有価証券報告書-第72期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは縫い糸、刺しゅう糸及び手芸用各種糸の製造・販売を主たる事業とし、「誠実」の社是のもと、「すぐれた技術とまごころがつくり出す製品を通じて社会に奉仕する」ことを経営理念としております。ユーザーである縫製業者や刺しゅう業者、手作りホビーを楽しむ人々への価値ある製品とサービスの提供を通して、株主、投資家、取引先、従業員あるいは地域社会など、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは経営の基本方針に記載の通り、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループであるために、連結・個別ともに堅実で安定的な利益の確保が重要と考えております。中長期的にも連結・個別における経常利益並びに売上高経常利益率の向上を目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営環境
今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により、わが国の個人消費は、短期的には外出機会の減少による所謂「巣ごもり需要」と、旅行やイベント、外食などの所謂「お出かけ需要」は対照的な様相となりました。
縫い糸や刺繍糸の製造・販売を主な事業とする当社グループが最も深く関わるわが国のアパレル・ファッション業界や手芸関連業界におきましては、近年、ライフスタイルや価値観の変化に伴って、消費者の衣料品や手作り手芸に対するニーズや購買行動も多様化が進んできましたが、今回のコロナ禍により、短期的にはむしろ上述の対照的な消費動向の影響を大きく受けております。
また今回のコロナ禍をきっかけに変化した生活様式や消費志向、購買行動は、感染の収束後も一定程度は定着することが考えられ、今後の消費動向は不透明です。
さらに他方では、温室効果ガスや環境汚染問題を背景に持続的社会構築への関心が世界的に高まるなか、新興国においても、経済成長の代償ともなってきた環境汚染に対する法規制等が一段と強化されつつあり、今後、コロナ禍が収束した後には、当業界においても持続的社会構築のための様々な要請が一層高まることが予想されます。
このように国内外の状況が大きく変わりつつあるなか、当社グループといたしましては、中長期的な縫い糸事業の環境について、次のように考えております。
① 工業用縫い糸の事業について
世界の縫製基地の一つとなっている中国を始め東南アジア諸国においては、国内外の同業者との販売競争が一段と激化しつつあることはもちろん、為替変動や国家統治の変化、法律、税制などの突然の改正、賃金上昇等を始めとする雇用環境の変化に加え、環境汚染に対する規制の強化などから、日本に比べて事業リスクが高いものの、中長期的には経済成長に伴う富裕層の増加により、高級衣料品や自動車等のさらなる消費拡大が期待され、縫製品位や縫製効率の向上に不可欠な高品質な縫い糸や環境問題に配慮した縫い糸の需要の拡大が見込まれる。
また同地域では、当社のシェアの低い欧米向け衣料品等の生産規模も大きいことから、今後もそれらのニーズを満たす縫い糸は販売拡大の余地がある。
一方、海外への生産移転と縫製従事者の減少により市場の縮小を余儀なくされている日本国内においては、縫製の省力化や効率化、縫製品の機能性向上に寄与する独自性や機能性の高い縫い糸や高質なサービスの提供により、シェアの拡大が可能である。
② 家庭用縫い糸の事業について
近年、国内の手作りホビー分野におけるソーイング(縫い物)需要は、生活様式の変化や趣味の多様化などを背景に漸減傾向が続いてきたものの、今回のコロナ禍による在宅時間の見直しをきっかけに、癒しやオリジナリティの観点からソーイングも見直されつつあり、家庭用ミシンの販売も一時的に増加したことから、今後も手作りホビー(ハンドメイド)の一分野として有効な提案を継続することにより、ソーイング需要の掘り起こしの余地がある。
