有価証券報告書-第89期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 16:03
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147項目

有報資料

以下の基本方針に沿って、施策の具体化やグループ業績目標を実現していくために課題解決に取り組んでまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
百年を超える歴史を持つ当社グループは、業祖 森下博が掲げた「済世利民」の信念を受け継ぎ、1893年の創業来、人々の健康や豊かな社会の実現を目指しております。
コンシューマー事業においては、安心・安全は当然ながら、特長を持ち、「健康寿命の延伸」に貢献できる、お客さまに寄り添った製品やサービスを、グローバルに提供し続けます。
一方、ソリューション事業においては、独自の製剤技術や素材研究を活かし、パートナー企業の課題解決に貢献する「ソリューションパートナー」として、更なる技術革新による価値提供への挑戦を継続してまいります。
企業を取り巻く経営環境は厳しくなるなか、当社グループとしては上記のコンシューマー事業とソリューション事業の両事業をベースとして、「変革」を目指し、新たな分野にも積極的に事業展開を図ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、まず中長期的な成長の観点から経常利益率を重視し、さらに安定成長の観点から自己資本比率を重要な経営指標としてその維持・向上に努めております。
経営方針に沿って市場ニーズを的確に把握し、高付加価値の新製品開発やコスト低減に努めるとともに、営業力強化等により収益力を高め、結果としてこれら経営指標の達成と、持続的な成長を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、社是および創業130周年を機に策定したパーパス「思いやりの心で、オモロい技術と製品で、一人に寄り添い、この星すべてに想いを巡らせ、次の健やかさと豊かさを、丹念に紡いでゆく」のもと、モノづくりの原点である「仁丹」から発展した「球体技術」や「素材研究」を基盤に、ステークホルダーの皆様にご支持いただける製品・サービスの提供、また、シームレスカプセル受託事業及び機能性原料の販売を展開しております。これらの事業を通じて、健やかで豊かな社会の実現に貢献するとともに、安定的かつ強固な収益基盤の構築を目指しております。
なかでもコンシューマー事業は、社会課題に対応した製品の提供を通じて、当社グループの企業ブランド価値を高めるうえで、重要な事業領域と位置づけております。同事業で培った技術や知見は、ソリューション事業におけるシームレスカプセル受託や原料販売において差別化の要素として活用されており、両事業の間で相互にシナジーを創出しています。
今後も、コンシューマー事業とソリューション事業を両輪としてバランスよく成長させることにより、社会課題の解決に寄与しながら、当社グループの企業価値と存在感のさらなる向上を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業の持続的成長に向けた取り組み
当社グループの中長期的な企業価値向上に向け、2026年度を基盤強化と収益構造の再構築のための期間と位置づけております。
研究開発面では、2026年1月、大阪・中之島の未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross」内に新たな拠点「Jintan 中之島ラボ」を開設いたしました。本拠点へ研究開発機能を集約することにより、エビデンス(科学的根拠)構築の精度とスピードを向上させ、競争優位性の高い製品開発へ繋げていく考えです。
生産体制におきましては、大阪テクノセンターにおけるシームレスカプセルの新製造ライン増設や、グループ会社MJ滋賀での油脂性液剤製造機能の拡充を推進しております。こうした生産能力の増強は、ソリューション事業の受託能力向上のみならず、コンシューマー事業を含むグループ全体の製品供給力と競争力を底上げするために重要な投資と捉えております。
これらの基盤強化を通じ、各事業において以下の施策を展開いたします。
コンシューマー事業においては、「おなかの健康」と「おくちの健康」を重点領域に据え、「腸テク」シリーズの市場浸透や、主力製品「ビフィーナ」のグローバル展開に注力してまいります。当社の強みであるカプセル製剤技術を活用した製品をグローバルに展開することは、世界の人々の健康に貢献できるとともに、そこで培われた市場からの信頼が、ソリューション事業の営業活動における信頼性をさらに高めるという相乗効果を生み出します。現在、当事業は収益面での課題を抱えておりますが、事業基盤の再構築期間として構造改革を着実に進め、持続可能な成長軌道への転換を図ります。
一方、ソリューション事業では、拡充した生産体制を背景に受託製造のさらなる拡大を目指します。大阪テクノセンターの新製造ラインは、小ロット受託への柔軟な対応を可能にするだけでなく、量産化に向けたテストラインとしての役割も担っております。製剤開発から実生産への円滑な移行を支援し、受託ビジネスにおける提案力を強化することで、事業成長を加速させていく方針です。また、機能性原料の販売においては、新規顧客の開拓とともに、エビデンスの強化を目的とした研究開発に継続して取り組んでまいります。
なお、中東情勢をはじめとする地政学リスクの長期化が景気や消費者心理に及ぼす影響など、先行きは依然として不透明な状況にあります。今後の動向を慎重に注視しつつ、外部環境の変化に柔軟に対応し、着実な事業運営を推進してまいります。
② 森下“仁財”の活躍推進
当社は、事業課題の解決に向けた基盤として、従業員のスキルアップ、モチベーション及びエンゲージメントの向上が重要であると認識しております。こうした考えに基づき、2025年度は、若手従業員に対して部門横断的なコミュニケーションの活性化を目的としたプログラムを実施しました。また、シニア層から開始したキャリア研修を段階的に30代まで拡大することで、リスキリング支援を通じた活躍機会の創出に取り組んでおります。
当社は今後も、年齢にかかわらず多様な人材が能力を発揮できる職場環境の構築を進めてまいります。
③ 持続可能な成長に向けた環境配慮の取り組み
当社は、「地球環境への配慮」を企業の基本的責務と認識し、持続可能な成長に向けたマテリアリティの一つに位置付け、2025年度には「森下仁丹グループ環境方針」を改めて策定し、重点的に取り組んでおります。
環境マネジメントの一環として、2001年に滋賀工場及び大阪テクノセンターにおいて環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」を取得し、現在も認証を継続しております。
また、節水に関する環境目標の設定と遵守による水資源の保全や、CO₂排出量の削減にも取り組んでおります。CO₂排出量の削減については、2030年度までに2013年度比で46%の削減を目標に、排熱回収ヒートポンプの設備などの導入や再生可能エネルギーへの置き換えなどを段階的に推進しております。今後も省エネルギー施策の継続による脱炭素の取り組みを強化してまいります。
④ 製品の品質向上に関する取り組みについて
当社は、製品の品質保証に対する社会的要請の高まりを受け、安全・安心な製品を安定的に供給する責任を一層重く認識しております。この責任を果たすべく、当社では、グループ共通の指針となる「森下仁丹グループ品質方針」を策定し、品質に対する当社の基本姿勢を明文化いたしました。本方針のもと、製品の開発から製造、販売に至るすべての工程において、信頼性保証部が適切な牽制機能を果たし、関連法令やガイドラインに準拠した管理体制の徹底を図っております。
また、製造拠点における取り組みとして、MJ滋賀では2025年1月に「健康食品GMP」認証を取得いたしました。すでに同認証を取得している大阪テクノセンター、及びNSF認証を取得している滋賀工場とあわせ、グループの製造拠点全体における品質・衛生管理体制の強化を推進しております。
今後も、お客様に信頼いただける安全・安心な製品の供給に注力するとともに、常に高い品質を確保できる仕組みづくりを継続し、品質管理体制のさらなる強化に取り組んでまいります。

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