有価証券報告書-第97期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
当社の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配して、「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、当社は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。
「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、約2万6千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるため、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪に、2020年代には売上高・営業利益の水準を倍増させたいと考えている。積水化学グループでは、グループの企業価値ひいては株主共同の利益を中長期にわたり、持続的に向上させるために、2017年度から2019年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」を策定し、以下の取り組みを推進している。
①中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」
中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」は、積水化学グループの経営理念を起点として、「新次元の成長」に向けた以下の戦略の実現を目指している。
<中期経営計画の事業目標>
イ)基本戦略「SHIFT」
SHIFTには、業績規模および企業姿勢において、成長の質を変えるという意味を込め、それぞれの文字が、取り組むべき基本戦略を表している。「新次元の成長」の大前提となる経営基盤の強化に取り組むとともに、「イノベーション」「フロンティア開拓」「収益力強化」の3つの取り組みを加速させる。技術や事業機会、人材、その他のリソースを3カンパニーの枠を超え社内外で融合(Fusion)させることにより、新たな価値を生み出し、成長の加速を図っている。
ロ)融合(Fusion)による成長の加速
前回の中期経営計画において、新規の開発などを中心とした育成・創造テーマについて取り組んできた「協創」の取り組みを一段進化させ、既存事業も対象に技術、事業機会、経営資源を「融合」し、社内外の連携を強化することで成長の加速を図っている。全社の売上高増分目標である約1,300億円のうち、この「融合」による取り組みで500億円を創出する。例えば、環境・ライフラインカンパニーが手がける成形用プラスチックシートの技術と高機能プラスチックスカンパニーのフォームの技術を融合し、高性能な内装材の航空機メーカーへの採用を目指す。
ハ)投資の考え方
中期経営計画の3年間に獲得するキャッシュに加え機動的な資金調達を行い、3,000億円を投資に活用する。戦略投資には前中期比でほぼ倍増となる2,000億円を見込んでおり、そのうち1,300億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用していく。また、環境貢献投資枠120億円を設定し、地球温暖化対策や省エネルギー対策に投入していく。
ニ)CSR経営の一層の強化について
積水化学グループは、CSR(企業の社会的責任)を社是「3S精神」を実践するものと捉え、経営戦略の中心に位置づけて、「事業を通じた社会的課題解決」と「事業プロセスにおける社会への責任」の実践に取り組む。社会的要請の変化を踏まえ、ESG(環境・社会・企業統治)の視点でCSRを見つめ直し、2017年に概念図を改定した。
ステークホルダーとの建設的な対話を踏まえて相互理解に努め、ステークホルダーの期待を把握し経営に活かすとともに、高いレベルのガバナンスを土台として、事業と一体となった取り組みを力強く推進し、グループビジョンの実現を目指す。
コーポレート・ガバナンスを基盤にして、働く環境、安全、コンプライアンス・人権尊重の3つの「社会への約束」を通じて事業プロセスにおける社会的責任を果たし、環境、CS品質、人材の「3つの際立ち」で事業を通じた社会課題解決に貢献すること目指す。また、企業価値向上に向けて株主をはじめとするステークホルダーの方々との関わりを強化し、建設的な対話を推進していく。
②持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み
ESG(環境・社会・企業統治)の観点で貢献する企業を選別するESG投資の拡大などを背景に、企業の社会的責任(CSR)をより深く経営戦略に取り込み、持続可能な社会の構築に貢献していくことが求められている。
ESGをさらに推進する鍵となるのが、国連で世界が合意した「持続可能な開発目標 (SDGs)」であり、持続可能な社会実現のために2030年までに達成すべき17の目標が掲げられている。
グループビジョンの中で、「世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献する」ことを掲げる企業として、積水化学グループはさまざまな製品や事業を通じて、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた事業活動を推進している。
とくに、自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった地球環境の課題解決への貢献度が高い製品群を環境貢献製品と認定し、環境貢献製品の比率を高めていく。
③働き方改革の取り組み
積水化学グループでは2015年から推進していたダイバーシティマネジメントを加速するため、2018年を「働き方改革元年」とし、全社をあげて働き方改革を推進している。「働き方改革宣言」の制定に始まり、「3つの改革(業務改革・人事制度改革・就業環境改革)」の取り組みをスタートし、着実に改善を進めている。生産性向上の実現により長時間労働を是正し、働きがいのある職場づくりを目指す。
<働き方改革宣言>
