有価証券報告書-第101期(2025/04/01-2026/03/31)
(2) 戦略
(ⅰ)気候変動
当社グループの事業活動における主原料となる金属は、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーやEVの導入によって需要が増加傾向にある一方で、生産にかかる環境負荷の大きさから代替素材が模索される等、将来の不確実性が高まっております。いかなる社会に推移したとしても持続的成長を実現するためには事業上の対応の幅を広げることが重要であると認識しており、気温上昇の観点で極端なシナリオを想定し、当社グループへの影響を分析いたしました。
なお、シナリオ分析実施にあたり、想定したシナリオは以下のとおりです。
上記シナリオに基づき、当社グループへの財務的影響という観点で定量、定性の両側面から評価した主要リスク・機会は以下のとおりです。
<主要リスク一覧>
<主要機会一覧>
・発現時期
短期:~2028年、中期:2029年~2030年、長期:2030年~2050年
・影響度閾値
大:2億円以上、中:2億円未満2000万円以上、小:2000万円未満
上記主要リスク・機会の中でも特に当社グループへの影響が高いことが予測されるリスクに対し、現在以下のような対応策を実施することでリスクの低減、並びに機会の最大化を目指しております。
当社グループにとりまして最も大きな影響が予測されるリスクとして、EVをはじめとする低炭素技術や太陽光発電パネル等の再生可能エネルギー発電設備の需要増加に起因した金属需要の増加による、原材料コストの高騰が挙げられます。本リスクに対しては、リサイクル原料の活用推進や、新技術・新製品の創出を行い対応しております。
また、その他にも脱炭素社会への移行に伴うリスクにつきましては、気温上昇の一因であるGHG(温室効果ガス)排出量を抑制するため、炭素税の導入が大きな財務インパクトとなる可能性があります。本リスクに対しては、拠点の照明のLED化、埼玉工場でのコージェネレーションシステム運用やボイラー効率改善機器の導入、福島第一工場での太陽光発電パネルの設置等を行っております。これら取組みにより、電力や都市ガス等のエネルギー使用量の削減、並びに電力の再エネ化を推進しております。再エネ化につきましては更に、再生可能エネルギーの段階的な導入を開始しており、毎年増加させる計画です。
一方で、脱炭素社会への移行に伴ってはEV向け蓄電池の需要が拡大することが予測されており、これにより二次電池関連製品、並びにEVの使用済み二次電池の金属リサイクル需要が増加することが見込まれ、大きな事業機会となり得ます。この機会に対しては、現在EVの使用済み二次電池の金属リサイクルのための技術実証から事業化に向けた取組みの一環として、福島県いわき市にパイロットプラントを完成させ、2026年4月より試運転を開始しております。
気候変動課題としては、気温上昇に伴う自然災害等の物理リスクも大きなリスクとなる可能性を認識しております。洪水の発生によりビルや工場が被災することで、資産への直接的な影響や営業停止による営業利益の減少が考えられます。これらリスクに対し、東日本大震災及びタイ洪水における教訓を踏まえたBCPの定着や実行を行っております。具体的には拠点ごとの対応マニュアルを定期的に見直すことや、被災した拠点を早期復旧させた経験を踏まえ部材のストックを行うこと等で対応しております。
(ⅱ)人的資本
① 人材育成の基本方針
「企業における人材育成は、人的資本経営及びサステナビリティの実現にあたり最も重要な取組みであるとの考えに基づき、一人ひとりが能力を高め多様性を活かして役割期待に能動的に応えつつ成長し、企業の持続的成長とサステナビリティ実現に向け主体的に活躍する人材を育成する」ことを基本方針としております。
また、人材育成基本方針を達成するために以下のとおり、社内環境整備方針を策定しております。
1)経営戦略並びに事業戦略と有機的に連動する人材育成課題を全社並びに各組織で明確化し、OJTとOFF-JTを組み合わせて効果的な人材育成を進める。OJTにおいては、上司と部下はともに育成課題にチャレンジし、取組み過程における対話と適切なジョブローテーションを通じて成果を共有化する。
2)OFF-JTについては経営戦略並びに事業戦略展開に資するOFF-JTプログラム・機会を階層別、役職別に設け、全階層へ積極的に展開、運用する。
3)自己啓発については、職能、キャリア、年齢、ジェンダー等に応じ多面的に支援し自発的な取組みを推奨していく。
