有価証券報告書-第33期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)
(1)経営方針
当社の社名ホーブ「HOB」は、「Horticultural Biotechnology(施設園芸の生命科学技術)」及び「Hokkaido Biotechnology(北海道の生命科学技術)」の2つのことから名付けられており、「研究室の中だけで行われていた組織培養のバイオテクノロジー技術を実際の農業の中で活かしていこう、そのバイオテクノロジー技術を活かすことで北海道の農業を活性化させる一助となろう」という想い、「バイオテクノロジー技術を北海道の大地に根付かせよう」というのが、当社の出発点でありました。
当社はバイオテクノロジー技術を使って苗を生産し、その苗を販売するということから、さらに収穫された果実を販売するところまで事業分野は広がっております。
当社グループは、農業を基盤とし農業に立脚しながらも、農業そのものを事業として行っていくのではなく、農業生産者と消費者をつなぐかけ橋となり、当社の有する種苗、技術、情報を積極的に提供していくことによって、農業の活性化に寄与していくことを事業の根幹としております。今後も、当社の原点「バイオテクノロジーをラボラトリーからフィールドへ」、そして「消費者とともに日本の農業を考え、農業活性化の一助を担う」心積もりを経営の根幹をなす経営理念として捉えていきたいと考えております。
(2)当社を取巻く環境
①国内農業の現状
国内農業については、依然として厳しい状況が続いております。農作物の価格は低落傾向にあり、原油価格の高騰は農業用資材コストに反映されることとなり、国内農業生産者の所得も減少しております。また後継者不足、高齢化が言われ、農業生産者の減少といった現状に直面しているものと認識しております。
一方、農産物の輸入自由化が進み、海外から様々な農産物が安価で入ってくるようになり、輸入量は増大し、国内農産物の自給率は依然として低いままで推移しております。
しかしながら、最近の食の問題から消費者の安全、安心志向は強まり、国産の農産物に対する消費者の関心は高まっており、より良いものあるいは安全、安心という付加価値農産物を作る動きもあります。また新規就農者や農業生産法人を積極的に設立する動きも増え、企業が農業ビジネスへ参入するなどの変化が生じております。
②業務用いちごの現状
いちごは、農業生産物の中では極めて付加価値の高い作物と言われております。しかし、いちごは高い鮮度が要求され、衝撃、高温等の環境変化に弱いため、輸送や長期保存が難しい農業生産物であります。
現在、業務用いちごは、概ね12月から5月頃までは栃木県や福岡県を中心とした一季成性いちご※1が中心となっております。また6月から11月まではアメリカ産輸入いちごが大部分を占めており、2018年の輸入量は約3.2千トン(大部分が6月から11月までの6か月間に輸入される)であります。
アメリカ産輸入いちごは、一般に、国産に比べ食味、食感に大きく劣ると言われており、果皮が硬く、輸送性が高いため、国産いちごの供給量が少ない夏から秋にかけて、業務用として国内に入ってきております。
※1 いちごには、花芽分化形成(花となる芽のもとが作られること)に一定の条件を必要とする一季成性いちごと条件を必要としない四季成性いちごがあります。一般に知られているいちごの多くは一季成性いちごであり(とちおとめ等)、一定の条件(夜の長さが12時間以上となる日が連続する短日条件と温度の低下という低温条件)が整ってはじめて花芽が形成され、果実ができます。
(3)当社グループの対処すべき課題
①いちご果実・青果事業における収益拡大
当社は、夏秋期において自社いちご品種「ペチカほのか」「ペチカエバー」を中心に販売しております。
「ペチカほのか」は、2016年より本格的に生産が始まり、北海道で生産されたものを商品名「夏瑞/なつみずき」として販売しております。本品種は、これまでの夏秋いちごには存在しなかった、生食用としての市場を展開できる食味の良さが最大の特長であります。販売開始以来、生食用に加え、業務用としても販売先数が着実に増加し、年々その認知度は広がってきているものと認識しております。当社は引続きこの特長を活かし、「夏瑞/なつみずき」のブランド構築、販売拡大に努めてまいります。
