臨時報告書

【提出】
2022/04/21 15:30
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主である中央魚類株式会社(以下「中央魚類」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、2022年4月21日開催の取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本株式売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2022年4月21日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号中央魚類株式会社
本店の所在地東京都江東区豊洲6丁目6番2号
代表者の氏名代表取締役会長 伊藤 裕康

(3)当該通知の内容
当社は、2022年4月21日付で、中央魚類より、当社の特別支配株主として、当社の株主(中央魚類及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」といいます。)の全てを中央魚類に売り渡すことの請求を行う旨の通知を受けました。当該通知の内容は、以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)
中央魚類は、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。)として、その所有する本売渡株式1株につき1,220円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2022年5月23日
⑤ 本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
中央魚類は、本株式売渡対価の全てを、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)を貸付人とし、当該貸付人との間で2022年4月13日付で締結した当座貸越(専用口座)約定書(コミットメントライン契約用)に基づく借入れを原資として支払うことを予定しております。
⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本株式売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。ただし、当該方法により本株式売渡対価の交付ができなかった本売渡株主については、当社の本店所在地にて、中央魚類が指定した方法により、本株式売渡対価を交付するものとします。
2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2022年4月21日
(2)当該決定がされた年月日
2022年4月21日
(3)当該決定の内容
中央魚類からの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った経緯
本株式売渡請求は、中央魚類が2022年3月1日から2022年4月12日まで実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関して当社が提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、中央魚類が当社株式の全て(ただし、中央魚類が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を中央魚類の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本株式売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下のとおり判断し、2022年2月28日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
(ⅰ)中央魚類からの提案及び検討体制の構築の経緯
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2021年12月6日、中央魚類から本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の初期的提案書を受領したことを契機として、2021年12月24日に、本取引に関して、中央魚類、当社及び日本水産株式会社(以下「日本水産」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、中央魚類、当社及び日本水産から独立したリーガル・アドバイザーとして丸の内中央法律事務所をそれぞれ選任し、2021年12月24日に中央魚類からの提案を本格的に検討する旨の返答をいたしました。そして、当社は、当社が中央魚類の連結子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、丸の内中央法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、中央魚類から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、2021年12月中旬から当社の独立社外取締役及び外部有識者から構成される特別委員会の設置に向けた準備を進めました。その上で、2021年12月24日開催の取締役会における決議により、佐藤理一氏(当社独立社外取締役)、笹生勝則氏(当社独立社外監査役)、長尾亮氏(弁護士、丸の内南法律事務所)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本公開買付けが当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引に係る手続の公正性、(ⅲ)本取引に係る取引条件の公正性・妥当性、(ⅳ)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非及び(ⅴ)本取引を行うこと(本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は当社の少数株主にとって不利益ではないか(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。加えて、当社取締役会は、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当ではないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすること、本特別委員会に対して、本取引に係る公開買付けにおける買付け等の価格その他の取引条件等について中央魚類と交渉を行う権限を付与すること等を決議しております(当該取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。)。また、当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである丸の内中央法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。