海外不動産等の取得並びに管理及び運用に関するリスク
本投資法人は、2014年6月25日にイオンマレーシア社を信託受託者とする信託に係る権利を取得しており、マレーシアを含む日本国外に所在する不動産等を取得し保有する最初のJ-REITとなりました。また、本投資法人は、本書の日付現在、海外不動産保有法人を通じて海外不動産への投資を行っています。そして、将来的に、本投資法人は、日本国外で不動産等をさらに取得する可能性があります。
本資産運用会社は、日本国外における不動産等の取得並びに管理及び運用の経験は限定的であり、その結果、本投資法人は、日本国内における一般的な取扱いとの相違等により、本投資法人が保有し、又は将来投資する海外不動産等(海外不動産保有法人を通じた投資を含みます。以下本(オ)において同じです。)を取得し又は管理若しくは運用する上で予期せぬ問題に直面し、取得を実行できない、あるいは取得した日本国外の不動産等の管理上の問題を抱える可能性があります。
特に、マレーシア政府は、現地における経済的な側面において様々な形で実質的な管理をしているといえます。このため、マレーシアにおける本投資法人の資産の運用及び管理は、マレーシアにおける政治、法制度(政策の変更に起因する税法を含む各種の法令等の改正又はその解釈の変更を含みます。)、経済成長及びこれらに関連する要素に大きく左右され、影響を受ける可能性があります。また、一般に先進国よりも経済成長が大きいマレーシアその他の発展途上国において資産運用を行う場合、本投資法人は、予期せぬ経済成長の後退によって悪影響を受けやすく、また発展途上国のインフレーションは、急激に進行するおそれもあるため、その影響を受けやすいといえます。
本投資法人は、マレーシアにおいて本投資法人が行う資産の運用及び管理が、現地の適用法令に合致するものと考えています。しかしながら、マレーシアにおける政府当局や行政機関は、規制、政策その他許認可の付与に関し新たな手続を課し又は既存の規制の解釈変更を行う可能性があり、これにより、本投資法人がかかる規制や政策を確実に遵守するために、更なる支出及び対策を余儀なくされる可能性があります。また、許認可の取得が遅延する可能性もあり、この結果、本投資法人の収益に悪影響を及ぼすおそれがあります。さらに、将来行われる政府の政策が、マレーシアの経済状況に著しい影響を及ぼす可能性があり、地域や地方により経済政策の実施が多様化することで、保有する海外不動産等又はその裏付け資産が所在する地域の経済状況に著しい影響が及ぶ可能性があります。
本投資法人は、マレーシアその他日本国外に所在する海外不動産等への投資に対する政府の統制、外国為替規制、日本国外の海外不動産等への投資から生じる収益を日本国内に送金することができないリスク、マレーシアの経済情勢の悪化、地方の政治姿勢の変化、為替レートの変動、海外事業の人員配置及び経営の問題、複数の管轄権で課税されるリスク、地方のインフラ問題若しくは故障並びに交通の遅延及び遮断等のリスク等にさらされるおそれがあります。かかる国際的要因に伴う一般的なリスクが実現することによって、本投資法人は、その収益に悪影響を受ける可能性があります。さらに、本投資法人は、日本との文化的相違から、マレーシアその他海外における消費者の行動パターンの変化に適切に対応できない可能性があります。
さらに、日本とマレーシアその他海外不動産等の所在する国の関係が悪化した場合には、本投資法人の当該国での事業が制限又は禁止される可能性があります。本投資法人がこれらのリスクを適切に管理できない場合、当該リスクが、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、日本と隣国との間の関係の悪化により、日本国外に所在する不動産等の価値に悪影響が生じるおそれがあります。
また、海外不動産等が所在する国において、紛争等が生じ、現地の不動産等の価値が減損し、又は金融市場や経済環境が世界的に悪化するおそれがあります。
(カ)マレーシアにおけるリスク
前記「(オ)海外不動産等の取得並びに管理及び運用に関するリスク」に加えて、マレーシアについては、以下の特筆すべきリスクがあります。
a.強制的な収用に関するリスク
1960年マレーシア土地収用法(Land Acquisition Act 1960)に基づき、マレーシア行政機関は、①公共目的で必要となる場合、②行政機関の意見により、マレーシアの経済若しくはその一部の発展に有益とされる目的又は国民全体若しくは国民のある階層に有益とされる目的で、個人又は法人が必要とする場合、又は③鉱業に関する目的、住宅、農業、商業、工業若しくは娯楽に関する目的又はこれらの組み合わせにより必要となる場合のいずれかに該当するときは、全部か一部かを問わず、土地を収用する権限を有します。