また、海外市場については、欧米市場における当社製品のシェアは極めて低く、独自性の高い製品の開発や需要掘り起こしの有効な提案によって、シェア拡大の余地があるほか、中長期的に富裕層の増加が見込まれる中国を始め東南アジア諸国においては、手作りホビー市場の成長が期待できる。
当社グループは、これらの縫い糸事業の中長期的な経営環境を踏まえた上で下記「(4) 会社の優先的に対処すべき課題」に取り組み、業績の向上と将来の成長を目指してまいります。
(4) 会社の優先的に対処すべき課題
上記の「(3) 中長期的な会社の経営環境」に記載の事業環境を踏まえて、当社グループは、下記の諸課題に優先的に取り組んでおります。
① 高機能はもちろん、環境問題に配慮し、持続的社会の構築に寄与する技術開発、製品開発にも努め、家庭用から工業用、衣料用から非衣料用に至るまで、独自性があり、高品質且つ幅広い製品を有して製品競争力の強化と付加価値の増大を目指す。
② 海外事業のリスクを踏まえつつ、アジア地域での環境負荷の軽減や生産体制および販売拠点の整備や見直しに努めつつ、販売競争力を強化して、アジア事業の一層の拡大を図る。
③ 国内連結子会社3社との連携を強化しつつ、衣料用・非衣料用ともに独自性や機能性の高い製品と高質なサービスの提供を通して幅広い顧客を開拓し、日本国内における縫い糸のシェア拡大を図る。
④ 国内外の手芸関連市場に対してSNSなども活用しながら、ソーイングを始め、自宅で楽しめる手作りホビーの魅力を発信し、日本国内の新たな需要の掘り起こしに努めるとともに、独自の製品や蓄積したノウハウも活かして、欧米諸国やアジア地域等、海外市場の開拓に努める。
⑤ ユーザー、取引先の購買行動や消費の変化等に対応することや、生産の合理化・効率化を目的としてAIやIoTの活用を目指す。
⑥ 生活様式の変化や働き方改革の今後の動向を踏まえ、従業員の育成と活性化の図れる労働環境を整備して、事業を円滑に継続しつつ、技術やノウハウの継承を行う。
⑦ 社会的信頼の維持はもとより、環境負荷の軽減をはじめ、持続的社会の構築に寄与するため、企業としての社会的責任を果たす。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは縫い糸、刺しゅう糸及び手芸用各種糸の製造・販売を主たる事業とし、「誠実」の社是のもと、「すぐれた技術とまごころがつくり出す製品を通じて社会に奉仕する」ことを経営理念としております。ユーザーである縫製業者や刺しゅう業者、手作りホビーを楽しむ人々への価値ある製品とサービスの提供を通して、株主、投資家、取引先、従業員あるいは地域社会など、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは経営の基本方針に記載の通り、全てのステークホルダーに長期安定的に貢献できる企業グループであるために、連結・個別ともに堅実で安定的な利益の確保が重要と考えております。中長期的にも連結・個別における経常利益並びに売上高経常利益率の向上を目指しております。
(3) 中長期的な会社の経営環境
今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により、わが国の個人消費は、短期的には外出機会の減少による所謂「巣ごもり需要」と、旅行やイベント、外食などの所謂「お出かけ需要」は対照的な様相となりました。
縫い糸や刺繍糸の製造・販売を主な事業とする当社グループが最も深く関わるわが国のアパレル・ファッション業界や手芸関連業界におきましては、近年、ライフスタイルや価値観の変化に伴って、消費者の衣料品や手作り手芸に対するニーズや購買行動も多様化が進んできましたが、今回のコロナ禍により、短期的にはむしろ上述の対照的な消費動向の影響を大きく受けております。
また今回のコロナ禍をきっかけに変化した生活様式や消費志向、購買行動は、感染の収束後も一定程度は定着することが考えられ、今後の消費動向は不透明です。