「ペチカエバー」は商品名を「コア」とし、2017年より本格的に生産を開始しております。本品種は収量性及び秀品率の高さが特長で、業務用として最適の品種であります。当社はこの特長を活かし、夏秋期の安定的な果実の供給に努めてまいります。
今後はこの2品種を展開することで、夏秋期におけるいちご果実のさらなる収益確保に繋げてまいります。
また、促成いちご販売時期においては、適正な数量の仕入、及び品質向上に向けた仕入体制をより一層強化し、利益の改善を図ります。さらに、顧客への配送の効率化を図ることで運送費を削減し、事業全体としての利益の確保に努めます。
②種苗事業の収益拡大
これまで夏秋期に生産されるいちごは主に業務用として使用され、冬春期のように生食用の市場はほとんどなく、また生食用に適する品種は存在しませんでした。「ペチカほのか」はこれまでの夏秋いちごにはない食味の良さを有していることから、生食用を主体とした産地展開を図ります。加えて、収量性及び秀品率の高い「ペチカエバー」を業務用の産地に展開することで、種苗事業の収益拡大に努めてまいります。
③馬鈴薯事業における利益の改善
馬鈴薯事業においては、種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売を行っております。当社が国内販売権を有している海外オリジナル品種は、国内の一般品種とは異なる食味や色、加工適性といった特長を持っていることから、この海外オリジナル品種の販売を強化し、また、適正な数量の仕入管理を行うことで利益改善に努めます。
④運送事業の収益の維持向上
運送事業を行う子会社「株式会社エス・ロジスティックス」は、営業基盤を関東圏に特化し、事業を展開してまいりました。今後は、人員確保に努め、自社配送を強化いたします。さらに、提携業者配送を効率的に運用することに加え、新規荷主からの運送受託に向けた営業をより一層強化して、収益の維持向上を図ります。
⑤人材の育成について
当社の事業は、農業に密接に関わっております。当社では、いちご果実の生産指導を生産者に対して行っていることから、机上の学習だけでは得ることができない経験を通じて学んでいくことが重要であります。特に近年は、気象条件などの自然環境が変化してきており、その影響を軽減するためのノウハウや技術を社内で共有・継承していくために、今後も優秀な人材の育成に努める方針であります。
当社の社名ホーブ「HOB」は、「Horticultural Biotechnology(施設園芸の生命科学技術)」及び「Hokkaido Biotechnology(北海道の生命科学技術)」の2つのことから名付けられており、「研究室の中だけで行われていた組織培養のバイオテクノロジー技術を実際の農業の中で活かしていこう、そのバイオテクノロジー技術を活かすことで北海道の農業を活性化させる一助となろう」という想い、「バイオテクノロジー技術を北海道の大地に根付かせよう」というのが、当社の出発点でありました。
当社はバイオテクノロジー技術を使って苗を生産し、その苗を販売するということから、さらに収穫された果実を販売するところまで事業分野は広がっております。
当社グループは、農業を基盤とし農業に立脚しながらも、農業そのものを事業として行っていくのではなく、農業生産者と消費者をつなぐかけ橋となり、当社の有する種苗、技術、情報を積極的に提供していくことによって、農業の活性化に寄与していくことを事業の根幹としております。今後も、当社の原点「バイオテクノロジーをラボラトリーからフィールドへ」、そして「消費者とともに日本の農業を考え、農業活性化の一助を担う」心積もりを経営の根幹をなす経営理念として捉えていきたいと考えております。
(2)当社を取巻く環境
①国内農業の現状
国内農業については、依然として厳しい状況が続いております。農作物の価格は低落傾向にあり、原油価格の高騰は農業用資材コストに反映されることとなり、国内農業生産者の所得も減少しております。また後継者不足、高齢化が言われ、農業生産者の減少といった現状に直面しているものと認識しております。
一方、農産物の輸入自由化が進み、海外から様々な農産物が安価で入ってくるようになり、輸入量は増大し、国内農産物の自給率は依然として低いままで推移しております。
しかしながら、最近の食の問題から消費者の安全、安心志向は強まり、国産の農産物に対する消費者の関心は高まっており、より良いものあるいは安全、安心という付加価値農産物を作る動きもあります。また新規就農者や農業生産法人を積極的に設立する動きも増え、企業が農業ビジネスへ参入するなどの変化が生じております。
