有価証券報告書-第112期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/25 9:19
【資料】
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【項目】
180項目
②戦略
当社グループでは、気候変動が事業経営にどのような影響を与えるのかを検討し対応を経営戦略へと反映させることを目的として、シナリオ分析を通じた気候変動による影響評価を実施しています。現在実施済みのシナリオ分析では当社の化学品事業セクターを対象とし、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の公表する複数のシナリオを参考に2030年時点での影響についてリスクと機会を定量・定性の両面で評価しています。
なお、分析にあたって設定したシナリオは以下のように定義しています。
4℃シナリオ1.5℃シナリオ
産業革命期と比較して21世紀末頃に世界平均気温が4℃上昇するシナリオ。経済成長を優先課題とし、気候変動政策は2021年時点で施行されている規制以上に強化されない。産業革命期と比較して21世紀末頃の世界平均気温の上昇幅が1.5℃に抑制されるシナリオ。カーボンニュートラルの実現に向けて、積極的な環境政策が推進される。
参 IPCC:RCP8.5
考 IEA WEO2021:STEPS
参 IPCC:RCP2.6
考 IEA WEO2021:APS SDS NZE2050

(主なリスクと機会)
区分要因と事象評価現在の取り組み状況
影響種別4℃
シナリオ
1.5℃
シナリオ
脱炭素化社会への移行による影響カーボン
プライシング
炭素税の導入をはじめとする事業運営コストの増加リスク・CO2排出量削減目標の設定
・再生可能エネルギー由来電力への切り替え
・ボイラー更新による環境負荷低減
エネルギー
コストの変化
再生可能エネルギー由来発電への切り替え等による購買電力価格の高騰リスク・太陽光発電設備の設置導入
低炭素技術の
進展
低炭素技術の開発及び脱炭素化を見据えたDX化の推進に伴う関連製品の需要拡大(フッ素化学品、水系ウレタン樹脂、ほか)機会・先端情報技術分野における技術応用及び事業推進
顧客行動
変化
サプライチェーン全体での脱炭素化ニーズ拡大による環境負荷低減ニーズの拡大機会・環境系第三者認証の取得
・環境対応型製品開発に向けた技術投資
・Smart Dyeing Processの提案
地球温暖化に伴う物理的影響異常気象の発生自社拠点及び物流網の被災による被害規模の拡大リスク・BCPの定期的見直し
・拠点別防災訓練・教育の実施
原材料価格への影響原油価格高騰による石油由来原材料の需要変化、パーム油などの農作物系原材料の収穫不良に伴う価格高騰リスク・RSPO対応パーム油の使用推進
・自然由来原料、天然系素材、バイオ系原料を用いた製品開発
平均気温の上昇年間を通じた気温上昇をはじめとした適応ニーズの拡大(冬物衣服需要の低下による化学繊維需要の縮小)リスク/機会・環境衛生、高機能加工ニーズに対応した技術・製品開発

評価指標
大:将来の営業利益予想に対して、±3%以上の影響を試算した項目
中:将来の営業利益予想に対して、±3%未満の影響を試算した項目
小:試算した影響額が極小、もしくは影響が無いと思われる項目
※定量評価が困難な影響は定性的な考察を踏まえて評価し、当該項目はグレー塗りで示しています。
経済成長を優先課題とし、気候変動政策が推進されない4℃シナリオでは、異常気象災害の激甚化と頻発化による重大な物理的被害が予想され、洪水や高潮による各営業所や工場への直接的被害や営業停止による損失が拡大することを試算しています。一方で当社は拠点の分散化を図っており(国内:12拠点、海外:18拠点※2025年12月現在)、激甚的な気象災害の発災時にも事業継続に支障を及ぼすことの無いようリスクの分散化にも注力し、リスク低減を図っています。また社会への影響として災害発生時の避難生活時における健康被害が予測される中、当社は抗菌・防臭・抗ウイルス技術及び消毒剤等の衛生商品を開発しており、これらの取り組みが当該シナリオにおける社会貢献に繋がるものと評価しています。
低炭素社会の実現に向けて積極的な環境政策が推進される1.5℃シナリオでは、脱炭素化に伴う法規制の導入や社会の意識変革による影響が顕著となると想定しています。支出の側面では、炭素税や排出権取引制度の拡大が操業コストを増加させるだけでなく、国内外における拠点の国の政策状況や地域特性に応じた対応も迫られることが考えられるほか、エネルギー政策によるエネルギー需給の変容により、各国拠点共に購買電力の価格高騰も予想されます。収益面では社会の環境意識の高まりによる環境配慮型資材の使用に対する要請や服飾製品の循環利用及び長時間利用による販売数量の減少も懸念されますが、当社の「EHD(Environment:環境・Health:健康/衛生・ Digital:デジタル、先端材料)」への貢献を開発コンセプトに掲げた製品開発の推進は、そうした社会からの要請の強まりを見据えた取り組みであり、今後想定される脱炭素化を見据えた需要にも応え得る取り組みとして、事業機会となる可能性を認識しています。
当社グループでは想定したシナリオが双方ともに現実となる可能性を踏まえ、物理的被害の拡大にあたってはBCP対策、脱炭素化への移行へ向けては「EHD」を軸足とする事業構造の転換の推進などを進め、気候変動に対してもレジリエントな経営の実現を目指して取り組んでまいります。またカーボンニュートラルの達成に向けては、既に当社では自社の環境負荷低減に向けてCO2削減努力の推進や繊維加工におけるサプライチェーン全体での環境負荷低減も見据えたSmart Dyeing Processの提案など、事業活動全体を通して脱炭素化の推進に注力しておりますが、これらの取り組みもこの分析を踏まえ特定したリスクの低減や緩和、企業価値向上や成長機会に繋がるものと考え、さらにその取り組みを推進しているところであります。
今後は当社の化粧品事業セクターにも考察範囲を広げ分析を深化させると共に、環境や社会の変化に積極的に対応し、ケミカルグリーンコンセプト「全員参加で自ら築くやさしい環境」を実践しながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。なお、現在実施中の個別具体的な取り組みについては、当社の環境・社会活動報告書にて報告しております。

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