有価証券報告書-第85期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日、以下、当期)のわが国経済は、一部で弱さもありましたが、雇用・所得環境改善の継続や企業収益改善の動きが見られるなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続きました。
このような経済環境下、当社の事業領域であるICT(※1)市場におきましては、分野ごとに強弱が見られました。
まず企業におきましては、投資効果に対する経営者意識の厳しさが継続いたしましたが、働き方改革などの企業の経営強化・競争力強化を目指した投資は活発でした。
通信事業者におきましては、ネットワークインフラへの設備投資が引き続き抑制されるなど、厳しさが続きました。
官庁・自治体、公益関連では、平成28年5月にアナログからの移行期限を迎えた消防救急無線システムのデジタル化投資が終了いたしましたが、安心・安全や放送分野など都市基盤高度化に向けた投資は堅調に推移いたしました。また、FIT法(※2)の改正に伴い太陽光発電所の建設需要が活発となっております。一方で、公共分野(道路通信システムなど)において入札時期の遅れや競争環境の悪化があるなど、一部で弱さも見られました。
海外においては、アジア圏を中心として移動体通信をはじめとするインフラ構築の需要が顕在化しております。
こうした市場環境のなか、当社グループでは、営業体制の強化や、ソリューションのプロモーション活動を積極的に展開するとともに、社内においては、内製化の推進などによる原価低減活動を実行するとともに、基幹システムの開発や費用効率化の継続など事業力の強化を進めました。企業向けには、クラウド音声サービス「ネッツボイス」の投入や、働き方改革の高まりからニーズが顕在化してきたテレワークについて、拡販に向けた社内実証を進め、さらにはお客様のIoT(※3)ソリューション開発における検証・評価を行うIoTラボや、IoTデバイス等のテクニカルサービスを提供する新たな拠点を開設するなど、「EmpoweredOffice(※4)」やIoT/MVNO(※5)などの注力事業分野の拡大に向けた施策を展開してまいりました。また、全社横断のプロジェクト体制を構築するなど、当期に受注した大型の太陽光発電所建設プロジェクトの着実な遂行に向けて、プロジェクトマネジメント体制を強化いたしました。加えて、海外においても、平成28年4月に、今後のインフラ投資拡大が期待されるミャンマーで、技術者の確保・育成による事業基盤の強化や、さらなる事業拡大に向け、現地企業との合弁により子会社ICT Star Group Myanmar Co., Ltd.を設立し、前期に本格進出したミャンマー市場への取り組みを強化いたしました。
これらの結果、当期における連結業績は、
<参考>
となりました。
売上高は、2,579億12百万円と前期比7.9%の減少となりました。これは、働き方改革関連分野をはじめとした中期事業戦略(平成28年5月公表)における注力分野での売上高が増加した一方で、通信事業者の設備投資抑制の影響によりキャリアネットワーク分野の売上高が大幅に減少したことや、消防救急無線システムのデジタル化対応プロジェクトが平成28年5月に終了した影響によるものです。受注高は、通信事業者の設備投資抑制や消防救急無線システムのデジタル化対応プロジェクトの終了の影響などがありましたが、一般企業向けが堅調に推移したことに加え、大型の太陽光発電所建設プロジェクトを受注したことにより、前期比1.6%増加の2,792億41百万円となりました。
収益面では、コスト効率化により企業ネットワーク、キャリアネットワーク分野を中心に原価率が改善しましたが、売上高が大きく減少したことによる売上総利益の減少や外形標準課税や基幹システムにおける開発費の増加などにより、営業利益が前期比41億37百万円減少の99億74百万円、経常利益が41億58百万円減少の99億75百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損失が減少したことなどにより、前期比5億53百万円増加の65億49百万円となりました。
セグメント情報につきましては以下のとおりであります。
①企業ネットワーク事業
働き方改革へのICT投資は引き続き堅調に推移し、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice」が堅調に推移しましたが、前期に好調だったPBX(※6)事業が減少したこと等により、売上高は前期比2.0%減少の1,073億66百万円となりました。
②キャリアネットワーク事業
移動体基地局を中心に通信事業者の設備投資が抑制されている影響により、売上高は前期比11.1%減少の615億79百万円となりました。
③社会インフラ事業
放送・CATV分野の売上が増加した一方で、消防救急無線システムのデジタル化対応が、平成28年5月にアナログからの移行期限を迎え減少し、売上高は前期比14.4%減少の823億62百万円となりました。
<セグメントの概要>
※1 ICT:
Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。
※2 FIT法:
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の通称。
※3 IoT:
Internet of Thingsの略。
コンピュータ、ルーターなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な個体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットなどのネットワークに接続、通信することで、自動認識や自動制御、遠隔計測などを実現する概念のこと。
