有価証券報告書-第160期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。
(1) 会社経営の基本方針
世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする考え方を示すため、基本理念の表現を「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」と改めるとともに、新たにサステナブル経営方針を2020年度に定めました。
<サステナブル経営方針>・Sustainable Product:人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します
・Sustainable Process:全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します
・Sustainable People:多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます
ダイセルグループは、創業時の基本的な思想を受け継いだ基本理念、「価値共創によって人々を幸せにする会社」であり続けるために、サステナブル経営方針を策定しています。この経営方針を具現化していくために、私たち一人ひとりが、あらゆる行動において常に意識し実践していく行動指針として「ダイセルグループ行動指針」、すべての企業活動領域で普遍的に適用する規範を「ダイセルグループ倫理規範」に定め、社会から信頼され期待される事業運営を行うとともに、良き企業市民として社会に貢献する企業グループであることを目指します。
また、「サステナブル経営方針」に沿ってダイセルグループが描く未来像を「長期ビジョン DAICEL VISION 4.0」に、長期ビジョン実現に向けた具体的な施策や考え方を「中期戦略 Accelerate 2025」・「中期戦略 Accelerate 2030」に示し、持続可能な社会と中長期的な企業価値向上の両立に向けた事業活動を行っていきます。

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および中期戦略『Accelerate 2025』で明確にいたしました。2026年度には、これまでの基本戦略を踏襲しつつ『Accelerate 2025』での成果と残された課題、さまざまな社会的変化の影響を含む経営環境を踏まえ、新中期戦略『Accelerate 2030』を策定しております。
① 長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要
注力するドメイン
サステナブル経営方針の具現化に向け、以下の4つのトリガーと注力する市場で価値を提供し、人々の幸せの実現と、当社グループの持続的な成長を目指します。
長期ビジョン実現への道のり
Operation-I(原ダイセル)では自社の現状の事業に加え、注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化(徹底したコストダウン)を進めます。
Operation-Ⅱ(新ダイセル)では、既存事業の周辺領域でのM&Aや提携による領域拡大、既存事業の再編や合弁会社の抜本的見直しに取り組むとともに、グループ全体でのアセットスーパーライト化を目指します。
Operation-Ⅲ(新企業集団)では、グループの枠を超えて、まず垂直統合方向のバリューチェーン(サプライチェーン)を強化し、その共通顧客に対する価値創造(共創)に取り組むとともに、同業他社や大学など、水平方向にも共創を拡大することで、より大きな価値の提供を目指します。

② 中期戦略『Accelerate 2030』の概要
前中期戦略『Accelerate 2025』では、基本理念実現に向けて、既存事業の強化・成長による価値の提供と、「循環型社会構築への貢献」を目指してまいりました。新中期戦略においても引き続き取り組むとともに、前中期戦略期間中に顕在化した諸課題を最優先に解決し、新しい成長の姿を明確にしてまいります。
1.全社戦略
引き続き、クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みとしてバリューチェーンの垂直/水平方向との連携を推進し、新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なバーチャルカンパニーの実現に向けた取り組みを進めます。
また、事業ポートフォリオマネジメントの更なる強化を図り、「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」における価値提供型事業へのシフトを加速します。最適な資源配分と迅速なアクションの展開により、売上高、営業利益ともに「次世代育成」事業と「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。
2.事業戦略
収益基盤であるセルロース事業の強化、積極的な設備投資を行ってきたエンジニアリングプラスチックス事業の確実な成長、他社協業を起点とした次世代育成や成長牽引事業へのダイセル式生産革新の活用などを通じ、企業価値向上を図ります。
[エンジニアリングプラスチック(ハイパフォーマンスポリマーズ)事業]
・ポリプラスチックス統合(一体化)によるリソースの戦略的活用、意思決定迅速化
・増強供給力を活かし、現地材料・市場開発体制で成長市場(中国・インド)を着実に刈り取り
・高付加価値領域への展開強化(ハイエンド樹脂のラインナップ拡充・他社協業の強化)
・COCの第2プラントの万全な立ち上げと安定的に利益を創出できる事業構造へ変革
[マテリアル事業]
・酢酸セルロースの環境素材市場開拓
・アセテート・トウの大手顧客との長期的な関係強化
・温室効果ガス削減対策の実施
[セイフティ事業]
