有価証券報告書-第98期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
当社の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配して、「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、当社は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。
「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、約2万7千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、社是「3S精神」の下、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪として成長していくため、新たな長期ビジョン「Vision 2030」、ならびに2020年度から2022年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「Drive 2022」を策定し、以下の取り組みを推進している。
①長期ビジョン「Vision 2030」
長期ビジョン「Vision 2030」では、積水化学グループがイノベーションを起こし続けることにより、「サステナブルな社会の実現に向けてLIFEの基盤を支え『未来に続く安心』を創造していく」という強い意志を込めたビジョンステートメント「Innovation for the Earth」を掲げている。レジデンシャル(住まい)、アドバンストライフライン(社会インフラ)、イノベーティブモビリティ(エレキ/移動体)、ライフサイエンス(健康・医療)の4つの事業領域を設定し、「ESG経営を中心においた革新と創造」を戦略の軸にして現有事業の拡大と新領域への挑戦に取り組み、2030年の業容倍増を狙う。
②中期経営計画「Drive 2022」
<中期経営計画「Drive 2022」の全体像>長期ビジョンに基づいて策定した新しい中期経営計画「Drive 2022」では、積水化学グループの業容倍増に向け、持続可能な「成長」「改革」「仕込み」にドライブをかけることを基本方針とし、①成長と改革、②長期への仕込み、③ESG基盤強化の3つの重点課題をESG経営の実践により、グローバルに加速する。
<中期経営計画の事業目標>
<基本戦略>中期経営計画「Drive 2022」の基本戦略は、ESG経営を実践し持続的に企業価値を向上させることのできる企業体制の構築を追求すること、長期ビジョンの第一歩として①成長と改革②長期への仕込み③ESG基盤強化の3つの重点課題(Drive)に取り組むこと、さらに融合施策とデジタル変革により取り組みを加速させることにある。
イ)成長と改革(現有事業Drive)
・成長戦略:全社売上高約900億円の増分を獲得する
・構造改革:全社営業利益率10%レベルの収益性を確保する
・DX:推進体制を強化し、成長戦略・構造改革をサポートする
ロ)長期への仕込み(新事業Drive)
各ドメインにおいて新領域の事業基盤を構築する
・アドバンストライフライン:BR実証開発本格化
・イノベーティブモビリティ:航空機分野参入・拡大
・レジデンシャル:まちづくり事業拡大
・ライフサイエンス:次なる柱の獲得
ハ)ESG基盤の強化(経営基盤Drive)
・持続経営力の強化に向けたKPIとして、ROICを導入
・資本効率向上と長期的な調達コスト低減により、持続経営力を高める
<投資・財務戦略>中期経営計画「Drive 2022」の3年間に獲得するキャッシュに加え、適切かつ機動的な資金調達を行い、投資枠5,000億円を設定する。戦略投資枠は前中期経営計画比2倍以上となる4,000億円に引き上げ、うち3,000億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、環境負荷低減、働き方改革、デジタル変革などにより長期的に資本コストを抑制し、企業価値向上に寄与するESG投資枠400億円を新たに設定した。

<株主還元>中期経営計画「Drive 2022」では、株主の皆様への「剰余金の配当等に関する基本方針」の内容を見直し、株主還元のコミットを強化・明確化した。連結配当性向35%以上、総還元性向50%以上(D/Eレシオ(負債資本倍率)が0.5以下の場合)としつつ、DOE(自己資本配当率)3%以上を確保し、業績に応じ、かつ安定的な配当政策を実施する。
中期経営計画「Drive 2022」では、ESG経営の実践を最重要課題に掲げている。積水化学グループが社会課題解決に貢献し利益ある成長を加速するために、これまでの「環境貢献製品」に代わる「サステナビリティ貢献製品制度」を導入する。さらに、ESG投資枠400億円を新たに設定し、重大インシデントにつながるリスク軽減に向けた取り組みの強化やDX(デジタルトランスフォーメーション)・人材・環境など経営基盤への投資により、資本コストを抑制し、持続経営力を高めていく。
③持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み
気候変動などの社会課題が深刻化し、持続可能な社会の実現に貢献することを企業に求める声が高まってきていることを背景に、ESG(環境・社会・企業統治)の観点で企業を評価するESG投資が拡大している。そんな中、積水化学グループは、社会の持続可能性向上への貢献と当社グループの利益ある成長をともに追求する「ESG経営」を2019年に打ち出した。