さらに、当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」及び「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、中央魚類から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、2021年12月6日、中央魚類から本取引に関する協議を開始したい旨の意向を受けたことを契機として、2021年12月24日に、本取引に関して、中央魚類、当社及び日本水産から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を、中央魚類、当社及び日本水産から独立したリーガル・アドバイザーとして丸の内中央法律事務所をそれぞれ選任し、2021年12月24日に中央魚類からの提案を本格的に検討する旨の返答をいたしました。その後、当社は、SMBC日興証券から当社株式の価値算定に関する説明及び中央魚類との交渉方針に関する助言を受けるとともに、丸の内中央法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
具体的には、当社は、中央魚類によるデュー・ディリジェンスの結果、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けのうち完全子会社化を目的とした事例において買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)による当社株式の初期的な価値評価分析を踏まえた取引条件の検討結果及び価格交渉方針等を総合的に勘案した価格として、2022年2月9日、中央魚類より、本公開買付価格を1,050円とする提案を受領しました。具体的には、初回提案価格1,050円は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の初期的な価値評価分析結果のうち、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)のレンジの範囲内であることに加え、2014年以降の過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けのうち完全子会社化を目的とした公開買付けの事例(全273件)において買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアム(公表日の前営業日を基準日として、基準日から直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムの平均値を各年度毎に算出)が概ね30%~50%であるのに対し、初回提案価格1,050円は、初回提案日である2022年2月9日の当社株式の終値842円に対して24.70%(小数点以下第三位四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同じです。)のプレミアムにとどまるものの、プレミアムの存在は市場での取引価格を超える価格であることを示すものであるため、当社株主からの本公開買付けに対する応募が相応に見込める水準と判断したとのことです。また、2021年11月下旬に日本水産から過去類似案件と比して遜色ないプレミアム水準であることを前提に応募を前向きに検討する旨の回答は得ていたものの、過去類似案件の定義や具体的な価格水準について日本水産から明示があったわけではなかったことから、中央魚類の立場としては、当社及び日本水産と30%程度のプレミアムでの価格合意を志向していたところ、当社との交渉においては当社より価格引き上げの要請を受ける可能性も一定程度想定されたことから、初回提案価格1,050円は、その後の当社及び日本水産との交渉の観点からも合理的な水準と判断したとのことです。中央魚類からの提案に対し、2022年2月14日、当社は、市場株価の動向、当社の業績内容、当社の第三者算定機関であるSMBC日興証券による試算等を参考に検討した結果、特別委員会での検討も踏まえると、中央魚類からの提案価格1,050円は当社として少数株主に対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断し、本公開買付価格を1,320円とするように要請いたしました。2022年2月16日、中央魚類は、当社からかかる要請があったことに加え、日本水産との価格交渉(なお、日本水産との交渉経緯は本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)を開始するにあたり、2021年11月下旬の日本水産からの回答(過去類似案件と比して遜色ないプレミアム水準であることを前提に本公開買付けに応募することを前向きに検討する旨の回答。)を改めて踏まえることとしたため、上述の初回価格提案時に参照した類似事例のプレミアム水準30%~50%も参照し、当社に対して本公開買付価格を1,200円(再提案実施日の前営業日である2022年2月15日の終値に対して46.34%、直近1ヶ月平均1ヶ月間の終値の単純平均値に対して43.88%、直近3ヶ月平均3ヶ月間の終値の単純平均値に対して39.70%、直近6ヶ月平均6ヶ月間の終値の単純平均値に対して33.48%のプレミアム)とする再提案を行い、かかる提案に対して、当社は、2022年2月18日、市場株価の動向、当社の業績内容、当社の第三者算定機関であるSMBC日興証券による試算及び過去の親会社による上場子会社の完全子会社化事例におけるプレミアム水準等を参考に検討した結果、特別委員会での検討も踏まえると、依然として少数株主に対して賛同表明を決議できる水準ではなく、少数株主をはじめとしたステークホルダーの皆様より幅広い理解と賛同を得たうえで、本取引実行を安定的に進めるためにも、本公開買付価格を1,260円で検討するように再要請をいたしました。その後、2022年2月22日、中央魚類は、当社及び並行して協議を進めていた日本水産からの要請を踏まえ、過去の発行者以外の者による株券等の公開買付けのうち親会社による上場子会社の完全子会社化を前提とした公開買付けの事例において買付け等の価格決定の際に付与されたプレミアムの実例(2020年1月以降に公表された親会社による上場子会社の完全子会社化を前提とした公開買付け事例23件。当該事例のプレミアムの平均値は、公表日の前営業日の終値対比:45.1%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値対比:46.9%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値対比:45.0%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値対比:42.0%)も考慮したうえで、当社に対して本公開買付価格を1,220円(再提案実施日の前営業日である2022年2月21日の終値に対して49.33%、直近1ヶ月平均1ヶ月間の終値の単純平均値に対して46.46%、直近3ヶ月平均3ヶ月間の終値の単純平均値に対して43.19%、直近6ヶ月平均6ヶ月間の終値の単純平均値に対して36.31%のプレミアム)とする提案を行い、かかる提案に対し、2022年2月24日、当社より中央魚類からの提案を受諾する旨の回答を行ったことで、中央魚類との間で本公開買付価格を1,220円とすることについて合意に至りました。