・成長市場である中国・インドを引き続き注力市場として拡販
・現地調達推進やカタログ化による採算性強化
・グローバルシェア拡大・事業強化のため他社協業推進(垂直・水平)
[スマート事業]
・半導体市場への材料供給及び関連事業の拡大
・大型ディスプレイ表面処理フィルム市場への参入
・ターゲットアプリケーションに沿った高耐熱エポキシ樹脂/カプロラクトン誘導体の投入
[ライフサイエンス事業]
・独自の嫌気発酵技術をベースに体感性の高い腸内代謝物のラインナップ拡充
・無針注射器のメリットを活かしワクチン市場へ参入
・自社固有技術から派生する新商材群のグローバル展開加速
※発表時点の事業セグメントで記載しております。
3.機能別戦略
引き続き、R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)とD(Development:事業化力の強化)の自立を図り、Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、Dの相互作用による事業創出を目指します。
生産(プロダクション)については、安全・品質のあくなき追求、究極のアセットライト、現場活躍の基盤強化を実践し、現場の力を結集してバーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供します。
デジタルトランスフォーメーションについては、権限委譲を進める組織改革やそれに伴う働き方改革をサポートすることを主眼に、あらゆる業務領域へのAI、IoTの活用を進めてまいります。
人事については、ポリプラスチックス統合に伴い、新しい人事制度を導入し、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できる環境を整えてまいります。
また、コーポレート部門の効率化と高度化を図り、リスク対応力の強化や意思決定の迅速化、アセットライト経営の実現など、経営基盤の一層の強化に取り組みます。
4.全社業績・経営指標
新中期戦略『Accelerate 2030』では、2028年を目標達成に向けた重要な年度と位置づけ、中間目標をおいております。最終年度となる2030年度とあわせ、以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。
全社業績:
(2028年度)売上高 6,750億円、営業利益 630億円、親会社株主に帰属する当期純利益 440億円、
EBITDA 1,200億円
(2030年度)売上高 7,500億円、営業利益 1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益 650億円、
EBITDA 1,700億円
経営指標:
(2028年度)営業利益率 9.3%、ROE 12%、ROIC 7%、ROA 5%、棚卸資産回転日数 100日
(2030年度)営業利益率 13.3%、ROE 15%、ROIC 10%、ROA 7%、棚卸資産回転日数 90日
株主還元 2026年度より、配当をDOE(株主資本配当率)5%以上、総還元性向 60%以上に変更
5.資金創出力
キャッシュフローのうち成長投資(含む環境対応)に5割以上を振り向けトップライン拡大に注力します。
収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向60%以上をターゲットとし、自己株式取得も活用し、柔軟に対応してまいります。

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題
地球規模の環境問題や自然災害、感染症リスクの継続、地政学的緊張の高まり、さらにはAIをはじめとする技術革新の急速な進展など、当社を取り巻く経営環境は変化の幅と速度の両面において、かつてない水準にあります。特に中東情勢をはじめとする国際情勢は流動性を増しており、経済活動やサプライチェーンの分断・ブロック化が進行するなど、不確実性の高い環境が常態化しています。このような状況下において、企業には環境変化や不測の事態に対して柔軟かつ持続的に対応し、長期的な価値創出を持続させる経営がこれまで以上に強く求められています。
当社は、長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」で掲げる「循環型社会構築への貢献」を企業活動の根幹に据え、中期戦略「Accelerate 2025」で掲げた各種施策を推進してまいりました。また富山フィルタートウ株式会社の完全子会社化、包材事業およびレンズ事業の譲渡など、事業ポートフォリオの見直しを通じた選択と集中を進めてきました。これらの取り組みは、経営資源の最適配分と将来成長に向けた基盤強化を目的としたものであり、引き続き継続的な活動として推進してまいります。また、ポリプラスチックス株式会社を吸収分割し、新たにハイパフォーマンスポリマーズSBUを設置することで、成長牽引事業の推進、経営効率化による競争力強化を図ります。
一方、前中期戦略期間中において、COC新規プラントの建設計画遅延と事業計画の見直し、COプラントのトラブル、新興国競合の台頭による競争激化、次世代事業の育成遅れ等により、目標に掲げた各種経営指標は未達となりました。2026年5月に公表いたしました新中期戦略「Accelerate 2030」においては、前中期戦略期間中に顕在化した諸課題の解決を最優先とし、新しい成長の姿を明確にしてまいります。
また、長期ビジョン達成に向けた継続的な取り組みとして、生産効率の向上、新プロセスの開発、CO₂の有効利用を推進し、エコノミーとエコロジーを両立したカーボンニュートラル/ネガティブの実現を目指します。社会課題と真摯に向き合い、持続可能な循環型社会の構築に資するソリューションを提供することで、企業価値の向上と社会への貢献を両立してまいります。
(1) 会社経営の基本方針
