有価証券報告書-第164期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 11:39
【資料】
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【項目】
160項目

(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「人と社会の役に立つ」という経営の基本理念のもと、いつの時代も時流に即した事業活動を通じて人と社会に貢献してまいりました。
現在は、世界的な環境保護意識の高まりを受けた脱炭素の潮流にしなやかに対応すべく、石炭生産以外の事業分野への積極投資による事業ポートフォリオの多様化を目標とした中期経営計画(2024年3月期までの5ヵ年)の確実な遂行を経営の基本方針としております。
①中期経営計画の主な数値目標
a. 非石炭生産事業の営業利益 47 億円(2024 年3月期)
b. ROE 8%以上(2024 年3月期)
②中期経営計画の進捗状況
a. 非石炭生産事業の営業利益
2020年3月期は、台風などの自然災害及び新型コロナウイルスの影響で衣料品分野や施設運営受託分野が伸び悩んだほか、米中貿易摩擦に端を発した中国の景気後退を受けて電子部品分野で生産調整の動きが見られたことなどから、約11億円となりました。当面は新型コロナウイルスによる経済活動の縮小が懸念されることから一時的な減益を見込んでおりますが、2020年4月に当社グループに加わった株式会社ケイエムテイ及び三生電子株式会社による押し上げが期待されるなど、当計画は順調に進捗しております。
b.ROE
2020年3月期は、上記aに示した要因等により営業利益は当初想定を下回ったものの、施設運営受託分野の株式会社エムアンドエムサービスの売却に伴う特別利益が寄与し7.0%となりました。2021年3月期は、新型コロナウイルスの影響及び石炭価格の低位推移に伴いエネルギー事業における利益低下が予想されることなどから達成見込みは不透明です。石炭価格の変動が当社連結業績に及ぼす影響をいち早く低減すべく、中期経営計画の前倒しでの達成を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、収益性の維持・拡大と共に、株主に対する十分な利益還元を行うことを目指しており、自己資本に対する経営の効率性を表す自己資本利益率(ROE)を重視しております。
(3) 対処すべき課題
当社グループは長年にわたり石炭生産・石炭販売(現在では海外、特に豪州での炭鉱事業が主体)を中心としたエネルギー事業を展開してまいりました。一方で、これらの石炭関連事業は石炭の需要や価格、為替変動により大きく収益が左右されることから、石炭相場や為替変動等の影響を受けにくい事業分野への進出を経営の重要課題と位置付け、積極的なM&A投資を実施し、収益基盤の安定化・多様化に取り組んでまいりました。
特に近年では、世界規模での環境保護意識の高まりを背景に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが国家・企業・投資家の枠組みを越えて加速するなど、石炭関連事業を取り巻く環境が一段と厳しさを増しております。加えて、新型コロナウイルス感染拡大は依然として終息の見通しが立っておらず、このまま消費行動が低調に推移するようであれば、国内景気は更に減速傾向を強めることが懸念されます。
このような状況下、当社では中期経営計画の実行によって安定的かつ多面的な収益基盤を確立することを喫緊の課題と考えております。
なお、当企業集団における各事業の課題は、次のとおりであります。
① エネルギー事業
(石炭販売分野)
優良需要家とのネットワークを効率的に活用した営業活動を展開するとともに、顧客ニーズに対応した新規取扱銘柄の開拓、仕入ソースの拡大に努めてまいります。
(石炭生産分野)
当面は底堅い石炭需要が見込めることから、良質な石炭を産する豪州リデル炭鉱における安定操業を通じた収益性向上に努めてまいります。また、採掘期間延長に向けた鉱区拡張方針についても共同出資者と大筋で合意に至り、今後は拡張に向けた具体的な手続きを進めてまいります。
また、インドネシアGDM炭鉱の試験採掘をスケジュール通りに実行し、商業生産の可能性について慎重に検討を進めてまいります。
(再生可能エネルギー分野)
近年、世界規模で地球温暖化などの環境問題に配慮したエネルギーの活用が進められており、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーは国のエネルギー政策において重要な位置を占めるようになってきました。MMエナジー株式会社は現在稼働中の「メガソーラーつやざき発電所(6MW)」の効率的かつ安定的な運営を図り、今後とも環境貢献と収益確保の両立に努めてまいります。
