有価証券報告書-第134期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 11:39
【資料】
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【項目】
111項目

対処すべき課題

(1) 対処すべき課題
当グループは中期経営方針「強みを活かし事業領域を拡大して利益を創出する」の実現に向け、事業環境の変化に的確に対応する強い企業体質を構築するため、「さらなる強みの強化」と「経営基盤の充実」に努めております。
平成25年4月には、情報系事業における競争力を強化するための戦略組織として、トータルソリューションオフィス(TSO)を新設いたしました。当グループの持つ営業ノウハウとソフト資産を集約し付加価値の高いソリューションメニューとして市場に提案することで、営業競争力の向上に努めております。今後はさらにサービスメニューを充実させ、お客さまの潜在的な課題の解決に貢献するソリューション提案に努めてまいります。また中長期的視点から、新事業の開拓にも積極的に取り組むなど、新たな需要を創出するための施策にも積極的に経営資源を投入する所存です。
生活・産業資材系事業においては、すでに医薬品や精密機器など幅広い分野で採用いただいている吸湿・吸着機能材料「モイストキャッチ」をはじめとした高機能フィルムの機能と用途の拡大を図り、国内外での拡販に注力いたします。また独自の機能と優れたデザイン性を持つフルプリント・オーバルラミネートチューブのシェア拡大を図るとともに、平成26年8月にはベトナムに高品質ラミネートチューブの製造販売子会社を設立し、成長が見込まれる東南アジア市場にも事業の拡大を図ってまいります。
これら競争力強化の施策を支えるための組織強化策として、平成25年4月より事業本部制を導入し、事業部門への権限委譲の明確化と意思決定の迅速化を図り、経営基盤の充実に努めております。また、平成25年8月には、個人情報を含むデータ処理事業においてBCMS(事業継続マネジメントシステム)の国際認証ISO22301を取得いたしました。今後も拡大が期待されるBPOビジネス市場において、お客さまに信頼いただけるアウトソーシングサービスを提供できるよう体制の整備と充実に努めてまいります。
当グループは、付加価値の高い製品やサービスを幅広い業界のお客さまに提供することでグループ全体の収益力を高めるとともに、法令と企業倫理を遵守し、広く社会や環境との調和を図り企業の社会的責任を積極的に担うことで、あらゆるステークホルダーの皆さまから評価され信頼される企業グループを目指してまいります。
(2) 会社の支配に関する基本方針(当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)についての概要
①基本方針の内容の概要
上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合においても、これに応じるか否かは最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付提案またはこれに類する行為を強行する動きが顕在化しています。こうした大量買付の中には、対象会社の企業価値および株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、さまざまな企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値および株主共同の利益を中長期的に確保、向上させるものでなければならないと考えます。従いまして、企業価値および株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
②基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社の企業価値の源泉は、長い歴史の中で築き上げてきたお客さまとの信頼関係、お客さまのニーズを形にするための高いノウハウと技術を持つ従業員、そして株主・取引先や地域社会等の皆様からの継続的なご支援です。当社および当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向けてグループ経営ビジョンを制定しています。その中で「印刷関連市場で培った企業力を活かし、あらゆる関係者から評価され信頼されるとともに、従業員にとって働く魅力にあふれた躍動的な企業グループ」を目指すべき企業像として掲げ、過去にとらわれない柔軟で合理的な思考と変革の視点を持ち、目標に向かって邁進していく決意を表明しております。営業・製造・技術・管理などあらゆる部門で働く従業員一人ひとりが「お客さま第一」の視点に立ち、企画提案力と独自技術、徹底した品質管理に支えられた付加価値の高い製品・サービスを幅広い業界のお客さまに提供し続けることで、顧客満足度を向上させるとともに、市場での評価を高め、目指すべき企業像の実現に取り組んでまいります。
③当社株式の大量買付行為への対応策(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)の概要
当社は、平成25年6月27日開催の第133期定時株主総会の承認を得て、当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しました。
本プランは、買付者または買付提案者(以下「買付者等」といいます。)が当社株式の一定数以上の買付けその他の有償の譲受けまたはその提案(以下「買付け等」といいます。)を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従わない買付け等がなされる場合や、かかる手続に従った場合であっても当該買付け等が当社の企業価値および株主共同の利益を毀損するものであると判断される場合には、かかる買付け等に対する対抗措置として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものであります。
なお、本プランの有効期間は、平成25年6月27日開催の定時株主総会の終結の時から平成28年3月期に係る定時株主総会の終結の時までとします。
対象となる買付け等は、(ⅰ)当社の株券等の保有者が保有する当社の株券等に係る株券等保有割合の合計(ⅱ)当社の株券等の公開買付者が所有しまたは所有することとなる当社の株券等および当該公開買付者の特別関係者が所有する当社の株券等に係る株券等所有割合の合計のいずれかが、20%以上となる者(以下「特定株式保有者」といいます。)または特定株式保有者に該当すると当社取締役会が判断する者による買付け等とします。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、(ⅰ)買付者等およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引換えに買付者等およびその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項が付されております。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該買付者等の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。
④上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
イ.本取組みは経済産業省・法務省、東京証券取引所の買収防衛策に関する指針や基準を完全に充足しています。
ロ.株主の皆様の判断のための情報や時間を確保するためのものであり、企業価値向上および株主共同の利益の実現を目的として導入されたものです。
ハ.定時株主総会での承認を経ており、株主の皆様の意思を重視するものとなっています。
ニ.対抗措置の発動は、当社と特別な利害関係のない有識者に該当する委員3名以上により構成される独立委員会を設置し、その勧告を最大限に尊重した上で取締役会が決定するので、当社取締役会の恣意的判断を排除できます。
ホ.発動に関し合理的な客観要件を予め定めています。
ヘ.独立委員会は第三者の助言を得ることができ、判断の公正性、合理性をより強く担保できます。
ト.取締役会の決議でいつでも廃止することが可能であり、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもありません。
以上の理由で当社取締役会は上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。