有価証券報告書-第70期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 9:03
【資料】
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による経済対策や日銀による金融緩和政策により円安、株高が進行し、企業収益の改善や個人消費に明るさが戻るなど、景気は全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。
しかしながら、原油価格の急激な下落やそれに伴うロシア経済の悪化、中国経済の成長鈍化、ギリシャの債務危機の再燃など、今後の世界経済の先行きに関する不透明感が強くなっております。
当社グループを取り巻く環境におきましては、原燃料価格の高止まりによる収益圧迫や、海外品との競合、また、エレクトロニクス業界の需要の伸び悩みなど、引続き厳しい経営環境となっております。
このような環境下、当社グループは、高付加価値製品の開発、国内外での新しい市場の開拓に積極的に取組んでまいりましたが、当期は連結子会社における大型受託開発品の開発中止が影響し、売上高は前期比で増加したものの、営業利益面では厳しいものとなりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は9,511百万円(前期比+247百万円、2.7%増)、営業損失は21百万円(前期は営業利益0百万円)、経常利益は140百万円(前期比+17百万円、14.3%増)となりました。また、連結子会社において収益性の低下がみられた設備等について当該固定資産の帳簿価額を減損したため、減損損失297百万円を特別損失として計上いたしました。同時に連結子会社の繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、連結子会社計上の繰延税金資産を取崩し、法人税等調整額に計上いたしました。その結果、当期純損失は290百万円(前期は当期純利益91百万円)となりました。
事業別の業績は、次のとおりであります。
① ファインケミカル事業
ファインケミカル事業につきましては、電子材料や機能材料関連製品が液晶テレビやパソコン、携帯移動端末などの需要が底を打ったことから、当社製品におきましても売上が上向きとなりました。
医薬関連製品は需要が安定しているため経済環境に左右されることなく、売上は安定的に推移しております。
また、新製品の開発や新しいマーケットの開拓において、ヨウ素製品の海外展開や新規電子材料などの開発に取組んでおり、一部新たな市場と顧客とを開拓することができましたが、これらの売上への本格的貢献は次年度を待つことになりました。
その結果、一部大型受託開発品の中止が発生したものの、売上高は5,106百万円(前期比+203百万円、4.1%増)、セグメント利益は361百万円(同+84百万円、30.4%増)となりました。
② 難燃剤事業
難燃剤事業につきましては、円安効果により、直接又は間接的な海外販売が回復傾向にあります。また、IT産業関連製品やデジタル家電製品に使用される高機能プラスチック用の難燃剤などの需要が底を打ったことと、環境問題に対応した建築材料用途の難燃剤の需要が引き続き堅調となったことから、売上は安定的に推移いたしました。
その結果、売上高は3,227百万円(前期比+13百万円、0.4%増)、セグメント利益は234百万円(同△49百万円、17.4%減)となりました。
③ ヘルスサポート事業
ヘルスサポート事業につきましては、人工透析薬剤として使用される原材料はほとんどが国内販売のため、需要は安定的に推移しておりますが、主要顧客の稼動、在庫調整が行われたため一部販売に影響がでました。また、試薬、食品分野は安定的に推移いたしました。
さらに、新たな取組みをしている固定化抗菌剤では、様々な用途に対して多面的な市場開拓に取組んでおります。衣料製品向け分野などでは着実な成果につながっており、売上高に貢献できるようになりました。
その結果、売上高は1,177百万円(前期比+29百万円、2.6%増)、セグメント利益は109百万円(同△9百万円、8.0%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び預金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ295百万円増加し、当連結会計年度末には、1,715百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は149百万円(前年は457百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失164百万円に含まれる非資金損益項目の減価償却費、減損損失等の調整と仕入債務が減少したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は200百万円(前年は549百万円の支出)となりました。これは主に、金銭の信託の解約、有価証券及び有形固定資産の売却などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は88百万円(前年は292百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金を返済したことなどによるものであります。