有価証券報告書-第19期(2023/04/01-2024/03/31)
30.金融商品
(1) リスク管理に関する事項
当社グループは、営業及び財務活動に伴い、信用リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、市場価格の変動リスク及び流動性リスクに晒されております。デリバティブは、これらのリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。デリバティブ取引の実行及び管理は、各社の経理部門等が行っております。取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引管理規程を制定し、当該規程で定められた基本方針に従って執行・管理を行い、取締役会に報告しております。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当社は、債権保全基準に従い、営業債権について、営業管理部所が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握に努め、信用リスクの軽減を図っております。連結子会社についても、当社の債権保全基準に準じて、同様の管理を行っております。
資金運用は、預入先や債券の発行体の信用リスクに晒されております。資金運用管理方針に従い、格付の高い相手先のみを対象とし、相手先ごとに割り当てられた与信限度内で行い、リスクの集中を最小限にとどめております。
デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されております。カウンターパーティーの信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループは、営業債権等の全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると判断される以下のような事象等が発生した場合は債務不履行とみなし、信用減損している金融資産として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。個別に重要でない金融資産については、リスクの特徴が類似するものごとにグルーピングを行い、全体として減損の評価を行っております。
・取引先の深刻な財政困難
・債権の回収不能や、再三の督促に対しての回収遅延
・取引先が破産やその他財政再建が必要な状態に陥る可能性の増加
(ⅰ) 貸倒引当金の増減分析
貸倒引当金の増減は次のとおりであります。
(ⅱ) 信用リスク・エクスポージャー
営業債権の期日別分析は次のとおりであります。営業債権以外の金融資産については、重要な期日経過はなく、重要な信用リスク・エクスポージャーを有するものはありません。
当社グループは、卸売企業に対する債権の担保として、有価証券等を保有しております。当該担保が貸倒引当金に与える重要な影響はありません。
② 為替変動リスク
グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建ての営業債権債務等は、為替変動リスクに晒されております。
(ⅰ) 為替変動リスクのエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は次のとおりであります。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
(ⅱ) 為替感応度分析
当社グループが各期末日に保有する金融商品において、日本円が米ドル及びユーロに対し1%円高になった場合の税引前利益への影響は次のとおりであります。本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としております。なお、米ドル及びユーロ以外のその他すべての通貨の為替変動に対するエクスポージャーには重要性はありません。
(単位:百万円)
③ 金利変動リスク
変動金利の借入金は金利変動リスクに晒されております。当社グループは、金利変動リスクに対して、金利スワップ取引を利用してヘッジしております。
④ 市場価格の変動リスク
当社グループは、債券や取引先企業等の株式を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されております。当社グループは、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況を把握し、また、株式については保有状況を継続的に見直すことにより管理しております。
また、連結子会社において、当社株式を対象とした現金決済型の株式報酬を設定しており、株価変動リスクに晒されております。
⑤ 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが、期限の到来した金融負債の返済義務を履行できなくなるリスクであります。当社グループは、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで管理しております。また、金融機関とコミットメントライン契約を締結して随時利用可能な融資枠を確保し、流動性リスクに備えております。
主な金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2) 公正価値に関する事項
① 公正価値と帳簿価額の比較
公正価値と帳簿価額の比較は次のとおりであります。なお、下記以外の金融資産及び金融負債の公正価 値は帳簿価額と近似しております。
② 公正価値の測定方法
公正価値の測定方法は次のとおりであります。
(ⅰ) その他の金融資産及びその他の金融負債
活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場価格に基づいております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を用いて測定しております。デリバティブの公正価値は、契約先の金融機関等から提示された価格等に基づき測定しております。
(ⅱ) 社債
社債の公正価値は、市場で観察可能な価格に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。
(ⅲ) 借入金
借入金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映しており、公正価値は帳簿価額と近似しております。また、固定金利によるものは、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて測定する方法によっており、レベル2に分類しております。
上記以外の金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
(3) 公正価値のヒエラルキー
① 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値を、公正価値の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の
3つのレベルに分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における相場価格(無調整)