2020年度までの積水化学グループ全社共通の到達目標として、①年間総実労働時間2,000時間以内、②休日数120日以上、③有給休暇最低取得率50%、を掲げている。2019年4月に施行された「働き方改革関連法」にも合わせて対応し、働きやすい職場環境づくりに挑戦している。
この目標を達成するためには、知恵を結集して仕組みやプロセスを変えるだけでなく、設備投資やシステム導入が不可欠なものが多いため、「働き方改革投資」として、2018年度からの2年間で100億円を投資することとし、労働時間の削減について、全社をあげて支援している。
(3) 2019年度対処すべき課題
2019年度は中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」の最終年度となる。中期経営計画策定時に比べ、世界の自動車市場やスマートフォン市場の速やかな回復は見込まれず、国内の住宅市場は消費増税後の影響が懸念されるなど、大変厳しい事業環境となったが、このような状況においてもグループの総力を挙げ直面する経営課題に取り組み、次の中期経営計画に向け飛躍する重要な年にしたいと考えている。
2019年度は、M&Aや戦略投資、新製品・新事業創出などの「未来への成長投資」による量的成長、さらにポートフォリオ改革や生産体制最適化、サプライチェーン全体のコスト革新などの「たゆまぬ構造改革」による質的転換を引き続き実行し、その効果を発現させることにより、売上高は前年度を322億円上回る1兆1,750億円、営業利益は前年度を73億円上回る1,030億円、経常利益は前年度を68億円上回る1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度を29億円上回る690億円を目指す。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、すべて最高益更新を狙う。
さらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の根幹に据え、事業を通じて社会的課題の解決を図るとともに持続可能な開発目標(SDGs)に貢献し、積水化学グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指す。
なお、「ライフサイエンス分野」の成長を加速させるため、2019年度より、その主力事業である「メディカル事業」を高機能プラスチックスカンパニーから独立させ、第4のセグメントとした。
<住宅カンパニー>
<環境・ライフラインカンパニー>
<高機能プラスチックスカンパニー>
<メディカル事業>2019年度より、積水化学グループの長期ビジョンである「新次元の成長」の実現に向け、成長余力の大きい高機能プラスチックスカンパニーのライフサイエンス分野の主要な事業を「メディカル事業」として、分割した。
メディカル事業は、検査事業を中心に、技術開発により事業領域を拡大するとともに、成長強化領域に経営資源を投入し、欧米、中国、アセアン地域において、一層の販売拡大を図り、最高益更新を目指す。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えている。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断も、最終的には当社株主の意思に基づき行われるべきものと考えている。しかしながら、株式公開企業株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的や手法等に鑑み、明らかに、企業価値・株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、対象会社の長期的な株主価値を明らかに毀損すると考えられるものも想定される。
当社は、株主共同の利益の確保と企業価値の毀損防止の観点から、当社株式の大規模買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、株主が大規模買付行為の是非について適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のための時間と情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じていく。
(5) 株主との建設的な対話に関する基本方針
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。当社は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家訪問などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。
①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。
②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経営管理部、法務部、その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。
③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。
イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施
ロ)国内外投資家との個別面談の実施
ハ)事業説明会や株主向け工場等施設見学会などの適宜実施
ニ)当社ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(決算説明会資料、音声など開催模様含む)
ホ)当社ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保
④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。
⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
