有価証券報告書-第87期(2024/04/01-2025/03/31)
(2)戦略
当社グループでは、気候変動が経済や社会にもたらす影響を重要な経営課題と捉え、TCFD提言のフレームワークに基づき、気候変動がもたらす「リスク」と「機会」を幅広く検討し、特に重要であると考えられるリスクと機会を特定しています。また、それぞれのリスクと機会が当社グループに与える財務影響を、気候変動への対応や規制が進むことが想定される2℃未満シナリオと、災害の甚大化や感染症の拡大がより深刻となる4℃シナリオに分けてシナリオ分析を実施しました。検討に必要な情報の取得にあたってはIEA(International Energy Agency)WEO 2022 Net Zero by 2050 やIEA ETP2020等を参照しました。
各シナリオ下における事業環境の認識と、それらが及ぼす事業影響の概要は以下のとおりです。
気候変動による当社グループへの影響
※想定時期の定義 短期:3年未満 中期:3年以上、10年未満 長期:10年以上
※財務影響の定義 小:1億円未満 中:1億円以上、25億円未満 大:25億円以上
当社グループでは、気候変動が経済や社会にもたらす影響を重要な経営課題と捉え、TCFD提言のフレームワークに基づき、気候変動がもたらす「リスク」と「機会」を幅広く検討し、特に重要であると考えられるリスクと機会を特定しています。また、それぞれのリスクと機会が当社グループに与える財務影響を、気候変動への対応や規制が進むことが想定される2℃未満シナリオと、災害の甚大化や感染症の拡大がより深刻となる4℃シナリオに分けてシナリオ分析を実施しました。検討に必要な情報の取得にあたってはIEA(International Energy Agency)WEO 2022 Net Zero by 2050 やIEA ETP2020等を参照しました。
各シナリオ下における事業環境の認識と、それらが及ぼす事業影響の概要は以下のとおりです。
| 2℃未満シナリオ | 4℃シナリオ |
| <認識>気温の上昇に歯止めをかけるために気候変動への対応や規制が進み、社会全体が低炭素社会へ向かうことで、主に移行リスクが顕在化する以下の事業環境を認識しています。 | <認識>積極的な気候変動への対応がとられず、感染症の拡大や自然災害の激甚化などの物理リスクによる影響がより深刻となる以下の事業環境を認識しています。 |
| <社会像>世界中で気候変動への対応が積極的に行われ、温室効果ガスの排出量規制や炭素税の導入といった政策が進む。各企業はその対応コストやサプライヤーからの価格転嫁に対するコスト負担を余儀なくされる。 | <社会像>気候変動に関する規制や政策の実効性が弱く、環境への規制は事業に対して大きな効果を及ぼすには至らない。その一方で気温の上昇に歯止めがきかず、大規模な自然災害が頻発し被害の甚大化が想定される。 |
| <当社グループにおける事業環境の変化>再生可能エネルギーへの転換や脱炭素技術の革新が進められることで顧客意識の変化が生じ、低炭素社会へ貢献できる商品やサービスに対する需要が増加する。特に欧州におけるプラスチック規制に代表される通り、脱プラスチック及びプラスチック資源循環の促進が見込まれ、当社グループ製品には多くのプラスチックが使用されていることから、対応が必要となる。 | <当社グループにおける事業環境の変化>災害による直接的な被害だけでなく、気温の上昇に伴う感染症の拡大や疾患動向の変化も想定され、検査薬を開発・提供している当社グループの社会的責任がより一層拡大する。 |
気候変動による当社グループへの影響
| リスクと 機会 | タイプ | 影響要因 | 当社グループへの主な影響 | 想定 時期 | 財務影響 | 検討策 | |||
| 2℃ 未満 | 4℃ | ||||||||
| リ ス ク | 移 行 リ ス ク | 規 制 | 炭素税と排出量取引制度 | 炭素税や排出量取引制度の導入等による追加費用負担 | 中期 | 中 | - | ・省エネルギー活動の推進(省エネ機器の導入、LED化推進、DXの推進等) ・再生可能エネルギー(水力・太陽光発電の活用等)の導入拡大 ・継続的なScope1,2の監視と削減取組 | |
| プラスチックに対する環境規制 | プラスチック等の梱包材・製品等の一部の製品が環境規制の影響を受け、販売できなくなることによる売上減少 | 短-中期 | 中 | - | ・環境規制に対する継続的な動向調査と対策・市場・業界動向を踏まえた製品開発 | ||||
| 技 術 | 新技術への投資失敗 | プラスチック関連製品を中心とした環境負荷の低い製品の技術開発遅れによる販売機会の損失 | 中-長期 | 中 | - | ・製品に対する環境影響評価の実施・環境負荷低減に向けた製品開発・設備投資の促進 | |||
| 市 場 | 調達コスト増加 | 炭素税価格の転嫁による原材料や輸送コストの増加による利益の圧迫 | 中期 | 中 | - | ・原材料調達先、輸送ルートの最適化 | |||
| 評 判 | ステークホルダーからの評価低下 | 環境への取組が不十分な場合、株主、投資家などからの信用失墜から株価下落、企業価値低下 | 中期 | 小 | - | ・サステナビリティ経営の推進による積極的な情報開示 | |||
| 物 理 リ ス ク | 急 性 | 異常気象の重大性と頻度の上昇 | 工場・物流施設への浸水や洪水被害によるサプライチェーンの寸断による販売機会の損失 | 長期 | 中 | 大 | ・事業所およびサプライヤーの防災対策の強化 ・事業継続計画の策定・継続的改善 | ||
| 慢 性 | 平均気温上昇 | 感染症の拡大に伴う自社・サプライヤーの生産拠点の稼働率低下や部品供給の寸断による販売機会の損失 | 長期 | 小 | 小 | ||||
| 機 会 | 製 品 ・ サ - ビ ス | 低排出量商品およびサービスの開発・提供 | 持続可能性が高い製品に対するニーズが高まり、製造過程におけるCO2排出量が小さい製品や省電力につながるサービスを開発・提供することによる販売機会の増加 | 中-長期 | 中 | - | ・製品に対する環境影響評価の実施 ・持続可能性を踏まえた製品開発・設備投資の促進 | ||
| 製品ライフサイクルにおけるCO2排出量の少ない装置の供給による販売機会の増加 | 中-長期 | 中 | - | ・製品に対する環境影響評価の実施・環境配慮型製品の開発(梱包・製品設計の改善) | |||||
| 気候適応、強靱性に対するソリューション開発 | 気候変動に伴う新たな感染症拡大を始めとする、疾患動向の変化に早期対応することによる売上増加および社会への貢献 | 長期 | 中 | 中 | ・感染症動向の継続的なモニタリングと検査薬の開発・提供 | ||||
| R&D及び技術革新を通じた新製品開発 | 外気温に左右されない製品の開発を行い、品質優位性による販売機会の増加 | 中-長期 | 中 | 中 | ・製品に対する環境影響評価の実施・保存に対する環境負荷を低減した製品の開発 | ||||
| 再生可能電力で稼働可能な製品の提供による販売機会の増加 | 短-中期 | 中 | 中 | ・ポータブルソーラーパネル等で稼働可能な製品の提供 | |||||
| 市 場 | 気候変動リスクへの対応 | 気候変動への積極的な取組を進めることで投資家からのESG関連評価向上に伴う企業価値の向上 | 中期 | 中 | - | ・サステナビリティ経営の推進による積極的な情報開示 | |||
※想定時期の定義 短期:3年未満 中期:3年以上、10年未満 長期:10年以上
※財務影響の定義 小:1億円未満 中:1億円以上、25億円未満 大:25億円以上