② 生活関連事業
(事務機器分野)
株式会社明光商会は1960年に日本で初めてシュレッダーの製造販売を開始し、創業以来の実績と独自の技術・ノウハウにより国内オフィス用シュレッダー市場で揺るぎない地位を確立しております。現在では主力のシュレッダーに留まらず、受付自動案内システムやリサイクル・環境ソリューションのご提案まで「紙」の枠を超えた事業を展開しております。
また、2020年3月にタイの協力工場であるT Secure International Co., Ltd.の14.9%株式を取得し、2022年3月末までに残りの全株式を取得する契約を売主と締結しました。これによりシュレッダー販売台数の約8割をグループ内で製造することが可能となり、これまで以上に商品の安定供給力を高めるとともに、製造技術を確実にグループ内で維持・発展させることにより、オフィス用シュレッダー市場でのさらなるシェア拡大を目指します。
足下では新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした在宅勤務推進により、オフィス用事務機器に対する需要の減少が見られております。在宅勤務が危機終息後に新たな働き方として定着する可能性を慎重に見極めながら、需要状況に応じた商品開発や組織体制を構築することが課題と認識しております。
(衣料品分野)
花菱縫製株式会社は1935年の創業で、「オーダースーツ」の先駆者として国内で初めて重衣料(スーツ・コート等)の工業システム化に成功しました。現在は国内5か所に自社縫製工場を構え、商品開発から生産・販売までの全工程を国内で一貫対応しております。
近年、オフィスウェアのカジュアル化が進むなどビジネス向けスーツに対する需要に陰りが見られており、また足下では新型コロナウイルスの感染拡大に伴い来店者の減少が観測されていることから工場や店舗の休業を実施しております。このような逆境において今後も一定の利益水準を確保していくためには、顧客の消費動向に合致した商品開発や生産性の向上、Eコマースの拡大等が課題であると認識しております。
なお、2020年3月に「麻布テーラー」等のブランドを有するメルボグループとオーダースーツ生産・販売事業の統合に関する基本合意書を締結しております。生産・販売両面におけるシナジー効果を見極めつつ、慎重に検討を進めてまいります。
(飲食用資材分野)
日本ストロー株式会社は、大手乳業・飲料メーカー等の優良顧客との間で築きあげた安定的な取引基盤をもとに、国内伸縮ストロー市場において圧倒的なシェアを誇っております。
近年、世界的に脱プラスチックの気運が高まる中、環境に配慮した素材を使ったストローの製造・販売を重要な取組課題と位置付け、日本ストローは他社に先駆けてバイオマスプラスチックや生分解性素材、紙などを原料とする各種ストローの開発・量産化を進めてまいりました。今後も取引先の環境対応素材ストローに対する需要増加が見込まれますが、伸縮ストロー業界のリーディングカンパニーとして高い技術力を誇る日本ストローにとっては寧ろビジネスチャンスであり、いち早く需要に対応することで先行者利益を確保しつつ、国内市場を中心に更なる顧客基盤の強化・拡大を図ってまいります。
(電子部品分野)
クリーンサアフェイス技術株式会社は、1977年に国内初のマスクブランクス専業メーカーとして創業以来、液晶パネル・有機EL・電子部品等の製造に用いられるフォトマスクの材料であるマスクブランクスの成膜加工を手掛け、国内外の有力フォトマスクメーカーに販売しております。今後は次世代通信規格5Gや人工知能(AI)などの分野で成長が期待されており、マスクブランクスに対する需要は底堅く推移すると見込んでおります。
課題としては、品質改善による歩留まりの向上や最適な生産ラインの構築などを認識しており、これらへの対策を進めることで更なる収益向上を図ってまいります。
(介護分野)
MMライフサポート株式会社は、福岡市において2棟のサービス付き高齢者向け住宅の運営と通所介護等の介護事業を行っております。立地利便性に優れた住宅は高い入居率を維持している一方で、従業員の確保やサービス内容に見合った料金体系の構築などを課題として認識しております。
また所有施設においては、居住者の外部接触を必要最低限度に抑制するなどの新型コロナウイルスの感染防止対策を取っております。今後も利用者の健康増進と更なる満足度向上に繋がるサービスを提供し地域社会への貢献を果たしてまいります。

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