有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)特定の販売先への依存について
当社の販売先は事業の性格上、製薬会社等に限定されております。現在のところ特許期限到来によりロイヤリティ収入はなく特定の販売先への依存リスクはありませんが、今後、ライセンスアウト等により重要なロイヤリティ収入が発生した場合、特定の販売先の事業活動等の推移によって、当社の収益が影響を受ける可能性があります。
当該リスクは、今後製薬会社等と重要なライセンス契約が締結され、かつその契約が将来に亘って安定的な収益を計上するようになった後に顕在化するものと考えております。その対応策として当社はポートフォリオ型創薬を掲げ、様々な分野・パイプライン・会社に投資を行うことでリスクを低減させ安定的な収益を計上することを目標としております。
(2)今後の事業展開及びそれに伴うリスクについて
[収益構造について]
当社の収益の中心は、製薬会社との契約に基づいて受領する契約一時金、マイルストーン、研究費、及びロイヤリティ収入等であります。これらは、契約締結までに長期間を要する可能性があるほか、医薬品の販売開始後は、医薬品の販売状況等によって当社の業績に影響を与える可能性もあります。このほか、北京泰徳製薬との包括的支援契約、及び中国生物製薬(シノバイオ)との業務提携契約は期間が1年間となっており、契約更新の状況によって当社の業績に影響を与える可能性があります。
[開発中の製剤について]
当社は、コア技術であるDDS技術を有しており、開発中のパイプラインの一部はそれぞれの薬物に適したDDS技術を選択し応用したものですが、1つのDDS技術が全ての薬物・化合物に応用可能であるとは限りません。現在、様々な薬物においてこれらコア技術の応用の可否を臨床試験、並びに基礎研究によって確認しているところであります。
一方当社は、同じくコア技術であるDR技術を有しており、開発中のパイプラインの多くは既に臨床で使われている既承認薬の新しい薬効を当社が発見したものです。特許取得が難しいこと、高い薬価が取りにくいことなどがリスクですので、その対応策を検討すると共に、それを当社のノウハウにしたいと考えております。
また、当社は将来の収益を見据え探索的段階にあるパイプラインも開発を進めております。探索的研究はプロジェクトとしての開発段階には未だ至っておらず、今後の研究の発展具合によって再度プロジェクトとしての採算性・成長性を精査するため、全ての探索的研究が将来の事業プロジェクトとして本格的な開発段階に発展するかどうかについては未確定であります。
[競合について]
現在の主要パイプラインには競合品が存在します。また、将来競業他社の新薬開発等により当社が開発方針の変更・中止等を行う可能性があります。
当社では、これら収益構造、開発中の製剤、競合品については、当該リスクが顕在化する可能性は通年を通してあると認識しております。当社は、当該リスクの低減を図るため、常に競合に関する情報収集を行うこと、複数のパイプラインを同時並行で開発すること、他社とリスクシェアを行うこと、大手製薬企業の受託研究を行うこと、コンサル業務を受注すること、中国事業により収益を獲得すること、常に市況の動向を捉え特許性や採算性を検討すること等を行っており、限られた経営資源をその局面に応じた最適な分野へ投資することを心掛けております。
(3)受取配当金について
当社の提携企業である北京泰徳製薬は、1995年5月に当社の前身である株式会社エルティーティー研究所30%、中国の政府系病院である中日友好医院70%の出資により設立された合弁会社です。その後、同社が新工場の建設資金として2004年10月に行った第三者割当増資、及び2010年3月に実施した当社持分の一部譲渡により、現在の当社の持分比率は11.52%となっております。
また、同社は株式会社エルティーティー研究所を中心とした日本側の技術協力によって、1998年より中国国内において「リポPGE1製剤」の製造及び販売を開始しました。リポPGE1製剤やリポNSAID製剤の販売が好調に推移したことで業績は順調に推移しておりました。その後、中国における薬価の引き下げ政策や新型コロナウイルス蔓延等により厳しい状況にありましたが、当社の支援もありここ数年は増収・増益を維持しています。当社は同社の利益から持分比率に見合った配当金を受取っておりますが、中国国内における政治・社会情勢の変化による医薬品市場全体の変化、保険制度の変化、同社の新たな医薬品の事業化が予定どおり進展しなかった場合の収益減少、設備投資等の投資活動、同社の配当政策の変更等により受取配当金が減少し、当社の事業運営に大きな影響を与える可能性があります。