この人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき人材育成並びに人的資本の充実を進めてまいります。
② 人材育成の強化
社内環境整備方針に基づき研修制度を改革し、人材育成の更なる強化に取り組んでおります。
1)研修体系の再構築
新入社員から新任管理職までを対象とした、計画的な研修体系を整備しております。加えて、従業員のさらなるスキル向上とモチベーションの維持・向上を図るため、次期管理職候補者へのアセスメント研修を導入いたしました。また、視野の拡大と国際的な知見の習得を目的として、海外研修も実施しております。
2)コンプライアンス・ハラスメント防止研修
人的資本経営のためには、コンプライアンス遵守、ハラスメント防止が不可欠です。定期的に従業員全員がコンプライアンス研修を受講するよう、eラーニングでの配信を行っております。
③ 多様な人材の活躍
DEI推進の取組みの一環として、外国人および女性の活躍促進を図っております。
外国人材の活用については、当社が今後海外展開を強化していくうえで、その重要性が一層高まっております。そのため、当社では従前より外国籍人材の受け入れを定期的に実施し、多様な視点や価値観を取り入れることで、組織の活性化および競争力の強化に努めております。
ここ5年間の新卒採用においては、採用者52名のうち女性が13名を占めており、女性人材についても一定数の確保を図っております。
現在、社外取締役および社外監査役のうち女性は3名であるが、女性管理職は4名であり、管理職全体に占める割合は3.9%にとどまっております。このため、上位職を目指すための土壌を形成し、女性の管理職登用を一層推進していく方針であります。
この5年間で採用したキャリア採用者は54名で、内女性は9名となります。
加えて、障害者雇用については、事業所近隣の特別支援学校からの職場実習生の受け入れを通じて継続的な採用を行っており、法定雇用率を満たす障害者雇用数12名を維持しております。
④ 多様な働き方を実現する取組み
多様な人材が能力を発揮しながら就業を継続できる基盤を整備し、組織全体の持続的成長につなげる観点から、男女を問わず育児休業の取得を推進しております。
育児休業取得に対する理解促進に向けた周知を行うとともに、業務負担の軽減を図るため、業務の標準化および効率化を進めるなど、誰もが安心して休業を取得できる環境整備を進めております。
制度整備と職場文化の両面から育児休業の取得を推進することにより、多様で持続可能な働き方の実現につなげております。
女性の育児休業取得率はこれまで100%で推移しており、今期は男性の育児休業取得対象者6名全員が取得したことから、男性の育児休業取得率も100%となっております。
(ⅰ)気候変動
当社グループの事業活動における主原料となる金属は、脱炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーやEVの導入によって需要が増加傾向にある一方で、生産にかかる環境負荷の大きさから代替素材が模索される等、将来の不確実性が高まっております。いかなる社会に推移したとしても持続的成長を実現するためには事業上の対応の幅を広げることが重要であると認識しており、気温上昇の観点で極端なシナリオを想定し、当社グループへの影響を分析いたしました。
なお、シナリオ分析実施にあたり、想定したシナリオは以下のとおりです。
| 1.5℃シナリオ | |
| 世界観 | 世界の平均気温の上昇を産業革命期以前と比べて1.5℃に抑えるため、気候変動に対する政策・規制が積極的に導入される世界。 ・炭素税の導入 ・再生可能エネルギー需要の拡大 ・EV等環境配慮製品の需要の高まり |
| 参照シナリオ | ・IEA NZEシナリオ, APSシナリオ, SDSシナリオ |
| ・IPCC RCP2.6シナリオ | |
| 4℃シナリオ | |
| 世界観 | 気候変動に対する政策・規制は進展せず、産業革命期以前と比べて21世紀末までに世界の平均気温が最大4℃上昇する世界。 ・気温上昇に伴う物理的被害の拡大 ・化石燃料への依存の継続 |
| 参照シナリオ | ・IEA STEPSシナリオ |
| ・IPCC RCP8.5シナリオ | |
上記シナリオに基づき、当社グループへの財務的影響という観点で定量、定性の両側面から評価した主要リスク・機会は以下のとおりです。
<主要リスク一覧>
| リスク項目 | 事業への財務的影響 | 影響度 | ||||||
| 発現 時期 | 内容 | 2030年 | 2050年 | |||||
