有価証券報告書-第70期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 12:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
173項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、
「私達は 人々の健康に貢献します」
「私達は こころの笑顔を大切にします」
を理念に掲げております。そして、企業活動を通じて理念を実現するために、私達の誓い「T-SMILE」を掲げております。
私達の誓い「T-SMILE」
・Truthful:
誠実で、正直であり続けます。公正な心を持って適正を貫き、人々から喜ばれ、信頼される存在になります。
・Speed:
意思決定、実行、情報共有などを迅速に行います。先見性を持って、変化に俊敏に対応します。
・Mission:
世界中で地域社会の人々の健康に役立つという強い使命感と、その実現への情熱を持ち続けます。
・Idea:
発想力と想像力を駆使して、前例にとらわれない変革にチャレンジします。常に能動的に行動します。
・Linkage:
人や情報と幅広く結びつき、協力します。認め合える相手と切磋琢磨し、お互いを高めます。
・Excellence:
最善の品質を求め、サイエンスを大切にしながら、時代にあった最適の技術でそれをかなえます。
当社は、優れた製品とサービスを創造することによって、人々の健康に貢献します。そして私達の企業活動を通して、患者さん、医療関係者の皆様、地域社会をはじめとするすべての方々にこころから喜ばれ、求められる企業を目指していきます。ジェネリック医薬品事業をコア事業として、新たな健康関連事業へ展開していきます。
(2) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国内ジェネリック医薬品業界では、2024年3月の社会保障審議会医療保険部会において、「医薬品の安定的な供給を基本としつつ、後発医薬品の数量シェアを2029年度末までにすべての都道府県で80%以上」とする主目標とともに、新たに「後発医薬品の金額シェアを2029年度末までに65%以上」とするという副次目標が掲げられました。さらに、2024年10月からは後発医薬品のある先発医薬品の一部において追加で自己負担が発生する「長期収載品の選定療養」の導入が開始されました。その結果、2025年10-12月期の後発医薬品の数量シェアは90.0%(日本ジェネリック製薬協会調べ)となりました。
一方、2021年度以降は薬価改定が毎年行われており、医薬品業界にとって極めて厳しい状況となっております。さらに、2020年に発覚した複数のジェネリック医薬品企業における品質問題を起因とした一連の供給不安によりジェネリック医薬品に対する信頼感は低下し、ジェネリック医薬品業界の置かれた環境は厳しさを増しております。
このような状況の中、2024年5月に厚生労働省から公表された「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 報告書」において、「5年程度の集中改革期間を設定して、製造管理・品質管理体制の確保および安定供給能力の確保、持続可能な産業構造の実現を目指す」ことが示されました。また、2025年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針2025)」では、「少量多品目構造解消に向けた後発医薬品業界の再編を推進する」という記載がなされました。
これらの方針を踏まえ、2026年度薬価改定では、企業の安定供給体制を評価する企業指標において各企業の評価が公表されることに加え、要件を満たした品目は価格帯集約を行わないことになりました。また、乖離率の要件を満たした品目は昨年に引き続き最低薬価の引き上げが行われたほか、医療上の必要性が特に高い品目に対する不採算品再算定も実施されました。さらに、後発品の適切な競争環境の形成・維持のため、オーソライズド・ジェネリック(AG)は2026年10月以降の新規収載時に先発品と同額の薬価になることが決まりました。一方、薬剤の自己負担制度について、長期収載品の選定療養における自己負担額が薬価差4分の1から2分の1に引き上がることになったほか、新たにOTC類似薬の一部において薬剤費の4分の1が保険外負担になることが決まりました。