マレーシアの不動産を強制的に収用した場合、付与される補償金は不動産の市場価値及びその他の要因に基づいて決定され、1960年マレーシア土地収用法及びその他の関連法令に規定される基準に基づき査定されますが、マレーシアの行政機関により決定される不動産の市場価値は、本投資法人が指名する独立不動産鑑定士が決定する市場価値を下回る可能性があります。また、マレーシア行政機関が、不動産の市場価値が低下した時点で、強制的に不動産を収用する場合、本投資法人に支払われる補償金は、本投資法人が投資対象とする不動産の対価の額又は帳簿上の価額を下回る可能性があり、その結果、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。店舗や事務所スペース、駐車スペース及び投資対象の不動産へのアクセス領域等の利用において重要な場所が強制的に収用された場合、それら不動産の収益及び市場価値が減少するおそれがあります。
b.管理変動相場制に関するリスク
マレーシア・リンギットは、管理変動相場制が採用されていますが、将来的にも管理変動相場制が維持されるとの保証はありません。
c.災害に関するリスク
本投資法人が取得を予定する日本国外の不動産等についても、災害等により損害を被る可能性があり、特にマレーシアの一部地域では洪水が起きやすく、大規模な不動産被害をもたらす大洪水が歴史的にも多く発生しています。さらに、テナントは、災害等に起因して、不動産を退去し、あるいは安価な賃借料を請求する可能性があり、その結果、本投資法人は、悪影響を受ける可能性があります。
本投資法人は、保有する海外不動産等の取得に際して自然災害リスク調査報告書を取得しているものの、それらが十分であるとの保証はなく、大規模災害が発生し、結果的に、本投資法人が悪影響を受ける可能性があります。
⑧ 税制等に関するリスク
(ア)配当等の額の損金算入に関する課税の特例の適用に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「配当等の額の損金算入要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い」に記載する配当等の額を損金に算入することが認められています。本投資法人は、かかる要件を満たすよう継続して努める予定ですが、今後、本投資法人の投資主の減少、分配金支払原資の不足、法律の改正その他の要因により配当等の額の損金算入要件のすべてを満たすことができない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い/② 投資法人の税務/(ア)配当等の額の損金算入」をご参照ください。
(イ)過大な税負担等の発生により支払配当要件が満たされないリスク
配当等の額の損金算入要件のうち、配当可能額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。従って、会計処理と税務上の取扱いの差異により、過大な税負担が発生した場合等には、会計上の税引後の利益を基礎とする分配可能金額が税引前の利益の90%以下となること等により、前記支払配当要件を満たすことが困難となる可能性があります。このような会計処理と税務上の取扱いの差異は、資産除去債務の計上、固定資産の償却方法、引当金の計上、外国子会社合算税制の適用等により発生する可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する事業年度については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ウ)税務調査等による更正のため追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違等により過年度の課税所得計算について税務否認等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配金の予想額の修正が必要となる場合があります。
(エ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、その規約における投資方針において、「特定不動産の割合」を100分の75以上とすること(規約第28条第5項)としています。本投資法人は、本書提出日現在において、前記内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができない可能性があります。
(オ)同族会社に該当するリスク
配当等の額の損金算入要件のうち、事業年度終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令に定めるもの(投資法人の投資主の一人及びこれと特殊の関係にある者等が、その投資法人の発行済投資口の総口数若しくは議決権の総数の100分の50を超える数を有する場合における当該投資法人をいいます。)に該当していないこととする要件については、本投資口が市場で流通することにより、本投資法人の意思にかかわらず、結果として満たされなくなるリスクがあります。かかる場合、配当等の額を損金算入することができなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額等に悪影響をもたらす可能性があります。
(カ)借入金に係る配当等の額の損金算入要件に関するリスク