当社の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配して、「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、当社は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。
「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、約2万6千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
| ・Service :企業活動を通じて社会的価値を創造する ・Speed :積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する ・Superiority:際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する |
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
| 積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 |
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
| 1 社会の発展に役立つ事業活動を行う。 2 個人の能力を最大限に発揮し、活力ある組織をつくる。 3 お客様・取引先・株主・地域など広く社会から信頼される企業をめざす。 4 あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し、誠実に行動する。 5 よき企業市民として、サステナブルな視点で地球環境問題と社会貢献に取り組む。 |
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるため、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪に、2020年代には売上高・営業利益の水準を倍増させたいと考えている。積水化学グループでは、グループの企業価値ひいては株主共同の利益を中長期にわたり、持続的に向上させるために、2017年度から2019年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」を策定し、以下の取り組みを推進している。
①中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」
中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」は、積水化学グループの経営理念を起点として、「新次元の成長」に向けた以下の戦略の実現を目指している。
| 中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」 「新次元の成長」への挑戦 |
| ◆ 2020年代の業容倍増目標に向けた第一歩。 成長の質をSHIFT(シフト)させる。 ◆ 量的成長(未来への成長投資)と質的転換(たゆまぬ構造改革)を図る。 ・戦略投資2,000億円(うちM&A投資1,300億円)、環境貢献投資120億円。 ・継続的な収益性改善と有望分野への資源配分で営業利益率10%以上を目指す。 ◆ 技術・機会・リソースの「融合」により、成長を加速させる。 ◆ ESG(環境、社会、企業統治)の視点で、事業と一体となったCSR経営を推進する。 |
<中期経営計画の事業目標>
| 目標項目 | 2019年度目標 |
| 売上高 | 12,000億円 |
| 営業利益 | 1,200億円 |
| 営業利益率 | 10% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 750億円 |
| ROE(自己資本利益率) | 12% |
| 海外売上高 | 3,000億円 |
| 国内売上高 | 9,000億円 |
イ)基本戦略「SHIFT」
SHIFTには、業績規模および企業姿勢において、成長の質を変えるという意味を込め、それぞれの文字が、取り組むべき基本戦略を表している。「新次元の成長」の大前提となる経営基盤の強化に取り組むとともに、「イノベーション」「フロンティア開拓」「収益力強化」の3つの取り組みを加速させる。技術や事業機会、人材、その他のリソースを3カンパニーの枠を超え社内外で融合(Fusion)させることにより、新たな価値を生み出し、成長の加速を図っている。
ロ)融合(Fusion)による成長の加速
前回の中期経営計画において、新規の開発などを中心とした育成・創造テーマについて取り組んできた「協創」の取り組みを一段進化させ、既存事業も対象に技術、事業機会、経営資源を「融合」し、社内外の連携を強化することで成長の加速を図っている。全社の売上高増分目標である約1,300億円のうち、この「融合」による取り組みで500億円を創出する。例えば、環境・ライフラインカンパニーが手がける成形用プラスチックシートの技術と高機能プラスチックスカンパニーのフォームの技術を融合し、高性能な内装材の航空機メーカーへの採用を目指す。
ハ)投資の考え方
中期経営計画の3年間に獲得するキャッシュに加え機動的な資金調達を行い、3,000億円を投資に活用する。戦略投資には前中期比でほぼ倍増となる2,000億円を見込んでおり、そのうち1,300億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用していく。また、環境貢献投資枠120億円を設定し、地球温暖化対策や省エネルギー対策に投入していく。
| 目標項目 | 前中期実績 | 中期計画 | ||
| 戦 略 投 資 | 1,081億円 | 2,000億円 | ||
| 通 常 投 資 | 804億円 | 1,000億円 | ||
| うち 環境貢献投資 | - | 120億円 | ||
| 投 資 合 計 | 1,884億円 | 3,000億円 | ||
ニ)CSR経営の一層の強化について
積水化学グループは、CSR(企業の社会的責任)を社是「3S精神」を実践するものと捉え、経営戦略の中心に位置づけて、「事業を通じた社会的課題解決」と「事業プロセスにおける社会への責任」の実践に取り組む。社会的要請の変化を踏まえ、ESG(環境・社会・企業統治)の視点でCSRを見つめ直し、2017年に概念図を改定した。
