有価証券報告書-第175期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/29 14:15
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① 戦略
<人的資本経営の取組み>当社グループは、2021年に策定した企業理念においてパーパスを掲げ、持続可能な社会への貢献と当社グループの持続的成長に向けて企業活動を推進しております。そのうえで「2030経営計画」においては、「2030ビジョン」を定め、顧客・従業員・社会に対して「心・体・環境の健康」を提供し続けることを目指しております。これらを実現する原動力は「人」であると考えており、「人」の持つ力、すなわち人的資本の価値を最大化すべく人的資本経営を推進しております。
具体的には、「2030経営計画」と連動した人事戦略を推進し、人的資本投資を実行します。「2030経営計画」の達成において、ダイバーシティ&インクルージョン(以降D&I)の実践は、経営戦略の方針3に位置付けており、必須の取組みと考えております。一人ひとりの「個」を活かし、それらが集まった多様な「個」から、知の多様性を生み出しかけ合わせることで、変化への対応力=レジリエンスを高めるとともに、新たな価値=イノベーション創出を促進します。それと同時に、従業員が自身の強みや希望に合わせて能力を磨き、キャリアを切り拓いていく「キャリア自律」を推進し、多様な人材の活躍を推進いたします。
また、人材育成については、「2030経営計画」において事業ポートフォリオの転換や収益力向上に向けた構造改革、経営基盤の強化等を計画しており、様々な業務の進化や変革を実行できる人材の育成が必要と考えております。そのような進化や変革を牽引するリーダーの育成や、各戦略を実行する人材の育成に向けて、積極的に人的資本投資に取り組みます。
さらに「2030ビジョン」においては、従業員に対して「心と体の健康」を提供していくことを掲げており、重要な取組みと考えております。従業員それぞれが自身の持つ能力を最大限発揮できる職場環境を実現すべく、健康経営を推進いたします。
以上の取組みにより、人的資本の価値を最大化し、中長期的な価値創造を実現することで、持続可能な社会への貢献と当社グループの持続的な企業価値向上を図ります。
<重要戦略への取組み>a. D&I
当社グループは、2012年に人事部にダイバーシティ推進担当を設置し、2020年4月にはさらなる「D&I」推進の加速に向けて、ダイバーシティ推進室を新設いたしました。全ての従業員が当社グループのダイバーシティポリシー及び5つの指針を体現するため、D&Iの「理解の促進」と「行動具体化の促進」の取組みを進めております。「理解の促進」としては、ダイバーシティポリシー浸透研修、D&Iに重要なインプットの場づくり等、「行動具体化」としては、浸透研修後の職場分科会の実施、職場分科会アンケート分析後の部門別フォロー等を実施しております。
また、従業員が自身の強みや希望に合わせて能力を磨き、キャリアを切り拓いていく「キャリア自律」の推進に向けて、「キャリア自律」の考え方の浸透と、従業員のキャリア構築を支援する仕組みづくりを実施しております。
さらに、人材の多様化を促進すべく、新卒のコース別採用や、キャリア採用を進めるとともに、属性別の活躍に向けて「女性活躍推進」「シニア活躍推進」といった施策も並行して実施しております。
Ⅰ.D&Iに対する理解の促進
ⅰ.ダイバーシティポリシー浸透研修
全ての従業員の「ダイバーシティポリシー及び5つの指針」の理解促進に向けては、まず職場リーダーであるマネジメント者の理解を深めることが重要と捉え、2021年度より、部下を持つマネジメント層に対し、ダイバーシティポリシー浸透研修を実施しております。2022年度は約370名が受講し、D&I推進のために重要な情報のインプットや、自職場でのD&Iの推進状況を把握するとともに、ありたい姿に向けたアクションプランを策定いたしました。
ⅱ.D&Iに重要なインプットの場づくり