グループビジョンの中で「世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献する」ことを掲げる企業として、積水化学グループはさまざまな製品や事業を通じて、持続可能な社会の実現のために2030年までに世界が成し遂げるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた企業活動を推進していく。 中でも、自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった、地球および社会環境における課題解決への貢献度が高い製品を環境貢献製品と認定し、連結売上高に占める環境貢献製品比率を高めている。
④ダイバーシティ経営の取り組み
積水化学グループでは、2015年から推進しているダイバーシティ経営を加速するため、2018年に働き方改革、2019年に健康経営の活動を加えた。従業員一人一人の持ち味を活かすとともに、働きがい向上を図るため、全社をあげて活動に取り組んでいる。
1.ダイバーシティ
多様な持ち味を活かすための組織風土づくり(職場ごとのボトムアップ活動と上司層のマネジメント教育)とともに、女性活躍、障がい者雇用に注力している。
2.働き方改革
生産性向上(設備投資やシステム導入の支援)や柔軟な働き方(リモートワーク、ペーパーレス)の推進を通じ、グループ従業員の労働時間削減を図っている。
3.健康経営
健康管理(従業員のからだとこころの健康、組織の健康)を通じ、働きがい・やりがいの向上を図っていく。2019年度は「健康宣言」と「健康経営基本方針」を新たに策定した。
<積水化学グループ健康宣言>
(3) 2020年度対処すべき課題
2020年は、積水化学グループの長期ビジョン「Vision 2030」に基づき、新たに策定した中期経営計画「Drive 2022」のスタートとなる重要な年になる。
2020年度は、第1四半期は新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が大幅に制約を受けるものの、第2四半期以降徐々に回復し、下半期には正常化すると想定している。積水化学グループでは、下半期の需要回復に備えサプライチェーンの維持に努め、後ろ倒しとなった需要を着実に獲得することで下半期の増益を目指す。社会課題解決型の製品拡大に取り組み、下半期以降の需要獲得に向けた先行投資、将来の成長領域に向けた投資は継続して実行していく。さらに、サプライチェーン全体のコスト革新や事業構造改革を加速し、成長投資以外の固定費削減にも取り組む。
これらの取り組みにより、売上高は1兆1,074億円、営業利益は700億円、経常利益は690億円、親会社株主に帰属する当期純利益は435億円を目指す。
<住宅カンパニー>
<環境・ライフラインカンパニー>
<メディカル事業>2020年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による生活習慣関連病の外来検査減少が上半期業績に大きく影響するものの、下半期以降の回復に向けた事業基盤・開発体制の強化を継続し、増収増益を目指す。
(4) 株主との建設的な対話に関する基本方針
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。当社は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家訪問などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。
①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。
②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経営管理部、法務部、広報部、その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。
③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。
イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施
ロ)国内外投資家との個別面談の実施
ハ)事業説明会や株主向け工場等施設見学会などの適宜実施
ニ)当社ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(決算説明会資料、音声など開催模様含む)
ホ)当社ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保
④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。
⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、フェアディスクロージャーを徹底し、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。
(1) 経営理念および行動準則
