四半期報告書-第72期第1四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間(平成27年7月1日から平成27年9月30日まで)におけるわが国経済は、個人消費が伸び悩むとともに、公共投資は総じて弱い動きにとどまりましたが、設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調が続きました。
日本工営グループを取り巻く経営環境は、国内建設コンサルタント事業においては、公共事業関係予算は減少しましたが、地方創生の下、地方自治体への予算が増加するとともに、防災・減災業務、インフラ長寿命化計画による施設の維持管理業務、東京オリンピックに向けた施設整備の需要などが増加しました。電力事業においては、電力会社の流通網整備に向けた投資、FIT(固定価格買取制度)を利用した水力発電設備の更新・新設需要は増加したものの、競争発注が増加し受注環境は厳しさを増しました。海外建設コンサルタント事業においては、わが国ODA(政府開発援助)は一定の事業量を維持しており、アジアをはじめとする新興国の開発需要、旺盛な民間開発投資意欲もあり、市場は引き続き堅調に推移しました。
このような経営環境のもと、当社グループは、国内建設コンサルタント事業においては、主に既存事業領域でのシェアの拡大、地方自治体からの受注確保に努めるとともに、電力事業においては、競争発注に対するコスト削減提案力を強化してまいりました。また、海外建設コンサルタント事業においては、JICA(国際協力機構)発注案件の受注、収益力の確保に注力してまいりました。
このような状況の下で、当社グループの第1四半期連結累計期間の業績は、受注高は、前年同四半期と比較して3,934百万円減少の20,710百万円、売上高は、前年同四半期と比較して1,585百万円増加の8,811百万円、営業損失は、前年同四半期と比較して857百万円減少の△2,050百万円、経常損失は、前年同四半期と比較して420百万円減少の△2,070百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は、前年同四半期と比較して188百万円減少の△1,519百万円となりました。
また、第1四半期連結累計期間の売上高8,811百万円は、通期予想売上高84,000百万円に対して10.5%の達成率となりました。これは当社の主要な顧客である官公庁および電力会社等へのコンサルタントサービスや製品の納期が下期に集中しているため、売上高の計上が下期に集中する季節的な変動特性によるものです。
なお、前年同四半期の売上高の通期売上高に対する達成率は8.9%でした。さらに、販売費及び一般管理費などの費用は年間を通じほぼ均等に発生するため、第1四半期連結累計期間の営業利益、経常利益、および純利益ともに損失計上となりました。
(セグメント別の状況)
[国内建設コンサルタント事業]
受注高は、前年同四半期と比較して2,045百万円減少の11,896百万円となりました。売上高は、前年同四半期と比較して223百万円減少の1,455百万円、経常損失は、前年同四半期と比較して114百万円増加の△2,074百万円となりました。
[海外建設コンサルタント事業]
受注高は、前年同四半期と比較して2,659百万円減少の5,004百万円となりました。売上高は、前年同四半期と比較して623百万円増加の3,625百万円、経常損失は、前年同四半期と比較して5百万円増加の△383百万円となりました。
[電力事業]
受注高は、前年同四半期と比較して770百万円増加の3,808百万円となりました。売上高は、前年同四半期と比較して1,317百万円増加の3,558百万円、経常利益は、前年同四半期と比較して599百万円増加の549百万円となりました。
[不動産賃貸事業]
不動産賃貸事業の売上高は、前年同四半期と比較して128百万円減少の145百万円となりました。経常利益は、前年同四半期と比較して91百万円減少の112百万円となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産は82,161百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,948百万円の減少となりました。
資産の部では、流動資産は42,697百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,123百万円の減少となりました。これは、現金及び預金の5,007百万円の減少、売上債権の回収による受取手形及び売掛金の4,216百万円の減少、仕掛品の6,126百万円の増加等が主な要因です。
固定資産は39,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して174百万円の増加となりました。
負債の部では、流動負債は25,827百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,361百万円の増加となりました。これは、短期借入金の3,000百万円の増加、未払法人税等の1,286百万円の減少、前受金の2,232百万円の増加、流動負債のその他に含まれる未払消費税等の1,416百万円の減少、同じく流動負債のその他に含まれる未払金の892百万円の減少等が主な要因です。
固定負債は、6,177百万円となり、前連結会計年度末と比較して485百万円の減少となりました。これは、長期借入金の99百万円の減少、役員退職慰労引当金の13百万円の減少、退職給付に係る負債の202百万円の減少等が主な要因です。
純資産の部は、50,156百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,824百万円の減少となりました。これは、売上高の計上が下期に集中する季節的な変動特性による当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失1,519百万円、配当金の支払い772百万円等が主な要因です。
以上の結果、自己資本比率は60.7%となり前連結会計年度末と比較して1.9ポイント低下しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失2,066百万円のマイナスに加え、主にたな卸資産の増加等により、5,081百万円の支出となりました。これは前年同期比947百万円の支出減となります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の取得等により、1,983百万円の支出となりました。これは前年同期比1,621百万円の支出増となります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の増加等により、 2,205百万円の収入となりました。これは前年同期比3,064百万円の収入減となります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結累計期間末残高は、前連結会計年度末に比べ、4,930百万円減少の6,742百万円となりました。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は126百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を次のとおり定めております。
1) 基本方針の内容
