有価証券報告書-第74期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

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2018/09/28 11:47
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134項目
当社グループにおける経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社グループでは、経営理念である「誠意をもってことにあたり、技術を軸に社会に貢献する。」に込められた価値と果たすべき使命を継承したうえ、当社グループが目指す将来の具体的な姿を、「安全・安心な社会基盤と豊かな生活空間づくりに価値あるサービスを提供し未来を拓く」というグループビジョンとして定めています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2021年6月期における業績目標を、売上高1,400億円、営業利益126億円、ROE(自己資本当期純利益率)12.7%としております。
なお、当社グループは事業のグローバル展開とそれに伴う海外売上高比率の増加が見込まれるため、グループ内会計基準の統一による経営基盤の強化や財務諸表の国際的な比較可能性の向上、開示情報の充実、今後のM&A等を含めた適切な資産評価を目指し、国際財務報告基準(IFRS)の導入を予定しております。2021年6月期の業績目標は国際財務報告基準(IFRS)の導入を想定した目標です。
(3) 経営戦略
当社グループは、グループビジョン「安全・安心な社会基盤と豊かな生活空間づくりに価値あるサービスを提供し未来を拓く」の実現に向け、2019年6月期を初年度とする3ヵ年計画「NK-Innovation 2021」を新たに策定しました。新中期経営計画では、「グローバルなコンサルティング&エンジニアリングファームへと進化を続ける」を基本方針とし、国内外でのコンサルティング事業および電力エンジニアリング事業に加え、新たに参入した都市空間事業・エネルギー事業を拡大し、また各事業間の連携を強化することによって、より複合的かつ総合的なソリューションの提供を目指します。
新中期経営計画「NK-Innovation 2021」では、下記の実現に向けて取り組みます。
≪事業戦略≫
1.鉄道分野の生産体制強化
2.都市空間事業の海外展開
3.エネルギー事業の確立
4.コンサルティング事業での事業創生と海外展開
5.電力エンジニアリング事業での製品開発と海外展開
≪全社共通施策≫
1.ワンストップ営業体制の構築
2.技術と人財への投資
3.グループガバナンスの強化
新中期経営計画「NK-Innovation 2021」の初年度となる2019年6月期は、コンサルタント国内事業においては、技術者の増強と中央研究所とタイアップした研究開発の加速による技術基盤の強化に取り組みます。コンサルタント海外事業においては、主に鉄道部門の生産体制の強化、大型プロジェクトの収益管理・リスク管理・安全管理の徹底に取り組みます。電力エンジニアリング事業においては、グローバル展開に向けた製販一体による製品開発の推進、徹底したコストダウンによる価格競争力の向上と営業力強化に取り組みます。都市空間事業においては、英連邦諸国およびアジア市場での事業拡大に取り組みます。エネルギー事業においては、再生可能エネルギーの事業開発と蓄電池を利用したエネルギーマネジメント分野に本格的に取り組みます。
(4) 経営環境および対処すべき課題
今後の当社グループを取り巻く市場環境につきましては、コンサルタント国内事業においては、公共事業予算は当初予算ベースが横ばいで推移するものと見込まれます。コンサルタント海外事業においては、わが国政府によるインフラシステム輸出戦略が推進され、需要が拡大するものと見込まれます。電力エンジニアリング事業においては、国内では電力システム改革等により市場の変容が加速し、新たな事業機会が生まれる一方で、既存電力設備の更新等はコスト削減要請が継続し厳しい競争環境が見込まれます。都市空間事業においては、英国のEU離脱により、英国における建築設計需要への影響が懸念されますが、アジアを中心とするインフラ需要は継続する見通しです。エネルギー事業においては、低炭素化と分散電源化に伴う再生可能エネルギーの需要拡大が見込まれます。
新中期経営計画「NK-Innovation 2021」に基づく、次期(2018年7月から2019年6月まで)の各事業戦略上の重点課題および全社共通施策は以下のとおりです。
1)事業戦略上の重点課題
コンサルタント国内事業においては、受注・生産体制の再構築や品質の確保・向上など経営基盤のさらなる強化や効果的な事業マネジメントの推進に加え、主にコンサルタント海外事業や中央研究所との連携によるグローバル戦略の推進支援、インフラの価値向上のためのマネジメント技術を核とした新事業創出に取り組みます。
コンサルタント海外事業においては、主に鉄道事業における要員の確保・育成やプロジェクト・マネジメント能力の向上による生産体制の強化、収益管理・リスク管理・安全管理の徹底に加え、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ:官民連携)事業・PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業において公共施設等運営権制度を活用したコンセッション事業・民間事業に積極的に取り組みます。
電力エンジニアリング事業においては、グローバル展開を見据えた交通・運輸、維持管理など新領域への拡大による機電コンサルタント事業の拡大、エネルギー関連事業や維持管理ビジネスにおけるグループ連携強化、世界標準仕様の製品開発・技術開発の推進とともに、引き続き徹底したコストダウンによる価格競争力の向上と営業力強化に取り組みます。
