有価証券報告書-第89期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/27 13:01
【資料】
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀による経済政策や金融政策を背景に企業収益が改善する等、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、消費増税の影響による消費の低迷や海外景気の下振れリスクが懸念され、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当油脂加工業界におきましては、円安の影響により原材料価格をはじめ様々なコストが上昇するなか、大手流通の低価格志向は依然として根強く、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況のなかで当社グループは、市場ニーズを的確に捉えた製品開発と販売活動を継続するとともに生産体制の効率化とコスト削減等の業務改善活動を推し進め、収益の確保に努めましたが、原材料価格に加えて電力費や燃料費等のエネルギーコストの上昇を吸収することができず、利益面では非常に厳しい結果となりました。
この結果、売上高は453億8千4百万円(前連結会計年度比3.4%増)、営業利益は1億4千5百万円(前連結会計年度比81.4%減)、経常利益は3億5千万円(前連結会計年度比55.4%減)、当期純利益は2億1千5百万円(前連結会計年度比58.2%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
≪食品事業≫
食品事業につきましては、市場で不足するバターの代替品として期後半よりマーガリンの需要が増加しましたが、消費増税等の影響による消費の伸び悩みで、総じて厳しい状況で推移いたしました。
このようななか、主要需要先である製パン業界、製菓業界、即席麺業界向けにマーガリン、ショートニング等の主力製品の拡販に全力を挙げて取り組むとともに、粉末油脂の新規市場開拓にも注力いたしました。また、顧客ニーズを取り入れた新製品開発に注力する一方で、お客様へ安全安心な製品を提供するためにAIB国際検査統合基準に基づいた品質管理体制の強化に引き続き努めました。
その結果、売上高は325億5千3百万円(前連結会計年度比3.3%増)と堅調に推移しましたが、原材料価格の高騰等の影響を受け、営業利益は4億1千4百万円(前連結会計年度比42.6%減)と大きく減少いたしました。
≪油化事業≫
工業用油脂製品につきましては、主要需要先である合成樹脂、界面活性剤、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において、家庭用製品の生産増加や円安による輸出の増加により、脂肪酸やグリセリンの販売が伸長いたしました。
界面活性剤製品につきましては、消費増税等の影響により、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤やトイレタリー・香粧品分野のシャンプー原料基剤が伸び悩みましたが、環境改善関連分野においては飛灰用重金属処理剤の販売が堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は126億5千万円(前連結会計年度比3.7%増)と堅調に推移する一方、利益面については、高騰する石化原料価格に対応するため期初より販売価格の是正に努めましたが、営業損失3億3千5百万円(前連結会計年度は営業利益9百万円)と非常に厳しい結果となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ資金は4億6千5百万円増加し、50億6千4百万円となりました。
営業活動の結果、資金は7億9千2百万円増加(前連結会計年度は24億4千8百万円増加)しました。
投資活動の結果、資金は11億5千3百万円減少(前連結会計年度は11億9千2百万円減少)しました。
財務活動の結果、資金は8億2千6百万円増加(前連結会計年度は15億2千5百万円減少)しました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フロー」に記載しております。