有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)戦略
上記のとおり、東洋水産グループは、東洋水産グループの事業に関するサステナビリティ課題全般に関連するリスク及び機会を識別・評価し、その対応策の検討に取り組んでおります。その中でも、2025年度からの3年間を対象とする中期経営計画をスタートしたことに伴い、経済価値と社会価値の両立に向けて、優先的に取り組むべきマテリアリティを選定いたしました(「健康で豊かな食生活への貢献」、「多様な人材の活躍と育成」、「次世代の育成と支援」、「持続可能な調達」、「気候変動への対応」、「生物多様性の保全」、「資源循環の推進」)。各マテリアリティに基づく取組を着実に進めてまいります。



現状では、国内事業における環境関連のサステナビリティ課題について優先的に分析を実施し、KPI、戦略を策定のうえ、施策を実行しております。他方、海外の環境関連、及び国内・海外双方の環境以外に関連するサステナビリティ課題については、当社グループ全体でのKPI、戦略の特定に向けて引き続き検討を進めてまいります。
国内事業における環境関連のサステナビリティ課題に対する分析の結果、特定したリスク及び機会のうち、原則として財務的影響が大きく、優先度が高いものを開示しておりますが、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、財務的影響の大きさに関わらず、東洋水産グループにとって重要と考えられる方針について開示しております。
①気候変動に関する戦略について
気候変動に関するリスク及び機会の識別・評価にあたっては、シナリオ分析を実施しております。シナリオ分析について、2024年度は東洋水産グループの事業として重要な位置づけにある国内即席麺事業及び低温食品事業を対象としておりましたが、2025年度は、海外即席麺事業まで拡大いたしました。2030年度時点における移行リスク、物理リスク及び機会を特定し、その財務的影響と対応策を検討いたしました。リスクシナリオとして既存の政策と規制のまま推移する2100年の温度が4℃上昇する世界である4℃シナリオと、2100年の温度上昇を1.5℃以下に抑制する1.5℃シナリオという2つの外部シナリオを想定いたしました。
今回実施した気候関連のリスク及び機会のシナリオ分析の前提条件は次のとおりであります。
※ 参照シナリオの概要
IEA NZE…世界エネルギー機関(IEA)による1.5℃相当シナリオ。2050年にネットゼロを達成するシナリオ。
IEA STEPS…世界エネルギー機関(IEA)による4℃相当シナリオ。既存の政策のまま追加的な施策がなく推移するシナリオ。
IPCC…気候変動に関する政府間パネル。
IPCC SSP1-1.9…IPCCによる1.5℃相当シナリオ。2050年頃にCO2排出量が実質ゼロになり、2100年時点の気温上昇が1.5℃に抑えられる。
IPCC SSP5-8.5…IPCCによる4℃相当シナリオ。CO2排出量、平均気温ともに上昇し続け、2100年にかけて4℃以上気温上昇すると想定。
シナリオ分析によって特定されたリスク及び機会のうち、財務的影響が大きく、優先度の高い項目とその対応策は下記のとおりであります。
※各行の上段が国内即席麺事業、低温食品事業の財務影響、下段が海外即席麵事業の財務影響を示しております。
※ 国内即席麺事業、低温食品事業の財務影響は影響額10億円以上が「大」、5~10億円未満が「中」、5億円未満が
「小」としております。
※ 海外即席麺事業の財務影響は影響額30億円以上が「大」、5~30億円未満が「中」、5億円未満が「小」としており
ます。
※ 海外即席麺事業の影響額は、1米ドル=150円として換算しております。
※ 4℃シナリオではカーボンプライシングが導入されないという仮定のもと、同項目の財務影響は1.5℃のみを想定し
ております。
②人的資本に関する戦略について
企業が業績を上げ、維持、発展していくためには、社員の成長が欠かせないと考え、社員教育は重要な経営課題と捉えており、社員の成長を支援する制度を整えております。
また、会社を支えているのは社員一人ひとりであり、会社が成長し続けるためには社員が健康で、安心して活き活きと働ける職場環境を整備することが重要と考えております。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、優先度の高い項目とその対応策は下記のとおりであります。
※1 対応策の対象範囲は、国内グループであります。海外グループについては雇用環境が異なることから育成方針も
異なるため、現地の環境に応じた適切な対応策に関して引き続き検討中であります。
※2 対応策の対象範囲は、国内の主要なグループ会社(持分法適用会社を除く)である東洋水産㈱及びユタカフーズ㈱
となります。
東洋水産グループは、人材多様性に関する社内環境整備方針に係る国内グループの対応策を策定中となります。
現在は、国内の上場会社である2社を優先して対応しており、今後国内の他のグループ会社(持分法適用会社を
除く)の対応策の策定を進める方針であります。