当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認めている以上、特定の者による当社株式の大規模な買付行為(以下「大規模買付行為」という。)に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、当社は、建設コンサルタント業務をはじめ主に公共・公益事業に関わる業務を事業展開しており、極めて公共性の高い社会的使命を帯びた企業であると自負しており、専門性が高く幅広いノウハウと豊富な経験や実績に裏打ちされたブランド力を有しています。そして、その経営にあたっては、これらの理解と国内外の顧客・従業員および取引先等の利害関係者との間に培われた深い信頼関係が不可欠となり、これらなくしては企業価値の向上と株主の皆様の利益に資することはできないと考えます。
また、大規模買付行為に際しては、大規模買付行為をなす者(以下「大規模買付者」という。)から事前に、株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報が提供されるべきであると考えます。
2) 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、上記1)の基本方針の実現に資する特別な取組みとして、以下の施策を実施しております。
①中長期的に目標とする当社グループの姿
当社グループは、企業価値の一層の向上を期して、2015年2月に新しく長期経営戦略(2015年7月から2021年6月までの6か年)を策定しました。
当社グループでは、経営理念である「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」に込められた価値と果たすべき使命を継承したうえ、当社グループが目指す将来の具体的な姿を、「安全・安心な社会基盤と豊かな生活空間づくりに価値あるサービスを提供し未来を拓く」というグループビジョンとして定めました。
長期経営戦略では、このグループビジョンに基づきコンサルティングおよびエンジニアリングの融合を進め、グローバル企業へと進化を続けることを目指します。
この長期経営戦略の実現に向けて、当社グループは、2015年7月から2018年6月までの3か年を将来の飛躍のための重要な期間と位置づけ、「中期経営計画~NK-AIM 世界で進化(Advance)日本で深化(Intense)発揮する真価(Merit)~」を策定しました。
中期経営計画では、「主力3事業の持続的成長」と「新事業の創出と拡大」を基本方針として、「グローバル展開の一層の進化」「主力事業の深化による一層の業域拡大と収益性の向上」「新事業領域の創出に向けて総合技術力の真価を発揮」の3つの重点課題に取り組みます。
これらを実現するための全社共通施策として、「次世代基幹技術の開発と生産性のさらなる向上」「人財確保と育成の強化」「コラボレーションの促進とコーポレートガバナンスの強化」を積極的に進めてまいります。
②コーポレート・ガバナンス体制の強化
(内部監査)
内部監査については、内部監査室が内部監査規程に従い、内部統制システム及び事業運営システムなどの監査を実施し、その内部監査状況を社長へ報告しております。当該監査における指摘事項は、社長より適宜内部統制部門に連絡され、対応が指示されます。また、内部監査室は、社外監査役を含む監査役との定期的な連絡会を開催しています。
(リスク管理体制)
各事業本部および本社部門が主体的にリスク管理を実施するとともに、内部監査室、技術監査室、リスク管理委員会、財務報告内部統制委員会、安全衛生・環境委員会などの各室・委員会がリスク管理活動を監視・指導しております。そして、代表取締役等により構成する企業行動会議がリスク管理全般の推進を統轄する体制としております。
3) 基本方針に照らして不適切な者による支配の防止のための取組みの概要
当社は、上記1)の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、「当社株式の大規模買付行為に対する対応方針」(以下「買収防衛策」という。)を設定しております。
買収防衛策の概要は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる大規模買付行為を行おうとする大規模買付者は、a.事前に当社取締役会に意向表明書の提出を含む必要かつ十分な情報を提供し、b.当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
当社は、平成18年5月の取締役会決議により初めて買収防衛策を導入し、平成19年6月の取締役会決議により一部改定の上継続いたしました。その後、平成20年6月の第63回定時株主総会決議、平成23年6月の第66回定時株主総会決議および平成25年9月の第69回定時株主総会決議により、それぞれ、株主様に一部改定の上継続することをご承認いただきました。
買収防衛策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.n-koei.co.jp/)において全文を掲載しています。
4) 上記2)および3)の取組みについての取締役会の判断およびその理由
上記2)の取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるために実施しているものであるため、上記1)の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えます。
上記3)の取組み(買収防衛策)は、a.経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則を充足し、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること、b.株主をして大規模買付行為に応じるか否かについての適切な判断を可能ならしめ、かつ当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するためのものであること、c.大規模買付ルールの内容ならびに対抗措置の内容および要件は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保および向上という目的に照らして合理的であること、d.大規模買付ルールの内容ならびに対抗措置の内容および要件は、いずれも具体的かつ明確であり、株主、投資家および大規模買付者にとって十分な予見可能性を与えていること、e.株主総会における株主の承認を条件に発効するものとされており、また、取締役会は、所定の場合には、株主意思確認総会を招集し、対抗措置の発動の是非について株主の意思を確認することができるものとされていること、さらに、買収防衛策の継続、廃止または変更の是非の判断には、株主総会決議を通じて株主の意思が反映されること、f.対抗措置の発動の要件として、客観的かつ明確な要件が定められており、また、当社経営陣から独立した特別委員会を設置し、対抗措置の発動の前提として特別委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問したうえ、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限に尊重して、対抗措置を講じるか否かを判断することとしており、当社取締役会の判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されていること、g.特別委員会は、当社の費用で、独立した外部専門家等の助言を受けることができるものとされており、特別委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとなっていること、h.当社株主総会の決議によって廃止することができるほか、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議によっても廃止することができるとされており、デッドハンド型買収防衛策ではなく、また、当社取締役の任期は1年であり、スローハンド型買収防衛策でもないことから、上記1)に述べた基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えます。