当該リスクに対し、当社としましては、北京泰徳製薬の業績を少しでも向上させるために協力したり北京泰徳製薬との有効関係を堅持したりすると共に、配当金に頼らない経営基盤をできる限り早く確立できるように尽力しております。
(4)知的財産権について
当社は、創薬事業において現在多くの特許を保有しておりますが、他社より当社の技術を凌駕する技術が開発されその特許が登録される可能性は否定できません。このような事態に至った場合には開発方針の変更等により、研究開発計画に影響を与える可能性があります。
また、当社は他社の知的財産権の侵害についても細心の注意を払っておりますが、当社が認識していない第三者の特許権等に抵触する可能性は完全には否定できません。反対に、当社の知的財産権が第三者に侵害される可能性もあり、裁判等の係争に至った場合は当社の事業戦略や経営に影響を及ぼす可能性があります。
他社の技術が当社の研究開発計画に影響を与えた場合、当社の将来見込まれる収益が低下することも考えられます。当社としては、当該リスクを低減するため、徹底的な特許調査、コア技術の改良への注力、及び他社に先んじた特許申請等の措置を取っております。他社の知的財産は、研究開発や治験においては特許侵害にあたらないため、ライセンスアウト後は、協業先と充分に特許性を検討してまいります。
(5)重要な契約等
現在当社の締結している重要な契約について、契約が解除又は当社にとって不利な改定がなされるなどの事態が発生した場合、当社の経営に影響を及ぼす可能性があります。例えば、北京泰徳製薬との資本・業務提携契約は、当社の経営を持続的に安定させるという観点において重要な契約です。2026年4月13日にこの契約が3年間延長されましたが、そこには、「当社から北京泰徳製薬へ派遣する副董事長は水島徹とする。水島徹が当社を退任したら、契約を破棄できる」との条項が入っています。また、同様に重要な契約である包括支援契約書(北京泰徳製薬の研究開発活動、ライセンス活動、営業活動等に対する包括的な支援を当社が行う対価として、支援費用を当社が受け取る契約、)においても、「水島徹が当社を退任したら、契約を破棄できる」との条項が入っています。中国生物製薬(シノバイオ)の資本業務提携基本契約書においても、「水島徹が当社を退任したら、契約を破棄できる」との条項が入っています。つまり、水島徹が心身の障害、死亡、解任、辞任その他の理由によって当社の事業から外れるような事態が生じた場合、当社の経営に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。
医薬品開発に係る契約については、契約締結までに相当の時間をかけ双方で内容を協議し締結に至ります。同様に契約の改定についても、双方が充分協議した上で合意するものであるため、当社の責に帰すべき理由がない限り一方的な解除の可能性は著しく低いと想定されます。また、仮に当社に不利な改定がなされても、その他複数の契約で収益を安定的に計上できるよう努めてまいります。さらに、北京泰徳製薬を始め、連携企業と親密な関係と高い信頼関係を築くことがこのようなリスクの軽減に繋がりますので、当社代表取締役が頻繁に訪問・面談するなど鋭意努力しております。
(6)薬事法等による規制について
当社の創薬事業は、医薬品の研究開発、及び販売であるため、薬事法その他関連法規やガイドライン等に変更があった場合、例えば安全性基準等の厳格化による研究開発費の増加や承認基準の厳格化による開発断念等で当社の業績に影響を与える可能性があります。また、臨床試験は、GCP(医薬品の臨床試験基準)に従って実施されるため、当該基準の変更により、研究開発の遅れや研究開発費の増加が生じる可能性があります。
当社としては、薬事法関連の変更による研究開発費の増加に耐えうる収支計画を綿密に立案するほか、研究開発計画は毎年見直しを行い、将来収支に大きな影響を及ぼさないよう事業を推進しております。
(7)製造物責任のリスクについて