以上のような状況の中、当社グループは、品質向上を最優先課題と位置付け、グループ役員及び社員が一丸となって、どの時代においても、どの地域においても、その地域に居住する人々に必要とされる企業であり続けることを目指しております。また、これまでに蓄積した知見や技術に加え、新技術の導入及び最新知見との融合を推進することで、技術革新と製品価値の向上を図り、人々の健康に貢献してまいります。
当社グループは2024年6月に、第6期中期経営計画2024-2026「PROACTIVE Ⅲ」を策定しました。この中期経営計画においては、以下の3つのグループ基本方針に基づき、各種施策を推進しております。
方針1. 国内ジェネリック医薬品事業の新たなステージに向けた進化
国内ジェネリック医薬品市場においては、複数企業における品質問題を背景に、医薬品全体で供給不安が続いております。このような市場環境の中、当社は「ジェネリック医薬品の供給は、人々の健康を支える社会基盤である」との認識のもと、以下の取り組みを実施しております。
1. 安定供給体制の整備
当社は、安定供給責任を果たすため、さらなる生産能力の増強に取り組んでおります。2025年10月に、新設した山形工場第三固形製剤棟に導入した全ての設備の立上げが完了し、本格稼働を開始いたしました。これにより、自社工場の年間生産能力は175億錠体制となりました。また、近年の労働力不足に対応するため、設備の自動化及び省人化を推進し、持続可能な供給体制構築にも取り組んでおります。2026年4月には、アドラゴスファーマ川越株式会社との間で、2033年までに約15億錠規模の医薬品製造委受託提携に関する基本合意を締結し、また、株式会社三和化学研究所との間では、2028年度を目途に約7億錠規模のバックアップ生産体制の構築を目的とした協業に合意しました。これらは供給体制のさらなる強化を目的とした戦略的協業であり、今後も自社工場の能力増強とともに、企業間連携を通じた安定供給体制の整備を進めてまいります。
2. サプライチェーンマネジメントの高度化
2025年2月に医薬品供給プロセスの効率化に向けた取り組みを開始しております。この取り組みにより、製造・販売・在庫の状況、製造設備の稼動状況など、供給に関わる判断に必要な情報を可視化することで、供給に関する意思決定の迅速化及び省人化を実現し、安定供給の強化を図ります。
3. 信頼性保証の維持と強化
信頼性保証の強化の取り組みとして、2024年1月から既存のMES(製造実行管理システム)やLIMS(試験情報管理システム)に加えて、品質マネジメントシステム(以下「MCシステム」という。)を採用しました。2025年2月からは、MCシステムの「品質イベント管理」及び「文書管理」を開発段階まで拡大運用することで、製造管理・品質管理のさらなる向上を図っています。
4. 持続可能な産業構造への対応
当社は、政府の「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」報告書を踏まえ、国内医薬品供給体制に係る課題解決に向けた方針「東和ビジョン」を策定しました。本ビジョンは、ジェネリック医薬品メーカーのみならず、先発医薬品メーカーや医薬品受託製造(CMO)事業者等と連携・協業することで、先発医薬品の特許満了を契機とした「特許満了医薬品」(特許が満了した先発医薬品及び同成分のジェネリック医薬品)を一つの統合市場として捉え、将来にわたり治療上必要とされる医薬品を安定的かつ持続的に供給するエコシステムを構築することを目的としています。これにより、当社は医薬品供給の安定化と業界全体の健全な循環モデルの実現に寄与してまいります。
また、2026年1月には大塚製薬株式会社との間で、医薬品製造に関する協業体制構築についての基本合意を締結したことを公表しました。本協業は「東和ビジョン」実現に向けた第一弾であり、国内医薬品産業の持続的成長と健全な発展に寄与する重要な取り組みです。当社は本協業を「長期必須医薬品の安定供給エコシステム構想」の実現に向けた重要な一歩と位置づけ、今後も同趣旨に賛同いただける企業との連携を推進し、社会的要請に応えるべく取り組みを継続してまいります。
5. 製品ポートフォリオの拡充
当社は、継続的な研究開発を通じて、製品ポートフォリオの戦略的な拡充を図り、競争力の維持・強化に努めております。2025年度には新たに7成分14品目(リバルエン®LAパッチを含む。)を上市し、自社製品数は合計316成分742品目となりました。これからも市場カバレッジの拡大と収益基盤の強化を進め、安定的かつ持続的な中長期の企業価値向上に取り組んでまいります。
方針2. 新規市場・新規事業の基盤確立とグループシナジーの実現
1. 海外医薬品事業における基盤整備