(ⅲ)当社の意思決定の内容
以上の経緯のもとで、当社は、2022年2月28日開催の当社取締役会において、丸の内中央法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた助言及び2022年2月25日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かについて、慎重に検討・協議を行いました。
当社としては、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループが属する水産及び冷蔵倉庫業界においては、(ⅰ)天然水産物の漁獲量の減少、(ⅱ)国際的な水産物の需要の高まりによる買付競争の激化、(ⅲ)卸売市場外における水産物流通の多様化、(ⅳ)ライフスタイルの変化、環境規制の強化等による冷蔵倉庫における投資負担の増加等、厳しい状況が続くものと予想されるところ、中央魚類が当社を完全子会社とすることで、これまで中央魚類と当社が親子上場の関係であるために制約のあったグループ各社の経営資源の相互活用を進め、更なるグループ各社の連携強化や、中長期的な視点での経営戦略の実行を推進することが当社グループの成長にとっても望ましいと考えております。
特に、当社を含めた中央魚類グループ全体のサプライチェーンにおける新たな収益機会に対して、グループ全体の経営資源を柔軟に投入することや重複機能の集約を通じてグループ共通利益の最大化を追求していく方針ですが、かかる戦略の遂行に際しては、有形無形の経営資源(情報・ノウハウ、人材、資金等)を供する会社と利益が創出される会社が必ずしも一致するわけではないため、当社が上場会社として少数株主を抱えている状態では、中央魚類が保有する経営資源を当社に供与することで当社の企業価値向上につなげようとした場合、利益の相当部分が当社の少数株主へ流出してしまうことや、中央魚類としてもかかる経営資源を供与する経済合理性を認めづらいこと、また、当社の経営資源を中央魚類に供与する場合にも、同様の問題が生じて当社の少数株主の利益に資さない可能性もあることから、これまで同戦略を推進することは憚られてきました。しかしながら、今後上記(ⅰ)~(ⅳ)の厳しい競争に勝ち抜き、当社を含めた中央魚類グループの中長期的な企業価値向上のためには、当社が中央魚類の完全子会社となることで、潜在的な利益相反構造や100%資本関係のあるグループ会社と比して存在する経営資源(情報・ノウハウ、人材、資金等)の相互活用の制約、両社の投資負担と利益分配の問題を解消し、機動的な意思決定を可能とするグループ体制やグループのサプライチェーンを再構築することでグループ最適を実現し、中央魚類グループと一体となって共通利益・シナジーの創造を徹底的に追求することが必要であると考え、当社は、2022年2月28日、本取引が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
① 中央魚類グループの経営資源・ノウハウの活用や人的交流を通じた競争力の強化
上場会社である当社の独立性維持の観点から、経営資源・ノウハウの共有や人的交流に関して存在していた一定の制約が解消されることで、当社において中央魚類グループの経営資源・ノウハウの更なる活用や一層の人的交流を可能にします。
中央魚類グループとの一体的な運営を通じて物流機能をはじめとしたサプライチェーンの強化効率化を図ることで当社の競争力が強化されると考えております。
② 当社における経営効率の改善
上場会社である当社の独立性維持の観点から、これまで推進が困難であった人材配置の最適化やコーポレート機能の統合等を通じた合理化を行うことで、当社における経営効率の改善が可能になると考えております。
③ 迅速かつ柔軟性の高い意思決定の実現
当社が中央魚類グループの上場子会社である現状においては、当社の支配株主である中央魚類と当社の一般株主の間には潜在的な利益相反の関係があると考えられるため、当社の意思決定に際しては、当社の一般株主の利益に配慮すべく慎重な判断が求められる等、当社を含む中央魚類グループとしての利益最大化のための経営上の意思決定を迅速かつ柔軟に行う事が困難な場合がございました。当社は、本取引を通じて、中央魚類の完全子会社となることで、中央魚類と当社の少数株主の間の潜在的な利益相反構造を回避することで、当社と中央魚類グループとの連携を一層強化し、中長期的な企業価値向上に向けた経営戦略の遂行に際して迅速かつ柔軟な意思決定が可能になると考えております。
④ 上場維持コストの負担軽減
当社が中央魚類の完全子会社となり、当社株式が上場廃止されることで、年間上場料金等の固定的なコストを削減することが可能です。
また、当社が中央魚類グループの上場子会社として上場維持するための体制や業務負担は、近年の新市場区分における上場維持基準への適合対応及び改訂されたコーポレートガバナンス・コード等に対応するために、年々増大しております。当社が中央魚類の完全子会社となり、非公開化することによって、これらのコスト及び業務負担を軽減できると考えております。
さらに、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)の市場再編に伴い、新市場区分であるスタンダード市場の上場維持基準として、流通株式比率25%以上の基準が設けられている一方、流通株式に該当しない主な当社株式として、中央魚類が当社株式の55.15%、当社の第二位株主である日本水産が当社株式の27.80%を所有していることにより、2021年3月31日時点の流通株式比率が16.3%である現状を踏まえると、当該基準への抵触により当社株式は上場廃止となる可能性があり、本取引を行うことによって、当社の一般株主の皆様に当社株式の上場廃止に伴う不利益が生じることを回避しつつ、当社株式の売却機会を提供することが、当社の一般株主の皆様にとっての合理的な選択肢であると考えております。なお、上場廃止に伴い当社は資本市場から資金調達を行うことができなくなりますが、貸付も含めて中央魚類が支援できること及び中央魚類の完全子会社であることから上場廃止後も信用面に懸念はないと想定され、融資等への影響も軽微と考えられることから、当社の資金調達面に関する上場廃止の影響は限定的と考えております。
また、当社は、以下(ⅰ)から(ⅴ)の点から本公開買付価格である1株当たり1,220円は当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ⅰ)本公開買付価格(1,220円)が、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されているSMBC日興証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法の算定結果の上限値を上回るとともに、類似上場会社比較法による算定結果の上限に近似しており、さらにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内であること。