医薬品の研究開発及び製造にあたっては、製造物責任賠償のリスクが内在しています。当社が開発した医薬品に健康障害等の問題を引き起こす等の不適当な点が発見された場合には、当社は製造物責任を負う可能性があります。その対策として保険加入等のリスクヘッジを行っておりますが、賠償額が保険による補償範囲を超えることや上記事態が発生した場合に当社の社会的信用が傷つく可能性があることは否定できず、このような事態に陥った場合、当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社は、充分な保険加入でリスクの低減を行うことは当然のこととして、医薬品開発時にも安全性を充分に検討し、治験や上市後においても重篤な副作用の起きにくいDR研究を積極的に進めております。
(8)臨床試験について
当社は、開発中の製剤において自ら臨床試験を実施する場合が多く、当該臨床試験において薬剤の副作用等による被験者の傷害や死亡などの事態が生じる可能性があります。
当社としても、当該リスクが顕在化する可能性は通年を通してあると認識しており、当該リスクの対応策として、重篤な副作用の起きにくいDR研究を推進すること、十分な非臨床試験により可能な限り安全性を担保すること、充分な損害保険に加入すること、及び被験者が治験に参加する際のインフォームド・コンセントを徹底すること等によって、かかる事態の発生を最小限にすべく対策を講じております。
(9)当社の組織体制について
[小規模組織であることについて]
当社は、2026年3月末現在役員10名及び社員12名の小規模な組織で事業運営を行っており、これには組織の機動力・迅速性・意思決定の早期化等のメリットがある反面、個人の果たす役割が大きくなり、各個人において業務遂行に支障をきたす事故等があった場合には、代替要員の不在などの理由によって、研究開発の進行に遅れが生じるなどの事態が発生する可能性があります。
[人材の流出について]
当社が今後発展していくためには、新薬開発や組織の管理といった各方面において、優秀な人材を確保することが重要な課題となります。当社は優秀な人材を確保育成するために努力をしておりますが、重要な人材が流出した場合、当社の事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
[研究開発体制について]
当社のビジネスモデルは産学連携で事業は提携先の大学等で実施する研究開発活動の推移に大きく依存してまいりましたが、2019年2月に創業以来初めてとなる自社研究所(湘南研究所)を開設しました。引き続き産学連携も推進してまいりますが、委託研究先の事情により研究開発の進行に影響を与える可能性は低下しております。
当社は過去の一時期、社員10名以下の組織で事業運営をしておりましたが、研究者の新規採用を継続して行い、自社ラボ(湘南研究所)を設置するなど組織体制の安定化を図ってまいりました。研究開発に関するディスカッションではメンバー全員が積極的に参加しており、組織として医薬品開発を推進する体制を今後も改善してまいります。
(10)特定人物への依存について
水島徹は当社の代表取締役会長兼社長・CEOとして経営、再上場を含む資本政策、研究開発活動、事業開発活動、経営管理活動、株主対応活動、及び北京泰徳製薬や中国生物製薬(シノバイオ)との連携の要として極めて重要な役割を果たしております。このため、同氏が心身の障害、死亡、解任、辞任その他の理由によって当社の事業から外れるような事態が生じた場合、当社の事業遂行に極めて重大な支障が生じる可能性があります。
当社は、組織の安定化を図ることを念頭に今後も若手の登用を積極的に行っていきたいと考えております。新規採用した研究者にも将来に亘って権限委譲を進め、組織としての事業活動を行ってまいります。
(11)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、医薬品開発の研究開発投資により、営業損失が継続的に発生していることから継続企業の前提に関する重要事象等が存在しております。しかし、次期の事業活動を遂行するにあたり、創薬事業での収入や北京泰徳製薬からの受取配当金等を見込んでおり、これらに加え充分な手元資金が確保されております。従いまして、次期の事業継続にあたり重要な不確実性は存在していないことから、本報告書において継続企業の前提に関する注記は、前事業年度に引き続き記載しておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)特定の販売先への依存について
