臨時報告書

【提出】
2020/02/28 13:26
【資料】
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提出理由

大王製紙株式会社(以下、大王)及び丸紅株式会社(以下、丸紅)は、ブラジル連邦共和国(以下、ブラジル)のSanther - Fábrica de Papel Santa Therezinha S.A.社(以下、Santher社)の全株式を共同で間接的に取得すること(以下、本買収)に合意しました。大王は本日開催の取締役会においてSanther社を大王の間接保有する子会社とすることを決議いたしました。
なお、Santher社の株式は、大王及び丸紅がそれぞれ51.0%及び49.0%出資するブラジルの共同投資会社であるH&PC BRAZIL PARTICIPAÇÕES S.A.(以下、買収子会社)を通じて100%取得しいたします。
かかる取引は、特定子会社の異動を伴う子会社取得に該当するため、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第8号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものです。

子会社取得の決定

(1) 取得子会社の子会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
① 商号 :Santher - Fábrica de Papel Santa Therezinha S.A.
② 本店の所在地:Rua Arcati, No. 275, Penha, City of Sao Paulo, State of Sao Paulo, Brazil
③ 代表者の氏名:José Rubens de La Rosa
④ 資本金の額 :52.7百万レアル
⑤ 純資産の額 :36.6百万レアル
⑥ 総資産の額 :1,175.1百万レアル
⑦ 事業の内容 :衛生用紙及び紙おむつ等のH&PC製品及び特殊紙の製造・販売
(2) 取得子会社の最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
2017年12月期2018年12月期2019年12月期
(未監査)
売上高1,323.0百万レアル1,481.0百万レアル1,563.0百万レアル
EBIT86.4百万レアル67.0百万レアル108.9百万レアル
EBITDA140.0百万レアル120.0百万レアル179.8百万レアル
当期純利益又は純損失(△)△587.2レアル△308.7レアル1,800レアル

(3) 取得対象子会社の当社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係 該当事項はありません。
人的関係 該当事項はありません。
取引関係 該当事項はありません。
(4) 取得対象子会社に関する子会社取得の目的
大王は現在、2018年5月に公表致しました第3次中期事業計画「Move on 革進と飛翔」及び大王の長期ビジョン(注1)に掲げている、ホーム&パーソナルケア(衛生用品等。以下、H&PC)事業のグローバルな事業拡大と収益強化等の主要施策を中核に成長戦略に積極的に取り組んでおります。
(注1) 「売上高8,000億円~1兆円規模、H&PCの構成比50%以上、H&PC海外事業の構成比30%以上」
大王は、1943年の設立以降、総合製紙メーカーとして継続的に成長し、なかでも1979年以降は衛生用紙において高いブランド認知度を誇る「エリエール」をはじめ、ベビー用紙おむつ「GOO.N」、大人用紙おむつ「アテント」等で確固たる地位を築いてきました。H&PC事業では現在、市場シェア拡大に向けて高付加価値商品の販売に注力しており、海外でもベビー用紙おむつを中心に「GOO.N」ブランド等のH&PC製品の展開を積極的に行っております。また、高付加価値商品の開発、展開に留まらず地域特有の消費者ニーズに沿った事業展開を継続させた結果、中国や東南アジア諸国での市場シェアを着実に伸ばしております。更に、2017年にトルコ、2019年にロシアの出張所開設により、トルコ、ロシアをはじめ将来的に中東・北アフリカ等の周辺国への投資機会を行える体制を構築しています。
上記施策は大王の長期ビジョンに基づいた戦略であり、目標の達成に向けてM&Aを有効な選択肢の一つとして捉えております。本買収についてもパーソナルケアを始めとした消費財への需要増加が大いに見込まれるブラジル市場へ進出する絶好の機会と考えております。また、本買収後のビジョンとしては南米全域、更にはアフリカ南部の経済発展に伴うH&PC製品の付加価値商品への需要を取り入れることを視野に入れており、10年後も持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオの最適化を目指しております。
丸紅は、衛生用紙及び紙おむつや生理用ナプキン等のH&PC製品の海外展開を新たな成長機会と捉え、H&PC事業を通じて世界中の人々に高品質な商品を提供し、衛生的な環境と安心・快適な生活の実現に寄与していく考えで、本買収をその第一歩と位置付けております。また、H&PC製品の販売を通じて消費者との接点を構築し、丸紅が有する総合商社としての機能・リソース・ネットワークを掛け合わせることによって、多様化する消費者ニーズに沿った商品・サービスを提供するプラットフォームを確立し、特に新興国において台頭する中間消費者層の需要を取り込むことを目指しています。
世界のH&PC市場は約1,800億米ドル(2018年)の規模を有し、今後も年率3%前後の成長が見込まれます。新興国においては人口の増加や経済発展・生活水準の向上に伴う普及率上昇により継続的な成長が期待できることに加え、先進国においても高齢化の進行とともに大人用紙おむつの需要拡大が期待出来る有望な事業領域であると考えております。
今般、大王、及び丸紅が共同でブラジル市場に新規参入する背景としましては、同国内の人口増加及び経済発展が著しく、今後もパーソナルケアを始めとした消費財への需要増加が大いに見込まれ、魅力的な市場であると判断したものです。ブラジルのH&PC市場は世界第4位の市場規模で過去5年間で衛生用紙が年率5.6%、紙おむつが同5.4%の成長を遂げており、人口の増加や経済発展・生活水準の向上に伴う普及率上昇により今後も継続的な市場拡大が見込まれます。かかる成長市場で当該事業に参入するには、グリーンフィールドから一定のシェアを獲得して利益を上げるには相当な年数がかかることが予想されるため、有望なローカル企業を友好的に取り込むことが有効な手法であるとの判断からSanther社買収の決断に至りました。
Santher社は、1938年に設立され、ブラジルにおいて衛生用紙及びベビー用おむつや生理用ナプキン等のパーソナルケア商品の製造・販売を行っており、創業80年以上の歴史があります。同社商品のブラジル全土におけるブランド認知度は非常に高く、なかでも現地消費者から高く評価されている「Personal(ペルソナル)」ブランドにより、H&PC市場のリーダーとしての確固たる地位を築いています。特に、衛生用紙においてはマーケット・リーダーとしての確固たる地位を築いており、紙おむつ、生理用品においてはローカルメーカーの中ではトップシェアを有しています。
Santher社は、生産体制の効率化・高付加価値化により更なる収益力強化の可能性を十分に有しております。大王・丸紅による買収を機に、かかる生産体制の再構築を加速化するとともに、ブラジル国内にて、大王が強みを有する大人用おむつの製造・販売への参入、プレミアム製品ラインの拡充、成長が著しい病院・クリニック向けのB2B製品強化、保湿・可溶性向上等の新技術の導入によりSanther社の更なる成長を促進させます。また、丸紅の同国における豊富な事業運営の知見やグローバルネットワークを活用してSanther社の企業価値向上を図るとともに、将来的にはブラジルのみならず、南米全域、更にはアフリカまでを見据えたH&PC事業の展開を企図しております。
以 上