| 1.5℃ | 4℃ | 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 移 行 リ ス ク | 政 策 ・ 規 制 | 炭素価格 (炭素税) | 中長期 | 事業活動で生じるGHG排出量に応じてコストが発生し、操業コストが増加する。 | 中 | 小 | 中 | 小 |
| リサイクル 規制 | 中長期 | 調達コストが高いリサイクル材の使用で、操業コストが増加する。 | 大 | 小 | 大 | 小 | ||
| 再エネ・ 省エネ政策 | 短中長期 | 発電コストの高い再生可能エネルギーへの転換が進み、購入を増やすことで操業コストが増加する。 エネルギー効率の高い設備への投資コスト等が増加する。 | 中 | 小 | 中 | 小 | ||
| 技 術 | 低炭素技術の進展 | 短中長期 | EV市場の競争激化に伴う技術開発対応のため追加的な開発コストが発生し、対応が遅れた場合には収益が減少する。 | 大 | 大 | 大 | 大 | |
| 市 場 | 原材料コストの変化 | 短中長期 | 非鉄金属資源の需要が急激に増加することで原材料調達コストも急激に増加する一方で、販売価格への転嫁が間に合わず利益が減少する。 脱炭素化を目指し原材料である鉄の製造工程が変更され、製造単価が上昇、原材料調達コストが増加する。 | 大 | 小 | 大 | 中 | |
| 物 理 リ ス ク | 急 性 | 異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂、高潮等) | 中長期 | 保有資産が被災し、設備の修繕コストが発生する。 自社拠点の被災により操業が停止し、収益が減少する。 サプライヤー拠点の被災により原材料調達が難化し、収益が減少する。 | 中 | 中 | 中 | 大 |
<主要機会一覧>
| 機会項目 | 事業への財務的影響 | 影響度 | ||||||
| 発現 時期 | 内容 | 2030年 | 2050年 | |||||
| 1.5℃ | 4℃ | 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 移 行 機 会 | 政 策 ・ 規 制 | リサイクル 規制 | 短中長期 | リサイクル製品の需要増加により収益が増加する。 | 中 | 小 | 中 | 小 |
| 技 術 | 低炭素技術の進展 | 中長期 | EVや蓄電技術進展に伴い、二次電池関連の需要が増加し、収益が増加する。 | 中 | - | 大 | - | |
| 市 場 | 原材料コストの変化 | 短中長期 | 非鉄金属資源の需要増加に伴い調達価格が増加する一方で、適切に製品の販売価格への反映を行うことで収益が増加する。 | 中 | 小 | 中 | 小 | |
・発現時期
短期:~2028年、中期:2029年~2030年、長期:2030年~2050年
・影響度閾値
大:2億円以上、中:2億円未満2000万円以上、小:2000万円未満
上記主要リスク・機会の中でも特に当社グループへの影響が高いことが予測されるリスクに対し、現在以下のような対応策を実施することでリスクの低減、並びに機会の最大化を目指しております。
当社グループにとりまして最も大きな影響が予測されるリスクとして、EVをはじめとする低炭素技術や太陽光発電パネル等の再生可能エネルギー発電設備の需要増加に起因した金属需要の増加による、原材料コストの高騰が挙げられます。本リスクに対しては、リサイクル原料の活用推進や、新技術・新製品の創出を行い対応しております。
また、その他にも脱炭素社会への移行に伴うリスクにつきましては、気温上昇の一因であるGHG(温室効果ガス)排出量を抑制するため、炭素税の導入が大きな財務インパクトとなる可能性があります。本リスクに対しては、拠点の照明のLED化、埼玉工場でのコージェネレーションシステム運用やボイラー効率改善機器の導入、福島第一工場での太陽光発電パネルの設置等を行っております。これら取組みにより、電力や都市ガス等のエネルギー使用量の削減、並びに電力の再エネ化を推進しております。再エネ化につきましては更に、再生可能エネルギーの段階的な導入を開始しており、毎年増加させる計画です。
一方で、脱炭素社会への移行に伴ってはEV向け蓄電池の需要が拡大することが予測されており、これにより二次電池関連製品、並びにEVの使用済み二次電池の金属リサイクル需要が増加することが見込まれ、大きな事業機会となり得ます。この機会に対しては、現在EVの使用済み二次電池の金属リサイクルのための技術実証から事業化に向けた取組みの一環として、福島県いわき市にパイロットプラントを完成させ、2026年4月より試運転を開始しております。