配当等の額の損金算入要件のひとつに、借入れを行う場合には租税特別措置法に規定する機関投資家(以下本「⑧ 税制等に関するリスク」において「機関投資家」といいます。)のみから行うことという要件があります。従って、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入れを行わざるを得ない場合、借入れに係る債権が機関投資家以外の者に譲渡された場合、又は、保証金若しくは敷金等の全部若しくは一部がマスターレッシーからの借入金に該当すると解釈された場合においては、配当等の額の損金算入要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(キ)投資口を保有する投資主数に関するリスク
配当等の額の損金算入要件のひとつに、事業年度末において投資法人の投資口が機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主に保有される(機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる場合においては、配当等の額の損金算入要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ク)資金不足により計上された利益の全部を配当できないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入れ又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する必要があります。しかしながら、配当等の額の損金算入要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当等の額が租税特別措置法施行令に規定する配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ケ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他本投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈が変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益に悪影響をもたらす可能性があります。また、投資口に関する税制が変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(コ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日)及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日))が、適用されています。
「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用資産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、本投資法人は、海外の不動産に投資するに際して、海外不動産保有法人の発行済株式又は出資の総数又は総額の過半数を取得することを通じて行うことがありますが、当該株式又は出資は子会社株式又は関係会社株式並びにその他有価証券として取り扱われ、その評価及び会計処理については、金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号 企業会計審議会 平成11年1月22日)が適用されます。当該時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式又は関係会社株式並びにその他有価証券については、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額を行い、評価差額は当期の損失として処理(減損処理)しなければならないものとされており、減損処理された場合は、本投資法人の損益に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する事業年度については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額(後記「4 手数料等及び税金/(5)課税上の取扱い」をご参照下さい。)を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(サ)納税遅延に係る延滞税等の発生に関するリスク
本投資法人において納税義務が発生した場合に、納付原資の不足等の事情により納期限内に納税が完了しない可能性があります。この場合、遅延納付となった税額に対し遅延期間に応じ延滞税等が発生し、納税が発生した事業年度の投資家への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑨ その他
(ア)取得予定資産の組入れ又は譲渡予定資産の譲渡ができないリスク
本投資法人は、本書の日付現在保有する資産の運用のみを目的としているものではなく、ポートフォリオの質の向上、ひいては投資主価値の最大化に資するため、規約及び資産運用ガイドラインに基づき、新たな資産取得に向けた市場調査や情報の入手並びに資産譲渡の実現可能性の把握等に努めており、また、必要に応じ、資産取得又は資産譲渡の検討や関係者との協議を行っています。従って、今後、本投資法人の行う資産の運用において、本投資法人が本書の日付現在保有する資産以外の資産の取得、又はこれらの一部の譲渡を行うことがあり得ます。
