有価証券報告書-第89期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/27 13:01
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【項目】
113項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動は、食品から地球環境関連製品に至るまで、多方面にわたる産業のニーズに応えるため、新素材開発の基礎研究と商品化に向けた応用研究を積極的に展開しております。研究開発体制は、食品事業では、新技術に繋がるシーズの探索、中長期的な新技術開発テーマに取り組む食品油脂研究所とマーガリン、粉末油脂、ホイップクリーム等の新技術開発および製品開発に取り組む技術開発部と市場のニーズに即応した製品開発、提案活動をする製品開発部の3部門で構成されております。また、油化事業では、界面活性剤、環境産業、新規開発関連用途別の技術部から構成されております。
なお、当連結会計年度に研究開発に要した費用総額は、14億9千2百万円であります。
セグメントの研究開発活動は、次のとおりであります。
食品事業では、「美味しさ・健康・安全・安心・環境・機能・簡便」をキーワードとして、マーガリン、ショートニング、ホイップクリーム、粉末油脂などの食用加工油脂を主体としてお客様に役立つ製品開発、新製品の投入、用途開発、プレゼンテーション、展示会、講習会などの技術活動の推進をしております。さらに油脂製品開発における基盤技術の構築と新技術の研究から学会発表や論文投稿、特許出願等を積極的に進めております。
食品油脂研究所では、油脂の低トランス化(硬化油未使用)に伴い油脂の酸化安定性の低下が問題となり、3部門協働にて各種抗酸化素材の効果、検証を行いました。
技術開発部では、生乳の減少から生クリーム量にも制限がかかることが予想され、植物油クリーム「ホイップクリームBL-28」に乳脂を加えたコンパウンド化の検討を開始しました。その他、新製品開発に向けてバター不足に合わせた高乳脂配合のポンドマーガリン、シートマーガリンの開発を急ぎ、工場試作を目指して検討を進めました。
製品開発部では、既存製品の更なる低トランス化を進めました。その他、プレゼンテーションも好評に終わり、ユーザーでの生産ライン対応とより多くの採用に向けた対応を進めました。さらに個別ユーザーごとの対応および提案活動に向けたスケジュールの作成等を進めました。
当セグメントに係る研究開発費は9億8百万円であります。
油化事業では、紙パルプ用薬剤・香粧品基剤などの各種界面活性剤のほか、工業用エステル基剤や重金属処理剤などの環境関連製品の開発を進めるとともに、新規事業創出に向けた研究開発を推進しております。
界面活性剤分野では、家庭紙用薬剤「ソフティーナ」、製紙工程薬品「ペレミン」の高性能化検討を進め、市場で引き続き高い評価を獲得しました。その他、香粧品基剤「アンホレックス」「Mファインオイル」の改良並びにソフト開発を進めるとともに、潤滑油基剤を始めとする工業用エステルの開発に注力しました。
環境関連薬剤分野では、廃水処理剤「エポラス」「エポフロック」、飛灰処理剤「エポルバ」、土壌処理剤「エポアース」に加え、植物由来樹脂エマルジョン「ランディ」の高機能化を完了し、市場開拓を進めました。さらに、新規事業の創出に向けた機能性界面活性剤や金属ナノ粒子・イオン液体の応用研究に取り組み、その成果を学会発表や特許出願で市場に発信し、対応を進めました。
当セグメントに係る研究開発費は5億8千4百万円であります。