有価証券報告書-第188期(2025/01/01-2025/12/31)
②戦略
(基本方針、基本戦略)
当企業グループは、世界的な気候変動及び各国や地域行政が講じる政策・施策は、市場環境や原材料調達、消費者の選好性を大きく左右し、事業の継続や業績に強く影響すると認識しております。これに関して「気候変動対応に関する方針」を掲げるとともに、こうしたリスク/機会を分析し、経営計画や事業計画に反映させております。
(シナリオ分析)
当企業グループでは、平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するためにさまざまな施策が行われる世界を想定した1.5℃シナリオと、既存の政策・制度の運用に留まり気候変動が進行しリスクが顕在化していく世界を想定した4℃シナリオを参照しリスク分析を行いました。
そこで特定したリスク4項目と機会2項目について、分析の対象期間としている2030年度までにおける財務影響度と発現可能性を3段階で定性的に示しております。
また、定量分析として、日本国内及び海外の事業展開地域における炭素税の導入による影響額、水リスクの高い地域での洪水・浸水発生時の損害額、及び、サステナビリティ貢献製品の「環境価値」製品群の使用によるCO2排出の削減効果を試算し開示しております。これらの定量分析結果の詳細については、2024年6月発行の統合レポート2024(70~71ページ)をご参照ください。
(基本方針、基本戦略)
当企業グループは、世界的な気候変動及び各国や地域行政が講じる政策・施策は、市場環境や原材料調達、消費者の選好性を大きく左右し、事業の継続や業績に強く影響すると認識しております。これに関して「気候変動対応に関する方針」を掲げるとともに、こうしたリスク/機会を分析し、経営計画や事業計画に反映させております。
| 気候変動対応に関する方針 artienceグループ(以下、「当社グループ」という)は、世界的なGHG(温室効果ガス)排出増大に起因する地球温暖化がもたらす気候変動は、グローバル社会が直面する最重要の社会課題の一つであり、気候変動への対応は当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼしうる重要な経営課題であると認識しています。この認識に基づき、当社グループは、気候変動に関するグローバルな要請に積極的に対応し、気候変動対応活動を通じて、社会の持続可能性向上への貢献に努めます。 1. 気候変動対応推進体制の構築 当社グループは、当社グループの全社の気候変動対応活動を統括する、経営直轄の推進体制を構築し、グループとしての気候変動対応施策の推進に取り組むとともに、経営戦略や事業戦略への気候変動対応の導入を推進します。 2. GHG排出量の把握と削減 当社グループは、2050年でのカーボンニュートラル達成を目標に掲げ、グループ全体の事業活動におけるGHG排出量の把握と削減に努めます。特にGHG排出量削減については、サプライチェーンも含めた実効的な削減施策を推進します。 3. 気候変動対応に貢献する製品・サービスの提供 当社グループは、製造時のCO2排出量が少ないだけでなく、使用時のCO2排出を抑制したり、気温上昇した環境への適応を支援したりするなど、お客様や生活者の気候変動対応活動に貢献する製品・サービスを開発、提供することで、社会に「環境価値」を提供します。 4. 気候変動リスクへの対応と事業・拠点の強靭化 当社グループは、グループの事業活動や操業拠点における気候変動が及ぼすリスクを評価し、継続的なモニタリングとリスク低減・回避に向けた適切な対応策を講じることで、事業や拠点のレジリエンス向上に努めます。 5. 気候変動対応活動に関する適切な情報開示 当社グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)をはじめ、気候変動対応に関する主要なイニシアチブに賛同・参加し、当社グループの気候変動対応活動について積極的かつ適切に情報開示します。 6. 気候変動に関する啓発と教育 当社グループは、社内において気候変動およびその対応に関する意識や知見を高め、あらゆる事業活動への気候変動対応の導入を推進するため、当社グループの役員、顧問および社員を対象とした適切な啓発・教育活動を行います。 2022年4月25日 制定 2024年1月1日 改定 |