D&I推進に向けた重要な考え方の一つにアンコンシャスバイアスがあります。この考え方の理解促進を目的とし、アンコンシャスバイアス研修を実施いたしました。役員向けには外部講師による講義及びワークショップ、グループ全従業員向けにはeラーニング動画での研修を行い、気づきや行動変化のきっかけを得る機会といたしました。また、他社合同イベント(食品企業6社合同イベント)によるセミナーをはじめ、各種講演会や階層別研修、意見交換会を実施し、従業員のD&Iに関する理解促進に繋げました。
Ⅱ.D&Iに向けた行動具体化の促進
ⅰ.浸透研修後の職場分科会の実施
マネジメント層が主体となって職場ごとに課題を確認し、行動計画を立てて実践するという取組みを実施いたしました。メンバー全員を巻き込みながらアクションプランを策定することで、より職場に適したD&Ⅰの実践に繋げます。今後は、活動におけるPDCAの質的向上を目指してまいります。
ⅱ.職場分科会アンケート分析後の部門別フォロー
アンケート結果を分析し、部門ごとの課題抽出、対応策の検討・実行を行っております。2022年度は、特に人数の多い生産部門、置かれている環境が異なる海外(現地法人含む)に対するフォローに注力いたしました。
Ⅲ.キャリア自律の推進
「プロティアン・キャリア(変幻自在なキャリア)」の考え方を定め、「個人が自立的に学び、キャリアを考える」ことを推奨しております。2022年度には、「プロティアン・キャリア」に関するeラーニングを、グループ会社(一部を除く)を含む2,400名強に展開いたしました。また、経営トップからのキャリア自律に関するメッセージを添え、従業員の意識を高めていく工夫も実施いたしました。
Ⅳ.人材の多様化に向けた取組み
ⅰ.多様な人材の採用・活躍推進
新卒採用
2022年度から経理、ITの2コース、2023年度はセールススペシャリストを加え、3コースで専門人材を募集し、多様な人材の採用を進めております。
キャリア採用
2022年度のキャリア採用人数は、全採用人数の22%となっております。今後も計画的に採用を継続してまいります。
準社員から正社員への登用
2022度の登用者数は、全採用人数の10%となっております。
ⅱ.女性活躍推進
女性に特化した研修として2022年度は「LADY,GO UP!」を実施いたしました。外部講師による基調講演、開催企業内の女性管理職によるパネルディスカッション、ワークショップ等を通し前向きなキャリアビジョンを描くための場といたしました。2023年度も女性活躍推進に向けた研修を継続してまいります。
ⅲ.シニア活躍推進
アンラーニング研修
生産人口年齢延伸を踏まえ、役職定年年齢到達者を中心とした50代を対象に、現役意識の醸成やWill×Can×Mustの再考をする機会を2022年度から設けました。2022年度は43名が受講、2023年度には延べ130名の受講を予定しております。研修後も個別面談等で行動変容に向けたフォローを行っております。
シニア活躍度の見える化
56歳以上のミドル・シニアの活躍度について、各部門長の現状認識、及びミドル・シニア層を現有戦力として活かす具体策の把握を目的として、グループ会社も含めた部門長を対象にアンケートを行いました。特徴的な傾向の把握に繋がり、2023年度はさらなる活躍に向けた取組みを計画しております。
b. 人材育成
「人材育成」については、「経営計画に連動した人材育成」と「個人のキャリア開発」との両立を目指しております。「経営計画に連動した人材育成」として、サクセッションプランの策定・推進、専門人材の確保・育成を実施するとともに、「個人のキャリア開発」を支援する取組み等を充実させております。
Ⅰ.サクセッションプランの策定・推進
ⅰ.役員候補:エグゼクティブコーチング
数回に及ぶプロフェッショナルコーチとの1対1のコーチングを通して、全社リーダーとしてのあり方などのテーマで、自ら気づきを得る機会を設けております。
ⅱ.部長候補:他流試合型研修、森永レシピ研修
他流試合型研修は、会社で選抜した従業員を派遣し、他社の選抜層と共に社会課題などのテーマについてディスカッションを行い、社会を捉える視野の拡大や外部との共創力の醸成等を図ります。森永レシピ研修は、問題解決のフレームワークを学ぶワークショップで、2019年度にスタートして以降、累計で200名強の受講者がおります。
ⅲ.マネジャー候補:次世代リーダー研修
30歳代の選抜社員に対し、9ヶ月にわたって次世代リーダーに求められる要件開発に取り組む研修を実施しております。現在4期まで実施しており、累計の受講者は49名であります。一部の受講者は既に職位を担っております。
