有価証券報告書-第206期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 10:08
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149項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、企業価値重視の経営という考え方に立ち、企業のコーポレート・ガバナンスを経営の最重要課題のひとつとしてとらえ、激変する経営環境に対応すべく、経営の透明性・健全性・遵法性を確保するとともに、各ステークホルダーへのアカウンタビリティを重視し迅速かつ適切な情報開示に努め、経営の効率化・意思決定の迅速化・経営監視機能の充実を高めることを基本的な考え方としている。コーポレート・ガバナンスの向上を目指して、コンプライアンス、リスク管理の徹底に努めるとともに、株主を始めとするステークホルダーの立場を踏まえた透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うことに努め、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上のための自律的な対応を推進していくこととしている。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(取締役会)
経営の意思決定および取締役の職務執行を監督する機関として位置付けており、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名(うち独立社外取締役2名)と監査等委員である取締役4名(うち独立社外取締役3名)の計9名の取締役で構成されている。取締役会は原則毎月1回開催するとともに、必要に応じ臨時取締役会を開催し、経営上重要な事項の審議・報告・決定を行うとともに、業務執行状況の報告を受けるなど、取締役の業務執行を適切に監督する体制となっている。
(監査等委員会)
監査等委員会は監査等委員である取締役4名(うち独立社外取締役3名)で構成されている。監査等委員会は、常勤の監査等委員を1名置き、原則月1回の監査等委員会を開催し、取締役の業務執行を監査し、監査報告を作成する。監査等委員である取締役は取締役会、監査等委員会に原則出席するとともに、常勤の監査等委員である取締役は、経営会議や事業部長会など社内の重要な会議にも出席することで、内部統制システムを通じて適法性および妥当性に関する監査を行ない、取締役の職務執行を監査している。また、内部監査室とは、適宜意見交換を行うほか月1回の内部監査連絡会を定期的に開催しており、会計監査人とは通常の会計監査に加え、重要な会計的課題について随時協議・検討の機会を持つことで緊密な連携を保っている。
(社外役員会議・諮問委員会)
外部の新しい視点から、当社の持続的成長と企業価値向上のために有用な助言や経営監督に関する提言を活発に議論する場として、5名の独立社外取締役のうち1名を筆頭社外取締役としたうえで独立社外取締役のみで構成する社外役員会議を設置している。また、取締役等の経営幹部の指名・報酬などの重要な事項の検討にあたり、独立社外取締役の適切な助言を得る場として、取締役会の下に、独立社外取締役を主要な構成員とし、社長を含む諮問委員会を設置している。
(内部統制委員会)
内部統制委員会は、原則月1回開催している。社長が委員長、内部監査室長が運営事務局を務め、取締役(監査等委員である取締役を除く)、常勤の監査等委員である取締役のほか必要に応じて関連部署の部長以上の役職者が出席し、当社グループの業務執行に係るリスクについて内部監査室における内部監査や会計監査を参考に分類・分析し、各々のリスク管理を適正に行っている。
加えて、当社グループの事業活動に係る様々なリスクの管理と顕在化の防止など幅広いリスク管理に関する事項や法令違反その他コンプライアンス違反などの内部統制に関する事項の現況および課題についても協議している。
なお、結果については、必要に応じて取締役会および監査等委員会に直接報告することとしている。
(事業部長会等)
事業本部の部長以上の役職者及び社長を含む担当取締役(監査等委員である取締役を除く)、常勤の監査等委員である取締役で構成する事業部長会を月1回開催し、経営方針に関する重要な案件や業務執行に関する重要な事項の検討を行っている。また、週1回を目処に、社長以下理事以上が参加する経営会議を開催し、業務執行に関する状況報告や課題の検討を行っている。
(当該体制を採用する理由)
当社は、2016年6月に監査等委員会設置会社に移行した。その体制を採用した理由は、議決権を有する監査等委員である取締役を置くことにより、透明かつ機動的な会社運営の下、取締役会の監査・監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが出来ると考えたからである。また、取締役会、監査等委員会のほか、社外役員会議、諮問委員会などの会議を設置するとともに、取締役会の監督機能の強化と業務執行責任の明確化の観点から執行役員制度の導入および監査等委員会・会計監査人・内部監査室のスムーズな連携の確保など、高い企業統治を目指した体制としている。
当社の企業統治の体制の模式図は以下のとおりである。
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③ 企業統治に関するその他の事項
(内部統制システムの整備の状況)
当社は、内部統制システム整備の基本方針を制定し、会社の業務の適正を確保するための体制を整え、社内統制機能の強化を図っている。また、当社は、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の構築及びその他の対応については、経営管理本部長をリーダーとして、当社グループ全体で推進している。
(リスク管理体制の整備の状況)