さらに他方では、温室効果ガスや環境汚染問題を背景に持続的社会構築への関心が世界的に高まるなか、新興国においても、経済成長の代償ともなってきた環境汚染に対する法規制等が一段と強化されつつあり、今後、コロナ禍が収束した後には、当業界においても持続的社会構築のための様々な要請が一層高まることが予想されます。
このように国内外の状況が大きく変わりつつあるなか、当社グループといたしましては、中長期的な縫い糸事業の環境について、次のように考えております。
① 工業用縫い糸の事業について
世界の縫製基地の一つとなっている中国を始め東南アジア諸国においては、国内外の同業者との販売競争が一段と激化しつつあることはもちろん、為替変動や国家統治の変化、法律、税制などの突然の改正、賃金上昇等を始めとする雇用環境の変化に加え、環境汚染に対する規制の強化などから、日本に比べて事業リスクが高いものの、中長期的には経済成長に伴う富裕層の増加により、高級衣料品や自動車等のさらなる消費拡大が期待され、縫製品位や縫製効率の向上に不可欠な高品質な縫い糸や環境問題に配慮した縫い糸の需要の拡大が見込まれる。
また同地域では、当社のシェアの低い欧米向け衣料品等の生産規模も大きいことから、今後もそれらのニーズを満たす縫い糸は販売拡大の余地がある。
一方、海外への生産移転と縫製従事者の減少により市場の縮小を余儀なくされている日本国内においては、縫製の省力化や効率化、縫製品の機能性向上に寄与する独自性や機能性の高い縫い糸や高質なサービスの提供により、シェアの拡大が可能である。
② 家庭用縫い糸の事業について
近年、国内の手作りホビー分野におけるソーイング(縫い物)需要は、生活様式の変化や趣味の多様化などを背景に漸減傾向が続いてきたものの、今回のコロナ禍による在宅時間の見直しをきっかけに、癒しやオリジナリティの観点からソーイングも見直されつつあり、家庭用ミシンの販売も一時的に増加したことから、今後も手作りホビー(ハンドメイド)の一分野として有効な提案を継続することにより、ソーイング需要の掘り起こしの余地がある。
また、海外市場については、欧米市場における当社製品のシェアは極めて低く、独自性の高い製品の開発や需要掘り起こしの有効な提案によって、シェア拡大の余地があるほか、中長期的に富裕層の増加が見込まれる中国を始め東南アジア諸国においては、手作りホビー市場の成長が期待できる。
当社グループは、これらの縫い糸事業の中長期的な経営環境を踏まえた上で下記「(4) 会社の優先的に対処すべき課題」に取り組み、業績の向上と将来の成長を目指してまいります。
(4) 会社の優先的に対処すべき課題
上記の「(3) 中長期的な会社の経営環境」に記載の事業環境を踏まえて、当社グループは、下記の諸課題に優先的に取り組んでおります。
① 高機能はもちろん、環境問題に配慮し、持続的社会の構築に寄与する技術開発、製品開発にも努め、家庭用から工業用、衣料用から非衣料用に至るまで、独自性があり、高品質且つ幅広い製品を有して製品競争力の強化と付加価値の増大を目指す。
② 海外事業のリスクを踏まえつつ、アジア地域での環境負荷の軽減や生産体制および販売拠点の整備や見直しに努めつつ、販売競争力を強化して、アジア事業の一層の拡大を図る。
③ 国内連結子会社3社との連携を強化しつつ、衣料用・非衣料用ともに独自性や機能性の高い製品と高質なサービスの提供を通して幅広い顧客を開拓し、日本国内における縫い糸のシェア拡大を図る。
④ 国内外の手芸関連市場に対してSNSなども活用しながら、ソーイングを始め、自宅で楽しめる手作りホビーの魅力を発信し、日本国内の新たな需要の掘り起こしに努めるとともに、独自の製品や蓄積したノウハウも活かして、欧米諸国やアジア地域等、海外市場の開拓に努める。
⑤ ユーザー、取引先の購買行動や消費の変化等に対応することや、生産の合理化・効率化を目的としてAIやIoTの活用を目指す。
⑥ 生活様式の変化や働き方改革の今後の動向を踏まえ、従業員の育成と活性化の図れる労働環境を整備して、事業を円滑に継続しつつ、技術やノウハウの継承を行う。
⑦ 社会的信頼の維持はもとより、環境負荷の軽減をはじめ、持続的社会の構築に寄与するため、企業としての社会的責任を果たす。