また、海外グループについては雇用環境が異なることから、現地の環境に応じた適切な対応策に関して引き続き検討中であります。
上記のとおり、東洋水産グループは、東洋水産グループの事業に関するサステナビリティ課題全般に関連するリスク及び機会を識別・評価し、その対応策の検討に取り組んでおります。その中でも、2025年度からの3年間を対象とする中期経営計画をスタートしたことに伴い、経済価値と社会価値の両立に向けて、優先的に取り組むべきマテリアリティを選定いたしました(「健康で豊かな食生活への貢献」、「多様な人材の活躍と育成」、「次世代の育成と支援」、「持続可能な調達」、「気候変動への対応」、「生物多様性の保全」、「資源循環の推進」)。各マテリアリティに基づく取組を着実に進めてまいります。



現状では、国内事業における環境関連のサステナビリティ課題について優先的に分析を実施し、KPI、戦略を策定のうえ、施策を実行しております。他方、海外の環境関連、及び国内・海外双方の環境以外に関連するサステナビリティ課題については、当社グループ全体でのKPI、戦略の特定に向けて引き続き検討を進めてまいります。
国内事業における環境関連のサステナビリティ課題に対する分析の結果、特定したリスク及び機会のうち、原則として財務的影響が大きく、優先度が高いものを開示しておりますが、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、財務的影響の大きさに関わらず、東洋水産グループにとって重要と考えられる方針について開示しております。
①気候変動に関する戦略について
気候変動に関するリスク及び機会の識別・評価にあたっては、シナリオ分析を実施しております。シナリオ分析について、2024年度は東洋水産グループの事業として重要な位置づけにある国内即席麺事業及び低温食品事業を対象としておりましたが、2025年度は、海外即席麺事業まで拡大いたしました。2030年度時点における移行リスク、物理リスク及び機会を特定し、その財務的影響と対応策を検討いたしました。リスクシナリオとして既存の政策と規制のまま推移する2100年の温度が4℃上昇する世界である4℃シナリオと、2100年の温度上昇を1.5℃以下に抑制する1.5℃シナリオという2つの外部シナリオを想定いたしました。
今回実施した気候関連のリスク及び機会のシナリオ分析の前提条件は次のとおりであります。
| 対象範囲 時間軸 | 国内即席麺事業、低温食品事業、海外即席麺事業 2030年度 |
| 想定内容 | 参照シナリオ※ | |
| 1.5℃シナリオ | 2100年の世界平均気温の上昇を産業革命前比で1.5℃に抑えるために、脱炭素に 向けた政策・規制の導入、技術開発、またステークホルダーの意識変容が進展するシナリオ。 | •IEA Net Zero Emissions (NZE) •IPCC SSP 1-1.9 |
| 4℃シナリオ | 2100年の世界平均気温が産業革命前比で4℃上昇し、気象災害が増加するシナリオ。政策・規制、技術、ステークホルダーの意識や行動は既存のまま推移すると想定。 | •IEA Stated Policies Scenario (STEPS) •IPCC SSP 5-8.5 |
※ 参照シナリオの概要
IEA NZE…世界エネルギー機関(IEA)による1.5℃相当シナリオ。2050年にネットゼロを達成するシナリオ。
IEA STEPS…世界エネルギー機関(IEA)による4℃相当シナリオ。既存の政策のまま追加的な施策がなく推移するシナリオ。
IPCC…気候変動に関する政府間パネル。
IPCC SSP1-1.9…IPCCによる1.5℃相当シナリオ。2050年頃にCO2排出量が実質ゼロになり、2100年時点の気温上昇が1.5℃に抑えられる。
IPCC SSP5-8.5…IPCCによる4℃相当シナリオ。CO2排出量、平均気温ともに上昇し続け、2100年にかけて4℃以上気温上昇すると想定。
シナリオ分析によって特定されたリスク及び機会のうち、財務的影響が大きく、優先度の高い項目とその対応策は下記のとおりであります。
※各行の上段が国内即席麺事業、低温食品事業の財務影響、下段が海外即席麵事業の財務影響を示しております。
| カテゴリー | サブ カテゴリー | リスクの内容 | 関連する バリュー チェーン上のプロセス | 財務影響※ (2030年) | 対応策 | |
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 法制度・ 政策リスク | 脱炭素 政策 | カーボンプライシング導入の場合、上流取引先の コスト増加分が価格転嫁 され、原材料の調達コストが増加する。 | 原材料調達、購買物流 | 大 | - | ・包装材の省資源化 ・認証パーム油等環境負荷 の少ない原材料活用 ・価格転嫁戦略の整備 |
| 大 | - | |||||
| 法制度・ 政策リスク | 脱炭素 政策 | カーボンプライシング導入の場合、製造拠点での製造コストが増加し、製品への価格転嫁が進まない場合、収益低下リスクになる。 | 製造、全般管理 | 大 | - | ・代替燃料や自然冷媒への 切り替え ・製造工程の効率化等、 製造プロセスにおける 省エネ化を推進 ・製造の知識・技術の伝承 ・再生可能エネルギーの導入 拡大 ・価格転嫁戦略の整備 |
