有価証券報告書-第92期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/28 11:47
【資料】
PDFをみる
【項目】
115項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善と雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、アメリカの政策動向および中国経済の先行きが懸念され、依然として不透明な状態で推移いたしました。
当油脂加工業界におきましては、市場の成熟化による需要の伸び悩みと生活必需品に対する節約志向や低価格志向が継続するなか、各種原材料価格や物流コストの上昇を受け、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2016~2018年)」の2年目として、既存製品の品質向上と市場ニーズに即応した高付加価値製品の開発を通じて、お客様に満足いただける製品の提供に努めるとともに、きめ細かな営業活動を行い、新たな市場開拓と用途開拓に取り組みました。また、安全、安心を第一に設備投資を行い、品質管理体制の強化に努める一方で、生産体制の効率化等のコスト削減を推し進め、収益の改善に努めました。
この結果、売上高は462億8千9百万円(前連結会計年度比0.8%増)、営業利益は11億2千8百万円(前連結会計年度比11.5%減)、経常利益は13億3千4百万円(前連結会計年度比4.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億9千3百万円(前連結会計年度比68.5%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
≪食品事業≫
食品事業につきましては、主要販売先である製パン業界、製菓業界、即席麺業界において需要が比較的堅調に推移しましたが、依然として市場の根強い低価格志向により厳しい環境で推移しました。
このような状況のなか、主力のマーガリン、ショートニングをはじめ、粉末油脂等の高付加価値製品の拡販に努めるとともに、販売価格の改定を行い、利益確保に取り組みました。また、技術開発力の強化に努め、お客様の求める「おいしさ」と「使いやすさのニーズ」に応える新製品を開発するとともに、各種展示会への出展を通じて、新規市場や新規顧客の開拓に努めました。加えて、「AIB国際検査統合基準」に基づいた品質管理体制の徹底と合わせて、生産体制の効率化等の業務改善を推し進めましたが、消費の低価格化と油脂原料をはじめとする各種原材料価格の高騰の影響を受け、売上高は320億9千万円(前連結会計年度比2.9%減)、営業利益は5億4千3百万円(前連結会計年度比46.8%減)となりました。
≪油化事業≫
工業用油脂製品につきましては、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において脂肪酸、グリセリンの需要が堅調に推移するなか、新たに販売を開始した石鹸用調合脂肪酸および乳化重合用脂肪酸が順調に推移しました。
界面活性剤関連製品につきましては、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤が、国内市場の定着と海外市場への積極的な拡販により伸長しました。また、香粧品分野の化粧品用クレンジング基剤は、展示会への出展等の積極的な営業活動に注力した結果、販売が伸長しました。更に、環境改善分野の飛灰用重金属処理剤も需要の増加により順調に推移しました。
その結果、売上高は140億3千4百万円(前連結会計年度比10.4%増)、営業利益は5億2千4百万円(前連結会計年度比178.7%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ資金は8億7千5百万円増加し、48億4千6百万円となりました。
営業活動の結果、資金は30億8千5百万円増加(前連結会計年度は18億4千5百万円増加)しました。
投資活動の結果、資金は19億1千3百万円減少(前連結会計年度は15億2千5百万円減少)しました。
財務活動の結果、資金は2億9千6百万円減少(前連結会計年度は9億9千1百万円減少)しました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フロー」に記載しております。