※4 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の提供するオフィス改革ソリューション。当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへの業務プロセス改革を実現するとともに、セキュリティ強化や環境対応力といった社会的責任に応える「働き方」と「働く場」の改革を提案するもの。
※5 MVNO:
Mobile Virtual Network Operatorの略。
仮想移動体通信事業者のこと。
※6 PBX:
Private Branch eXchangeの略。
外線からの発着信の制御や内線同士の通話機能などを持つ構内交換機のこと。
(2)キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ157億58百万円増加し、596億48百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少、たな卸資産の減少、仕入債務の減少、法人税等の支払などにより、226億34百万円の資金の増加となりました。前期と比べると131億98百万円の増加となっております。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出などにより26億97百万円の資金の減少となりました。前期と比べると1億24百万円の増加となっております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、199億36百万円の資金の増加となりました。前期と比べると133億23百万円の増加となっております。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、41億44百万円の資金の減少となりました。前期と比べると27億42百万円の減少となっております。なお、利益配当金につきましては、前期末の1株当たり配当金を35円にしたことにより、前期と比べると1億94百万円増加し、35億21百万円の支払を行っております。
当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日、以下、当期)のわが国経済は、一部で弱さもありましたが、雇用・所得環境改善の継続や企業収益改善の動きが見られるなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続きました。
このような経済環境下、当社の事業領域であるICT(※1)市場におきましては、分野ごとに強弱が見られました。
まず企業におきましては、投資効果に対する経営者意識の厳しさが継続いたしましたが、働き方改革などの企業の経営強化・競争力強化を目指した投資は活発でした。
通信事業者におきましては、ネットワークインフラへの設備投資が引き続き抑制されるなど、厳しさが続きました。
官庁・自治体、公益関連では、平成28年5月にアナログからの移行期限を迎えた消防救急無線システムのデジタル化投資が終了いたしましたが、安心・安全や放送分野など都市基盤高度化に向けた投資は堅調に推移いたしました。また、FIT法(※2)の改正に伴い太陽光発電所の建設需要が活発となっております。一方で、公共分野(道路通信システムなど)において入札時期の遅れや競争環境の悪化があるなど、一部で弱さも見られました。
海外においては、アジア圏を中心として移動体通信をはじめとするインフラ構築の需要が顕在化しております。
こうした市場環境のなか、当社グループでは、営業体制の強化や、ソリューションのプロモーション活動を積極的に展開するとともに、社内においては、内製化の推進などによる原価低減活動を実行するとともに、基幹システムの開発や費用効率化の継続など事業力の強化を進めました。企業向けには、クラウド音声サービス「ネッツボイス」の投入や、働き方改革の高まりからニーズが顕在化してきたテレワークについて、拡販に向けた社内実証を進め、さらにはお客様のIoT(※3)ソリューション開発における検証・評価を行うIoTラボや、IoTデバイス等のテクニカルサービスを提供する新たな拠点を開設するなど、「EmpoweredOffice(※4)」やIoT/MVNO(※5)などの注力事業分野の拡大に向けた施策を展開してまいりました。また、全社横断のプロジェクト体制を構築するなど、当期に受注した大型の太陽光発電所建設プロジェクトの着実な遂行に向けて、プロジェクトマネジメント体制を強化いたしました。加えて、海外においても、平成28年4月に、今後のインフラ投資拡大が期待されるミャンマーで、技術者の確保・育成による事業基盤の強化や、さらなる事業拡大に向け、現地企業との合弁により子会社ICT Star Group Myanmar Co., Ltd.を設立し、前期に本格進出したミャンマー市場への取り組みを強化いたしました。
これらの結果、当期における連結業績は、
| 売上高 | 2,579億12百万円(前期比 7.9%減少) |
| 営業利益 | 99億74百万円(前期比 29.3%減少) |
| 経常利益 | 99億75百万円(前期比 29.4%減少) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 65億49百万円(前期比 9.2%増加) |
<参考>
| 受注高 | 2,792億41百万円(前期比 1.6%増加) |
となりました。
売上高は、2,579億12百万円と前期比7.9%の減少となりました。これは、働き方改革関連分野をはじめとした中期事業戦略(平成28年5月公表)における注力分野での売上高が増加した一方で、通信事業者の設備投資抑制の影響によりキャリアネットワーク分野の売上高が大幅に減少したことや、消防救急無線システムのデジタル化対応プロジェクトが平成28年5月に終了した影響によるものです。受注高は、通信事業者の設備投資抑制や消防救急無線システムのデジタル化対応プロジェクトの終了の影響などがありましたが、一般企業向けが堅調に推移したことに加え、大型の太陽光発電所建設プロジェクトを受注したことにより、前期比1.6%増加の2,792億41百万円となりました。