また、本投資法人が資産の取得又は譲渡を決定し公表した後にも、受渡期日までの間に、経済環境の著しい変化等、若しくは、当該資産に係る譲渡契約等で定める条件等が成就しない場合や、売主側又は買主側で合意を遵守できない場合等には、かかる資産の取得又は譲渡が予定どおり行えないことがあり、さらには当該取得又は譲渡が遅延することがあり、投資家に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人が信託受益権として取得予定の資産については、本投資法人による取得に先立ち信託が為される場合がありますが、当該資産が信託されない可能性があり、この場合、当該資産の取得に係る契約の停止条件が成就しないこととなるため、本投資法人が当該資産を取得することができず、投資家に損害を与える可能性があり、又は当該資産を信託受益権化せずに現物不動産の状態で取得する可能性があります。
(イ)過去の収支状況が将来の本投資法人の収支状況と一致しないリスク
本投資法人が取得を予定する資産については、売主その他の関係者から当該資産の過去の収支状況に係る情報を入手することがあります。しかしながら、これらは、本投資法人の会計方針に沿った会計監査等の手続を経たものではなく、現所有者等から提供を受けたあくまでも参考としての情報にすぎません。契約形態が大きく異なる場合、比較可能性の低い情報となることがあります。また、当該情報は不完全であるおそれがあるほか、その正確性も担保されていない情報です。従って、本投資法人が、当該資産を取得した後に、適用ある会計原則に従ってそれらの収支を作成し監査済み財務諸表を作成した場合、当該監査済みの収支は上記情報に基づく収支とは大幅に異なるおそれがあります。
(2) リスクに対する管理体制
本投資法人は、前記に記載した各々のリスクに関し、本投資法人自らが投信法及び関連法規に定められた規則を遵守するとともに、本資産運用会社において適切な社内規程の整備を行い、併せて必要な組織体制を敷き、役職員に対する遵法精神を高めるための教育等の対策を講じています。
具体的な取り組みは、以下のとおりです。
(ア)投資法人について
本投資法人は、執行役員1名及び監督役員2名により構成される役員会により運営されています。役員会は3ヶ月に一度以上、必要に応じて随時開催され、法令及び本投資法人の「役員会規程」に定める決議事項の決議や本資産運用会社及び本投資法人の執行役員の業務の執行状況等の報告が行われます。これにより、本資産運用会社又はその利害関係人等から独立した地位にある監督役員が業務の執行状況を監督できる体制となっています。
また、監督役員は必要に応じて本資産運用会社及び資産保管会社等から本投資法人の業務及び財産の状況に関する報告を求め、又は必要な調査を行うことができるものとされます。
そして、本投資法人は、「内部者取引管理規程」を制定し、本投資法人の役員によるインサイダー取引の防止に努めています。同規程では、本投資法人の役員は、本投資口及び投資法人債について、一定の場合を除き売買等を行ってはならないものとされ、本投資法人の役員でなくなった後も1年間は、同規程の定めに従わなければならないものとされています。また、インサイダー情報の伝達についても原則禁止とされています。
(イ)資産運用会社について
本資産運用会社は、各種リスクを適切に管理するために、社内規程として「リスク管理規程」を制定し、重大なリスクが生じた場合には、遅滞なく取締役会に報告する旨定めています。
加えて、利益相反リスクに対しては、本投資法人の利益が害されることを防止するために、「利害関係者取引規程」を制定し、厳格な利益相反対応ルールを設定しています。
また、本資産運用会社は、コンプライアンスに関して、法令等遵守の徹底を図るため、「コンプライアンス規程」及び「コンプライアンス・マニュアル」を制定するとともに、具体的な法令等遵守を実現させるための実践計画である「コンプライアンス・プログラム」を策定し、これに従って法令等遵守の実践に努めます。
さらに、本資産運用会社は、業務の適正性の確保と効率的運営を図るため、「内部監査規程」を制定し、適切な自己点検制度の確立を図っています。
そして、本資産運用会社は、「内部者取引管理規程」を制定し、本資産運用会社の役員及び従業員その他当社の業務に従事するすべての者(以下「役職員等」といいます。)によるインサイダー取引の防止に努めています。同規程では、本資産運用会社の役職員等は、本投資口及び投資法人債について、一定の場合を除き売買等を行ってはならないものとされ、本資産運用会社の役職員等でなくなった後も1年間は、同規程の定めに従わなければならないものとされています。また、インサイダー情報の伝達についても原則禁止とされています。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに関する管理体制を整備していますが、このような体制が常に有効に機能する保証はありません。管理体制が有効に機能しないことによりリスクが顕在化した場合、本投資法人又は投資家に損失が生じるおそれがあります。

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