重要な法務的課題及びコンプライアンスに係る事象については、顧問弁護士等に相談し、必要に応じ外部の専門家を起用して法令定款違反行為を未然に防止している。また、取締役が他の取締役の法令定款違反行為を発見した場合は直ちに監査等委員会及び取締役会に報告するなどコーポレート・ガバナンス体制を強化している。情報管理については、情報セキュリティ基本方針及び情報セキュリティ管理規程を制定し、適切かつ確実に保存・管理を行っている。また、大地震等災害発生時には、その損害を最小限に食い止めるため防災危機管理基本規程に基づき組織的かつ計画的に対応している。
(提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況)
当社グループの経営管理については、関係会社業務規程に従い運営管理を行うものとし、子会社の職務の執行に係る事項を報告する場として、原則月1回の業務報告会など、適宜会議を開催することとしている。また、子会社における損失の危険の管理に関する体制、子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保する体制、および子会社の取締役等および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制として、内部監査室による子会社の内部監査を実施し、その結果を子会社の取締役および当社の取締役に報告する。
④ 責任限定契約の概要
当社と業務執行取締役等でない取締役との間で、会社法第427条第1項の規定により、会社法第423条第1項に定める損害賠償責任を限定する契約を締結している。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、同法第425条第1項に定める最低責任限度額としている。これは、業務執行取締役等でない取締役がその期待される役割を十分に発揮できることを目的とするものである。
⑤ 役員等賠償責任保険契約に関する事項
当社は、当社取締役(監査等委員である取締役を除く)、当社監査等委員である取締役、当社子会社の役員および退任役員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結している。
当該役員等賠償責任保険契約の保険料は全額当社が負担しており、役員等がその職務の執行に起因して保険期間中に損害賠償請求された場合の損害賠償金および争訟費用等が当該役員等賠償責任保険にて填補される。
また、当該役員等賠償責任保険契約は役員等の職務執行の適正のために免責事由が設定されているので、当該免責事由に該当する損害については填補されず、役員等の自己負担となる。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役(監査等委員であるものを除く)は11名以内、監査等委員である取締役は4名以内とする旨定款に定めている。
⑦ 取締役の選任及び解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨定款に定めている。
⑧ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
(自己の株式の取得)
当社は、自己の株式の取得について、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨定款に定めている。これは、企業環境の変化に対応し、機動的な経営を遂行することを目的とするものである。
(中間配当)
当社は、中間配当について、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨定款に定めている。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものである。
(取締役の責任免除)
当社は、取締役の責任免除について、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)及び第196回定時株主総会終結前の行為に関する会社法第423条第1項に定める監査役(監査役であったものを含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めている。これは、取締役がその期待される役割を十分に発揮できることを目的とするものである。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めている。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものである。
⑩ 取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を19回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりである。
氏 名開催回数出席回数
山内 一裕19回19回
三枝 章吾19回19回
野村 史郎19回19回
山形 俊樹19回18回
師田 範子19回19回
加久間 雄二19回19回
飯沼 春樹19回19回
鏡 高志19回18回
奥村 秀策19回19回

取締役会における具体的な検討内容は以下のとおりである。
当社の取締役会は、経営の意思決定及び取締役の職務執行を監督する機関として位置付けており、取締役(監査等委員である取締役を除く)5名(うち独立社外取締役2名)と監査等委員である取締役4名(うち独立社外取締役3名)の計9名の取締役で構成している。取締役会は原則毎月1回開催するとともに、必要に応じ臨時取締役会を開催し、経営上重要な事項の審議・報告・決定を行うとともに、業務執行状況の報告を受けるなど、取締役の業務執行を適切に監督する体制となっている。
⑪ 諮問委員会の活動状況
当事業年度において当社は諮問委員会を2回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりである。
氏 名開催回数出席回数
山内 一裕2回2回
奥村 秀策2回2回
飯沼 春樹2回2回
鏡 高志2回2回

取締役等の経営幹部の指名・報酬などの重要な事項の検討にあたり、独立社外取締役の適切な助言を得る場として、取締役会の下に、独立社外取締役を主要な構成員とし、社長を含む諮問委員会を設置している。
⑫ 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりである。