ステークホルダーとの建設的な対話を踏まえて相互理解に努め、ステークホルダーの期待を把握し経営に活かすとともに、高いレベルのガバナンスを土台として、事業と一体となった取り組みを力強く推進し、グループビジョンの実現を目指す。
コーポレート・ガバナンスを基盤にして、働く環境、安全、コンプライアンス・人権尊重の3つの「社会への約束」を通じて事業プロセスにおける社会的責任を果たし、環境、CS品質、人材の「3つの際立ち」で事業を通じた社会課題解決に貢献すること目指す。また、企業価値向上に向けて株主をはじめとするステークホルダーの方々との関わりを強化し、建設的な対話を推進していく。
②持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み
ESG(環境・社会・企業統治)の観点で貢献する企業を選別するESG投資の拡大などを背景に、企業の社会的責任(CSR)をより深く経営戦略に取り込み、持続可能な社会の構築に貢献していくことが求められている。
ESGをさらに推進する鍵となるのが、国連で世界が合意した「持続可能な開発目標 (SDGs)」であり、持続可能な社会実現のために2030年までに達成すべき17の目標が掲げられている。
グループビジョンの中で、「世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献する」ことを掲げる企業として、積水化学グループはさまざまな製品や事業を通じて、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた事業活動を推進している。
とくに、自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった地球環境の課題解決への貢献度が高い製品群を環境貢献製品と認定し、環境貢献製品の比率を高めていく。
③働き方改革の取り組み
積水化学グループでは2015年から推進していたダイバーシティマネジメントを加速するため、2018年を「働き方改革元年」とし、全社をあげて働き方改革を推進している。「働き方改革宣言」の制定に始まり、「3つの改革(業務改革・人事制度改革・就業環境改革)」の取り組みをスタートし、着実に改善を進めている。生産性向上の実現により長時間労働を是正し、働きがいのある職場づくりを目指す。
<働き方改革宣言>
| 従業員全員がそれぞれの「持ち味」を発揮できるように、時間をかけて成果をあげる働き方と決別し、限られた時間で成果を最大化する生産性の高い働き方を追求します。生産性向上のために会社は経営資源を積極的に投入し、経営層・従業員一丸となって全社で知恵を結集します。仕事の質の向上により働きがいを育み、改革の成果は従業員に還元することで、多様な人材の活躍を推進します。 |
2020年度までの積水化学グループ全社共通の到達目標として、①年間総実労働時間2,000時間以内、②休日数120日以上、③有給休暇最低取得率50%、を掲げている。2019年4月に施行された「働き方改革関連法」にも合わせて対応し、働きやすい職場環境づくりに挑戦している。
この目標を達成するためには、知恵を結集して仕組みやプロセスを変えるだけでなく、設備投資やシステム導入が不可欠なものが多いため、「働き方改革投資」として、2018年度からの2年間で100億円を投資することとし、労働時間の削減について、全社をあげて支援している。
(3) 2019年度対処すべき課題
| 2019年度目標 | 連結売上高 11,750億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 690億円 |
| 連結営業利益 1,030億円 | ROE(自己資本利益率) 11.0% |
2019年度は中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」の最終年度となる。中期経営計画策定時に比べ、世界の自動車市場やスマートフォン市場の速やかな回復は見込まれず、国内の住宅市場は消費増税後の影響が懸念されるなど、大変厳しい事業環境となったが、このような状況においてもグループの総力を挙げ直面する経営課題に取り組み、次の中期経営計画に向け飛躍する重要な年にしたいと考えている。
2019年度は、M&Aや戦略投資、新製品・新事業創出などの「未来への成長投資」による量的成長、さらにポートフォリオ改革や生産体制最適化、サプライチェーン全体のコスト革新などの「たゆまぬ構造改革」による質的転換を引き続き実行し、その効果を発現させることにより、売上高は前年度を322億円上回る1兆1,750億円、営業利益は前年度を73億円上回る1,030億円、経常利益は前年度を68億円上回る1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度を29億円上回る690億円を目指す。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、すべて最高益更新を狙う。
さらに、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の根幹に据え、事業を通じて社会的課題の解決を図るとともに持続可能な開発目標(SDGs)に貢献し、積水化学グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指す。
なお、「ライフサイエンス分野」の成長を加速させるため、2019年度より、その主力事業である「メディカル事業」を高機能プラスチックスカンパニーから独立させ、第4のセグメントとした。
<住宅カンパニー>
| 市場環境は、消費増税前の一定の駆け込み需要の反動が発生するものの、各種住宅取得支援政策の効果により、顧客によって影響が異なると見込んでいる。このような市場環境の変化を踏まえた販売戦略を強化し、増収増益を目指す。 新築住宅事業は、支援政策の恩恵を受けやすいファーストバイヤー層向けに、分譲住宅、建売住宅の販売を強化することに加え、2019年4月に発売した新商品「スマートパワーステーションアーバン」を中心にスマートハウス訴求を推進する。 リフォーム事業は、太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)終了を迎える顧客の増加を機に、蓄電池などによるエネルギー自給自足の提案を強化する。さらに、間接部門の効率化を引き続き、推進していく。 |
