有価証券報告書-第161期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/19 13:08
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【項目】
154項目
(経営方針、経営環境及び対処すべき課題)
当社は、企業理念“The Denka Value”を実現すべく、5ヵ年の経営計画「Denka Value-Up」を2018年度より強力に推進しております。
2年目である2019年度の具体的な取組みとしては、まず、「ヘルスケア」分野では、戦略パートナーである台湾のPlexBio社とのアライアンス強化を目的として、同社が実施する第三者割当増資の引き受けにより同社株式の33.4%を取得しました。本出資により、同社が開発したIntelliPlexTMシステムの持つ「同時多項目測定」などの特長と当社のリソースを最大限活かし、診断分野における技術革新を進めてまいります。
また、「電子先端」分野では、今後急速な進展が見込まれるメガトレンド、すなわちゼロ炭素社会を目指したxEVに代表される自動車産業や5Gなどの電子・電気産業に対し、アセチレンブラック、窒化ケイ素、ANプレート、SNプレート、球状シリカ・アルミナ、蛍光体といった当社の主力製品が、メガトレンドには欠くことの出来ない高機能製品として、社会ならびに地球環境保全に貢献しております。今後も、日本だけに留まらず世界に向け、製品展開を進めてまいります。
さらに、「機能樹脂」分野では、シンガポールの子会社におけるポリスチレンの生産を停止し、約27億円を投じて生産設備の改造をおこない、MS樹脂の能力増強をおこなうことを決定しました。MS樹脂は、需要が急増しているバックライト用導光板をはじめとした光学用途やアジア太平洋地域において成長著しい化粧品用容器などの非光学用途の拡大もあり、現在、供給能力が不足している状況です。当社はMS樹脂のリーディングカンパニーとして拡大する需要に対応すべく、供給過剰状態にあるポリスチレンの既存生産設備を改造することにより、MS樹脂の生産能力を倍増し、スペシャリティー化を推進します。
昨今の経済情勢は、米中貿易摩擦などの地政学的な要因に起因する世界経済の低迷や、度重なる自然災害、年が明けてからの中東不安、そして足元の新型コロナウイルスの世界的蔓延に見舞われ、まさに国難とも称される状況にあります。このような中、当社は、メガトレンドを視野においたスペシャリティー化と、先端的デジタル技術の導入によるプロセス革新に向けた戦略投資を確実に実施してきております。また、ワークライフバランスやダイバーシティの推進など働き方改革の推進にも注力いたしました。今後とも、いかなる市場環境の変化があっても持続的に成長し続ける先進的な企業体質に生まれ変わることこそが「Denka Value-Up」の目標であることを、改めて全グループに浸透させてまいります。
さて、先ほども触れました通り、新型コロナウイルスが世界を脅かしております。本年4月1日にデンカと経営統合いたしましたデンカ生研株式会社は、長年にわたりワクチンや検査試薬を通じて日本の防疫の一翼を担っており、このたびも、新型コロナウイルス感染症の簡易検査キットの開発にいち早く着手しております。今後は、本年度内に最大1日10万検査分の量産体制構築を目指してまいります。また、本年4月には日本政府の要請を受け、新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル)の原料となるマロン酸ジエチルを供給することを決定しております。
今般の危機は、大きなリスクではありますが、これを機に業務の一層の効率化を進め、“変革と連携”をキーワードに、ぶれることなく「Denka Value-Up」を推進することでこの国難を克服すべく、全グループ一丸となって取り組んでまいります。
また、当社はESG経営強化の視点から、パリ協定が目指す地球温暖化の抑止に向けた環境負荷低減への取り組みとして、温室効果ガスの排出量削減に関する中長期目標を策定しました。本目標は、2013年度を基準とし、2030年には基準年の26%、2050年には85%の温室効果ガス排出量削減をおこなうものであり、2019年度の実績は218万t-CO2/y(2013年度比△11.8%)でした。
本年1月27日までに、当社の米国子会社であるDenka Performance Elastomer LLCが、米国ルイジアナ州において、複数の訴訟の提起を受けております。本件は、同社工場周辺に居住する複数の住人が、同社のクロロプレンゴム製造工場から排出されたクロロプレンモノマーによって身体的、財産的、精神的損害を被っているとして、損害賠償を請求しているもので、同社は訴状の内容を精査したうえで、適切に対処してまいる所存です。
なお、同社は、法令上のクロロプレンモノマーの排出基準を遵守して操業しているほか、同物質の大幅な排出削減を実施いたしました。加えて、同社は、米国環境保護庁による同物質に対する毒性評価の見直しを同庁に求め、同社が提出した評価手法を同庁が受入れ、検証される見込みです。その他、現時点で同社の操業において本件訴訟による特段の影響は生じておりません。
*「アビガン」は富士フイルム富山化学株式会社の登録商標です。
◇The Denka Value(企業理念)
The Denka Value(企業理念)は、最上位としての「Denkaの使命(Denka Mission)」と、グループ社員一人ひ
とりが行動する上での規範となる「Denkaの行動指針(Denka Principles)」から構成されます。
The Denka Valueは経営企画を含むすべての企業活動の上位概念であり、当社は、このThe Denka Valueを実践することで、社会からの期待と信頼に応えることを目指しております。
・Denkaの使命(Denka Mission)
化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造(つくる)ことで、社会発展に
貢献する企業となる。

*コーポレートスローガン:「できるをつくる。」「Possibility of Chemistry.」
・Denkaの行動指針(Denka Principles)
わたしたちは、一、「誠意」と「チャレンジ精神」で、果敢に難題に挑みます
一、「未来」に向け、今何をすべきかを考え、行動します
一、「創造」溢れるモノづくりを通して、お客様へ新たな価値と感動を届けます
一、「環境」に配慮し、「安全」優先の明るい職場をつくります
一、「信頼」される企業としての誇りを持ち、より良い社会作りに貢献します