Ⅱ.専門性の高い人材の確保と育成
ⅰ.人材要件定義・要員計画
当社グループの継続的な成長のためには、各業務領域において、高い専門性を有する人材が必要と考えております。中長期的な育成及び短期的な人材確保に向けて、想定する専門性をレベル別タイプ別に定義いたしました。そのうえで、2030年まで3年毎に必要人数を設定し、人材育成及び確保に向けて取り組んでおります。なお、2022年度は重点領域のうち、DX人材、経理/CFO人材、グローバル人材を対象といたしました。
ⅱ.育成計画
育成については、2023年度から人材要件定義に基づいたエキスパート養成メニューの提供を開始いたしました。eラーニングを中心とした継続学習のほか、幅広い知見を得られるメニュー構成になっております。また、キャリア自律の考えに基づき、従業員の主体性を尊重し、受講者の一部公募も実施しております。
Ⅲ.自律的な能力開発を推進する主な取組み
ⅰ.人材育成プログラムによる育成
当社が定義する6つの能力の現状を上司と本人で把握し、さらに伸長させていくための育成メニューと連動させることで、計画的な能力開発に取り組んでおります。
ⅱ.社内公募
一部の部署について、従業員の手挙げによる公募での異動を可能とする仕組みを整備いたしました。公募された部署への異動希望者は、上司の許可を得ずに応募することを可能としております。
ⅲ.従業員の主体的な学びの支援
従業員が主体的な学びを実践できるよう、イントラネットのトップ画面に「学びのプラットフォーム」を設置いたしました。資格の種類の充実や奨励金制度の見直し等を実施し、従業員のキャリア開発を促進しております。
c. 健康経営の推進
当社グループが永続企業(サステナブルカンパニー)として、心と体をすこやかにする食を創造し、誰もが笑顔で過ごせる持続可能な社会の実現に貢献していくためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが重要と考えております。そして、当社グループでは2030ビジョン「ウェルネスカンパニーに生まれ変わる」を掲げており、下記のとおり、健康経営を推進しております。
Ⅰ.基本方針と推進体制
ⅰ.健康宣言
「森永製菓健康宣言」を指針に掲げ、従業員の「心と体の健康」を維持・増進する取組みを支援しております。従業員が健康でやりがいをもって働くことができる職場環境を整備することで、従業員の活力向上や生産性向上等を通した組織の活性化を実現し、当社グループの持続的な成長と社会により良い価値を提供することを目指しております。
ⅱ.推進体制
代表取締役社長直轄の「最高健康責任者(Chief Health Officer;CHO)」を人事部担当役員が担い、また人事部と森永健康保険組合の他に産業保健スタッフも参画する「健康推進委員会」を設置し、理念や方針の策定、施策の検討・実施に関する意思決定を行っております。全国の主要事業所に配置される健康管理担当者、安全衛生スタッフが具体的な施策の展開を担い、従業員や家族の健康課題に継続的に向き合い、健康増進を進めております。
Ⅱ.取組み
ⅰ.心の健康
心の健康の定義
従業員・顧客に提供する「心の健康」の達成に向けた第一歩として、心が健康な状態を6つの要素で定義した「こころく」を制定いたしました。従業員一人ひとりが「こころく」に共感して日々の業務に落とし込み、自発的に行動している状態に向けて推進することにより、従業員エンゲージメントの向上と事業活動への寄与を目指しております。
(具体的な取組み)
・「こころく」の策定
・「こころく」の理解深耕に向けた従業員向けセミナーの開催
・「こころく」の認知・浸透に向けたアイコン策定と、意識付け強化のための職場各所でのアイコ
ンの掲示
・「こころく」の事業活動への寄与に向けた商品開発業務との紐づけ

メンタルヘルス対策
自己管理能力の向上やメンタルヘルスに対する意識を高めるため、役職者研修やセルフケアセミナーでの啓発を定期的に実施しております。ストレスチェックの受検率は制度導入以降95%以上を維持しており、従業員自らが気づく機会の提供と集団分析による環境改善に活かしております。また社内外に専門的な相談窓口を設け、従業員が相談しやすい環境も整備しております。
(ストレス耐性強化策)