都市空間事業においては、英国市場の変化への対応に加え、シンガポールを拠点としたグループ内協業によるアジア市場の事業拡大、英連邦諸国への参入に取り組みます。
エネルギー事業においては、再生可能エネルギーなどの発電事業の収益向上および民間資金によるPFI事業を含む新規案件の形成、エネルギーマネジメント事業における再生可能エネルギー・蓄電池EPC(エンジニアリング・プロキュアメント・コンストラクション)事業での実績蓄積およびリソースアグリゲータ(エネルギー事業者と需要家の双方に関わる制御・管理等における中核的な役割を担う事業者)・VPP(バーチャルパワープラント:仮想発電所)事業の推進に取り組みます。
2)成長を支える全社共通施策
「ワンストップ営業体制」では、全セグメントの製品・サービスを活用した複合的なソリューションを提供することにより顧客満足度の向上を目指し、シンガポールのハブ機能を活かしたプロモーションを強化し、新たな顧客を開拓します。また、マーケティングを担う人財を海外営業拠点へ配置し、さらに、戦略立案・マーケティング機能の強化や各分野を融合した複合的なビジネスモデルの創生に取り組みます。
「技術と人財への投資」のうち、技術面では、既存事業の拡大のための戦略的な技術開発はもとより、AI(人工知能)やビッグデータの活用など先端技術の開発や新技術による新しいビジネスモデルの構築など新規事業に取り組みます。人財面では、事業展開を支えるプロフェッショナルの確保・育成・維持のための人事制度改革、グループ会社を含めた研修等の各種施策の実施に加え、引き続き採用活動の強化やワークライフバランスの推進に取り組みます。
「グループガバナンスの強化」のため、グループマネジメントのプラットフォームを構築し、コンプライアンスおよびリスク管理を一層強化するとともに、グループ会社の自律した経営を実現するための指導・支援を充実させます。また、国際財務報告基準(IFRS)の適用および開示情報の充実、グループ税務体制整備および税務戦略機能の強化に努めてまいります。
当社グループは、長期的な成長を見据えて人財・技術・新事業に投資を行い、これらの施策を推進することで、より磐石な事業基盤を構築し、中期経営計画の達成を確かなものとしてまいります。
(5) 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
1) 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に向上させることを可能とする者であるべきと考えています。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模な買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかしながら、当社株式について大規模な買付行為を行おうとする者の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす者、株主に株式の売却を強要するおそれのある者、顧客、従業員、取引先等の関係者との間の信頼関係を破壊するおそれのある者、買付条件に当社の企業価値が十分に反映されていない者、株主の皆様のご判断のために十分な情報を提供しない者等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない者がないとは言い切れません。
当社は、1946年の創業以来、建設コンサルタント事業及び電力エンジニアリング事業を主たる事業として、社会資本整備に関する事業を展開しており、極めて公共性が高く社会的使命の大きい企業として、今後も持続的な発展を図る必要があります。また、当社は、豊富な経験と実績に裏打ちされたブランド力を有しており、国・地方公共団体等の顧客から高い信頼を得ていますが、当社の技術力は、当社グループの従業員、取引先等の関係者の高い専門性と幅広いノウハウによって支えられております。当社の経営にあたっては、このような当社の企業価値の源泉を十分理解したうえ、国内外の顧客・従業員及び取引先等の関係者との間に培われた信頼関係を維持・発展させながら事業を展開することが不可欠であり、それによりはじめて企業価値の向上と株主の皆様の利益に資することができると考えます。
このような事情に鑑み、当社は、大規模な買付行為を行おうとする者は、株主の皆様のご判断のために必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、当社取締役会による意見形成や代替案の検討、対抗措置を発動する要否の検討のための一定の評価期間が経過した後にのみ当該買付行為を開始できることとする仕組みが必要であり、上記の例を含め、当社の企業価値の源泉を理解せず、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大規模な買付行為を行おうとする者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模な買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を取ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
2) 財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
①中長期計画に基づく戦略的な事業推進
当社の中長期的計画に基づく戦略的な事業推進に関する取組みは、上記の「(1)経営の基本方針」から「(4)経営環境および対処すべき課題」において記載したとおりです。
②コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社は、当社グループの企業価値を一層高めるため、経営機構における監督機能を強化するとともに、透明性の確保、迅速な業務執行体制の確立を図り、コーポレートガバナンスの充実に努めることを基本的な考え方としています。
機関設計としては、監査役会設置会社(かつ取締役会、会計監査人設置会社)を選択しています。また、独立役員を構成員に含む指名・報酬等諮問委員会を設置し、経営の公正・透明性を高めると共に、執行役員制度により、経営の監視・監督機能と業務の執行機能を分離し、責任の明確化と意思決定の迅速化を図っています。
3) 基本方針に照らして不適切な者による支配の防止のための取組みの概要
当社は、上記1)の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、「当社株式の大規模買付行為に対する対応方針」(以下「買収防衛策」という。)を設定しております。
買収防衛策の概要は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる大規模買付行為を行おうとする大規模買付者は、a.事前に当社取締役会に意向表明書の提出を含む必要かつ十分な情報を提供し、b.当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
当社は、平成18年5月の取締役会決議により初めて買収防衛策を導入し、平成19年6月の取締役会決議により一部改訂の上継続し、その後、平成20年6月の第63回定時株主総会決議、平成23年6月の第66回定時株主総会決議、平成25年9月の第69回定時株主総会決議および平成28年9月の第72回定時株主総会決議により、株主様に一部改訂の上継続することをそれぞれご承認いただきました。
買収防衛策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(https://www.n-koei.co.jp/)において全文を掲載しています(「中期経営計画 NK-Innovation 2021」の策定に伴い、平成30年8月28日開催の臨時取締役会決議により「当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み」の内容の一部を改訂しております。)。
4) 上記2)及び3)の取組みについての取締役会の判断およびその理由
上記2)の取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるために実施しているものであるため、上記1)の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えます。
上記3)の取組み(買収防衛策)は、a.経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則を充足し、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっていること、b.株主をして大規模買付行為に応じるか否かについての適切な判断を可能ならしめ、かつ当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するためのものであること、c.大規模買付ルールの内容並びに対抗措置の内容及び要件は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上という目的に照らして合理的であること、d.大規模買付ルールの内容並びに対抗措置の内容及び要件は、いずれも具体的かつ明確であり、株主、投資家及び大規模買付者にとって十分な予見可能性を与えていること、e.株主総会における株主の承認を条件に発効するものとされており、また、取締役会は、所定の場合には、株主意思確認総会を招集し、対抗措置の発動の是非について株主の意思を確認することができるものとされていること、さらに、買収防衛策の継続、廃止又は変更の是非の判断には、株主総会決議を通じて株主の意思が反映されること、f.対抗措置の発動の要件として、客観的かつ明確な要件が定められており、また、当社経営陣から独立した特別委員会を設置し、対抗措置の発動の前提として特別委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問したうえ、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限に尊重して、対抗措置を講じるか否かを判断することとしており、当社取締役会の判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されていること、g.特別委員会は、当社の費用で、独立した外部専門家等の助言を受けることができるものとされており、特別委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとなっていること、h.当社株主総会の決議によって廃止することができるほか、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議によっても廃止することができるとされており、デッドハンド型買収防衛策ではなく、また、当社取締役の任期は1年であることから、スローハンド型買収防衛策でもないことから、上記1)に述べた基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えます。

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