Ⅰ 基本方針の内容
上場会社である当社の株式は、株主の皆様及び投資家の皆様による自由な取引に委ねられているため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思に基づいて決定されることを基本としており、会社の支配権の移転を伴う当社株券等の大規模買付けに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。また、当社は、当社株券等の大規模買付けが行われる場合であっても、それが当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資するものであればこれを否定するものではない。
しかしながら、事前に当社取締役会の賛同を得ずに行われる当社株券等の大規模買付けの中には、その目的等から見て当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株券等の売却を事実上強制するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆様が株券等の大規模買付けの内容等について検討し、又は当社取締役会が代替案を提案するために必要かつ十分な時間や情報を提供しないもの、当社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするものなど、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損するおそれをもたらすものも少なくないと想定される。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値の様々な源泉及び当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えている。当社は、上記のような、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資さない株券等の大規模買付けを行う者が、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による株券等の大規模買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えている。
Ⅱ 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、日本で最初の毛織会社として、三井家始め東京の財界有力者による出資を得て1896年2月に設立された。爾来、明治から昭和初期にかけて日本経済成長の牽引車となった繊維業界の主要企業の一つとして、経済・社会の発展に長年にわたり貢献してきた。毛織物の一貫生産体制を早くに確立したことから、官需・民需ユニフォーム事業にも強みを発揮し、警察・消防ほか諸官庁向け制服や1964年の東京オリンピック関連ユニフォームなど数々の実績を挙げた。その後の国内繊維産業の低迷を背景に、2002年に当社最大の国内紡績工場であった鈴鹿工場を閉鎖、2015年には事業環境の悪化等により紳士服販売子会社を解散、2017年には中国合弁工場での紳士スーツ製造事業から完全撤退するなど、必要に応じて、リストラ策についても断行してきた。
一方、国内繊維産業の低迷が長引く中、1997年に静岡県駿東郡において当社の三島工場跡地を利用した地域密着型の大型商業施設「サントムーン柿田川」の開発に乗り出し、現在では、商業施設事業を当社の収益の源泉たる主力事業に育成してきた。2020年3月には3階建て・約7,000平米のテナント面積を有する新館「サントムーン オアシス」を開業し、その直後のコロナ禍においても地域住民の生活プラットフォームとして貢献するなど、地域の発展に不可欠な施設に育っている。
また、現在のヘルスケア事業の前身である寝具製造事業については、1980年に鈴鹿工場内で寝具製造事業をスタートさせ、1990年から1991年にかけて寝装品販売子会社設立、新潟県十日町市に寝装品製造子会社設立など新しい事業展開に取り組み、製販一体事業として長年にわたり取り組んできた。その後、2014年には、高齢化社会の到来を睨み、寝装事業をさらに発展させ、今後の成長が期待できる「健康素材・健康医療機器・健康食品」の3分野を中心としたヘルスケア事業本部を新設している。2017年には、医療機器メーカーである伊藤超短波株式会社との資本業務提携を実施するなど、健康長寿社会の発展への取り組みを進めている。さらに、2019年3月に生地商社和田哲株式会社からヘルスケア事業を譲り受け、業容を拡大してきた。直近のコロナ禍の前半はマスク等の販売が好調な時期もあったが、対面販売チャネルの低迷に苦戦する場面もある中、市場拡大が見込まれる健康長寿社会への貢献に努めてきた。
さらに、事業全般の戦略を進展させるにあたり2017年に東証スタンダード市場上場のファーストブラザーズ株式会社及びその子会社との資本業務提携を締結し、当社事業のさらなる発展を目指し取り組みを継続している。
この結果、コロナ禍においても営業利益、経常利益、当期利益の各段階で黒字を確保し、現在まで9期連続で連結・単体ともに各利益段階で黒字を確保し、さらに、2023年6月には22年振りの復配を成し遂げ、今後とも安定的に配当を実現すべく、中長期的な企業価値向上に向けて一段と邁進しているところである。
また、当社は、2024年4月から新中期経営計画「Jumping over the 130th ~成長の未来へ~」をスタートさせ、今後の経済成長のベクトルに応じて、当社として安定軌道から成長軌道へとギアシフトをチェンジしスピード感を持って各施策を遂行していくとともに、「サステナビリティ基本方針に基づく運営」や、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み」を一段と積極的に推進していく所存である。
以上により、当社グループは、現経営陣のもと株主様はじめ多くのステークホルダーの皆様のお蔭を持ちまして、厳しい環境を乗り越えて現在がある。今後、当社グループは、128年を超える当社の歴史と伝統を背景に、経営理念である「進取の精神」と「自利利他の心」に基づき、発想力を活かし無限大の可能性へ挑戦していく。もって、中長期的な企業価値の向上を実現し、社会に役立つ企業、環境に優しい企業、人々の笑顔を大切にする企業となり、SDGsの実現と日本のより良い未来の創造に貢献していく所存である。