(シナリオ分析)
当企業グループでは、平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑制するためにさまざまな施策が行われる世界を想定した1.5℃シナリオと、既存の政策・制度の運用に留まり気候変動が進行しリスクが顕在化していく世界を想定した4℃シナリオを参照しリスク分析を行いました。
そこで特定したリスク4項目と機会2項目について、分析の対象期間としている2030年度までにおける財務影響度と発現可能性を3段階で定性的に示しております。
| カテゴリー | リスク/機会 | 1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | 影響の 増大時期 | 対応策・アクション | ||
| 財務 影響度 | 発現 可能性 | 財務 影響度 | 発現 可能性 | ||||
| 移行リスク:政策と法、市場 | 原材料コスト・エネルギー価格の上昇 | 3 | 3 | 2 | 3 | 中期 | ● 処方の見直しや製品ラインナップ転換による高コスト原 材料の削減 ● サプライヤーとの契約見直しを通じた原材料の安定調達 ● 地産地消推進による輸送距離短縮を通じたエネルギー削 減 |
| 移行リスク:技術、市場、評判 | パッケージ・印刷関連需要の減少 | 3 | 3 | 2 | 2 | 短期 | ● 事業ポートフォリオの見直し ● 製品の環境性能、低排出性の向上による優位性強化 ● 製品のCFP表示による付加価値アピール ● 低炭素包装材料に対応した製品展開 |
| 移行リスク:政策と法 | 炭素価格のコストへの影響増大 | 3 | 3 | 2 | 3 | 短期 | ● 炭素税による原材料価格上昇分の製品価格への転嫁推進 ● 製品処方改革による高炭素原材料の削減・排除 ● 再生可能エネルギー由来電力への積極的な転換 ● 直接排出の削減徹底による排出権購入の回避 |
| 物理リスク:急性的 | 気象災害の激甚化に伴う事業機会の喪失 | 2 | 2 | 3 | 3 | 長期 | ● BCMによる災害対策の整備強化 ● 同業他社も含めた国内外生産補完ネットワークの構築 ● 原材料ソースや輸送手段の複数化 |
| 機会:エネルギー源、製品とサービス | 低排出製品の売上増大 | 3 | 3 | 2 | 3 | 短期 | ● 低排出原料の優先的選択と確保 ● 生産活動におけるCO2排出削減 ● LCA視点で低排出を考慮(使用時の過熱・前処理不要、易リサイクル性付与)した製品ラインナップの拡充 ● カーボンネガティブ素材の研究開発・製品化推進 |
| 機会:製品とサービス、市場 | 猛暑・感染症対策素材などの事業機会の獲得 | 2 | 3 | 3 | 3 | 長期 | ● 気候変動による生活環境悪化(暑熱)を対策する素材の 研究開発・製品化推進 ● メディカル関連素材(創薬、投薬、医療機器、感染予防 など)の研究開発・製品化推進 |
| 財務影響度:3=影響が数十億円に及ぶ 2=影響が10億円程度 1=影響が10億円を下回る 発現可能性:3=既に発現しているか、将来ほぼ確実に発現する 2=発現の可能性が比較的高い 1=発現の可能性が低い 影響増大時期:短期=1年程度(年度計画の期間) 中期=3年程度(中期経営計画の期間) 長期=10年程度(asv2050/2030の中間目標年度=2030年度までの期間) 1.5℃シナリオ:IEA World Energy Outlook: Net Zero Emission by 2050 Scenario及びIPCC:SSP1-1.9を参照 4℃シナリオ:IEA World Energy Outlook Stated Policy Scenario及びIPCC:SSP5-8.5を参照 分析対象範囲:当企業グループ全体の既存事業、及び現時点で想定している新規事業 | |||||||
また、定量分析として、日本国内及び海外の事業展開地域における炭素税の導入による影響額、水リスクの高い地域での洪水・浸水発生時の損害額、及び、サステナビリティ貢献製品の「環境価値」製品群の使用によるCO2排出の削減効果を試算し開示しております。これらの定量分析結果の詳細については、2024年6月発行の統合レポート2024(70~71ページ)をご参照ください。