気候変動課題としては、気温上昇に伴う自然災害等の物理リスクも大きなリスクとなる可能性を認識しております。洪水の発生によりビルや工場が被災することで、資産への直接的な影響や営業停止による営業利益の減少が考えられます。これらリスクに対し、東日本大震災及びタイ洪水における教訓を踏まえたBCPの定着や実行を行っております。具体的には拠点ごとの対応マニュアルを定期的に見直すことや、被災した拠点を早期復旧させた経験を踏まえ部材のストックを行うこと等で対応しております。
(ⅱ)人的資本
① 人材育成の基本方針
「企業における人材育成は、人的資本経営及びサステナビリティの実現にあたり最も重要な取組みであるとの考えに基づき、一人ひとりが能力を高め多様性を活かして役割期待に能動的に応えつつ成長し、企業の持続的成長とサステナビリティ実現に向け主体的に活躍する人材を育成する」ことを基本方針としております。
また、人材育成基本方針を達成するために以下のとおり、社内環境整備方針を策定しております。
1)経営戦略並びに事業戦略と有機的に連動する人材育成課題を全社並びに各組織で明確化し、OJTとOFF-JTを組み合わせて効果的な人材育成を進める。OJTにおいては、上司と部下はともに育成課題にチャレンジし、取組み過程における対話と適切なジョブローテーションを通じて成果を共有化する。
2)OFF-JTについては経営戦略並びに事業戦略展開に資するOFF-JTプログラム・機会を階層別、役職別に設け、全階層へ積極的に展開、運用する。
3)自己啓発については、職能、キャリア、年齢、ジェンダー等に応じ多面的に支援し自発的な取組みを推奨していく。
この人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき人材育成並びに人的資本の充実を進めてまいります。
② 人材育成の強化
社内環境整備方針に基づき研修制度を改革し、人材育成の更なる強化に取り組んでおります。
1)研修体系の再構築
新入社員から新任管理職までを対象とした、計画的な研修体系を整備しております。加えて、従業員のさらなるスキル向上とモチベーションの維持・向上を図るため、次期管理職候補者へのアセスメント研修を導入いたしました。また、視野の拡大と国際的な知見の習得を目的として、海外研修も実施しております。
2)コンプライアンス・ハラスメント防止研修
人的資本経営のためには、コンプライアンス遵守、ハラスメント防止が不可欠です。定期的に従業員全員がコンプライアンス研修を受講するよう、eラーニングでの配信を行っております。
③ 多様な人材の活躍
DEI推進の取組みの一環として、外国人および女性の活躍促進を図っております。
外国人材の活用については、当社が今後海外展開を強化していくうえで、その重要性が一層高まっております。そのため、当社では従前より外国籍人材の受け入れを定期的に実施し、多様な視点や価値観を取り入れることで、組織の活性化および競争力の強化に努めております。
ここ5年間の新卒採用においては、採用者52名のうち女性が13名を占めており、女性人材についても一定数の確保を図っております。
現在、社外取締役および社外監査役のうち女性は3名であるが、女性管理職は4名であり、管理職全体に占める割合は3.9%にとどまっております。このため、上位職を目指すための土壌を形成し、女性の管理職登用を一層推進していく方針であります。
この5年間で採用したキャリア採用者は54名で、内女性は9名となります。
加えて、障害者雇用については、事業所近隣の特別支援学校からの職場実習生の受け入れを通じて継続的な採用を行っており、法定雇用率を満たす障害者雇用数12名を維持しております。
④ 多様な働き方を実現する取組み
多様な人材が能力を発揮しながら就業を継続できる基盤を整備し、組織全体の持続的成長につなげる観点から、男女を問わず育児休業の取得を推進しております。
育児休業取得に対する理解促進に向けた周知を行うとともに、業務負担の軽減を図るため、業務の標準化および効率化を進めるなど、誰もが安心して休業を取得できる環境整備を進めております。
制度整備と職場文化の両面から育児休業の取得を推進することにより、多様で持続可能な働き方の実現につなげております。
女性の育児休業取得率はこれまで100%で推移しており、今期は男性の育児休業取得対象者6名全員が取得したことから、男性の育児休業取得率も100%となっております。