当社の販売先は事業の性格上、製薬会社等に限定されております。現在のところ特許期限到来によりロイヤリティ収入はなく特定の販売先への依存リスクはありませんが、今後、ライセンスアウト等により重要なロイヤリティ収入が発生した場合、特定の販売先の事業活動等の推移によって、当社の収益が影響を受ける可能性があります。
当該リスクは、今後製薬会社等と重要なライセンス契約が締結され、かつその契約が将来に亘って安定的な収益を計上するようになった後に顕在化するものと考えております。その対応策として当社はポートフォリオ型創薬を掲げ、様々な分野・パイプライン・会社に投資を行うことでリスクを低減させ安定的な収益を計上することを目標としております。
(2)今後の事業展開及びそれに伴うリスクについて
[収益構造について]
当社の収益の中心は、製薬会社との契約に基づいて受領する契約一時金、マイルストーン、研究費、及びロイヤリティ収入等であります。これらは、契約締結までに長期間を要する可能性があるほか、医薬品の販売開始後は、医薬品の販売状況等によって当社の業績に影響を与える可能性もあります。このほか、北京泰徳製薬との包括的支援契約、及び中国生物製薬(シノバイオ)との業務提携契約は期間が1年間となっており、契約更新の状況によって当社の業績に影響を与える可能性があります。
[開発中の製剤について]
当社は、コア技術であるDDS技術を有しており、開発中のパイプラインの一部はそれぞれの薬物に適したDDS技術を選択し応用したものですが、1つのDDS技術が全ての薬物・化合物に応用可能であるとは限りません。現在、様々な薬物においてこれらコア技術の応用の可否を臨床試験、並びに基礎研究によって確認しているところであります。
一方当社は、同じくコア技術であるDR技術を有しており、開発中のパイプラインの多くは既に臨床で使われている既承認薬の新しい薬効を当社が発見したものです。特許取得が難しいこと、高い薬価が取りにくいことなどがリスクですので、その対応策を検討すると共に、それを当社のノウハウにしたいと考えております。
また、当社は将来の収益を見据え探索的段階にあるパイプラインも開発を進めております。探索的研究はプロジェクトとしての開発段階には未だ至っておらず、今後の研究の発展具合によって再度プロジェクトとしての採算性・成長性を精査するため、全ての探索的研究が将来の事業プロジェクトとして本格的な開発段階に発展するかどうかについては未確定であります。
[競合について]
現在の主要パイプラインには競合品が存在します。また、将来競業他社の新薬開発等により当社が開発方針の変更・中止等を行う可能性があります。
当社では、これら収益構造、開発中の製剤、競合品については、当該リスクが顕在化する可能性は通年を通してあると認識しております。当社は、当該リスクの低減を図るため、常に競合に関する情報収集を行うこと、複数のパイプラインを同時並行で開発すること、他社とリスクシェアを行うこと、大手製薬企業の受託研究を行うこと、コンサル業務を受注すること、中国事業により収益を獲得すること、常に市況の動向を捉え特許性や採算性を検討すること等を行っており、限られた経営資源をその局面に応じた最適な分野へ投資することを心掛けております。
(3)受取配当金について
当社の提携企業である北京泰徳製薬は、1995年5月に当社の前身である株式会社エルティーティー研究所30%、中国の政府系病院である中日友好医院70%の出資により設立された合弁会社です。その後、同社が新工場の建設資金として2004年10月に行った第三者割当増資、及び2010年3月に実施した当社持分の一部譲渡により、現在の当社の持分比率は11.52%となっております。
また、同社は株式会社エルティーティー研究所を中心とした日本側の技術協力によって、1998年より中国国内において「リポPGE1製剤」の製造及び販売を開始しました。リポPGE1製剤やリポNSAID製剤の販売が好調に推移したことで業績は順調に推移しておりました。その後、中国における薬価の引き下げ政策や新型コロナウイルス蔓延等により厳しい状況にありましたが、当社の支援もありここ数年は増収・増益を維持しています。当社は同社の利益から持分比率に見合った配当金を受取っておりますが、中国国内における政治・社会情勢の変化による医薬品市場全体の変化、保険制度の変化、同社の新たな医薬品の事業化が予定どおり進展しなかった場合の収益減少、設備投資等の投資活動、同社の配当政策の変更等により受取配当金が減少し、当社の事業運営に大きな影響を与える可能性があります。