こうした歴史と実績をもとに、長年にわたり信頼関係を構築したお取引先様各位と経験豊かで専門的技量を有する当社グループ社員一同が一丸となって当社の事業を育んでいくことが当社の企業価値の源泉であり、これら企業価値の源泉を理解し運営することにより、会社の利益ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことが可能になると考えている。
Ⅲ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
ア.企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現
(ア)企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に反する株券等の大規模買付行為の存在
当社グループにおいては、企業価値の向上および会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に全力で取り組む所存であるが、近年の資本市場においては、株主の皆様に十分な検討時間を与えず、また対象となる会社の経営陣との十分な協議や合意等のプロセスを経ることなく、突如として株券等の大規模買付行為を強行するといった動きも見受けられないわけではない。
もとより株券等の大規模買付行為は、たとえそれが対象となる会社の経営陣の賛同を得ないものであっても、当該会社の資産の効率的な運用につながり、企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主共同の利益の実現をもたらすものであれば、何ら否定されるべきものではないと考えている。
しかし、このような大規模買付行為の中には真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、専ら当該会社の株価を上昇させて対象会社の株券等を高値で会社関係者等に買い取らせる目的で行うものなど、企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく損なうことが明白な、いわゆる「濫用的買収」が存在する可能性があることは否定できない。
また、当社は、前述のとおり、長年築いてきたお客様との信頼関係を維持・発展させていくことをはじめ、さまざまなステークホルダーとの良好な関係を継続することが、当社の中長期的な企業価値を向上させ、株主の皆様の利益につながるものであることを確信している。当社株券等の大規模買付者がこれらのことを十分理解し、中長期的にこれらを確保、向上させる者でなければ、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益は著しく害されることになる。
(イ)本プラン継続の必要性
当社の株券等は譲渡自由が原則であり、株式市場を通じて多数の投資家の皆様に自由に取引いただいている。したがって、当社株券等の大規模買付行為に関する提案に応じるか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものである。
当社としては、上記(ア)のような状況下でかかる大規模買付行為が行われた場合、当該大規模買付行為が当社の企業価値の向上及び会社の利益ひいては株主共同の利益の実現に資するものであるか否か、株主の皆様に適切に判断いただき、当社株券等の大規模買付行為に関する提案に応じるか否かを決定していただくためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、検討のための十分な期間が確保されることが不可欠であると考えている。また、当社取締役会は、当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益の確保又は向上の観点から大規模買付行為の条件・方法を変更・改善させる必要があると判断する場合には、大規模買付行為の条件・方法について、大規模買付者と交渉するとともに、株主の皆様に対して代替案の提案等を行う必要もあると考えているので、そのために必要な時間も十分に確保されるべきである。
当社は、このような考え方に立ち、旧プランに所要の修正を加えた上で、以下のとおり本プランを継続することを決定した。本プランは、大規模買付者に対し、本プランの遵守を求めるとともに、大規模買付者が本プランを遵守しない場合、並びに大規模買付行為が当社の企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合の対抗措置を定めている。
イ.本プランの内容
本プランは以下の①から③に対して適用されるものとする。
① 当社が発行者である株券等について、保有者及びその共同保有者の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付行為
② 当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
③ 上記a又はbに規定される各行為が行われたか否かにかかわらず、当社の特定の株主が、当社の他の株主(複数である場合を含む。以下本項目において同じとする。)との間で行う行為であり、かつ当該行為の結果として当該他の株主が当該特定の株主の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、又は当該特定の株主と当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配し若しくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立するあらゆる行為(ただし、当社が発行者である株券等につき当該特定の株主と当該他の株主の株式等保有割合の合計が20%以上となるような場合に限る。)(いずれも当社取締役会があらかじめ同意したものを除くとする。以下、それらの行為を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う、又は行おうとする者を「大規模買付者」という。)を対象とする。