(ⅱ)本公開買付価格である1,220円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年2月25日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値841円に対して45.07%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間の終値の単純平均値835円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値について同じです。)に対して46.11%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値の単純平均値848円に対して43.87%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値の単純平均値893円に対して36.62%のプレミアムを加えた価格であり、本公開買付価格のプレミアムは、本取引が親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした取引であることから、2020年1月以降に公表された親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(公表日の直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値それぞれからのプレミアムの中央値(それぞれ43%、39%、40%)及び平均値(それぞれ46%、44%、42%))に照らしても、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム43.87%及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム36.62%はその水準を下回るものの、2020年1月以降に公表された親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の事例において、36.62%を下回るプレミアムが存在する案件も複数存在しており低水準であるとは言えず、特に直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアム46.11%は、上記親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例におけるプレミアム水準を超えていることから、合理的な水準と認められること。
(ⅲ)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置等が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。
(ⅳ)本公開買付価格が、上記利益相反を回避するための措置等が採られた上で、当社と中央魚類の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること。
(ⅴ)本特別委員会が、当社より適時に状況の報告を受けた上で、本取引の条件に関する交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与していたこと。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年2月28日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議いたしました。
当該取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、当社は、2022年4月13日、中央魚類より、本公開買付けの結果について、当社株式3,425,278株の応募があり、買付予定数の下限(964,400株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、応募株式の全てを取得することとなった旨の報告を受けました。その結果、2022年4月19日(本公開買付けの決済の開始日)付で、中央魚類の所有する当社株式の議決権所有割合は96.05%となり、中央魚類は、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注) 「議決権所有割合」は、当社が2022年2月14日に提出した第87期第3四半期報告書に記載された2021年12月31日現在の当社の発行済株式総数(8,379,000株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(5,379株)を控除した株式数(8,373,621株)に係る議決権の数(83,736個)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。
このような経緯を経て、当社は、中央魚類より、本日付で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、本日開催の当社取締役会において、(a)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(b)本売渡株式1株につき1,220円という本株式売渡対価は本公開買付価格と同一の価格であること及び本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等から、本売渡株主にとって相当な価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(c)中央魚類は、本株式売渡対価の全てを、三菱UFJ銀行を貸付人とし、当該貸付人との間で2022年4月13日付で締結した当座貸越(専用口座)約定書(コミットメントライン契約用)に基づく借入れを原資として支払うことを予定しているとのことであり、当社としても当該契約書を確認することにより中央魚類による資金確保の方法を確認していることから、中央魚類による本株式売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本株式売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(d)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(e)本公開買付けの開始日以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、中央魚類からの通知のとおり、本株式売渡請求を承認することを決議いたしました。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役12名のうち、伊藤晴彦氏、福元勝志氏、田代充氏及び市山勝一氏は、中央魚類の取締役若しくは執行役員を兼務していることから、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題により影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、上記4名を除く8名の取締役において審議の上、全員一致により上記決議を行っております。
以 上