収益面では、コスト効率化により企業ネットワーク、キャリアネットワーク分野を中心に原価率が改善しましたが、売上高が大きく減少したことによる売上総利益の減少や外形標準課税や基幹システムにおける開発費の増加などにより、営業利益が前期比41億37百万円減少の99億74百万円、経常利益が41億58百万円減少の99億75百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損失が減少したことなどにより、前期比5億53百万円増加の65億49百万円となりました。
セグメント情報につきましては以下のとおりであります。
①企業ネットワーク事業
働き方改革へのICT投資は引き続き堅調に推移し、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice」が堅調に推移しましたが、前期に好調だったPBX(※6)事業が減少したこと等により、売上高は前期比2.0%減少の1,073億66百万円となりました。
②キャリアネットワーク事業
移動体基地局を中心に通信事業者の設備投資が抑制されている影響により、売上高は前期比11.1%減少の615億79百万円となりました。
③社会インフラ事業
放送・CATV分野の売上が増加した一方で、消防救急無線システムのデジタル化対応が、平成28年5月にアナログからの移行期限を迎え減少し、売上高は前期比14.4%減少の823億62百万円となりました。
<セグメントの概要>
| セグメント | 主な事業内容 |
| 企業ネットワーク事業 | ◇主に企業等のオフィス向けのICTソリューションに関するサービスインテ グレーションの提供 ◇ICTを核にセキュリティや環境等の対応まで含めた総合オフィスソリュー ションや、これらに関する運用・監視サービスならびにデータセンターや コンタクトセンターを活用したアウトソーシング・サービスの提供 |
| キャリアネットワーク事業 | ◇主に通信事業者向けのICT基盤(移動体基地局からコアネットワークま で)におけるSIサービス・設置工事から運用・監視等の関連サービスに至 るサービスインテグレーションの提供およびキャリアグレードの大規模か つ広域なICT基盤やデータセンターに関するSIサービスならびにこれらに 関する運用・監視サービスの提供 ◇ネットワーク機器などの製造開発、販売およびシステムインテグレーショ ンの提供 |
| 社会インフラ事業 | ◇主に官庁・自治体や公益法人(放送事業者、電力事業者など)向けのICT インフラに関するSIサービス・設置工事から運用・監視等の関連サービス に至るサービスインテグレーションの提供 ◇海外子会社における各種サービスの提供 |
| その他 | ◇情報通信機器等の仕入販売 |
※1 ICT:
Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。
※2 FIT法:
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の通称。
※3 IoT:
Internet of Thingsの略。
コンピュータ、ルーターなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な個体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットなどのネットワークに接続、通信することで、自動認識や自動制御、遠隔計測などを実現する概念のこと。
※4 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の提供するオフィス改革ソリューション。当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへの業務プロセス改革を実現するとともに、セキュリティ強化や環境対応力といった社会的責任に応える「働き方」と「働く場」の改革を提案するもの。
※5 MVNO:
Mobile Virtual Network Operatorの略。
仮想移動体通信事業者のこと。
※6 PBX:
Private Branch eXchangeの略。
外線からの発着信の制御や内線同士の通話機能などを持つ構内交換機のこと。
(2)キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ157億58百万円増加し、596億48百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少、たな卸資産の減少、仕入債務の減少、法人税等の支払などにより、226億34百万円の資金の増加となりました。前期と比べると131億98百万円の増加となっております。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出などにより26億97百万円の資金の減少となりました。前期と比べると1億24百万円の増加となっております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、199億36百万円の資金の増加となりました。前期と比べると133億23百万円の増加となっております。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、41億44百万円の資金の減少となりました。前期と比べると27億42百万円の減少となっております。なお、利益配当金につきましては、前期末の1株当たり配当金を35円にしたことにより、前期と比べると1億94百万円増加し、35億21百万円の支払を行っております。