訂正有価証券報告書-第10期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2017/06/07 9:21
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【項目】
70項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであり、既知もしくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可能性があります。
(1) サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.とランバクシー・ラボラトリーズLtd.の合併に関するリ
スク
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領することについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められる可能性があります。
(2) 災害等の発生による事業活動に関するリスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊もしくは事業活動の停滞等の損害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、2011年3月に発生した東日本大震災での経験を踏まえ、有事の際に速やかな業務復旧を図り、医療体制維持のため医薬品の品質確保と安定供給に努めるべく、事業継続計画(BCP)を刷新いたしました。新BCPにおいては、主力品を中心とした事業継続の観点及び緊急性のある薬剤や代替品のない薬剤といった社会的意義のある薬剤供給の速やかな実現という観点から、優先すべき品目の見直しを行いました。
また、サプライチェーンにおいては、東日本大震災時の復旧期間を参考にしつつ、地震の発生確率を加味した復旧期間のリスク評価を行い、予防策、支援策、代替策等を適宜更新しております。
(3) 製造・仕入れに関するリスク
製品の一部は当社グループの工場において独自の技術により製造しており、また、商品及び原材料の一部には特定の取引先にその供給を依存している品目があります。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。医薬品は医薬品医療機器法の規制の下で製造しておりますが、品質問題の発生により製品回収等を行うことになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(4) 金融市況及び為替変動に関するリスク
株式市況の低迷により保有する株式の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(5) 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要でありますが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更により承認が得られなくなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約条件の変更・解消等が起こった場合、研究開発の成否に悪影響を及ぼすことがあります。
北里第一三共ワクチン㈱は、2011年に厚生労働省の「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業(第2次事業)」の「細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業」の事業者に採択され、2014年3月末までに、6ヶ月以内に4,000万人分のワクチン供給体制を構築する計画でありましたが、ワクチン抗原の精製過程における収率低下等の要因により、本供給体制を確立できない状況にあります。その後の生産工程の見直しによる収率向上及び早期の供給体制確立により、2016年6月までに安定供給できる見込みであります。
(6) 副作用発現や他社競合等製品販売に関するリスク
予期していなかった副作用の発現、同領域の他社製品との競合や特許切れによる後発品の参入等は、売上を減少させる要因となり、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。販売及び技術導出入契約の満了、契約条件の変更・解消等が起こった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。さらに先進諸国における後発品拡大の影響により、仮に製品として発売されても、研究開発投資に見合う売上・利益を確保できない可能性があります。
(7) 法規制、医療費抑制策等行政動向に関するリスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。また、海外においても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受けることがあります。
第一三共Inc.は、主力品のプロモーション活動の一環として行った医師講演施策に関し、米国司法省より調査を受け、同省及びその他政府機関との間で和解に至りました。本和解に基づき、第一三共Inc.は約39百万米ドルの和解金を支払うと共に、保健福祉省監察総監室との間で、法令順守に関する協定(Corporate Integrity Agreement)を締結しました。当社グループは、世界各国において今後とも一層厳しく法令順守の徹底に努めて参ります。
(8) 知的財産に関するリスク
当社グループの事業活動が他者の特許等知的財産権に抵触する場合、事業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの特許等知的財産権を侵害すると考えられる場合は、その保護のため訴訟を提起する場合があり、それらの動向は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。とくに先進諸国での後発品拡大を背景に、訴訟提起を含め、当社グループの知的財産に関するリスクが一層増大する可能性があります。
(9) 環境問題に関するリスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質のなかには、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれております。当社では医薬品等の管理には万全を期しておりますが、万一、当社グループが、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等に関し環境に深刻な影響を与えていると判断された場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(10) 訴訟に関するリスク
公正取引に関する事案の他、事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題等に関し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあります。
(11) その他のリスク
上記のほか、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすことがあるリスクとしては、ネットワークウイルス等によるコンピュータシステムの休止、機密情報の漏洩や役職員の不正、株価や金利の変動、資金調達のリスク等が考えられます。