積水化学グループは、経営に対する理念を体系化している。企業活動の根底にある考え方や方針を示す「社是」、社是をうけて中長期で当社グループが目指す姿を示した「グループビジョン」、グループビジョンを実現していくための具体的な「経営戦略」により構成されている。
①社是「3S精神」
当社の社章は、創業当時の社名「積水産業」の頭文字の「S」3つを化学記号ベンゼン環の中に配して、「水」という文字をかたどったものである。1959年11月、当社は、このマークに「3S精神」という明確な定義づけを行い、社是として制定した。
「企業活動を通じて社会的価値を創造する(Service)」「積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する(Speed)」「際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する(Superiority)」の3S精神は、積水化学グループの理念体系の根幹をなすものであり、約2万7千名の全社員の間で、しっかりと共有されている。
<社是「3S精神」>
| ・Service :企業活動を通じて社会的価値を創造する ・Speed :積水を千仞の谿に決するスピードをもって市場を変革する ・Superiority:際立つ技術と品質で社会からの信頼を獲得する |
②グループビジョン
積水化学グループは、ステークホルダーの期待に応え、社会的価値を創造し、事業を通して社会に貢献することを目指している。
地球規模での人口増加や気候変動、先進国を中心とする高齢化、都市基盤の老朽化などに加え、これらすべてに関連する資源エネルギー問題がこれまで以上に喫緊な社会的課題になりつつある中、グループがこれまで蓄積してきた「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の分野に関する経験・知見を活用して、これらの社会課題の解決に資する価値を創造し続けることを目指している。
<グループビジョン>
| 積水化学グループは、際立つ技術と品質により、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。 |
③積水化学グループ企業行動指針
積水化学グループは、グループの役員・従業員が従うべき行動指針である「積水化学グループ企業行動指針」を定め、日々の事業活動を通じて社会的信頼を高め、より一層魅力ある会社を目指している。
<企業行動指針>
| 1 社会の発展に役立つ事業活動を行う。 2 個人の能力を最大限に発揮し、活力ある組織をつくる。 3 お客様・取引先・株主・地域など広く社会から信頼される企業をめざす。 4 あらゆる企業活動において法およびその精神を遵守し、誠実に行動する。 5 よき企業市民として、サステナブルな視点で地球環境問題と社会貢献に取り組む。 |
(2) グループビジョンを実現するための経営戦略
積水化学グループは、社是「3S精神」の下、グループビジョンに掲げる「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」を両輪として成長していくため、新たな長期ビジョン「Vision 2030」、ならびに2020年度から2022年度までの3か年を対象期間とした中期経営計画「Drive 2022」を策定し、以下の取り組みを推進している。
①長期ビジョン「Vision 2030」
長期ビジョン「Vision 2030」では、積水化学グループがイノベーションを起こし続けることにより、「サステナブルな社会の実現に向けてLIFEの基盤を支え『未来に続く安心』を創造していく」という強い意志を込めたビジョンステートメント「Innovation for the Earth」を掲げている。レジデンシャル(住まい)、アドバンストライフライン(社会インフラ)、イノベーティブモビリティ(エレキ/移動体)、ライフサイエンス(健康・医療)の4つの事業領域を設定し、「ESG経営を中心においた革新と創造」を戦略の軸にして現有事業の拡大と新領域への挑戦に取り組み、2030年の業容倍増を狙う。
②中期経営計画「Drive 2022」
<中期経営計画「Drive 2022」の全体像>長期ビジョンに基づいて策定した新しい中期経営計画「Drive 2022」では、積水化学グループの業容倍増に向け、持続可能な「成長」「改革」「仕込み」にドライブをかけることを基本方針とし、①成長と改革、②長期への仕込み、③ESG基盤強化の3つの重点課題をESG経営の実践により、グローバルに加速する。
<中期経営計画の事業目標>
| 2022年度目標 | ||
| 中期経営計画 | 中期増分 | |
| 売上高 | 12,200億円 | +907億円 |
| 営業利益(率) | 1,100億円(9.0%) | +222億円(+1.2%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 700億円 | +111億円 |
| ROIC(投下資本利益率) | 8.6% | +0.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.6% | +0.9%(10%以上維持) |
| 海外売上高(比率) | 3,200億円(26%) | +453億円 |
| EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益) | 1,700億円 | +368億円 |