(ご参考)
経営計画「Denka Value-Up」 ~Specialty-Fusion Companyを目指して~
2017年11月、デンカは2018年度から2022年度までの5ヵ年の経営計画「Denka Value-Up」を策定いたしました。
前経営計画「Denka100」では、「生産体制の最適化」「徹底したコストの総点検」「成長ドライバーへの集中と次世代製品開発」の3つの成長戦略を立て、重点分野である「健康、環境・エネルギー、インフラ」を中心に、計画前と比べて着実に成長への種まきとして積極的な投資を行い、個々の事業の収益力向上の基盤固めを進めてきました。
新経営計画「Denka Value-Up」では、企業の成長持続に必要不可欠な「安全最優先」「環境への配慮」「人財の育成・活用」「社会貢献」を基本精神に掲げ、グローバルで飛躍的な成長を遂げるための新たな成長戦略により、当社が「スペシャリティーの融合体“Specialty-Fusion Company”」となり、持続的且つ健全な成長を目指します。
経営計画「Denka Value-Up」の概要
1.成長ビジョン
(1)世界に存在感を示すスペシャリティーの融合体“Specialty-Fusion Company”となる。
グローバルマーケットで卓越した競争力を有する、スペシャリティーな事業・製品・技術・人財が融合した企業を目指す。
(2)革新的プロセスによる飛躍的な生産性向上で持続的成長“Sustained Growth”を目指す。
IoT/AIなどの最先端デジタル技術や業務の本質追求による革新的プロセスで、飛躍的な生産性向上を図り、いかなる外部環境であっても持続的に成長していく企業を目指す。
(3)働き方改革推進による健全な成長“Sound Growth”の実現。
多様なワークライフに応える労働環境を整備し、働く人びととともに、ステークホルダーの幸せを追求し、企業として健全な成長を目指す。
2.数値目標

※スペシャリティーの定義
独自性と高付加価値を兼ね備え、外部環境に左右されにくく、トップクラスのシェアを有する事業、及び近い将来その可能性を有する事業(ヘルスケア、環境・エネルギー、高付加価値インフラ、基盤事業の中でも新しいグレードやソリューションとの組み合わせによりスペシャリティーへ転換した事業)

3.成長戦略
(1)事業ポートフォリオの変革
①スペシャリティー事業の成長加速化
重点3分野への経営資源集中を図り、積極的な戦略投資(M&Aや事業提携、R&D強化、人的リソースの集中など)により数値目標の達成を目指す。
◇ヘルスケア
<方針>予防・早期診断に加え、がん・遺伝子領域への展開を通じ、世界の人々のQuality of Lifeの向上に貢献。
◇環境・エネルギー
<方針>ゼロエミッションや自動運転化など新たなトレンドへ、先端無機材料を中心とした当社コア技術を活かし た製品開発により、クリーンで安全な未来社会を実現。
◇高付加価値インフラ
<方針>最先端材料・ソリューションの提供による世界の高度インフラ整備ニーズに対応。
②基盤事業のスペシャリティー化
<方針>外部環境の影響を受けにくいスペシャリティーグレードの比率拡大、ソリューションビジネスへのシフト。
③コモディティー事業の位置付け再定義
<方針>スペシャリティー化への転換が難しいコモディティー事業は、経営計画「Denka Value-Up」をグループ全体で推進していくための組織である「Denka Value-Up推進室」でその位置付けを再定義し、戦略の再構築を推進。
(2)革新的プロセス
従来のやり方の単なる踏襲ではなく、最先端のICT導入、業務の本質追及、プロセス標準化などを進め、革新的生産性の向上、新事業創出、働き方改革、ダイバーシティ推進を図る。
①生産プロセス改革
・ICTを駆使した次世代型スマート工場へ再生
・データプラットフォームの構築と管理のリアルタイム化
・ 生産性向上と高度な操業安定化の実現
②研究開発プロセス
・スペシャリティー志向の研究開発を目指すテーマ設定
・ICTの活用による研究開発支援システムの構築
・戦略的キャリアパスによる多様性を持つ人財の育成
③業務プロセス改革
・未来型オフィスによる社内コラボレーションの活性化
・業務の生産性向上(定型作業省力化、会議パフォーマンス向上など)
・仕事の場所を選ばない環境の整備
○働き方改革/ダイバーシティ
・時間の“量”から“質”へのシフトチェンジ
・Quality of Lifeを向上
・多様な人財によるイノベーション創出

4.投融資計画
5ヵ年合計 2,000億円
内 戦略投資 750億円 (150億円/年)
M&A等 600億円
プロセス改革 150億円
通常投資 1,250億円 (250億円/年)
5.株主還元
総還元性向 50%を継続
還元方法は配当を重視し、自己株式は株価推移などに応じ、機動的に実施
※総還元性向=(配当+自己株式取得)÷連結当期純利益
※文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

(株式会社の支配に関する基本方針)
当社は、当社の企業理念である“The Denka Value”のもと、収益力や業容の拡大による事業基盤の強化を図る一方、社会の信頼と共感を得られる企業であり続けようとする姿勢をさらに徹底することで、中長期的な観点から当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるよう努めております。
また、この基本方針のもと、経営計画「Denka Value-Up」(2018年度から5年間)を策定し、持続的かつ健全な成長の実現に取り組んでおります。
当社は、いわゆる買収防衛策は定めておりませんが、当社の企業価値を毀損するおそれのある大量買付けや、これに応じるか否かを判断するために株主の皆様に十分な情報と時間が提供されない大量買付けなどについては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損ねることのないよう、法令等、金融商品取引所の規則などが認める範囲内において適切に対応してまいります。

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