当該リスクに対し、当社としましては、北京泰徳製薬の業績を少しでも向上させるために協力したり北京泰徳製薬との有効関係を堅持したりすると共に、配当金に頼らない経営基盤をできる限り早く確立できるように尽力しております。
(4)知的財産権について
当社は、創薬事業において現在多くの特許を保有しておりますが、他社より当社の技術を凌駕する技術が開発されその特許が登録される可能性は否定できません。このような事態に至った場合には開発方針の変更等により、研究開発計画に影響を与える可能性があります。
また、当社は他社の知的財産権の侵害についても細心の注意を払っておりますが、当社が認識していない第三者の特許権等に抵触する可能性は完全には否定できません。反対に、当社の知的財産権が第三者に侵害される可能性もあり、裁判等の係争に至った場合は当社の事業戦略や経営に影響を及ぼす可能性があります。
他社の技術が当社の研究開発計画に影響を与えた場合、当社の将来見込まれる収益が低下することも考えられます。当社としては、当該リスクを低減するため、徹底的な特許調査、コア技術の改良への注力、及び他社に先んじた特許申請等の措置を取っております。他社の知的財産は、研究開発や治験においては特許侵害にあたらないため、ライセンスアウト後は、協業先と充分に特許性を検討してまいります。
(5)重要な契約等
現在当社の締結している重要な契約について、契約が解除又は当社にとって不利な改定がなされるなどの事態が発生した場合、当社の経営に影響を及ぼす可能性があります。例えば、北京泰徳製薬との資本・業務提携契約は、当社の経営を持続的に安定させるという観点において重要な契約です。2026年4月13日にこの契約が3年間延長されましたが、そこには、「当社から北京泰徳製薬へ派遣する副董事長は水島徹とする。水島徹が当社を退任したら、契約を破棄できる」との条項が入っています。また、同様に重要な契約である包括支援契約書(北京泰徳製薬の研究開発活動、ライセンス活動、営業活動等に対する包括的な支援を当社が行う対価として、支援費用を当社が受け取る契約、)においても、「水島徹が当社を退任したら、契約を破棄できる」との条項が入っています。中国生物製薬(シノバイオ)の資本業務提携基本契約書においても、「水島徹が当社を退任したら、契約を破棄できる」との条項が入っています。つまり、水島徹が心身の障害、死亡、解任、辞任その他の理由によって当社の事業から外れるような事態が生じた場合、当社の経営に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。
医薬品開発に係る契約については、契約締結までに相当の時間をかけ双方で内容を協議し締結に至ります。同様に契約の改定についても、双方が充分協議した上で合意するものであるため、当社の責に帰すべき理由がない限り一方的な解除の可能性は著しく低いと想定されます。また、仮に当社に不利な改定がなされても、その他複数の契約で収益を安定的に計上できるよう努めてまいります。さらに、北京泰徳製薬を始め、連携企業と親密な関係と高い信頼関係を築くことがこのようなリスクの軽減に繋がりますので、当社代表取締役が頻繁に訪問・面談するなど鋭意努力しております。
(6)薬事法等による規制について
当社の創薬事業は、医薬品の研究開発、及び販売であるため、薬事法その他関連法規やガイドライン等に変更があった場合、例えば安全性基準等の厳格化による研究開発費の増加や承認基準の厳格化による開発断念等で当社の業績に影響を与える可能性があります。また、臨床試験は、GCP(医薬品の臨床試験基準)に従って実施されるため、当該基準の変更により、研究開発の遅れや研究開発費の増加が生じる可能性があります。
当社としては、薬事法関連の変更による研究開発費の増加に耐えうる収支計画を綿密に立案するほか、研究開発計画は毎年見直しを行い、将来収支に大きな影響を及ぼさないよう事業を推進しております。
(7)製造物責任のリスクについて