本プランにおいては、大規模買付行為に該当する行為に応じるか否か等を株主の皆様に適切に判断していただくために必要かつ十分な時間及び情報を確保するために、当社取締役会が、大規模買付者に対して、事前に大規模買付情報Bの提供を求め、当該大規模買付行為について評価、検討、大規模買付者との買付条件等に関する交渉又は株主の皆様への代替案の提案等を行うとともに、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、大規模買付行為に対して、新株予約権の無償割当てその他当該時点において相当と認められる対抗措置を発動するためのルールを定めている。
また、本プランにおいては、当社取締役会が、独立委員会に対する諮問に加え、株主の皆様の意思を直接確認することが実務上適切と判断した場合又は独立委員会が株主意思確認総会を開催すべき旨の勧告を行った場合には、対抗措置の発動にあたり、株主意思確認総会を開催し、対抗措置発動の是非の判断を株主の皆様の意思に委ねることとしている。
大規模買付者は、本プランに定める大規模買付けルールに従って、当社取締役会又は株主意思確認総会において、対抗措置の発動の是非に関する決議が行われるまでは、大規模買付行為を開始することができないものとする。
Ⅳ 各取組み等に対する当社取締役会の判断及びその理由
ア.本プランが基本方針に沿うものであることについて
本プランは、大規模買付行為が行われる際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要かつ十分な時間や情報を確保したり、株主の皆様のために大規模買付者等と交渉を行うことなどを可能とすることにより、もって当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保する取組みであり、基本方針に沿うものである。
イ.本プランが当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員等がその会社役員の地位を維持することを目的とするものではないこと
(ア)買収防衛策(対応方針)に関する各指針等に適合していること
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日付けで公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」において定められた①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則の三原則を完全に充足し、また、東京証券取引所の有価証券上場規程第440条(買収への対応方針の導入に係る遵守事項)の趣旨に合致したものである。さらに、本プランは、企業価値研究会が2008年6月30日付けで公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の趣旨、東京証券取引所が2015年6月1日付けで公表した「コーポレートガバナンス・コード」(その後の改定を含む。)の原則1-5及び補充原則1-5①及び経済産業省が2023年8月31日付けで公表した「企業買収における行動指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」を踏まえた内容になっている。
(イ)株主の皆様の意思が重視されていること
本プランの有効期間は3年間であり、その有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、株主の皆様の意思が尊重されることなっている。
これらに加えて、当社取締役会は、実務上適切であると判断する場合又は独立委員会からの勧告があった場合には、株主意思確認総会を開催し、対抗措置の発動の是非についても、株主の皆様の意思を確認することとされており、株主の皆様の意思が反映される。また、株主の皆様に、本プランの廃止等の判断、大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かについての判断及び対抗措置の発動の是非を判断する株主意思確認総会における議決権行使等の際の意思形成を適切に行っていただくために、当社取締役会は、大規模買付情報その他大規模買付者から提供を受けた情報を株主の皆様へ当社取締役会が適当と認める時期及び方法により開示することとしている。
(ウ)取締役会の恣意的判断を排除するための仕組みが定められていること
① 独立性の高い社外者の判断の重視
当社は、当社取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会を設置している。当社に対して大規模買付行為がなされた場合には、独立委員会が大規模買付行為に対する対抗措置の発動の是非等について審議・検討したうえで当社取締役会に対して勧告を行い、当社取締役会は当該勧告を最大限尊重して決議を行うこととされており、取締役会の恣意的判断に基づく対抗措置の発動を可及的に排除することができる仕組みが確保されている。
② 合理的な客観的要件の設定対抗措置
大規模買付者が、本プランにおいて定められた大規模買付けルールを遵守しない場合又は大規模買付行為が、当社の企業価値を著しく損なう場合として合理的かつ詳細に定められた客観的要件を充足した場合にのみ発動されることとされており、この点においても、当社取締役会による恣意的な対抗措置の発動を可及的に排除することができる仕組みが確保されている。
(エ)デッドハンド型やスローハンド型の対応方針ではないこと
本プランは、当社取締役会により廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型対応方針ではない。また、当社は期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型対応方針でもない。

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