パルスサーベイを活用したストレス耐性強化研修では、研修前後の変化を自らが知ることで実践的な行動へ繋げる効果を期待し実施いたしました。パルスサーベイ結果では研修前と比較し、全ての項目で改善傾向が見られたことに加え、研修後の受講者アンケートも95%以上が実施内容について「満足」と回答いたしました。
ⅱ.体の健康
全社健康増進イベント「ハビット」
従業員とご家族の健康づくりと生活習慣改善を目的に、一人ひとりが健康に関する目標を立てて運動や食生活改善などを行う森永健康保険組合独自の取組み「ハビット」は、今年で21回目を迎え、参加者も今年は1,900名を超えました。
エイジフレンドリーな職場づくり
職場には、さまざまな年齢層の従業員がおります。エイジフレンドリー※な職場づくりは、年齢に関係なく、全ての従業員を尊重することを目的としております。例えば、豊富な知識と経験を持つシニア層の安全とさらなる活躍を支援するため、当社グループの工場において、シニア教育や体力測定、当社独自の転倒予防体操を展開し、全員が安全かつ健康的に長く働き続けることを目指した取組みを行っております。
※エイジフレンドリーとは「高齢者の特性を考慮した」を意味する言葉であります。
ⅲ.労働環境の整備
ヘルスリテラシーの向上
外部講師や産業医を講師に迎え、毎年「健康フォーラム」を開催しており、2022年度は「コロナ禍における運動と健康」をテーマに実施いたしました。全国各地より80名以上の従業員がオンラインで参加し、画面越しで運動を実践する試みが好評でありました。
総労働時間短縮に向けた取組み
健康を損なうリスクが高い長時間労働を発生させないため、労働時間管理の精度向上をはじめ、様々な施策を実施しております。また労働組合とともに「労働時間対策労使会議」を開催し、現状把握と対策について意見交換を行い、労働環境の改善に努めております。長時間労働が減ったことにより得られた時間は、キャリア資本※の蓄積やワーク・ライフ・バランスの実現に活かす等、より健康的な生活の促進に繋げております。
※キャリア資本とは、当社におけるキャリア自律の考え方「プロティアン・キャリア」における
「ビジネス資本」「社会関係資本」「経済資本」の三つを指します。
労働安全衛生の取組み
当社グループは、「労働安全衛生方針」に沿って企業経営の基盤である労働安全衛生活動を通じて、年齢・経験・言語・雇用関係・働く場所等の一人ひとりの違いにかかわらず、安全で働きやすい職場環境の維持・向上を目指しております。例えば従業員の安全と健康を最優先に考えた定期的な安全教育の実施や、職場の安全管理の徹底、事故や災害の予防活動に取り組んでおります。
Ⅲ.外部評価
ⅰ.「健康経営※優良法人2023(大規模法人部門)」認定
当社は「健康経営※優良法人2023(大規模法人部門)」に認定され、今回で6年連続の認定となりました。「森永ファクトリー体操」や「高齢従業員特有の健康課題に対する取組み」などが評価されました。
※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標であります。
ⅱ.スポーツ庁「スポーツエールカンパニー※2023」認定
全社向けの「ハビット」、工場従業員向けの「ファクトリー体操」など体の健康についての取組みの象徴として、「スポーツエールカンパニー※」の認定を取得いたしました。2023年が初めての取得となり、今後も継続的な認定取得を目指すことで、ウェルネスカンパニーへの生まれ変わりを加速させてまいります。
※スポーツエールカンパニーとは、スポーツ庁が従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向け
た積極的な取組みを行っている企業を毎年認定しているものであります。
d. 従業員との対話
重要戦略について、従業員とのエンゲージメントを高める取組みとして、経営トップと従業員との対話を大切にしております。経営トップが各事業所を訪問し、従業員と対話し、従業員の理解を深めるよう取り組んでまいりました。2021年度から2022年度にかけて、海外グループ会社を含む約1,600名の従業員とディスカッションを行うことでトップの想いを共有しております。
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