<基本戦略>中期経営計画「Drive 2022」の基本戦略は、ESG経営を実践し持続的に企業価値を向上させることのできる企業体制の構築を追求すること、長期ビジョンの第一歩として①成長と改革②長期への仕込み③ESG基盤強化の3つの重点課題(Drive)に取り組むこと、さらに融合施策とデジタル変革により取り組みを加速させることにある。
イ)成長と改革(現有事業Drive)
・成長戦略:全社売上高約900億円の増分を獲得する
・構造改革:全社営業利益率10%レベルの収益性を確保する
・DX:推進体制を強化し、成長戦略・構造改革をサポートする
ロ)長期への仕込み(新事業Drive)
各ドメインにおいて新領域の事業基盤を構築する
・アドバンストライフライン:BR実証開発本格化
・イノベーティブモビリティ:航空機分野参入・拡大
・レジデンシャル:まちづくり事業拡大
・ライフサイエンス:次なる柱の獲得
ハ)ESG基盤の強化(経営基盤Drive)
・持続経営力の強化に向けたKPIとして、ROICを導入
・資本効率向上と長期的な調達コスト低減により、持続経営力を高める
<投資・財務戦略>中期経営計画「Drive 2022」の3年間に獲得するキャッシュに加え、適切かつ機動的な資金調達を行い、投資枠5,000億円を設定する。戦略投資枠は前中期経営計画比2倍以上となる4,000億円に引き上げ、うち3,000億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用する。また、環境負荷低減、働き方改革、デジタル変革などにより長期的に資本コストを抑制し、企業価値向上に寄与するESG投資枠400億円を新たに設定した。

<株主還元>中期経営計画「Drive 2022」では、株主の皆様への「剰余金の配当等に関する基本方針」の内容を見直し、株主還元のコミットを強化・明確化した。連結配当性向35%以上、総還元性向50%以上(D/Eレシオ(負債資本倍率)が0.5以下の場合)としつつ、DOE(自己資本配当率)3%以上を確保し、業績に応じ、かつ安定的な配当政策を実施する。
③持続可能な開発目標(SDGs)の取り組み
気候変動などの社会課題が深刻化し、持続可能な社会の実現に貢献することを企業に求める声が高まってきていることを背景に、ESG(環境・社会・企業統治)の観点で企業を評価するESG投資が拡大している。そんな中、積水化学グループは、社会の持続可能性向上への貢献と当社グループの利益ある成長をともに追求する「ESG経営」を2019年に打ち出した。
グループビジョンの中で「世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献する」ことを掲げる企業として、積水化学グループはさまざまな製品や事業を通じて、持続可能な社会の実現のために2030年までに世界が成し遂げるべき「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた企業活動を推進していく。 中でも、自動車向け遮音・遮熱中間膜や太陽光発電システム搭載住宅、管路更生SPR工法といった、地球および社会環境における課題解決への貢献度が高い製品を環境貢献製品と認定し、連結売上高に占める環境貢献製品比率を高めている。
④ダイバーシティ経営の取り組み
積水化学グループでは、2015年から推進しているダイバーシティ経営を加速するため、2018年に働き方改革、2019年に健康経営の活動を加えた。従業員一人一人の持ち味を活かすとともに、働きがい向上を図るため、全社をあげて活動に取り組んでいる。
1.ダイバーシティ
多様な持ち味を活かすための組織風土づくり(職場ごとのボトムアップ活動と上司層のマネジメント教育)とともに、女性活躍、障がい者雇用に注力している。
2.働き方改革
生産性向上(設備投資やシステム導入の支援)や柔軟な働き方(リモートワーク、ペーパーレス)の推進を通じ、グループ従業員の労働時間削減を図っている。
3.健康経営
健康管理(従業員のからだとこころの健康、組織の健康)を通じ、働きがい・やりがいの向上を図っていく。2019年度は「健康宣言」と「健康経営基本方針」を新たに策定した。
<積水化学グループ健康宣言>
| 積水化学グループは、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」という考え方に基づき、従業員の健康管理に取り組んできました。この取り組みをさらに一歩進め、従業員の健康推進を経営戦略としてとらえて、すべての従業員が、心身ともにそして社会的にも良好な状態であるWell-Beingであることを目指します。 |
(3) 2020年度対処すべき課題
| 2020年度目標 | 連結売上高 11,074億円 | 親会社株主に帰属する当期純利益 435億円 |
| 連結営業利益 700億円 | ROE(自己資本利益率) 6.9% |
2020年は、積水化学グループの長期ビジョン「Vision 2030」に基づき、新たに策定した中期経営計画「Drive 2022」のスタートとなる重要な年になる。
2020年度は、第1四半期は新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が大幅に制約を受けるものの、第2四半期以降徐々に回復し、下半期には正常化すると想定している。積水化学グループでは、下半期の需要回復に備えサプライチェーンの維持に努め、後ろ倒しとなった需要を着実に獲得することで下半期の増益を目指す。社会課題解決型の製品拡大に取り組み、下半期以降の需要獲得に向けた先行投資、将来の成長領域に向けた投資は継続して実行していく。さらに、サプライチェーン全体のコスト革新や事業構造改革を加速し、成長投資以外の固定費削減にも取り組む。