| 大 | - | |||||
| 法制度・ 政策リスク | 脱炭素 政策 | カーボンプライシング導入の場合、物流コストが増加する。 | 出荷物流、購買物流 | 小 | - | ・共同配送の実施、配送拠点の統廃合による配送効率の向上 ・需給予測の向上 ・モーダルシフト(鉄道輸送の採用)への取組 ・EVやバイオ燃料利用等、環境負荷の小さい運搬 サービスへの転換 |
| - | - | |||||
| 市場リスク | 原材料 コストの高騰 | 温暖化の進行に伴う災害の 多発による原材料の不作、価格高騰、供給難による 資材変更、調達先の見直し によるコストが増加する。 環境負荷に関する社会的な 要求事項が高まり、環境 負荷の低い原材料を利用 せざるを得なくなり、調達 コストが増加する。 | 商品企画、 原材料調達 | 大 | 小 | ・調達先の地理的分散の推進 ・認証パーム油の調達率の 向上 ・代替原材料の研究開発 ・原材料の共通資材化の推進 ・包装材の省資源化 |
| 大 | 大 | |||||
| 評判リスク | ステークホルダーによる 懸念 | 環境対応の遅れによる ステークホルダーの不安、又はマイナスのフィード バックの増加により、商品/サービスの需要が 減少し、売上が減少する。 | 販売・マーケティング | 小 | - | ・認証パーム油等、持続可能な原材料・資材の調達を 拡大 ・CDP等、気候関連の情報 開示への対応 |
| - | - | |||||
| カテゴリー | サブ カテゴリー | リスクの内容 | 関連する バリュー チェーン上のプロセス | 財務影響※ (2030年) | 対応策 | |
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 物理的急性リスク | 異常気象(台風・ 洪水)の 深刻化 | 気象災害により、売上が 減少する。 原材料が調達できなくなる ことによる操業停止。 自社の工場内浸水、倉庫の 電源喪失による操業停止。 交通網の混乱により 出荷物流における配送が 停止する。 | 原材料調達、購買物流、 製造、出荷物流、全般管理 | 中 | 中 | ・新規拠点を建築する際、 気象災害のリスクを考慮 して立地を検討する ・拠点の設備における浸水 被害抑止・軽減 ・適正在庫の見直しや在庫 場所の分散化 ・調達先の分散や代替調達先 の確保 ・操業の継続に不可欠な代替 人材の育成 ・対応方針の策定・定期的な 見直し・演習 |
| 中 | 中 | |||||
※ 国内即席麺事業、低温食品事業の財務影響は影響額10億円以上が「大」、5~10億円未満が「中」、5億円未満が
「小」としております。
※ 海外即席麺事業の財務影響は影響額30億円以上が「大」、5~30億円未満が「中」、5億円未満が「小」としており
ます。
※ 海外即席麺事業の影響額は、1米ドル=150円として換算しております。
※ 4℃シナリオではカーボンプライシングが導入されないという仮定のもと、同項目の財務影響は1.5℃のみを想定し
ております。
②人的資本に関する戦略について
企業が業績を上げ、維持、発展していくためには、社員の成長が欠かせないと考え、社員教育は重要な経営課題と捉えており、社員の成長を支援する制度を整えております。
また、会社を支えているのは社員一人ひとりであり、会社が成長し続けるためには社員が健康で、安心して活き活きと働ける職場環境を整備することが重要と考えております。
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、優先度の高い項目とその対応策は下記のとおりであります。
| カテゴリー | リスクの内容 | 関連する事業 | 関連するバリューチェーン 上のプロセス | 対応策 |
| 人材育成 | 専門人材不足。 コンプライアンス遵守が困難になる。 | グループ全事業 | グループ全従業員 | ・人材育成の強化を図る ため、各年代別の教育制度を構築、実施※1 |
| 社内環境整備 | 優秀な人材の確保が困難に なる。 社員エンゲージメントの低下による生産性の低下。 | グループ全事業 | グループ全従業員 | ・職場環境の改善 ・社内啓発活動 ・マネジメント層の勉強会 (課長以上) ※2 |
※1 対応策の対象範囲は、国内グループであります。海外グループについては雇用環境が異なることから育成方針も
異なるため、現地の環境に応じた適切な対応策に関して引き続き検討中であります。
※2 対応策の対象範囲は、国内の主要なグループ会社(持分法適用会社を除く)である東洋水産㈱及びユタカフーズ㈱
となります。
東洋水産グループは、人材多様性に関する社内環境整備方針に係る国内グループの対応策を策定中となります。
現在は、国内の上場会社である2社を優先して対応しており、今後国内の他のグループ会社(持分法適用会社を
除く)の対応策の策定を進める方針であります。
また、海外グループについては雇用環境が異なることから、現地の環境に応じた適切な対応策に関して引き続き検討中であります。