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接又は間接に観察可能なもの
レベル3:資産又は負債に関する観察可能でないインプット
金融商品のレベル間の振替は、四半期連結会計期間末において認識しております。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2.レベル2に分類した金融商品の公正価値については、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
3.レベル3に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて0.5倍~8.9倍のEBITDA倍率等を用いております。なお、EBITDA倍率等が上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含まれております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2.レベル2に分類した金融商品の公正価値については、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
3.レベル3に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて1.9倍~7.9倍のEBITDA倍率等を用いております。なお、EBITDA倍率等が上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の非流動負債」に含まれております。
② レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(注)上表には、企業結合による条件付対価を含めておりません。条件付対価については「7.企業結合」に記載しております。
(4) デリバティブ及びヘッジ会計
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシ
ュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係に
あることを確認するために、原則として、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接
に合致しているかどうかの定性的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認し
ております。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比
率を設定しております。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、将来予想される外貨建ての営業取引等に係るキャッシュ・フローの変動をヘッジするため為替予約取引を利用しており、ヘッジ会計の要件を満たしている場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブ取引の公正価値の変動のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益にて認識しております。その他の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、非有効部分の発生及び純損益に振り替えた額はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているヘッジ手段の詳細及びヘッジ会計が財政状態及び業績に与える影響は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の増減は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
② ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合を含め、経済的に合理的である場合には、デリバティブ取引を利用しております。
当社グループが利用しているヘッジ手段に指定されていないデリバティブ取引は、為替変動リスクに対するヘッジを目的とした為替予約取引及び借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジを目的とした金利スワップ取引であります。なお、投機目的によるデリバティブは保有しておりません。
③ デリバティブの公正価値
デリバティブの公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(5) 金融資産と金融負債の相殺
同一取引先相手に対して認識した金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(6) 資本管理
当社グループは、株主還元の充実を目指すとともに持続的な成長を実現するため、機動的な投資に備えた手元流動性及び資金調達余力の確保が必要であると認識しております。
そのため、中長期的な手元流動性の推移及び財務の健全性を表す格付並びに適正な資本構成を適宜モニタリングしております。
また、当社グループは、2030年ビジョンの達成に向けて、2025年度のROEを16%以上、DOEを8%以上とすることを目標の1つとしております。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.手元流動性残高には、現金及び現金同等物に加えて、取得日から償還日までの期間が3ヶ月超の債券等を含めております。
2.総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(1) リスク管理に関する事項
当社グループは、営業及び財務活動に伴い、信用リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、市場価格の変動リスク及び流動性リスクに晒されております。デリバティブは、これらのリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。デリバティブ取引の実行及び管理は、各社の経理部門等が行っております。取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引管理規程を制定し、当該規程で定められた基本方針に従って執行・管理を行い、取締役会に報告しております。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当社は、債権保全基準に従い、営業債権について、営業管理部所が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握に努め、信用リスクの軽減を図っております。連結子会社についても、当社の債権保全基準に準じて、同様の管理を行っております。
資金運用は、預入先や債券の発行体の信用リスクに晒されております。資金運用管理方針に従い、格付の高い相手先のみを対象とし、相手先ごとに割り当てられた与信限度内で行い、リスクの集中を最小限にとどめております。
デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されております。カウンターパーティーの信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループは、営業債権等の全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると判断される以下のような事象等が発生した場合は債務不履行とみなし、信用減損している金融資産として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。個別に重要でない金融資産については、リスクの特徴が類似するものごとにグルーピングを行い、全体として減損の評価を行っております。
・取引先の深刻な財政困難
・債権の回収不能や、再三の督促に対しての回収遅延
・取引先が破産やその他財政再建が必要な状態に陥る可能性の増加
(ⅰ) 貸倒引当金の増減分析
貸倒引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
(ⅱ) 信用リスク・エクスポージャー
営業債権の期日別分析は次のとおりであります。営業債権以外の金融資産については、重要な期日経過はなく、重要な信用リスク・エクスポージャーを有するものはありません。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | |
期日経過前 | 265,414 | 313,937 |
期日経過30日以内 | 13,326 | 28,693 |
期日経過30日超60日以内 | 1,492 | 560 |
期日経過60日超90日以内 | 424 | 662 |
期日経過90日超 | 702 | 1,913 |
合計 | 281,360 | 345,765 |
当社グループは、卸売企業に対する債権の担保として、有価証券等を保有しております。当該担保が貸倒引当金に与える重要な影響はありません。
② 為替変動リスク
グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建ての営業債権債務等は、為替変動リスクに晒されております。
(ⅰ) 為替変動リスクのエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は次のとおりであります。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | |
米ドル(千米ドル) | △370,413 | 497,684 |
ユーロ(千ユーロ) | 835,050 | 860,511 |
(ⅱ) 為替感応度分析
当社グループが各期末日に保有する金融商品において、日本円が米ドル及びユーロに対し1%円高になった場合の税引前利益への影響は次のとおりであります。本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としております。なお、米ドル及びユーロ以外のその他すべての通貨の為替変動に対するエクスポージャーには重要性はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | |
米ドル | 494 | △753 |
ユーロ | △1,216 | △1,405 |
③ 金利変動リスク
変動金利の借入金は金利変動リスクに晒されております。当社グループは、金利変動リスクに対して、金利スワップ取引を利用してヘッジしております。
④ 市場価格の変動リスク
当社グループは、債券や取引先企業等の株式を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されております。当社グループは、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況を把握し、また、株式については保有状況を継続的に見直すことにより管理しております。
また、連結子会社において、当社株式を対象とした現金決済型の株式報酬を設定しており、株価変動リスクに晒されております。
⑤ 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが、期限の到来した金融負債の返済義務を履行できなくなるリスクであります。当社グループは、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで管理しております。また、金融機関とコミットメントライン契約を締結して随時利用可能な融資枠を確保し、流動性リスクに備えております。
主な金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
営業債務及びその他の債務 | 319,250 | 319,250 | 319,250 | - | - | - | - | - |
無担保社債 | 119,670 | 135,335 | 20,992 | 907 | 907 | 907 | 907 | 110,713 |
無担保銀行借入金 | 21,000 | 21,007 | 21,007 | - | - | - | - | - |
その他の借入金 | 2,418 | 2,473 | 412 | 412 | 412 | 412 | 412 | 412 |
リース負債 | 49,768 | 53,100 | 11,273 | 8,746 | 6,845 | 5,014 | 3,315 | 17,904 |
デリバティブ負債 | 151 | 153 | 153 | - | - | - | - | - |
合計 | 512,260 | 531,321 | 373,089 | 10,065 | 8,165 | 6,334 | 4,635 | 129,030 |
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円) |
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・ フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
営業債務及びその他の債務 | 417,980 | 417,980 | 417,980 | - | - | - | - | - |
無担保社債 | 99,691 | 114,343 | 907 | 907 | 907 | 907 | 907 | 109,806 |
無担保銀行借入金 | - | - | - | - | - | - | - | - |
その他の借入金 | 2,021 | 2,061 | 412 | 412 | 412 | 412 | 412 | - |
リース負債 | 54,290 | 56,918 | 12,879 | 10,661 | 7,253 | 4,794 | 4,245 | 17,085 |
デリバティブ負債 | 334 | 334 | 334 | - | - | - | - | - |
合計 | 574,318 | 591,639 | 432,514 | 11,981 | 8,572 | 6,113 | 5,564 | 126,891 |
(2) 公正価値に関する事項