②業務用いちごの現状
いちごは、農業生産物の中では極めて付加価値の高い作物と言われております。しかし、いちごは高い鮮度が要求され、衝撃、高温等の環境変化に弱いため、輸送や長期保存が難しい農業生産物であります。
現在、業務用いちごは、概ね12月から5月頃までは栃木県や福岡県を中心とした一季成性いちご※1が中心となっております。また6月から11月まではアメリカ産輸入いちごが大部分を占めており、2018年の輸入量は約3.2千トン(大部分が6月から11月までの6か月間に輸入される)であります。
アメリカ産輸入いちごは、一般に、国産に比べ食味、食感に大きく劣ると言われており、果皮が硬く、輸送性が高いため、国産いちごの供給量が少ない夏から秋にかけて、業務用として国内に入ってきております。
※1 いちごには、花芽分化形成(花となる芽のもとが作られること)に一定の条件を必要とする一季成性いちごと条件を必要としない四季成性いちごがあります。一般に知られているいちごの多くは一季成性いちごであり(とちおとめ等)、一定の条件(夜の長さが12時間以上となる日が連続する短日条件と温度の低下という低温条件)が整ってはじめて花芽が形成され、果実ができます。
(3)当社グループの対処すべき課題
①いちご果実・青果事業における収益拡大
当社は、夏秋期において自社いちご品種「ペチカほのか」「ペチカエバー」を中心に販売しております。
「ペチカほのか」は、2016年より本格的に生産が始まり、北海道で生産されたものを商品名「夏瑞/なつみずき」として販売しております。本品種は、これまでの夏秋いちごには存在しなかった、生食用としての市場を展開できる食味の良さが最大の特長であります。販売開始以来、生食用に加え、業務用としても販売先数が着実に増加し、年々その認知度は広がってきているものと認識しております。当社は引続きこの特長を活かし、「夏瑞/なつみずき」のブランド構築、販売拡大に努めてまいります。
「ペチカエバー」は商品名を「コア」とし、2017年より本格的に生産を開始しております。本品種は収量性及び秀品率の高さが特長で、業務用として最適の品種であります。当社はこの特長を活かし、夏秋期の安定的な果実の供給に努めてまいります。
今後はこの2品種を展開することで、夏秋期におけるいちご果実のさらなる収益確保に繋げてまいります。
また、促成いちご販売時期においては、適正な数量の仕入、及び品質向上に向けた仕入体制をより一層強化し、利益の改善を図ります。さらに、顧客への配送の効率化を図ることで運送費を削減し、事業全体としての利益の確保に努めます。
②種苗事業の収益拡大
これまで夏秋期に生産されるいちごは主に業務用として使用され、冬春期のように生食用の市場はほとんどなく、また生食用に適する品種は存在しませんでした。「ペチカほのか」はこれまでの夏秋いちごにはない食味の良さを有していることから、生食用を主体とした産地展開を図ります。加えて、収量性及び秀品率の高い「ペチカエバー」を業務用の産地に展開することで、種苗事業の収益拡大に努めてまいります。
③馬鈴薯事業における利益の改善
馬鈴薯事業においては、種馬鈴薯の生産販売及び仕入販売と、青果馬鈴薯の仕入販売を行っております。当社が国内販売権を有している海外オリジナル品種は、国内の一般品種とは異なる食味や色、加工適性といった特長を持っていることから、この海外オリジナル品種の販売を強化し、また、適正な数量の仕入管理を行うことで利益改善に努めます。
④運送事業の収益の維持向上
運送事業を行う子会社「株式会社エス・ロジスティックス」は、営業基盤を関東圏に特化し、事業を展開してまいりました。今後は、人員確保に努め、自社配送を強化いたします。さらに、提携業者配送を効率的に運用することに加え、新規荷主からの運送受託に向けた営業をより一層強化して、収益の維持向上を図ります。
⑤人材の育成について
当社の事業は、農業に密接に関わっております。当社では、いちご果実の生産指導を生産者に対して行っていることから、机上の学習だけでは得ることができない経験を通じて学んでいくことが重要であります。特に近年は、気象条件などの自然環境が変化してきており、その影響を軽減するためのノウハウや技術を社内で共有・継承していくために、今後も優秀な人材の育成に努める方針であります。