世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする考え方を示すため、基本理念の表現を「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」と改めるとともに、新たにサステナブル経営方針を2020年度に定めました。
<サステナブル経営方針>・Sustainable Product:人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します
・Sustainable Process:全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します
・Sustainable People:多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます
ダイセルグループは、創業時の基本的な思想を受け継いだ基本理念、「価値共創によって人々を幸せにする会社」であり続けるために、サステナブル経営方針を策定しています。この経営方針を具現化していくために、私たち一人ひとりが、あらゆる行動において常に意識し実践していく行動指針として「ダイセルグループ行動指針」、すべての企業活動領域で普遍的に適用する規範を「ダイセルグループ倫理規範」に定め、社会から信頼され期待される事業運営を行うとともに、良き企業市民として社会に貢献する企業グループであることを目指します。
また、「サステナブル経営方針」に沿ってダイセルグループが描く未来像を「長期ビジョン DAICEL VISION 4.0」に、長期ビジョン実現に向けた具体的な施策や考え方を「中期戦略 Accelerate 2025」・「中期戦略 Accelerate 2030」に示し、持続可能な社会と中長期的な企業価値向上の両立に向けた事業活動を行っていきます。

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および中期戦略『Accelerate 2025』で明確にいたしました。2026年度には、これまでの基本戦略を踏襲しつつ『Accelerate 2025』での成果と残された課題、さまざまな社会的変化の影響を含む経営環境を踏まえ、新中期戦略『Accelerate 2030』を策定しております。
① 長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要
注力するドメイン
サステナブル経営方針の具現化に向け、以下の4つのトリガーと注力する市場で価値を提供し、人々の幸せの実現と、当社グループの持続的な成長を目指します。
| 4つのトリガー | 注力する市場 |
| 健康(ヘルスケア・ライフサイエンス) | コスメ・健康食品・メディカル |
| 安全・安心(セイフティ) | モビリティ・インダストリー |
| 便利・快適(スマート) | ディスプレイ・IC/半導体 |
| 環境 | 水処理・生分解性樹脂 |
長期ビジョン実現への道のり
Operation-I(原ダイセル)では自社の現状の事業に加え、注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化(徹底したコストダウン)を進めます。
Operation-Ⅱ(新ダイセル)では、既存事業の周辺領域でのM&Aや提携による領域拡大、既存事業の再編や合弁会社の抜本的見直しに取り組むとともに、グループ全体でのアセットスーパーライト化を目指します。
Operation-Ⅲ(新企業集団)では、グループの枠を超えて、まず垂直統合方向のバリューチェーン(サプライチェーン)を強化し、その共通顧客に対する価値創造(共創)に取り組むとともに、同業他社や大学など、水平方向にも共創を拡大することで、より大きな価値の提供を目指します。

② 中期戦略『Accelerate 2030』の概要
前中期戦略『Accelerate 2025』では、基本理念実現に向けて、既存事業の強化・成長による価値の提供と、「循環型社会構築への貢献」を目指してまいりました。新中期戦略においても引き続き取り組むとともに、前中期戦略期間中に顕在化した諸課題を最優先に解決し、新しい成長の姿を明確にしてまいります。
1.全社戦略
引き続き、クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みとしてバリューチェーンの垂直/水平方向との連携を推進し、新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なバーチャルカンパニーの実現に向けた取り組みを進めます。
また、事業ポートフォリオマネジメントの更なる強化を図り、「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」における価値提供型事業へのシフトを加速します。最適な資源配分と迅速なアクションの展開により、売上高、営業利益ともに「次世代育成」事業と「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。
2.事業戦略
収益基盤であるセルロース事業の強化、積極的な設備投資を行ってきたエンジニアリングプラスチックス事業の確実な成長、他社協業を起点とした次世代育成や成長牽引事業へのダイセル式生産革新の活用などを通じ、企業価値向上を図ります。
[エンジニアリングプラスチック(ハイパフォーマンスポリマーズ)事業]
・ポリプラスチックス統合(一体化)によるリソースの戦略的活用、意思決定迅速化
・増強供給力を活かし、現地材料・市場開発体制で成長市場(中国・インド)を着実に刈り取り
・高付加価値領域への展開強化(ハイエンド樹脂のラインナップ拡充・他社協業の強化)
・COCの第2プラントの万全な立ち上げと安定的に利益を創出できる事業構造へ変革
[マテリアル事業]
・酢酸セルロースの環境素材市場開拓
・アセテート・トウの大手顧客との長期的な関係強化