① 公正価値と帳簿価額の比較
公正価値と帳簿価額の比較は次のとおりであります。なお、下記以外の金融資産及び金融負債の公正価 値は帳簿価額と近似しております。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | |||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
金融負債 | ||||
社債 | 119,670 | 114,538 | 99,691 | 91,342 |
借入金 | 23,418 | 23,421 | 2,021 | 2,021 |
② 公正価値の測定方法
公正価値の測定方法は次のとおりであります。
(ⅰ) その他の金融資産及びその他の金融負債
活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場価格に基づいております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を用いて測定しております。デリバティブの公正価値は、契約先の金融機関等から提示された価格等に基づき測定しております。
(ⅱ) 社債
社債の公正価値は、市場で観察可能な価格に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。
(ⅲ) 借入金
借入金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映しており、公正価値は帳簿価額と近似しております。また、固定金利によるものは、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて測定する方法によっており、レベル2に分類しております。
上記以外の金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
(3) 公正価値のヒエラルキー
① 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値を、公正価値の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の
3つのレベルに分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における相場価格(無調整)
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接又は間接に観察可能なもの
レベル3:資産又は負債に関する観察可能でないインプット
金融商品のレベル間の振替は、四半期連結会計期間末において認識しております。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
デリバティブ資産 | - | 580 | 512 | 1,092 |
債券 | - | 671 | - | 671 |
その他 | 18,426 | 582 | 728 | 19,737 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
株式 | 57,039 | - | 13,174 | 70,214 |
その他 | - | - | 1,266 | 1,266 |
合計 | 75,466 | 1,833 | 15,681 | 92,981 |
金融負債 | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債: | ||||
デリバティブ負債 | - | 151 | - | 151 |
条件付対価 | - | - | 7,506 | 7,506 |
合計 | - | 151 | 7,506 | 7,657 |
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2.レベル2に分類した金融商品の公正価値については、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
3.レベル3に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて0.5倍~8.9倍のEBITDA倍率等を用いております。なお、EBITDA倍率等が上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含まれております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円) |
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
デリバティブ資産 | - | 261 | 549 | 811 |
債券 | - | 761 | - | 761 |
その他 | 27,802 | 612 | 816 | 29,231 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産: | ||||
株式 | 68,149 | - | 13,499 | 81,649 |
その他 | - | - | 1,433 | 1,433 |
合計 | 95,951 | 1,635 | 16,299 | 113,886 |
金融負債 | ||||
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債: | ||||
デリバティブ負債 | - | 334 | - | 334 |
条件付対価 | - | - | 2,402 | 2,402 |
合計 | - | 334 | 2,402 | 2,736 |
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2.レベル2に分類した金融商品の公正価値については、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
3.レベル3に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて1.9倍~7.9倍のEBITDA倍率等を用いております。なお、EBITDA倍率等が上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の非流動負債」に含まれております。
② レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
期首残高 | 19,340 | 15,681 |
利得又は損失 純損益 その他の包括利益 | △6 △4,951 | 125 △690 |
購入 | 1,459 | 1,214 |
売却・決済 | △160 | △31 |
その他 | - | - |
期末残高 | 15,681 | 16,299 |
(注)上表には、企業結合による条件付対価を含めておりません。条件付対価については「7.企業結合」に記載しております。
(4) デリバティブ及びヘッジ会計
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシ
ュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係に