海外医薬品事業においては、「世界中の人々の健康に貢献する」というミッションのもと、Towa Pharma International Holdings, S.L. (以下「Towa INT」という。)を中心に、日米欧3極体制を構築しております。第7期中期経営計画以降には、55か国以上への市場拡大を目指し、欧州及び米国市場での新製品投入を通じて収益基盤の強化を図ります。
2. ニトロソアミン類混入リスクへの対応
世界各国で、医薬品中にニトロソアミン類が検出され、製品回収に至る事例が頻発しており、その原因究明と対策が急務とされています。当社は、原薬及び製剤製造工程における空気中の窒素酸化物(NOx)がニトロソアミンの生成・混入の一因であることを、2023年末に世界で初めて発表しました。また、一連の研究の成果として、NOxを極限まで低減させた環境下でアトモキセチン錠を製造し、許容限度値を下回る製剤の製造に、世界で初めて成功いたしました。本研究の成果は、原薬・製剤及び製造環境における管理体制の改善に資するものであり、医薬品中へのニトロソアミン混入抑止に向けた実効的な対策の一助となることが期待されます。今後も、これらの取り組みを通じて、安全で安心な医薬品の提供を目指してまいります。
3. 健康関連事業の推進
健康関連事業では、健康長寿社会の実現を見据えた医療・介護体制の構築や、未病ケア及び予防活動へのシフトを推進しております。
・「ヘルスケアパスポートplus」の提供開始(2026年7月以降~)
2040年を見据えた地域包括ケアシステムの深化へのさらなる貢献を目指し、TIS株式会社のクラウド型健康・医療情報双方向連携サービス「ヘルスケアパスポートplus」を、2026年7月以降に順次提供することを公表しました。この「ヘルスケアパスポートplus」を、地域住民の健康を支える、かかりつけ医が日常診療の中で、無理なく活用できるPHR基盤サービスとして展開していきます。当社は、地域の多様な関係者と協働しながら、健康寿命の延伸と持続可能な地域医療に貢献していきます。
・三生医薬株式会社との連携強化
三生医薬株式会社(以下「三生医薬」という。)の健康食品CDMO(受託開発製造)事業における高い製剤技術力と、当社の製剤技術を融合することで、研究開発の促進及び新たなイノベーション創出を目指しております。
・新医薬品「リバルエン®LA パッチ」の発売
2025年5月に、日本初の持続放出性アルツハイマー型認知症治療用貼付剤「リバルエン®LAパッチ25.92mg/51.84mg」が薬価収載され発売しました。この製品は、従来の毎日投薬に比べて服薬頻度を週2回に低減することで、患者及び介護者の負担軽減が期待されております。当社はこれからも、認知症ケアの質の向上及び生活の質(QOL)の向上に貢献してまいります。
方針3. 持続的成長を支えるサステナビリティ経営の強化と基盤の整備
持続的な成長により社会に貢献することを目指し、以下の取り組みを推進しています。
1.環境負荷の低減(グリーンケミストリー)
原薬製造における環境負荷を最小化するため、次世代の製法として連続フロー精密合成技術の研究開発を進めております。この技術は、自然環境への負荷を低減するだけでなく、製造現場で働く人々にも配慮した安全性の高い製剤開発を可能にします。当社は、これらの取り組みを通じて、安全で安心な製品の提供に努めてまいります。
2.ドラッグ・リポジショニング
既存薬から新たな薬効を発見し、別の治療薬として開発する「ドラッグ・リポジショニング」に取り組んでいます。
2025年6月には、当社は京都大学iPS細胞研究所(CiRA)及び三重大学大学院医学系研究科と、家族性アルツハイマー病の治療を目的に、ブロモクリプチンの第2/3相企業治験を開始いたしました。このアプローチにより、安全性が確立された既存薬を活用した、新たな製品価値の創出を目指してまいります。
3.働きがいのある職場環境の整備と人材育成
当社は、事業の持続可能性を支える人材開発の基盤構築を、経営の重要課題と位置づけています。社員一人ひとりが自身の仕事の価値や会社への貢献を実感し、働きがいを感じられる職場環境を整えるため、各種人事制度の改革を進めるとともに、人材研修センターを設立し社員のキャリア形成を支援しています。
また、経理財務領域の人材確保及び高度化・国際化を目指すため、知見を持つ外部企業と連携し、専門人材の採用・育成プログラムを強化するとともに、当社グループ会社間の会計ルールやシステムを見直して業務を集約・効率化を進めます。さらにAI(決算自動化エージェント等)を導入し、決算精度と処理スピードを向上させることで、経理財務部門が付加価値の高い経営支援業務に注力できる体制を構築します。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。