医薬品の研究開発及び製造にあたっては、製造物責任賠償のリスクが内在しています。当社が開発した医薬品に健康障害等の問題を引き起こす等の不適当な点が発見された場合には、当社は製造物責任を負う可能性があります。その対策として保険加入等のリスクヘッジを行っておりますが、賠償額が保険による補償範囲を超えることや上記事態が発生した場合に当社の社会的信用が傷つく可能性があることは否定できず、このような事態に陥った場合、当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社は、充分な保険加入でリスクの低減を行うことは当然のこととして、医薬品開発時にも安全性を充分に検討し、治験や上市後においても重篤な副作用の起きにくいDR研究を積極的に進めております。
(8)臨床試験について
当社は、開発中の製剤において自ら臨床試験を実施する場合が多く、当該臨床試験において薬剤の副作用等による被験者の傷害や死亡などの事態が生じる可能性があります。
当社としても、当該リスクが顕在化する可能性は通年を通してあると認識しており、当該リスクの対応策として、重篤な副作用の起きにくいDR研究を推進すること、十分な非臨床試験により可能な限り安全性を担保すること、充分な損害保険に加入すること、及び被験者が治験に参加する際のインフォームド・コンセントを徹底すること等によって、かかる事態の発生を最小限にすべく対策を講じております。
(9)当社の組織体制について
[小規模組織であることについて]
当社は、2026年3月末現在役員10名及び社員12名の小規模な組織で事業運営を行っており、これには組織の機動力・迅速性・意思決定の早期化等のメリットがある反面、個人の果たす役割が大きくなり、各個人において業務遂行に支障をきたす事故等があった場合には、代替要員の不在などの理由によって、研究開発の進行に遅れが生じるなどの事態が発生する可能性があります。
[人材の流出について]
当社が今後発展していくためには、新薬開発や組織の管理といった各方面において、優秀な人材を確保することが重要な課題となります。当社は優秀な人材を確保育成するために努力をしておりますが、重要な人材が流出した場合、当社の事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。
[研究開発体制について]
当社のビジネスモデルは産学連携で事業は提携先の大学等で実施する研究開発活動の推移に大きく依存してまいりましたが、2019年2月に創業以来初めてとなる自社研究所(湘南研究所)を開設しました。引き続き産学連携も推進してまいりますが、委託研究先の事情により研究開発の進行に影響を与える可能性は低下しております。
当社は過去の一時期、社員10名以下の組織で事業運営をしておりましたが、研究者の新規採用を継続して行い、自社ラボ(湘南研究所)を設置するなど組織体制の安定化を図ってまいりました。研究開発に関するディスカッションではメンバー全員が積極的に参加しており、組織として医薬品開発を推進する体制を今後も改善してまいります。
(10)特定人物への依存について
水島徹は当社の代表取締役会長兼社長・CEOとして経営、再上場を含む資本政策、研究開発活動、事業開発活動、経営管理活動、株主対応活動、及び北京泰徳製薬や中国生物製薬(シノバイオ)との連携の要として極めて重要な役割を果たしております。このため、同氏が心身の障害、死亡、解任、辞任その他の理由によって当社の事業から外れるような事態が生じた場合、当社の事業遂行に極めて重大な支障が生じる可能性があります。
当社は、組織の安定化を図ることを念頭に今後も若手の登用を積極的に行っていきたいと考えております。新規採用した研究者にも将来に亘って権限委譲を進め、組織としての事業活動を行ってまいります。
(11)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、医薬品開発の研究開発投資により、営業損失が継続的に発生していることから継続企業の前提に関する重要事象等が存在しております。しかし、次期の事業活動を遂行するにあたり、創薬事業での収入や北京泰徳製薬からの受取配当金等を見込んでおり、これらに加え充分な手元資金が確保されております。従いまして、次期の事業継続にあたり重要な不確実性は存在していないことから、本報告書において継続企業の前提に関する注記は、前事業年度に引き続き記載しておりません。