これらの取り組みにより、売上高は1兆1,074億円、営業利益は700億円、経常利益は690億円、親会社株主に帰属する当期純利益は435億円を目指す。
<住宅カンパニー>
| 2020年度は、消費増税の反動による需要減に加え、第1四半期は新型コロナウイルス感染症による受注の影響が予想され、営業減益となる見通しである。 新築住宅事業は、新型コロナウイルス感染症の収束後の回復期に向け、とくにファーストバイヤー層をターゲットにして、土地・建売在庫の増大と商品力の強化を推進する。営業人員やモデルハウスなどの体制強化に加え、Webマーケティング強化により集客の確保を図り、受注の増大を図る。さらに、生産会社再編による売上の平準化と収益体質の強化、一層の構造改革に取り組む。 リフォーム事業は、引き続き、蓄電池などによるエネルギー自給自足提案を強化するとともに、定期診断を中心とした顧客接点強化により重点商材の拡販を目指す。 |
<環境・ライフラインカンパニー>
| 上半期は新型コロナウイルス感染症の影響を受けるが、経営基盤の盤石化に向け一層の構造改革を推進するとともに、DXを活用した業務全般の効率化や生産の自動化推進など生産性改革に向けた施策に取り組む。 配管・インフラ分野は、人手不足やインフラ老朽化など社会課題解決に資する製品・新製品を中心に拡販を図るとともに、住宅着工数減少や設備投資抑制などによる事業環境悪化には収益力強化と生産性改善活動の推進を徹底して対処する。 建築・住環境分野は、集中豪雨などの災害激甚化対応製品や介護向け製品の販売を拡大し、収益力強化を目指す。 機能材料分野は、事業基盤の整備を推進し、鉄道まくらぎ向け合成木材の採用拡大や成形用プラスチックシートの用途開拓を加速する。 |
| <高機能プラスチックスカンパニー>上半期は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けるため、減収減益となる見通しである。 エレクトロニクス分野は、東アジア市場での新型コロナウイルス感染症の収束を見込み、基板・半導体関連をはじめとする非液晶分野での拡販や新製品投入を加速する。 モビリティ分野は、新型コロナウイルス感染症の影響が極めて大きく収益は前年度を下回るが、引き続き合わせガラス用中間膜の高機能品の採用部位の拡大などによるグローバルでの売上拡大、欧州工場の新ライン増設の効果発現を目指すとともに、放熱製品などを中心としたカーエレクトロニクス分野への展開加速を図る。さらに、米国航空業界の状況に鑑み、Sekisui Aerospaceの収益力強化を目指す。 住インフラ材分野は、積水ソフランウイズとのシナジーによる不燃ウレタン事業の拡大推進を中心に耐火材料事業の展開加速を図るとともに、塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂や断熱材料などの販売拡大を目指す。 |
<メディカル事業>2020年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による生活習慣関連病の外来検査減少が上半期業績に大きく影響するものの、下半期以降の回復に向けた事業基盤・開発体制の強化を継続し、増収増益を目指す。
(4) 株主との建設的な対話に関する基本方針
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との対話を行うことは極めて重要である。当社は、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、株主総会はもとより四半期毎の決算説明会や国内外の投資家訪問などを積極的に行い、株主との建設的な対話に努めている。
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主との建設的な対話に関して、以下の基本方針を定めている。
①中長期的経営戦略の立案およびIRを統括する経営戦略部担当取締役を責任者と定め、投資家との間で建設的な対話を実現するための体制整備・取り組みを行う。
②経営戦略部担当取締役は、各カンパニー、経営管理部、法務部、広報部、その他関係部署を中心に、インサイダー情報の漏洩に留意しつつ、対話を補助する部門間での情報共有を確実に行うなど有機的な連携を確保する。
③株主との建設的な対話を促進するため、株主構造の把握に努め、また対話の手段として、以下の取り組みを実施し、対話の充実に努める。
イ)社長や経営戦略部担当取締役などによる四半期毎の決算説明会の実施
ロ)国内外投資家との個別面談の実施
ハ)事業説明会や株主向け工場等施設見学会などの適宜実施
ニ)当社ウェブサイトにおける国内外投資家へ向けた情報開示の充実(決算説明会資料、音声など開催模様含む)
ホ)当社ウェブサイトにおける意見投稿機会の確保
④経営戦略部担当取締役は「企業情報開示規則」に則り、対話によって得られた投資家の意見などを取りまとめ、適時適切に取締役会などで共有し、経営に活かす。
⑤「企業情報開示規則」および「インサイダー取引規制規則」に則り、フェアディスクロージャーを徹底し、情報管理を強化していく。株主との対話においても細心の注意を払う。