・温室効果ガス削減対策の実施
[セイフティ事業]
・成長市場である中国・インドを引き続き注力市場として拡販
・現地調達推進やカタログ化による採算性強化
・グローバルシェア拡大・事業強化のため他社協業推進(垂直・水平)
[スマート事業]
・半導体市場への材料供給及び関連事業の拡大
・大型ディスプレイ表面処理フィルム市場への参入
・ターゲットアプリケーションに沿った高耐熱エポキシ樹脂/カプロラクトン誘導体の投入
[ライフサイエンス事業]
・独自の嫌気発酵技術をベースに体感性の高い腸内代謝物のラインナップ拡充
・無針注射器のメリットを活かしワクチン市場へ参入
・自社固有技術から派生する新商材群のグローバル展開加速
※発表時点の事業セグメントで記載しております。
3.機能別戦略
引き続き、R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)とD(Development:事業化力の強化)の自立を図り、Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、Dの相互作用による事業創出を目指します。
生産(プロダクション)については、安全・品質のあくなき追求、究極のアセットライト、現場活躍の基盤強化を実践し、現場の力を結集してバーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供します。
デジタルトランスフォーメーションについては、権限委譲を進める組織改革やそれに伴う働き方改革をサポートすることを主眼に、あらゆる業務領域へのAI、IoTの活用を進めてまいります。
人事については、ポリプラスチックス統合に伴い、新しい人事制度を導入し、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できる環境を整えてまいります。
また、コーポレート部門の効率化と高度化を図り、リスク対応力の強化や意思決定の迅速化、アセットライト経営の実現など、経営基盤の一層の強化に取り組みます。
4.全社業績・経営指標
新中期戦略『Accelerate 2030』では、2028年を目標達成に向けた重要な年度と位置づけ、中間目標をおいております。最終年度となる2030年度とあわせ、以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。
全社業績:
(2028年度)売上高 6,750億円、営業利益 630億円、親会社株主に帰属する当期純利益 440億円、
EBITDA 1,200億円
(2030年度)売上高 7,500億円、営業利益 1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益 650億円、
EBITDA 1,700億円
経営指標:
(2028年度)営業利益率 9.3%、ROE 12%、ROIC 7%、ROA 5%、棚卸資産回転日数 100日
(2030年度)営業利益率 13.3%、ROE 15%、ROIC 10%、ROA 7%、棚卸資産回転日数 90日
株主還元 2026年度より、配当をDOE(株主資本配当率)5%以上、総還元性向 60%以上に変更
5.資金創出力
キャッシュフローのうち成長投資(含む環境対応)に5割以上を振り向けトップライン拡大に注力します。
収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向60%以上をターゲットとし、自己株式取得も活用し、柔軟に対応してまいります。

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題
地球規模の環境問題や自然災害、感染症リスクの継続、地政学的緊張の高まり、さらにはAIをはじめとする技術革新の急速な進展など、当社を取り巻く経営環境は変化の幅と速度の両面において、かつてない水準にあります。特に中東情勢をはじめとする国際情勢は流動性を増しており、経済活動やサプライチェーンの分断・ブロック化が進行するなど、不確実性の高い環境が常態化しています。このような状況下において、企業には環境変化や不測の事態に対して柔軟かつ持続的に対応し、長期的な価値創出を持続させる経営がこれまで以上に強く求められています。
当社は、長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」で掲げる「循環型社会構築への貢献」を企業活動の根幹に据え、中期戦略「Accelerate 2025」で掲げた各種施策を推進してまいりました。また富山フィルタートウ株式会社の完全子会社化、包材事業およびレンズ事業の譲渡など、事業ポートフォリオの見直しを通じた選択と集中を進めてきました。これらの取り組みは、経営資源の最適配分と将来成長に向けた基盤強化を目的としたものであり、引き続き継続的な活動として推進してまいります。また、ポリプラスチックス株式会社を吸収分割し、新たにハイパフォーマンスポリマーズSBUを設置することで、成長牽引事業の推進、経営効率化による競争力強化を図ります。
一方、前中期戦略期間中において、COC新規プラントの建設計画遅延と事業計画の見直し、COプラントのトラブル、新興国競合の台頭による競争激化、次世代事業の育成遅れ等により、目標に掲げた各種経営指標は未達となりました。2026年5月に公表いたしました新中期戦略「Accelerate 2030」においては、前中期戦略期間中に顕在化した諸課題の解決を最優先とし、新しい成長の姿を明確にしてまいります。
また、長期ビジョン達成に向けた継続的な取り組みとして、生産効率の向上、新プロセスの開発、CO₂の有効利用を推進し、エコノミーとエコロジーを両立したカーボンニュートラル/ネガティブの実現を目指します。社会課題と真摯に向き合い、持続可能な循環型社会の構築に資するソリューションを提供することで、企業価値の向上と社会への貢献を両立してまいります。