<環境・ライフラインカンパニー>
| 海外事業の拡大と国内における重点拡大製品・新製品の一層の販売拡大に注力するとともに、生産拠点再編などの構造改革を加速し、4期連続して最高益更新を目指す。 配管・インフラ分野は、大都市圏の建築市場向け製品や省施工化を特徴とする重点拡大製品、新製品の販売拡大を図る。管路更生資材は、引き続きパートナー企業との連携による基盤強化を推進する。 建築・住環境分野は、構造改革により収益力を強化するとともに重点拡大製品・新製品(住宅用雨とい、ユニットバス、非住宅向け高排水システム)の販売拡大を図る。 機能材料分野は、成形用プラスチックシートについては、新規顧客獲得や用途開拓(建築・医療・鉄道)により増産投資の効果を本格的に発現させる。合成木材については、欧州や米国など海外の採用拡大を目指す。 |
<高機能プラスチックスカンパニー>
| 車輌・輸送分野を中心とする戦略設備投資効果の本格発現やM&Aによるシナジー獲得により、戦略3分野の強化と新事業・新製品販売の拡大を図り、増収増益を目指す。 エレクトロニクス分野は、基板・半導体関連をはじめとする非液晶分野を拡販するとともに新製品投入を加速する。 車輌・輸送分野は、引き続き高機能品の採用部位の拡大や合わせガラス用中間膜のメキシコ工場のフル活用、欧州工場の新ラインの寄与により、グローバルの売上拡大を目指す。さらに、積水ポリマテックグループの放熱製品などカーエレクトロニクス分野への展開を加速する。 住インフラ材分野は、積水ソフランウイズ株式会社とのシナジーによる不燃ウレタン事業の拡大を推進することにより、耐火材料事業の展開を加速するとともに、主に米州において塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂の販売を拡大する。 (注)2019年度より、これまでのライフサイエンス分野の主要な事業を「メディカル事業」セグメントに分割 した。数値は組み替えを反映している。 |
<メディカル事業>2019年度より、積水化学グループの長期ビジョンである「新次元の成長」の実現に向け、成長余力の大きい高機能プラスチックスカンパニーのライフサイエンス分野の主要な事業を「メディカル事業」として、分割した。
メディカル事業は、検査事業を中心に、技術開発により事業領域を拡大するとともに、成長強化領域に経営資源を投入し、欧米、中国、アセアン地域において、一層の販売拡大を図り、最高益更新を目指す。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えている。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断も、最終的には当社株主の意思に基づき行われるべきものと考えている。しかしながら、株式公開企業株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的や手法等に鑑み、明らかに、企業価値・株主共同の利益をかえりみることなく、もっぱら買収者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主に株式の売却を事実上強要するもの、買付対象会社の株主や取締役会が大規模買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するために十分な情報や時間を提供しないもの等、対象会社の長期的な株主価値を明らかに毀損すると考えられるものも想定される。
当社は、株主共同の利益の確保と企業価値の毀損防止の観点から、当社株式の大規模買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、株主が大規模買付行為の是非について適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のための時間と情報の確保に努めるほか、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じていく。
(5) 株主との建設的な対話に関する基本方針
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。当社は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家訪問などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。
①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。
②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経営管理部、法務部、その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。
③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。
イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施
ロ)国内外投資家との個別面談の実施
ハ)事業説明会や株主向け工場等施設見学会などの適宜実施
ニ)当社ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(決算説明会資料、音声など開催模様含む)
ホ)当社ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保
④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。
⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。