あることを確認するために、原則として、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接
に合致しているかどうかの定性的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認し
ております。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比
率を設定しております。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、将来予想される外貨建ての営業取引等に係るキャッシュ・フローの変動をヘッジするため為替予約取引を利用しており、ヘッジ会計の要件を満たしている場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブ取引の公正価値の変動のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益にて認識しております。その他の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、非有効部分の発生及び純損益に振り替えた額はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているヘッジ手段の詳細及びヘッジ会計が財政状態及び業績に与える影響は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
ヘッジ対象リスク ヘッジ手段 | 契約額 | うち 1年超 | 平均レート | 帳簿価額 (単位:百万円) | 連結財政状態計算書上の 表示科目 | |
資産 | 負債 | |||||
為替変動リスク 為替予約 | 180百万 スイスフラン | - | 142.79 円/スイスフラン | 580 | - | その他の金融資産(流動) |
当連結会計年度(2024年3月31日)
ヘッジ対象リスク ヘッジ手段 | 契約額 | うち 1年超 | 平均レート | 帳簿価額 (単位:百万円) | 連結財政状態計算書上の 表示科目 | |
資産 | 負債 | |||||
為替変動リスク 為替予約 | 245百万 スイスフラン | - | 168.75 円/スイスフラン | - | 334 | その他の金融負債(流動) |
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の増減は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ対象リスク | 期首残高 | 当期発生額 | 非金融資産等への振替額 | 純損益への 振替額 | 税効果額 | 期末残高 |
為替変動リスク | - | 580 | - | - | △177 | 403 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ対象リスク | 期首残高 | 当期発生額 | 非金融資産等への振替額 | 純損益への 振替額 | 税効果額 | 期末残高 |
為替変動リスク | 403 | 832 | △1,746 | - | 278 | △232 |
② ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合を含め、経済的に合理的である場合には、デリバティブ取引を利用しております。
当社グループが利用しているヘッジ手段に指定されていないデリバティブ取引は、為替変動リスクに対するヘッジを目的とした為替予約取引及び借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジを目的とした金利スワップ取引であります。なお、投機目的によるデリバティブは保有しておりません。
③ デリバティブの公正価値
デリバティブの公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | |
デリバティブ資産 | ||
通貨関連 | 580 | 261 |
その他 | 512 | 549 |
合計 | 1,092 | 811 |
デリバティブ負債 | ||
金利関連 | 80 | - |
通貨関連 | 71 | 334 |
合計 | 151 | 334 |
(5) 金融資産と金融負債の相殺
同一取引先相手に対して認識した金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円) |
金融資産 | 取引の種類 | 認識済の金融 資産の総額 | 連結財政状態計算書上で相殺される認識済の金融負債の総額 | 連結財政状態計算書上に表示されている金融資産の純額 |
現金及び現金同等物 | ノーショナル プーリング | 99,822 | 85,723 | 14,099 |
(単位:百万円) |
金融負債 | 取引の種類 | 認識済の金融 負債の総額 | 連結財政状態計算書上で相殺される認識済の金融資産の総額 | 連結財政状態計算書上に表示されている金融負債の純額 |
社債及び借入金 | ノーショナル プーリング | 85,723 | 85,723 | - |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円) |
金融資産 | 取引の種類 | 認識済の金融 資産の総額 | 連結財政状態計算書上で相殺される認識済の金融負債の総額 | 連結財政状態計算書上に表示されている金融資産の純額 |
現金及び現金同等物 | ノーショナル プーリング | 63,546 | 49,273 | 14,273 |
(単位:百万円) |
金融負債 | 取引の種類 | 認識済の金融 負債の総額 | 連結財政状態計算書上で相殺される認識済の金融資産の総額 | 連結財政状態計算書上に表示されている金融負債の純額 |
社債及び借入金 | ノーショナル プーリング | 49,273 | 49,273 | - |
(6) 資本管理
当社グループは、株主還元の充実を目指すとともに持続的な成長を実現するため、機動的な投資に備えた手元流動性及び資金調達余力の確保が必要であると認識しております。
そのため、中長期的な手元流動性の推移及び財務の健全性を表す格付並びに適正な資本構成を適宜モニタリングしております。
また、当社グループは、2030年ビジョンの達成に向けて、2025年度のROEを16%以上、DOEを8%以上とすることを目標の1つとしております。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | |
手元流動性残高(注)1 | 824,370 | 1,223,640 |
社債及び借入金残高 | 143,089 | 101,713 |
ネット・キャッシュ(差引) | 681,281 | 1,121,926 |
総還元性向(注)2 | 52.7% | 47.8% |
(注)1.手元流動性残高には、現金及び現金同等物に加えて、取得日から償還日までの期間が3ヶ月超の債券等を含めております。
2.総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。